JP2002087841A - 光学ガラス、精密プレス成形用素材および光学部品 - Google Patents

光学ガラス、精密プレス成形用素材および光学部品

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JP2002087841A JP2001198545A JP2001198545A JP2002087841A JP 2002087841 A JP2002087841 A JP 2002087841A JP 2001198545 A JP2001198545 A JP 2001198545A JP 2001198545 A JP2001198545 A JP 2001198545A JP 2002087841 A JP2002087841 A JP 2002087841A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈伏点および液相温度が低い上、泡の残留、
脈理、着色のない高品質の光学ガラス、これを用いた精
密プレス成形用素材および光学部品を提供する。 【解決手段】 実質的にリン酸塩を含まない光学ガラス
であって、(1)SiO 2 20〜45重量%、Li2
0.5〜6重量%、Na2O 3〜18重量%、Ti
2 18重量%以上25重量%未満、Nb25 1〜
42重量%、CaO 0〜4重量%およびB23 0〜
4.5重量%を含み、かつ屈折率[nd]が1.63〜
1.75、および(2)SiO2 24〜32重量%、
Li2O 0.5〜6重量%、Na2O 3〜18重量
%、TiO2 12〜30重量%、Nb 25 1〜42
重量%、CaO 0〜4重量%およびB23 0〜4.
5重量%を含み、かつ屈折率[nd]が1.75〜1.
85、である光学ガラス、これらの光学ガラスからなる
精密プレス成形用素材およびこれらからなる光学部品で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ガラス、精密
プレス成形用素材および光学部品に関する。さらに詳し
くは、本発明は、屈伏点および液相温度が低い上、泡の
残留、脈理、着色のない高品質の高屈折率、高分散特性
を有する光学ガラス、この光学ガラスからなる精密プレ
ス成形用素材、および上記光学ガラスまたは精密プレス
成形用素材からなる高品質の光学部品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】屈折率[nd]が1.6〜1.8付近
で、アッベ数[νd]が25〜40付近の光学恒数を有
する光学ガラスとしては、特開昭52−25812号公
報(以下、公報1という)に開示されているSiO2
Nb25−TiO2−R2O系のガラス、特開昭62−8
7432号公報(以下、公報2という)に開示されてい
るSiO2−B23−Li2O−TiO2系のガラス、特
開平6−115969号公報(以下、公報3という)に
開示されているSiO2−TiO2−Na2O−K2O−L
2O系のガラスが知られている。このうち、公報2の
ガラスは精密プレス用ガラスであり、屈伏点が570℃
以下に抑えられている。また、公報3のガラスもガラス
転移温度が概ね460〜550℃と比較的低融点のガラ
スになっている。
【0003】ところで、精密プレス成形用ガラスには、
上述したように屈伏点が低いことだけでなく、プレス成
形時あるいは溶融ガラスからプリフォームと呼ばれるプ
レス成形用素材を成形する際の高耐失透性が求められ
る。また脈理や泡の含有、着色なども光学ガラスとして
の品質を低下させることになるので、脈理や泡を含ま
ず、着色しないガラスにする必要がある。しかしなが
ら、上記公報1〜3に開示されているガラスは、いずれ
も上記性質すべてを同時に満足させることができないと
いう欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、屈伏点および液相温度が低い上、泡の残
留、脈理、着色のない高品質の高屈折率、高分散特性を
有する光学ガラス、この光学ガラスからなる精密プレス
成形用素材、および上記光学ガラス又は精密プレス成形
用素材からなる高品質の光学部品を提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、実質的にリン酸
塩を含まず、かつ特定のガラス組成を有する光学ガラス
により、その目的を達成し得ることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1)実質的にリン
酸塩を含まない光学ガラスであって、SiO2 20〜
45重量%、Li2O 0.5〜6重量%、Na2O 3
〜18重量%、TiO2 18重量%以上25重量%未
満、Nb25 1〜42重量%、CaO 0〜4重量%
およびB23 0〜4.5重量%を含み、かつ屈折率
[nd]が1.63〜1.75であることを特徴とする
光学ガラス(以下、光学ガラスAと称する)、(2)実
質的にリン酸塩を含まない光学ガラスであって、SiO
2 24〜32重量%、Li2O 0.5〜6重量%、N
2O 3〜18重量%、TiO2 12〜30重量%、
Nb25 1〜42重量%、CaO 0〜4重量%およ
びB23 0〜4.5重量%を含み、かつ屈折率[n
d]が1.75〜1.85であることを特徴とする光学
ガラス(以下、光学ガラスBと称する)、
【0007】(3)アッベ数[νd]が23〜35であ
る上記(1)または(2)に記載の光学ガラス、(4)
屈伏点[Ts]が590℃以下、液相温度[LT]が1
000℃以下である上記(1)〜(3)のいずれか1項
に記載の光学ガラス、(5)上記(1)〜(4)のいず
れか1項に記載の光学ガラスからなる精密プレス成形用
素材、(6)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載
の光学ガラスからなる光学部品、および(7)上記
(5)の精密プレス成形用素材を精密プレス成形して得
られたことを特徴とする光学部品、を提供するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の光学ガラスには、光学ガ
ラスAおよび光学ガラスBの2つの態様があり、これら
の光学ガラスAおよびBは、必須成分としてSiO2
Li2O、Na 2O、TiO2、Nb25を、任意成分と
してCaOとB23を含み、かつ実質的にリン酸塩を含
まない光学ガラスであり、屈伏点[Ts]が通常590
℃以下の精密プレス成形に適した光学ガラスであるとと
もに、液相温度[LT]が通常1000℃以下と耐失透
性に優れた光学ガラスである。また、光学ガラスAは、
屈折率[nd]が1.63〜1.75であって、アッベ
数[νd]が、一般に23〜35の範囲の光学恒数を有
する高屈折率、高分散特性を示す光学ガラスであり、一
方、光学ガラスBは、屈折率[nd]が1.75〜1.
85であって、アッベ数[νd]が、一般に23〜35
の範囲の光学恒数を有する高屈折率、高分散特性を示す
光学ガラスである。
【0009】リン酸塩は揮発性を有し、ガラス溶解中に
揮発することによって脈理を発生させ、光学ガラスとし
ての品質を低下させる原因となる。またリン酸塩を含有
させると、本発明のガラスにおいて必須成分となってい
るTiO2、Nb25を還元し、ガラスが着色するとい
う好ましくない事態を招来する。したがって、本発明で
はリン酸塩を排除することによって、脈理や着色の問題
を解決している。ここで実質的にリン酸塩を含まないと
は、不純物レベルの含有を別にしてガラスがリン酸塩を
含まないことを意味する。
【0010】次に、まず、光学ガラスAの組成について
説明する。光学ガラスAにおいては、上記必須成分の含
有量は、SiO2が20〜45重量%、Li2Oが0.5
〜6重量%、Na2Oが3〜18重量%、TiO2が18
重量%以上25重量%未満、Nb25が1〜42重量%
であり、任意成分の含有量は、CaOが0〜4重量%、
23が0〜4.5重量%である。
【0011】以下、上記含有量を限定した理由について
説明する。SiO2は、本発明のガラス形成成分として
必須であり、20重量%未満であると液相温度[LT]
が1000℃よりも高くなり、耐失透性が低下してしま
うので、20重量%以上含有させる必要がある。また4
5重量%を超えると溶融成形時の粘性が大きくなり、ガ
ラスの成形が難しくなるので、45重量%以下とする必
要がある。特に屈折率[nd]1.63以上の範囲の光
学ガラスを得る場合、SiO2の含有量が45重量%を
超えると溶融成形時の粘性が著しく高くなる。
【0012】屈折率[nd]が1.63〜1.75の光
学ガラスを得る上からは、SiO2の量を30〜43重
量%とすることが好ましく、35〜42重量%とするこ
とがより好ましい。SiO2の量を30重量%以上とす
ることにより、液相温度[LT]を980℃以下とする
ことができ、43重量%以下とすることにより屈伏点
[Ts]を580℃以下とすることができることに加え
て、溶融状態のガラスを成形する際、ガラスの粘性が過
大となるのを防ぐこともできる。また、SiO2の量を
35重量%以上とすることにより、液相温度[LT]を
960℃以下とすることができ、42重量%以下とする
ことにより屈伏点[Ts]を570℃以下とすることが
できる。
【0013】Li2Oは、プレス成形温度を低下させ、
プレス型の劣化を防ぐため、本発明のガラスにおいて必
須成分であり、0.5重量%以上含有させることによ
り、屈伏点[Ts]を590℃以下にすることができ
る。また6重量%以下とすることにより液相温度[L
T]を1000℃以下にすることができる。
【0014】屈折率[nd]が1.63〜1.75の光
学ガラスを得る上からは、Li2Oの量を0.5〜3重
量%とすることが好ましい。上限を3重量%とすること
により液相温度[LT]を980℃以下とすることがで
きる。
【0015】Na2Oも、プレス成形温度を低下させ、
プレス型の劣化を防ぐため、本発明のガラスにおける必
須成分であり、屈伏点[Ts]を590℃以下に抑える
ために、3重量%以上含有させる必要があり、液相温度
[LT]を1000℃以下に抑えるために18重量%以
下とする必要がある。
【0016】屈折率[nd]が1.63〜1.75の光
学ガラスを得るうえからは、Na2Oの含有量を10〜
18重量%とすることが好ましい。Na2Oを10重量
%以上含有させることにより屈伏点[Ts]を580℃
以下とすることができ、18重量%以下とすることによ
り液相温度[LT]を980℃以下にすることができ
る。さらに、屈伏点、液相温度を低くする上から、Na
2Oの含有量を11〜16重量%とすることがより好ま
しい。Na2Oの含有量を11重量%以上とすることで
屈伏点を570℃以下にし、16重量%以下とすること
で液相温度[LT]を960℃以下にすることができ
る。
【0017】TiO2は、高屈折、高分散特性を得るた
めに、本発明のガラスにおける必須成分であり、18重
量%以上25重量%未満とすることで屈折率[nd]を
1.63〜1.75、アッベ数[νd]を23〜35に
することができる。TiO2の含有量が18重量%以上
にすることにより屈折率[nd]を1.63以上とする
ことができ、25重量%未満とすることにより屈折率
[nd]を1.75以下、液相温度[LT]を980℃
以下にすることができるとともに、着色を抑えることが
できる。屈折率、液相温度、着色度などを考慮すると、
TiO2の含有量は18〜24.5重量%とすることが
好ましく、20〜24.5重量%とすることがさらに好
ましい。
【0018】Nb25は、高屈折、高分散特性のガラス
を得るための必須成分であり、1〜42重量%とするこ
とで、屈折率[nd]が1.63〜1.75、アッベ数
[νd]が23〜35の高屈折、高分散特性を得ること
ができる。Nb25の含有量が1重量%未満では、屈折
率[nd]が1.63より小さくなり、42重量%を超
えると液相温度[LT]が1000℃を超える。
【0019】屈折率[nd]が1.63〜1.75の光
学ガラスを得るうえから、Nb25の含有量を2〜10
重量%とすることが好ましい。Nb25の含有量を2重
量%以上にすることで、液相温度[LT]を980℃以
下にすることができ、10重量%以下にすることで、屈
折率[nd]を1.75以下にすることができるととも
に、液相温度[LT]を980℃以下にすることができ
る。より好ましい範囲は2〜7重量%である。Nb25
の含有量を7重量%以下にすることで、液相温度[L
T]を960℃以下にすることができる。
【0020】次に任意成分ではあるが、本発明の目的で
ある高品質の光学ガラスを得る上で、含有量を制限する
必要がある成分について説明する。B23は、SiO2
系ガラスに少量添加することにより液相温度を低下させ
ることが可能な成分ではあるが、4.5重量%を超える
と、加熱中のガラス、特に溶解中のガラスからの揮発が
著しくなり、脈理が発生して品質低下を招いたり、光学
恒数の変動を招いてしまう。したがって、B23の含有
量は0〜4.5重量%とする必要がある。
【0021】屈折率[nd]が1.63〜1.75の光
学ガラスにおいて、脈理の発生や光学恒数の変動を抑え
る上で、B23の含有量を0〜4重量%にすることが好
ましく、0〜2重量%にすることがさらに好ましい。
【0022】CaOは、適量添加により光学恒数の調整
と液相温度の低下を可能にする任意成分である。特にL
2Oを含有させるとガラスの液相温度が上昇するが、
CaOはこの液相温度上昇を抑える働きを有している。
しかし、4重量%を超えて添加すると液相温度[LT]
が1000℃よりも高くなってしまい、耐失透性が低下
してしまう。したがって、CaOの含有量を0〜4重量
%とする必要があり、0〜2重量%とすることが好まし
い。2重量%以下とすることで液相温度[LT]を98
0℃以下にすることができる。さらにCaOの含有量
は、1重量%以下とすることがより好ましい。また、ガ
ラスをプレス成形する際、成形型にガラスから発生する
融着物が多くなって、成形品の外観不良が生じるのを抑
える上から、CaOの含有量を0.5重量%未満にする
ことが好ましく、CaOを含有しないことがより好まし
い。
【0023】なお、Li2Oを必須成分とする本発明の
光学ガラスでは、重量%表示で、CaOの含有量からL
2Oの含有量を引いた値が1重量%以下(形式的には
負の値も取り得る)にすることが屈伏点[Ts]590
℃以下および液相温度[LT]1000℃以下の光学ガ
ラスを得る上で好ましい。
【0024】ZrO2は、任意成分として適量添加する
ことにより高屈折、高分散特性を維持しながら液相温度
[LT]を下げる働きをする。液相温度[LT]を10
00℃以下に抑えるために、その添加量は8重量%以下
とすことが望ましい。
【0025】屈折率[nd]が1.63〜1.75で、
かつ液相温度[LT]が980℃以下の光学ガラスを得
る上から、ZrO2の量を0〜3重量%にすることが好
ましく、0〜2重量%とすることがより好ましい。
【0026】Al23も任意成分であり、適量添加する
ことにより光学恒数の調整と化学的耐久性の向上を図る
ことができる。含有量を0〜6重量%とすることによ
り、液相温度[LT]を1000℃以下に抑えることが
できる。
【0027】屈折率[nd]が1.63〜1.75で、
かつ液相温度[LT]が980℃以下のガラスを得る上
から、Al23の量を0〜4重量%とすることが好まし
い。
【0028】MgOも任意成分として適量添加すること
により光学恒数の調整と化学的耐久性の向上を図ること
ができる。ただし、4重量%を超えると液相温度[L
T]が1000℃を超えるので、0〜4重量%とするこ
とが好ましい。
【0029】屈折率[nd]が1.63〜1.75で、
かつ液相温度[LT]が980℃以下のガラスを得る上
から、MgOの量を0〜3重量%とすることが好まし
い。
【0030】ZnOは任意成分ではあるが、屈伏点を低
下させ、化学的耐久性を向上させる上から適量添加する
ことが好ましい。ただし、15重量%を超えると液相温
度[LT]が1000℃を超えるので、0〜15重量%
とすることが好ましい。
【0031】屈折率[nd]が1.63〜1.75で、
かつ液相温度が980℃以下の光学ガラスを得る上から
は、ZnOの量を0〜10重量%とすることが好まし
く、1〜8重量%とすることがより好ましい。ZnOの
含有量をより好ましい範囲とすることで、屈伏点を56
0℃以下、液相温度[LT]を960℃以下にすること
ができる。
【0032】K2Oは任意成分ではあるが、屈伏点を低
下させる上で適量添加することが望ましい。ただし、K
2Oの量が15重量%を超えると 屈折率[nd]が1.
63よりも小さくなる。
【0033】屈折率[nd]が1.63〜1.75で、
かつ液相温度[LT]が980℃以下のガラスを得る上
から、K2Oの量を0〜10重量%とすることが好まし
く、2〜8重量%とすることがより好ましい。K2Oの
含有量を、より好ましい範囲にすることによって、屈伏
点を570℃以下、液相温度[LT]を970℃以下に
することができる。
【0034】BaOは、適量添加により光学恒数の調整
と液相温度の低下が可能な成分である。BaOの量を0
〜15重量%未満とすることにより、液相温度[LT]
を1000℃以下にすることができる。屈折率[nd]
が1.63〜1.75で、かつ液相温度[LT]が98
0℃以下のガラスを得る上から、BaOの量を0〜9重
量%とすることが好ましく、0〜7重量%とすることが
より好ましい。
【0035】GeO2は、適量添加により光学恒数の調
整と液相温度の低下が可能になる任意成分であり、0〜
3重量%含有させることが好ましい。3重量%を超える
と液相温度[LT]が1000℃を超えてしまうおそれ
がある。屈折率[nd]が1.63〜1.75で、かつ
液相温度[LT]が980℃以下のガラスを得る上から
は、GeO2の量を0〜1重量%とすることが好まし
い。
【0036】Cs2Oは、適量添加により光学恒数の調
整と屈伏点[Ts]の低下を可能にする任意成分であ
り、0〜3重量%含有させることが好ましい。3重量%
を超えると溶融中の揮発が著しくなり、光学恒数の変
動、脈理の発生が生じるおそれがある。屈折率[nd]
が1.63〜1.75のガラスを得る上で、揮発をより
抑えるためには、Cs2Oの量を0〜1重量%にするこ
とが好ましい。
【0037】SrOは適量添加により光学恒数の調整と
液相温度の低下を可能にする任意成分であり、液相温度
[LT]を1000℃以下のガラスを得る上で、その量
を0〜4重量%にすることが好ましい。さらに液相温度
[LT]を980℃以下にするという点より、SrOの
量を0〜2重量%にすることがより好ましい。
【0038】TeO2、Bi23はともに適量添加によ
り光学恒数の調整を可能とする任意成分である。ただ
し、両成分とも2重量%を超えると溶融中の揮発が著し
くなり、また還元雰囲気でプレスする場合、Te、Bi
に還元されて目的とする面精度を有する精密プレス成形
品が得られないおそれがある。したがって、TeO2
Bi23の含有量はともに、0〜2重量%が好ましく、
0〜1重量%がより好ましい。
【0039】La23、Y23、Gd23、Yb23
Ta25は、いずれも適量添加により光学恒数の調整を
可能にする任意成分である。La23、Y23、Gd2
3、Yb23の各成分とも5重量%を超えると液相温
度[LT]が1000℃を超える場合がある。Ta25
については5重量%以上になると液相温度[LT]が1
000℃を超えるおそれがある。したがって、La
23、Y23、Gd23、Yb23の各成分の量は、0
〜5重量%とすることが好ましい。また、Ta25の量
については、5重量%未満とすることが好ましい。さら
に液相温度[LT]を980℃以下とする上で、La2
3、Y23、Gd23、Yb23、Ta25の各成分
の量を0〜2重量%とすることが好ましく、0〜1重量
%とすることがより好ましい。0〜1重量%とすること
によって液相温度[LT]を970℃以下にすることが
できる。
【0040】WO3は適量添加により光学恒数の調整を
可能にする任意成分であり、液相温度[LT]を100
0℃以下にする上で0〜5重量%含有させることが好ま
しく、液相温度[LT]を980℃以下にする上で、0
〜3重量%とすることがより好ましい。
【0041】As23、Sb23は任意成分であり、適
量添加で脱泡効果を示すが、いずれも2重量%を超えて
含有させると、溶融中の揮発による光学恒数の変動や脈
理の発生、プレス時の泡発生による外観不良が生じるお
それがある。したがって、いずれの成分とも、含有量を
1重量%以下とすることが好ましく、0.1重量%以下
とすることがより好ましい。As23、Sb23のいず
れか一方を含まないことがより好ましく、両成分とも含
まないことがさらに好ましい。
【0042】本発明の光学ガラスAは、上述したように
リン酸塩を含まないことを必須要件としているが、有害
成分であり、環境上問題がある鉛も含まないことが好ま
しい。鉛は有害であるだけでなく、還元雰囲気下で精密
プレスを行う場合、PbOが還元されPb金属が表面に
析出し、高精度の成形品が得られないという好ましくな
い事態を招来する。またプレス成形型とガラスの融着の
原因にもなる。さらに、析出した鉛金属はガラス成形品
の表面に曇りを生じさせ、光学製品としての使用を困難
にしてしまう。
【0043】本発明の光学ガラスAは、以上のような組
成範囲を有し、かつ1.63〜1.75の範囲の屈折率
[nd]を有するもので、好ましい組成範囲を以下に示
す。(A−1)SiO2 30〜43重量%、Li2
0.5〜3重量%、Na2O 10〜18重量%、Ti
2 18重量%以上25重量%未満、Nb252〜1
0重量%、B23 0〜4重量%、CaO 0〜2重量
%、ZrO2 0〜3重量%、Al23 0〜4重量
%、MgO 0〜3重量%、ZnO 0〜10重量%、
2O 0〜10重量%、BaO 0〜9重量%、Ge
2 0〜1重量%およびCs2O 0〜1重量%を含む
光学ガラス。この中でより好ましくは、TiO2 18
〜24.5重量%の光学ガラス。
【0044】上記組成により屈伏点[Ts]が580℃
以下、液相温度[LT]が980℃以下、λ80が40
0nm以下の特性を得ることができる。なお、λ80
は、両面光学研磨された厚さ10mmのガラスにおい
て、透過率80%となる波長を示す。なお、この透過率
は、光学研磨された両面における反射損失を含む外部透
過率である。
【0045】上記(A−1)のガラスにおいて、SiO
2 35〜42重量%、Li2O 0.5〜3重量%、N
2O 11〜16重量%、TiO2 20〜24.5重
量%、Nb25 2〜7重量%、B23 0〜2重量
%、CaO 0〜1重量%、ZrO2 0〜2重量%、
Al23 0〜4重量%、MgO 0〜3重量%、Zn
O 1〜8重量%、K2O 2〜8重量%およびBaO
0〜7重量%を含む光学ガラスが好ましい。
【0046】(A−2)SiO2 30重量%を超え4
3重量%以下、Li2O 0.5〜3重量%、Na2
10〜18重量%、TiO2 18重量%以上25重量
%未満、Nb25 2〜10重量%、ZrO2 0〜3
重量%、Al23 0〜4重量%、MgO 0〜3重量
%、ZnO 0〜10重量%、K2O 0〜10重量
%、 B23 0〜4重量%、BaO 0〜9重量%、
GeO2 0〜1重量%、Cs2O 0〜1 重量%、C
aO 0〜2重量%、SrO 0〜2重量%、TeO2
0〜1重量%、La23 0〜2重量%、Y23
〜2重量%、Gd23 0〜2重量%、Yb23 0〜
2重量%、Ta25 0〜2重量%、WO30〜3重量
%、Bi23 0〜1重量%、As23 0〜1重量%
およびSb 23 0〜1重量%を含み、上記の各成分の
合計含有量が99.5重量%以上であり、P25および
PbOを含まない光学ガラス、より好ましくは、TiO
218〜24.5重量%、さらに好ましくは、TiO2
20〜24.5重量%の光学ガラス、特に、上記各成分
の合計含有量が100重量%である光学ガラス。
【0047】(A−3)SiO2 30重量%を超え4
3重量%以下、Li2O 0.5〜3重量%、Na2
10〜18重量%、TiO2 18重量%以上25重量
%未満、Nb25 2〜10重量%、ZrO2 0〜3
重量%、Al23 0〜4重量%、MgO 0〜3重量
%、ZnO 0〜10重量%、K2O 0〜10重量
%、B23 0〜4重量%、BaO 0〜9重量%、A
23 0〜1重量%およびSb23 0〜1重量%を
含み、上記の各成分の合計含有量が99.5重量%以上
であり、P25およびPbOを含まない光学ガラス、よ
り好ましくは、TiO2 18〜24.5重量%、さら
に好ましくは、TiO2 20〜24.5重量%の光学
ガラス、特に、上記各成分の合計含有量が100重量%
の光学ガラス。
【0048】(A−4)SiO2 35〜42重量%、
Li2O 0.5〜3重量%、Na2O 11〜16重量
%、TiO2 20重量%以上25重量%未満、Nb2
52〜7重量%、ZrO2 0〜2重量%、Al23
〜4重量%、MgO 0〜3重量%、ZnO 1〜8重
量%、K2O 2〜8重量%、B23 0〜2重量%、
BaO 0〜7重量%、CaO 0〜1重量%、SrO
0〜2重量%、La23 0〜1重量%、Y23
〜1重量%、Gd23 0〜1重量%、Yb23 0〜
1重量%、Ta25 0〜1重量%、WO3 0〜3重
量%、Bi23 0〜1重量%、As23 0〜1重量
%およびSb23 0〜1重量%を含み、上記の各成分
の合計含有量が99.5重量%以上であり、P25およ
びPbOを含まない光学ガラス、より好ましくは、Ti
2 20〜24.5重量%の光学ガラス、特に、上記
各成分の合計含有量が100重量%の光学ガラス。
【0049】(A−5)SiO2 35〜42重量%、
Li2O 0.5〜3重量%、Na2O 11〜16重量
%、TiO2 20重量%以上25重量%未満、Nb2
52〜7重量%、ZrO2 0〜2重量%、Al23
〜4重量%、MgO 0〜3重量%、ZnO 1〜8重
量%、K2O 2〜8重量%、B23 0〜2重量%、
BaO 0〜7重量%、As23 0〜1重量%および
Sb23 0〜1重量%を含み、上記の各成分の合計含
有量が99.5重量%以上であり、P25およびPbO
を含まない光学ガラス、より好ましくは、TiO2
0〜24.5重量%の光学ガラス、特に、上記各成分の
合計含有量が100重量%の光学ガラス。
【0050】(A−6)SiO2 35〜42重量%、
Li2O 0.5〜3重量%、Na2O 11〜16重量
%、TiO2 20重量%以上25重量%未満、Nb2
52〜7重量%、ZrO2 0〜2重量%、Al23
〜4重量%、MgO 0〜3重量%、ZnO 1〜8重
量%、K2O 2〜8重量%、B23 0〜2重量%お
よびBaO 0〜7重量%を含み、上記の各成分の合計
含有量が99.5重量%以上であり、As23、Sb2
3、PbO、P25を含まない光学ガラス、より好ま
しくは、TiO2 20〜24.5重量%の光学ガラ
ス、特に、上記各成分の合計含有量が100重量%の光
学ガラス。
【0051】前記(A−1)〜(A−6)のいずれの光
学ガラスにおいても、成形品への融着物発生によるプレ
ス成形品の外観不良防止のため、CaOの含有量を0.
5重量%未満にすることが好ましく、CaOを含まない
ことがより好ましい。
【0052】次に、光学ガラスBの組成について説明す
る。光学ガラスBにおいては、前記必須成分の含有量
は、SiO2が24〜31重量%、Li2Oが0.5〜6
重量%、Na2Oが3〜18重量%、TiO2が12〜3
0重量%、Nb25が1〜42重量%であり、任意成分
の含有量は、CaOが0〜4重量%、B23が0〜4.
5重量%である。
【0053】SiO2は、本発明のガラス形成成分とし
て必須であり、屈折率[nd]が1.75〜1.85の
光学ガラスを得る上からは、SiO2の量は24〜31
重量%である。SiO2の量を24重量%以上とするこ
とにより、液相温度[LT]を980℃以下とすること
ができ、31重量%以下とすることにより屈伏点[T
s]を585℃以下とすることができる。
【0054】Li2Oは、プレス成形温度を低下させ、
プレス型の劣化を防ぐため、本発明のガラスにおいて必
須成分であり、0.5重量%以上含有させることによ
り、屈伏点[Ts]を590℃以下にすることができ
る。また6重量%以下とすることにより液相温度[L
T]を1000℃以下にすることができる。
【0055】屈折率[nd]が1.75〜1.85の光
学ガラスを得る上からは、Li2Oの量を1〜5重量%
とすることが好ましい。下限を1重量%とすることによ
り屈伏点[Ts]を585℃以下とすることができ、上
限を5重量%とすることにより液相温度[LT]を98
0℃以下とすることができる。
【0056】Na2Oも、プレス成形温度を低下させ、
プレス型の劣化を防ぐため、本発明のガラスにおける必
須成分であり、屈伏点[Ts]を590℃以下に抑える
ために、3重量%以上含有させる必要があり、液相温度
[LT]を1000℃以下に抑えるために18重量%以
下とする必要がある。屈折率[nd]が1.75〜1.
85の光学ガラスを得る上からは、Na2Oの含有量を
3〜13重量%とすることが好ましい。
【0057】TiO2は、高屈折、高分散特性を得るた
めに、本発明のガラスにおける必須成分であり、屈折率
[nd]が1.75〜1.85の光学ガラスを得る上か
らは、TiO2の含有量は12〜30重量%である。1
2重量%以上にすることにより、屈折率[nd]を1.
75以上にすることができ、30重量%以下とすること
により液相温度[LT]を980℃以下にすることがで
きる。
【0058】Nb25は、高屈折、高分散特性のガラス
を得るための必須成分であり、1〜42重量%とするこ
とで、屈折率[nd]が1.75〜1.85、アッベ数
[νd]が23〜35の高屈折、高分散特性を得ること
ができる。Nb25の含有量が1重量%未満では、屈折
率[nd]が1.75より小さくなり、42重量%を超
えると液相温度[LT]が1000℃を超える。
【0059】屈折率[nd]が1.75〜1.85の光
学ガラスを得るうえから、Nb25の含有量を10〜4
1重量%とすることが好ましい。10重量%以上にする
ことにより、屈折率[nd]が十分に1.75以上にな
り、41重量%以下にすることで液相温度[LT]を9
80℃以下にすることができる。
【0060】次に任意成分ではあるが、本発明の目的で
ある高品質の光学ガラスを得る上で、含有量を制限する
必要がある成分について説明する。
【0061】B23は、SiO2系ガラスに少量添加す
ることにより液相温度を低下させることが可能な成分で
はあるが、4.5重量%を超えると、加熱中のガラス、
特に溶解中のガラスからの揮発が著しくなり、脈理が発
生して品質低下を招いたり、光学恒数の変動を招いてし
まう。したがって、B23の含有量は0〜4.5重量%
とする必要がある。屈折率[nd]が1.75〜1.8
5の光学ガラスでは、脈理の発生や光学恒数の変動を抑
える上でB23の含有量を0〜4重量%とすることが好
ましい。
【0062】ZrO2は、任意成分として適量添加する
ことにより高屈折、高分散特性を維持しながら液相温度
[LT]を下げる働きをする。液相温度[LT]を10
00℃以下に抑えるために、その添加量は8重量%以下
とすることが望ましい。屈折率[nd]が1.75〜
1.85で、かつ液相温度[LT]が980℃以下の光
学ガラスを得る上から、ZrO2の量を0〜6重量%と
することが好ましい。
【0063】Al23も任意成分であり、適量添加する
ことにより光学恒数の調整と化学的耐久性の向上を図る
ことができる。含有量を0〜6重量%とすることによ
り、液相温度[LT]を1000℃以下に抑えることが
できる。屈折率[nd]が1.75〜1.85で、かつ
液相温度[LT]が980℃以下のガラスを得る上か
ら、Al23の量を0〜4重量%とすることが好まし
い。
【0064】MgOも任意成分として適量添加すること
により光学恒数の調整と化学的耐久性の向上を図ること
ができる。ただし、4重量%を超えると液相温度[L
T]が1000℃を超えるので、0〜4重量%とするこ
とが好ましい。屈折率[nd]が1.75〜1.85
で、かつ液相温度[LT]が980℃以下のガラスを得
る上から、MgOの量を0〜1重量%とすることが好ま
しい。
【0065】ZnOは任意成分ではあるが、屈伏点を低
下させ、化学的耐久性を向上させる上から適量添加する
ことが好ましい。ただし、15重量%を超えると液相温
度[LT]が1000℃を超えるので、0〜15重量%
とすることが好ましい。屈折率[nd]が1.75〜
1.85で、かつ液相温度[LT]が980℃以下のガ
ラスを得る上からは、ZnOの量を0〜5重量%とする
ことが好ましく、0〜2重量%とすることがより好まし
い。
【0066】K2Oは任意成分ではあるが、屈伏点を低
下させる上で適量添加することが望ましい。ただし、K
2Oの量が15重量%を超えると 屈折率[nd]が1.
75よりも小さくなる。屈折率[nd]が1.75〜
1.85で、かつ液相温度[LT]が980℃以下のガ
ラスを得る上からは、K2Oの量を0〜12重量%とす
ることが好ましい。
【0067】BaOは、適量添加により光学恒数の調整
と液相温度の低下が可能な成分である。BaOの量を0
〜15重量%未満とすることにより、液相温度[LT]
を1000℃以下にすることができる。屈折率[nd]
が1.75〜1.85で、かつ液相温度[LT]が98
0℃以下のガラスを得る上からは、BaOの量を0〜1
1重量%未満とすることが好ましい。
【0068】GeO2は、適量添加により光学恒数の調
整と液相温度の低下が可能になる任意成分であり、0〜
3重量%含有させることが好ましい。3重量%を超える
と液相温度[LT]が1000℃を超えてしまうおそれ
がある。屈折率[nd]が1.75〜1.85で、かつ
液相温度[LT]が980℃以下のガラスを得る上から
は、GeO2の量を0〜2重量%とすることが好まし
い。
【0069】Cs2Oは、適量添加により光学恒数の調
整と屈伏点[Ts]の低下を可能にする任意成分であ
り、0〜3重量%含有させることが好ましい。3重量%
を超えると溶融中の揮発が著しくなり、光学恒数の変
動、脈理の発生が生じるおそれがある。屈折率[nd]
が1.75〜1.85のガラスを得る上で、揮発をより
抑えるためには、Cs2Oの量を0〜1重量%にするこ
とが好ましい。
【0070】また、CaO、SrO、TeO2、Bi2
3、La23、Y23、Gd23、Yb23、Ta
25、WO3、 As23、、Sb23および鉛に関して
は、前述の光学ガラスAにおいて、説明したとおりであ
る。
【0071】本発明の光学ガラスBは、以上のような組
成範囲を有し、かつ1.75〜1.85の範囲の屈折率
[nd]を有するもので、好ましい組成範囲を以下に示
す。
【0072】(B−1)SiO2 24〜32重量%、
Li2O 1〜5重量%、Na2O3〜13重量%、Ti
2 12〜30重量%、Nb25 10〜41重量
%、B23 0〜4重量%、CaO 0〜2重量%、Z
rO2 0〜6重量%、Al23 0〜4重量%、Mg
O 0〜1重量%、ZnO 0〜5重量%、K2O 0
〜12重量%、BaO 0〜11重量%未満、GeO2
0〜2重量%およびCs2O 0〜1重量%を含む光
学ガラス、特に、この組成範囲内にあって、SiO2
24〜31重量%、CaO 0〜2重量%、Al23
0〜4重量%およびZnO 0〜2重量%を含む光学ガ
ラス。
【0073】上記組成によって液相温度[LT]を98
0℃以下に抑えることができる。
【0074】(B−2)SiO2 24〜32重量%、
Li2O 1〜5重量%、Na2O3〜13重量%、Ti
2 12〜30重量%、Nb25 10〜41重量
%、ZrO2 0〜6重量%、Al23 0〜4重量
%、Cs2O 0〜1重量%、MgO 0〜1重量%、
ZnO 0〜5重量%、K2O 0〜12重量%、B2
30〜4重量%、BaO 0〜11重量%未満、GeO2
0〜2重量%、CaO 0〜2重量%、SrO 0〜
2重量%、TeO2 0〜1重量%、La230〜2重
量%、Y23 0〜2重量%、Gd23 0〜2 重量
%、Yb230〜2重量%、Ta25 0〜2重量%、
WO3 0〜3重量%、Bi230〜1重量%、As2
3 0〜1重量%およびSb23 0〜1重量%を含
み、上記の各成分の合計含有量が99.5重量%以上で
あり、P25およびPbOを含まない光学ガラス、特に
上記各成分の合計含有量が100重量%の光学ガラス。
【0075】(B−3)SiO2 24〜32重量%、
Li2O 1〜5重量%、Na2O3〜13重量%、Ti
2 12〜30重量%、Nb25 10〜41重量
%、ZrO2 0〜6重量%、Al23 0〜4重量
%、MgO 0〜1重量%、ZnO 0〜5重量%、K
2O 0〜12重量%、B23 0〜4重量%、BaO
0〜11重量%未満、CaO 0〜2重量%、WO3
0〜3重量%、As2 3 0〜1重量%およびSb23
0〜1重量%を含み、上記の各成分の合計含有量が9
9.5重量%以上であり、P25およびPbOを含まな
い光学ガラス、特に、上記各成分の合計含有量が100
重量%の光学ガラス。
【0076】さらに、屈折率[nd]が1.75〜1.
85の範囲にあって、低屈伏点、低液相温度のガラスと
してより好ましい第1のグループは、以下の光学ガラス
である。
【0077】(B−a−1)SiO2 24〜31重量
%、Li2O 1〜3重量%、Na2O 7〜12重量
%、TiO2 24〜30重量%、Nb25 10〜2
0重量%、K2O 2〜7重量%、ZrO2 0〜6重量
%、MgO 0〜1重量%、ZnO 0〜2重量%、B
23 0〜2重量%、BaO 0〜10重量%、GeO
2 0〜2重量%、CaO 0〜1重量%、SrO 0
〜1重量%、La230〜1重量%、Y23 0〜1重
量%、Gd23 0〜1重量%、Yb23 0〜1重量
%、Ta25 0〜1重量%、WO3 0〜3重量%、
As23 0〜1重量%およびSb23 0〜1重量%
を含み、上記の各成分の合計含有量が99.5重量%以
上であり、P25およびPbOを含まない光学ガラス、
特に、上記各成分の合計含有量が100重量%の光学ガ
ラス。
【0078】(B−a−2)SiO2 24〜31重量
%、Li2O 1〜3重量%、Na2O 7〜12重量
%、TiO2 24〜30重量%、Nb25 10〜2
0重量%、K2O 2〜7重量%、ZrO2 0〜6重量
%、MgO 0〜1重量%、ZnO 0〜2重量%、B
23 0〜2重量%、BaO 0〜10重量%、GeO
2 0〜2重量%、CaO 0〜1重量%、As23
0〜1重量%およびSb23 0〜1重量%を含み、上
記の各成分の合計含有量が99.5重量%以上であり、
25およびPbOを含まない光学ガラス、特に上記各
成分の合計含有量が100重量%の光学ガラス。
【0079】(B−a−3)SiO2 24〜31重量
%、Li2O 1〜3重量%、Na2O 7〜12重量
%、TiO2 24〜30重量%、Nb25 10〜2
0重量%、K2O 2〜7重量%、ZrO2 0〜6重量
%、MgO 0〜1重量%、ZnO 0〜2重量%、B
23 0〜2重量%、BaO 0〜10重量%、GeO
2 0〜2重量%およびCaO 0〜1重量%を含み、
上記の各成分の合計含有量が99.5重量%以上であ
り、As23、Sb23、PbO、P25を含まない光
学ガラス、特に、上記各成分の合計含有量が100重量
%の光学ガラス。
【0080】次に第2のグループは以下の光学ガラスで
ある。 (B−b−1)SiO2 24〜31重量%、Li2
2〜5重量%、Na2O 3〜10重量%、TiO2
2〜20重量%、Nb25 30〜41重量%、K2
4〜12重量%、ZrO2 0〜6重量%、MgO
0〜1重量%、ZnO 0〜2重量%、B23 0〜4
重量%、BaO 0〜3重量%、GeO 2 0〜2重量
%、CaO 0〜1重量%、SrO 0〜1重量%、L
230〜1重量%、Y23 0〜1重量%、Gd23
0〜1重量%、Yb23 0〜1重量%、Ta25
0〜1重量%、WO3 0〜3重量%、As23 0〜
1重量%およびSb23 0〜1重量%を含み、上記の
各成分の合計含有量が99.5重量%以上であり、P2
5およびPbOを含まない光学ガラス、特に上記各成
分の合計含有量が100重量%の光学ガラス。
【0081】(B−b−2)SiO2 24〜31重量
%、Li2O 2〜5重量%、Na2O 3〜10重量
%、TiO2 12〜20重量%、Nb25 30〜4
1重量%、K2O 4〜12重量%、ZrO2 0〜6重
量%、ZnO 0〜2重量%、B23 0〜4重量%、
BaO 0〜3重量%、GeO2 0〜2重量%、Ca
O 0〜1重量%、WO3 0〜3重量%、As23
0〜1重量%およびSb23 0〜1重量%を含み、上
記の各成分の合計含有量が99.5重量%以上であり、
25およびPbOを含まない光学ガラス、特に、上記
各成分の合計含有量が100重量%の光学ガラス。
【0082】(B−b−3)SiO2 24〜31重量
%、Li2O 2〜5重量%、Na2O 3〜10重量
%、TiO2 12〜20重量%、Nb25 30〜4
1重量%、K2O 4〜12重量%、ZrO2 0〜6重
量%、ZnO 0〜2重量%、B23 0〜4重量%、
BaO 0〜3重量%、GeO2 0〜2重量%、Ca
O 0〜1重量%およびWO3 0〜3重量%を含み、
上記の各成分の合計含有量が99.5重量%以上であ
り、As23、Sb23、PbO、P25を含まない光
学ガラス、特に、上記各成分の合計含有量が100重量
%の光学ガラス。
【0083】以上の第2のグループの光学ガラスは、液
相温度を970℃以下とする上で好ましいものである。
また(B−1)〜(B−3)、(B−a−1)〜(B−
a−3)、(B−b−1)〜(B−b−3)の各ガラス
において、成形型への融着物発生によるプレス成形品の
外観不良防止の上から、CaOの量を0〜0.5重量%
未満とするのが好ましく、CaOを含まないことがより
好ましい。
【0084】また、本発明の光学ガラスA、Bの液相温
度[LT]は、通常1000℃以下であるが、好ましく
は990℃以下、より好ましくは980℃以下、さらに
好ましくは960℃以下とすることが望ましい。一方、
屈伏点[Ts]は、通常590℃以下であるが、好まし
くは585℃以下、より好ましくは580℃以下、さら
に好ましくは570℃以下とすることが望ましい。この
ような本発明の光学ガラスA、Bは、常法により調合さ
れ、溶解、清澄、撹拌、均一化することにより製造する
ことができる。
【0085】本発明はまた、前述の本発明の光学ガラス
A、Bからなる精密プレス成形用素材、該光学ガラスか
らなる光学部品および上記精密プレス成形用素材を精密
プレス成形して得られた光学部品をも提供するものであ
る。
【0086】なお、本発明の精密プレス成形用素材は、
上記本発明の光学ガラスA、Bよりなることを特徴とす
るものである。ここで精密プレス成形とは、プレス成形
によって最終製品形状のガラス成形品を得ることができ
るプレス成形を意味し、精密プレス成形用素材とは、精
密プレス成形時に使用される被成形ガラス素材を意味す
る。
【0087】撹拌、均一化された溶融状態のガラスから
直接、光学部品を作る場合は、攪拌、均一化された溶融
ガラスを流出パイプより、プレス成形型の下型成形面上
に供給し、この下型に対向する上型と下型とにより、こ
のガラスを加圧成形する(ダイレクトプレスとい
う。)。得られた成形品は、必要に応じて研削、研磨さ
れ、光学部品となる。また、均一化された溶融ガラスを
一旦、冷却し、所望形状に冷間加工したものを再加熱
し、成形型によって加圧成形することもでき、この場合
も得られた成形品は、必要に応じて研削、研磨され、光
学部品となる。さらに、ガラスを研削、研磨して光学部
品を製造することもできる。
【0088】しかし、本発明の光学ガラスA、Bは、通
常液相温度が1000℃以下と耐失透性に優れ、屈伏点
が590℃以下と比較的低温域の加熱でプレス成形可能
な特性を有しているため、プレス成形後の研削、研磨を
不要とし、プレス成形によって最終形状を得る精密プレ
ス成形に極めて好適に用いることができる。さらに、泡
の残留、着色、脈理などが認められない高品質な光学ガ
ラスを得ることもできる。
【0089】精密プレス成形の1例としては、まず、攪
拌、均一化された溶融ガラスを流出パイプより流出させ
て、成形型(一般にはプレス成形型とは異なる。)で受
け、球状等のプリフォームと呼ばれる精密プレス成形用
素材を作製し、このプリフォームを再加熱して、上型下
型で加圧成形する。この際、成形品の形状等に鑑み、適
宜、胴型を併せて使用することもできる。一般には、溶
融ガラスを受ける成形型内にガスを流し、ガスの圧力に
よって流下したガラスを浮上させた状態で回転させ、球
状に成形する。このような方法では、ガラスの温度が比
較的高い状態に長く滞在することになるので、液相温度
が1000℃を超える光学ガラスでは、表面が失透して
しまう。プリフォームを精密プレス成形すれば、研削、
研磨が不要な最終製品の形状と同じ成形品が得られる。
したがって、失透したプリフォーム表面は、研削、研磨
工程がないので最終製品に残ることになり、光学特性を
悪化させることになる。本発明の光学ガラスA、Bは、
液相温度が、通常1000℃以下と低く、上記のような
方法でプリフォームを熱間成形しても表面が結晶化しな
い。
【0090】図1は、精密プレス成形装置の1例の概略
を示す断面図である。この図1に示す装置は、支持棒9
上に設けた支持台10上に、上型1、下型2及び案内型
3からなる成形型を載置したものを、外周にヒーター1
2を巻き付けた石英管11中に設けたものである。本発
明の高屈折率・高分散光学ガラスからなる被成形ガラス
プリフォーム4は、例えば、直径2〜20mm程度の球
状物や楕円形球状物であることができる。球状物や楕円
形球状物の大きさは、最終製品の大きさを考慮して適宜
に決定される。
【0091】被成形ガラスプリフォーム4を下型2及び
上型1の間に設置した後、ヒーター12に通電して石英
管11内を加熱する。成形型内の温度は、下型2の内部
に挿入された熱電対14によりコントロールされる。加
熱温度は被成形ガラスプリフォーム4の粘度が精密プレ
スに適した、例えば約107〜108Pa・s程度になる
温度とする。所定の温度となった後に、押し棒13を降
下させて上型1を上方から押して成形型内の被成形ガラ
スプリフォーム4をプレスする。プレスの圧力及び時間
は、ガラスの粘度などを考慮して適宜に決定できる。例
えば、圧力は5〜15MPa程度の範囲、時間は10〜
300秒とすることができる。プレスの後、ガラスの転
移温度まで徐冷し、次いで室温まで急冷し、成形型から
成形物を取り出すことで、本発明の光学部品を得ること
ができる。
【0092】また、ダイレクトプレスの場合であって
も、液相温度が1000℃以下と低いので、ガラスを結
晶化させずに、流出パイプから溶融ガラスを流下させる
温度条件、プレスの温度条件を選択する際の許容範囲を
広くとれるというメリットがある。
【0093】上記各成形方法において、上型、下型、あ
るいは必要に応じて胴型の形状を適宜選択し、球面レン
ズ、非球面レンズ、マイクロレンズ、レンズアレイ、マ
イクロレンズアレイなどの各種レンズ、プリズム、ポリ
ゴンミラーなどの光学部品を成形することができる。
【0094】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
【0095】なお、光学ガラスの物性は、以下に示す方
法により測定した。 (1)屈折率[nd]およびアッベ数[νd] 徐冷降温速度を−30℃/hにして得られた光学ガラス
について測定した。 (2)屈伏点温度[Ts] 熱膨張測定機を用い、昇温速度8℃/分の条件で測定し
た。 (3)液相温度[LT] 400〜1050℃の温度勾配のついた失透試験炉に3
0分間保持し、倍率100倍の顕微鏡により結晶の有無
を観察し、液相温度を測定した。また、軟化点付近の失
透性も液相温度測定の際、同時に目視により観察した。 (4)λ80 両面を光学研磨した厚さ10mmのガラスの透過率を測
定し、光学研磨された両面における反射損失を含む外部
透過率が80%となる波長をλ80とした。
【0096】実施例1〜12(本発明の光学ガラスA) 表1および表2に示すガラス組成に従って、常法によ
り、実施例1〜12の光学ガラスAを調製した。すなわ
ち、原料としては、燐酸塩系の化合物は用いず、炭酸
塩、硝酸塩、酸化物等を用い、これらの原料を所望の割
合に秤取し、混合して調合原料とし、これを1200℃
に加熱した溶解炉に投入し、溶解、清澄後、攪拌し、均
一化してから鋳型に鋳込み徐冷することにより、実施例
1〜12の光学ガラスを得た。得られた光学ガラスの性
能を表1および表2に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】表1および表2から明らかなように、実施
例1〜12のガラスは本発明の光学ガラスAに属し、こ
れらのガラスは、屈折率[nd]が1.63〜1.7
5、アッベ数[νd]が23〜35の範囲にあり、屈伏
点[Ts]は590℃以下であった。また、液相温度
[LT]はすべて1000℃以下、λ80は400nm
以下であった。各実施例のガラスとも未溶解物、失透、
泡の残留、脈理、着色は認められなかった。この結果か
らも分かるように各実施例のガラスとも、プレス成形、
特に精密プレス成形に好適なものであった。
【0100】実施例13〜45(本発明の光学ガラス
B) 表3〜表7に示すガラス組成に従って、常法により、実
施例13〜45の光学ガラスBを調製した。すなわち、
原料としては、燐酸塩系の化合物は用いず、炭酸塩、硝
酸塩、酸化物等を用い、これらの原料を所望の割合に秤
取し、混合して調合原料とし、これを1200℃に加熱
した溶解炉に投入し、溶解、清澄後、攪拌し、均一化し
てから鋳型に鋳込み徐冷することにより、実施例13〜
45の光学ガラスを得た。得られた光学ガラスの性能を
表3〜表7に示す。
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
【表7】
【0106】表3〜表7から明らかなように、実施例1
3〜45のガラスは本発明の光学ガラスBに属し、これ
らのガラスは、屈折率[nd]が1.75〜1.85、
アッベ数[νd]が23〜35の範囲にあり、屈伏点
[Ts]は590℃以下であった。また、液相温度[L
T]はすべて1000℃以下であった。各実施例のガラ
スとも未溶解物、失透、泡の残留、脈理、着色は認めら
れなかった。この結果からも分かるように各実施例のガ
ラスとも、プレス成形、特に精密プレス成形に好適なも
のであった。
【0107】実施例46 実施例1〜45の各ガラスを、上述のようにに溶融状態
で流出パイプより流出させて成形型で受け、直径2〜2
0mmの球状物に成形してプリフォーム(精密プレス成
形用素材)を得た。このプリフォームを図1に示された
上型1及び下型2の間に配置した後、石英管11内を窒
素雰囲気としてヒーター12に通電して石英管11内を
加熱した。成形型内の温度を、被成形ガラス塊の粘度が
約107〜108Pa・sとなる温度とした後、この温度
を維持しつつ、押し棒13を降下させて上型1を上方か
ら押して成形型内の被成形ガラス塊をプレスした。プレ
スの圧力は8MPa、プレス時間は30秒間とした。プ
レスの後、プレスの圧力を解除し、非球面プレス成形さ
れたガラス成形体を上型1及び下型2と接触させたまま
の状態でガラス転移温度まで徐冷し、次いで室温付近ま
で急冷して非球面に成形されたガラスを成形型から取り
出した。得られた非球面レンズは、極めて精度の高いレ
ンズであった。
【0108】プレス成形の対象としては、非球面レンズ
に限られず、球面レンズ、マイクロレンズ、レンズアレ
イ、マイクロレンズアレイなどの各種レンズ、プリズ
ム、ポリゴンミラーなどの光学部品全般にわたり適用す
ることができる。
【0109】比較例1〜9 実施例1〜45と同様にして、表8〜表9に示すガラス
組成の比較例1〜9の光学ガラスを得た。なお、従来の
技術として引用した公報1の実施例1、2、8を比較例
1、2、3とし、公報2の実施例1、2、4を比較例
4、5、6とし、公報3の実施例1、2、8を比較例
7、8、9として、得られた光学ガラスの性能を表8お
よび表9に示した。
【0110】
【表8】
【0111】
【表9】
【0112】比較例1〜3は、少なくとも1成分が本発
明の組成範囲より逸脱している(例えば、比較例1のガ
ラスはNb25を42重量%より多く含み、Na2Oを
18重量%よりも多く含んでいる。)。そのため、液相
温度[LT]が高くなり、耐失透性が低下してしまう。
また、化学的耐久性が悪化する問題も発生する。このよ
うに、比較例1〜3のガラスは精密プレス用光学ガラス
としては不適当なものである。
【0113】比較例4〜6のガラスは、B23を5重量
%以上添加することにより、570℃以下の屈伏点[T
s]、1000℃以下の液相温度[LT]という特性を
得ている。しかしながら、B23 5重量%以上を含ん
でいるので、ガラス溶融中の揮発が激しく、顕著な脈理
が見られ、高品質な光学ガラスが得られない。また、光
学恒数の変動が著しく、同時に溶融されたガラスでも、
光学恒数を一定に保つことが困難であった。また比較例
5は、有害成分であるPbOを多く含み、環境上の問題
も有している。PbOは有害であるだけでなく、還元雰
囲気で精密プレスを行おうとするとPbOが還元されP
b金属が表面に発生し、高精度のレンズ面が得られない
問題やプレス型と融着する問題も生じる。
【0114】比較例7〜9は、Nb25を含まず、Si
2、TiO2等の量が本発明の範囲外であり、液相温度
[LT]が1000℃を越えたり、TiO2の過剰添加
によりガラスが着色してしまうという問題が生じた。S
iO2が過剰になることによって、溶融時の粘性が高ま
り、泡切れが悪く、得られたガラス中に多数の泡が認め
られた。また成形時の粘性も全般に高くなるため1g以
下の重量の小さいプリフォ−ム(精密プレス成形用素
材)を得ることが困難であった。このように、各比較例
とも屈伏点、液相温度のいずれかが高くなるか、脈理、
着色、泡の残留などが認められ、高品質かつ精密プレス
成形用の光学ガラスを得ることができなかった。
【0115】比較例10〜13 本件出願の優先権主張の基礎出願である特願2000−
214758号の出願日の後に公開された特開2000
−247676号公報の実施例1〜3および8に記載の
ガラスの組成および物性を表10に示す。
【0116】
【表10】
【0117】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、屈伏点
および液相温度がともに低く、泡の残留、脈理、着色が
認められない光学ガラスを得ることができる。したがっ
て、このガラスを用いることにより、比較的低温の精密
プレス成形が可能になり、プレス時のプレス成形型とガ
ラスの融着を防止することができる。さらに液相温度が
低いので、耐失透性に優れ、溶融ガラスより精密プレス
成形用素材を成形する際や、プレス成形のための加熱な
どにおいてもガラスの結晶化を防止することができる。
さらに、ガラス溶解時に発生する泡がガラス中に残留せ
ず、脈理や着色も認められない高品質な光学ガラスを得
ることができる。
【0118】また、本発明の精密プレス成形用素材は、
上記光学ガラスからなり、耐失透性に優れ、泡の残留、
脈理、着色が認められず、比較的低温での精密プレス成
形が可能なので、プレス成形型との融着を防止できると
ともに、高品質な精密プレス成形品を得ることができ
る。さらに、本発明によれば、泡の残留、結晶化による
表面の曇り、脈理、着色などが認められない、高品質の
光学製品、特に精密プレス成形された光学部品を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】精密プレス成形装置の1例の概略を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 上型 2 下型 3 案内型 4 被成形ガラスプリフォーム 10 支持台 11 石英管 13 押し棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/00 G02B 1/00 Fターム(参考) 4G062 AA04 BB01 BB03 DA04 DA05 DB01 DC01 DC02 DC03 DD01 DE01 DF01 EA02 EA03 EB03 EB04 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FB04 FC01 FD01 FE01 FF01 FG03 FG04 FG05 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM02 NN01 NN02 NN32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にリン酸塩を含まない光学ガラス
    であって、SiO220〜45重量%、Li2O 0.5
    〜6重量%、Na2O 3〜18重量%、TiO2 18
    重量%以上25重量%未満、Nb25 1〜42重量
    %、CaO0〜4重量%およびB23 0〜4.5重量
    %を含み、かつ屈折率[nd]が1.63〜1.75で
    あることを特徴とする光学ガラス。
  2. 【請求項2】 実質的にリン酸塩を含まない光学ガラス
    であって、SiO224〜32重量%、Li2O 0.5
    〜6重量%、Na2O 3〜18重量%、TiO2 12
    〜30重量%、Nb25 1〜42重量%、CaO 0
    〜4重量%およびB23 0〜4.5重量%を含み、か
    つ屈折率[nd]が1.75〜1.85であることを特
    徴とする光学ガラス。
  3. 【請求項3】 アッベ数[νd]が23〜35である請
    求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 【請求項4】 屈伏点[Ts]が590℃以下、液相温
    度[LT]が1000℃以下である請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の光学ガラス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光
    学ガラスからなる精密プレス成形用素材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光
    学ガラスからなる光学部品。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の精密プレス成形用素材
    を精密プレス成形して得られたことを特徴とする光学部
    品。
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