JP2004321043A - 玉ねぎ移植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビニールを被覆した地面での移植が可能であるとともに、構成要素を省くことで構成全体が簡単で小型化されており、かつ、移植作業の段階が最小化され、移植効率の増大が可能な玉ねぎ移植機を提供する。
【解決手段】所定のトレイ移送装置A、苗抜き出し装置B、苗供給装置C、移植装置D、及びトレイ載せ台移動装置からなる玉ねぎ移植機である。苗抜き出し装置Bの押出し棒と苗供給装置Cのフィンガー6とを、トレイの1行のセルの数より少なく構成し、所定のトレイ載せ台移動装置によりトレイ載せ台10を左右に移動させるようにし、苗供給装置Cのフィンガー6は、所定の構成により開閉し、固定軸21上に整列された状態において固定軸21を中心に上下に回転し、フィンガー6の上下回転半径に沿って、移植装置Dのホッパー8とフィンガー6の間にガイド7が設置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】所定のトレイ移送装置A、苗抜き出し装置B、苗供給装置C、移植装置D、及びトレイ載せ台移動装置からなる玉ねぎ移植機である。苗抜き出し装置Bの押出し棒と苗供給装置Cのフィンガー6とを、トレイの1行のセルの数より少なく構成し、所定のトレイ載せ台移動装置によりトレイ載せ台10を左右に移動させるようにし、苗供給装置Cのフィンガー6は、所定の構成により開閉し、固定軸21上に整列された状態において固定軸21を中心に上下に回転し、フィンガー6の上下回転半径に沿って、移植装置Dのホッパー8とフィンガー6の間にガイド7が設置されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、玉ねぎ移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】玉ねぎ移植作業の機械化が行われることによって様々な方式の移植機が開発されている。従来の玉ねぎ移植機の構成は、図9と図10の通りであるが、図10はビニールをマルチした状態の地面には玉ねぎを移植できない構造で、図9はビニールをマルチした地面に移植できるようにした構造である。
【0003】図10は従来の玉ねぎ移植機であるが、苗を地面に植える際の過程は次の通りであった。まず、押しレバー(41)によってトレイ(40)から下段一行の苗が押し出されると、フィンガー(42)がその苗を掴んで水平ベルト(44)上に苗を一列に置く。次に、水平ベルト(44)が駆動してベルトの端に移動した苗が落ちると、二双の垂直ベルト(45)が順次、苗を挟んで回転し、溝切輪(47)が予め掘っておいた溝に苗を落とし、鎮圧輪(48)がそこに土をかぶせる、というものである。ここで問題になることは、この作業過程が連続的に進行するものの、ビニールがマルチされた地面には使えないということである。
【0004】これに対して図9は、ビニールがマルチされた地面にも玉ねぎの苗を植えられる玉ねぎ移植機である(例えば、特許文献1参照)。玉ねぎ苗のトレイから押出し棒とフィンガーを利用して玉ねぎ苗を抜き出す段階と、抜き出した玉ねぎ苗を整列ホッパーに整列する段階、整列した玉ねぎ苗を順番に植付けホッパーに投入する段階、投入された玉ねぎ苗を開孔器で植え付ける段階などで構成されている。玉ねぎ苗を抜き出す段階は、トレイに形成されたセルの数と同数の押出し棒の往復運動により苗を抜き出すように構成したものであるが、このような構成の場合、同一の作用をする構成要素の重複配列で機械の部品が増加することになる問題と、苗の整列装置はトレイの一行の苗の数と同一に構成されている複雑さや部品が多量に所要になる問題、植え付けるために整列された玉ねぎ苗を再び順番に開孔器に投入するため、移植速度が落ちるという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
韓国特許第307322号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ビニールを被覆した地面での移植が可能であるとともに、構成要素を省くことで構成全体が簡単で小型化されており、かつ、移植作業の段階が最小化され、移植効率の増大が可能な玉ねぎ移植機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、トレイをトレイ載せ台に載置して下側に移送させるトレイ移送装置、前記トレイから苗を抜き出す苗抜き出し装置、前記トレイから抜き出された前記苗を受け入れて移植部へ供給する苗供給装置、前記苗を植え付ける移植装置、及び、前記トレイ載せ台を左右に移動させるためのトレイ載せ台移動装置からなる玉ねぎ移植機であって、前記苗抜き出し装置の押出し棒(5)と前記苗供給装置のフィンガー(6)とを、前記トレイの1行のセル(2)の数より少なく構成し、連断続移送ネジ(19)、従動部(13)、従動部ケース(18)、及びレバー(18A)で構成される前記トレイ載せ台移動装置により前記トレイ載せ台(10)を左右に移動させるようにし、前記苗供給装置の前記フィンガー(6)は、二つのロッド(52A,52B)とカム(53A,53B)により開閉し、また、固定軸(21)上に整列された状態において1回転ネジ(12)によって前記固定軸(21)を中心に上下に回転し、前記フィンガー(6)の上下回転半径に沿って、前記移植装置のホッパー(8)と前記フィンガー(6)の間には曲線形態のガイド(7)が設置されたことを特徴とする玉ねぎ移植機が提供される。
【0008】本発明においては、トレイ載せ台移動装置の連断続移送ネジ(19)には、ネジ溝(14)が、1回転ごとに傾斜溝(14A)と直線溝(14B)とが等分に形成されており、トレイ載せ台(10)が水平移動と停止を繰り返し、連断続移送ネジ(19)が4回転後、従動部(13)が連断続移送ネジ(19)の端末まで移動したとき反対方向のネジ溝(14)に沿って移動し、トレイ載せ台(10)が水平移動と停止を連続的に繰り返すことが好ましい。
【0009】また、本発明においては、フィンガー(6)は二つの部分を合体させることにより構成され、固定軸(21)上に、上下に回転が可能に整列された状態で連結軸(51)により連結されていて、二つのロッド(52A,52B)がカム(53A,53B)によって左右に押されることにより開きながら、苗を受け入れ、閉じつつ苗を把持し、連結軸(51)は、1回転ネジ(12)と連結されていて、1回転ネジ(12)の回転により固定軸(21)を中心に上下回転運動をし、トレイから受けた苗をホッパー(8)に落とすことも同様に好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
【0011】本発明は玉ねぎ苗を地面に植え付ける移植機に関するもので、トレイからの玉ねぎ苗の分離から、地面に植え付けるまでの段階を簡単にして、それによる移植機の構造を簡単にするために構成されたものである。即ち、本発明では、従来の移植機の作動行程を簡素化し、それに従って構成要素を省いてなるものである。また、本発明では玉ねぎ苗が入っているトレイに形成された一行のセルの数より押出し棒の数を少なく構成し、トレイを水平移動することによって玉ねぎ苗をトレイから抜き出すようにした。更に、トレイのセルから抜かれ、フィンガーで掴まれた玉ねぎ苗が、直接植付けホッパーの内側に投入されるように構成し、玉ねぎ苗の抜き出し、整列、及び投入段階を同時に実施可能とすることによって、作業が単純化され、構成要素が最小化されてなるものである。以下、本発明の玉ねぎ移植装置の詳細について説明する。
【0012】本体は、図1に示すように、トレイを、トレイ載せ台10に載置して下側に移送させるトレイ移送装置Aと、トレイから苗を抜き出す苗抜き出し装置Bと、トレイから抜き出された苗を移植部へ供給する苗供給装置Cと、苗を植え付ける移植装置Dと、図2に示した、トレイ載せ台10を左右に移動させるトレイ載せ台移動装置Eとから構成されていて、小型トラクターや耕運機などの走行動源に装着し、進行しながら移植作業を遂行できるように構成されている。
【0013】図1、及び図2に示すように、トレイ移送装置Aは、玉ねぎ苗の入っているトレイ2から玉ねぎ苗を抜き出すために、トレイ2を下の方向に一行ずつ移送させる役割を遂行する装置であり、トレイ載せ台移動装置Eは、トレイ2を側方向に一行ずつ移送させるための装置である。
【0014】図2、及び図3に示すように、トレイ載せ台10の左右移動は、減速器19Aによって回転される連断続移送ネジ19と、その内部に従動部13が設けられた従動部ケース18と、トレイ載せ台10と従動部ケース18とを連結させるレバー18Aとから構成されるトレイ載せ台移動装置Eによって行われる。
【0015】即ち、図3に示したように、連断続移送ネジ19は、その表面に連続的にネジ溝14が形成されているが、連断続移送ネジ19の一方側の半面には、傾斜溝14Aを有するX字形態となるように、他方側の半面には直線溝14Bを有するように、ネジ溝14が形成されている。また、連断続移送ネジ19が従動部ケース18に収納された状態においては、従動部13はネジ溝14に嵌められる状態になり、減速器19Aによって連断続移送ネジ19が回転すると、従動部13はネジ溝14に沿って左右に移動するので、従動部ケース18も左右に移動する。
【0016】連断続移送ネジ19の表面には、傾斜溝14Aと直線溝14Bとからなるネジ溝14が形成されているため、従動部13が直線溝14Bを通過するときはトレイ載せ台10(図2参照)は左右に移動せず、そのときに、下記で詳細に説明されるように、押出し台ロッド3と連結した押出し棒5の進入により、トレイ2のセル2Aから玉ねぎ苗が抜かれるように構成されている(図4及び図5参照)。連断続移送ネジ19には、隣接する押出し棒5どうしの間に対応するセルの数だけ直線溝14Bを形成するようにして、従動部13が連断続移送ネジ19の端まで移動した場合には、螺旋形のネジ溝14の反対方向に進入するように、トレイ載せ台10は、反対方向に従前と同一に移送されるようにした(図2及び図3参照)。
【0017】図3は、連断続移送ネジ19の正面図、及び裏面図であり、連断続移送ネジ19の正面と裏面を各々示したものである。連断続移送ネジ19の1回転は、図4に示すトレイ2における、隣接するセル2Aどうしの距離に対応することになる。
【0018】図4に示すように、トレイ2の一行のセル2Aに入っている玉ねぎ苗を一つずつ全部抜き出した後には、トレイ2は一行ずつ垂直下方向に移動することになる。以下、図4により詳細に説明する。
【0019】トレイ2が次の行に移動する際には、クランク25を回転させると、クランク25の一端に連結したレバー26がクランク25の回転に従い回転するため、レバー26に連結したL字型の上下動作レバー28が作動する。また、上下動作レバー28は、その折曲部がかなめ27により固定されており、かなめ27を中心にクランク回転する際にその端部が一定区間ずつ動くように構成されている。
【0020】クランク25に連結されたレバー26が、クランク25の回転に従い回転するようになると、レバー26の一端には上下動作レバー28が連結されているため、上下動作レバー28は、折曲部のかなめ27を中心として上下に動くようになる。上下動作レバー28が上がるときには、上下動作レバー28と押出片23の結合部に設けたローラ31aが、ストッパー29を持ち上げるようになり、ストッパー29の底面に形成された突起30bが、トレイ2に形成された穿孔面36から出るようになっている。ストッパー29が持ち上がった後もクランク25は継続回転するため、上下動作レバー28は下がるようになり、このときに押出片23の突起30aが穿孔面36にかかって、トレイ2を下の方に一行ずつ移動させるようになっている。
【0021】ストッパー29の一端にはローラ31bを設け、押出片23が摩擦なしに動くように構成し、また、ローラ31bの近傍の側面には、トレイガイド32がスプリング33aで連結されていており、弾力ある運動が実現できるように構成されている。
【0022】押出片23に形成された突起30aは、一側面が曲面で形成されており、押出片23が上昇するときは穿孔面36の縁に曲面部分が乗って上がり、また押出片23が下がるときは突起30aの平面部分が穿孔面36の縁に接触し、トレイ2を一行だけ移動させるように構成されている。
【0023】図5に示すように、苗抜き出し装置は、玉ねぎ苗をトレイ2のセルから抜き出す装置であり、カムに連結されたロッド(押出し台ロッド3)の往復運動により、押出し棒5がトレイ2の底面を貫通してトレイ2から玉ねぎ苗を抜き出すように構成されている。押出し台ロッド3の両端はカムと接触し、カムの回転によって、押出し棒5の往復運動ができるように構成されている。
【0024】トレイ載せ台10は、連断続移送ネジ19(図3参照)により一定の速度でトレイ2の側方向に、セルの数迄一列ずつ進行と停止を繰り返し、トレイ載せ台10の停止状態の際に、押出し棒5の先端はトレイ2のセルの方に進入する。押出し棒5の駆動(往復運動)は、押出し台ロッド3の往復運動と同調した往復運動である。
【0025】押出し台ロッド3の先端はカムの表面と接触しており、カムの回転にともなうその接触位置の変位によって、押出し台ロッド3の往復運動の行程が決められる。カムの1回転により1行程が終わることになる。トレイ載せ台10の進行と、押出し台ロッド3の往復による押出し棒5の進行で、トレイ2のセルの中心と押出し棒5の先端が正確に合うようになるとき、押出し棒5はセルに進入し、続いて押出し距離が最大になりセルから玉ねぎの苗が抜かれ、その瞬間カムの変位が急に変わることによって押出し棒5は、急速にもとの位置に帰還して次のセルに接近する連続作業を遂行する。
【0026】従って、トレイ2が一定の速度で進行と停止を繰り返すと押出し棒5の先端は毎度セルの中心を押し出せるように構成されている。トレイ載せ台10に形成された押出し棒挿入口11は、押出し棒5の往復運動時に、トレイ載せ台10に移動余裕を与えるために楕円形に形成されており、楕円形の中心部分にセルの中心が位置するように構成されている。
【0027】このようにトレイから抜かれた玉ねぎ苗は、苗供給装置によりホッパーに投入される。苗供給装置における、玉ねぎ苗を把持する部分は、図2、図6、図7(A)、及び図7(B)のように、フィンガー6のような形式で構成されており、玉ねぎ苗を掴んで整列運搬する機能を有するとともに、苗をホッパー8に正確に供給するように構成されている。図2は、一行に12セルを有するトレイ2の2個をトレイ載せ台10に載置して、各トレイ2に3個のフィンガー6を設置し、一度の移植動作に6条の苗が植え付けられる構造の例示である。
【0028】図2、図6、図7(A)、及び図7(B)に示したように、各々のフィンガー6は、右側部分6Bと左側部分6Aに区分されており、支持部材50A,50B上にネジで固定された状態で左右部分が合わされることにより構成されている。
【0029】各々のフィンガー6は、固定軸21を中心として上下へ回転するように、支持部材50A,50Bで固定及び整列されている。支持部材50A,50Bは、更に連結軸51と連結しており、連結軸51は連断続移送ネジ19と同じ原理の1回転ネジ12と結合することによって、1回転ネジ12の回転の際、フィンガー6の入口(先端)は固定軸21を回転軸にして昇降する。即ち、1回転ネジ12が1回転すると、フィンガー6は、最頂上部停止−苗受け−最下部下り−苗放し−最頂上部上り、の4区分動作をなすことになる。
【0030】なお、支持部材50A,50Bのうちの一方にのみロッド挿入部材54が付設されていて、これに二つの支持部材50A,50Bが嵌められるが、図7(A)に示すように、左側の3個のフィンガー6は、左側の支持部材50Aにだけロッド挿入部材54が付設され、右側の3個のフィンガー6は、右側の支持部材50Bにだけロッド挿入部材54が付設され、上側のロッド52Aは左側の3個のロッド挿入部材54にだけ固定ネジ55により固定され、下側のロッド52Bは右側の3個のロッド挿入部材54にだけ固定ネジ56により固定されている。中央部分にはスプリング57が装着されており、各々のロッド52A,52Bの末端は、同一に動作するカム53A,53Bに接触している。従って、カム53A,53Bの回転により上下のロッド52A,52Bの末端を押すと、図7(B)のように、フィンガー6は開くことになり、スプリング57の弾力によって閉じることになる。
【0031】図5に示すように、フィンガー6は押出し棒5によって押し出された玉ねぎ苗を円滑に受けるために、押出し棒5の押し出し方向と同一方向に水平に設けてあり、ホッパー8の上端に向かうように、固定軸21を回転中心として1/4程度往復回転することになる。フィンガー6の回転は、ホッパー8の上端から、玉ねぎ苗をその中に垂直に落とすための動作であり、垂直に落とすと同時に回転時発生する遠心力によってホッパー8の中に玉ねぎの苗を容易かつ正確に投入することができる。
【0032】回転するフィンガー6の先端部の前方には曲線形態のガイド7が装着されている。ガイド7は、フィンガー6が回転するときに発生する遠心力によって玉ねぎ苗がフィンガー6から抜けて離脱するのを防止するためのもので、玉ねぎ苗がフィンガー6から抜け出そうとする状態でも、フィンガー6の先端はガイド7に沿って移動するため、玉ねぎ苗をホッパー8の内側に正確に投入できる。
【0033】フィンガー6が回転しホッパー8の上端で停止すると同時にフィンガー6の先端がカム53A,53B(図7(A)、図7(B)参照)の作動によって開くことで、フィンガー6の内側に挿入された玉ねぎ苗はホッパー8の内側に正確に投入され、ホッパー8の下方に配設された移植刃9の下部へ正確に安着する。
【0034】玉ねぎ苗のフィンガー6による把持とガイド7による離脱防止によって、凸凹の地面で作業を進行するときに、揺れがあっても玉ねぎ苗がフィンガー6から離脱させず、高い移植率で正確な作業を遂行することができる。
【0035】移植部(植付け部)は、図8のように、ホッパー8と、これに連結する移植刃9とが連結台16に配設されて構成され、この移植部はリンクの運動により、停止状態において楕円形の軌跡運動をするようになっているが、これは、図9に示された従来の技術と同じである。
【0036】ホッパー8の内側に投入され移植刃9に入った玉ねぎ苗は、リンクと連結した移植刃9の上下運動により地面に植え付けられる。二つの部材を組み合わせてなるショベル型の移植刃9は、玉ねぎ移植機の本体に配設されたガイド7と作動レバー22の接触により開閉するように構成されている。移植刃9は、作動レバー22の上下運動によって開閉するが、平常時にはスプリングの作用によって常に閉じており、この状態で玉ねぎ苗を受けることになる。従って、リンクの運動により移植刃9が地面に突き刺されて上方に戻るときは、作動レバー22の端が玉ねぎ移植機の本体に配設されたガイド7を乗って進行し、地面から上方に戻る瞬間、移植刃9の両端が開き、玉ねぎ苗を地中に残して移植刃9だけ上昇し、植え付けが完了されるのである。
【0037】このように、トレイから玉ねぎ苗の抜き出し、把持、及び投入という植付け段階が一つの周期になることによって、玉ねぎの移植作業が行われるのである。
【0038】本発明においては、玉ねぎ苗の分離から植付け段階に至るまで一つの構成要素によって作業をするため、構成が単純であるといった特徴がある。
【0039】
【発明の効果】本発明は、ビニールを被覆した地面でも移植機での玉ねぎの移植効率を高める既存発明の特徴とともに、既存の構成より簡単な構成で、移植作業の段階を最小化し、構成要素を省くことで小型化される特徴とを併せ持ち、玉ねぎの移植効率を増大させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の玉ねぎ移植機の一の実施形態を示す簡略図である。
【図2】トレイ載せ台、連断続移送ネジ、及びフィンガーの構成図である。
【図3】連断続移送ネジの正面図、及び裏面図である。
【図4】トレイ垂直移送装置の概略図である。
【図5】苗抜き出し装置の斜視図である。
【図6】フィンガーの上下回転状態図である。
【図7】フィンガーの動作状態図(図7(A),図7(B))である。
【図8】移植部(植付け部)の斜視図である。
【図9】従来の玉ねぎ移植機の一の実施形態を示す構成図である。
【図10】従来の玉ねぎ移植機の他の実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
2…トレイ、2A…セル、3…押出し台ロッド、5…押出し棒、6…フィンガー、6A…左側部分、6B…右側部分、7…ガイド、8…ホッパー、9…移植刃、10…トレイ載せ台、11…押出し棒挿入口、12…1回転ネジ、12A…減速器、13…従動部、14…ネジ溝、14A…傾斜溝、14B…直線溝、16…連結台、18…従動部ケース、18A…レバー、19…連断続移送ネジ、19A…減速器、21…固定軸、22…作動レバー、23…押出片、25…クランク、26…レバー、27…かなめ、28…上下動作レバー、29…ストッパー、30a,30b…突起、31a,31b…ローラ、32…トレイガイド、33a…スプリング、36…穿孔面、40…トレイ、41…押しレバー、42…フィンガー、44…水平ベルト、45…垂直ベルト、46…植付けディスク、47…溝切輪、48…鎮圧輪、50A,50B…支持部材、51…連結軸、52A,52B…ロッド、53A,53B…カム、54…ロッド挿入部材、55,56…固定ネジ、57…スプリング、A…トレイ移送装置、B…苗抜き出し装置、C…苗供給装置、D…移植装置、E…トレイ載せ台移動装置。
【発明の属する技術分野】本発明は、玉ねぎ移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】玉ねぎ移植作業の機械化が行われることによって様々な方式の移植機が開発されている。従来の玉ねぎ移植機の構成は、図9と図10の通りであるが、図10はビニールをマルチした状態の地面には玉ねぎを移植できない構造で、図9はビニールをマルチした地面に移植できるようにした構造である。
【0003】図10は従来の玉ねぎ移植機であるが、苗を地面に植える際の過程は次の通りであった。まず、押しレバー(41)によってトレイ(40)から下段一行の苗が押し出されると、フィンガー(42)がその苗を掴んで水平ベルト(44)上に苗を一列に置く。次に、水平ベルト(44)が駆動してベルトの端に移動した苗が落ちると、二双の垂直ベルト(45)が順次、苗を挟んで回転し、溝切輪(47)が予め掘っておいた溝に苗を落とし、鎮圧輪(48)がそこに土をかぶせる、というものである。ここで問題になることは、この作業過程が連続的に進行するものの、ビニールがマルチされた地面には使えないということである。
【0004】これに対して図9は、ビニールがマルチされた地面にも玉ねぎの苗を植えられる玉ねぎ移植機である(例えば、特許文献1参照)。玉ねぎ苗のトレイから押出し棒とフィンガーを利用して玉ねぎ苗を抜き出す段階と、抜き出した玉ねぎ苗を整列ホッパーに整列する段階、整列した玉ねぎ苗を順番に植付けホッパーに投入する段階、投入された玉ねぎ苗を開孔器で植え付ける段階などで構成されている。玉ねぎ苗を抜き出す段階は、トレイに形成されたセルの数と同数の押出し棒の往復運動により苗を抜き出すように構成したものであるが、このような構成の場合、同一の作用をする構成要素の重複配列で機械の部品が増加することになる問題と、苗の整列装置はトレイの一行の苗の数と同一に構成されている複雑さや部品が多量に所要になる問題、植え付けるために整列された玉ねぎ苗を再び順番に開孔器に投入するため、移植速度が落ちるという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
韓国特許第307322号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ビニールを被覆した地面での移植が可能であるとともに、構成要素を省くことで構成全体が簡単で小型化されており、かつ、移植作業の段階が最小化され、移植効率の増大が可能な玉ねぎ移植機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、トレイをトレイ載せ台に載置して下側に移送させるトレイ移送装置、前記トレイから苗を抜き出す苗抜き出し装置、前記トレイから抜き出された前記苗を受け入れて移植部へ供給する苗供給装置、前記苗を植え付ける移植装置、及び、前記トレイ載せ台を左右に移動させるためのトレイ載せ台移動装置からなる玉ねぎ移植機であって、前記苗抜き出し装置の押出し棒(5)と前記苗供給装置のフィンガー(6)とを、前記トレイの1行のセル(2)の数より少なく構成し、連断続移送ネジ(19)、従動部(13)、従動部ケース(18)、及びレバー(18A)で構成される前記トレイ載せ台移動装置により前記トレイ載せ台(10)を左右に移動させるようにし、前記苗供給装置の前記フィンガー(6)は、二つのロッド(52A,52B)とカム(53A,53B)により開閉し、また、固定軸(21)上に整列された状態において1回転ネジ(12)によって前記固定軸(21)を中心に上下に回転し、前記フィンガー(6)の上下回転半径に沿って、前記移植装置のホッパー(8)と前記フィンガー(6)の間には曲線形態のガイド(7)が設置されたことを特徴とする玉ねぎ移植機が提供される。
【0008】本発明においては、トレイ載せ台移動装置の連断続移送ネジ(19)には、ネジ溝(14)が、1回転ごとに傾斜溝(14A)と直線溝(14B)とが等分に形成されており、トレイ載せ台(10)が水平移動と停止を繰り返し、連断続移送ネジ(19)が4回転後、従動部(13)が連断続移送ネジ(19)の端末まで移動したとき反対方向のネジ溝(14)に沿って移動し、トレイ載せ台(10)が水平移動と停止を連続的に繰り返すことが好ましい。
【0009】また、本発明においては、フィンガー(6)は二つの部分を合体させることにより構成され、固定軸(21)上に、上下に回転が可能に整列された状態で連結軸(51)により連結されていて、二つのロッド(52A,52B)がカム(53A,53B)によって左右に押されることにより開きながら、苗を受け入れ、閉じつつ苗を把持し、連結軸(51)は、1回転ネジ(12)と連結されていて、1回転ネジ(12)の回転により固定軸(21)を中心に上下回転運動をし、トレイから受けた苗をホッパー(8)に落とすことも同様に好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
【0011】本発明は玉ねぎ苗を地面に植え付ける移植機に関するもので、トレイからの玉ねぎ苗の分離から、地面に植え付けるまでの段階を簡単にして、それによる移植機の構造を簡単にするために構成されたものである。即ち、本発明では、従来の移植機の作動行程を簡素化し、それに従って構成要素を省いてなるものである。また、本発明では玉ねぎ苗が入っているトレイに形成された一行のセルの数より押出し棒の数を少なく構成し、トレイを水平移動することによって玉ねぎ苗をトレイから抜き出すようにした。更に、トレイのセルから抜かれ、フィンガーで掴まれた玉ねぎ苗が、直接植付けホッパーの内側に投入されるように構成し、玉ねぎ苗の抜き出し、整列、及び投入段階を同時に実施可能とすることによって、作業が単純化され、構成要素が最小化されてなるものである。以下、本発明の玉ねぎ移植装置の詳細について説明する。
【0012】本体は、図1に示すように、トレイを、トレイ載せ台10に載置して下側に移送させるトレイ移送装置Aと、トレイから苗を抜き出す苗抜き出し装置Bと、トレイから抜き出された苗を移植部へ供給する苗供給装置Cと、苗を植え付ける移植装置Dと、図2に示した、トレイ載せ台10を左右に移動させるトレイ載せ台移動装置Eとから構成されていて、小型トラクターや耕運機などの走行動源に装着し、進行しながら移植作業を遂行できるように構成されている。
【0013】図1、及び図2に示すように、トレイ移送装置Aは、玉ねぎ苗の入っているトレイ2から玉ねぎ苗を抜き出すために、トレイ2を下の方向に一行ずつ移送させる役割を遂行する装置であり、トレイ載せ台移動装置Eは、トレイ2を側方向に一行ずつ移送させるための装置である。
【0014】図2、及び図3に示すように、トレイ載せ台10の左右移動は、減速器19Aによって回転される連断続移送ネジ19と、その内部に従動部13が設けられた従動部ケース18と、トレイ載せ台10と従動部ケース18とを連結させるレバー18Aとから構成されるトレイ載せ台移動装置Eによって行われる。
【0015】即ち、図3に示したように、連断続移送ネジ19は、その表面に連続的にネジ溝14が形成されているが、連断続移送ネジ19の一方側の半面には、傾斜溝14Aを有するX字形態となるように、他方側の半面には直線溝14Bを有するように、ネジ溝14が形成されている。また、連断続移送ネジ19が従動部ケース18に収納された状態においては、従動部13はネジ溝14に嵌められる状態になり、減速器19Aによって連断続移送ネジ19が回転すると、従動部13はネジ溝14に沿って左右に移動するので、従動部ケース18も左右に移動する。
【0016】連断続移送ネジ19の表面には、傾斜溝14Aと直線溝14Bとからなるネジ溝14が形成されているため、従動部13が直線溝14Bを通過するときはトレイ載せ台10(図2参照)は左右に移動せず、そのときに、下記で詳細に説明されるように、押出し台ロッド3と連結した押出し棒5の進入により、トレイ2のセル2Aから玉ねぎ苗が抜かれるように構成されている(図4及び図5参照)。連断続移送ネジ19には、隣接する押出し棒5どうしの間に対応するセルの数だけ直線溝14Bを形成するようにして、従動部13が連断続移送ネジ19の端まで移動した場合には、螺旋形のネジ溝14の反対方向に進入するように、トレイ載せ台10は、反対方向に従前と同一に移送されるようにした(図2及び図3参照)。
【0017】図3は、連断続移送ネジ19の正面図、及び裏面図であり、連断続移送ネジ19の正面と裏面を各々示したものである。連断続移送ネジ19の1回転は、図4に示すトレイ2における、隣接するセル2Aどうしの距離に対応することになる。
【0018】図4に示すように、トレイ2の一行のセル2Aに入っている玉ねぎ苗を一つずつ全部抜き出した後には、トレイ2は一行ずつ垂直下方向に移動することになる。以下、図4により詳細に説明する。
【0019】トレイ2が次の行に移動する際には、クランク25を回転させると、クランク25の一端に連結したレバー26がクランク25の回転に従い回転するため、レバー26に連結したL字型の上下動作レバー28が作動する。また、上下動作レバー28は、その折曲部がかなめ27により固定されており、かなめ27を中心にクランク回転する際にその端部が一定区間ずつ動くように構成されている。
【0020】クランク25に連結されたレバー26が、クランク25の回転に従い回転するようになると、レバー26の一端には上下動作レバー28が連結されているため、上下動作レバー28は、折曲部のかなめ27を中心として上下に動くようになる。上下動作レバー28が上がるときには、上下動作レバー28と押出片23の結合部に設けたローラ31aが、ストッパー29を持ち上げるようになり、ストッパー29の底面に形成された突起30bが、トレイ2に形成された穿孔面36から出るようになっている。ストッパー29が持ち上がった後もクランク25は継続回転するため、上下動作レバー28は下がるようになり、このときに押出片23の突起30aが穿孔面36にかかって、トレイ2を下の方に一行ずつ移動させるようになっている。
【0021】ストッパー29の一端にはローラ31bを設け、押出片23が摩擦なしに動くように構成し、また、ローラ31bの近傍の側面には、トレイガイド32がスプリング33aで連結されていており、弾力ある運動が実現できるように構成されている。
【0022】押出片23に形成された突起30aは、一側面が曲面で形成されており、押出片23が上昇するときは穿孔面36の縁に曲面部分が乗って上がり、また押出片23が下がるときは突起30aの平面部分が穿孔面36の縁に接触し、トレイ2を一行だけ移動させるように構成されている。
【0023】図5に示すように、苗抜き出し装置は、玉ねぎ苗をトレイ2のセルから抜き出す装置であり、カムに連結されたロッド(押出し台ロッド3)の往復運動により、押出し棒5がトレイ2の底面を貫通してトレイ2から玉ねぎ苗を抜き出すように構成されている。押出し台ロッド3の両端はカムと接触し、カムの回転によって、押出し棒5の往復運動ができるように構成されている。
【0024】トレイ載せ台10は、連断続移送ネジ19(図3参照)により一定の速度でトレイ2の側方向に、セルの数迄一列ずつ進行と停止を繰り返し、トレイ載せ台10の停止状態の際に、押出し棒5の先端はトレイ2のセルの方に進入する。押出し棒5の駆動(往復運動)は、押出し台ロッド3の往復運動と同調した往復運動である。
【0025】押出し台ロッド3の先端はカムの表面と接触しており、カムの回転にともなうその接触位置の変位によって、押出し台ロッド3の往復運動の行程が決められる。カムの1回転により1行程が終わることになる。トレイ載せ台10の進行と、押出し台ロッド3の往復による押出し棒5の進行で、トレイ2のセルの中心と押出し棒5の先端が正確に合うようになるとき、押出し棒5はセルに進入し、続いて押出し距離が最大になりセルから玉ねぎの苗が抜かれ、その瞬間カムの変位が急に変わることによって押出し棒5は、急速にもとの位置に帰還して次のセルに接近する連続作業を遂行する。
【0026】従って、トレイ2が一定の速度で進行と停止を繰り返すと押出し棒5の先端は毎度セルの中心を押し出せるように構成されている。トレイ載せ台10に形成された押出し棒挿入口11は、押出し棒5の往復運動時に、トレイ載せ台10に移動余裕を与えるために楕円形に形成されており、楕円形の中心部分にセルの中心が位置するように構成されている。
【0027】このようにトレイから抜かれた玉ねぎ苗は、苗供給装置によりホッパーに投入される。苗供給装置における、玉ねぎ苗を把持する部分は、図2、図6、図7(A)、及び図7(B)のように、フィンガー6のような形式で構成されており、玉ねぎ苗を掴んで整列運搬する機能を有するとともに、苗をホッパー8に正確に供給するように構成されている。図2は、一行に12セルを有するトレイ2の2個をトレイ載せ台10に載置して、各トレイ2に3個のフィンガー6を設置し、一度の移植動作に6条の苗が植え付けられる構造の例示である。
【0028】図2、図6、図7(A)、及び図7(B)に示したように、各々のフィンガー6は、右側部分6Bと左側部分6Aに区分されており、支持部材50A,50B上にネジで固定された状態で左右部分が合わされることにより構成されている。
【0029】各々のフィンガー6は、固定軸21を中心として上下へ回転するように、支持部材50A,50Bで固定及び整列されている。支持部材50A,50Bは、更に連結軸51と連結しており、連結軸51は連断続移送ネジ19と同じ原理の1回転ネジ12と結合することによって、1回転ネジ12の回転の際、フィンガー6の入口(先端)は固定軸21を回転軸にして昇降する。即ち、1回転ネジ12が1回転すると、フィンガー6は、最頂上部停止−苗受け−最下部下り−苗放し−最頂上部上り、の4区分動作をなすことになる。
【0030】なお、支持部材50A,50Bのうちの一方にのみロッド挿入部材54が付設されていて、これに二つの支持部材50A,50Bが嵌められるが、図7(A)に示すように、左側の3個のフィンガー6は、左側の支持部材50Aにだけロッド挿入部材54が付設され、右側の3個のフィンガー6は、右側の支持部材50Bにだけロッド挿入部材54が付設され、上側のロッド52Aは左側の3個のロッド挿入部材54にだけ固定ネジ55により固定され、下側のロッド52Bは右側の3個のロッド挿入部材54にだけ固定ネジ56により固定されている。中央部分にはスプリング57が装着されており、各々のロッド52A,52Bの末端は、同一に動作するカム53A,53Bに接触している。従って、カム53A,53Bの回転により上下のロッド52A,52Bの末端を押すと、図7(B)のように、フィンガー6は開くことになり、スプリング57の弾力によって閉じることになる。
【0031】図5に示すように、フィンガー6は押出し棒5によって押し出された玉ねぎ苗を円滑に受けるために、押出し棒5の押し出し方向と同一方向に水平に設けてあり、ホッパー8の上端に向かうように、固定軸21を回転中心として1/4程度往復回転することになる。フィンガー6の回転は、ホッパー8の上端から、玉ねぎ苗をその中に垂直に落とすための動作であり、垂直に落とすと同時に回転時発生する遠心力によってホッパー8の中に玉ねぎの苗を容易かつ正確に投入することができる。
【0032】回転するフィンガー6の先端部の前方には曲線形態のガイド7が装着されている。ガイド7は、フィンガー6が回転するときに発生する遠心力によって玉ねぎ苗がフィンガー6から抜けて離脱するのを防止するためのもので、玉ねぎ苗がフィンガー6から抜け出そうとする状態でも、フィンガー6の先端はガイド7に沿って移動するため、玉ねぎ苗をホッパー8の内側に正確に投入できる。
【0033】フィンガー6が回転しホッパー8の上端で停止すると同時にフィンガー6の先端がカム53A,53B(図7(A)、図7(B)参照)の作動によって開くことで、フィンガー6の内側に挿入された玉ねぎ苗はホッパー8の内側に正確に投入され、ホッパー8の下方に配設された移植刃9の下部へ正確に安着する。
【0034】玉ねぎ苗のフィンガー6による把持とガイド7による離脱防止によって、凸凹の地面で作業を進行するときに、揺れがあっても玉ねぎ苗がフィンガー6から離脱させず、高い移植率で正確な作業を遂行することができる。
【0035】移植部(植付け部)は、図8のように、ホッパー8と、これに連結する移植刃9とが連結台16に配設されて構成され、この移植部はリンクの運動により、停止状態において楕円形の軌跡運動をするようになっているが、これは、図9に示された従来の技術と同じである。
【0036】ホッパー8の内側に投入され移植刃9に入った玉ねぎ苗は、リンクと連結した移植刃9の上下運動により地面に植え付けられる。二つの部材を組み合わせてなるショベル型の移植刃9は、玉ねぎ移植機の本体に配設されたガイド7と作動レバー22の接触により開閉するように構成されている。移植刃9は、作動レバー22の上下運動によって開閉するが、平常時にはスプリングの作用によって常に閉じており、この状態で玉ねぎ苗を受けることになる。従って、リンクの運動により移植刃9が地面に突き刺されて上方に戻るときは、作動レバー22の端が玉ねぎ移植機の本体に配設されたガイド7を乗って進行し、地面から上方に戻る瞬間、移植刃9の両端が開き、玉ねぎ苗を地中に残して移植刃9だけ上昇し、植え付けが完了されるのである。
【0037】このように、トレイから玉ねぎ苗の抜き出し、把持、及び投入という植付け段階が一つの周期になることによって、玉ねぎの移植作業が行われるのである。
【0038】本発明においては、玉ねぎ苗の分離から植付け段階に至るまで一つの構成要素によって作業をするため、構成が単純であるといった特徴がある。
【0039】
【発明の効果】本発明は、ビニールを被覆した地面でも移植機での玉ねぎの移植効率を高める既存発明の特徴とともに、既存の構成より簡単な構成で、移植作業の段階を最小化し、構成要素を省くことで小型化される特徴とを併せ持ち、玉ねぎの移植効率を増大させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の玉ねぎ移植機の一の実施形態を示す簡略図である。
【図2】トレイ載せ台、連断続移送ネジ、及びフィンガーの構成図である。
【図3】連断続移送ネジの正面図、及び裏面図である。
【図4】トレイ垂直移送装置の概略図である。
【図5】苗抜き出し装置の斜視図である。
【図6】フィンガーの上下回転状態図である。
【図7】フィンガーの動作状態図(図7(A),図7(B))である。
【図8】移植部(植付け部)の斜視図である。
【図9】従来の玉ねぎ移植機の一の実施形態を示す構成図である。
【図10】従来の玉ねぎ移植機の他の実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
2…トレイ、2A…セル、3…押出し台ロッド、5…押出し棒、6…フィンガー、6A…左側部分、6B…右側部分、7…ガイド、8…ホッパー、9…移植刃、10…トレイ載せ台、11…押出し棒挿入口、12…1回転ネジ、12A…減速器、13…従動部、14…ネジ溝、14A…傾斜溝、14B…直線溝、16…連結台、18…従動部ケース、18A…レバー、19…連断続移送ネジ、19A…減速器、21…固定軸、22…作動レバー、23…押出片、25…クランク、26…レバー、27…かなめ、28…上下動作レバー、29…ストッパー、30a,30b…突起、31a,31b…ローラ、32…トレイガイド、33a…スプリング、36…穿孔面、40…トレイ、41…押しレバー、42…フィンガー、44…水平ベルト、45…垂直ベルト、46…植付けディスク、47…溝切輪、48…鎮圧輪、50A,50B…支持部材、51…連結軸、52A,52B…ロッド、53A,53B…カム、54…ロッド挿入部材、55,56…固定ネジ、57…スプリング、A…トレイ移送装置、B…苗抜き出し装置、C…苗供給装置、D…移植装置、E…トレイ載せ台移動装置。
Claims (3)
- トレイをトレイ載せ台に載置して下側に移送させるトレイ移送装置、前記トレイから苗を抜き出す苗抜き出し装置、前記トレイから抜き出された前記苗を受け入れて移植部へ供給する苗供給装置、前記苗を植え付ける移植装置、及び、前記トレイ載せ台を左右に移動させるためのトレイ載せ台移動装置からなる玉ねぎ移植機であって、
前記苗抜き出し装置の押出し棒(5)と前記苗供給装置のフィンガー(6)とを、前記トレイの1行のセル(2)の数より少なく構成し、
連断続移送ネジ(19)、従動部(13)、従動部ケース(18)、及びレバー(18A)で構成される前記トレイ載せ台移動装置により前記トレイ載せ台(10)を左右に移動させるようにし、
前記苗供給装置の前記フィンガー(6)は、二つのロッド(52A,52B)とカム(53A,53B)により開閉し、また、固定軸(21)上に整列された状態において1回転ネジ(12)によって前記固定軸(21)を中心に上下に回転し、
前記フィンガー(6)の上下回転半径に沿って、前記移植装置のホッパー(8)と前記フィンガー(6)の間には曲線形態のガイド(7)が設置されたことを特徴とする玉ねぎ移植機。 - 前記トレイ載せ台移動装置の前記連断続移送ネジ(19)には、ネジ溝(14)が、1回転ごとに傾斜溝(14A)と直線溝(14B)とが等分に形成されており、前記トレイ載せ台(10)が水平移動と停止を繰り返し、前記連断続移送ネジ(19)が4回転後、前記従動部(13)が前記連断続移送ネジ(19)の端末まで移動したとき反対方向の前記ネジ溝(14)に沿って移動し、前記トレイ載せ台(10)が水平移動と停止を連続的に繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の玉ねぎ移植機。
- 前記フィンガー(6)は二つの部分を合体させることにより構成され、前記固定軸(21)上に、上下に回転が可能に整列された状態で連結軸(51)により連結されていて、二つの前記ロッド(52A,52B)が前記カム(53A,53B)によって左右に押されることにより開きながら、前記苗を受け入れ、閉じつつ前記苗を把持し、前記連結軸(51)は、前記1回転ネジ(12)と連結されていて、前記1回転ネジ(12)の回転により前記固定軸(21)を中心に上下回転運動をし、前記トレイから受けた前記苗をホッパー(8)に落とすことを特徴とする請求項1に記載の玉ねぎ移植機。
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