JP3302892B2 - 光学ガラス - Google Patents
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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- C03C3/04—Glass compositions containing silica
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- C03C3/064—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
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- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- Y10S501/90—Optical glass, e.g. silent on refractive index and/or ABBE number
- Y10S501/903—Optical glass, e.g. silent on refractive index and/or ABBE number having refractive index less than 1.8 and ABBE number less than 70
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- Organic Chemistry (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈折率（nｄ）が
１．５５〜１．７１未満、アッベ数（νｄ）が２５〜５
１の範囲の光学恒数および大きな負の異常分散性（Δθ
g,F）を有し、かつ、ガラス成分として鉛および砒素の
化合物を含有しない光学ガラスに関する。
１．５５〜１．７１未満、アッベ数（νｄ）が２５〜５
１の範囲の光学恒数および大きな負の異常分散性（Δθ
g,F）を有し、かつ、ガラス成分として鉛および砒素の
化合物を含有しない光学ガラスに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、本発明に示すような光学恒数を有
し、かつ、負の異常分散性を有する光学ガラスとして
は、Ｂ2Ｏ3−Ａｌ2Ｏ3−ＰｂＯ系が知られている。しか
し、このガラス系には多量のＰｂＯを含有させる必要が
あり、比較的高密度になりやすく、化学的耐久性も不十
分等の問題を有しており使用上に制限があった。また、
ＰｂＯを含有しないガラス系としては、特公昭５０−１
８００７号公報、特公昭５８−４９５０２号公報、ドイ
ツ国特許公報４，０３２，５６６号等が知られている。
これらのガラス系には負の異常分散性を付与させるため
に大量のＴａ2Ｏ5もしくはＺｒＯ2、Ｎｂ2Ｏ5およびＴ
ａ2Ｏ5のような多価金属酸化物を多量に導入しなければ
ならず、原料バッチを完全に溶融し、均質なガラスを得
ることが困難であるなどの問題を有していた。
し、かつ、負の異常分散性を有する光学ガラスとして
は、Ｂ2Ｏ3−Ａｌ2Ｏ3−ＰｂＯ系が知られている。しか
し、このガラス系には多量のＰｂＯを含有させる必要が
あり、比較的高密度になりやすく、化学的耐久性も不十
分等の問題を有しており使用上に制限があった。また、
ＰｂＯを含有しないガラス系としては、特公昭５０−１
８００７号公報、特公昭５８−４９５０２号公報、ドイ
ツ国特許公報４，０３２，５６６号等が知られている。
これらのガラス系には負の異常分散性を付与させるため
に大量のＴａ2Ｏ5もしくはＺｒＯ2、Ｎｂ2Ｏ5およびＴ
ａ2Ｏ5のような多価金属酸化物を多量に導入しなければ
ならず、原料バッチを完全に溶融し、均質なガラスを得
ることが困難であるなどの問題を有していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明による大きな負
の異常分散性を有する光学ガラスの開発は各種光学レン
ズ系の設計上極めて有用である。通常のそれほど大きな
異常分散性を有しない正常な光学ガラスにおいても異な
るアッベ数を有する２種類の光学レンズを組み合わせる
ことにより、２色光についての色収差は取り除くことは
できるが、他の色光については、なお二次スペクトルと
して示される残存色収差が存在する。これらの二次スペ
クトルの補正、特に紫外域における色光の補正には、非
常に偏りのある正・負２種類の異常分散性を有する光学
レンズを組み合わせることにより、上記二次スペクトル
の可成りの量は除去することができる。本発明は、Ｐｂ
ＯおよびＡｓ2Ｏ3のような環境に好ましくない化合物を
ガラス成分に含有することなく、また、製造コストの高
いＴａ2Ｏ5を必須成分とすることなく、従来のガラスと
同等もしくはそれ以上の大きな負の異常分散性を有し、
かつ、均質性の優れた光学ガラスを提供することにあ
る。
の異常分散性を有する光学ガラスの開発は各種光学レン
ズ系の設計上極めて有用である。通常のそれほど大きな
異常分散性を有しない正常な光学ガラスにおいても異な
るアッベ数を有する２種類の光学レンズを組み合わせる
ことにより、２色光についての色収差は取り除くことは
できるが、他の色光については、なお二次スペクトルと
して示される残存色収差が存在する。これらの二次スペ
クトルの補正、特に紫外域における色光の補正には、非
常に偏りのある正・負２種類の異常分散性を有する光学
レンズを組み合わせることにより、上記二次スペクトル
の可成りの量は除去することができる。本発明は、Ｐｂ
ＯおよびＡｓ2Ｏ3のような環境に好ましくない化合物を
ガラス成分に含有することなく、また、製造コストの高
いＴａ2Ｏ5を必須成分とすることなく、従来のガラスと
同等もしくはそれ以上の大きな負の異常分散性を有し、
かつ、均質性の優れた光学ガラスを提供することにあ
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意試験研究を重ねた結果、ＰｂＯおよ
びＡｓ2Ｏ3を含有しないＳｉＯ2−Ｂ2Ｏ3−ＺｒＯ2−Ｎ
ｂ2Ｏ5系の特定組成域のガラスにおいて、大きな負の異
常分散性を有し、かつ、均質性の高い光学ガラスが得ら
れることを見いだし本発明を成すに至った。
達成するために鋭意試験研究を重ねた結果、ＰｂＯおよ
びＡｓ2Ｏ3を含有しないＳｉＯ2−Ｂ2Ｏ3−ＺｒＯ2−Ｎ
ｂ2Ｏ5系の特定組成域のガラスにおいて、大きな負の異
常分散性を有し、かつ、均質性の高い光学ガラスが得ら
れることを見いだし本発明を成すに至った。
【０００５】すなわち、請求項１に記載の光学ガラスは
重量百分率で、 ＳｉＯ２ １０〜４０％未満、 Ｂ２Ｏ３ １２．５〜３５％、 ＺｒＯ２ ３〜２０％、 Ｎｂ２Ｏ５ ６〜３０％、 Ｌｉ２Ｏ ０〜 ５％、 Ｎａ２Ｏ ０〜２５％、 Ｋ２Ｏ ０〜１０％、 ＭｇＯ ０〜 ５％未満、 ＣａＯ ０〜 ５％未満、 ただし、ＭｇＯ＋ＣａＯ ５％未満、 ＳｒＯ ０〜１５％、 ＢａＯ ０〜２０％、 ＺｎＯ ０〜 １５％、 Ａｌ２Ｏ３ ０〜３％、 Ｔａ２Ｏ５ ０〜１５％、 Ｐ２Ｏ５ ０〜 ５％未満、 ＧｅＯ２ ０〜 ５％、 ＳｎＯ２ ０〜 ２％、 ＷＯ３ ０〜 ５％、 Ｓｂ２Ｏ３ ０〜 １％、 および上記金属酸化物の一部または全部を置換した弗化
物のＦ（弗素）としての合計量で０〜５％の範囲からな
り、かつ、屈折率（nｄ）が１．５５〜１．７１未満、
アッベ数（νｄ）が２５〜５１の範囲の光学恒数、およ
び負の異常分散性 Δθｇ，Ｆ≦−０．００５１ を有することを特徴としている。
重量百分率で、 ＳｉＯ２ １０〜４０％未満、 Ｂ２Ｏ３ １２．５〜３５％、 ＺｒＯ２ ３〜２０％、 Ｎｂ２Ｏ５ ６〜３０％、 Ｌｉ２Ｏ ０〜 ５％、 Ｎａ２Ｏ ０〜２５％、 Ｋ２Ｏ ０〜１０％、 ＭｇＯ ０〜 ５％未満、 ＣａＯ ０〜 ５％未満、 ただし、ＭｇＯ＋ＣａＯ ５％未満、 ＳｒＯ ０〜１５％、 ＢａＯ ０〜２０％、 ＺｎＯ ０〜 １５％、 Ａｌ２Ｏ３ ０〜３％、 Ｔａ２Ｏ５ ０〜１５％、 Ｐ２Ｏ５ ０〜 ５％未満、 ＧｅＯ２ ０〜 ５％、 ＳｎＯ２ ０〜 ２％、 ＷＯ３ ０〜 ５％、 Ｓｂ２Ｏ３ ０〜 １％、 および上記金属酸化物の一部または全部を置換した弗化
物のＦ（弗素）としての合計量で０〜５％の範囲からな
り、かつ、屈折率（nｄ）が１．５５〜１．７１未満、
アッベ数（νｄ）が２５〜５１の範囲の光学恒数、およ
び負の異常分散性 Δθｇ，Ｆ≦−０．００５１ を有することを特徴としている。
【０００６】請求項２に記載の光学ガラスは重量百分率
で、 ＳｉＯ２ １７〜４０％未満、 Ｂ２Ｏ３ １２．５〜３３％、 ＺｒＯ２ ７〜１８％、 Ｎｂ２Ｏ５ ６〜２９％、 Ｌｉ２Ｏ ０〜２．５％、 Ｎａ２Ｏ ４〜２５％、 Ｋ２Ｏ ０〜 ５％、 ＭｇＯ ０〜 ５％未満、 ＣａＯ ０〜 ５％未満、 ただし、ＭｇＯ＋ＣａＯ ５％未満、 ＳｒＯ ０〜 ５％、 ＢａＯ ０〜１９％、 ＺｎＯ ０〜 ６％、 Ａｌ２Ｏ３ ０〜 ３％、 Ｔａ２Ｏ５ ０〜１０％、 Ｐ２Ｏ５ ０〜 ５％未満、 ＧｅＯ２ ０〜 ５％、 ＳｎＯ２ ０〜 ２％、 ＷＯ３ ０〜 ５％、 Ｓｂ２Ｏ３ ０〜 １％、 および上記金属酸化物の一部または全部を置換した弗化
物のＦ（弗素）としての合計量で０〜３％の範囲からな
り、かつ、屈折率（nｄ）が１．５５〜１．７１未満、
アッベ数（νｄ）が２５〜５１の範囲の光学恒数、およ
び負の異常分散性 Δθｇ，Ｆ≦−０．００５１ を有することを特徴としている。
で、 ＳｉＯ２ １７〜４０％未満、 Ｂ２Ｏ３ １２．５〜３３％、 ＺｒＯ２ ７〜１８％、 Ｎｂ２Ｏ５ ６〜２９％、 Ｌｉ２Ｏ ０〜２．５％、 Ｎａ２Ｏ ４〜２５％、 Ｋ２Ｏ ０〜 ５％、 ＭｇＯ ０〜 ５％未満、 ＣａＯ ０〜 ５％未満、 ただし、ＭｇＯ＋ＣａＯ ５％未満、 ＳｒＯ ０〜 ５％、 ＢａＯ ０〜１９％、 ＺｎＯ ０〜 ６％、 Ａｌ２Ｏ３ ０〜 ３％、 Ｔａ２Ｏ５ ０〜１０％、 Ｐ２Ｏ５ ０〜 ５％未満、 ＧｅＯ２ ０〜 ５％、 ＳｎＯ２ ０〜 ２％、 ＷＯ３ ０〜 ５％、 Ｓｂ２Ｏ３ ０〜 １％、 および上記金属酸化物の一部または全部を置換した弗化
物のＦ（弗素）としての合計量で０〜３％の範囲からな
り、かつ、屈折率（nｄ）が１．５５〜１．７１未満、
アッベ数（νｄ）が２５〜５１の範囲の光学恒数、およ
び負の異常分散性 Δθｇ，Ｆ≦−０．００５１ を有することを特徴としている。
【０００７】上記各成分の組成範囲を限定した理由は次
の通りである。すなわち、ＳｉＯ2はガラス形成酸化物
として欠くことのできない成分であるが、１０％未満で
は安定なガラスが得難く、化学的耐久性も不十分であ
る。４０％以上であると得られたガラスの屈折率が目的
の値にならない。溶融性が良く得られたガラスの均質性
が良好な範囲は１７〜４０％未満である。
の通りである。すなわち、ＳｉＯ2はガラス形成酸化物
として欠くことのできない成分であるが、１０％未満で
は安定なガラスが得難く、化学的耐久性も不十分であ
る。４０％以上であると得られたガラスの屈折率が目的
の値にならない。溶融性が良く得られたガラスの均質性
が良好な範囲は１７〜４０％未満である。
【０００８】Ｂ2Ｏ3もＳｉＯ2と同様にガラス形成酸化
物として極めて重要な成分であるが、１２．５％未満で
は粘性が高く、溶融性が悪い。そのうえ異常分散性を小
さくする。３５％を超えるとガラスが不安定になり、結
晶が析出しやすくなる。化学的耐久性が良好で均質性が
良好な範囲は１２．５〜３３％である。
物として極めて重要な成分であるが、１２．５％未満で
は粘性が高く、溶融性が悪い。そのうえ異常分散性を小
さくする。３５％を超えるとガラスが不安定になり、結
晶が析出しやすくなる。化学的耐久性が良好で均質性が
良好な範囲は１２．５〜３３％である。
【０００９】ＺｒＯ2は屈折率を高め、異常分散性を大
きくする効果があるが、３％未満ではその効果がなく、
２０％を超えると溶融ガラス中に未溶融物が生じやす
い。ガラスの溶融性がよく、均質性の良好な範囲は７〜
１８％である。
きくする効果があるが、３％未満ではその効果がなく、
２０％を超えると溶融ガラス中に未溶融物が生じやす
い。ガラスの溶融性がよく、均質性の良好な範囲は７〜
１８％である。
【００１０】Ｎｂ2Ｏ5は屈折率およびアッベ数の調整に
有効な成分であるが、６％未満ではその効果がなく、３
０％を超えると失透性を増大させ、さらに異常分散性も
小さくする。好ましい範囲は６〜２９％までである。
有効な成分であるが、６％未満ではその効果がなく、３
０％を超えると失透性を増大させ、さらに異常分散性も
小さくする。好ましい範囲は６〜２９％までである。
【００１１】Ｌｉ2Ｏはガラスの溶融を促進する成分で
あるので５％まで添加することができるが、ガラスの失
透性を増大させる成分でもあるので、好ましくは２．５
％までとすべきである。Ｎａ2ＯおよびＫ2Ｏはともにガ
ラスの溶融を促進する成分であるので、前者は２５％ま
で後者は１０％まで添加することができるが、両成分と
も化学的耐久性を劣化させる成分でもあるので、前者の
好ましい範囲は４〜２５％までとし、後者の好ましい範
囲は５％までである。
あるので５％まで添加することができるが、ガラスの失
透性を増大させる成分でもあるので、好ましくは２．５
％までとすべきである。Ｎａ2ＯおよびＫ2Ｏはともにガ
ラスの溶融を促進する成分であるので、前者は２５％ま
で後者は１０％まで添加することができるが、両成分と
も化学的耐久性を劣化させる成分でもあるので、前者の
好ましい範囲は４〜２５％までとし、後者の好ましい範
囲は５％までである。
【００１２】ＭｇＯおよびＣａＯは化学的耐久性を向上
させ、屈折率およびアッベ数を調整することができる成
分であるが、ガラスの失透性を増大させる性質を有して
いるので何れの成分も５％未満とすべきである。ただ
し、ＭｇＯおよびＣａＯの合計量も５％未満とすべきで
ある。ＳｒＯは屈折率およびアッベ数を調整することが
できる成分であるので１５％まで添加することができる
が、失透性を増大させ、化学的耐久性を劣化させる成分
でもあるので、好ましくは５％までの範囲とすべきであ
る。
させ、屈折率およびアッベ数を調整することができる成
分であるが、ガラスの失透性を増大させる性質を有して
いるので何れの成分も５％未満とすべきである。ただ
し、ＭｇＯおよびＣａＯの合計量も５％未満とすべきで
ある。ＳｒＯは屈折率およびアッベ数を調整することが
できる成分であるので１５％まで添加することができる
が、失透性を増大させ、化学的耐久性を劣化させる成分
でもあるので、好ましくは５％までの範囲とすべきであ
る。
【００１３】ＢａＯはガラス化範囲を拡大させる効果が
あるので２０％まで添加することができるが、異常分散
性を小さくする成分でもあるので好ましい範囲は１９％
までとする。ＺｎＯはガラス化範囲を拡大させる性質を
有しているので１５％まで添加することができるが、異
常分散性が十分に大きくならないので好ましくは６％ま
での範囲とすべきである。
あるので２０％まで添加することができるが、異常分散
性を小さくする成分でもあるので好ましい範囲は１９％
までとする。ＺｎＯはガラス化範囲を拡大させる性質を
有しているので１５％まで添加することができるが、異
常分散性が十分に大きくならないので好ましくは６％ま
での範囲とすべきである。
【００１４】Ａｌ２Ｏ３は化学的耐久性を増大させる効
果があるが、失透性を増大させる作用があるので、添加
できる量は３％までの範囲とすべきである。
果があるが、失透性を増大させる作用があるので、添加
できる量は３％までの範囲とすべきである。
【００１５】Ｔａ2Ｏ5は屈折率を高め、異常分散性を大
きくする効果があるので、１５％まで添加することがで
きるが、溶融ガラス中に未溶融物を生じ、均質なガラス
が得難いので本発明の目的に対して好ましい範囲は１０
％までである。Ｐ2Ｏ5は屈折率およびアッベ数を調整す
ることができる成分であるが、失透性を増大させ、異常
分散性を小さくする性質があるのでその添加できる量は
５％未満までとする。
きくする効果があるので、１５％まで添加することがで
きるが、溶融ガラス中に未溶融物を生じ、均質なガラス
が得難いので本発明の目的に対して好ましい範囲は１０
％までである。Ｐ2Ｏ5は屈折率およびアッベ数を調整す
ることができる成分であるが、失透性を増大させ、異常
分散性を小さくする性質があるのでその添加できる量は
５％未満までとする。
【００１６】ＧｅＯ2はガラス形成酸化物であり、屈折
率やアッベ数の調整のために添加することができるが、
失透性を増大させる性質があるのでその添加できる量は
５％までである。ＳｎＯ2は化学的耐久性を向上させる
性質があるが、異常分散性を小さくするのでその添加で
きる量は２％までである。
率やアッベ数の調整のために添加することができるが、
失透性を増大させる性質があるのでその添加できる量は
５％までである。ＳｎＯ2は化学的耐久性を向上させる
性質があるが、異常分散性を小さくするのでその添加で
きる量は２％までである。
【００１７】ＷＯ3は屈折率およびアッベ数の調整に有
効な成分であるので５％まで添加することができるが、
それ以上導入させると失透性を悪化させるので好ましく
ない。Ｆ（弗素）はガラスの粘性や屈折率の調整に上記
金属酸化物の一部または全部を置換した化合物として５
％まで導入することができるが、脈理の発生や失透性を
増大させる作用があるので特に好ましい範囲は３％まで
である。なお、本発明のガラスの清澄、均質化のために
公知の脱泡剤であるＳｂ2Ｏ3を添加することができる
が、その量は１％までで十分である。
効な成分であるので５％まで添加することができるが、
それ以上導入させると失透性を悪化させるので好ましく
ない。Ｆ（弗素）はガラスの粘性や屈折率の調整に上記
金属酸化物の一部または全部を置換した化合物として５
％まで導入することができるが、脈理の発生や失透性を
増大させる作用があるので特に好ましい範囲は３％まで
である。なお、本発明のガラスの清澄、均質化のために
公知の脱泡剤であるＳｂ2Ｏ3を添加することができる
が、その量は１％までで十分である。
【００１８】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施例につい
て説明する。表１〜５には屈折率（nｄ）が１．５５〜
１．７１未満、アッベ数（νｄ）が２５〜５１の範囲
で、かつ、大きな負の異常分散性（Δθｇ，Ｆ≦−０．
００５１）を有する光学ガラスを得る場合の本発明の好
適な実施例（Ｎｏ．１〜２０）について、それぞれ得ら
れたガラスの屈折率（nｄ）、アッベ数（νｄ）、部分
分散比（θg,F）および異常分散性（Δθg,F）の数値を
示した。
て説明する。表１〜５には屈折率（nｄ）が１．５５〜
１．７１未満、アッベ数（νｄ）が２５〜５１の範囲
で、かつ、大きな負の異常分散性（Δθｇ，Ｆ≦−０．
００５１）を有する光学ガラスを得る場合の本発明の好
適な実施例（Ｎｏ．１〜２０）について、それぞれ得ら
れたガラスの屈折率（nｄ）、アッベ数（νｄ）、部分
分散比（θg,F）および異常分散性（Δθg,F）の数値を
示した。
【００１９】ここで、部分分散比（θg,F）とは、主分
散（ｎＦ−ｎＣ）に対する（ｎｇ−ｎＦ）の比であり、
異常分散性（Δθg,F）とは、正常なガラスとして、Ｆ
２および Ｋ７の２硝種を基準に選び、図１に示すごと
く、縦軸に部分分散比（θg,F）、横軸にアッベ数（ν
ｄ）をとり、２硝種を結ぶラインと本発明の実施例の各
々のガラスの値との縦座標の差を、部分分散比の偏りす
なわち異常分散性（Δθg,F）として表したものであ
る。なお、部分分散比の値が上記２硝種を結ぶラインよ
り上部に位置している場合には正の異常分散性（＋Δθ
g,F）また下部に位置している場合には負の異常分散性
（−Δθg,F）という。図２には、正常ガラスであるＦ
２およびＫ７（２重丸）を結ぶラインを実線（Ａ）で、
従来知られた負の異常分散性ガラスのラインを点線
（Ｂ）でおよび本発明による実施例（Ｎｏ．１〜２０）
の部分分散比の値を黒丸（Ｃ）で示した。
散（ｎＦ−ｎＣ）に対する（ｎｇ−ｎＦ）の比であり、
異常分散性（Δθg,F）とは、正常なガラスとして、Ｆ
２および Ｋ７の２硝種を基準に選び、図１に示すごと
く、縦軸に部分分散比（θg,F）、横軸にアッベ数（ν
ｄ）をとり、２硝種を結ぶラインと本発明の実施例の各
々のガラスの値との縦座標の差を、部分分散比の偏りす
なわち異常分散性（Δθg,F）として表したものであ
る。なお、部分分散比の値が上記２硝種を結ぶラインよ
り上部に位置している場合には正の異常分散性（＋Δθ
g,F）また下部に位置している場合には負の異常分散性
（−Δθg,F）という。図２には、正常ガラスであるＦ
２およびＫ７（２重丸）を結ぶラインを実線（Ａ）で、
従来知られた負の異常分散性ガラスのラインを点線
（Ｂ）でおよび本発明による実施例（Ｎｏ．１〜２０）
の部分分散比の値を黒丸（Ｃ）で示した。
【００２０】
【表１】
【００２１】
【表２】
【００２２】
【表３】
【００２３】
【表４】
【００２４】
【表５】
【００２５】表１〜５および図２に見られるとおり、本
発明のガラスは、いずれも所定の光学恒数を有しなが
ら、従来知られたガラスに比較して異常分散性（Δθg,
F）において同等もしくはそれ以上の大きな負の値を有
している。なお、表１〜５に記載の本発明の実施例のガ
ラスは、いずれも酸化物、炭酸塩および硝酸塩等の通常
の光学ガラス原料を用いて所定の割合で秤量混合した
後、白金ルツボに投入し、ガラス組成の溶融の難易度に
応じて１３００〜１４００℃の温度で３〜４時間溶融
し、撹拌均質化した後、適当な温度に下げてから金型等
に鋳込み徐冷することにより容易に得られる。
発明のガラスは、いずれも所定の光学恒数を有しなが
ら、従来知られたガラスに比較して異常分散性（Δθg,
F）において同等もしくはそれ以上の大きな負の値を有
している。なお、表１〜５に記載の本発明の実施例のガ
ラスは、いずれも酸化物、炭酸塩および硝酸塩等の通常
の光学ガラス原料を用いて所定の割合で秤量混合した
後、白金ルツボに投入し、ガラス組成の溶融の難易度に
応じて１３００〜１４００℃の温度で３〜４時間溶融
し、撹拌均質化した後、適当な温度に下げてから金型等
に鋳込み徐冷することにより容易に得られる。
【００２６】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明のガラスは特
定組成域のＳｉＯ２ −Ｂ２Ｏ３−ＺｒＯ２ −Ｎｂ２Ｏ
５系ガラスであり、屈折率(ｎｄ)が１．５５〜１．７１
未満、アッべ数（νｄ）が２５〜５１の範囲の光学恒数
および大きな負の異常分散性を有し、そのうえ、ガラス
の均質性にも優れている。
定組成域のＳｉＯ２ −Ｂ２Ｏ３−ＺｒＯ２ −Ｎｂ２Ｏ
５系ガラスであり、屈折率(ｎｄ)が１．５５〜１．７１
未満、アッべ数（νｄ）が２５〜５１の範囲の光学恒数
および大きな負の異常分散性を有し、そのうえ、ガラス
の均質性にも優れている。
【図１】図１は、正、負の異常分散性（Δθg,F）を示
すθg,F−νｄ図である。
すθg,F−νｄ図である。
【図２】図２は、θg,F−νｄ図における本発明の実施
例（Ｎｏ．１〜２０）の部分分散比（θg,F）を示す図
である。
例（Ｎｏ．１〜２０）の部分分散比（θg,F）を示す図
である。
Ａ． 正常ガラスであるＦ２およびＫ７を結ぶライン Ｂ． 従来知られた負の異常分散性ガラスのライン Ｃ． 本発明による実施例（Ｎｏ．１〜２０）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C03C 1/00 - 14/00
Claims (2)
- 【請求項１】 重量百分率で、 ＳｉＯ２ １０〜４０％未満、 Ｂ２Ｏ３ １２．５〜３５％、 ＺｒＯ２ ３〜２０％、 Ｎｂ２Ｏ５ ６〜３０％、 Ｌｉ２Ｏ ０〜 ５％、 Ｎａ２Ｏ ０〜２５％、 Ｋ２Ｏ ０〜１０％、 ＭｇＯ ０〜 ５％未満、 ＣａＯ ０〜 ５％未満、 ただし、ＭｇＯ＋ＣａＯ ５％未満、 ＳｒＯ ０〜１５％、 ＢａＯ ０〜２０％、 ＺｎＯ ０〜 １５％、 Ａｌ２Ｏ３ ０〜３％、 Ｔａ２Ｏ５ ０〜１５％、 Ｐ２Ｏ５ ０〜 ５％未満、 ＧｅＯ２ ０〜 ５％、 ＳｎＯ２ ０〜 ２％、 ＷＯ３ ０〜 ５％、 Ｓｂ２Ｏ３ ０〜 １％、 および上記金属酸化物の一部または全部を置換した弗化
物のＦ（弗素）としての合計量で０〜５％の範囲からな
り、かつ、屈折率（nｄ）が１．５５〜１．７１未満、
アッベ数（νｄ）が２５〜５１の範囲の光学恒数、およ
び負の異常分散性 Δθｇ，Ｆ≦−０．００５１ を有することを特徴とする光学ガラス。 - 【請求項２】 重量百分率で、 ＳｉＯ２ １７〜４０％未満、 Ｂ２Ｏ３ １２．５〜３３％、 ＺｒＯ２ ７〜１８％、 Ｎｂ２Ｏ５ ６〜２９％、 Ｌｉ２Ｏ ０〜２．５％、 Ｎａ２Ｏ ４〜２５％、 Ｋ２Ｏ ０〜 ５％、 ＭｇＯ ０〜 ５％未満、 ＣａＯ ０〜 ５％未満、 ただし、ＭｇＯ＋ＣａＯ ５％未満、 ＳｒＯ ０〜 ５％、 ＢａＯ ０〜１９％、 ＺｎＯ ０〜 ６％、 Ａｌ２Ｏ３ ０〜 ３％、 Ｔａ２Ｏ５ ０〜１０％、 Ｐ２Ｏ５ ０〜 ５％未満、 ＧｅＯ２ ０〜 ５％、 ＳｎＯ２ ０〜 ２％、 ＷＯ３ ０〜 ５％、 Ｓｂ２Ｏ３ ０〜 １％、 および上記金属酸化物の一部または全部を置換した弗化
物のＦ（弗素）としての合計量で０〜３％の範囲からな
り、かつ、屈折率（nｄ）が１．５５〜１．７１未満、
アッベ数（νｄ）が２５〜５１の範囲の光学恒数、およ
び負の異常分散性 Δθｇ，Ｆ≦−０．００５１ を有することを特徴とする請求項１に記載の光学ガラ
ス。
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