JP6792806B2 - ガラス板 - Google Patents

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Description

本発明は、熱加工に好適な低軟化点のガラス板に関する。
車載用ヘッドアップディスプレイ(HUD)には、フロントガラスに直接投影する方式と、ダッシュボード上部に設置された専用パネルに投影する方式とが用いられている。また、HUDでは、表示光が樹脂製の凹面鏡を介して投影される。
図1は、フロントガラスに直接投影する方式のHUD1の構造を示す概略構成図である。図1に示すように、表示器10から出射される光は、凹面鏡11で反射され、出射窓12を通って、フロントガラス13に投影される。運転者は、フロントガラス13に表示された表示画像と車両前方の風景とを重ね合わせて見ることができ、車両運転中に視線の移動を殆ど伴わずに、車速等の運転情報を確認することが可能になる。なお、凹面鏡11は、樹脂板を熱曲げ加工したものであり、凹面鏡11の表示光を反射させる凹部側の表面には、図示しない反射膜が成膜されている。
凹面鏡に用いられる樹脂板は、傷が付き易く、一旦、傷が付いてしまうと、表示画像が不鮮明になるという問題がある。また、車内が高温になった場合、樹脂板が熱変形してしまい、表示画像が不鮮明になるという問題もある。
一方、フロントガラス等に用いられているソーダガラス板は、樹脂板よりも表面に傷が付き難く、耐熱性も良好である。そこで、このソーダガラス板を熱曲げ加工して、凹面鏡に適用することが検討されている。
しかし、ソーダガラス板は、軟化点が約720℃であるため、熱曲げ加工を適正に行うことが困難である。詳述すると、ガラス板を熱曲げ加工する場合、軟化点以上の温度に熱処理する必要があるが、この熱処理温度が700℃より高くなると、熱曲げ加工を行うための金型等の寿命が短くなる。なお、金型等の寿命を高めるために、低温で熱曲げ加工を行うと、金型に倣ってガラス板が変形し難くなり、寸法安定性が低下してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、熱加工性に優れるガラス板を創案することである。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、各成分の含有量を厳密に規制すると共に、ガラス板の軟化点を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス板は、ガラス組成として、mol%で、SiO 35〜65%、Al 0〜10%、B 5〜25%、LiO 0〜15%、NaO 5〜20%、KO 0〜12%、CsO 0〜5%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 3〜22%を含有し、軟化点が700℃以下であることを特徴とする。ここで、「MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO」は、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOの合量を指す。
本発明のガラス板では、軟化点が700℃以下に規制されている。これにより、熱加工を行うための金型等の寿命が長くなり、更に金型の形状に倣って熱加工を適正に行うことが可能になる。
本発明のガラス板では、上記のように各成分の含有量を規制している。これにより、軟化点が低下し易くなると共に、耐失透性が向上するため、ガラス板に成形し易くなる。
第二に、本発明のガラス板は、LiO+NaO+KO+CsOの含有量が13〜25mol%であり、且つmol%比(LiO+NaO+KO+CsO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)が0.5〜7であることが好ましい。ここで、「LiO+NaO+KO+CsO」は、LiO、NaO、KO及びCsOの合量を指す。「(LiO+NaO+KO+CsO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)」は、LiO、NaO、KO及びCsOの合量をMgO、CaO、SrO、BaO及びZnOの合量で割った値を指す。
第三に、本発明のガラス板は、熱加工を施されてなることが好ましい。
第四に、本発明のガラス板は、熱加工により曲面が形成されており、その曲面の曲率半径が100〜2000mmであることが好ましい。
第五に、本発明のガラス板は、少なくとも一方の表面の表面粗さRaが0.1〜5μmであることが好ましい。
第六に、本発明のガラス板は、表面にイオン交換による圧縮応力層が形成されていないことが好ましい。
第七に、本発明のガラス板は、板厚が0.1〜3mmであることが好ましい。
第八に、本発明のガラス板は、表面積が50cm以上であることが好ましい。
第九に、本発明のガラス板は、少なくとも一方の表面に機能膜を有することが好ましい。ここで、「表面粗さRa」とは、JIS B0601−2001に定められた算術平均粗さRaを指す。
第十に、本発明のガラス板は、液相温度における粘度が104.0dPa・s以上であることが好ましい。ここで、ここで、「液相温度における粘度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定することにより算出可能である。
第十一に、本発明のガラス板は、オーバーフローダウンドロー法又はロールアウト法で成形されてなることが好ましい。
第十二に、本発明のガラス板は、HUDの凹面鏡に用いられることが好ましい。
第十三に、本発明のガラス板は、導光板に用いられることが好ましい。
フロントガラスに直接投影する方式のHUDの構造を示す概略構成図である。
本発明のガラス板において、軟化点は700℃以下であり、好ましくは650℃以下、630℃以下、600℃以下、特に580℃以下である。軟化点が700℃より高いと、熱加工を行うための金型等の寿命が短くなったり、金型の形状に倣って熱加工を行うことが困難になる。
本発明のガラス板は、ガラス組成として、mol%で、SiO 35〜65%、Al 0〜10%、B 5〜25%、LiO 0〜15%、NaO 3〜20%、KO 0〜12%、CsO 0〜5%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 3〜22%を含有することが好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、mol%を表す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する主成分である。SiOの含有量が少な過ぎると、ヤング率、耐酸性、耐候性が低下し易くなる。よって、SiOの好適な下限範囲は35%以上、40%以上、45%以上、特に50%以上である。一方、SiOの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇することに加えて、失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。よって、SiOの好適な上限範囲は65%以下、60%以下、58%以下、55%以下、特に53%以下である。
Alは、ヤング率を高める成分である。Alの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、0.2%以上、0.5%以上、特に1%以上である。一方、Alの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性、成形性が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限範囲は10%以下、8%以下、6%以下、5%以下、特に4%以下である。
は、ガラスの骨格を形成する成分である。Bの含有量が少な過ぎると、液相温度が上昇し易くなる。よって、Bの好適な下限範囲は5%以上、7%以上、特に9%以上である。一方、Bの含有量が多過ぎると、ヤング率が低下し易くなる。よって、Bの好適な上限範囲は25%以下、23%以下、20%以下、18%以下、特に15%以下である。
アルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO、CsO)は、軟化点を低下させる成分であるが、多量に導入すると、ヤング率が低下し易くなり、またガラスの粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、LiO+NaO+KO+CsOの好適な下限範囲は13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、特に18%以上であり、好適な上限範囲は27%以下、25%以下、23%以下、22%以下、20%以下、特に19%以下である。LiOの好適な下限範囲は0%以上、1%以上、3%以上、4%以上、5%以上、特に6%以上であり、好適な上限範囲は15%以下、13%以下、11%以下、10%以下、9%以下、特に7.5%以下である。NaOの好適な下限範囲は3%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、特に9%以上であり、好適な上限範囲は20%以下、16%以下、13%以下、12%以下、11%以下、特に10%以下である。KOの好適な下限範囲は0%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、特に2%以上であり、好適な上限範囲は12%以下、10%以下、8%以下、6%以下、5%以下、特に4%以下である。CsOの好適な下限範囲は0%以上、特に0.05%以上であり、好適な上限範囲は5%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.2%以下である。
mol%比LiO/(LiO+NaO+KO+CsO)を所定範囲に規制すれば、軟化点を効果的に低下させることができる。mol%比LiO/(LiO+NaO+KO+CsO)の好適な下限範囲は0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、特に0.5超であり、好適な上限範囲は1以下、0.9以下、0.8以下、0.7以下、特に0.6以下である。なお、「LiO/(LiO+NaO+KO+CsO)」は、LiOの含有量をLiO、NaO、KO及びCsOの合量で割った値を指す。
MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOは軟化点を低下させる成分である。しかし、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOを多量に導入すると、密度が過大になったり、ヤング率が低下し易くなったり、また高温粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの好適な下限範囲は3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、特に10%以上であり、好適な上限範囲は22%以下、20%以下、18%以下、16%以下、15%以下、14%以下、特に12%以下である。
mol%比(LiO+NaO+KO+CsO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)を所定範囲に規制すれば、軟化点を下げつつ、液相粘度を高めることができる。よって、mol%比(LiO+NaO+KO+CsO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)の好適な下限範囲は0.5以上、0.7以上、0.9以上、1.1以上、1.3以上、特に1.5以上であり、好適な上限範囲は7以下、6以下、5以下、4以下、特に3.5以下である。
MgOは、軟化点を低下させつつ、溶融性を高める成分であり、またアルカリ土類金属酸化物の中では、ヤング率を有効に高める成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性、耐候性が低下し易くなる。MgOの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、特に0.5%以上であり、好適な上限範囲は10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、特に5%以下である。
CaOは、軟化点を低下させつつ、溶融性を高める成分であり、またアルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、耐失透性、耐候性が低下し易くなる。CaOの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、特に0.5%以上であり、好適な上限範囲は10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、特に5%以下である。
SrOは、耐失透性を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、逆に耐失透性が低下し易くなる。よって、SrOの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、特に0.5%以上であり、好適な上限範囲は10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、特に5%以下である。
BaOは、耐失透性を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、逆に耐失透性が低下し易くなる。よって、BaOの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、特に0.5%以上であり、好適な上限範囲は10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、特に5%以下である。
ZnOは、溶融性を顕著に高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。よって、ZnOの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、特に0.5%以上であり、好適な上限範囲は18%以下、15%以下、12%以下、10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、特に5%以下である。
上記成分以外にも、他の成分を導入してもよい。なお、上記成分以外の他の成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で12%以下、10%以下、8%以下、特に5%以下が好ましい。
TiOとZrOは、耐酸性を高める成分である。しかし、TiO+ZrOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下したり、透過率が低下し易くなる。よって、TiO+ZrOの好適な下限範囲は0%以上、1%以上、2%以上、特に3%以上であり、好適な上限範囲は10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、特に5%以下である。TiOの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、0.5%以上、1%以上、2%以上、特に3%以上であり、好適な上限範囲は10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、特に4%以下である。ZrOの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、2%以下、1%以下、特に0.5%以下である。なお、「TiO+ZrO」は、TiOとZrOの合量を指す。
清澄剤として、As、Sb、CeO、SnO、F、Cl、SOの群から選択された一種又は二種以上を0〜2%添加することができる。但し、As及びFは、環境的観点から、実質的に含有しないこと、つまり0.1%未満が好ましい。特に、清澄剤として、SbとClが好ましい。Sbの好適な下限範囲は0%以上、0.01%以上、特に0.05%以上であり、好適な上限範囲は1%以下、0.5%以下、0.3%以下、特に0.2%以下である。Clの好適な下限範囲は0%以上、0.01%以上、特に0.03%以上であり、好適な上限範囲は1%以下、0.3%以下、0.1%以下、特に0.08%以下である。
PbOとBiは、高温粘性を低下させる成分であるが、環境的観点から、実質的に含有しないこと、つまり0.1%未満が好ましい。
、La、Nb、Gd、Ta、WOには、ヤング率等を高める働きがある。しかし、これらの成分の含有量が各々5%、特に1%より多いと、原料コスト、製品コストが高騰する虞がある。
本発明のガラス板は、以下の特性を有することが好ましい。
液相温度は、好ましくは750℃未満、730℃以下、700℃以下、680℃以下、670℃以下、660℃以下、特に650℃以下である。このようにすれば、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなるため、板厚が小さいガラス板を作製し易くなる。
液相温度における粘度は、好ましくは104.6dPa・s以上、104.8dPa・s以上、105.0dPa・s以上、105.2dPa・s以上、特に105.3dPa・s以上である。このようにすれば、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなるため、板厚が小さいガラス板を作製し易くなる。更に、成形時にガラスに失透結晶が発生し難くなる。結果として、ガラス板の製造コストを低下させることができる。
高温粘度102.0dPa・sにおける温度は、好ましくは1250℃以下、1200℃以下、1180℃以下、特に1150℃以下である。高温粘度102.0dPa・sにおける温度が高くなると、溶融性が低下して、ガラス板の製造コストが高騰する。ここで、「高温粘度102.0dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。なお、高温粘度102.0dPa・sにおける温度は、溶融温度に相当し、この温度が低い程、溶融性が向上する。
本発明のガラス板は、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下頂端で合流させながら、下方に延伸してガラス板を製造する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形される。このため、表面平滑性が高いガラス板を作製し易くなる。
ガラス板の成形方法として、オーバーフローダウンドロー法以外にも、例えば、スロットダウン法、リドロー法、フロート法、ロールアウト法等を採択することもできる。
本発明のガラス板は、上記の通り、低軟化点であるため、金型等の形状に倣って、熱加工を適正に行うことができる。よって、本発明のガラス板は、熱加工を施されてなることが好ましく、熱曲げ加工が施されてなることがより好ましい。また、熱加工により曲面を形成する場合、その曲面の曲率半径を100〜2000mm、特に200〜1000mmとすることが好ましい。このようにすれば、HUDの凹面鏡等に適用し易くなる。
本発明のガラス板において、少なくとも一方の表面の表面粗さRaは0.1〜5μm、特に0.3〜3μmが好ましい。特に、金型を用いて熱曲げ加工を行う場合、金型と接触表面の表面粗さRaを0.1〜5μm、特に0.3〜3μmに規制することが好ましい。このようにすれば、表示画像を不鮮明にすることなく、熱曲げ加工の効率を高めることができる。なお、金型と接触表面の表面粗さRaが大きい場合は、その表面をファイアポリッシュすれば、その表面粗さRaを低下させることができる。
本発明のガラス板は、表面にイオン交換による圧縮応力層が形成されていないことが好ましい。このようにすれば、イオン交換処理が不要になるため、ガラス板の製造コストを低下させることができる。
本発明のガラス板において、板厚は、好ましくは3.0mm以下、2.5mm以下、2.0mm以下、1.5mm以下、1.0mm以下、特に0.9mm以下である。板厚が薄くなる程、ガラス板を軽量化し易くなり、熱加工を行い易くなる。一方、板厚が薄過ぎると、ガラス板自体の強度が低下する。よって、板厚は、好ましくは0.1mm以上、0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、特に0.7mm超である。
本発明のガラス板は、表面積が50cm以上、特に100cm以上が好ましい。このようにすれば、HUDの凹面鏡等に適用した場合に、表示画像を十分に拡大することが可能になる。
本発明のガラス板は、少なくとも一方の表面に機能膜(特に反射膜)を有することが好ましい。反射膜としてはAl等の金属膜が好ましい。このようにすれば、HUDの凹面鏡等に適用し易くなる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜14)を示している。
まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1200〜1400℃で4時間溶融した。ガラスバッチの溶解に際しては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、得られた溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板状に成形した後、徐冷点より20℃程度高い温度から、3℃/分の速度で常温まで徐冷した。得られた各試料について、30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数α、密度ρ、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、高温粘度104.0dPa・sにおける温度、高温粘度103.0dPa・sにおける温度、高温粘度102.5dPa・sにおける温度、高温粘度102.0dPa・sにおける温度、液相温度TL、液相温度TLにおける粘度ηを評価した。
30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数αは、ディラトメーターで測定した値である。
密度ρは、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Tsは、ASTM C336の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を顕微鏡観察にて測定した値である。液相温度TLにおける粘度ηは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
表1から明らかなように、試料No.1〜14は、軟化点Tsが577〜699℃、液相温度TLにおける粘度ηが105.2dPa・s以上であった。よって、試料No.1〜14は、熱加工性と耐失透性に優れるため、熱加工に供されるガラス板として好適であると考えられる。
試料No.1〜14に係るガラス板(板厚0.8mm)について、金型の形状に倣うように、軟化点付近の温度で熱曲げ加工を行い、その後、表示光を反射させるべき凹部側の表面にAlの金属膜を形成することにより、凹面鏡を作製した。
本発明のガラス板は、熱加工性に優れるため、HUDの凹面鏡以外にも、曲面形状を有する導光板等にも好適である。
1 HUD、10 表示器、11 凹面鏡、12 出射窓、13 フロントガラス

Claims (13)

  1. ガラス組成として、mol%で、SiO 35〜65%、Al 0〜10%、B 15.7〜19.2%、LiO 0〜15%、Na5.8〜20%、KO 0〜12%、CsO 0〜5%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 4〜22%、BaO 0〜0.6%、ZnO 0〜7%を含有し、軟化点が700℃以下であることを特徴とするガラス板。
  2. LiO+NaO+KO+CsOの含有量が13〜25mol%であり、且つmol%比(LiO+NaO+KO+CsO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)が0.5〜7であることを特徴とする請求項1に記載のガラス板。
  3. ガラス組成中のLiOの含有量が5mol%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板。
  4. 熱加工により曲面が形成されており、その曲面の曲率半径が100〜2000mmであることを特徴とする請求項3に記載のガラス板。
  5. 少なくとも一方の表面の表面粗さRaが0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス板。
  6. 表面にイオン交換による圧縮応力層が形成されていないことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラス板。
  7. 板厚が0.1〜3mmであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のガラス板。
  8. 表面積が50cm以上であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のガラス板。
  9. 少なくとも一方の表面に機能膜を有することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のガラス板。
  10. 液相温度における粘度が104.0dPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のガラス板。
  11. オーバーフローダウンドロー法又はロールアウト法で成形されてなることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のガラス板。
  12. ヘッドアップディスプレイの凹面鏡に用いられることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のガラス板。
  13. 導光板に用いられることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のガラス板。
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