JP2004256389A - アルミノシリケートガラス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このガラスは屈折率が1.55≦nd≦1.65、かつアッベ数が48≦νd≦57であり、また、優れた減衰およびイオン交換特性、優れた化学的安定性ならびに優れた結晶安定性を有するのが好ましい。このガラスは35〜<50重量%のSiO2、1〜10重量%のAl2O3、5〜15重量%のNa2O+K2O+Cs2O+Li2O、20〜30重量%のBaO、0〜15重量%のZnO、0〜10重量%のLa2O3、0〜10重量%のZrO2、0〜6重量%のP2O5、0〜8重量%のMgO+CaO+SrO、0〜3重量%のその他の酸化物、およびCs2O<1重量%、Li2O<1重量%、およびTiO2<1重量%を含む。
Description
また近年、加工的側面のために「短い(ショート)」ガラス、すなわちその粘性が極めて温度に依存するガラスの開発が望まれてきた。加工中のこの性質が加熱成形時間、すなわち型締め時間を短縮できるという利点をもたらす。それによって、一方では処理能力を向上でき、他方では金型素材が扱いやすく、総生産コストにもプラスの効果がある。また、冷却時間が短い(型締め時間が短い)ために、長いガラスと比較して結晶化傾向の高いガラスでさえも加工することができ、その後の二次加熱成形段階(ファイバーの線引き、イオン交換、その後のプレス、再成形、ファインクーリング(fine cooling)など)中で問題となると思われる初期の核生成が避けられる。
一般に、光伝送用のグラスファイバーは、高い屈折率を有するコアガラスと、コアガラスを取り囲み、コアガラスよりも屈折率の低いクラッドガラスとを含む。適当な条件下で、コアガラスと、その外周壁を完全に取り囲むクラッドガラスとを含むステップインデックス型光ファイバーを形成することができる。その内部でコアガラスが交差面全体にわたり一定の屈折率を与えるファイバー形態の光伝送ガラス体を、ステップインデックス型ファイバーと呼ぶ。この種のグラスファイバーは、ファイバーの一方の端からコア内に入射し、ファイバーのもう一方の端まで光を伝送するが、ここで光はコアガラスとクラッドガラスとの間の界面で完全に反射される(全反射)。
光ファイバー光ガイドは種々の工業および医療応用(一般の工業的過程、照明、交通、自動車、建築、内視鏡、歯科医学)に用いられている。これらの最も重要な役割は、Aという場所から別のBという場所へ、通常は短距離または中距離(数メートルから最大100メートル)を経由して可能な限り大量の光の流れを伝送することである。多くの場合ハロゲンランプまたは放電灯などの強力な光源から発する光はレンズまたは反射鏡などの光学的な補助手段によってファイバーバンドルへ結合される。
また下記特許文献4により開示されるガラスを比較考慮しなければならない。またここでは、少なくとも11重量%の必須三酸化ホウ素含量の他に、特定の光学特性に到達するために少なくとも4重量%のLa2O3および/またはGd2O3を添加しており、これがロスの増加をもたらす。また、必須量である少なくとも3重量%のLi2Oが有害であり、耐熱材料に対する浸食性を、さらに高め、存在するB2O3と共に相乗的に一層増す。
下記特許文献7から知られているガラスも同様に考慮しなければならない。このガラスは必須量である10モル%量のLi2Oと任意量の8モル%量までの三酸化ホウ素を含む。また、光学特性に到達するために少なくとも3モル%量のNb2O5が添加される。
少なくとも1重量%のタリウムを含む下記特許文献9より知られているガラスに関しても、同様の論証が当てはまる。
下記特許文献13より、光学フリントガラス、すなわち分散性が向上した、より屈折率の高いガラスが知られている。ここで、所望の光学特性を達するためには5〜60重量%のNb2O5を加えるのが必須である。これは特に光学品質上高価な原料であり、できることならば避けるべきである。
おそらく最もよく知られていて最も一般的なファイバー系は、鉛含量の多い(通例35重量%のPbO)コアガラスおよびクラッドガラスとしてアルカリホウケイ酸ガラスを含むものである。達しうる開口数の大きさ(コアガラス中のPbO含量>50%で0.7を越えるまで)は、低い製造コストおよび結晶化の問題なくファイバーへ線引きできる優れた能力と共に利点がある。しかしながら、これは減衰率が良くも悪くもない、または悪い(200〜300dB/km)などの欠点、ならびに主にPbの自己吸収(可視スペクトル域の青色端)、およびクロムやニッケルなどの青色着色性の高い元素の何らかの理由による混入により、幾分色あいが強く出ることとは対照的である。また、鉛は環境汚染物質としてますます評判が悪くなっており、従って特定の応用例に限ってファイバーへ適用されるか、または今後は全く適用されないかである。
先行技術では、例えば、下記特許文献14または下記特許文献15または下記特許文献16または下記特許文献17などに、このようなガラス系がいくつか記載されている。これらのガラスの一部は、高いホウ素含量の他に、所望する高い屈折率に到達するために大量のアルカリ土類酸化物および/または酸化ジルコニウムおよび酸化ゲルマニウムも含む。通常環境に優しい原料であることに併せて、極めて低い減衰率(これらのガラスの一部は約10dB/km)および色の淡さが利点である。これらのガラスの欠点は、一般にファイバーの開口数が小さいこと、および化学安定性が低いことである。また、必須の酸化ホウ素量(下記特許文献17、下記特許文献15、下記特許文献16)は耐熱材料の安定性に関して有害である。化学安定性が低いため、このファイバーは製造途中に、例えば二段成形での線引き型からの線引き後直接、起こり得る薬品による腐食および/または機械による損傷に対してプラスチックコーティングによる保護をしてオンラインで供給しなければならない。さらに、純度の高い、したがって非常に高価な原料を利用することによってのみ低い減衰率が達成される。従って、先に述べた2態様である高い製造コストおよび必須のプラスチックコーティングは、広範な応用分野のファイバーバンドルとしての適用を事実上不可能にする。対照的に、これらは様々な特化した応用分野でデータまたはエネルギー転送用の単一のファイバー(レーザーファイバー)として用いられる。
SiO2 35〜<50重量%
Al2O3 1〜10重量%
Na2O+K2O
+Cs2O+Li2O 5〜15重量%
Cs2O <1重量%
Li2O <1重量%
BaO 20〜30重量%
ZnO 0〜15重量%
La2O3 0〜10重量%
ZrO2 0〜10重量%
TiO2 <1重量%
P2O5 0〜6重量%
MgO+CaO+SrO 0〜8重量%
他の酸化物 0〜3重量%
を含み、意図しないコンタミナントを別として(不可避的不純物を除き)、AgO、CuO、Tl2O、PbO、またはB2O3のいずれをも含まない、また一般的な量としての好ましくは1重量%までの清澄剤を添加することにより溶融させうる、ガラスによって達成される。
SiO2 35〜<50重量%
Al2O3 1〜10重量%
Na2O+K2O 5〜15重量%
BaO 20〜30重量%
ZnO 1〜15重量%
La2O3 1〜10重量%
ZrO2 1〜10重量%
P2O5 0〜6重量%
MgO+CaO 0〜8重量%
他の酸化物 0〜2重量%
を含み、Na2O含量が少なくとも5重量%であるガラスがより好ましい。
一般的に1重量%未満の量、好ましくは最大量0.5重量%で加える清澄剤としては、例えばSb2O3、As2O3、SnO、NaCl、SO4-およびF-がありうる。
好ましいガラスとしては砒素を含まずに清澄するものであるが、特定の高品質ファイバー適用例には減衰率を低くするのに優れた砒素清澄を完全に避けることはできない。
この系は一定の自己吸収を有する2種の成分であるLa2O3およびZrO2によって完成される。これは、伝送ロスの増加を避けるため、双方とも10重量%(ここでは好ましくは7重量%)を超える量で用いられることはないことを意味する。さらに、ZrO2は潜在的核形成剤として、二次加熱成形に有害なガラスの結晶化傾向を高める。これに対して、最小量は各1重量%前後、好ましくは各2重量%前後である。双方の成分とも、分散に関して異なる効果を有する屈折率の高い成分であるが、その含量が限られているために小量ではあるが、主に耐薬品性の向上に役立つ。従って、これらの最小量の約1重量%を割らないことが好ましい。
またアルカリ土類金属酸化物MgO、CaOおよびSrOは8重量%までの最大総量で存在してよく、MgOおよびCaOのみを加えるのが好ましい。8重量%という最大値は越えてはならず、そうでなければガラスの結晶化傾向が増加し、イオン交換特性も分散障壁層の形成によりかなり損なわれるであろう。しかし、許容される少量の範囲内であれば、これらの成分はイオン交換特性の微調整の他にガラスを短くするのにも役立つ。
ここでコアガラスにマッチするクラッドガラスとしては、
SiO2 60〜72重量%
B2O3 <20重量%
Na2O <18重量%
K2O <15重量%
Li2O <2重量%
MgO <3重量%
BaO <3重量%
SrO <4重量%
CaO <6重量%
ZnO <3重量%
F- <1重量%
他の酸化物 0〜3重量%
を含むものを利用してもよく、このガラスは、1重量%まで、好ましくは0.5重量%までの清澄剤を加えることにより溶融されうる。
また、意図しないコンタミナントを別として、このクラッドガラスはCs2Oを含まない。
本発明の好ましい開発では、クラッドガラス中の成分であるNa2O、Li2O、およびK2Oの総和は3重量%よりも小さいことが好ましい。クラッドガラスのSiO2量は約66〜72重量%であることが好ましい。
酸化物の原料、好ましくは炭酸塩、硝酸塩および/またはフッ化物を秤量し、Sb2O3などの1以上の清澄剤を加えた後、完全に混合する。ガラスバルクを連続運転する溶融設備で約1350℃で溶融し、その後清澄(泡切り)して(1400℃)均質化した。このガラスを約1270℃の鋳造温度で成型し(つまり、例えば、線引きしてファイバーのコアロッドとしてもよい)、冷却し、さらに加工して所望の製品とする。
ロッド-チューブ法に従って、屈折率の高いコアガラスの円筒形のロッドおよび同ガラスを取り囲む屈折率の低いクラッドガラスのチューブを、円筒形の溶融炉で約104〜103dPasの粘度に相当する温度まで加熱する。ここで、コアガラスとクラッドガラスとは共に溶融されていわゆるドローイング・オニオン(drawing onion)となり、これから光ファイバーが線引きされる。ここでファイバーの直径は、ファイバー線引きの速度とその後のロッド-チューブ系の速度との比、およびコアロッドとチューブとの幾何学的配列によって決まる。それらが一緒に融けるファイバーの界面をできる限り望ましく、欠陥のないものにするため、この処理にはコアロッドの表面およびチューブの内部表面を非常に清浄に保つために、また屑や粒子が混入しないように相当な配慮が必要である。コアロッドの外径とチューブの内径は、欠陥のない均一なドローイング・オニオンを生じることができるように、互いに10分の数ミリメートルのずれしかないならば、有利であることが分かっている。
表4に示される実施例4および5のクラッドガラスは、それらの粘度の上昇ならびにそのかなりの長さのためにファイバーの線引き処理中にある種の問題を引き起こすが、これは、本発明のガラスの粘度-温度プロファイルが、最近主流の精密加熱成型処理との兼ね合いで「短い」タイプを得るのに適合しているからである。このことから、SiO2含量(60〜72重量%、好ましくは66〜72重量%)に関して本発明の特許請求の範囲のクラッドガラスの組成範囲が導かれる。
減衰率を、いわゆるカットバック法を用いて測定した(DIN 58 141-1)。ここでは、多成分系ガラスについて452nmで<1000db/km、554nmで<500db/km、そして642nmで<750db/kmという、非常に良好な結果が得られた。
Claims (19)
- SiO2 35〜<50重量%
Al2O3 1〜10重量%
Na2O+K2O
+Cs2O+Li2O 5〜15重量%
Cs2O <1重量%
Li2O <1重量%
BaO 20〜30重量%
ZnO 0〜15重量%
La2O3 0〜10重量%
ZrO2 0〜10重量%
TiO2 <1重量%
P2O5 0〜6重量%
MgO+CaO+SrO 0〜8重量%
他の酸化物 0〜3重量%
を含み、
意図しないコンタミナントを別として、AgO、CuO、Tl2O、PbO、またはB2O3のいずれをも含まず、一般的な量としての好ましくは1重量%までの清澄剤を添加することにより溶融させうる、アルミノシリケートガラス。 - 意図しないコンタミナントを別として、TiO2、Li2O、またはCs2Oのいずれをも含まない、請求項1に記載のアルミノシリケートガラス。
- SiO2 35〜<50重量%
Al2O3 1〜10重量%
Na2O+K2O 5〜15重量%
BaO 20〜30重量%
ZnO 1〜15重量%
La2O3 1〜10重量%
ZrO2 1〜10重量%
P2O5 0〜6重量%
MgO+CaO 0〜8重量%
他の酸化物 0〜2重量%
を含み、
Na2Oの量が少なくとも5重量%である、請求項1または2に記載のアルミノシリケートガラス。 - SiO2 35〜<50重量%
Al2O3 1〜10重量%
Na2O+K2O 5〜15重量%
BaO 20〜30重量%
ZnO 1〜15重量%
La2O3 1〜10重量%
ZrO2 1〜10重量%
P2O5 0〜6重量%
MgO+CaO 0〜8重量%
を含む、請求項3に記載のアルミノシリケートガラス。 - 上記清澄剤が、Sb2O3、As2O3、SnO、NaCl、SO4-およびF-からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載のアルミノシリケートガラス。
- SiO2 35〜48重量%
Al2O3 1〜10重量%
Na2O+K2O 5〜15重量%
BaO 20〜<30重量%
ZnO 1〜12重量%
La2O3 1〜10重量%
ZrO2 1〜10重量%
P2O5 0〜6重量%
MgO+CaO 0〜8重量%
を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載のアルミノシリケートガラス。 - SiO2 35〜45重量%
Al2O3 2〜7重量%
Na2O+K2O 6〜12重量%
BaO 20〜<30重量%
ZnO 5〜10重量%
La2O3 1〜7重量%
ZrO2 1〜10重量%
P2O5 0〜6重量%
MgO+CaO 0〜8重量%
を含む、請求項1ないし6のいずれかに記載のアルミノシリケートガラス。 - SiO2 37〜45重量%
Al2O3 3〜7重量%
Na2O+K2O 8〜12重量%
BaO 22〜<30重量%
ZnO 5〜10重量%
La2O3 2〜7重量%
ZrO2 2〜7重量%
P2O5 0〜6重量%
MgO+CaO 0〜8重量%
を含む、請求項1ないし7のいずれかに記載のアルミノシリケートガラス。 - SiO2 39〜45重量%
Al2O3 3〜7重量%
Na2O+K2O 8〜12重量%
BaO 24〜<30重量%
ZnO 5〜10重量%
La2O3 2〜7重量%
ZrO2 2〜7重量%
P2O5 0〜6重量%
MgO+CaO 0〜8重量%
を含む、請求項1ないし8のいずれかに記載のアルミノシリケートガラス。 - 意図しないコンタミナントを別として、As2O3を含まない、請求項1ないし9のいずれかに記載のアルミノシリケートガラス。
- 屈折率ndが1.55≦nd≦1.65であり、かつアッベ数が48≦νd≦57である、請求項1ないし10のいずれかに記載のアルミノシリケートガラス。
- 光学応用分野、特に画像化、投影、電気通信、光通信技術、レーザー技術の分野のうちの少なくとも1つのための、請求項1ないし11のいずれかに記載のアルミノシリケートガラスの使用。
- 多成分系ガラスを含み、請求項1ないし12のいずれかに記載のコアガラスを有し、さらにこのコアガラスの外壁を完全に取り囲むクラッドガラスを含み、開口数が0.30〜0.75である、ステップインデックス型光ファイバー。
- 上記クラッドガラスが
SiO2 60〜72重量%
B2O3 <20重量%
Na2O <18重量%
K2O <15重量%
Li2O <2重量%
MgO <3重量%
BaO <3重量%
SrO <4重量%
CaO <6重量%
ZnO <3重量%
F- <1重量%
他の酸化物 0〜3重量%
を含み、
上記クラッドガラスを一般的な量としての好ましくは約1重量%までの清澄剤を添加することにより溶融させうる、請求項13に記載のステップインデックス型光ファイバー。 - 上記クラッドガラスが
SiO2 60〜72重量%
B2O3 <20重量%
Na2O <18重量%
K2O <15重量%
Li2O <2重量%
MgO <3重量%
BaO <3重量%
SrO <4重量%
CaO <6重量%
ZnO <3重量%
F- <1重量%
を含む、請求項14に記載のステップインデックス型光ファイバー。 - 上記クラッドガラスが意図しないコンタミナントを別として、Cs2Oを含まない、請求項14または15に記載のステップインデックス型光ファイバー。
- 上記クラッドガラス中のNa2O、Li2OおよびK2Oの成分の総和が3重量%より少ない、請求項13ないし16のいずれかに記載のステップインデックス型光ファイバー。
- 上記クラッドガラス中のSiO2含量が66〜72重量%である、請求項13ないし17のいずれかに記載のステップインデックス型光ファイバー。
- 光通信、ファイバーバンドル中で、車両用データ通信用、車両照明用、交通信号灯キャラクタジェネレーター用、鉄道信号用、英数字表示として、冷光源中の照明用、医療用および工業用内視鏡、特に外科用顕微鏡の照明用の用途のうち少なくとも1つの用途における、請求項13ないし18のいずれかに記載のステップインデックス型光ファイバーの使用。
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