JP3086211B2 - 窒素酸化物センサ - Google Patents

窒素酸化物センサ

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JP3086211B2
JP3086211B2 JP10316091A JP31609198A JP3086211B2 JP 3086211 B2 JP3086211 B2 JP 3086211B2 JP 10316091 A JP10316091 A JP 10316091A JP 31609198 A JP31609198 A JP 31609198A JP 3086211 B2 JP3086211 B2 JP 3086211B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物濃度を
検出する窒素酸化物検出センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは起電力型のNOxセンサを
提案し、特開平6−194605号公報、特開平6−2
16698号公報、特開平6−216699号公報とし
て特許出願した。しかしながら、これらの構成では、N
OまたはNO2ガスの単組成ガスに対する感度は良好で
あるが、NOまたはNO2ガスが相互干渉する場合や、
還元性ガスによる干渉を受ける問題があった。さらに本
発明者らは、還元性ガスによる干渉を受けない構成につ
いて提案した(特願平8−85419号公報)。このセ
ンサ構成は、固体電解質体に酸素を汲み込むあるいは吐
き出すための酸素ポンプとNOx検知極を形成し、酸素
ポンプにより缶室内の酸素濃度を制御することで、還元
性ガスを酸化させると同時に窒素酸化物ガスのガス平衡
バランスを制御し、NOガスあるいはNO2ガスが安定
して存在する酸素濃度とすることにより、NOガスある
いはNO2ガスへの変換を行い、NOガスとNO2ガスの
干渉を抑えようとするものであった。
【0003】しかしながら、酸素ポンプを駆動すること
により缶室内の酸素濃度は変動し、NOx検知極が酸素
濃度に応じて出力変化を伴う場合には精度良くNOxガ
ス濃度を検出することは困難であった。また、回路設計
上、NOx検知極における出力と酸素極における出力と
の差からNOx濃度を算出して検知する方式も考えられ
る。しかしながら、この方式においては酸素極がNOx
に対して全く不感であることが要求され、やはり高精度
のNOx検知は困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸素ポンプ
駆動により缶室内の酸素濃度が変動した場合において
も、高精度でNOx濃度を検知出できるセンサを構成す
ることで、前述の不具合を解消させることを解決すべき
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による窒素酸化物
センサは、イオン導電性の固体電解質体を用い少なくと
も一対の電極を設け、該電極を酸素ガスを電気化学的に
汲み込むあるいは吐き出すことにより、検知対象雰囲気
中のNOxガスをNO2あるいはNOの単組成ガスに変換
する酸素ポンプ部と、NOxガスを検知する検知極とそ
の参照極を設けたNOxガス検知部とし、具備した加熱
機構で所定の温度範囲に加熱された環境下において、検
知極とその参照極との間の電位差によりNOxガス濃度
を検知するセンサ構成であって、当該酸素ポンプ部の一
方の電極が配置された検知対象ガスに連通する缶室内に
当該NOxガス検知部の検知極とその参照極が対をなし
て配置され、当該検知極とその参照極との間の電位差に
よりNOxガス濃度を検知することにより課題を解決す
るものである。また、酸素極を検知極の参照極として第
2の参照極との間の電位差により酸素濃度を検知し、缶
室内の酸素濃度を制御することによりさらに高精度でN
Oxガス濃度を検知して課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】図1に本発明による窒素酸化物セ
ンサの一例を示す。以下、この構成を例に詳述する。固
体電解質体1および2は安定化ジルコニア、部分安定化
ジルコニアをはじめとする各種固体電解質体であって、
安定化剤およびその添加量に関わらず酸素イオン導電性
の材料であれば使用できる。酸素ポンプ部3を構成する
固体電解質体1は板状に成形され、その両面にNOx変
換電極3aとポンプ電極3bを有し、両極3a、3bに
所定の電圧を印加して酸素ポンプとして動作させる。N
Ox変換電極3aを正極、ポンプ電極3bを負極として
電圧を印加すると、大気ダクト19aから缶室18内に
酸素を汲み込むように駆動される。
【0007】当該電極3a、3bは、電極材料のペース
トをスクリーン印刷などの成膜方法で形成した後所定の
温度で焼成することにより得られる。より好ましくはス
パッタ成膜などにより微細で且つポンプ作用に関与する
活性点を多くした電極であることが好ましい。
【0008】NOxガス検知部は、固体電解質体2、検
知極4および参照極7から構成されている。少なくとも
検知極4は、酸素ポンプ部の電極3aが形成された缶室
18内に形成される。参照極7は、検知極4の近傍で缶
室18内に配置されている。検知極4および参照極7は
酸素ポンプ部を構成した固体電解質1に形成しても差し
支えない。検知極4は、NOxガスに対して活性を持つ
電極材料あるいは形態であれば特に制限はなく、電極材
料のペーストをスクリーン印刷などの成膜方法で形成し
た後所定の温度で焼成することにより得られる。より好
ましくはスパッタ成膜などにより微細で且つNOxガス
応答に関与する活性点を多くした電極であることが好ま
しい。参照極7は、酸素に対して活性を持つ電極材料あ
るいは形態であれば特に制限はなく、電極材料のペース
トをスクリーン印刷などの成膜方法で形成した後所定の
温度で焼成することにより得られる。ジルコニアグリー
ンシート上に参照極7をスクリーン印刷により形成して
一体焼成する場合において、参照極7の電極材料はジル
コニアグリーンシートの焼成温度、例えば1300〜1
500℃で溶融あるいは蒸発することなく形成できる材
料系でなければならない。また、参照極7はNOxガス
に対する感度が小さいほど高精度にNOx検知すること
ができる。これらの点から参照極7の材料としては白金
が好ましい。参照極7は酸素検知極としても用いられ
る。
【0009】缶室内の酸素濃度が0.01〜10%であ
れば精度良くNOxガス濃度を検出できるが、自動車の
ように燃焼状態すなわちA/Fにより排ガス雰囲気中に
存在する酸素濃度が広範に変動する部位でNOxガス濃
度を検出する場合には、缶室18内の酸素濃度を0.0
1〜10%の範囲内で制御するための補助酸素ポンプ部
8を動作することがより好ましい。当該補助酸素ポンプ
部8は少なくとも固体電解質体1あるいは検知極4が形
成された固体電解質2のいずれかに構成されておればよ
く、板状に成形された少なくとも固体電解質体1あるい
は固体電解質2の一方のうち、缶室18内に配置される
電極8aと缶室外に配置された電極8bを有し、両極8
a、8bに電圧を印加して酸素ポンプとして動作させ
る。すなわち缶室18内の酸素濃度が所定の濃度範囲よ
りも低い場合には、缶室外電極8bから酸素を汲み込む
ように酸素ポンプさせる。それとは逆に缶室18内の酸
素濃度が所定の濃度範囲よりも高い場合には、缶室18
内の電極8aから酸素を吐き出すように酸素ポンプを動
作させる。当該電極8a、8bは、電極材料のペースト
をスクリーン印刷などの成膜方法で形成した後所定の温
度で焼成することにより得られる。
【0010】より好ましくは、スパッタ成膜などにより
微細で且つポンプ作用に関与する活性点を多くした電極
であることが好ましい。缶室18内に配置される電極8
aは、NOxガスの変換に全く関与しないことが好まし
いが、NOx変換電極3aに比べて極めてNOxガス変換
性能の低い電極あるいは駆動条件であれば十分使用可能
である。缶室18内の酸素濃度は、参照極7を酸素濃度
検知極(酸素極)とし、固体電解質体1あるいは固体電
解質2のいずれかに形成された第2の参照極5との間の
電位差を測定することにより検出できる。第2の参照極
5は、電極材料のペーストをスクリーン印刷などの成膜
方法で形成した後所定の温度で焼成することにより得ら
れる。第2の参照極5は基準雰囲気となる大気に連通し
た大気ダクト部19bに設ける。
【0011】炭化水素系ガスおよびCOガスなどの還元
性妨害ガスを十分に酸化させ無害化するために、少なく
とも検知極の前段に予備酸素ポンプ部9を設けることが
有効である。当該予備酸素ポンプ部9は少なくとも固体
電解質体1あるいは検知極4が形成された固体電解質2
のいずれかに構成されておればよく、板状に成形された
少なくとも固体電解質体1あるいは固体電解質2の一方
のうち、缶室18内に配置される電極9aと大気ダクト
内に配置された電極9bを有し、両極9a、9bに電圧
を印加して酸素ポンプとして動作させる。すなわち缶室
18内で上記のような還元性ガスを酸化させるために必
要な酸素量が存在しない場合に、缶室18内に酸素を汲
み込むように酸素ポンプさせる。当該電極9a、9b
は、電気化学的なポンピングが行われる電極材料であれ
ば特に制限はなく、電極材料のペーストをスクリーン印
刷などの成膜方法で形成した後所定の温度で焼成するこ
とにより得られる。より好ましくはスパッタ成膜などに
より微細で且つポンプ作用に関与する活性点を多くした
電極であることが好ましい。
【0012】本発明の構成においては、酸素ポンプ部3
で酸素のポンピング、NOxガス検知部2、4、7では
固体電解質を介して生ずる電位差を測定するため、これ
らの作用を確実に行わせるためにはその動作温度が重要
であり、当該酸素ポンプ部および当該NOxガス検知部
を加熱機構により400〜750℃の温度範囲に制御す
る必要がある。すなわち、400℃以下の低温では固体
電解質体自体のイオン導電性が悪く、安定した出力を検
出することが困難となる。一方、750℃以上の高温で
はNOガスを酸化することが困難であり、本願の意図す
る計測ができなくなる。このため少なくともNOxガス
検知部は上記の温度範囲に維持される必要があり、より
好ましくは500〜700℃の温度範囲である。加熱機
構としては、安定性の良い白金ヒーターを埋め込んだ板
状ヒーター6をNOxガス検知部が構成された固体電解
質体2あるいは大気ダクト19aを持つ隔壁体15と大
気ダクト形成体14との間に貼り合わせて使用する等の
手段が採用される。勿論、ヒーター6は、酸素ポンプ
部、NOxガス検知部を個別に温度制御できるよう両面
に配置してもよく、また温度制御はヒーター自体の電気
抵抗値によるフィードバック制御、あるいは別途熱電対
等の温度センサによりフィードバック制御する等の方法
を適宜採用する。
【0013】イオン導電性の固体電解質体を用い少なく
とも一対の電極を設け、酸素ガスを電気化学的に汲み込
むあるいは吐き出すことにより検知対象雰囲気中のNO
xガスをNO2あるいはNOの単組成ガスに変換する酸素
ポンプ部と、NOxガスを検知する検知極とその参照極
を設けたNOxガス検知部とを備え、当該酸素ポンプ部
の一方の電極が配置された検知対象雰囲気に連通する缶
室内に当該NOxガス検知部の検知極とその参照極が対
をなして配置され、当該検知極とその参照極との間の電
位差によりNOxガス濃度を検知することにより、酸素
ポンピングによる酸素濃度変化、あるいは外界酸素濃度
変化の影響を受け難い窒素酸化物センサを構成する。さ
らには、酸素極を検知極の参照極として第2の参照極と
の間の電位差により酸素濃度を検知し、缶室内の酸素濃
度を制御することによりさらに高精度で安定性に優れた
窒素酸化物センサを構成する。
【0014】
【実施例】以下、実施例をあげて具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0015】(実施例1)図1から構成された窒素酸化
物センサを以下の材料と手順で作製した。酸素ポンプ部
3は、t0.2×w6×l80mmに成形・加工した6mol%
イットリア安定化ジルコニアからなるグリーンシートを
用い、缶室内および大気ダクト内にあたる部位にスクリ
ーン印刷により電極用ペーストを塗布して電極形成し
た。NOx変換電極3aにはPt−3wt%Rh、ポンプ
電極3bにはPtを用いた。NOxガス検知部には、酸
素ポンプ部と同じ材質、寸法のグリーンシートを用い、
スクリーン印刷により各電極を形成した。検知極4はP
t−3wt%Rh、参照極7はPt、第2の参照極5は大
気ダクト内にあたる部位にPtを形成した。なお参照極
7は缶室内の酸素濃度を検出するための酸素極を兼ね
る。補助酸素ポンプ部8は酸素ポンプ部を構成したグリ
ーンシート上で、酸素ポンプ部よりも後段に構成した。
缶室内電極8aおよび大気ダクト内電極8bともスクリ
ーン印刷によりPtペーストを塗布して形成した。ヒー
ター6は、電極用とは異なる高純度のPtペーストをス
クリーン印刷により形成した。酸素ポンプ部と同じ材
質、寸法のグリーンシート上に高純度のアルミナ印刷層
を形成し、その上にヒーターパターンを印刷し、さらに
高純度のアルミナ印刷層を積層した。ガス導入孔のサイ
ズは、t0.2×w0.5×l1mmとした。缶室を構成す
る缶室隔壁グリーンシート16の厚さは0.2mmとし
た。以上のように各電極、ヒーターが形成されたグリー
ンシートをラミネートし、1400℃において5時間焼
成することにより、酸素ポンプ部、NOxガス検知部、
ヒーター一体型の窒素酸化物センサを作製した。
【0016】(実施例2)実施例1により作製されたセ
ンサを用いて、埋め込んだヒーターで600℃に保持
し、酸素ポンプ駆動電圧0.5Vにおける100ppmNO
2+200ppmNOのセンサ出力と共存する酸素濃度の関
係を調べた。ここでは予備酸素ポンプ9、補助酸素ポン
プ8を駆動していない。その結果を図2に示す。比較例
は、従来構成である参照極が大気ダクト内に形成された
場合の出力変化である。比較例のように共存する酸素濃
度が変化する場合には、検知極自体が酸素濃度に応じた
出力変化を示すため、センサ出力からNOx濃度を直接
検出することはできない。本発明によれば、共存する酸
素濃度が0.001〜21%と大きく変動してもセンサ
出力はほぼ一定値を示し、NOx濃度に応じた出力とな
り、直接検出できる。酸素濃度が0.01%以下あるい
は10%以上となると幾分出力低下する傾向にあった。
【0017】(実施例3)実施例1により作製されたセ
ンサを用いて、埋め込んだヒーターで600℃に保持
し、酸素ポンプ駆動電圧0.5Vで、酸素極−第2の参
照極間の出力(酸素センサ出力)により補助酸素ポンプ
を制御し、缶室内の酸素濃度4%における100ppmN
2+200ppmNOのセンサ出力と共存する酸素濃度の
関係を調べた。ここでは予備酸素ポンプ9を駆動してい
ない。その結果を図3に示す。比較例は、従来構成であ
る参照極が大気ダクト内に形成された場合の出力変化で
ある。比較例では、検知極が酸素濃度に影響された出力
変化を示し、補助酸素ポンプ8により缶室内の酸素濃度
を4%まで制御できないため、1%以下の共存酸素濃度
域ではセンサ出力が酸素濃度依存性を持つ。補助酸素ポ
ンプにより缶室内の酸素濃度を4%に制御できるまでガ
ス導入の拡散抵抗を大きくすると、缶室内に導入される
NOxガスの絶対量が少なくなり、さらに感度低下して
しまう傾向があった。本発明によれば、共存する酸素濃
度が0.001〜21%と大きく変動してもセンサ出力
はほぼ一定値を示し、NOx濃度に応じた出力となる。
また実施例2に比べ、補助酸素ポンプ8を駆動すること
により0.01%以下あるいは10%以上の酸素濃度域
でのセンサ出力低下が改善された。このことから本発明
によれば、比較例の場合に比べ検知対象雰囲気から缶室
内へのガス導入孔の拡散抵抗を小さくすることができ、
NOxセンサの感度と応答性の点で有利である。また補
助酸素ポンプ制御は非常に緩慢でよく、缶室内の酸素濃
度が0.01〜10%の領域となるように制御するだけ
で高精度でNOx検知できる。
【0018】(実施例4)実施例1により作製されたセ
ンサを用いて、埋め込んだヒーターで600℃に保持
し、100ppmNO2+200ppmNOのNOxと各種濃度
の還元性ガスを共存させて導入し、予備酸素ポンプ9を
制御したときの還元性ガス濃度とセンサ出力の関係を図
4に示す。酸素ポンプ駆動電圧は0.5V、酸素極−第
2の参照極間の出力(酸素センサ出力)により補助酸素
ポンプを制御して缶室内の酸素濃度を4%とした。本発
明において、共存する炭化水素系のプロピレンやCO等
の還元性ガス濃度の影響を受けることなく、NOx濃度
を検出できることがわかる。
【0019】(実施例5)実施例1により作製されたセ
ンサにおいてNOxガス検知極にPt−Rh−X(X=
Ru,Ir,Pd,Au,Agの貴金属をそれぞれ1〜
10wt%添加した)材料、NiCr24、MgCr24
を適用し、埋め込んだヒーターで600℃に保持し、酸
素ポンプ駆動電圧0.5Vにおける100ppmNO2+2
00ppmNOのセンサ出力を調べた結果を表1に示す。
ここでは予備酸素ポンプ、補助酸素ポンプを駆動してい
ない。表1に示すようにいずれも高いNOx感度出力を
示した。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例6)実施例1により作製されたセ
ンサにおいてNOxガス検知極にPt−Rh、およびP
t−Rh−X(X=Ru,Pd,Ir,Ag,Ni,C
r)材料を適用し、850℃での酸化処理を行った電極
を用いてセンサを構成した。測定は埋め込んだヒーター
で600℃に保持し、酸素ポンプ駆動電圧0.5Vにお
ける100ppmNO2+200ppmNOのセンサ出力を調
べた。ここでは予備酸素ポンプ、補助酸素ポンプを駆動
していない。結果を表2に示す。得られたサンプルの検
知極はRh酸化物と第三添加元素の酸化物がX線回折あ
るいはXPSの表面分析により確認された。いずれにお
いても、酸化処理を行うことにより、酸化処理前に比べ
て大きく感度が改善されていることが分かる。
【0022】
【表2】
【0023】(実施例7)実施例1により作製されたセ
ンサにおいてNOxガス検知極にIr、およびIrとR
hとの合金を適用し、埋め込んだヒーターで600℃に
保持し、酸素ポンプ駆動電圧0.5Vにおける100ppm
NO2+200ppmNOのセンサ出力を調べた結果を表3
に示す。ここでは予備酸素ポンプ、補助酸素ポンプを駆
動していない。いずれの検知極も充分大きなNOx感度
が得られ、かつガス応答性能が良好であった。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】本発明の窒素酸化物センサにより、酸素
ポンピングによる酸素濃度変化、あるいは検知対象雰囲
気中の酸素濃度変化の影響を受け難い窒素酸化物センサ
を構成できる。さらには、酸素極を検知極の参照極とし
て第2の参照極との間の電位差により酸素濃度を検知
し、缶室内の酸素濃度を制御することでさらに高精度で
安定性に優れた窒素酸化物センサを構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による窒素酸化物センサの断面
概略図である。
【図2】図2は、本発明による窒素酸化物センサにおい
て補助酸素ポンプを駆動しないときのセンサ出力の酸素
濃度依存性を示す図である。
【図3】図3は、本発明による窒素酸化物センサにおい
て補助酸素ポンプを駆動したときのセンサ出力の酸素濃
度依存性を示す図である。
【図4】図4は、本発明による窒素酸化物センサにおい
て予備酸素ポンプを駆動したときのセンサ出力の還元性
ガス濃度依存性を示す図である。
【符号の説明】
1、2 固体電解質体 3a 酸素ポンプ部を構成するNOx変換電極 3b 酸素ポンプ部を構成するポンプ電極 4 NOxガス検知極 5 第2の参照極 6 ヒーター 7 参照極(酸素濃度検出用電極) 8a、8b 補助酸素ポンプ部を構成する電極 9a、9b 予備酸素ポンプ部を構成する電極 10 ガス導入孔 14 大気ダクト形成体 15 大気ダクト隔壁体 19a、19b 大気ダクト 16 缶室隔壁体 17 ヒーター形成体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−28808(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/416 G01N 27/419

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の固体電解質体に設けた少なくとも
    一対の電極を有し、酸素ガスを電気化学的に汲み込むあ
    るいは吐き出すことにより検知対象雰囲気中のNOxガ
    スをNO2あるいはNOの単組成ガスに変換する酸素ポ
    ンプ部と、第2の固体電解質体に設けたNOxガスを検
    知する検知極とその参照極を有するNOxガス検知部と
    を備え、さらに当該酸素ポンプ部およびNOxガス検知
    部を所定温度範囲に保持する加熱機構を具備し、NOx
    検知極が酸素とNOxとの電気化学的な反応を併発して
    なる混成電位を生じ、当該NOx検知極とその参照極と
    の間のNOxガス濃度に基づく電位差を測定するセンサ
    構成であって、 当該酸素ポンプ部の一方の電極が配置された検知対象雰
    囲気に連通する缶室内に当該NOxガス検知部の検知極
    とその参照極が対をなして配置されたことを特徴とする
    窒素酸化物センサ。
  2. 【請求項2】 第1の固体電解質体に設けた少なくとも
    一対の電極を有し、酸素ガスを電気化学的に汲み込むあ
    るいは吐き出すことにより検知対象雰囲気中のNOxガ
    スをNO2あるいはNOの単組成ガスに変換する酸素ポ
    ンプ部と、第2の固体電解質体に設けたNOxガスを検
    知する検知極とその参照極を有するNOxガス検知部
    と、第2の固体電解質体に設けた酸素ガス濃度を検知す
    る酸素極とその第2の参照極を有する酸素検知部を備
    え、さらに当該酸素ポンプ部およびNOxガス検知部お
    よび酸素検知部を所定温度範囲に保持する加熱機構を具
    備し、NOx検知極が酸素とNOxとの電気化学的な反応
    を併発してなる混成電位を生じ、当該NOx検知極とそ
    の参照極との間のNOxガス濃度に基づく電位差を測定
    するセンサ構成であって、 当該酸素ポンプ部の一方の電極が配置された検知対象雰
    囲気に連通する缶室内に当該NOxガス検知部の検知極
    とその対極が対をなして配置され、当該検知極とその参
    照極との間の電位差によりNOxガス濃度を検知すると
    同時に、酸素検知極としてNOx検知極の参照極を用
    い、当該酸素検知極と第2の参照極との間の電位差によ
    り酸素濃度を検知することを特徴とする窒素酸化物セン
    サ。
  3. 【請求項3】 検知対象雰囲気と連通する缶室内に、N
    Oxガス検知部の酸素濃度を0.01〜10%の範囲内
    で制御するための補助酸素ポンプ部の一方の電極が配置
    され、当該缶室内に配置された酸素センサ出力ににより
    補助酸素ポンプ部の駆動電圧を制御したことを特徴とす
    る請求項2に記載の窒素酸化物センサ。
  4. 【請求項4】 NOxガス検知部よりも検知対象雰囲気
    からのガス導入孔に近い缶室内部位に炭化水素系ガスお
    よびCOガスなどの還元性妨害ガスを酸化し無害化処理
    するための予備酸素ポンプ部の一方の電極を配置し、あ
    るいは更に該予備酸素ポンプ部の他方の電極を大気に連
    通するダクト内に配置したことを特徴とする請求項1〜
    3に記載の何れかの窒素酸化物センサ。
  5. 【請求項5】 当該NOxガス検知極が白金とロジウム
    からなる合金、あるいはこれに第3の金属元素を添加し
    た合金からなり、該第3の金属元素がRu,Ir,P
    d,Au,Agの少なくとも一種であることを特徴とす
    る請求項1〜4に記載の何れかの窒素酸化物センサ。
  6. 【請求項6】 当該NOxガス検知極が白金とロジウム
    酸化物との混相、あるいは白金とロジウム酸化物に第3
    の金属元素の酸化物の少なくとも一つを混在させたもの
    からなり、第3の金属元素がRu,Ir,Pd,Ag,
    Ni,Crの何れかからなることを特徴とする請求項1
    〜4に記載の何れかの窒素酸化物ガスセンサ。
  7. 【請求項7】 当該NOxガス検知極中にジルコニアを
    分散添加してなる請求項5項または6項記載の窒素酸化
    物センサ。
  8. 【請求項8】 当該NOxガス検知極がイリジウムから
    なる電極、イリジウムとロジウムとの合金あるいは混相
    からなる電極あるいは前記電極中にジルコニアを分散添
    加してなるサ−メット電極であることを特徴とする請求
    項1〜4に記載の何れかの窒素酸化物ガスセンサ。
  9. 【請求項9】 当該NOxガス検知極がニッケルとクロ
    ムあるいはマグネシウムとクロムを含む酸化物あるいは
    複合酸化物からなる電極、さらには前記電極中にジルコ
    ニアを分散添加してなる電極であることを特徴とする請
    求項1〜4に記載の何れかの窒素酸化物ガスセンサ。
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