JP2004292803A - ポリエステル重合触媒、その製造方法、及びそれを用いたポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステル重合触媒、その製造方法、及びそれを用いたポリエステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【目的】 色調、透明性等に優れたポリエステルを高反応速度で製造することができるポリエステル重合触媒、及びその製造方法、並びにそれを用いたポリエステルの製造方法、を提供する。
【構成】 下記(1)の金属元素及び下記(2)の金属元素を少なくとも有する成分を含有し、その含有量が下記(a)を満たし、光路長10mmでの濁度が20%以下の液体状であることを特徴とするポリエステル重合触媒。
(1)周期表第4A族の金属元素からなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
(2)周期表第2A族の金属元素、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、及びゲルマニウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
(a)上記(1)に由来する金属原子の総量をt(モル/触媒kg)とし、上記(2)に由来する金属原子の総量をm(モル/触媒kg)としたとき、m/tの値が以下の範囲となる。
0.50≦m/t≦3.50
【選択図】 なし



Description

本発明は、ポリエステル重合触媒、及びその製造方法、並びにそれを用いたポリエステルの製造方法に関し、更に詳しくは、ボトル等の容器、フィルム、シート、繊維等の各種用途に好適な色調等の諸物性を有するポリエステルを高反応速度で製造することができるポリエステル重合触媒、及びその製造方法、並びにそれを用いたポリエステルの製造方法に関する。
従来より、ポリエステルは、化学的、物理的性質に優れていることから、ボトル等の容器、フィルム、シート、繊維等の各種用途に広範囲に使用されている。そのポリエステルは、一般に、エステル化反応若しくはエステル交換反応、及び溶融重縮合反応を経て、更に必要に応じて、特に容器用においては固相重縮合反応させることにより製造され、その重縮合反応にはアンチモン、ゲルマニウム、チタン等の化合物が触媒として使用されている。
ところで、アンチモン化合物を触媒としたポリエステルにおいては、特有のくすみを有することや、アンチモン化合物において懸念されている安全衛生性、環境への配慮等の点から、アンチモン化合物の使用量を低減化し、或いはそれらに代わる重縮合触媒の出現が強く望まれていた。また、ゲルマニウム化合物を触媒としたポリエステルにおいては、透明性や安全衛生性等の面では好適であるものの、ゲルマニウム化合物自体が極めて高価であり経済的不利が避けられない等の点から、ゲルマニウム化合物についても、使用量を低減化し、或いはそれらに代わる重縮合触媒の出現が強く望まれていた。それに対して、チタン化合物が、安価で、安全衛生性等にも問題もないことから注目され、アンチモン化合物やゲルマニウム化合物の代わりに使用されるに到っているが、チタン化合物を触媒としたポリエステルは、特有の黄味を有し、更に、熱安定性が劣る等の欠点があった。
そのチタン化合物における欠点に対して、チタン化合物と、アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物、及び燐化合物とを特定の量比で用いることにより、得られるポリエステルの色調等を改善し得ることが多数提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、これらの触媒系では、触媒活性が劣り、重縮合に長時間を要するため、或いは、チタン化合物を比較的多量に必要とすることから色調が悪化し、結果として色調を改善するには到り得ないものであった。
特開2002−179781号公報。
また、更に、チタン化合物と他の金属化合物等との複合化合物を用いることに関する提案も多数なされている。例えば、チタンアルコキシ化合物又はチタンハロゲン化物と、マグネシウム等の化合物との混合物を加水分解して得られた固体状含チタン化合物を用いることにより、チタン化合物の触媒活性が改良されると共に、得られるポリエステルの透明性、色相を改良し得ること(特許文献2、及び特許文献3参照。)、また、チタンのアルキラート、アルコラート、又はカルボキシラートと、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等のアルキラート、アルコラート、又はカルボキシラートとの同時加水分解による共沈物を用いることにより、高触媒活性が得られること(特許文献4参照。)等が知られている。しかし、本発明者等の検討によれば、これらに提案されるチタン化合物と他の金属化合物等との複合化合物は、固体状であって、ポリエステルの原料としてのジオール成分等の有機溶媒には不溶性であり、それらの有機溶媒に分散させたスラリー状として用いた場合(そのスラリーの光路長10mmでの濁度は20%を越える。)、重縮合反応速度の面で十分ではなく、更にその取扱性等にも問題を抱えると共に、得られるポリエステルの色調、透明性等の諸物性の面でも改良の余地を残すものであることが判明した。
特開2001−55434号公報。 特開2001−64377号公報。 特表2002−503274号公報。
本発明は、前述の従来技術に鑑み、重縮合触媒としてチタン化合物等を用いたポリエステルの製造における前述の問題に解決を与えることを目的としてなされたものである。即ち、本発明は、色調、透明性等に優れたポリエステルを高反応速度で製造することができるポリエステル重合触媒、及びその製造方法、並びにそれを用いたポリエステルの製造方法、を提供することを目的とする。
本発明は、下記(1)の金属元素及び下記(2)の金属元素を少なくとも有する成分を含有し、その含有量が下記(a)を満たし、光路長10mmでの濁度が20%以下の液体状であるポリエステル重合触媒、を要旨とする。
(1)周期表第4A族の金属元素からなる群より選択された少なくとも1種の
金属元素
(2)周期表第2A族の金属元素、アルミニウム
、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、及びゲルマニウムからなる群より
選択された少なくとも1種の金属元素
(a)上記(1)に由来する金属原子の総量をt(モル/触媒kg)とし、上記(2)に由来する金属原子の総量をm(モル/触媒kg)としたとき、m/tの値が以下の範囲となる。
0.50≦m/t≦3.50
また、本発明は、下記(1)の金属元素の化合物、下記(2)の金属元素の化合物、下記(3)、及び下記(4)を、0〜200℃の温度下で5分間以上攪拌する前記ポリエステル重合触媒の製造方法、を要旨とする。
(1)周期表第4A族の金属元素からなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
(2)周期表第2A族の金属元素、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、及びゲルマニウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
(3)有機溶媒及び/又は水
(4)有機酸及び無機酸からなる群より選択された少なくとも1種の酸
また、本発明は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とを、エステル化反応及び重縮合反応を経てポリエステルを製造するにおいて、該重縮合反応を、前記ポリエステル重合触媒の存在下で行うポリエステルの製造方法、を要旨とする。
本発明によれば、色調、透明性等に優れたポリエステルを高反応速度で製造することができるポリエステル重合触媒、及びその製造方法、並びにそれを用いたポリエステルの製造方法、を提供することができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に限定されるものではない。
本発明のポリエステル重合触媒は、下記(1)の金属元素及び下記(2)の金属元素を少なくとも有する成分を含有し、その含有量が下記(a)を満たす液体状のものである。
(1)周期表第4A族の金属元素からなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
(2)周期表第2A族の金属元素、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、及びゲルマニウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
(a)上記(1)に由来する金属原子の総量をt(モル/触媒kg)とし、上記(2)に由来する金属原子の総量をm(モル/触媒kg)としたとき、m/tの値が以下の範囲となる。
0.50≦m/t≦3.50
ここで、前記(1)の金属元素の周期表第4A族の金属元素としては、例えば、チタン、ジルコニウム、及びハフニウム等が挙げられ、中でも、チタンが好ましい。また、前記(2)の金属元素の周期表第2A族の金属元素としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられ、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、及びゲルマニウムも含めた金属元素の中では、周期表第2A族の金属元素、鉄、及び亜鉛が好ましく、周期表第2A族の金属元素が更に好ましく、マグネシウム、カルシウムが特に好ましく、中でも、マグネシウムが好ましい。
そして、本発明の液体状のポリエステル重合触媒は、実質的に均質で透明性を有し、光路長10mmでの濁度が20%以下であることが必須であり、濁度が10%以下であるのが好ましい。この濁度が前記範囲超過、例えば固体状触媒を有機溶媒に分散させたスラリー状等では、重縮合反応速度が不十分となり、また、得られるポリエステルの色調や透明性が劣る傾向となる。
この理由は必ずしも明らかではないが、本発明のポリエステル重合触媒が実質的に均質で透明性を有し活性点が高分散している液体状の触媒であるに比べ、固体状触媒のスラリー等では、触媒活性点が固体状触媒の表面に局在するため活性点の数が少なく、重縮合速度が低下し、相対的に副反応による色調悪化が顕著になると考えられる。或いは、固体状触媒等の固体物質が得られるポリエステルの結晶核剤として作用し透明性を低下させる、ことも原因の一つと考えられる。
また、重合触媒の濁度が前記範囲超過、例えば、固体状触媒を有機溶媒に分散させたスラリー状等では、液状触媒を添加することに比べて、必要なごく少量の触媒を精度よく添加するのが困難であったり、スラリーが触媒貯槽や添加ライン中で沈降し、スケーリングしてしまうなど、取り扱い性に劣ることもある。
なお、ここで、濁度は、ヘーズメーターにより、液状触媒を光路長10mmのセルに入れ、エチレングリコールを対照サンプルとして、23℃、50%RHで測定したものである。
本発明のポリエステル重合触媒において、重縮合反応速度、及び得られるポリエステルの色調の面から、上記(1)に由来する金属原子の総量をt(モル/触媒kg)とし、上記(2)に由来する金属原子の総量をm(モル/触媒kg)としたとき、両者の量比〔m/t〕の下限は、通常は0.50、好ましくは1.00、更に好ましくは1.50であり、上限は通常は3.50、好ましくは2.90、更に好ましくは2.40である。
m/tを前記範囲にすることにより、本発明のポリエステル重合触媒を用いた時の重縮合反応速度及び得られるポリエステルの色調が、好ましい範囲となる。
前記(1)の金属元素及び前記(2)の金属元素を有する成分における各金属元素の量は、ポリエステル重合触媒1kgに対して、前記(1)の金属元素由来の原子の総量〔t〕が0<t≦4(モル/触媒kg)、前記(2)の金属元素由来の原子の総量〔m〕が0<m≦7(モル/触媒kg)〕であるのが好ましい。特に、前記(1)の金属元素がチタンで前記(2)の金属元素がマグネシウムである場合には、0<t≦3(モル/触媒kg)、0<m≦5(モル/触媒kg)〕であるのが好ましい。
m、tを前記範囲にすることにより、本発明のポリエステル重合触媒の濁度範囲を安定して本発明規定の好ましい範囲とすることができ、その結果、重縮合反応速度及び得られるポリエステルの色調を、好ましい範囲で安定して得ることが出来る。ここで、「濁度範囲を安定して本発明規定の好ましい範囲とすることができ」るとは、例えば、本発明の触媒の調製時に濁度の上昇を起こさないばかりでなく、本発明の触媒を高温下で貯留する時にも触媒成分の析出による濁度の上昇を起こさないことや、本発明の触媒を高温の重縮合反応系に添加する際に、添加配管の高温部分通過時での析出・スケーリングが抑止され、重合触媒添加の最後まで濁度の低い状態でスムースに添加されることなどを言うが、特にこれに限定されるものではない。
また、本発明のポリエステル重合触媒は、前記濁度範囲を満足する限り特に限定はされないが、pHは通常7以下、好ましくは6以下、更に好ましくは5以下であり、特に好ましくは4以下、更に3以下とpHが低くなる方が好ましい範囲となる。本発明のポリエステル重合触媒はpHが前記範囲であることにより、濁度範囲を安定して本発明規定の好ましい範囲とすることができ、その結果、重縮合反応速度及び得られるポリエステルの色調や透明性を好ましい範囲で安定して得ることが出来る。
そして、そのpHを前記範囲とするには、前記(1)の金属元素と前記(2)の金属元素の含有割合を調整する方法、及び、必要に応じてポリエステル重合触媒に下記の成分(3)又は/及び下記の成分(4)を含有させる方法等が挙げられる。
(3)有機溶媒及び/又は水
(4)有機酸及び無機酸からなる群より選択された少なくとも1種の酸
ここで、成分(3)の有機溶媒としては、アルコール類が好ましく、ポリエステルの原料であるジオール類等のポリエステル反応液と親和性の高い有機溶媒がより好ましい。それらの有機溶媒としては、例えば、炭素数が1〜20程度のモノオール或いはポリオール、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール等のモノオール、及び、後述する本発明のポリエステルの製造に用いられる一成分としてのエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール等のジオールやポリオール等が挙げられ、中でも、ジオールが好ましく、エチレングリコールが特に好ましい。
そして、本発明における成分(3)としては、有機溶媒及び水であることが好ましく、特に好ましい有機溶媒としてのエチレングリコールと水との混合物が特に好ましい。
この場合、好ましい水の量としては、ポリエステル重合触媒全体に対する重量濃度として、下限は、通常は1%、好ましくは2%、さらに好ましくは3%、上限は、通常は30%、好ましくは20%、さらに好ましくは10%である。
成分(3)として有機溶媒及び水を用い、更に水を前記の好ましい量にすることにより、本発明のポリエステル重合触媒の濁度範囲を安定して本発明規定の好ましい範囲とすることができ、その結果、重縮合反応速度及び得られるポリエステルの色調や透明性を好ましい範囲で安定して得ることが出来る。
また、成分(4)の有機酸としては、具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪族飽和モノカルボン酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸及びそれらの無水物、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸及びそれらの無水物、トリカルバリル酸等の脂肪族多価カルボン酸及びそれらの無水物、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸及びそれらの無水物、安息香酸、t−ブチル安息香酸等の芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ジブロモイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、テレフタル酸、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びそれらの無水物、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸及びそれらの無水物、並びに、例えば、グリコール酸、乳酸、クエン酸、没食子酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸等が挙げられる。また、無機酸としては、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。これらの中で、有機酸が好ましく、酢酸等の脂肪族飽和モノカルボン酸、コハク酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸及びそれらの無水物、並びに、乳酸等の脂肪族飽和ヒドロキシカルボン酸等の脂肪族カルボン酸類が更に好ましく、脂肪族飽和ヒドロキシカルボン酸が特に好ましく、中でも、乳酸が好ましい。
本発明のポリエステル重合触媒は、前記(1)の金属元素及び前記(2)の金属元素を少なくとも有する成分を含有する液体状であればよく、例えば、前記(1)又は/及び前記(2)の金属元素の化合物が液状化合物であることにより液体状となっている場合、或いは、前記(1)及び前記(2)の金属元素の化合物が、前記成分(3)有機溶媒及び/又は水や前記成分(4)の酸と反応若しくはこれらに溶解することにより液体状となっている場合、等のいずれであってもよいが、本発明のポリエステル重合触媒としては後者の状態が好ましい。
前記成分(4)として有機酸を用いる場合は、その有機酸を、前記成分(3)の有機溶媒として用いてもよい。
また、前記成分(4)の酸の含有量は、ポリエステル重合触媒全体に対して、50重量%以下であるのが好ましい。
また、ここで成分(4)の酸の本発明の触媒中の含有割合〔A〕(モル/触媒kg)は、成分(2)の金属元素由来の原子の総量〔m〕(モル/触媒kg)に対して、両者の量比〔A/m〕として、下限は、通常は1.6、好ましくは2.0、より好ましくは2.5であり、上限は、通常は15、好ましくは8.0、より好ましくは5.0、更に好ましくは4.0である。A/mが前記範囲であることにより、本発明のポリエステル重合触媒の濁度範囲やpHを安定して本発明規定の好ましい範囲とすることができ、その結果、重縮合反応速度及び得られるポリエステルの色調や透明性を、好ましい範囲で安定して得ることが出来る。
以上の本発明の前記ポリエステル重合触媒は、通常、攪拌機付きの調製槽を用い、前記(1)の金属元素の化合物と前記(2)の金属元素の化合物を、好ましくは、更に前記成分(3)の有機溶媒及び/又は水、及び前記成分(4)の酸と共に攪拌し、混合することにより製造される。
ここで、前記(1)の周期表第4A族の金属元素の化合物、及び前記(2)の周期表第2A族の金属元素、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、及びゲルマニウムの化合物としては、それら金属元素の酸化物、水酸化物、アルコキシド、脂肪酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物、及び錯化合物等が挙げられる。なお、これらの中で、有機溶媒又は水に不溶性の固体系化合物は不適である。
好ましい化合物の一例としては、具体的には、例えば、前記(1)の周期表第4A族の金属元素の化合物としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネート、アセチル−トリ−i−プロピルチタネート、酢酸チタン、蓚酸チタン、塩化チタン等が挙げられ、中でも、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネート、アセチル−トリ−i−プロピルチタネート等のチタンアルコキシド、及び蓚酸チタンが好ましく、チタンアルコキシドが特に好ましい。
また、前記(2)の周期表第2A族の金属元素、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、及びゲルマニウムの化合物としては、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、二酸化マンガン、水酸化マンガン、酢酸マンガン、鉄アセチルアセトナート、酢酸鉄、蓚酸鉄、クエン酸鉄、トリカルボニル(ブタジエニル)鉄、酢酸コバルト、塩化コバルト、水酸化亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛、酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムエチレングリコキシド、塩化ゲルマニウム等が挙げられ、中でも、周期表第2A族の金属元素、アルミニウム、鉄、及び亜鉛の化合物が好ましく、周期表第2A族の金属元素の化合物が更に好ましく、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウムが特に好ましく、中でも、酢酸マグネシウムが好ましい。
そして、本発明の前記ポリエステル重合触媒は、前記(1)の金属元素化合物と前記(2)の金属元素化合物を、好ましくは、前記成分(3)の有機溶媒及び/又は水、又は/及び前記成分(4)の酸と共に、攪拌、混合することにより製造される。混合時の温度の下限は通常は0℃、好ましくは30℃、上限は通常は200℃、好ましくは150℃であり、混合時間は通常は5分以上、好ましくは10〜90分間である。この際の圧力は前記成分(3)の有機溶媒及び/又は水が液相を保つに十分な圧力であれば特に制限はない。
なお、この際の前記(1)の金属元素の化合物と前記(2)の金属元素の化合物、及び前記成分(3)の有機溶媒及び/又は水、及び前記成分(4)の酸の量比は、ポリエステル重合触媒として前述した、前記(1)の金属元素由来の原子の総量〔t〕、前記(2)の金属元素由来の原子の総量〔m〕、及び両者の量比〔m/t〕を満足する量とするのが必須であり、前記成分(3)の水の量を満足する量とするのが好ましく、また、前記成分(4)の酸の含有量、及び前記成分(4)の酸の触媒中の含有割合〔A〕と前記成分(2)の金属元素由来の原子の総量〔m〕の量比〔A/m〕を満足する量とするのが好ましい。
また、混合順序としては、特に限定されるものではなく、例えば、前記成分(3)の有機溶媒及び/又は水、及び前記成分(4)の酸を用いる場合、(3)と(4)とを予め混合した後、該混合液に前記(1)の金属元素の化合物と前記(2)の金属元素の化合物とを同時に又は逐次(順序はどちらでもよい)に加え、攪拌、混合する方法、(3)に、(1)又は(2)を同時又は逐次(順序はどちらでもよい)に加えて攪拌、混合した後、該混合液に、更に(4)を加えて攪拌、混合する方法、或いは、(3)に、(1)又は(2)を加えて攪拌、混合した後、該混合液に(4)を加えて攪拌、混合し、次いで、(2)又は(1)を加えて攪拌、混合する方法、等が挙げられる。
いずれの場合においても、混合液のpHを7以下に保ちながら調製するのが好ましく、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下とpHが低い方が好ましい範囲となる。
例えば、前記成分(3)として有機溶媒及び水を用いる場合には、(3)に、(2)と(4)とを同時に又は逐次(順序はどちらでもよい)に加え、撹拌、混合した後、該混合液に(1)を加えて撹拌、混合する方法が好ましい。
これらの好ましい範囲・方法を用いることにより、本発明のポリエステル重合触媒の濁度範囲を安定して本発明規定の好ましい範囲とすることができ、その結果、重縮合反応速度及び得られるポリエステルの色調や透明性を、好ましい範囲で安定して得ることが出来る。
前記製造方法により製造される本発明のポリエステル重合触媒は、例えば前記(1)の金属元素の化合物と前記(2)の金属元素の化合物との単なる混合物である場合、両者が何らかの反応により複合化して複合化合物を形成している場合、或いは、前記(1)の金属元素の化合物と前記(2)の金属元素の化合物と両者の複合化合物が共存している場合、及び、それらの各場合において、更に前記成分(3)の有機溶媒及び/又は水、又は/及び、前記成分(4)の酸をも含めた複合化合物を形成している場合、等のいずれであってもよく、濁度が前記範囲を満足していることが必須となる。
本発明のポリエステルの製造方法は、本発明の前記ポリエステル重合触媒を用いる以外は、基本的には、ポリエステル樹脂の慣用の製造方法を用いることが出来る。ポリエステル樹脂の慣用の製造方法の一例としては、テレフタル酸若しくはそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とを、エステル化反応槽で、エステル化反応させ、若しくは、エステル交換触媒の存在下にエステル交換反応させた後、得られたエステル化反応生成物若しくはエステル交換反応生成物であるポリエステル低分子量体を重縮合槽に移送し、重縮合触媒の存在下に、溶融重縮合させる方法が挙げられる。また、この製造方法は連続式でも、回分式でもよく、特に制限はされない。
本発明のポリエステルの製造方法に用いられる原料は、ジカルボン酸成分に占めるテレフタル酸若しくはそのエステル形成性誘導体の割合を、90モル%以上、更には95モル%以上、特には99モル%以上とするのが好ましく、また、ジオール成分に占めるエチレングリコールの割合を、90モル%以上、更には95モル%以上、特には97モル%以上とするのが好ましい。テレフタル酸若しくはそのエステル形成性誘導体のジカルボン酸成分に占める割合、及びエチレングリコールのジオール成分に占める割合が前記範囲未満では、得られるポリエステルの成形体としての機械的強度、ガスバリア性、及び耐熱性が低下する傾向がある。
なお、テレフタル酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、炭素数1〜4程度のアルキル基を有するエステル、及びハロゲン化物等が挙げられる。また、テレフタル酸若しくはそのエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分として、例えば、フタル酸、イソフタル酸、ジブロモイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、及び、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、並びにこれらの炭素数1〜4程度のアルキルエステル、及びハロゲン化物、等の一種又は二種以上が共重合成分として用いられてもよい。
また、エチレングリコール以外のジオール成分としては、例えばジエチレングリコールが挙げられ、そのジエチレングリコールのジオール成分に占める割合は、反応系内で副生する分も含め3モル%以下であるのが好ましく、1.5モル%以上、2.5モル%以下であるのが更に好ましい。また、その他のジオール成分として、例えば、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,5−ノルボルナンジメチロール等の脂環式ジオール、及び、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、並びに、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、等の一種又は二種以上が共重合成分として用いられてもよい。
更に、例えば、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコール、ヘネイコサノール、オクタコサノール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、等の三官能以上の多官能成分、等の一種又は二種以上が共重合成分として用いられてもよい。
本発明において、テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体を主成分とする前記ジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とする前記ジオール成分、及び必要に応じて用いられる前記共重合成分とは、エステル化反応若しくはエステル交換反応させるにあたり、ジカルボン酸成分に対するジオール成分のモル比を、下限は通常1.02、好ましくは1.03、上限は通常2.0、好ましくは1.7の範囲で混合、調製するのが一般的である。
なお、エステル交換反応の場合は、一般にエステル交換触媒を用いる必要があり、且つ、該触媒を多量に用いる必要があることから、本発明におけるポリエステルの製造方法としては、エステル化反応を経て製造する方法が好ましい。
エステル化反応は、例えば、単一のエステル化反応槽、又は、複数のエステル化反応槽を直列に接続した多段反応装置を用いて、エチレングリコールの還流下、反応で生成する水と余剰のエチレングリコールを系外に除去しながら、エステル化率(原料ジカルボン酸成分の全カルボキシル基のうちジオール成分と反応してエステル化したものの割合)が、通常90%以上、好ましくは93%以上に達するまで行われる。また、得られるエステル化反応生成物としてのポリエステル低分子量体の数平均分子量は500〜5,000であるのが好ましい。
エステル化反応における反応条件の例としては、単一のエステル化反応槽を用いる場合、通常200〜280℃程度の温度、大気圧に対する相対圧力を、通常0〜400kPa(0〜4kg/cm2 G)程度とし、攪拌下に1〜10時間程度の反応時間とする方法が一般的である。また、複数のエステル化反応槽を用いる場合は、第1段目のエステル化反応槽における反応温度の下限は通常240℃、好ましくは245℃、上限は通常270℃、好ましくは265℃、反応圧力は大気圧に対する相対圧力で下限が通常5kPa(0.05kg/cm2 G)、好ましくは10kPa(0.1kg/cm2 G)、上限は通常300kPa(3kg/cm2 G)、好ましくは200kPa(2kg/cm2 G)とし、最終段における反応温度を、下限を通常250℃、好ましくは255℃、上限を通常280℃、好ましくは275℃、反応圧力を大気圧に対する相対圧力で通常0〜150kPa(0〜1.5kg/cm2 G)、好ましくは0〜130kPa(0〜1.3kg/cm2 G)とする方法が通常用いられる。
なお、エステル化反応において、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性化合物等を少量添加しておくことにより、エチレングリコールからのジエチレングリコールの副生を抑制することができ。
溶融重縮合の例としては、単一の溶融重縮合槽、又は、複数の溶融重縮合槽を直列に接続した、例えば、第1段目が攪拌翼を備えた完全混合型の反応器、第2段及び第3段目が攪拌翼を備えた横型プラグフロー型の反応器からなる多段反応装置を用いて、減圧下に、生成するエチレングリコールを系外に留出させながら行う方法が一般に用いられる。
溶融重縮合における反応条件の例としては、単一の重縮合槽を用いる場合、通常250〜290℃程度の温度、常圧から漸次減圧として、最終的に、絶対圧力を、通常1.3〜0.013kPa(10〜0.1Torr)程度とし、攪拌下に1〜20時間程度の反応時間とする方法が一般的である。また、複数の重縮合槽を用いる場合の一例としては、第1段目の重縮合槽における反応温度を、下限は通常250℃、好ましくは260℃、上限は通常290℃、好ましくは280℃、反応圧力を絶対圧力で、上限を通常65kPa(500Torr)、好ましくは26kPa(200Torr)、下限を通常1.3kPa(10Torr)、好ましくは2kPa(15Torr)とし、最終段における反応温度を、下限は通常265℃、好ましくは270℃、上限は通常300℃、好ましくは295℃、反応圧力を絶対圧力で、上限を通常1.3kPa(10Torr)、好ましくは0.65kPa(5Torr)、下限を通常0.013kPa(0.1Torr)、好ましくは0.065kPa(0.5Torr)とする方法が挙げられる。更に、中間段を用いる場合の反応条件としては、上記条件の中間の条件が選択され、例えば、3段反応装置における第2段の反応条件の一例として、反応温度を、下限は通常265℃、好ましくは270℃、上限は通常295℃、好ましくは285℃、反応圧力は絶対圧力で、上限は通常6.5kPa(50Torr)、好ましくは4kPa(30Torr)、下限は通常0.13kPa(1Torr)、好ましくは0.26kPa(2Torr)とする方法が挙げられる。
本発明のポリエステルの製造方法は、この重縮合反応を、前記ポリエステル重合触媒の存在下、好ましくは燐化合物の共存下に行うものである。ここで用いられる燐化合物としては、具体的には、例えば、正燐酸、ポリ燐酸、及び、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート等の5価の燐化合物、並びに、亜燐酸、次亜燐酸、及び、ジエチルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の3価の燐化合物等が挙げられ、中で、正燐酸、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッドホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート、及び亜燐酸が好ましく、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッドホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェートが更に好ましく、エチルアシッドホスフェートが特に好ましい。
なお、本発明のポリエステル重合触媒の反応系への添加は、前記ジカルボン酸成分とジオール成分の混合、調製段階、前記エステル化反応の任意の段階、又は、溶融重縮合の初期の段階のいずれであってもよい。しかし、色調、透明性に優れたポリエステルを高反応速度で製造するという本発明の効果を有効に発現するためには、本発明のポリエステル重合触媒の反応系への添加をエステル化率が90%以上となった段階以降に行うのが好ましく、具体的工程の例としては、多段反応装置における最終段のエステル化反応槽、又は、エステル化槽から溶融重縮合工程への移送段階のエステル化反応生成物に添加するのが好ましく、中でも、エステル化槽から溶融重縮合工程への移送段階のエステル化反応生成物に添加するのがより好ましい。
また、前記燐化合物の反応系への添加は、前記ポリエステル重合触媒の添加より前の段階とするのが好ましい。反応系への添加時期を前記のようにすることにより、溶融重縮合性及び固相重縮合性、また得られるポリエステル樹脂を成形体とした場合の透明性や色調が好ましいものとなる。
なお、本発明のポリエステル重合触媒の反応系への添加は、反応設備や仕込みポンプの能力等に応じて、エチレングリコール等の溶媒で希釈して行ってもよい。
また、本発明のポリエステルの製造方法において、例えば、前記ポリエステル重合触媒、及び前記燐化合物を、得られるポリエステル1トン当たりの、前記(1)の金属元素由来の原子の総量〔T(モル/トン)〕、前記(2)の金属元素由来の原子の総量〔M(モル/トン)〕、及び燐化合物由来の燐原子の総量〔P(モル/トン)〕が、下記式(I) 、(II)、及び(III) を満足する量とすることが好ましい。

(I) 0.002≦T≦1
(II) 0.04≦M≦5
(III) 0.02≦P≦4
また、本発明において、前記(1)の金属元素由来の原子の総量〔T(モル/トン)〕は、下記式(I')を満足するのが更に好ましく、下記式(I'') を満足するのが特に好ましい。前記(1)の金属元素由来の原子の総量が、各式の左辺値未満であると、重縮合性が低下する傾向となり、一方、式(I'')の右辺値を越えて大きくなるに従って、ポリエステルの色調が黄味がかった傾向となり、また、成形体中のアセトアルデヒド含有量が多くなる傾向となる。

(I') 0.002≦T≦0.5
(I'') 0.002≦T≦0.2
また、本発明において、前記(2)の金属元素由来の原子の総量〔M(モル/トン)〕は、下記式(II') を満足するのが更に好ましい。前記(2)の金属元素由来の原子の総量が、左辺値未満であると、重縮合性が低下する傾向となり、一方、右辺値超過であると、重縮合性、特に後述する固相重縮合性が低下する傾向となる。

(II') 0.04≦M≦3
また、本発明において、前記燐化合物由来の燐原子の総量〔P(モル/トン)〕は、下記式(III')を満足するのが更に好ましく、下記式(III'') を満足するのが特に好ましい。前記燐化合物由来の燐原子の総量が、各式の左辺値未満であると、ポリエステル中のアセトアルデヒド含有量が多くなる傾向となり、一方、式(III'')の右辺値を越えて大きくなるに従って、重縮合性、特に後述する固相重縮合性が低下する傾向となる。

(III') 0.02≦P≦3
(III'') 0.02≦P≦2
更に、本発明において、前記(1)の金属元素がチタンであり、前記(2)の金属元素がマグネシウムである場合、得られるポリエステル1トン当たりの、前記(1)のチタン由来のチタン原子の総量〔T1 (モル/トン)〕、前記(2)のマグネシウム由来のマグネシウム原子の総量〔M1 (モル/トン)〕、及び燐化合物由来の燐原子の総量〔P1 (モル/トン)〕が、下記式(I1)、(II1) 、及び(III1)を満足する量とすることが好ましい。

(I1) 0.020≦T1 ≦0.200
(II1) 0.040≦M1 ≦0.400
(III1) 0.020≦P1 ≦0.300
また、前記(1)のチタン由来のチタン原子の総量〔T1 (モル/トン)〕は、下記式(I1') を満足するのが更に好ましく、下記式(I1'')を満足するのが特に好ましい。また、前記(2)のマグネシウム由来のマグネシウム原子の総量〔M1 (モル/トン)〕は、下記式(II1')を満足するのが更に好ましく、下記式(II1'')を満足するのが特に好ましい。また、燐化合物由来の燐原子の総量〔P1 (モル/トン)〕は、下記式(III1') を満足するのが更に好ましく、下記式(III1'')を満足するのが特に好ましく、下記式(III1''') を満足するのが殊更好ましい。

(I1') 0.060≦T1 ≦0.100
(I1'') 0.070≦T1 ≦0.090
(II1') 0.060≦M1 ≦0.300
(II1'') 0.110≦M1 ≦0.220
(III1') 0.050≦P1 ≦0.200
(III1'') 0.080≦P1 ≦0.180
(III1''') 0.090≦P1 ≦0.150
更に、前記燐化合物由来の燐原子の総量〔P1 (モル/トン)〕に対する前記(2)のマグネシウム由来のマグネシウム原子の総量〔M1 (モル/トン)〕の割合〔M1 /P1 〕が、下記式(IV1) を満足するのが好ましく、下記式(IV1')を満足するのが更に好ましく、下記式(IV1'') を満足するのが特に好ましい。更に、前記(1)のチタン由来のチタン原子の総量〔T1 (モル/トン)〕に対する前記(2)のマグネシウム由来のマグネシウム原子の総量〔M1 (モル/トン)〕の割合〔M1 /T1 〕が、下記式(V1)を満足するのが好ましく、下記式(V1')を満足するのが更に好ましく、下記式(V1'')を満足するのが特に好ましく、下記式(V1''') を満足するのが殊更好ましい。〔M1 /P1 〕が式(IV1'')の左辺値未満となり小さくなるに従って、ポリエステルとしての重縮合性が低下する傾向となり、色調も黄味がかった傾向となる。一方、〔M1 /P1 〕が式(IV1'')の右辺値を越えて大きくなるに従って、重縮合性、特に後述する固相重縮合性が低下する傾向となり、色調が低下する傾向となる。また、〔M1 /T1 〕が式(V1''')の左辺値未満となり小さくなるに従って、ポリエステルとしての重縮合性が低下する傾向となり、色調も黄味がかった傾向となる。一方、〔M1 /P1 〕が式(V1''')の右辺値を越えて大きくなるに従って、重縮合性、特に後述する固相重縮合性が低下する傾向となり、色調が低下する傾向となる。

(IV1) 0.50≦M1 /P1 ≦3.00
(IV1') 0.90≦M1 /P1 ≦1.80
(IV1'') 1.10≦M1 /P1 ≦1.50
(V1) 0.20≦M1 /T1 ≦4.00
(V1') 0.50≦M1 /T1 ≦3.50
(V1'') 1.00≦M1 /T1 ≦2.90
(V1''') 1.50≦M1 /T1 ≦2.40
更に、前記(1)のチタン由来のチタン原子の総量〔T1 (モル/トン)〕、前記(2)のマグネシウム由来のマグネシウム原子の総量〔M1 (モル/トン)〕、及び燐化合物由来の燐原子の総量〔P1 (モル/トン)〕が、前記各式を満足した上で、〔P1 /M1 /T1 〕が下記式(IV1) を満足するのが好ましく、下記式(IV1')を満足するのが更に好ましく、下記式(IV1'') を満足するのが特に好ましい。〔P1 /M1 /T1 〕が下記式(VI1'')の左辺値未満となり小さくなるに従って、ポリエステルの色調が黄味がかった傾向となり、一方、下記式(VI1'')の右辺値を越えて大きくなるに従って、重縮合性、特に後述する固相重縮合性が低下する傾向となる。

(VI1) 3.0≦P1 /M1 /T1 ≦19.0
(VI1') 5.0≦P1 /M1 /T1 ≦15.0
(VI1'') 8.0≦P1 /M1 /T1 ≦12.0
本発明のポリエステルの製造方法において、本発明のポリエステル重合触媒による前記(1)の金属元素由来の原子の総量、前記(2)の金属元素由来の原子の総量、及び燐化合物由来の燐原子の総量に基づく前記各式に示された量比の範囲は、ジエチレングリコール含有量、ポリエステル及び成形体としてのアセトアルデヒド含有量、及び保香性の点からも最適な範囲となる。
前記溶融重縮合により得られるポリエステルの固有粘度(〔η1 〕)は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒として30℃で測定した値として、下限は通常0.35dl/g、好ましくは0.50dl/g、上限は通常0.75dl/g、好ましくは0.65dl/gとなる。固有粘度(〔η1 〕)が前記範囲未満では、後述する重縮合槽からの抜き出し時に、操作性が悪化する場合があり、一方、前記範囲超過では、得られるポリエステル中のアセトアルデヒド含有量の低減が困難な場合がある。
前記溶融重縮合により得られたポリエステルは、通常、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カッターで切断してペレット状、チップ状等の粒状体とするが、更に、この溶融重縮合後の粒状体を、固相重縮合させるのが好ましい。固相重縮合は、例えば、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、大気圧に対する相対圧力として、通常100kPa(1kg/cm2 G)以下、好ましくは20kPa(0.2kg/cm2 G)以下の加圧下で通常5〜30時間程度、或いは、絶対圧力として、上限は通常6.5kPa(50Torr)、好ましくは1.3kPa(10Torr)、下限は通常0.013kPa(0.1Torr)、好ましくは0.065kPa(0.5Torr)の減圧下で通常1〜20時間程度、下限温度が通常190℃、好ましくは195℃、上限温度が通常230℃、好ましくは225℃で加熱することにより一般に行われる。この固相重縮合により、更に高重合度化させ得ると共に、アセトアルデヒド等の副生量を低減することもできる。
また、固相重縮合に先立って、ポリエステル粒状体表面を結晶化させることが好ましい。ポリエステル粒状体表面を結晶化させる方法は、例えば、不活性ガス雰囲気下、又は、水蒸気雰囲気下、或いは水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で、下限温度が通常120℃、好ましくは130℃、上限温度が通常は200℃、好ましくは190℃で、1分〜4時間程度加熱することにより一般に行われる。中でも、ポリエステルの結晶化速度を向上させ、得られるポリエステルのアセトアルデヒド含有量を更に低減化させるためには、水蒸気雰囲気下で行う方法が好ましい。
前記固相重縮合により得られるポリエステルの固有粘度(〔η2 〕)は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒として30℃で測定した値として、下限が通常0.70dl/g、好ましくは0.73dl/g、上限が通常0.90dl/g、好ましくは0.85dl/gとなる。固有粘度(〔η2 〕)が前記範囲未満では、成形体としての機械的強度が低下する傾向となり、一方、前記範囲超過では、溶融成形時のアセトアルデヒド等の副生を抑制することが困難な場合がある。
前述の溶融重縮合又は固相重縮合により得られたポリエステルを、含まれる重合触媒を失活させるために、以下のような処理に用いることもできる。重合触媒を失活させるための処理としては、40℃以上の温水に10分以上浸漬させる水処理、60℃以上の水蒸気又は水蒸気含有ガスに30分以上接触させる水蒸気処理、有機溶剤による処理、各種鉱酸、有機酸、燐酸、亜燐酸、燐酸エステル等の酸性水溶液若しくは有機溶剤溶液による処理、或いは、第1A族金属、第2A族金属、アミン等のアルカリ性水溶液若しくは有機溶剤溶液による処理等が一般に行われる。
本発明の製造方法により製造されるポリエステルは、例えば成形体としての黄味がかる色調を抑えるため、JIS Z8730の参考1に記載される、Lab表色系によるハンターの色差式の色座標b値が4.0以下であるのが好ましく、3.0以下であるのが更に好ましく、2.0以下であるのが特に好ましい。また、明度指数L値が85以上であるのが好ましく、88以上であるのが更に好ましい。
なお、色座標b値を前記範囲とするために、所謂、有機系調色剤を添加してもよい。添加する有機系調色剤としては、例えば、ソルベントブルー104、ソルベントレッド135、ソルベントバイオレット36、ピグメントブルー29、同15:1、同15:3、ピグメントレッド187、同263、ピグメントバイオレット19等の染顔料等が挙げられ、その添加量は、前記明度指数L値の低下を抑えることから、3.0ppm以下とするのが好ましく、2.0ppm以下とするのが更に好ましく、1.5ppm以下とするのが特に好ましく、1.0ppm以下とするのが殊更好ましい。なお、この有機系調色剤の添加時期は、ポリエステルの製造段階から成形段階に到るまでのいずれでもよく、特に限定されない。
この有機系調色剤の添加により、前記明度指数L値を好ましくは80以上、更に好ましくは83以上に維持した上で、前記色座標b値を1.0以下とすることができる。
また、本発明の製造方法により製造されるポリエステルは、例えば280℃で射出成形した厚さ5mmの成形板におけるヘーズが5.0%以下であるのが好ましく、3.0%以下であるのが更に好ましい。更に、270℃で射出成形した厚さ5mmの成形板におけるヘーズが40%以下であるのが好ましく、20%以下であるのが更に好ましく、10%以下であるのが特に好ましい。
本発明の製造方法により製造されるポリエステルは、例えばボトル等の成形体としての内容物の風味、香り等への悪影響を抑える等の面から、アセトアルデヒド含有量が3.0ppm以下であるのが好ましく、2.0ppm以下であるのが更に好ましい。また、280℃で射出成形した成形体におけるアセトアルデヒド含有量が23ppm以下であるのが好ましく、20ppm以下であるのが更に好ましく、18ppm以下であるのが特に好ましく、15ppm以下であるのが殊更好ましい。
また、本発明の製造方法により製造されるポリエステルは、ボトル等の成形時における金型汚染を防止し、成形体に透明性を付与する等の面から、環状三量体含有量が0.60重量%以下であるのが好ましく、0.50重量%以下であるのが更に好ましく、0.40重量%以下であるのが特に好ましい。
本発明の製造方法により製造されるポリエステルは、例えば、射出成形によってプリフォームに成形した後、延伸ブロー成形することによって、或いは、押出成形によって成形したパリソンをブロー成形することによって、ボトル等に成形することができる。また、押出成形によってシートに成形した後、熱成形することによってトレイや容器等に成形し、或いは、該シートを二軸延伸してフィルム等とすることによって、特に飲食品の包装資材等として有用なものとなる。中でも、射出成形によって得られたプリフォームを二軸延伸するブロー成形法よってボトルを成形するのに好適であり、例えば、炭酸飲料、アルコール飲料、醤油、ソース、みりん、ドレッシング等の液体調味料等の容器として、更には、ヒートセットを施して、果汁飲料、ビタミン飲料、フレーバーティー、ミネラルウォーター等の飲料等の容器として、好適に用いられる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
<<ポリエステル重合触媒の製造>>
常圧、室温下で、攪拌機付き調製槽に、エチレングリコール41重量部と水4重量部との混合液を入れ、該混合液に、酢酸マグネシウム4水和物1.5重量部を加えて攪拌し、溶解させ、更に、乳酸の98重量%水溶液3.8重量部(触媒1kgに対して乳酸0.777モル/kg)を加えて攪拌、混合した後、テトラ−n−ブチルチタネート2.4重量部を加えて、30分間攪拌し、溶解させることにより、ポリエステル重合触媒A−3を製造した。この触媒A−3は、チタン原子を6,200ppm(0.129モル/kg)、マグネシウム原子を3,100ppm(0.128モル/kg)含有し、以下に示す方法により測定した、pHが4であり、また、光路長10mmでの濁度が5%のものであった。この触媒の各種組成・分析値を表1に示す。
<触媒のpH>
東亜ディーケーケー社製自動滴定装置「AUT−501型」を用い、大気下で、pH電極を液状触媒に浸して測定値を読み取った。
<触媒の濁度>
日本電色社製ヘーズメーター「NDH−300A」を用い、液状触媒を光路長10mmのセルに入れ、エチレングリコールを対照サンプルとして、23℃、50%RHで、全光線透過率〔Tt (%)〕、及び拡散透過率〔Td (%)〕を測定し、以下の式により算出した。
〔Td /Tt 〕×100(%)
<<ポリエステルの製造>>
平均重合度6のエチレンテレフタレートオリゴマー60重量部が予め仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105 Paに保持されたエステル化反応槽に、テレフタル酸43重量部とエチレングリコール19重量部のスラリーを4時間かけて供給してエステル化反応を行い、供給終了後も更に1時間かけてエステル化反応を行った後、得られたエステル化反応生成物60重量部を重縮合槽に移送した。引き続いて、エステル化反応生成物が移送された重縮合槽に、その配管より、エチルアシッドホスフェートを、エチレングリコールの溶液として、得られるポリエステル1トン当たり燐原子としての総量Pが0.210モル/トンとなる量で添加し、5分後、前記で得られた触媒A−3 0.048重量部(得られるポリエステル1トン当たりのマグネシウム原子としての総量Mが0.103モル/トン、チタン原子としての総量Tが0.104モル/トンとなる量)を添加した後、系内を2時間30分かけて250℃から280℃まで昇温すると共に、1時間で常圧から4×102 Paに減圧して同圧を保持しつつ、得られるポリエステルの固有粘度〔η1 〕が0.60dl/gとなるまで溶融重縮合させた後、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷後、チップ状にカットすることにより、溶融重縮合ポリエステルチップを製造した。
引き続いて、前記で得られた溶融重縮合ポリエステルチップを、約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約5分となるように連続的に供給して結晶化させ、ESPEC社製イナートオーブン「IPHH−201型」中で、40リットル/分の窒素気流下160℃で2時間乾燥させた後、210℃で、得られるポリエステルの固有粘度(〔η2 〕)が0.75dl/gとなる時間加熱することにより固相重縮合させた。なお、前記溶融重縮合ポリエステルの固有粘度(〔η1 〕)及び固相重縮合ポリエステルの固有粘度(〔η2 〕)は、以下に示す方法により測定し、また、それらの値から以下の式により、溶融重縮合速度(V1 )及び固相重縮合速度(V2 )を算出し、結果を表2に示した。
<固有粘度〔η1 〕及び〔η2 〕>
冷凍粉砕したポリエステル試料0.50gを、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1:1)の混合液を溶媒として、濃度(c)を1.0g/dlとし、溶融重縮合ポリエステルにおいては110℃で、固相重縮合ポリエステルにおいては120℃で、30分間で溶解させた後、ウベローデ型毛細粘度管を用いて、30℃で、溶媒との相対粘度(ηrel )を測定し、この相対粘度(ηrel )−1から求めた比粘度(ηsp)と濃度(c)との比(ηsp/c)を求める。同じく濃度(c)を0.5g/dl、0.2g/dl、0.1g/dlとしたときについてもそれぞれの比(ηsp/c)を求め、これらの値より、濃度(c)を0に外挿したときの比(ηsp/c)を固有粘度〔η1 〕、及び〔η2 〕として求めた。
<溶融重縮合速度(V1 )及び固相重縮合速(V2 )>
溶融重縮合速度(V1 )=〔η1 〕/溶融重縮合時間(Tm )
固相重縮合速度(V2 )=(〔η2 〕−〔η1 〕)/固相重縮合時間(Ts )

更に、得られた固相重縮合ポリエステルチップについて、以下に示す方法で、触媒等由来の金属原子含有量、色調b値、及び成形板としてのヘーズを測定し、結果を表2に示した。
<金属原子含有量>
ポリエステル試料2.5gを、硫酸存在下に過酸化水素で常法により灰化、完全分解後、蒸留水にて50mlに定容したものについて、JOBIN YVON社製プラズマ発光分光分析装置「ICP−AES JY46P型」を用いて定量し、ポリエステル1トン中の、チタン原子としての総量T(モル/トン)、マグネシウム原子としての総量M(モル/トン)、及び燐原子としての総量P(モル/トン)を算出した。
<色調b>
ポリエステル試料を、内径30mm、深さ12mmの円柱状の粉体測色用セルに充填し、日本電色工業社製測色色差計「ND−300A」を用いて、JIS Z8730の参考1に記載される、Lab表色系によるハンターの色差式の色座標b値を、反射法により測定セルを90度ずつ回転させて4箇所測定した値の単純平均値として求めた。
<成形板のヘーズ>
ポリエステルチップを、ESPEC社製イナートオーブン「IPHH−201型」中で、40リットル/分の窒素気流下160℃で4時間乾燥させた後、名機製作所社製射出成形機「M−70AII−DM」にて、シリンダー温度280℃、背圧5×105 Pa、射出率40cc/秒、保圧力35×105 Pa、金型温度25℃、成形サイクル約75秒で、図1に示される形状の、縦50mm、横100mmで、横方向に6mmから3.5mmまで段差0.5mmの6段階の厚みを有する段付成形板を射出成形し(なお、図1において、Gはゲート部である。)
、得られた成形板における厚み5.0mm部(図1におけるC部)について、日本電色社製ヘーズメーター「NDH−300A」を用いて測定した。
比較例1−1(特開2002−179781号公報の実施例6に準じた例)
<<ポリエステルの製造>>
エステル化反応生成物が移送された重縮合槽に、その配管より、触媒A−3に代えて、テトラ−n−ブチルチタネートを0.5重量%エチレングリコール溶液として、チタン原子としての総量Tが0.104モル/トンとなる量で添加し、5分後に、酢酸マグネシウム4水和物を0.6重量%エチレングリコール溶液として、得られるポリエステル1トン当たりのマグネシウム原子としての総量Mが0.103モル/トンとなる量で添加し、更に5分後に、エチルアシッドホスフェートを、エチレングリコールの溶液として、得られるポリエステル1トン当たり燐原子としての総量Pが0.210モル/トンとなる量で添加したこと、の外は実施例1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例1と比べ、比較例1−1は重縮合触媒を分割して添加した。その結果、重縮合速度が遅く、得られたポリエステルは色調と透明性が悪化していた。
比較例1−2
<<ポリエステルの製造>>
エステル化反応生成物が移送された重縮合槽に、その配管より、エチルアシッドホスフェートを、エチレングリコールの溶液として、得られるポリエステル1トン当たり燐原子としての総量Pが0.210モル/トンとなる量で添加した後、5分後に、触媒A−3に代えて、酢酸マグネシウム4水和物の0.6重量%エチレングリコール溶液とテトラ−n−ブチルチタネートの0.5重量%エチレングリコール溶液とを混合して(なお、この混合時には白沈が生成し、混合物の濁度は光路長10mmで55%であった。)、得られるポリエステル1トン当たりのマグネシウム原子としての総量Mが0.103モル/トンで、チタン原子としての総量Tが0.104モル/トンとなる量で添加したこと、の外は実施例1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例1と比べ、比較例1−2は濁度の上昇した重縮合触媒を添加した。その結果、重縮合速度が遅く、得られたポリエステルは色調と透明性が悪化していた。
比較例1−3(特開2001−64377号公報の実施例2に準じた例)
<<ポリエステル重合触媒の製造>>
1,000mlのガラス製ビーカーに脱イオン水500mlを入れ、無水水酸化マグネシウム0.15gを加え、攪拌して分散させた後、氷浴にて冷却させ、次いで、攪拌下に四塩化チタン5gを滴下した。液性が酸性となって水酸化マグネシウムが溶解し、塩化水素の発生が止まった時点で氷浴から取り出し、攪拌下に25%アンモニア水を液のpHが8となるまで滴下することにより、含チタン複合水酸化物の沈澱物を生じさせた。生成した含チタン複合水酸化物の沈澱物を、2,500回転で15分間の遠心沈降により上澄液と分離した後、脱イオン水で5回洗浄し、次いで、2,500回転で15分間の遠心沈降により固液分離し、70℃、10torrで18時間減圧乾燥させることにより、ポリエステル重合触媒Bとしての固体状含チタン化合物を製造した。得られた固体状含チタン化合物は、チタン原子:マグネシウム原子のモル比が91:9、チタン原子:水酸基のモル比が1:0.3のものであった。
<<ポリエステルの製造>>
エステル化反応生成物が移送された重縮合槽に、エチルアシッドホスフェートのエチレングリコールの溶液を添加しなかったこと、及び、配管より、触媒A−3に代えて、前記で得られた触媒Bを、その10μm程度の粉砕物をエチレングリコールに分散させた1重量%スラリー(なお、このスラリーの濁度は光路長10mmで50%であった。)として、且つ、得られるポリエステル1トン当たりのチタン原子としての総量Tが0.251モル/トンとなる量で添加したこと、の外は実施例1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表2に示す。なお、触媒Bのエチレングリコールスラリーの配管からの添加時、配管内のスケーリングによると思われる圧力上昇及び変動が生じ、長時間の安定な添加は困難であった。
実施例1と比べ、比較例1−3はm/tが小さい重縮合触媒を固体のまま添加した。その結果、重縮合速度が遅く、得られたポリエステルは色調と透明性が悪化していた。
比較例1−4
<<ポリエステル重合触媒の製造>>
(特開2003−82084号公報の参考例11に準じた例)
1000mlガラス製ビーカーに脱イオン水500mlを秤取し、無水水酸化マグネシウム0.15gを加えて分散させた。氷浴にて冷却した後撹拌しながら四塩化チタン5gを滴下した。液性は、滴下とともに酸性となり、分散していた水酸化マグネシウムは溶解した。塩化水素の発生が止まったら氷浴より取り出し、室温下で撹拌しながら25%アンモニア水を滴下し、液のpHを9にした。これに、室温下で攪拌しながら15%酢酸水溶液を滴下し、液のpHを5にした。生成した含チタン複合水酸化物の沈殿物を濾過により分離した。この沈殿物を脱イオン水で5回洗浄した。洗浄後の沈殿物を、20重量%エチレングリコール含有水に30分間浸した後、固液分離は洗浄時同様に濾過により行った。洗浄後の含チタン複合水酸化物を40℃、1.3kPa(10Torr)、20時間の減圧乾燥で水分を除去し、固体状含チタン化合物を得た。得られた固体状含チタン化合物はエチレングリコールに溶解する前に10〜20μm程度の粒子に粉砕した。
ICP分析法により測定した固体状含チタン化合物中の金属チタン含量は 33 重量%、金属マグネシウム含量は 3 重量%であった。次に、200mlガラス製フラスコにエチレングリコール100gを秤取し、これにp-トルエンスルホン酸を0.5g添加した後、上記固体状含チタン化合物を0.36g添加し、150℃で1時間加熱して溶解させ、ポリエステル重合触媒Dを製造した。
ICP分析法により測定した溶液中のチタン含有量は0.12重量%であり、前記の方法により測定したこの溶液の光路長10mmでの濁度は5%であった。
<<ポリエステルの製造>>
エステル化反応生成物が移送された重縮合槽に、その配管より、触媒A−3に代えて、触媒Dを、得られるポリエステル1トン当たりチタン原子としての総量Tが0.104モル/トンとなる量で添加したことの外は、実施例1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例1と比べ、比較例1−4はm/tが小さい重縮合触媒を溶液として添加した。その結果、重縮合速度が遅く、得られたポリエステルは色調と透明性が悪化していた。
実施例2−1
<<ポリエステル重合触媒の製造>>
酢酸マグネシウム4水和物の量を3.0重量部としたこと、の外は、実施例1におけると同様にして、ポリエステル重合触媒A−1を製造した。この触媒A−1は、チタン原子を6,200ppm(0.129モル/kg)、マグネシウム原子を6,200ppm(0.255モル/kg)含有し、pHが4であり、また、光路長10mmでの濁度が5%のものであった。この触媒の各種組成・分析値を表1に示す。
<<ポリエステルの製造>>
スラリー調製槽、及びそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、及び2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールを、毎時、865重量部と485重量部で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートの0.3重量%エチレングリコール溶液を、毎時6.0重量部で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製し、このスラリーを、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力50kPa(0.5kg/cm2 G)、平均滞留時間4時間に設定された第1段目のエステル化反応槽、次いで、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力5kPa(0.05kg/cm2 G)、平均滞留時間1.5時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、エステル化反応させた。そのとき、以下に示す方法により測定したエステル化率は、第1段目においては85%、第2段目においては95%であった。
<エステル化率>
試料を乳鉢で粉砕し、その1.0gをビーカーに精秤し、これにジメチルホルムアミド40mlを加えて攪拌しながら180℃で20分間加熱して溶解させた後、180℃のジメチルホルムアミド10mlでビーカー壁を洗浄し、室温まで冷却する。この溶液を、メトローム社製ポテンショグラフ「E−536型」自動滴定装置にて、複合pH電極「EA−120」を用い、0.1N KOHメタノール溶液で滴定した。得られた滴定曲線の変曲点から求めた滴定量〔A(ml)〕と、JIS K8006の方法により調製、標定した、0.1N KOHメタノール溶液のファクター〔f1 〕、及び試料重量〔W(g)〕とから、下式により、遊離の末端カルボキシル基量〔AV(meg/g)〕を求めた。
AV(meg/g)={A×f1 ×(1/10)}/W
次いで、乳鉢で粉砕した試料0.3gを三角フラスコに精秤し、これに0.5N KOHエタノール溶液をホールピペットで20ml加え、更に純水10mlを加えて還流冷却器をセットし、表面温度を200℃にしたプレートヒーター上で、時々攪拌しながら2時間加熱還流して試料を加水分解した。放冷後、フェノールフタレインを指示薬として0.5N 塩酸水溶液で滴定した。なお、ここで、0.5N KOHエタノール溶液と0.5N 塩酸水溶液は、JIS K8006の方法により調製、標定した。また、フェノールフタレインは、1gをエタノール90mlに溶解し、純水で100mlに定容したものを用いた。また、同一条件で試料を入れないブランクの状態においても滴定した。その際の、試料の滴定量〔Vs (ml)〕、ブランクの滴定量〔Vb (ml)〕、0.5N 塩酸水溶液のファクター〔f2 〕、及び試料重量〔W(g)〕とから、下式により、全カルボン酸由来のカルボキシル基量〔SV(meg/g)〕を求めた。
SV(meg/g)={(Vb −Vs )×f2 ×(1/2)}/W
次いで、得られたAV(meg/g)、及びSV(meg/g)とから、下式により、エステル化率(%)を求めた。
エステル化率(%)={(SV−AV)/SV}×100
引き続いて、前記で得られたエステル化反応生成物を連続的に溶融重縮合槽に移送する際、その移送配管中のエステル化反応生成物に、前記で得られた触媒A−1を毎時0.65重量部の量で連続的に添加しつつ、270℃、絶対圧力2.6kPa(20Torr)に設定された第1段目の溶融重縮合槽、次いで、278℃、絶対圧力0.5kPa(4Torr)に設定された第2段目の溶融重縮合槽、次いで、280℃、絶対圧力0.3kPa(2Torr)に設定された第3段目の溶融重縮合槽に連続的に移送して、得られるポリエステル樹脂の固有粘度(〔η1 〕)が0.60dl/gとなるように合計滞留時間を調整して溶融重縮合させ、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口から連続的にストランド状に抜き出して、水冷後、チップ状にカットすることにより、溶融重縮合ポリエステルチップを製造した。
引き続いて、前記で得られたポリエステルチップを、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるように連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下で210℃で、得られるポリエステルの固有粘度(〔η2 〕)が0.83dl/gとなるように滞留時間を調整して固相重縮合させた。得られた固相重縮合ポリエステルについて、実施例1と同様に評価し、結果を表3に示した。
実施例2−2〜2−6
<<ポリエステル重合触媒の製造>>
酢酸マグネシウム4水和物の添加量を変更すること以外は、実施例2−1のポリエステル重合触媒A−1の製造と同様に操作して、ポリエステル重合触媒A−2、A−4〜A−6を製造した。この触媒の各種組成・分析値を表1に示す。
<<ポリエステルの製造>>
触媒A−1に代えて、触媒A−2〜A−6を、得られるポリエステル1トン当たりのチタン原子としての総量Tが表3に示す値となる量で添加したこと、の外は、実施例2−1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表3に示す。
比較例2−1
<<ポリエステルの製造>>
触媒A−1に代えて、酢酸マグネシウム4水和物をエチレングリコール溶液として第2段目のエステル化反応槽に添加し、テトラ−n−ブチルチタネートをエチレングリコール溶液として第2段目のエステル化反応槽から第1段目の溶融重縮合槽への移送配管中のエステル化反応生成物に添加したこと、の外は実施例2−1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表3に示す。
実施例2−1〜2−6と比べ、比較例2−1は重縮合触媒を分割して添加した。その結果、重縮合速度が遅く、得られたポリエステルは色調と透明性が悪化していた。
比較例2−2
(特開平7−207010号公報の実施例1の触媒組成液を用いた例)
<<ポリエステル重合触媒の製造>>
ガラス製容器にエチレングリコール50gを仕込み、20℃の温度でテトラ−n−ブチルチタネート0.37gを混合した後、これに5重量%水酸化ナトリウム水溶液0.5g(チタン触媒に対して58モル%)を添加し、ついでこれを均一撹拌することにより、均一な触媒組成液を調製した。この触媒組成液をポリエステル重合触媒Cとする。
<<ポリエステルの製造>>
触媒A−1に代えて、触媒C 0.231重量部(得られるポリエステル1トン当たり、ナトリウム原子としての総量が0.049モル/トン、チタン原子としての総量Tが0.084モル/トンとなる量)で添加したこと、の外は、実施例2−1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表3に示す。
実施例2−1〜2−6と比べ、重縮合触媒中の周期表第2A族の金属元素であるマグネシウムを、比較例2−2では周期表第1A族の金属元素であるナトリウムに変更し、添加した。その結果、重縮合速度が遅く、得られたポリエステルは色調が悪化していた。
比較例2−3(比較例2−2の触媒組成液と同じ量比のNaとTiを別々に添加した場合の例)
<<ポリエステルの製造>>
触媒Dに代えて、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を第2段目のエステル化反応槽に、得られるポリエステル1トン当たり、ナトリウム原子としての総量が0.049モル/トンとなるように添加し、テトラ−n−ブチルチタネートをエチレングリコール溶液として第2段目のエステル化反応槽から第1段目の溶融重合槽への移送配管中のエステル化反応生成物に、得られるポリエステル1トン当たり、チタン原子としての総量Tが0.084モル/トンとなる量で添加したこと、の外は、比較例2−2と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表3に示す。
実施例2−1〜2−6と比べ、重縮合触媒中の周期表第2A族の金属元素であるマグネシウムを、比較例2−3では周期表第1A族の金属元素であるナトリウムに変更し、更に分割して添加した。その結果、重縮合速度が遅く、得られたポリエステルは色調が悪化していた。
比較例2−4、2−5
<<ポリエステル重合触媒の製造>>
酢酸マグネシウム4水和物の添加量を変更すること以外は、実施例2−1のポリエステル重合触媒A−1の製造と同様に操作して、ポリエステル重合触媒A−7、A−8を製造した。この触媒の各種分析値を表1に示す。
<<ポリエステルの製造>>
触媒A−1に代えて、触媒A−7、A−8を、得られるポリエステル1トン当たりのチタン原子としての総量Tが表3に示す値となる量で添加したこと、の外は、実施例2−1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表3に示す。
実施例2−1〜2−6と比べ、比較例2−4ではm/tが小さい重縮合触媒を、比較例2−5ではm/tが大きな重縮合触媒を添加した。その結果、重縮合速度が遅く、得られたポリエステルは色調が悪化していた。
実施例2−7
<<ポリエステル重合触媒の製造>>
水を添加しないこと以外は、実施例2−1のポリエステル重合触媒A−1の製造と同様に操作して、ポリエステル重合触媒A−9を製造した。この触媒の各種組成・分析値を表1に示す。
<<ポリエステルの製造>>
触媒A−1に代えて、触媒A−9を添加したこと、の外は、実施例2−1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表3に示す。
実施例2−8
<<ポリエステル重合触媒>>
実施例2−7で得たポリエステル重合触媒A−9を、70℃で1週間貯蔵した。このもの(「A−9’」と呼ぶ)の濁度を、前記の方法に従って測定したところ、16%であった。
<<ポリエステルの製造>>
触媒A−9に代えて、触媒A−9’を添加したこと、の外は、実施例2−7と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表3に示す。
比較例2−6
<<ポリエステル重合触媒の製造>>
水の添加量を変更すること以外は、実施例2−1のポリエステル重合触媒A−1の製造と同様に操作して、ポリエステル重合触媒を製造したところ、濁度が悪化したポリエステル重合触媒A−10が得られた。この触媒の各種組成・分析値を表1に示す。
<<ポリエステルの製造>>
触媒A−1に代えて、触媒A−10を添加したこと、の外は、実施例2−1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表3に示す。
なお、触媒A−10を配管から添加する時、配管内のスケーリングによると思われる圧力上昇及び変動が生じ、長時間の安定な添加は困難であった。
実施例2−1と比べ、比較例2−7では濁度が悪化した重縮合触媒を使用した。その結果、重縮合速度が遅く、得られたポリエステルは色調と透明性が悪化していた。
実施例3
<<ポリエステルの製造>>
実施例2−1で得られた触媒A−1を、第2段目のエステル化反応槽に連続的に添加したこと、の外は実施例2−1と同様にして、溶融重縮合させ、引き続いて固相重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 2004292803
Figure 2004292803
Figure 2004292803
実施例4
<<ポリエステルの製造>>
エステル化反応槽に、ジメチルテレフタレート100重量部とエチレングリコール70重量部とを仕込み、窒素雰囲気下、150℃で融解させた後、エステル交換触媒として酢酸カルシウム1水和物と酢酸マグネシウム4水和物を、得られるポリエステルに対する残存量が、カルシウム原子として68ppm、マグネシウム原子として47ppmとなる量で添加し、240℃まで3時間かけて昇温し、常圧でメタノールと過剰のエチレングリコールを留去しながら、エステル交換反応させた後、トリメチルホスフェートを、得られるポリエステルに対する残存量が、燐原子として30ppmとなる量で添加して、実質的にエステル交換反応を終了させた。
引き続いて、得られたエステル交換反応生成物を重縮合槽に移送し、実施例2−1で得られた触媒A−1を、得られるポリエステルに対する残存量が、チタン原子として3ppm、マグネシウム原子として3ppmとなる量で添加すると共に、有機系調色剤として、ソルベントブルー104(クラリアント社製「Polysynthrene Blue RBL」)及びソルベントレッド135(クラリアント社製「SandplastRed G 」)を、得られるポリエステルに対する残存量がそれぞれ1.50ppmとなる量で添加した後、280℃まで45分かけて昇温すると共に、圧力を常圧から0.3kPa(2Torr)まで1時間かけて減圧し、得られるポリエステルの固有粘度〔η1 〕が0.60dl/gとなるまで溶融重縮合させた後、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷後、チップ状にカットすることにより、溶融重縮合ポリエステルチップを製造した。得られた溶融重縮合ポリエステルについて、実施例1と同様に評価し、結果を表4に示した。
比較例4
<<ポリエステルの製造>>
エステル交換反応生成物に、触媒A−1に代えて、テトラ−n−ブチルチタネートを、得られるポリエステルに対する残存量が、チタン原子として3ppmとなる量で添加したこと、の外は実施例4と同様にして、溶融重縮合させてポリエステルを製造し、同様に評価した。結果を表4に示す。
実施例4と比べ、、比較例4では周期表第2A族の金属元素であるマグネシウムを含有しない重縮合触媒を添加した。その結果、重縮合速度が遅く、得られたポリエステルは色調が悪化していた。
Figure 2004292803
<<高温安定性テスト>>
前記各実施例・比較例で用いた触媒の高温貯留下での安定性を以下の手順で試験し、結果を表1に示した。
即ち、前記各実施例・比較例で用いた触媒を、70℃で1週間貯蔵したのちの触媒の濁度を、前記の方法に従って測定し、濁度が10%以下の場合を○、10%を越え20%以下の場合を△、20%を越える場合を×で示した。
実施例において成形した物性評価用段付成形板の(a)は平面図、(b)は正面図である。

Claims (15)

  1. 下記(1)の金属元素及び下記(2)の金属元素を少なくとも有する成分を含有し、その含有量が下記(a)を満たし、光路長10mmでの濁度が20%以下の液体状であることを特徴とするポリエステル重合触媒。
    (1)周期表第4A族の金属元素からなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
    (2)周期表第2A族の金属元素、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、及びゲルマニウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
    (a)上記(1)に由来する金属原子の総量をt(モル/触媒kg)とし、上記(2)に由来する金属原子の総量をm(モル/触媒kg)としたとき、m/tの値が以下の範囲となる。
    0.50≦m/t≦3.50
  2. pHが7以下である請求項1に記載のポリエステル重合触媒。
  3. 更に下記の成分(3)を含有する請求項1又は2に記載のポリエステル重合触媒。
    (3)有機溶媒及び/又は水
  4. (3)が有機溶媒及び水である請求項3に記載のポリエステル重合触媒。
  5. (3)の有機溶媒がアルコール類である請求項3又は4に記載のポリエステル重合触媒。
  6. 更に下記の成分(4)を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリエステル重合触媒。
    (4)有機酸及び無機酸からなる群より選択された少なくとも1種の酸
  7. (4)の酸が有機酸である請求項6に記載のポリエステル重合触媒。
  8. (4)の有機酸が脂肪族カルボン酸類である請求項7に記載のポリエステル重合触媒。
  9. (1)の金属元素がチタンである請求項1乃至8いずれか1項に記載のポリエステル重合触媒。
  10. (2)の金属元素が、周期表第2A族の金属元素、鉄、及び亜鉛からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1乃至9のいずれか1項に記載のポリエステル重合触媒。
  11. (2)の金属元素が、マグネシウムである請求項10に記載のポリエステル重合触媒。
  12. 下記(1)の金属元素の化合物、下記(2)の金属元素の化合物、下記(3)、及び下記(4)を、0〜200℃の温度下で5分間以上攪拌することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のポリエステル重合触媒の製造方法。
    (1)周期表第4A族の金属元素からなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
    (2)周期表第2A族の金属元素、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、及びゲルマニウムからなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
    (3)有機溶媒及び/又は水
    (4)有機酸及び無機酸からなる群より選択された少なくとも1種の酸
  13. 請求項12に記載のポリエステル重合触媒の製造方法であって、(1)の金属元素を含む化合物が、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネート、アセチル−トリ−i−プロピルチタネート、酢酸チタン、蓚酸チタン、塩化チタンからなる群より選択された少なくとも1種の化合物であるポリエステル重合触媒の製造方法。
  14. 請求項12又は13に記載の方法により得られたポリエステル重合触媒。
  15. テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とを、エステル化反応及び重縮合反応を経てポリエステルを製造するにおいて、該重縮合反応を、請求項1乃至11及び14のいずれか1項に記載のポリエステル重合触媒の存在下で行うことを特徴とするポリエステルの製造方法。
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