JP2002005883A - 窒素酸化物ガスセンサ - Google Patents

窒素酸化物ガスセンサ

Info

Publication number
JP2002005883A
JP2002005883A JP2000187185A JP2000187185A JP2002005883A JP 2002005883 A JP2002005883 A JP 2002005883A JP 2000187185 A JP2000187185 A JP 2000187185A JP 2000187185 A JP2000187185 A JP 2000187185A JP 2002005883 A JP2002005883 A JP 2002005883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
gas
oxygen
nitrogen oxide
nox
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000187185A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kunimoto
晃 国元
Takashi Ono
敬 小野
Seiji Hasei
政治 長谷井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riken Corp filed Critical Riken Corp
Priority to JP2000187185A priority Critical patent/JP2002005883A/ja
Priority to US09/884,340 priority patent/US6773565B2/en
Priority to EP01115189A priority patent/EP1167957B1/en
Priority to DE60130288T priority patent/DE60130288T2/de
Publication of JP2002005883A publication Critical patent/JP2002005883A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検ガス中に高濃度のHC等の還
元性ガスが共存していても総NOx濃度を正確に測定す
る。 【解決手段】 ガス処理室(3)内に酸化触媒電
極(11)を配し、対極(12)との間に電圧(31)
(0.4V)を印加させる。多孔質の触媒電極(11)
として好ましくはPt−Pd組成のものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物ガス、
特に燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度を検知する窒素酸化
物ガスセンサ、あるいはそれと同時に被検ガス中の酸素
濃度を検知する複合ガスセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車などのエンジン排ガス中に
直接挿入して連続測定が行える全固体型ガスセンサが注
目され、これらの研究開発について近年多くの報告がな
されている。本発明者らも、既に排気ガス中の総NOx
濃度をリアルタイムに測定することができる、混成電位
式のNOxセンサを提案している。たとえば、特開平1
1−23526号公報では、ジルコニア固体電解質にて
形成された内部空間からなるガス検知室内に混成電位式
のNOx検知電極を設置し、同じ測定室内にそれと対面
するようにNOx変換電極(酸素ポンプセル)が設置さ
れている。すなわち、排ガス中のNOx(NOおよびN
2)をNO2単体ガスに電気化学的に変換し、NOx検
知極で総NOx濃度としてのNO2濃度を検知するもので
ある。特開平11−23526号公報の例では、測定室
内のNOxをNO2に変換するためのNOx変換ポンプセ
ルと缶室内の酸素濃度を調節するための酸素ポンプセル
が設置されている。また、前述したNOx検知極の参照
極および缶室内の酸素濃度を測定するための酸素検知極
が測定室内に設置されている。同一雰囲気中の酸素濃度
に起因する酸素検知極の電位をNOx検知極の基準電位
とすることにより、ガス検知室内の酸素濃度が変動して
もNOxセンサの出力が影響を受け難いセンサ構成をと
っている。
【0003】しかしながら、例えば自動車排ガス中で
は、測定しようとするNOx濃度の検知精度に影響を与
える可能性の高い炭化水素ガス(HC)やCO等の干渉
ガスが同時に存在する。そのため、従来センサ素子では
検知室内の酸素濃度を高い濃度に維持するため、NOx
検知室の前段に酸素ポンプセルを設置し、検知室内に酸
素を供給すると同時に当該酸素ポンプ電極(アノード
極)表面でHC等を酸化除去しようとしていた。すなわ
ち、検知室前段に設置される酸素ポンプ電極の触媒効果
および測定室を形成しているジルコニア固体電解質等の
触媒効果により測定室内に進入するHC、CO等の干渉
性ガスを酸化させ、NOx検知に影響を与えないH2Oや
CO2に変換するものである。
【0004】ところが、特開平11−23526号公報
のような従来方法では、被検ガス中のHC濃度が高くな
り過ぎると前述の触媒効果による酸化除去が困難となっ
てくる。すなわち、酸化除去しきれない残存HCが検知
室後段にあるNOx検知電極に触れてしまい、そのため
NO2検知出力と逆向きの出力を与えてしまう。従っ
て、このような不充分なHC除去は総NOx濃度を不正
確にしてしまう恐れが高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のセンサ構成ある
いは構造においては、前述のように、検知室内の酸素濃
度を高く維持しても、酸素ポンプ電極あるいはジルコニ
ア固体電解質等の触媒効果だけでは充分に被検ガス中の
HC等の還元性ガスを酸化除去することができない。そ
のため、被検ガス中にHC等の還元性ガスが多量に存在
する場合は、総NOx濃度を正確に測定できないという
問題があった。すなわち、高濃度のHC等の還元性ガス
が被検ガス中に共存していても、総NOx濃度を正確に
測定するための手段が望まれていた。それ故に、該手段
を新たに開発することを本発明の解決すべき課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に鑑みて、以下のような手段をもって解決することを
提案する。すなわち、酸素イオン伝導性を有するジルコ
ニア固体電解質により囲まれた内部空間からなるガス検
知室と、少なくとも前記内部空間内のジルコニア固体電
解質上に設置された窒素酸化物および酸素に活性なNO
x検知電極と、当該NOx検知電極と対をなす酸素に活性
で被検ガスに活性でない参照電極と、前記ガス検知室内
の固体電解質上に設けられた窒素酸化物および酸素に活
性なアノード電極としてのNOx変換電極と、当該NOx
変換電極と対をなす前記ガス検知室の固体電解質外側に
設置された酸素に活性なカソード電極とにより構成され
るNOx変換ポンプセルと、当該NOx変換ポンプセルに
所定の電位を付与するための電圧印加手段と、前記ガス
検知室に連通し、ジルコニア固体電解質により囲まれ、
被検ガス雰囲気に通ずるガス導入口を有するガス処理室
と、当該ガス処理室内のジルコニア固体電解質上に設け
られた還元性ガスおよび酸素に活性な多孔質のアノード
電極としての酸化触媒電極と、当該酸化触媒電極と対を
なす前記ガス検知室のジルコニア固体電解質外側に設置
された酸素に活性なカソード電極とにより構成される酸
化触媒ポンプセルと、当該酸化触媒ポンプセルに所定の
電位を付与するための電圧印加手段と前記NOx検知電
極と参照電極との間の電位差を測定するための手段とに
より構成され、被検ガス中の還元性ガスを酸化させた
後、窒素酸化物のNOをNO2に変換しながら前記NOx
検知電極と参照電極との間の電位差を測定することによ
り被検ガス中の総NOx濃度を検知することを特徴とす
る窒素酸化物ガスセンサをもって解決手段とするもので
ある。さらには、前述のセンサ構成において、酸化触媒
電極がガス処理室内に充填されるか、あるいはガス通路
を酸化電極で挟み込んだ構造とすることにより、高濃度
の還元性ガスを確実に酸化除去することが可能となる。
【0007】本発明の構成においては、酸素に活性で窒
素酸化物に不活性である参照電極が前記ガス検知室内に
設置されている構造が適用されるか、あるいは、酸素に
活性である参照電極が前記ガス検知室を構成するジルコ
ニア固体電解質を挟んで当該ガス検知室外の大気にのみ
通じるダクト内に設置され、酸素にのみ活性な酸素検知
極を前記ガス検知室に設置する構造が適用される。前者
の場合には、NOx検知室内の酸素濃度が変動しても、
NOx出力に影響が生じ難い利点がある。後者の場合に
は、参照電極とNOx検知電極との間の電位差と、参照
電極と酸素検知電極との間の電位差から総NOx濃度を
補正して正確に総NOx濃度を検知することができる。
【0008】本発明の対象となる前述の還元性ガスは、
主に炭化水素ガス(HC)、一酸化炭素ガス(CO)、
水素(H2)であり、特にHCを酸化除去の対象とする
ことで本発明の効果が甚大となる。また、そのためには
少なくともガス検知室内の酸素濃度が1vol%以上とな
るようにガス導入孔およびガス処理室のガス拡散抵抗を
設定することが必要である。
【0009】本発明の構成における酸素供給方法に関し
ては、触媒電極ポンプセルのカソードとしての対極を大
気にのみ連通するダクト内に形成するか、少なくとも被
検ガスに連通する部位に形成する方式が提案される。さ
らに、後者の場合には、触媒電極ポンプセルのカソード
としての対極を被検ガス雰囲気に直接曝されるように形
成し、触媒電極用対極を被検ガス中の酸素濃度測定用検
知極として兼用し、大気雰囲気に連通する前記参照電極
あるいはNOx変換電極用対極との間の電位差により被
検ガス中の酸素濃度および総NOx濃度を同時に検知す
ることができる。
【0010】一方、本発明のセンサ構成において、ガス
処理室に形成される一つ以上のガス導入孔がガス処理室
上面あるいは下面に形成し、当該ガス導入孔を覆うよう
に多孔質層を設置することで、車などの燃焼排ガス中に
おいても長期的に安定して総NOx濃度を測定すること
ができる。
【0011】本発明の触媒電極においては、当該電極の
構成材料が酸素イオン伝導性の固体電解質と少なくとも
Pt、Pd、Ir、Au、Rhのいずれか、あるいはこ
れらの合金により構成される。また、触媒電極が酸素イ
オン伝導性の固体電解質と還元性ガスに活性な金属酸化
物とで構成されるか、または当該金属酸化物電極にP
t、Pd、Ir、Au、Rhのいずれか、あるいはこれ
らの合金が添加されていることにより高い効果が得られ
る。
【0012】さらに、当該触媒電極中に添加される酸素
イオン伝導性の固体電解質が触媒電極の体積に対して1
0〜40vol%とすることで触媒電極の効率が高まる。
また、触媒電極がガス処理室に充填される場合には、当
該触媒電極の多孔度を20〜50vol%とすることで高
い効果が得られる。さらに、触媒電極ポンプセルに印加
される駆動電圧を0.1〜0.8Vの範囲とすることで
良好な還元性ガスの酸化除去が行える。
【0013】本発明において用いられる酸化触媒電極と
従来の電極との差異の主な点を列記してみる。 1.本発明の触媒電極は、従来電極に比べて、還元性ガ
ス、とりわけHC(CO,H2)に活性をもつ電極材料
を用いて、アノード電極に電圧を印加することで電気化
学的にHC等を酸化させる。従来は、酸素ポンプ電極を
用いていたとしても、大半は雰囲気の酸素による触媒酸
化が主であった。 2.本発明は、電気化学的な電極表面(膜内部)サイト
でのHCの酸化反応であるため、測定雰囲気に酸素がま
ったくなくてもHC酸化能力が大きい。 3.本発明は、膜表面で反応させるため、被検ガスはで
きるだけ電極膜中を通過する構造とするため、多孔質電
極が必須である。それも電極のあらゆるサイトに3相界
面を形成する必要があるので、ジルコニア固体電解質を
多く含み、均一に分散しており、かつ固体電解質同士が
導通があることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態のセン
サ断面構造を図1から図6に示す。図1と図2は最も基
本となるセンサ構成例を示す。図1では、酸素イオン伝
導体であるジルコニア固体電解質30によって囲まれた
内部空間(ガス検知室)2内にNOx検知電極5が設置
されている。また、検知電極5と対向するようにNOx
変換ポンプセルのNOx変換電極(アノード電極)13
がガス検知室2に配置され、NOx変換電極13と対に
なるNOx変換電極用対極(カソード電極)14が、大
気中に通じる大気導入ダクト21に配置されている構造
である。NOx検知電極5と対になる参照電極6は、N
Ox検知電極5と同一の雰囲気に設置することにより、
ガス検知室内の酸素濃度が変動しても正確にNOx濃度
が検知できる構造としている。
【0015】このガス検知室の前段にガス処理室3を設
置するとともに、HC等の還元性ガスに活性を有する多
孔質電極11を当該ガス処理室に充填するか、あるいは
多孔質電極11中にガス通路を形成し、還元性ガスが含
まれる被検ガスが多孔質電極11と確実に接触しながら
ガス検知室2に流入する。このとき、被検ガス中に含ま
れる還元性ガスが前記酸化触媒電極11上で電気化学的
に強制酸化される。外部電源31により、この酸化触媒
ポンプセル11,12に印加される電圧は、電気化学的
な酸化電流が効率よく得られる範囲に設定される。図1
に示すセンサ構造においては、NOx変換ポンプセルお
よび酸化触媒ポンプセルの対極(カソード電極)12,
14は、大気導入ダクト21に個別に設置されている
が、図3に示すように、これらを一つの電極としてもよ
い。本構造例では、少なくとも検知電極5、参照電極
6、酸化触媒ポンプセル11,12、NOx変換ポンプ
セル13,14が形成されている基板が酸素イオン伝導
体の固体電解質であることを必要とするが、製造時の焼
成工程の素子焼結歪みを低減する上で、他の基板も同じ
固体電解質であることが望ましい。
【0016】図1のセンサ構造において被検ガス中の総
NOx濃度を検知するため、NOx変換ポンプのアノード
電極13とカソード電極14との間に外部電源32によ
り所定の直流電圧を印加する。検知電極5はガス検知室
2内に設置されることが必要である。本発明における検
知電極は、混成電位型の検知電極が使用される。混成電
位式の検知電極は、電極上で生じる2種以上の電極反応
に起因して得られる電極電位である。例えば、窒素酸化
物のNO検知の場合は、(1)および(2)式、NO 2
検知の場合は(3)および(4)式からなる電極反応が
生じる。すなわち、NO検知の場合とNO2検知の場合
とでは反応方向が逆であり、出力電位が相反する。
【0017】 O2 + 4e- → 2O2 - (1) 2NO + 2O2 - → 2NO2 + 4e- (2) 2O2 - → O2 + 4e- (3) 2NO2 + 4e- → 2NO + 2O2 - (4)
【0018】したがって、NOとNO2が共存する場合
には、出力が相殺され総NOx濃度を検知することがで
きない。
【0019】そのため本発明センサにおいては、被検ガ
ス中のNOを前記変換ポンプセルにて電気化学的にNO
2に強制変換させ、総NOx濃度をNO2濃度にて検出す
る。しかしながら、従来のNOxセンサにおいては、除
去されずに残ったHC等がガス検知室にNOxと同時に
流入し、NOx検知電極上で混成電位として検知されて
しまう場合がある。このときの電極反応は、例えばプロ
ピレン(C36)を例として、同様に(5),(6)式
で示され、NO検知と同様な出力方向となる。すなわ
ち、HCが共存する場合には、NO2検知(総NOx濃
度)の出力が減少してしまうことが分かる。
【0020】 O2 +4e- → 2O2 - (5) C36 + 9O2 - → 3CO2 + 3H2O + 18e- (6)
【0021】そのため本発明センサにおいては、ガス検
知室の前段にガス処理室を設け、還元性ガスに活性な多
孔質電極11を設置し、活性酸素を触媒電極に供給し、
電気化学的に完全に酸化除去することで対策するもので
ある。すなわち、酸化触媒電極11上で、反応(6)を
強制的に生じさせ、ガス検知室2内にHCが流入しない
ようにする。
【0022】NOx検知の出力はNOx検知電極5と参照
電極6との間の電極電位差を例えば電位差計36により
測定する。参照電極6は前述の理由から、NOxに対し
て電極反応が生じなければNOx検知電極5と参照電極
6との間の電位差が生ずる。そのことから、参照電極は
例えばNOxに活性を有しない電極材料からなるか、あ
るいはNOxに曝されない構造にあるかのどちらかを満
足させればよい。参照電極6がNOxに活性を持たず、
酸素に活性を有する場合には図1のようにガス検知室2
内にNOx検知極5と同じ雰囲気中に設置することがで
きる。このような構造では、たとえガス検知室2内の酸
素濃度が変動しても、検知電極5と参照電極6の酸素活
性を同等にすれば、センサ出力の酸素濃度依存性を極め
て小さくすることができる。このセンサ構造は、他の濃
淡起電力式の検知方式では、全く不可能な方式であるこ
とは言うまでもない。
【0023】一方、図2に示すように、ガス検知室2内
にO2検知電極7を設置し、大気基準ダクト21内に設
置した参照電極との間の電位差を用いて、同様に得られ
るNOx検知電極5と参照電極6との間の電位差計35
により検出される電圧出力とを組み合わせてNOx出力
を補正することにより、センサの検出精度を改善するこ
とができる。すなわち、NOx検知電極5の酸素分圧依
存性とO2検知電極7の酸素分圧依存性が多少異なって
いても、適当な係数を検出回路に設定することにより、
被検ガス雰囲気中の酸素濃度が大きく変動しても、ほと
んどその依存性をなくすことができる。さらには、図2
〜図6に示すように、O2検知電極7と参照電極6との
間の出力を用いて、ガス検知室2内の酸素分圧を直接測
定して、別途構成される酸素ポンプセル(図示せず)の
駆動電圧を制御し、ガス検知室内の酸素濃度制御を行う
ことも可能である。尚、20はヒーターを示す。
【0024】図1から図3の例において、ガス検知室2
内にはガス導入口1を通って被検ガスが拡散流入する。
例えば、自動車等の燃焼排ガス中のNOx濃度を検知す
る場合、NOxにはNOとNO2とが同時に存在する他
に、炭化水素ガス(HC)やCO、CO2、H2O等の他
ガスも共存する。このなかで、NOxの総濃度を正確に
検知するには、センサ出力に影響を与える他ガスの排除
とNOあるいはNO2へ単ガスに変換することが必要で
ある。そのため、前述のごとく酸化触媒電極11により
HC等の還元性ガスを活性酸素により強制酸化し、NO
x変換電極13によりNO2へ単ガスに変換している。こ
のようなガス変換処理機構を用いて総NOx濃度を検知
するためには、ガス検知室2内の酸素濃度を1vol%以
上に設定することが必要である。好ましくは、5%以上
となるように設定すると、さらに高濃度の還元性ガスを
酸化除去することが可能となる。
【0025】しかしながら、自動車のガソリンエンジン
等の排ガス中では、燃焼空気量が不足な領域(燃料リッ
チ領域)においても排ガス中のHC,CO等の還元性ガ
スを除去しなくてはならない。このため、ガス処理室3
に設置される酸化触媒電極11においては、雰囲気中の
酸素が存在しなくてもHC等を酸化できることが必要で
ある。すなわち、単なる触媒体を充填するなどのように
単に触媒活性を有する酸化除去機能を有していても、例
えば前述のリッチ雰囲気下では還元性ガスを酸化除去す
ることができない。一方、本発明の酸化触媒電極11で
は、活性酸素を連続的に触媒電極上に供給する方式であ
るため、たとえ酸素の存在しない雰囲気下であっても、
酸化電極間に被検ガスを通過させることで還元性ガスを
酸化除去することが可能となる。
【0026】本発明の別の構造例を図4から図6を順次
用いて説明する。図4のセンサ構造例では、ガス処理室
内に設置される酸化触媒電極11の間にガス拡散通路と
しての1つ以上の狭路を設けた構造である。図4の例で
は、ガス処理室の上下面に設けた2つの酸化触媒電極1
1で狭路を形成してある。この場合には触媒電極が特に
多孔質である必要はないが、性能上多孔質であることが
望ましい。
【0027】また図11と図12とにより示されるよう
に、酸化触媒電極の面内にセンサ長手方向に沿って、一
つ以上のスリット状の狭路15を設置してもよい。これ
らの狭路の総断面積Sと拡散長Lとの比(S/L)は、
0.001〜0.1、好ましくは0.005〜0.05
とすることでHC還元性ガスに対して良好な酸化除去が
可能となる。また、本構造例のように、この場合の触媒
電極用リード16は、前記スリット状の狭路を塞がない
ようにガス導入口の前方に配置することが望ましい。こ
れにより、たとえリード16が緻密質であっても、ガス
拡散導入を阻害することなく、触媒電極11の全領域を
効率よく駆動することができる。
【0028】図5は本発明の別のセンサ構造を示す一例
である。この構造はガス処理室に通じるガス導入口1
が、ガス処理室3の底面に配置されたものである。図5
の例ではジルコニア固体電解質基板30′にガス導入口
としての複数のスルーホールが形成されている例であ
る。しかしながら、特にこのスルーホールに限定される
ものではない。すなわち、ガス導入口1に相当する多孔
質基板あるいは多孔質の厚膜であっても構わない。さら
に、ガス導入口1を覆うように保護層23を形成するこ
とが好ましい。勿論、この保護層は多孔質層からなるも
ので、特に固体電解質とする必要はない。本センサ構造
を用いることにより、ガス導入口のガス拡散抵抗を小さ
くすることができ、本発明の触媒電極を設置することで
増大するガス拡散抵抗を低減することができる。すなわ
ち、ガス拡散抵抗が大き過ぎるとガス応答速度が増加す
るが、本構造のガス導入方法を採用することで応答性を
大きく改善できる。
【0029】図6は酸化触媒電極11の対極(カソード
電極)12を被検ガス雰囲気に通じるO2ダクト内に設
置した本発明センサの構造を示すものである。この構造
を有するセンサでは、排ガス中のH2OやCO2を電気化
学的に分解し、その際に発生する酸素イオンを用いて、
酸化触媒電極に活性酸素を供給するものである。この方
式においては、たとえ被検ガス雰囲気中に酸素が存在し
ない場合においても酸化触媒電極に酸素を安定して供給
し続けることが可能である。すなわち、図1から図5の
例では、大気導入ダクト21から変換電極用の酸素供給
と酸化触媒電極用の酸素供給量が必要である。そのた
め、場合によっては必要な酸素供給量が大きい場合に
は、大気導入ダクト21の拡散抵抗が大きくなりすぎ拡
散律速となってしまう場合がある。この場合には、NO
x変換電極13あるいは酸化触媒電極12の電極電位に
過電圧が生じる恐れがある。この場合には、変換性能が
不安定になり、正確なNOx検知が行えなくなる。図6
のセンサ構造とすることで安定した、NOx検知が可能
となる。
【0030】前述のような本発明センサを得るために、
通常以下のような作製方法にて提供される。前述のよう
な内部空間や大気ダクトを有するセンサ構造体は、通常
ジルコニアのグリーンシートを積層圧着し、脱脂後14
00℃前後で焼成することで得られる。ジルコニア(Z
rO2)のグリーンシートは酸素イオン伝導性を付与す
るために、通常3〜8モルのイットリア(Y23)が同
時に添加されている。このグリーンシートの一般的な作
製方法は所定量のイットリア添加されたジルコニア粉を
有機結合剤、例えばPVA等と可塑剤および有機溶剤と
でボールミル混合を行う。この際、粉末粒子の分散をよ
くするために、分散剤を添加することもある。このよう
にして得られたジルコニアのスラリーを、ドクターブレ
ードを用いたシート成形機でPETフィルム上に数10
0μmの厚みに成形する。これを乾燥させ溶剤を蒸発さ
せると、非常に柔軟性に富んで、且つ加温しながらシー
ト同士を圧着することにより相互に強く接着することが
できる。このグリーン積層体中に内部空間を形成するた
めには、グリーンシート中の有機結合剤が酸化除去され
る脱脂温度以下で昇華してくれるテオブロミン等を充填
することで形成が可能である。
【0031】本発明で使用するNOx検知電極材料は、
前述のNOxあるいは酸素に対する活性を満足する必要
がある以外には特に限定されない。但し、高温で焼成す
るために、化学的な安定性は必要である。検知電極に
は、金属酸化物であるNiCr24、MnCr24、F
eCr24、Cr23、NiO等を用いることができ
る。また、貴金属系では、Rh、Ir、Pt−Rh合
金、Pt−Ir−Rh合金等を用いることができる。こ
れらは、電極材料粉と有機バインダおよび有機溶剤とを
混練してペーストにし、スクリーン印刷法等でジルコニ
アグリーンシート上に塗布される。
【0032】本発明で使用する酸素ポンプ電極の材料
は、少なくとも酸素に活性であることが必要である。酸
化触媒ポンプセルのアノード電極(酸化触媒電極11)
は、酸素および還元性ガスに活性であることが必要であ
り、特にHCに活性が高いものが望ましい。またNOx
変換ポンプセルのアノード電極(NOx変換電極13)
は、酸素とNOxの両方に活性を持つことが必要であ
る。酸化触媒ポンプセルおよびNOx変換ポンプセルの
カソード電極(12,14)には、通常Ptが用いられ
る。変換ポンプのアノード電極には、Pt−Rh合金、
Pt−Ru合金、Rh等の貴金属系を用いることが高い
イオン電流を得るのに適している。これらの電極には、
活性点を増やす目的で固体電解質が分散添加される。
【0033】酸化触媒電極11の材料としては、特にH
Cに対して活性の高いPt、Pd、Ir、Au、Rhの
いずれかか、あるいはこれらの合金を用いると良好な性
能が得られる。また、前述のように活性点(固体電解質
との三相界面)を増やすことと、多孔質膜とすることを
目的に固体電解質を分散添加する方法が用いられる。特
に、多孔化する場合には、例えばジルコニア固定電解質
粉を一旦低温で仮焼し、それを粉砕し粒度調整を行って
から、電極ペーストに添加すればよい。本発明のガス処
理室に触媒電極を充填する方式では、多孔度が10〜5
0vol%、好ましくは20〜40vol%とすることで良好
な性能が得られる。多孔度が10vol%より小さいとガ
ス応答性が低下し、50vol%以上だと酸化除去効率が
低下する。また適切な多孔度と酸化除去性能を得るため
には、触媒電極膜中に固体電解質が10〜40vol%分
散添加するとよい。添加量が10vol%以下では、三相
界面があまり増加せず、逆に40vol%以上では酸化触
媒電極中の電気伝導性が低下する。ここでいう電気伝導
性の低下とは、酸化電極を構成するPt等の触媒粒子が
電気的に孤立した状態を意味し、電気化学的な動作がで
きなくなるため酸化除去効率が低下する。すなわち、本
発明の酸化触媒電極に添加されるジルコニア等の固体電
解質は粒子どうしで網目状に連続し、かつ固体電解質基
板にも連続している状態が最も好ましい。
【0034】また、酸化触媒電極膜を構成する材料は、
還元性ガスに活性が高い金属酸化物であってもよい。金
属酸化物としては、NiO,Cr23,WO3,NiC
2 4,IrO2,PdO,RhO2等を用いるとよい。
また、通常これらの金属酸化物では電気伝導性が低いた
め、前述のPt、Pd、Ir、Au、Rhあるいはこれ
らの合金を同時に添加すると大きなポンプ電流が得られ
る。あるいは、これらの金属触媒電極と金属酸化物電極
の積層としてもよい。
【0035】本発明電極の駆動電圧としては、0.1〜
0.8Vが設定される。設定電圧が低すぎても、高すぎ
ても酸化除去能力が低くなる。すなわち、酸化触媒電極
の印加電圧としては、0.1〜0.8V、好ましくは
0.3〜0.5Vに設定するとよい。また、図3に示す
ように、カソード電極と兼用し、駆動電源もNOx変換
ポンプセルと同一とする場合には、NOx変換ポンプセ
ル電圧と同一とすることで構成が可能となる。この場合
には、NOx変換効率と酸化触媒除去効率の総合性能か
らポンプセル電圧を決定するとよい。
【0036】
【実施例】以下に、実施例を示し更に詳細な説明を行う
が、本発明はこれら実施例に限定されるものでなく、そ
の発明の思想を同一とするものを全て含むことは言うま
でもない。
【0037】(実施例1)図1に示すセンサ構造のNO
xセンササンプルを次のようにして作製した。まず、イ
ットリア6mol%添加のジルコニアのグリーンシートを
前述の方法で準備した。このジルコニアグリーンシート
の厚みは約200μmとした。これをセンサ基板の焼成
前サイズに切断し、内部空間や大気ダクトを形成する部
位には、窓開け加工を同時に行った。これら切断加工さ
れたグリーンシートにそれぞれ構成される電極、リード
導体、ヒーター等をスクリーン印刷機にて印刷形成し
た。
【0038】酸化触媒ポンプおよびNOx変換ポンプの
カソード電極12,14、参照電極6、ヒーター20の
各印刷材料にはPtペーストを用いた。酸化触媒ポンプ
のアノード電極11にはPt−Pd(5wt%)合金ペー
ストを用いた。但し、Pt−Pd(5wt%)合金ペース
トにはジルコニア固体電解質粉末を焼成後の電極体積比
で約20vol%の占有率となるように添加して電極多孔
度を調整した。NOx検知電極5にはNiCr24の酸
化物ペーストを用いた。このように印刷形成がなされた
各グリーンシートを図1の積層状態になるようにPt線
をリード部に挿入しながら順次重ね合わせ、温水中で静
水圧プレスによるラミネートを行った。この積層体を約
600℃で脱脂を行い、引き続いて1400℃の高温雰
囲気で焼成を行った。
【0039】このように作製されたセンササンプルを測
定用のホルダーにセットし、図1に示される測定回路お
よび制御回路に接続してセンサ特性を評価した。すなわ
ち、酸化触媒電極11とその対極12の間には直流定電
圧源31を接続し、電極12を負極(カソード)、電極
11を正極(アノード)として0.4Vの定電圧を印加
した。一方、NOx変換電極13とその対極の間には直
流電源32を接続し、電極14を負極(カソード),電
極13を正極(アノード)として0.5Vの定電圧を印
加した。また、同時にNOx検知電極5と参照電極6と
の間に入力インピーダンス10MΩ以上の電位差計36
を接続した。図1中に図示してないが、電極13と電極
14間のジルコニア基板のバルクインピーダンスを測定
する回路を並列に接続し、センサ温度信号を取り出し、
ヒーター基板からの2本のリード線間に接続されている
温度制御回路に接続し、センサ温度が650℃になるよ
うに制御した。
【0040】このとき、測定ガスとしてNO100ppm
と酸素、水蒸気および炭化水素ガスとしてC36(プロ
ピレン)5000ppmとの混合ガス(残りは窒素)を用
いてNOに対するセンサ出力を測定した。測定ガスの酸
素濃度は、0〜20vol%とし、水蒸気濃度を10vol%
一定とした。このとき、NO100ppmに対するセンサ
出力の酸素濃度依存性を図7に示す。比較例として前記
触媒電極が組み込まれていないサンプルAとガス処理室
にPt−Pa(5wt%)合金を単なる触媒として設置し
たサンプルBを同時に準備した。結果を同じく図7に示
す。
【0041】ここで明らかなように、測定ガス中の酸素
濃度がゼロであっても、本実施例サンプル(図中●印)
では、ほぼ一定なセンサ出力が得られることが分かる。
すなわち、測定ガス中に酸素が存在しない状態において
も、本実施例のサンプルにおいては、一定のNOx出力
が得られることが分かる。すなわち、本発明のセンサ構
造により、測定ガス中のC36(プロピレン)は酸化除
去されていることがわかる。一方、比較例A(図中○
印)、比較例B(図中□印)においては測定ガス中の酸
素濃度が1%以下において、C36(プロピレン)の濃
度が増えるほどNOx出力が低下する。すなわち、従来
サンプルにおいては測定ガス中のC36(プロピレン)
除去が完全でないことがわかる。
【0042】(実施例2)実施例1で用いたセンササン
プルを同条件で、酸化触媒ポンプの駆動電圧のみを0〜
0.9Vの間で変えて評価を行った。すなわち、実施例
1で明らかになった、酸化触媒電極の電気化学的効果の
電圧依存性を調べた。但し、測定ガス中の酸素濃度は0
%と5%とした。一方、酸化触媒電極のHC酸化性能を
評価するために、酸化触媒ポンプのHC酸化電流のセル
電圧依存性も別途評価した。HC酸化電流はHCの存在
しないときのベース電流値と、HCが存在したときの差
とする。すなわち、酸化電流が大きいほど還元性ガスの
酸化除去性能が大きいことになる。結果を図8と図9に
示す。
【0043】図8および図9中の●印データは酸素濃度
0%、○印データは酸素濃度5%を示す。これより、酸
化触媒電極の酸化電流、すなわち酸化除去能はセル電圧
依存性を有することが明かである。また、酸化除去能は
酸化電流と顕著に関連することがわかる。これより、酸
化触媒電圧としては、0.1〜0.8V、好ましくは
0.2〜0.7V、さらに好ましくは0.3〜0.6V
とすることで、完全なリッチ雰囲気下においても、充分
に高濃度のHCを酸化除去することが可能となる。
【0044】(実施例3)実施例2で用いたセンササン
プルを用いて、酸化触媒ポンプの酸化電流と測定ガス中
の酸素濃度との関係を調べた。プロピレンの濃度を10
00ppm(図中●印)、2000ppm(図中○印)、50
00ppm(図中■印)と変えてある。また、触媒電極ポ
ンプセルの駆動電圧は0.5Vとした。その他の測定条
件は実施例2と同様である。結果を図10に示す。これ
より、プロピレン濃度が高いほど、酸化電流が大きくな
る。また、測定ガス中の酸素濃度が低いほど酸化電流が
大きくなる。特に酸素濃度1%以下においては、急激に
酸化電流が増大していることがわかる。すなわち、低濃
度酸素の測定ガス中でも、酸化触媒電極の酸化除去能が
確保できていることが、ここからも確認された。
【0045】(実施例4)実施例1と同様にして図3お
よび図5の構造のセンササンプルを作製した。但し、本
実施例においては酸化触媒電極の材料を表1に示すもの
を各種作製した。これらのサンプルを用いて、各センサ
構造におけるNOx出力に及ぼす酸化触媒電極材料の影
響を調査した。但し、測定ガスの酸素濃度を0vol%と
し、炭化水素ガスとしてC38(プロパン)5000pp
mの有無による感度比を調べた。結果を表1にまとめて
示す。いずれも、高い感度比(C38共存時の感度/C
38非共存時の感度)を示すことがわかる。すなわち、
実施例1での比較例のような感度低下は見られないこと
から、HCの酸化除去が完全に行われているものと判断
できる。また、図5のセンサ構造における感度比の方
が、図3におけるセンサ構造に比べ優れていることがわ
かる。
【0046】
【表1】
【0047】(実施例5)図5に示すセンサ構造を有す
るサンプルを実施例1のようにして作製した。本実施例
では、触媒電極の多孔度を調整するために、ジルコニア
固体電解質の添加量を表2のように変えてサンプルを作
製した。またその時の電極の空隙率を、試験後サンプル
を分解して調べた。これらの多孔度の異なるサンプルを
用いて、共存するC38(5000ppm)のNOx感度に
及ぼす影響を調べた。結果を表2に示す。電極の多孔度
で9.7〜41.0vol%、好ましく18.4〜41.
0vol%とすることで、感度比および応答性を同時に満
足することが分かる。またこの時の電極に添加する固体
電解質は10〜40vol%とするのが良い。
【0048】
【表2】
【0049】(実施例6)図11と図12に示すセンサ
構造を有するサンプルを実施例1のようにして作製し
た。本実施例では、触媒電極に形成したガス導入用狭路
15の拡散抵抗を調節するため、ガス導入用狭路15の
断面積を表3に示すように変え調整した。また、走査型
電子顕微鏡(SEM)にて素子を切断し、実際の個々の
狭路断面積を調査して、総断面積と拡散抵抗(S/L)
を計算した。これらの拡散抵抗の異なるサンプル素子を
用いて、共存するC38(5000ppm)のNOx感度に
及ぼす影響を調べた。結果を表3に示す。ガス導入用狭
路15の拡散抵抗は、0.001〜0.1、好ましく
0.005〜0.05とすることで、感度比および応答
性を同時に満足することが分かる。
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ジルコニア固体電解質
により囲まれたガス導入孔を有する内部空間内に設置さ
れたNOxおよび酸素に活性な検知電極と、酸素に活性
でNOxに活性でない参照極と、前記内部空間内の固体
電解質上に設けられた1対のNOx変換ポンプセルと、
1対の酸化触媒ポンプセルにより構成されたガスセンサ
であって、当該酸化触媒ポンプセルのアノード電極を前
記内部空間に連通するガス処理室にに設置し、所定の電
圧を印加することにより、被検ガス雰囲気中の還元性ガ
ス、とりわけ炭化水素(HC)を電気化学的に酸化させ
ることにより、被検ガス中に酸素ガスが存在しない状態
であっても還元性ガスに影響されずに正確に総NOx濃
度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明センサの一例を示す断面構造図である。
【図2】本発明センサの一例を示す断面構造図である。
【図3】本発明センサの一例を示す断面構造図である。
【図4】本発明センサの一例を示す断面構造図である。
【図5】本発明センサの一例を示す断面構造図である。
【図6】本発明センサの一例を示す断面構造図である。
【図7】実施例1の結果を示すグラフ図である。
【図8】実施例2の結果を示すグラフ図である。
【図9】実施例2の結果を示すグラフ図である。
【図10】実施例3の結果を示すグラフ図である。
【図11】本発明センサの一例を示す上面構造図であ
る。
【図12】本発明センサの一例を示す断面構造図であ
る。
【符号の説明】 1 ガス導入口 2 ガス検知室 3 ガス処理室 5 NOx検知電極 6 参照電極 7 O2検知極 11 酸化触媒電極(アノード極) 12 酸化触媒電極用対極(カソード極) 13 NOx変換電極(アノード極) 14 NOx変換電極用対極(カソード極) 15 ガス導入狭路 16 酸化触媒電極用リード 20 ヒーター 21 大気導入ダクト 22 大気基準ダクト 23 保護層 24 O2ダクト 30,30′ 固体電解質 31 酸化触媒ポンプセル駆動電源 32 NOx変換ポンプセル駆動電源 35 検知室内O2検知用電位差計 36 NOx検知用電位差計 37 被検ガス中O2検知用電位差計

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン伝導性を有するジルコニア固
    体電解質により囲まれた内部空間からなるガス検知室
    と、 少なくとも前記内部空間内のジルコニア固体電解質上に
    設置された窒素酸化物および酸素に活性なNOx検知電
    極と、 当該NOx検知電極と対をなす酸素に活性で被検ガスに
    活性でない参照電極と、 前記ガス検知室内の固体電解質上に設けられた窒素酸化
    物および酸素に活性なアノード電極としてのNOx変換
    電極と、 当該NOx変換電極と対をなす前記ガス検知室の固体電
    解質外側に設置された酸素に活性なカソード電極とによ
    り構成されるNOx変換ポンプセルと、 当該NOx変換ポンプセルに所定の電位を付与するため
    の電圧印加手段と、 前記ガス検知室に連通し、ジルコニア固体電解質により
    囲まれ、被検ガス雰囲気に通ずるガス導入口を有するガ
    ス処理室と、 当該ガス処理室内のジルコニア固体電解質上に設けられ
    た還元性ガスおよび酸素に活性な多孔質のアノード電極
    としての酸化触媒電極と、 当該酸化触媒電極と対をなす前記ガス検知室のジルコニ
    ア固体電解質外側に設置された酸素に活性なカソード電
    極とにより構成される酸化触媒ポンプセルと、当該酸化
    触媒ポンプセルに所定の電位を付与するための電圧印加
    手段と、前記NOx検知電極と参照電極との間の電位差
    を測定するための手段とにより構成され、 被検ガス中の還元性ガスを酸化させた後、窒素酸化物の
    NOをNO2に変換しながら前記NOx検知電極と参照電
    極との間の電位差を測定することにより被検ガス中の総
    NOx濃度を検知することを特徴とする窒素酸化物ガス
    センサ。
  2. 【請求項2】 酸化触媒電極がガス処理室内に充填され
    るか、あるいはガス通路を該酸化電極で挟み込んだ構造
    を有することを特徴とする請求項1に記載の窒素酸化物
    ガスセンサ。
  3. 【請求項3】 酸素に活性で窒素酸化物に不活性である
    参照電極が前記ガス検知室内に設置されていることを特
    徴とする請求項1あるいは2に記載の窒素酸化物ガスセ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 酸素に活性である参照電極が前記ガス検
    知室を構成するジルコニア固体電解質を挟んで当該ガス
    検知室外の大気にのみ通じるダクト内に設置され、酸素
    にのみ活性な酸素検知極を前記ガス検知室に設置し、前
    記参照電極とNOx検知電極との間の電位差と前記参照
    電極と酸素検知電極との間の電位差から総NOx濃度を
    補正して検知することを特徴とする請求項1あるいは2
    に記載の窒素酸化物ガスセンサ。
  5. 【請求項5】 前記記載の還元性ガスが炭化水素ガス、
    CO、H2であることを特徴とする請求項1あるいは2
    に記載の窒素酸化物ガスセンサ。
  6. 【請求項6】 少なくともガス検知室内の酸素濃度が1
    vol%以上となるようにガス導入孔およびガス処理室の
    ガス拡散抵抗を設定してあることを特徴とする請求項1
    乃至4の何れかに記載の窒素酸化物ガスセンサ。
  7. 【請求項7】 触媒電極ポンプセルのカソードとしての
    対極が大気にのみ連通するダクト内に形成されているこ
    とを特徴とする請求項3あるいは4に記載の窒素酸化物
    ガスセンサ。
  8. 【請求項8】 触媒電極ポンプセルのカソードとしての
    対極が少なくとも被検ガスに連通するように形成されて
    いることを特徴とする請求項3あるいは4に記載の窒素
    酸化物ガスセンサ。
  9. 【請求項9】 触媒電極ポンプセルのカソードとしての
    対極が被検ガス雰囲気に直接曝されるように形成され、
    当該触媒電極用対極を被検ガス中の酸素濃度測定用検知
    極として兼用し、大気雰囲気に連通する前記参照電極あ
    るいはNOx変換電極用対極との間の電位差により被検
    ガス中の酸素濃度および総NOx濃度を同時に検知する
    ことを特徴とする請求項3あるいは4に記載の窒素酸化
    物ガスセンサ。
  10. 【請求項10】 ガス処理室に形成される一つ以上のガ
    ス導入孔がガス処理室上面あるいは下面に形成されてお
    り、当該ガス導入孔を覆うように多孔質層が形成されて
    いることを特徴とする請求項3あるいは4に記載の窒素
    酸化物ガスセンサ。
  11. 【請求項11】 触媒電極が酸素イオン伝導性の固体電
    解質と少なくともPt、Pd、Ir、Au、Rhのいず
    れかか、あるいはこれらの合金により構成されているこ
    とを特徴とする請求項1あるいは2に記載の窒素酸化物
    ガスセンサ。
  12. 【請求項12】 触媒電極が酸素イオン伝導性の固体電
    解質と還元性ガスに活性な金属酸化物とで構成される
    か、または当該金属酸化物電極にPt、Pd、Ir、A
    u、Rhのいずれかか、あるいはこれらの合金が添加さ
    れていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の
    窒素酸化物ガスセンサ。
  13. 【請求項13】 触媒電極中に添加される酸素イオン伝
    導性の固体電解質が触媒電極の体積に対して20〜50
    vol%であることを特徴とする請求項1あるいは2に記
    載の窒素酸化物ガスセンサ。
  14. 【請求項14】 ガス処理室に充填される場合の触媒電
    極の多孔度が10〜40%であることを特徴とする請求
    項2に記載の窒素酸化物ガスセンサ。
  15. 【請求項15】 触媒電極ポンプセルに印加される駆動
    電圧が0.1〜0.8Vの範囲であることを特徴とする
    請求項1あるいは2に記載の窒素酸化物ガスセンサ。
  16. 【請求項16】 触媒電極が被検ガスの流れ方向に沿っ
    て設けた1つ以上の狭路を有する請求項1記載の窒素酸
    化物ガスセンサ。
  17. 【請求項17】 狭路の総断面積Sと狭路の長Lとの比
    (S/L)で定義される拡散抵抗が0.001〜0.1
    である請求項16記載の窒素酸化物ガスセンサ。
JP2000187185A 2000-06-22 2000-06-22 窒素酸化物ガスセンサ Withdrawn JP2002005883A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000187185A JP2002005883A (ja) 2000-06-22 2000-06-22 窒素酸化物ガスセンサ
US09/884,340 US6773565B2 (en) 2000-06-22 2001-06-20 NOx sensor
EP01115189A EP1167957B1 (en) 2000-06-22 2001-06-22 NOx sensor
DE60130288T DE60130288T2 (de) 2000-06-22 2001-06-22 NOx Sensor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000187185A JP2002005883A (ja) 2000-06-22 2000-06-22 窒素酸化物ガスセンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002005883A true JP2002005883A (ja) 2002-01-09

Family

ID=18687207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000187185A Withdrawn JP2002005883A (ja) 2000-06-22 2000-06-22 窒素酸化物ガスセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002005883A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005106817A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Robert Bosch Gmbh センサ素子
JP2007107996A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Denso Corp ガスセンサ素子
JP2018077115A (ja) * 2016-11-09 2018-05-17 日本碍子株式会社 ガスセンサの出力劣化抑制方法
JP2020180961A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 日本特殊陶業株式会社 センサ素子及びガスセンサ
CN114689651A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 长城汽车股份有限公司 一种氮氧传感器、氮氧化物的测量方法和车辆
US11867659B2 (en) 2019-04-23 2024-01-09 Niterra Co., Ltd. Sensor element and gas sensor

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005106817A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Robert Bosch Gmbh センサ素子
JP2007506948A (ja) * 2003-09-29 2007-03-22 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング センサエレメント
JP2007107996A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Denso Corp ガスセンサ素子
JP2018077115A (ja) * 2016-11-09 2018-05-17 日本碍子株式会社 ガスセンサの出力劣化抑制方法
JP2020180961A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 日本特殊陶業株式会社 センサ素子及びガスセンサ
JP7391638B2 (ja) 2019-04-23 2023-12-05 日本特殊陶業株式会社 センサ素子及びガスセンサ
US11867659B2 (en) 2019-04-23 2024-01-09 Niterra Co., Ltd. Sensor element and gas sensor
CN114689651A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 长城汽车股份有限公司 一种氮氧传感器、氮氧化物的测量方法和车辆

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6773565B2 (en) NOx sensor
KR100319010B1 (ko) 가스센서
KR101851281B1 (ko) 암모니아 센서
US6787014B2 (en) Gas-detecting element and gas-detecting device comprising same
US6413397B2 (en) Nitrogen oxide gas sensor
JPH11201942A (ja) 窒素酸化物センサ
JP3587290B2 (ja) NOxガスセンサ
JP4456839B2 (ja) NOx検知用セル及びその製造方法並びに該セルを備えたNOx検出装置
JP2002243692A (ja) 窒素酸化物ガスセンサ
JPH1172476A (ja) 窒素酸化物ガスセンサ
JP2002195978A (ja) ガス検知素子およびそれを用いたガス検出装置
JP2002005883A (ja) 窒素酸化物ガスセンサ
JP2003185625A (ja) ガス検知素子及びこれを用いたガス検出装置
JP4153238B2 (ja) 電気化学的酸素ポンプセルおよびそれを用いた窒素酸化物検知装置
US6797138B1 (en) Gas senior design and method for forming the same
JPH1048179A (ja) NOx検知装置
JP3943262B2 (ja) NOxガス濃度測定装置及びNOxガス濃度測定方法
US20110210013A1 (en) Selective gas sensor device and associated method
JP2002236107A (ja) ガス検知素子およびそれを用いたガス検出装置
JP4213939B2 (ja) ガス検出装置
JP3195757B2 (ja) 窒素酸化物センサ
JP2001083117A (ja) 窒素酸化物ガスセンサ
JP2001221772A (ja) 電気化学センサ
JP2001041927A (ja) 窒素酸化物ガスセンサ
JP3086211B2 (ja) 窒素酸化物センサ

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050920

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070322

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090609