JP3526000B2 - 窒素酸化物センサ - Google Patents

窒素酸化物センサ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
やボイラーなどから出る燃焼排気ガス中に含まれる全窒
素酸化物(NOx )濃度、すなわち一酸化窒素(NO)
濃度と二酸化窒素(NO2 )濃度との和を直接検知する
ことができる窒素酸化物センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
のエンジンやボイラーなどから発生する燃焼排気ガス中
に含まれるNOx の低減のために、NOx センサを用い
たNOx 濃度モニタ及びその結果に基づく燃焼機器の燃
焼状態の制御,触媒浄化装置の制御等が検討されてい
る。NOxを有効に検知するために、高温の燃焼排気ガ
ス中でも安定して作動する小型の窒素酸化物センサの開
発が望まれている。排気ガス中のNOx はNOとNO2
とからなるが、NOが7割以上を占めるため、NO2
りもNOに対する感度の高いセンサが好ましい。また、
排気規制はNOとNO2 との和であるNOx が対象とな
るので、NOに対する感度とNO2 に対する感度とが同
じで、両者を区別せずにNOx として直接検知すること
ができるセンサがあれば更に好ましい。
【0003】これまでNOx センサとしては、酸化物半
導体を用いた抵抗変化式、固体電解質を用いた電流式及
び起電力式の種々のセンサが提案され又は文献に開示さ
れているが、NO/NO2 比が任意に変わる条件下でN
OとNO2 とを区別せずにNOx として直接検知するこ
とができる実用レベルのNOx センサは無い。以下各N
x センサについて、検出原理と実用上の問題とを述べ
る。
【0004】抵抗変化式の窒素酸化物センサは、半導体
表面にNOx が吸着した場合に前記半導体の電気抵抗が
変化することを利用したセンサである。しかし、抵抗変
化式の窒素酸化物センサは還元性ガスに対しても感度を
有するため、ガス選択性に乏しい。また、600℃を越
える高温では半導体表面へのガス吸着が起こりにくいた
め、抵抗変化式の窒素酸化物センサでは高温で充分な感
度が得られない。更に、NOx のうちNOに対する感度
が小さくNO2 に対する感度が大きいため、全NOx
度を検知するために使用することはできない。
【0005】電流式の窒素酸化物センサはジルコニアの
ような酸化物イオン導電体を用い、NOx を電気化学的
に分解し、電解質中をO2-として流れる電流値からNO
x 量を検知する。しかし、排気ガス中に共存するO2
2-として電解質中を流れるので、NOx とO2 とを分
離して検知することが困難である。その解決法として、
2セル式のNOx センサが提案されている(特開平8−
271476号公報)。2セル式のNOx センサにおい
ては、第一セルでO2 の分離とNO2 からNOへの変換
を行い、第二セルでNOを分解する際に流れる電流の値
からNOを検知する。それ故、原理的にはNOx とO2
とを分離して検知すること及び全NOx濃度(=NO濃
度+NO2 濃度)を検知することが可能であるが、前記
電流の値がガス温度に比例するので、数百ppm以下の
NOx を検知しようとする場合、電流出力が極めて微小
になるという欠点がある。
【0006】起電力式の窒素酸化物センサは、固体電解
質を隔壁とした電気化学セル間に発生する起電力からN
x を検知する方式のセンサである。この方式では、電
極の一方に硝酸塩又は亜硝酸塩を塗布した固体素子型の
センサ素子を備えた窒素酸化物センサが主に検討され、
多数公開されている(特開昭61−184450号公
報)。この方式のセンサは数百ppm以下の低濃度のN
x に対しても数十〜数百mV以上の大きい起電力変化
を示し、その起電力がネルンストの式に一致するという
利点がある。しかし、これらのセンサ素子は構成要素と
して水溶性且つ低融点の硝酸塩又は亜硝酸塩を含むた
め、その融点によって動作温度が制限される。すなわ
ち、硝酸塩及び亜硝酸塩の中で最も融点が高いBa(N
3 2 でも融点が592℃のため、前記窒素酸化物セ
ンサは、600℃以上の高温では使用不可能である。
【0007】起電力式の窒素酸化物センサにおける前記
問題を解決するために、電極の一方に各種酸化物を用い
る方式が提案されている。これらのセンサの特性は酸化
物材料に大きく依存することが知られており、良好な特
性を示す電極材料としてK2NiF4 型及びペロブスカ
イト型酸化物(特開平7−198671号公報)、VIIa
族又はVIIIa 族元素を含む酸化物(特開平8−2479
92号公報)等が開示されている。これらの酸化物電極
は、融点や分解温度が硝酸塩より高いため耐熱性は優れ
ている。しかし、NOx 検知機構が混成電位機構に基づ
くため、NOとNO2 に対して起電力の変化方向が原理
的に逆向きになる。燃焼排気ガス中のNOx はNOを主
成分として一部NO2 を含み、NOとNO2 の混合状態
となっている。そのためNOとNO2 に対する起電力の
変化方向が逆向きのセンサを排気ガス中で用いると、起
電力の出力が互いに打ち消されて正確なNOx 濃度の測
定ができなくなる。
【0008】前記の型のセンサにおいて、酸化物電極を
スピネル型酸化物とすることでNO2 選択性を高める方
法(特開平9−80014号公報)も開示されている
が、NOに対する起電力変化がNO2 に対する起電力変
化と逆向きであることに変わりはなく、例えばNOがN
2 に対して大過剰になるエンジン排気ガス中の使用で
も、依然として起電力の出力が互いに打ち消される可能
性がある。従って、酸化物電極をスピネル型酸化物とし
たセンサを用いても、排気ガス中の使用で求められるN
O,NO2 の独立測定や全NOx 濃度の測定は不可能で
ある。
【0009】以上述べた通り、従来の窒素酸化物センサ
は、高温の燃焼排気ガス中で使用できない、数百p
pm以下の低濃度のNOx を検知できない、全NOx
濃度(=NO濃度+NO2 濃度)を検知することができ
ない、のうちの少なくとも一つ以上の欠点を有してい
る。
【0010】本発明は前記従来技術の問題点を解決する
ためのものであり、その目的とするところは、高温の燃
焼排気ガス中でも使用可能な安定性を有し、数百ppm
以下の低濃度のNOx を測定可能であり、且つNOとN
2 が共存する被検ガス雰囲気中においても全NOx
度を測定可能な窒素酸化物センサを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の窒素
酸化物センサは、二つで一対となる電極が表面に形成さ
れた酸化物イオン導電性固体電解質からなるセンサ素子
と、対をなす二つの電極間に電流を印加可能な電流源と
から構成され、前記二つの電極のうちの少なくとも一方
の電極が次式(I): MTiO3 (I) 〔式中、MはFe,Co,Ni,Cr及びMnを表わ
す〕で表わされる組成の好ましくはイルメナイト型構造
の酸化物であり、前記電極間に電流を印加した時の電極
間の電圧から被検ガス中の全窒素酸化物濃度を検出する
ことを特徴とする。
【0012】<作動原理>本発明のセンサにおいて電極
間に電流を印加しない状態では、酸化物電極を有する固
体電解質セルの電極間の起電力からNOx を検知する窒
素酸化物センサ(例えば、特開平7−198671号公
報,特開平9−80014号公報記載の窒素酸化物セン
サ)と同様に、酸化物電極上でNO2 に対して以下の
(1),(2)の反応が起こっていると考えられる。 NO2 +2e- →NO+O2- (1) O2-→1/2O2 +2e- (2) また、NOに対しては以下の(3),(4)の反応が起
こっていると考えられる。 1/2O2 +2e- →O2- (3) NO+O2-→NO2 +2e- (4) すなわち、NO2 に対してはNO2 がNOに還元される
反応(1)が、また、NOに対してはNOがNO2 に酸
化される反応(4)が起こる。したがって、電極間に電
流を印加せずに、電極間に発生する起電力からNOx
検知しようとすると、原理的にNOとNO2 とで起電力
の変化方向が逆になり、NOとNO2 との総和を直接検
知することができない。
【0013】本発明の窒素酸化物センサにおいては、電
流源を用いてMTiO3 電極(酸化物電極)が+となる
ように電極間に電流を印加する(すなわち、酸化物電極
をアノード分極する)。この電流印加の極性は、前記従
来の文献に多数開示されている電流式NOx センサと逆
である。このように電流を印加(アノード分極)する
と、O2 が存在する雰囲気ではMTiO3 電極側では
(2)の反応が、もう一方の電極(例えば、貴金属電
極)では(3)の反応が起こり、固体電解質中を酸化物
イオン(O2-)が貴金属電極側から酸化物電極側へ流れ
る。雰囲気にNOとNO2 とが共存する場合、このO2-
の流れにより(1)の反応が抑制され、(4)の反応が
促進される。更に電流値を上げると、MTiO3 電極で
は電極触媒反応により、次式(5): NO2 +O2-→NO+1/2O2 +2e- (5) で表わされるNO2 の酸化的分解反応が起こるようにな
る。そのためNOとNO2 共に検知反応は酸化反応とな
り、電圧の変化方向を同一にすることができる。本発明
の窒素酸化物センサにおいて、印加電流を適当に選ぶと
NOに対する感度とNO2 に対する感度とを同一にする
ことができるので、その電流値を印加した場合の電圧変
化をセンサ出力とすれば、NOとNO2 とを区別せずに
NOx として検知することが可能となる。NOに対する
感度とNO2 に対する感度とを同一にすることができる
印加電流の値は、電極として用いるMTiO3 の種類と
センサ温度に依存する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の窒素酸化物センサにおい
て、センサ素子の固体電解質材料としては酸化物イオン
導電性を示すものを使用することができる。具体的に
は、例えばジルコニウム系固体電解質(ZrO2 −M2
3 固溶体又はZrO2 −MO固溶体、M=Y,Yb,
Gd,Ca,Mgなど)、セリア系固体電解質(CeO
2 −M23 固溶体又はCeO2 −MO固溶体、M=
Y,Smなど)、酸化ビスマス系固体電解質(Bi2
3 −WO3 固溶体など)を使用することができる。排気
ガス中での安定性の観点から、ジルコニウム系固体電解
質が好ましく、特に熱衝撃抵抗と酸化物イオン導電率と
の兼ね合いで、5〜8mol%のY2 3 を固溶させた
ZrO2 が最も好ましい。
【0015】本発明の窒素酸化物センサにおいて、二つ
の電極のうちの少なくとも一方の電極の材料としては、
MTiO3〔式中、MはFe,Co,Ni,Cr及びM
nを表わす〕で表わされる組成の好ましくはイルメナイ
ト型構造の酸化物を用いる。前記酸化物からなる電極
は、アノード分極時にNO,NO2の電極反応〔上記
(4),(5)の反応〕の活性が高く且つ排気ガス中で
の安定性が高い。もう一方の電極の材料は特に限定され
るものではないが、O2の電極反応〔上記(2),
(3)の反応〕の活性が著しく高いものが好ましく、例
えば、LaMO3〔M=Co,Mn,Cr〕系の電子導
電性酸化物やPt,Pd等の貴金属材料を利用すること
ができる。特に高温での耐久性を考えると、もう一方の
電極の材料としては、Pt,Pd及びそれらを主成分と
する合金が最も適している。
【0016】本発明の窒素酸化物センサにおけるセンサ
素子及び電極は、この分野における慣用の方法を用いて
製造してよく、例えば、焼成法,印刷法,スパッタ法,
CVD法などの既存の方法を全て用いることができる。
センサ素子及び電極の大きさや形状は、窒素酸化物セン
サの大きさや形状に応じて適宜選択する。また、本セン
サ素子をO2 ポンプセルと組み合わせて2セル型の構造
としてもよい。この場合、O2 ポンプセルはNOx 検知
部の雰囲気を一定のO2 濃度にするために用いられ、N
x の検出精度の向上に寄与する。
【0017】本発明の窒素酸化物センサにおける電流源
としては、好適な直流電流電源を選択する。また、前記
電流源を制御・管理したり、又はセンサ素子からの信号
を処理するために、パーソナルコンピューターなどの装
置を使用することができる。
【0018】本発明の窒素酸化物センサにおけるセンサ
素子を他の機能を有するセンサ素子、例えば酸素センサ
素子と組み合わせて使用することもできる。機能を異に
する複数のセンサ素子において、その構成要素、例えば
酸化物イオン導電性固体電解質を共有することができる
場合には、一つの酸化物イオン導電性固体電解質上に本
発明の窒素酸化物センサ素子を含む複数のセンサ素子を
形成して複合型センサを構成してもよい。
【0019】
【実施例】以下の実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。実施例1 図1は本発明の実施例1の窒素酸化物センサの概略構成
図である。固体電解質1は酸化物イオン導電体であり、
特に安定性の点でイットリア,カルシア,マグネシア等
で安定化したジルコニアが好ましい。本実施例では6m
ol%イットリアで安定化したジルコニアを用いた。丸
板状の固体電解質1の対向する面には酸化物電極2及び
貴金属電極3が設けられている。酸化物電極2及び貴金
属電極3はそれぞれNiTiO3 及びPtで形成されて
いる。酸化物電極2(NiTiO3 電極)は市販のNi
TiO3 粉末をテルピネオールに懸濁し、この懸濁液を
固体電解質上に塗布,乾燥後、大気中で1000℃で1
時間の熱処理を行い焼き付けて形成した。貴金属電極3
(Pt電極)はスパック法により形成した。それぞれの
電極には集電用のPtメッシュ4,5を被せ、Ptリー
ド線6,7を取り付け、定電流源8及び電圧計9に接続
した。被検ガス中のNOx の測定に際しては、本センサ
のセンサ素子部を650℃に加熱し、貴金属電極3側に
空気を、酸化物電極2側にNOx を含む被検ガスを各々
1リットル/分の流速で流した。図2に、酸化物電極2
側を+とし、被検ガスを5%O2 −N2 ,500ppm
NO−5%O2 −N2 ,500ppmNO2 −5%O2
−N2 とした時の電流(I)−電圧(V)特性を示す。
図2を見ると、電圧がある値以上になると、NO又はN
2 が共存した場合の方がO2 −N2 のみの場合よりも
電流値が大きくなっていることが判る。また、500p
pmNO−5%O2 −N2 ,500ppmNO2 −5%
2 −N2 に対するI−V曲線が交わるところがある
(図2のA点)。すなわち、A点に相当する電流値(約
0.5μA)を印加した場合の電圧変化をセンサ出力と
すればNOとNO2 とに同一の感度を持たせることがで
きる。図3に、同一の素子を用いて0.5μAの定電流
を印加し、それぞれNO,NO2 (500ppm導入)
に対する電圧変化を測定した結果を示す。NO,NO2
の何れの変化に対しても電圧は減少する方向に変化して
おり、それらの値は完全に一致はしないものの同程度で
あることがあることが判る。したがって、NOとNO2
とを区別せずにNOx として同時に検知することができ
る。
【0020】実施例2 電極2をFeTiO3 で形成すること以外は実施例1と
同様の方法により、実施例2の窒素酸化物センサを作製
した。FeTiO3 は市販のFe2 3 粉末とTiO2
粉末とをFe/Ti比が1となるように混合し、120
0℃で10時間焼成することにより合成した。本センサ
のセンサ素子部を実施例1と同様に650℃に加熱し、
貴金属電極3(Pt電極)側に空気を、酸化物電極2
(FeTiO3 電極)側にNOx を含む被検ガスを各々
1リットル/分の流速で流した。図4に、2μAの定電
流を印加した時のNO濃度変化及びNO2 濃度変化に対
する電圧出力の変化を示す。本実施例の印加電流は実施
例1と同様に特性の測定結果に基づいて選定した。NO
濃度変化,NO2 濃度変化に対応した電圧変化が認めら
れ、FeTiO3 電極の場合にもNOとNO2 とをほぼ
同一感度で検知できることが判る。
【0021】実施例3 電極2をCoTiO3 で形成すること以外は実施例1と
同様の方法により、実施例3の窒素酸化物センサを作製
した。CoTiO3 は市販のCoTiO3 粉末を用い
た。本センサのセンサ素子部を実施例1と同様に650
℃に加熱し、貴金属電極3(Pt電極)側に空気を、酸
化物電極2(CoTiO3 電極)側にNOx を含む被検
ガスを各々1リットル/分の流速で流した。図5にはN
2 共存時のNO濃度変化に対する電圧の出力変化を、
また図6にはNO共存時のNO2 濃度変化に対する電圧
変化を示す。印加電流は前述の方法と同じくI−V特性
から選定し、共に5μAである。CoTiO3 電極では
特に出力が大きくなっていること、及びNOとNO2
が共存する場合でもNO濃度変化,NO2 濃度変化に対
応した電圧変化を示していることが判る。図5,図6の
結果から、全NOx (=NO+NO2 )と電圧変化との
関係をプロットした結果を図7に示す。NO,NO2
何れがが変化しても、NOx 濃度変化として検知できる
ことが判る。
【0022】MTiO3で表わされる組成のイルメナイ
ト型構造の酸化物として、実施例1ではNiTiO
3を、実施例2ではFeTiO3を、実施例3ではCoT
iO3を各々使用したが、MTiO3で表わされる組成の
好ましくはイルメナイト型構造の酸化物としてCrTi
3やMnTiO3を使用しても、実施例1〜3と同様に
優れた性質を有する本発明の窒素酸化物センサを得るこ
とができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒素酸化
物センサは、印加電流を適切な値に選定することにより
NO及びNO2 に対する電圧出力の変化の方向と大きさ
を同一にすることができる。したがって、燃焼排気ガス
のようにNOとNO2 とが共存し且つその濃度比が任意
に変わる雰囲気でも、両者を区別せずに全NOx 濃度
(NO濃度とNO2 濃度との和)を検知することができ
る。また、本センサの出力は従来の電流式のNOx セン
サよりも遥かに大きく、排気規制の対象である全NOx
を簡便に高感度で検知することができるため、燃焼排気
ガス浄化触媒の状態監視,劣化検知や燃焼制御に大きな
威力を発揮する。更に、本発明のセンサは熱的及び化学
的に安定な材料から構成されているので燃焼排気ガス中
での安定性に優れており、また700℃近い高温でも使
用できるため、排気管などの高温排ガス雰囲気中に直接
挿入することが可能であり、小型化や軽量化も容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒素酸化物センサの概略構成図であ
る。
【図2】酸化物電極をNiTiO3 電極とした場合の本
センサのI−V特性を示す図である。
【図3】NiTiO3 電極の本センサのNOx 検知特性
を示す図である。
【図4】FeTiO3 電極の本センサのNOx 検知特性
を示す図である。
【図5】CoTiO3 電極の本センサのNO2 共存時の
NO検知特性を示す図である。
【図6】CoTiO3 電極の本センサのNO共存時のN
2 検知特性を示す図である。
【図7】CoTiO3 電極の本センサの電圧出力のNO
x 濃度依存性を示す図である。
【符号の説明】
1:固体電解質 2:酸化物電
極 3:貴金属電極 4,5:Pt
メッシュ 6,7:Ptリード線 8:定電流電
源 9:電圧計
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−142369(JP,A) 特開 平9−80019(JP,A) 特開 平8−247992(JP,A) 特開 平10−239276(JP,A) 特開 平11−223617(JP,A) 特開 平9−80014(JP,A) 特開 平7−209249(JP,A) 特開 平7−234203(JP,A) 国際公開98/012550(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/409 G01N 27/416

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つで一対となる電極が表面に形成され
    た酸化物イオン導電性固体電解質からなるセンサ素子
    と、対をなす二つの電極間に電流を印加可能な電流源と
    から構成され、 前記二つの電極のうちの少なくとも一方の電極が次式
    (I): MTiO3 (I) 〔式中、MはFe,Co,Ni,Cr及びMnを表わ
    す〕で表わされる組成の酸化物であり、 前記電極間に電流を印加した時の電極間の電圧から被検
    ガス中の全窒素酸化物濃度を検出することを特徴とする
    窒素酸化物センサ。
  2. 【請求項2】 二つで一対となる電極が表面に形成され
    た酸化物イオン導電性固体電解質からなるセンサ素子
    と、対をなす二つの電極間に電流を印加可能な電流源と
    から構成され、 前記二つの電極のうちの少なくとも一方の電極が次式
    (I): MTiO3 (I) 〔式中、MはFe,Co,Ni及びMnを表わす〕で表
    わされる組成のイルメナイト型構造の酸化物であり、 前記電極間に電流を印加した時の電極間の電圧から被検
    ガス中の全窒素酸化物濃度を検出することを特徴とする
    窒素酸化物センサ。
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