JP2004268511A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置において、ラインヘッドのメンテナンス処理時にも画像記録動作を中断する必要がなく、高速画像記録が可能なインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】同一色のインクを吐出する複数のラインヘッド21、22を記録媒体Pの搬送方向Aに沿って並設し、且つ前記複数のラインヘッド21、22を、記録動作中に各々独立にメンテナンス処理可能に構成することで、ラインヘッド21、22のメンテナンス処理時にも画像記録動作を中断する必要がなく、高速画像記録を可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】同一色のインクを吐出する複数のラインヘッド21、22を記録媒体Pの搬送方向Aに沿って並設し、且つ前記複数のラインヘッド21、22を、記録動作中に各々独立にメンテナンス処理可能に構成することで、ラインヘッド21、22のメンテナンス処理時にも画像記録動作を中断する必要がなく、高速画像記録を可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関し、詳しくは、記録動作を滞らせることなくメンテナンス処理が可能なラインヘッドを備えたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置には、記録媒体の幅方向に沿って往復移動可能に設けたいわゆるシリアル型の記録ヘッド(以下、本明細書ではこれを「シリアルヘッド」という。)を備えたものが知られている。このようなシリアルヘッドを備えたインクジェット記録装置では、記録媒体の搬送を停止した状態で、シリアルヘッドを記録媒体の幅方向に沿って移動させて主走査し、1回の主走査が終了したら、記録媒体をシリアルヘッドの記録素子数に応じた量だけ搬送させて副走査し、更に記録媒体の搬送停止後、再度シリアルヘッドの主走査を行うことで記録媒体の記録領域全域に画像記録を行う。
【0003】
これに対し、記録媒体の幅方向に亘って設けられる長尺状のライン型の記録ヘッド(以下、本明細書ではこれを「ラインヘッド」という。)を用いたインクジェット記録装置も知られている。ラインヘッドを用いれば、記録媒体とラインヘッドをノズルの配列方向と交叉する一方向に相対的に移動するだけで、記録媒体を停止させる必要なく、記録媒体の全域を走査して画像記録を行うことができるため、高速画像記録が可能である。一般に、ラインヘッドを固定状とし、記録媒体を一方向に搬送移動させることにより画像を記録形成している。
【0004】
ところで、インクジェット記録装置では、例えば、記録ヘッドのノズルにゴミ等が詰まってインクが吐出できない不吐出ノズルの発生や、ノズル周縁部がインクで濡れた状態でインクを吐出する際に、吐出されるインクの液滴がノズル周縁部のインクに引っ張られて記録媒体上の目的の位置に着弾しない着弾曲がりの発生等のノズル欠陥があると、画像品質を劣化させる問題がある。
【0005】
このためインクジェット記録装置では、従来から、非記録領域において記録ヘッドのノズルからインク受けに対してインクを強制的に吐出(予備吐出)したり、ノズル面をゴムブレード等を用いてワイピング(清掃)したり、ノズルからインクを吸引したりするメンテナンス処理を定期的に行うことにより、記録ヘッドを正常な状態に回復させるようにしている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−235885号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
記録ヘッドのメンテナンス処理を行う場合、シリアルヘッドは、ホームポジションに位置する時や往復移動中の折り返し端部に位置するタイミング等の非記録位置において行うことができる。従って、例えば1頁分の記録動作中であっても、シリアルヘッドが非記録位置にある上記タイミングでメンテナンス処理を行うことで、画像の記録動作に実質的に影響を及ぼすことなくメンテナンス処理を実行することが可能である。
【0008】
しかし、ラインヘッドは、画像記録動作時に上記シリアルヘッドのように記録媒体の幅方向に亘って移動することはないため、メンテナンス処理時には、特許文献1の図5、図8に示されるように、ノズル面が記録媒体とは異なるメンテナンス位置に向くようにラインヘッド全体を回転させた後にメンテナンス処理を実行する方法が一般に採用されている。
【0009】
ラインヘッドの場合、シリアルヘッドの場合と異なり、画像の記録動作とメンテナンス処理動作とは全く別動作であり、また、通常、YMCKの各色のインクによりカラー画像を記録するラインヘッドは、ヘッド部分の小型化を図る目的で、各色のインクを吐出するラインヘッドが一体にまとめられて一つのラインヘッドを構成しているため、連続する画像の記録動作中にメンテナンス処理を行う場合には、特許文献1に開示されている通り、ラインヘッド全体がメンテナンス処理のために回転することとなり、記録動作を一旦中断しなくてはならない。この記録動作の中断時には記録媒体の搬送も一旦停止させるため、ラインヘッドを速やかに回転させてメンテナンス処理を行っても、ラインヘッドの回転動作及びメンテナンス処理に要する時間だけ記録動作は完全に滞ってしまい、高速画像記録が可能なラインヘッドの利点を十分に生かすことができない問題があった。
【0010】
そこで、本発明の課題は、ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置において、ラインヘッドのメンテナンス処理時にも画像記録動作を中断する必要がなく、高速画像記録が可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0012】
請求項1記載の発明は、同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドを記録媒体の搬送方向に沿って並設し、且つ前記複数のラインヘッドを、記録動作中に各々独立にメンテナンス処理可能に構成してなることを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記複数のラインヘッドの各々は、それぞれ異なる色のインクを吐出する複数本のラインヘッドを一体にして構成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記複数のラインヘッドの各々は、それぞれ単一色のインクを吐出するラインヘッドであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記複数のラインヘッドのうちの一部のラインヘッドのメンテナンス処理により記録できない部分について、残りのラインヘッドで記録を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記メンテナンス処理は、前記ラインヘッドの移動により行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0017】
請求項6記載の発明は、前記移動は回転移動であることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置である。
【0018】
請求項7記載の発明は、前記回転移動は、前記ラインヘッドの長さ方向に沿う軸を中心に回転させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置である。
【0019】
請求項8記載の発明は、前記回転移動は、前記ラインヘッドの端部において前記記録媒体の記録面に対して垂直な軸を中心に回転させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置である。
【0020】
請求項9記載の発明は、前記回転移動は、前記ラインヘッドの端部において該ラインヘッドの長さ方向に対して直交し且つ前記記録媒体の記録面に対して平行な軸を中心に回転させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置である。
【0021】
請求項10記載の発明は、前記移動は、前記ラインヘッドを前記記録媒体の記録面から離れる方向に平行移動させることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置である。
【0022】
請求項11記載の発明は、前記移動は、前記ラインヘッドを前記記録媒体の記録面と平行に移動させることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置である。
【0023】
請求項12記載の発明は、前記複数のラインヘッドを同時に使用して画像記録を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0024】
請求項13記載の発明は、前記複数のラインヘッドは、ノズル配列方向のノズル位置が同一であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0025】
請求項14記載の発明は、前記メンテナンス処理はインクの予備吐出であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0026】
請求項15記載の発明は、前記記録媒体はロール状に巻回された元巻から連続状に搬送されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0028】
図1は、インクジェット記録装置の要部概略斜視図である。このインクジェット記録装置において、記録媒体Pは、図示しない搬送モータによって回転駆動される搬送ローラ対11、12に挟持され、図示A方向に搬送されるようになっている。
【0029】
搬送ローラ対11、12の間には、記録媒体Pの記録面PSと対向するように、該記録媒体Pの幅方向に亘って記録媒体Pを跨ぐように長尺状のラインヘッド2が配設されている。本実施形態において、ラインヘッド2は、記録媒体Pの搬送方向上流側から順に、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の2つのラインヘッドにより構成されており、各ラインヘッド21、22は、それぞれ図示しないフレキシブルケーブルを介して、制御部が設けられる制御基板に電気的に接続されている。
【0030】
ラインヘッド2の構成を図2に示す。なお、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の構成は同一であるため、ここでは第1のラインヘッド21のみについて、インク滴を吐出するノズルが設けられたノズル面側から見た状態を示す。また、図中のA方向は記録媒体の搬送方向を示している。
【0031】
第1のラインヘッド21は、それぞれ記録媒体Pの記録幅以上の長さを有する4本のヘッド211、212、213、214が記録媒体Pの搬送方向に沿って並設され、まとめて1本のラインヘッドとして構成されている。各ヘッド211、212、213、214は、それぞれYMCKの各色に対応している。
【0032】
各ヘッド211、212、213、214のノズル面には、多数のノズルが、記録媒体Pの幅方向に亘るヘッドの長さ方向に沿って配列されている。本実施形態では、ヘッド211にノズル列211aと211bが、ヘッド212にノズル列212aと212bが、ヘッド213にノズル列213aと213bが、ヘッド214にノズル列214aと214bがそれぞれ設けられており、複数のノズル列を有する構造とされている。
【0033】
第2のラインヘッド22も上記第1のラインヘッド21と同一構成であるため、このインクジェット記録装置は、YMCKのそれぞれについて同一色のインクを吐出するラインヘッドを2本有していることになる。
【0034】
第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22は、記録動作中に各々独立してメンテナンス処理を行うことが可能とされている。ここでメンテナンス処理としては、ノズルからインク滴を強制的に吐出する予備吐出処理、ヘッドのノズル面を覆って保護するキャッピング処理、ノズル面からインクを強制的に吸引する吸引処理、ノズル面をゴムブレード等を用いて拭き取り清掃するワイピング処理、インク滴が吐出されないノズル欠を検知するためのノズル欠検知処理、ヘッドへのインク補給を行うためのインク補給処理等が挙げられる。
【0035】
以下の説明では、メンテナンス処理として、画像記録動作中でも短時間に行うことができる点で好ましい態様である予備吐出処理を行う場合を例にとって説明するが、メンテナンス処理は1つに限らず、上記した複数の処理を同時又は連続して行うようにしてもよい。
【0036】
第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22を各々独立してメンテナンス処理するには、メンテナンス処理を行うための部材を各ラインヘッド21、22それぞれに対応するように設けておくことが望ましく、メンテナンス処理として予備吐出を行う場合には、吐出されたインク滴を受け入れるためのインク受けを各ラインヘッド21、22に対応させて設けることが望ましい。
【0037】
なお、メンテナンス処理としてインク補給処理を行う場合には、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22とでインク容器を別々に構成し、それぞれ別系統で第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22にインクが供給されるように構成しておく必要がある。
【0038】
メンテナンス処理は、各ラインヘッドに対応するインク受けをノズル面と記録媒体Pとの間まで移動させることで、ラインヘッド毎に独立して行われるようにしてもよいが、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22が各々独立して移動することにより行われることが好ましい。これにより、ラインヘッドのノズル面と記録媒体Pとの間にインク受け等を介在させる必要がなくなり、ラインヘッドと記録媒体Pとの間の距離をメンテナンス処理を考慮して離す必要がなく、画像記録に最適な距離に保つことができる。
【0039】
メンテナンス処理のための第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の移動は、回転移動であることが好ましい。図1、図3及び図4はこの態様を示している。
【0040】
即ち、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22には、図1に示すように、そのノズル面と反対側の端部において、ラインヘッドの長さ方向に沿ってそれぞれ回転軸21a、22aが設けられている。従って、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22は、図3の側面図に示すように、この回転軸21a、22aを中心に、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSに対向する位置(図3の実線位置)と、この位置からそれぞれ図示矢印方向に略90°回転してノズル面が記録媒体Pの記録面PSとは異なる方向となる位置(図3の一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段によりそれぞれ回転移動可能とされている。
【0041】
また、図3に示すように、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22がそれぞれ回転軸21a、22aを中心に略90°回転した回転位置において、メンテナンス処理を行うためのインク受け31、32がそれぞれ設けられている。このインク受け31、32は図1においては図示省略している。
【0042】
インク受け31、32は、第1、第2の各ラインヘッド21、22のノズルからメンテナンスのために予備吐出されたインク滴を受け入れるように、その開口部がノズル面と対向するように配置されている。従って、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22は、回転軸21a、22aを中心にして、対応するインク受け31、32に向けて回転移動することで、記録動作中に各々独立にメンテナンス処理が可能とされる。
【0043】
図3に示す態様では、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22とは、互いに反対方向に回転することによりメンテナンス処理を行うようにしているが、例えばインク受け31を第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22との間に配置させることによって、メンテナンス処理時の回転方向が第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22とで同一方向となるようにしてもよい。
【0044】
また、図4に示すように、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22との間に一つのインク受け33を配置させることによって、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の2つのラインヘッドで一つのインク受け33を共用するようにして、部品点数の低減化を図ることもできる。
【0045】
次に、このようなインクジェット記録装置において、画像記録を行う場合の動作例について説明する。
【0046】
まず、最初は記録媒体Pの搬送方向下流側に位置する第2のラインヘッド22は休止させておき、第1のラインヘッド21のみを用いて、連続的に搬送される記録媒体Pの記録面PS上にYMCKのインクを用いたカラー画像を記録形成する。そして、例えば、図示しない制御部等において記録動作が所定時間に達したこと等によりメンテナンス処理が必要になったことを検知すると、記録動作を中断することなく、第1のラインヘッド21を、図3の一点鎖線に示すように回転軸21aを中心に回転させてそのノズル面をインク受け31に対向させ、所定数のインク滴を強制的に吐出して予備吐出を行う。
【0047】
この第1のラインヘッド21のメンテナンス処理動作の開始(記録動作終了)により、第1のラインヘッド21による画像記録が行えなくなるが、これとほぼ同じタイミングで、それまで休止していた第2のラインヘッド22を稼動させ、この第2のラインヘッド22によって、第1のラインヘッド21により記録された画像に続けて、第1のラインヘッド21のメンテナンス処理により記録できない部分について画像を記録形成していく。従って、連続する画像記録動作中にラインヘッドのメンテナンス処理を行っても、第1のラインヘッド21により記録された画像に引き続いて、第2のラインヘッド22によって時間のロスなく画像記録を続行することができるため、記録動作が滞ることがなく、高速画像記録が可能なラインヘッドの利点を十分に生かすことができる。
【0048】
また、逆に、最初は第2のラインヘッド22により画像記録を行って、第1のラインヘッド21を休止させておいてもよく、この場合は、第2のラインヘッド22のメンテナンス処理を行うタイミングに先立って、第1のラインヘッド21を稼動させておき、第2のラインヘッド22のメンテナンス処理により記録できない部分を第1のラインヘッド21を用いて事前に記録しておくようにすることで、記録動作が滞ることなく、下流側の第2のラインヘッド22のメンテナンス処理を行うことができる。
【0049】
なお、休止させておくラインヘッドは、図示しないが、ノズル面をキャッピングしてインクの蒸発を防止するようにしたり、全ノズルのインクメニスカスにインクが飛翔しない範囲で微振動を与えてノズルの目詰まりを防止したり、稼働直前に予備吐出を行う等のインク吐出の安定化対策を講ずることにより、稼動直後から安定してインク吐出が行えるようにすることが好ましい。
【0050】
かかるインクジェット記録装置では、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22は全く同一構成であるため、通常の画像記録動作時は、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22を共に使用して画像記録を行うようにしてもよく、この場合には、複数のライン画像を同時に形成できるので、より高速の画像記録を行うことができる。しかも、重ね打ちや間引き(補間)打ちをすることにより、1つのラインヘッドにより記録すべき画像記録領域を複数のラインヘッド(第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22)により記録することで、1つのラインヘッド内のインクの不吐出、インクの着弾曲がりによる画像ノイズが軽減され、高画質の画像を記録することができるようになる。
【0051】
そして、この場合にラインヘッドのメンテナンス処理を行うには、まず、いずれか一方のみ、例えば第1のラインヘッド21のみの記録動作を停止させた後、図3の一点鎖線に示すように回転軸21aを中心に回転させてそのノズル面をインク受け31に対向させ、所定数のインク滴を強制的に吐出して予備吐出を行う。このとき、第1のラインヘッド21のメンテナンス処理により記録できない部分について、残りの第2のラインヘッド22により記録を行う。また、第2のラインヘッド22のメンテナンス処理を行う場合は、上記と反対に、第2のラインヘッド22のメンテナンス処理により記録できない部分について、残りの第1のラインヘッド21により記録を行う。
【0052】
第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の各々独立したメンテナンス処理時の動作を、以上のように回転移動により行うようにすれば、単純な動作で記録位置とメンテナンス位置とに速やかに移動させることができるため、移動時間を短縮することができる。
【0053】
以下に、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の回転移動の他の態様を示す。
【0054】
図5に示す態様では、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22のそれぞれに設けられた回転軸21a、22aが、各ラインヘッド21、22の長さ方向の一端部において記録媒体Pの記録面PSに対して垂直な方向に延びており、各ラインヘッド21、22は、この回転軸21a、22aを中心に上記記録面PSと平行な面に沿って回転可能に設けられている。ここでは第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22とで、それぞれ長さ方向の反対端部に回転軸21a、22aが位置しており、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSに対向して記録を行う位置(図5に示す実線位置)と、この位置から図示矢印方向に各々略90°回転してその長さ方向が記録媒体Pの搬送方向と略平行となるメンテナンス位置(図5に示す一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段によりそれぞれ回転移動可能とされている。
【0055】
この場合、インク受け31、32は、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22がそれぞれメンテナンス位置にあるときに、各々のノズル面に対応するようにそれぞれ記録媒体Pの側方に配設されており、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22がそれぞれメンテナンス位置まで移動したときに、各々のノズル面から吐出されるインク滴を受け入れるように構成されている。
【0056】
この態様では、ラインヘッド2が第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の2本からなり、それらが密接状に配設されている場合でも、記録動作中に各々独立して回転移動することにより、記録動作を中断することなくメンテナンス処理することができる。
【0057】
図6は、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22のそれぞれ一端に回転軸が設けられている点では図5に示す態様と同一であるが、この回転軸2aは、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の端部において該ラインヘッド21、22の長さ方向に対して直交し且つ記録媒体Pの記録面PSに対して平行に延びており、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22を、図6(a)の矢印で示すようにそれぞれ記録媒体Pの記録面PSから離れる方向に回転可能に設けられている点で相違している。
【0058】
ここでは第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22とで共通の回転軸2aを設けているが、それぞれ独立した回転軸としてもよく、また、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22とでそれぞれ反対端部となるように回転軸を配置してもよい。
【0059】
第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22は、この回転軸2aを中心にして、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSに対向して記録を行う位置(図6(a)に示す実線位置)と、この位置から図示矢印方向に各々回転したメンテナンス位置(図6(a)に示す一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段によりそれぞれ回転移動可能とされている。
【0060】
ここで、第1のラインヘッド21又は第2のラインヘッド22がメンテナンス位置まで回転移動したら、そのノズル面に臨むようにインク受け31又は32を進出移動させることで、このインク受け31又は32に対してインク滴を吐出して各々独立してメンテナンス処理を行うことができる(図6(b)参照)。
【0061】
この態様では、図示した第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の2本のみならず、更にラインヘッド数が記録媒体Pの搬送方向に沿って増えた場合であっても、ラインヘッド同士で邪魔になることなく、各ラインヘッドで独立して回転移動させることにより、記録動作中に各々独立してメンテナンス処理を行うことができる。しかも、各ラインヘッドを密接状に配置させることもできるため、記録部の構成をコンパクトにすることができる。
【0062】
同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドをメンテナンス処理時に各々独立して移動させる場合、上述した回転移動の他に、平行移動させるものとすることもできる。例えば、図7は、第1のラインヘッド2及び第2のラインヘッド22を、それぞれ記録媒体Pの記録面PSに対して垂直なガイドレール(図示せず)に沿って移動可能に設けることにより、記録媒体Pの記録面PSから離れる方向に各々独立して平行に移動可能に設け、記録を行う位置(図7(a)に示す実線位置)と、この位置から図示矢印方向に平行移動したメンテナンス位置(図7(a)に示す一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段によりそれぞれ独立に移動可能とした態様を示している。
【0063】
この場合、第1及び第2の各ラインヘッド21、22にそれぞれ対応するインク受け31、32を、それら第1及び第2の各ラインヘッド21、22の側方、例えば図7に示すように各ラインヘッド21、22よりも記録媒体Pの搬送方向上流側及び下流側に待機させておき、図7(b)に示すように、例えば第1のラインヘッド21が記録媒体Pの記録面PSから離れる方向に平行移動した際に、そのノズル面に対向するように記録媒体Pの搬送方向に沿って移動させることで、メンテナンス処理を行うことができる。
【0064】
これらインク受け31、32は、図示しないが、記録媒体Pの搬送方向の左右いずれかの側方に待機させておき、メンテナンス処理時に各ラインヘッド21、22の長さ方向に沿って移動させるようにしてもよい。また、第1及び第2の各ラインヘッド21、22で共通の一つのインク受けを、各ラインヘッド21、22よりも記録媒体Pの搬送方向上流側又は下流側に待機させておき、いずれのラインヘッドのメンテナンス処理時にも、その一つのインク受けをノズル面まで移動させてメンテナンス処理を行うようにしてもよい。
【0065】
この態様では、同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドの各々が、メンテナンス処理時に記録媒体Pの記録面PSから離れる方向に平行移動するので、そのラインヘッド数が、図示する第1及び第2の2本に限らず、3本以上の場合に各ラインヘッドを密接状に配設しても、記録動作中に各々独立してメンテナンス処理を行うことが可能である。
【0066】
ラインヘッド2が第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の2本からなる場合には、メンテナンス処理時に、図8に示すように、記録媒体Pの記録面PSに対して平行に移動させるものとすることもできる。即ち、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22にそれぞれ対応するインク受け31、32を、搬送ローラ対11及び12の間に位置する記録領域から外れた外側にそれぞれ配設しておくと共に、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22を、記録媒体Pの搬送方向と平行に架設されたガイドレール4にスライド移動可能に取り付け、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSに対向する位置(図8に示す実線位置)と、この位置から図示矢印方向に平行移動してノズル面が対応するインク受け31、32に臨む位置(図8に示す一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段により、記録媒体Pの搬送方向に沿って平行移動可能に構成することで、記録動作中に各々独立してメンテナンス処理可能とすることもできる。
【0067】
また、メンテナンス処理時にラインヘッドを平行移動させる場合、図9に示すように、ラインヘッドの長さ方向に沿って平行移動させるものとすることもできる。即ち、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22にそれぞれ対応するインク受け31、32を、記録媒体Pの側方にそれぞれ配設しておくと共に、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22を、その長さ方向に沿って架設されたガイドレール(図示せず)にスライド移動可能に取り付け、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSに対向する位置(図9に示す実線位置)と、この位置から図示矢印方向に平行移動して記録媒体Pの側方に外れ、ノズル面が対応するインク受け31、32に臨む位置(図9に示す一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段により平行移動可能に構成することで、記録動作中に各々独立してメンテナンス処理可能とすることもできる。
【0068】
この態様では、図8に示す態様と異なり、ラインヘッドの数が3本以上の場合であっても、ラインヘッド同士で邪魔になることなく、各ラインヘッドを独立して平行移動させてメンテナンス処理を行うことができる。
【0069】
以上の説明では、ラインヘッド2を第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の2本により構成したものを図示したが、記録媒体Pの搬送方向に沿って、同一色のインクを吐出するラインヘッド数を第3、第4・・・と増やしてもよいことは勿論である。
【0070】
また、例えばラインヘッド数が3本の場合、そのうちの1本を画像記録時に使用し、このメンテナンス処理時に残りの2本又は1本を使用したり、2本を画像記録時に使用して、そのうちの1本のメンテナンス処理時に残りの1本を使用する等、様々な使用形態とすることができる。
【0071】
ラインヘッド2を構成する同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドは、画像記録位置にある状態で、ノズル配列方向のノズル位置が同一であることが好ましい。図10は第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の場合を例示している。例えば、第1のラインヘッド21のノズルn1と、それと同一色のインクを吐出する第2のラインヘッド22のノズルn5とは、各ラインヘッド21、22が画像記録位置にある状態で、ノズル配列方向の位置が、記録媒体の搬送方向Aから見て同一となるように配置されて形成されている。また同様にノズルn2とノズルn6、ノズルn3とノズルn7、ノズルn4とノズルn8の位置も、各ラインヘッド21、22が画像記録位置にある状態でノズル配列方向の位置が、記録媒体の搬送方向Aから見て同一となるように配置されて形成されている。
【0072】
これにより同一色のインクを吐出する第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の各ノズルにより記録されるライン画像は、記録媒体Pの搬送方向Aに沿う位置が同一となるため、メンテナンス処理によりラインヘッドを切り替える際にも、ラインヘッドの位置を動かす必要なく、そのまま代行記録が可能となる。
【0073】
また、以上の説明では、YMCKの各色のインクを吐出する4本のヘッドをひとまとめにして1本のラインヘッドを構成し、メンテナンス処理時にはこれらが一体となって移動するものについて示した。この態様では、各々独立したメンテナンス処理動作時に、YMCKの4本のヘッドを一体として移動させるため、移動機構が一体化されたラインヘッドの数、即ち図示例の場合は第1ラインヘッド21と第2のラインヘッド22の2つだけで済み、移動機構を簡略化することができる。しかし、インクの色によって、色材の種類が異なったり(例えばKのみ顔料でYMCは染料の場合等)、濃度が異なったり、溶媒、粘度等が異なったりすることにより目詰まりの発生し易さが異なり、メンテナンス処理の頻度も異なる場合があるため、YMCKの各色のインクを吐出するヘッド毎に独立してメンテナンス処理可能に構成することも可能である。
【0074】
即ち、図11は、YMCKの各ラインヘッド毎に同一色のインクを吐出するラインヘッドを複数設け、それらを各々独立してメンテナンス処理するために移動可能とした態様を示している。図11(a)は図示左端から順にYMCKYMCKの計8本のラインヘッドを各々独立して移動可能に並設した場合を、図11(b)は図示左端から順にYYMMCCKKの計8本のラインヘッドを各々独立して移動可能に並設した場合を示している。各ラインヘッド個々の移動構造は、以上説明した回転移動、平行移動を採用することができる。特に、ラインヘッド数が多数あることから、互いに邪魔になることなく独立してメンテナンス処理動作のために移動でき、且つ記録部をコンパクトにできるようにするため、図6、図7及び図9に示した態様を採用することが好ましい。
【0075】
このようにYMCKの各ラインヘッド毎に同一色のインクを吐出するラインヘッドを複数設け、それらを各々独立してメンテナンス処理するために移動可能とすることで、メンテナンス処理が必要な特定の色のインクを吐出するラインヘッド、例えばYインクを吐出するラインヘッドのみを独立してメンテナンス処理することができる。この場合も、同じYインクを吐出するもう一方のラインヘッドを使用して画像記録を継続可能であるため、画像記録動作が滞ることはない。
【0076】
しかも、メンテナンス処理が必要な特定の色のインクを吐出するラインヘッドのみのメンテナンス処理を行うことができるため、必ずしもメンテナンス処理の必要のない他のラインヘッドまで一緒に移動させてしまうような無駄がない。例えば、メンテナンス処理としてインク吸引処理を行うような場合には、メンテナンス処理が不要なラインヘッドのインクまで吸引して無駄にインクを消費するようなことはない。
【0077】
また、YMCKの各色のインクを吐出するヘッドのうち、特にメンテナンス処理が必要となる特定の色のインクを吐出する1、2又は3本のラインヘッドのみに着目し、それと同一色のインクを吐出するラインヘッドのみ複数設け、それらを各々独立してメンテナンス処理可能とするようにしてもよい。図12は、YMCKのうちのYの色のインクを吐出するラインヘッドのみ2本並設するようにした態様を示している。この場合でも、Yのインクを吐出するラインヘッドのうちの一方がメンテナンス処理を行う場合でも、同じYインクを吐出するもう一方のラインヘッドを使用して画像記録を継続可能であるため、画像記録動作が滞ることはない。
【0078】
以上の説明では、メンテナンス処理として予備吐出処理を行う場合について説明したが、その他のメンテナンス処理を行う場合には、インク受けを他のメンテナンス部材に置き換えればよい。
【0079】
なお、本発明に係るインクジェット記録装置において、記録媒体Pはロール状に巻回された元巻から連続状に搬送されるようにすることが好ましい。本発明に係るインクジェット記録装置によれば、同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドが記録動作中に各々独立にメンテナンス処理可能であるため、切れ目がない記録媒体でも、画像記録の途中で、画像記録動作を中断することなくメンテナンス処理を行うことができる。従って、連続的に長い絵柄を記録する場合であっても、記録動作の途中で停滞させることなく、メンテナンス処理を行うことができる。
【0080】
また、連続して記録される画像には、記録媒体の幅一杯、すなわちラインヘッドの全ノズルを使用して記録されるものに限らず、記録媒体の幅よりも小さく記録される場合があり、後者の画像を記録する場合は、画像記録領域から外れた領域に相当するラインヘッドのノズルからはインクが吐出されない期間が長くなって、再び全ノズルを使用して大きな画像を記録する際に、それまで使用されていなかったノズルからのインク吐出が不安定となるおそれがあるが、本発明に係るインクジェット記録装置によれば、同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドが記録動作中に各々独立にメンテナンス処理可能であるため、小さな画像から大きな画像を連続して記録する場合でも、その画像記録の途中で、小画像を記録していたラインヘッドをメンテナンス処理し、その代わりに同一色のインクを吐出する他のラインヘッドを使用して大きな画像の記録を行うようにすることで、画像記録動作を中断することなく、常に高品質の画像記録を行うことができるという利点が得られる。
【0081】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置において、ラインヘッドのメンテナンス処理時にも画像記録動作を中断する必要がなく、高速画像記録が可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の要部概略斜視図
【図2】ラインヘッドの構成の一例を示すノズル面側から見た平面図
【図3】インクジェット記録装置の一例を示す平面図
【図4】インクジェット記録装置の他の一例を示す平面図
【図5】ラインヘッドの回転移動の他の態様を示す記録媒体の記録面側から見た平面図
【図6】(a)はラインヘッドの回転移動の更に他の態様を示す要部概略斜視図、(b)は移動後のラインヘッドにインク受けを配置させた状態を示す記録媒体の搬送方向から見た側面図
【図7】(a)はラインヘッドを平行移動させる態様を示す側面図、(b)は平行移動後のラインヘッドにインク受けを配置させた状態を示す側面図
【図8】ラインヘッドの平行移動の他の態様を示す側面図
【図9】ラインヘッドの平行移動の更に他の態様を示す平面図
【図10】ラインヘッドのノズルの配列構成を示す平面図
【図11】(a)(b)はそれぞれラインヘッドの並設構成の他の態様を説明する図
【図12】ラインヘッドの並設構成の更に他の態様を説明する図
【符号の説明】
P:記録媒体
PS:記録面
2:ラインヘッド
21:第1のラインヘッド
22:第2のラインヘッド
2a、21a、22a:回転軸
31、32、33:インク受け
4:ガイドレール
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関し、詳しくは、記録動作を滞らせることなくメンテナンス処理が可能なラインヘッドを備えたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置には、記録媒体の幅方向に沿って往復移動可能に設けたいわゆるシリアル型の記録ヘッド(以下、本明細書ではこれを「シリアルヘッド」という。)を備えたものが知られている。このようなシリアルヘッドを備えたインクジェット記録装置では、記録媒体の搬送を停止した状態で、シリアルヘッドを記録媒体の幅方向に沿って移動させて主走査し、1回の主走査が終了したら、記録媒体をシリアルヘッドの記録素子数に応じた量だけ搬送させて副走査し、更に記録媒体の搬送停止後、再度シリアルヘッドの主走査を行うことで記録媒体の記録領域全域に画像記録を行う。
【0003】
これに対し、記録媒体の幅方向に亘って設けられる長尺状のライン型の記録ヘッド(以下、本明細書ではこれを「ラインヘッド」という。)を用いたインクジェット記録装置も知られている。ラインヘッドを用いれば、記録媒体とラインヘッドをノズルの配列方向と交叉する一方向に相対的に移動するだけで、記録媒体を停止させる必要なく、記録媒体の全域を走査して画像記録を行うことができるため、高速画像記録が可能である。一般に、ラインヘッドを固定状とし、記録媒体を一方向に搬送移動させることにより画像を記録形成している。
【0004】
ところで、インクジェット記録装置では、例えば、記録ヘッドのノズルにゴミ等が詰まってインクが吐出できない不吐出ノズルの発生や、ノズル周縁部がインクで濡れた状態でインクを吐出する際に、吐出されるインクの液滴がノズル周縁部のインクに引っ張られて記録媒体上の目的の位置に着弾しない着弾曲がりの発生等のノズル欠陥があると、画像品質を劣化させる問題がある。
【0005】
このためインクジェット記録装置では、従来から、非記録領域において記録ヘッドのノズルからインク受けに対してインクを強制的に吐出(予備吐出)したり、ノズル面をゴムブレード等を用いてワイピング(清掃)したり、ノズルからインクを吸引したりするメンテナンス処理を定期的に行うことにより、記録ヘッドを正常な状態に回復させるようにしている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−235885号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
記録ヘッドのメンテナンス処理を行う場合、シリアルヘッドは、ホームポジションに位置する時や往復移動中の折り返し端部に位置するタイミング等の非記録位置において行うことができる。従って、例えば1頁分の記録動作中であっても、シリアルヘッドが非記録位置にある上記タイミングでメンテナンス処理を行うことで、画像の記録動作に実質的に影響を及ぼすことなくメンテナンス処理を実行することが可能である。
【0008】
しかし、ラインヘッドは、画像記録動作時に上記シリアルヘッドのように記録媒体の幅方向に亘って移動することはないため、メンテナンス処理時には、特許文献1の図5、図8に示されるように、ノズル面が記録媒体とは異なるメンテナンス位置に向くようにラインヘッド全体を回転させた後にメンテナンス処理を実行する方法が一般に採用されている。
【0009】
ラインヘッドの場合、シリアルヘッドの場合と異なり、画像の記録動作とメンテナンス処理動作とは全く別動作であり、また、通常、YMCKの各色のインクによりカラー画像を記録するラインヘッドは、ヘッド部分の小型化を図る目的で、各色のインクを吐出するラインヘッドが一体にまとめられて一つのラインヘッドを構成しているため、連続する画像の記録動作中にメンテナンス処理を行う場合には、特許文献1に開示されている通り、ラインヘッド全体がメンテナンス処理のために回転することとなり、記録動作を一旦中断しなくてはならない。この記録動作の中断時には記録媒体の搬送も一旦停止させるため、ラインヘッドを速やかに回転させてメンテナンス処理を行っても、ラインヘッドの回転動作及びメンテナンス処理に要する時間だけ記録動作は完全に滞ってしまい、高速画像記録が可能なラインヘッドの利点を十分に生かすことができない問題があった。
【0010】
そこで、本発明の課題は、ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置において、ラインヘッドのメンテナンス処理時にも画像記録動作を中断する必要がなく、高速画像記録が可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0012】
請求項1記載の発明は、同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドを記録媒体の搬送方向に沿って並設し、且つ前記複数のラインヘッドを、記録動作中に各々独立にメンテナンス処理可能に構成してなることを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記複数のラインヘッドの各々は、それぞれ異なる色のインクを吐出する複数本のラインヘッドを一体にして構成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記複数のラインヘッドの各々は、それぞれ単一色のインクを吐出するラインヘッドであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記複数のラインヘッドのうちの一部のラインヘッドのメンテナンス処理により記録できない部分について、残りのラインヘッドで記録を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記メンテナンス処理は、前記ラインヘッドの移動により行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0017】
請求項6記載の発明は、前記移動は回転移動であることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置である。
【0018】
請求項7記載の発明は、前記回転移動は、前記ラインヘッドの長さ方向に沿う軸を中心に回転させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置である。
【0019】
請求項8記載の発明は、前記回転移動は、前記ラインヘッドの端部において前記記録媒体の記録面に対して垂直な軸を中心に回転させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置である。
【0020】
請求項9記載の発明は、前記回転移動は、前記ラインヘッドの端部において該ラインヘッドの長さ方向に対して直交し且つ前記記録媒体の記録面に対して平行な軸を中心に回転させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置である。
【0021】
請求項10記載の発明は、前記移動は、前記ラインヘッドを前記記録媒体の記録面から離れる方向に平行移動させることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置である。
【0022】
請求項11記載の発明は、前記移動は、前記ラインヘッドを前記記録媒体の記録面と平行に移動させることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置である。
【0023】
請求項12記載の発明は、前記複数のラインヘッドを同時に使用して画像記録を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0024】
請求項13記載の発明は、前記複数のラインヘッドは、ノズル配列方向のノズル位置が同一であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0025】
請求項14記載の発明は、前記メンテナンス処理はインクの予備吐出であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0026】
請求項15記載の発明は、前記記録媒体はロール状に巻回された元巻から連続状に搬送されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0028】
図1は、インクジェット記録装置の要部概略斜視図である。このインクジェット記録装置において、記録媒体Pは、図示しない搬送モータによって回転駆動される搬送ローラ対11、12に挟持され、図示A方向に搬送されるようになっている。
【0029】
搬送ローラ対11、12の間には、記録媒体Pの記録面PSと対向するように、該記録媒体Pの幅方向に亘って記録媒体Pを跨ぐように長尺状のラインヘッド2が配設されている。本実施形態において、ラインヘッド2は、記録媒体Pの搬送方向上流側から順に、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の2つのラインヘッドにより構成されており、各ラインヘッド21、22は、それぞれ図示しないフレキシブルケーブルを介して、制御部が設けられる制御基板に電気的に接続されている。
【0030】
ラインヘッド2の構成を図2に示す。なお、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の構成は同一であるため、ここでは第1のラインヘッド21のみについて、インク滴を吐出するノズルが設けられたノズル面側から見た状態を示す。また、図中のA方向は記録媒体の搬送方向を示している。
【0031】
第1のラインヘッド21は、それぞれ記録媒体Pの記録幅以上の長さを有する4本のヘッド211、212、213、214が記録媒体Pの搬送方向に沿って並設され、まとめて1本のラインヘッドとして構成されている。各ヘッド211、212、213、214は、それぞれYMCKの各色に対応している。
【0032】
各ヘッド211、212、213、214のノズル面には、多数のノズルが、記録媒体Pの幅方向に亘るヘッドの長さ方向に沿って配列されている。本実施形態では、ヘッド211にノズル列211aと211bが、ヘッド212にノズル列212aと212bが、ヘッド213にノズル列213aと213bが、ヘッド214にノズル列214aと214bがそれぞれ設けられており、複数のノズル列を有する構造とされている。
【0033】
第2のラインヘッド22も上記第1のラインヘッド21と同一構成であるため、このインクジェット記録装置は、YMCKのそれぞれについて同一色のインクを吐出するラインヘッドを2本有していることになる。
【0034】
第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22は、記録動作中に各々独立してメンテナンス処理を行うことが可能とされている。ここでメンテナンス処理としては、ノズルからインク滴を強制的に吐出する予備吐出処理、ヘッドのノズル面を覆って保護するキャッピング処理、ノズル面からインクを強制的に吸引する吸引処理、ノズル面をゴムブレード等を用いて拭き取り清掃するワイピング処理、インク滴が吐出されないノズル欠を検知するためのノズル欠検知処理、ヘッドへのインク補給を行うためのインク補給処理等が挙げられる。
【0035】
以下の説明では、メンテナンス処理として、画像記録動作中でも短時間に行うことができる点で好ましい態様である予備吐出処理を行う場合を例にとって説明するが、メンテナンス処理は1つに限らず、上記した複数の処理を同時又は連続して行うようにしてもよい。
【0036】
第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22を各々独立してメンテナンス処理するには、メンテナンス処理を行うための部材を各ラインヘッド21、22それぞれに対応するように設けておくことが望ましく、メンテナンス処理として予備吐出を行う場合には、吐出されたインク滴を受け入れるためのインク受けを各ラインヘッド21、22に対応させて設けることが望ましい。
【0037】
なお、メンテナンス処理としてインク補給処理を行う場合には、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22とでインク容器を別々に構成し、それぞれ別系統で第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22にインクが供給されるように構成しておく必要がある。
【0038】
メンテナンス処理は、各ラインヘッドに対応するインク受けをノズル面と記録媒体Pとの間まで移動させることで、ラインヘッド毎に独立して行われるようにしてもよいが、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22が各々独立して移動することにより行われることが好ましい。これにより、ラインヘッドのノズル面と記録媒体Pとの間にインク受け等を介在させる必要がなくなり、ラインヘッドと記録媒体Pとの間の距離をメンテナンス処理を考慮して離す必要がなく、画像記録に最適な距離に保つことができる。
【0039】
メンテナンス処理のための第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の移動は、回転移動であることが好ましい。図1、図3及び図4はこの態様を示している。
【0040】
即ち、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22には、図1に示すように、そのノズル面と反対側の端部において、ラインヘッドの長さ方向に沿ってそれぞれ回転軸21a、22aが設けられている。従って、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22は、図3の側面図に示すように、この回転軸21a、22aを中心に、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSに対向する位置(図3の実線位置)と、この位置からそれぞれ図示矢印方向に略90°回転してノズル面が記録媒体Pの記録面PSとは異なる方向となる位置(図3の一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段によりそれぞれ回転移動可能とされている。
【0041】
また、図3に示すように、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22がそれぞれ回転軸21a、22aを中心に略90°回転した回転位置において、メンテナンス処理を行うためのインク受け31、32がそれぞれ設けられている。このインク受け31、32は図1においては図示省略している。
【0042】
インク受け31、32は、第1、第2の各ラインヘッド21、22のノズルからメンテナンスのために予備吐出されたインク滴を受け入れるように、その開口部がノズル面と対向するように配置されている。従って、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22は、回転軸21a、22aを中心にして、対応するインク受け31、32に向けて回転移動することで、記録動作中に各々独立にメンテナンス処理が可能とされる。
【0043】
図3に示す態様では、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22とは、互いに反対方向に回転することによりメンテナンス処理を行うようにしているが、例えばインク受け31を第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22との間に配置させることによって、メンテナンス処理時の回転方向が第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22とで同一方向となるようにしてもよい。
【0044】
また、図4に示すように、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22との間に一つのインク受け33を配置させることによって、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の2つのラインヘッドで一つのインク受け33を共用するようにして、部品点数の低減化を図ることもできる。
【0045】
次に、このようなインクジェット記録装置において、画像記録を行う場合の動作例について説明する。
【0046】
まず、最初は記録媒体Pの搬送方向下流側に位置する第2のラインヘッド22は休止させておき、第1のラインヘッド21のみを用いて、連続的に搬送される記録媒体Pの記録面PS上にYMCKのインクを用いたカラー画像を記録形成する。そして、例えば、図示しない制御部等において記録動作が所定時間に達したこと等によりメンテナンス処理が必要になったことを検知すると、記録動作を中断することなく、第1のラインヘッド21を、図3の一点鎖線に示すように回転軸21aを中心に回転させてそのノズル面をインク受け31に対向させ、所定数のインク滴を強制的に吐出して予備吐出を行う。
【0047】
この第1のラインヘッド21のメンテナンス処理動作の開始(記録動作終了)により、第1のラインヘッド21による画像記録が行えなくなるが、これとほぼ同じタイミングで、それまで休止していた第2のラインヘッド22を稼動させ、この第2のラインヘッド22によって、第1のラインヘッド21により記録された画像に続けて、第1のラインヘッド21のメンテナンス処理により記録できない部分について画像を記録形成していく。従って、連続する画像記録動作中にラインヘッドのメンテナンス処理を行っても、第1のラインヘッド21により記録された画像に引き続いて、第2のラインヘッド22によって時間のロスなく画像記録を続行することができるため、記録動作が滞ることがなく、高速画像記録が可能なラインヘッドの利点を十分に生かすことができる。
【0048】
また、逆に、最初は第2のラインヘッド22により画像記録を行って、第1のラインヘッド21を休止させておいてもよく、この場合は、第2のラインヘッド22のメンテナンス処理を行うタイミングに先立って、第1のラインヘッド21を稼動させておき、第2のラインヘッド22のメンテナンス処理により記録できない部分を第1のラインヘッド21を用いて事前に記録しておくようにすることで、記録動作が滞ることなく、下流側の第2のラインヘッド22のメンテナンス処理を行うことができる。
【0049】
なお、休止させておくラインヘッドは、図示しないが、ノズル面をキャッピングしてインクの蒸発を防止するようにしたり、全ノズルのインクメニスカスにインクが飛翔しない範囲で微振動を与えてノズルの目詰まりを防止したり、稼働直前に予備吐出を行う等のインク吐出の安定化対策を講ずることにより、稼動直後から安定してインク吐出が行えるようにすることが好ましい。
【0050】
かかるインクジェット記録装置では、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22は全く同一構成であるため、通常の画像記録動作時は、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22を共に使用して画像記録を行うようにしてもよく、この場合には、複数のライン画像を同時に形成できるので、より高速の画像記録を行うことができる。しかも、重ね打ちや間引き(補間)打ちをすることにより、1つのラインヘッドにより記録すべき画像記録領域を複数のラインヘッド(第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22)により記録することで、1つのラインヘッド内のインクの不吐出、インクの着弾曲がりによる画像ノイズが軽減され、高画質の画像を記録することができるようになる。
【0051】
そして、この場合にラインヘッドのメンテナンス処理を行うには、まず、いずれか一方のみ、例えば第1のラインヘッド21のみの記録動作を停止させた後、図3の一点鎖線に示すように回転軸21aを中心に回転させてそのノズル面をインク受け31に対向させ、所定数のインク滴を強制的に吐出して予備吐出を行う。このとき、第1のラインヘッド21のメンテナンス処理により記録できない部分について、残りの第2のラインヘッド22により記録を行う。また、第2のラインヘッド22のメンテナンス処理を行う場合は、上記と反対に、第2のラインヘッド22のメンテナンス処理により記録できない部分について、残りの第1のラインヘッド21により記録を行う。
【0052】
第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の各々独立したメンテナンス処理時の動作を、以上のように回転移動により行うようにすれば、単純な動作で記録位置とメンテナンス位置とに速やかに移動させることができるため、移動時間を短縮することができる。
【0053】
以下に、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の回転移動の他の態様を示す。
【0054】
図5に示す態様では、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22のそれぞれに設けられた回転軸21a、22aが、各ラインヘッド21、22の長さ方向の一端部において記録媒体Pの記録面PSに対して垂直な方向に延びており、各ラインヘッド21、22は、この回転軸21a、22aを中心に上記記録面PSと平行な面に沿って回転可能に設けられている。ここでは第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22とで、それぞれ長さ方向の反対端部に回転軸21a、22aが位置しており、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSに対向して記録を行う位置(図5に示す実線位置)と、この位置から図示矢印方向に各々略90°回転してその長さ方向が記録媒体Pの搬送方向と略平行となるメンテナンス位置(図5に示す一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段によりそれぞれ回転移動可能とされている。
【0055】
この場合、インク受け31、32は、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22がそれぞれメンテナンス位置にあるときに、各々のノズル面に対応するようにそれぞれ記録媒体Pの側方に配設されており、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22がそれぞれメンテナンス位置まで移動したときに、各々のノズル面から吐出されるインク滴を受け入れるように構成されている。
【0056】
この態様では、ラインヘッド2が第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の2本からなり、それらが密接状に配設されている場合でも、記録動作中に各々独立して回転移動することにより、記録動作を中断することなくメンテナンス処理することができる。
【0057】
図6は、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22のそれぞれ一端に回転軸が設けられている点では図5に示す態様と同一であるが、この回転軸2aは、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の端部において該ラインヘッド21、22の長さ方向に対して直交し且つ記録媒体Pの記録面PSに対して平行に延びており、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22を、図6(a)の矢印で示すようにそれぞれ記録媒体Pの記録面PSから離れる方向に回転可能に設けられている点で相違している。
【0058】
ここでは第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22とで共通の回転軸2aを設けているが、それぞれ独立した回転軸としてもよく、また、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22とでそれぞれ反対端部となるように回転軸を配置してもよい。
【0059】
第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22は、この回転軸2aを中心にして、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSに対向して記録を行う位置(図6(a)に示す実線位置)と、この位置から図示矢印方向に各々回転したメンテナンス位置(図6(a)に示す一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段によりそれぞれ回転移動可能とされている。
【0060】
ここで、第1のラインヘッド21又は第2のラインヘッド22がメンテナンス位置まで回転移動したら、そのノズル面に臨むようにインク受け31又は32を進出移動させることで、このインク受け31又は32に対してインク滴を吐出して各々独立してメンテナンス処理を行うことができる(図6(b)参照)。
【0061】
この態様では、図示した第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の2本のみならず、更にラインヘッド数が記録媒体Pの搬送方向に沿って増えた場合であっても、ラインヘッド同士で邪魔になることなく、各ラインヘッドで独立して回転移動させることにより、記録動作中に各々独立してメンテナンス処理を行うことができる。しかも、各ラインヘッドを密接状に配置させることもできるため、記録部の構成をコンパクトにすることができる。
【0062】
同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドをメンテナンス処理時に各々独立して移動させる場合、上述した回転移動の他に、平行移動させるものとすることもできる。例えば、図7は、第1のラインヘッド2及び第2のラインヘッド22を、それぞれ記録媒体Pの記録面PSに対して垂直なガイドレール(図示せず)に沿って移動可能に設けることにより、記録媒体Pの記録面PSから離れる方向に各々独立して平行に移動可能に設け、記録を行う位置(図7(a)に示す実線位置)と、この位置から図示矢印方向に平行移動したメンテナンス位置(図7(a)に示す一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段によりそれぞれ独立に移動可能とした態様を示している。
【0063】
この場合、第1及び第2の各ラインヘッド21、22にそれぞれ対応するインク受け31、32を、それら第1及び第2の各ラインヘッド21、22の側方、例えば図7に示すように各ラインヘッド21、22よりも記録媒体Pの搬送方向上流側及び下流側に待機させておき、図7(b)に示すように、例えば第1のラインヘッド21が記録媒体Pの記録面PSから離れる方向に平行移動した際に、そのノズル面に対向するように記録媒体Pの搬送方向に沿って移動させることで、メンテナンス処理を行うことができる。
【0064】
これらインク受け31、32は、図示しないが、記録媒体Pの搬送方向の左右いずれかの側方に待機させておき、メンテナンス処理時に各ラインヘッド21、22の長さ方向に沿って移動させるようにしてもよい。また、第1及び第2の各ラインヘッド21、22で共通の一つのインク受けを、各ラインヘッド21、22よりも記録媒体Pの搬送方向上流側又は下流側に待機させておき、いずれのラインヘッドのメンテナンス処理時にも、その一つのインク受けをノズル面まで移動させてメンテナンス処理を行うようにしてもよい。
【0065】
この態様では、同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドの各々が、メンテナンス処理時に記録媒体Pの記録面PSから離れる方向に平行移動するので、そのラインヘッド数が、図示する第1及び第2の2本に限らず、3本以上の場合に各ラインヘッドを密接状に配設しても、記録動作中に各々独立してメンテナンス処理を行うことが可能である。
【0066】
ラインヘッド2が第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22の2本からなる場合には、メンテナンス処理時に、図8に示すように、記録媒体Pの記録面PSに対して平行に移動させるものとすることもできる。即ち、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22にそれぞれ対応するインク受け31、32を、搬送ローラ対11及び12の間に位置する記録領域から外れた外側にそれぞれ配設しておくと共に、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22を、記録媒体Pの搬送方向と平行に架設されたガイドレール4にスライド移動可能に取り付け、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSに対向する位置(図8に示す実線位置)と、この位置から図示矢印方向に平行移動してノズル面が対応するインク受け31、32に臨む位置(図8に示す一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段により、記録媒体Pの搬送方向に沿って平行移動可能に構成することで、記録動作中に各々独立してメンテナンス処理可能とすることもできる。
【0067】
また、メンテナンス処理時にラインヘッドを平行移動させる場合、図9に示すように、ラインヘッドの長さ方向に沿って平行移動させるものとすることもできる。即ち、第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22にそれぞれ対応するインク受け31、32を、記録媒体Pの側方にそれぞれ配設しておくと共に、第1のラインヘッド21及び第2のラインヘッド22を、その長さ方向に沿って架設されたガイドレール(図示せず)にスライド移動可能に取り付け、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSに対向する位置(図9に示す実線位置)と、この位置から図示矢印方向に平行移動して記録媒体Pの側方に外れ、ノズル面が対応するインク受け31、32に臨む位置(図9に示す一点鎖線位置)との二つの位置の間を、図示しない駆動手段により平行移動可能に構成することで、記録動作中に各々独立してメンテナンス処理可能とすることもできる。
【0068】
この態様では、図8に示す態様と異なり、ラインヘッドの数が3本以上の場合であっても、ラインヘッド同士で邪魔になることなく、各ラインヘッドを独立して平行移動させてメンテナンス処理を行うことができる。
【0069】
以上の説明では、ラインヘッド2を第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の2本により構成したものを図示したが、記録媒体Pの搬送方向に沿って、同一色のインクを吐出するラインヘッド数を第3、第4・・・と増やしてもよいことは勿論である。
【0070】
また、例えばラインヘッド数が3本の場合、そのうちの1本を画像記録時に使用し、このメンテナンス処理時に残りの2本又は1本を使用したり、2本を画像記録時に使用して、そのうちの1本のメンテナンス処理時に残りの1本を使用する等、様々な使用形態とすることができる。
【0071】
ラインヘッド2を構成する同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドは、画像記録位置にある状態で、ノズル配列方向のノズル位置が同一であることが好ましい。図10は第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の場合を例示している。例えば、第1のラインヘッド21のノズルn1と、それと同一色のインクを吐出する第2のラインヘッド22のノズルn5とは、各ラインヘッド21、22が画像記録位置にある状態で、ノズル配列方向の位置が、記録媒体の搬送方向Aから見て同一となるように配置されて形成されている。また同様にノズルn2とノズルn6、ノズルn3とノズルn7、ノズルn4とノズルn8の位置も、各ラインヘッド21、22が画像記録位置にある状態でノズル配列方向の位置が、記録媒体の搬送方向Aから見て同一となるように配置されて形成されている。
【0072】
これにより同一色のインクを吐出する第1のラインヘッド21と第2のラインヘッド22の各ノズルにより記録されるライン画像は、記録媒体Pの搬送方向Aに沿う位置が同一となるため、メンテナンス処理によりラインヘッドを切り替える際にも、ラインヘッドの位置を動かす必要なく、そのまま代行記録が可能となる。
【0073】
また、以上の説明では、YMCKの各色のインクを吐出する4本のヘッドをひとまとめにして1本のラインヘッドを構成し、メンテナンス処理時にはこれらが一体となって移動するものについて示した。この態様では、各々独立したメンテナンス処理動作時に、YMCKの4本のヘッドを一体として移動させるため、移動機構が一体化されたラインヘッドの数、即ち図示例の場合は第1ラインヘッド21と第2のラインヘッド22の2つだけで済み、移動機構を簡略化することができる。しかし、インクの色によって、色材の種類が異なったり(例えばKのみ顔料でYMCは染料の場合等)、濃度が異なったり、溶媒、粘度等が異なったりすることにより目詰まりの発生し易さが異なり、メンテナンス処理の頻度も異なる場合があるため、YMCKの各色のインクを吐出するヘッド毎に独立してメンテナンス処理可能に構成することも可能である。
【0074】
即ち、図11は、YMCKの各ラインヘッド毎に同一色のインクを吐出するラインヘッドを複数設け、それらを各々独立してメンテナンス処理するために移動可能とした態様を示している。図11(a)は図示左端から順にYMCKYMCKの計8本のラインヘッドを各々独立して移動可能に並設した場合を、図11(b)は図示左端から順にYYMMCCKKの計8本のラインヘッドを各々独立して移動可能に並設した場合を示している。各ラインヘッド個々の移動構造は、以上説明した回転移動、平行移動を採用することができる。特に、ラインヘッド数が多数あることから、互いに邪魔になることなく独立してメンテナンス処理動作のために移動でき、且つ記録部をコンパクトにできるようにするため、図6、図7及び図9に示した態様を採用することが好ましい。
【0075】
このようにYMCKの各ラインヘッド毎に同一色のインクを吐出するラインヘッドを複数設け、それらを各々独立してメンテナンス処理するために移動可能とすることで、メンテナンス処理が必要な特定の色のインクを吐出するラインヘッド、例えばYインクを吐出するラインヘッドのみを独立してメンテナンス処理することができる。この場合も、同じYインクを吐出するもう一方のラインヘッドを使用して画像記録を継続可能であるため、画像記録動作が滞ることはない。
【0076】
しかも、メンテナンス処理が必要な特定の色のインクを吐出するラインヘッドのみのメンテナンス処理を行うことができるため、必ずしもメンテナンス処理の必要のない他のラインヘッドまで一緒に移動させてしまうような無駄がない。例えば、メンテナンス処理としてインク吸引処理を行うような場合には、メンテナンス処理が不要なラインヘッドのインクまで吸引して無駄にインクを消費するようなことはない。
【0077】
また、YMCKの各色のインクを吐出するヘッドのうち、特にメンテナンス処理が必要となる特定の色のインクを吐出する1、2又は3本のラインヘッドのみに着目し、それと同一色のインクを吐出するラインヘッドのみ複数設け、それらを各々独立してメンテナンス処理可能とするようにしてもよい。図12は、YMCKのうちのYの色のインクを吐出するラインヘッドのみ2本並設するようにした態様を示している。この場合でも、Yのインクを吐出するラインヘッドのうちの一方がメンテナンス処理を行う場合でも、同じYインクを吐出するもう一方のラインヘッドを使用して画像記録を継続可能であるため、画像記録動作が滞ることはない。
【0078】
以上の説明では、メンテナンス処理として予備吐出処理を行う場合について説明したが、その他のメンテナンス処理を行う場合には、インク受けを他のメンテナンス部材に置き換えればよい。
【0079】
なお、本発明に係るインクジェット記録装置において、記録媒体Pはロール状に巻回された元巻から連続状に搬送されるようにすることが好ましい。本発明に係るインクジェット記録装置によれば、同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドが記録動作中に各々独立にメンテナンス処理可能であるため、切れ目がない記録媒体でも、画像記録の途中で、画像記録動作を中断することなくメンテナンス処理を行うことができる。従って、連続的に長い絵柄を記録する場合であっても、記録動作の途中で停滞させることなく、メンテナンス処理を行うことができる。
【0080】
また、連続して記録される画像には、記録媒体の幅一杯、すなわちラインヘッドの全ノズルを使用して記録されるものに限らず、記録媒体の幅よりも小さく記録される場合があり、後者の画像を記録する場合は、画像記録領域から外れた領域に相当するラインヘッドのノズルからはインクが吐出されない期間が長くなって、再び全ノズルを使用して大きな画像を記録する際に、それまで使用されていなかったノズルからのインク吐出が不安定となるおそれがあるが、本発明に係るインクジェット記録装置によれば、同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドが記録動作中に各々独立にメンテナンス処理可能であるため、小さな画像から大きな画像を連続して記録する場合でも、その画像記録の途中で、小画像を記録していたラインヘッドをメンテナンス処理し、その代わりに同一色のインクを吐出する他のラインヘッドを使用して大きな画像の記録を行うようにすることで、画像記録動作を中断することなく、常に高品質の画像記録を行うことができるという利点が得られる。
【0081】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置において、ラインヘッドのメンテナンス処理時にも画像記録動作を中断する必要がなく、高速画像記録が可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の要部概略斜視図
【図2】ラインヘッドの構成の一例を示すノズル面側から見た平面図
【図3】インクジェット記録装置の一例を示す平面図
【図4】インクジェット記録装置の他の一例を示す平面図
【図5】ラインヘッドの回転移動の他の態様を示す記録媒体の記録面側から見た平面図
【図6】(a)はラインヘッドの回転移動の更に他の態様を示す要部概略斜視図、(b)は移動後のラインヘッドにインク受けを配置させた状態を示す記録媒体の搬送方向から見た側面図
【図7】(a)はラインヘッドを平行移動させる態様を示す側面図、(b)は平行移動後のラインヘッドにインク受けを配置させた状態を示す側面図
【図8】ラインヘッドの平行移動の他の態様を示す側面図
【図9】ラインヘッドの平行移動の更に他の態様を示す平面図
【図10】ラインヘッドのノズルの配列構成を示す平面図
【図11】(a)(b)はそれぞれラインヘッドの並設構成の他の態様を説明する図
【図12】ラインヘッドの並設構成の更に他の態様を説明する図
【符号の説明】
P:記録媒体
PS:記録面
2:ラインヘッド
21:第1のラインヘッド
22:第2のラインヘッド
2a、21a、22a:回転軸
31、32、33:インク受け
4:ガイドレール
Claims (15)
- 同一色のインクを吐出する複数のラインヘッドを記録媒体の搬送方向に沿って並設し、且つ前記複数のラインヘッドを、記録動作中に各々独立にメンテナンス処理可能に構成してなることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記複数のラインヘッドの各々は、それぞれ異なる色のインクを吐出する複数本のラインヘッドを一体にして構成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数のラインヘッドの各々は、それぞれ単一色のインクを吐出するラインヘッドであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数のラインヘッドのうちの一部のラインヘッドのメンテナンス処理により記録できない部分について、残りのラインヘッドで記録を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記メンテナンス処理は、前記ラインヘッドの移動により行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記移動は回転移動であることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
- 前記回転移動は、前記ラインヘッドの長さ方向に沿う軸を中心に回転させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。
- 前記回転移動は、前記ラインヘッドの端部において前記記録媒体の記録面に対して垂直な軸を中心に回転させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。
- 前記回転移動は、前記ラインヘッドの端部において該ラインヘッドの長さ方向に対して直交し且つ前記記録媒体の記録面に対して平行な軸を中心に回転させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。
- 前記移動は、前記ラインヘッドを前記記録媒体の記録面から離れる方向に平行移動させることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
- 前記移動は、前記ラインヘッドを前記記録媒体の記録面と平行に移動させることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数のラインヘッドを同時に使用して画像記録を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数のラインヘッドは、ノズル配列方向のノズル位置が同一であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記メンテナンス処理はインクの予備吐出であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録媒体はロール状に巻回された元巻から連続状に搬送されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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