JP2014108908A - 集光型太陽光発電装置用フレネルレンズに用いられるガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】集光型太陽光発電装置用フレネルレンズに用いられるガラスであって、耐候性に優れ、かつ、複雑な形状に容易に加工することが可能なガラスを提供する。
【解決手段】集光型太陽光発電装置用フレネルレンズに用いられるガラスであって、質量%で、SiO2 30〜80%、B2O3 0〜40%、Al2O3 0〜20%、Li2O 0.1〜4.5%、ZrO2 0.1〜10%、及び、BaO 0〜17%を含有することを特徴とするガラス。
【選択図】図1
【解決手段】集光型太陽光発電装置用フレネルレンズに用いられるガラスであって、質量%で、SiO2 30〜80%、B2O3 0〜40%、Al2O3 0〜20%、Li2O 0.1〜4.5%、ZrO2 0.1〜10%、及び、BaO 0〜17%を含有することを特徴とするガラス。
【選択図】図1
Description
本発明は、集光型太陽光発電装置用フレネルレンズに用いられるガラスに関する。
一般に、集光型太陽光発電装置は、集光レンズと太陽電池セルを備えており、集光レンズにより集められた太陽光等の光が太陽電池セルに照射される構造を有している。集光レンズには例えばフレネルレンズが使用される。フレネルレンズに用いられる材質として、特許文献1にはアクリル樹脂、特許文献2にはシリコーン樹脂、特許文献3にはケイ酸塩ガラスが開示されている。
アクリル樹脂製またはシリコーン樹脂製のフレネルレンズは、金型を用いたプレス成型により作製される。ケイ酸塩ガラス製のフレネルレンズは、樹脂製のフレネルレンズと同様にプレス成型により作製されるか、あるいは、インゴット状のプリフォームガラスに対し、研削、研磨加工を施すことにより作製される。
ところで、集光型太陽光発電装置は主に屋外で使用されるため、それに用いられるフレネルレンズには優れた耐候性が要求される。
アクリル樹脂製のフレネルレンズは透湿性が高いため、空気中の水分または雨水を起因とする水分を吸収しやすい。フレネルレンズに含まれた水分は、外気温の低下により氷結され、クラックの原因となるおそれがある。
シリコーン樹脂製のフレネルレンズは屈折率の温度依存性が高いため、外気温の変化によって焦点距離が変化して発電効率が低下するおそれがある。
ケイ酸塩ガラス製のフレネルレンズは、樹脂製のフレネルレンズが有する上記問題は生じにくいものの、耐候性が未だ不十分である。そのため、長期間屋外で使用すると、表面変質等の不具合が発生しやすい。
なお、集光型太陽光発電装置における発電効率のさらなる向上や小型化を図るため、フレネルレンズの形状に種々の工夫を凝らすことが考えられている。例えば、フレネルレンズの端部を、曲面形状や多角錐形状等の複雑な形状に加工することが今後要求されると予想される。しかしながら、切削や研磨加工ではこのような複雑な形状を達成することが困難であり、コスト面でも不利である。
以上に鑑み、本発明は、集光型太陽光発電装置用フレネルレンズに用いられるガラスであって、耐候性に優れ、かつ、複雑な形状に容易に加工することが可能なガラスを提供することを目的とする。
本発明は、集光型太陽光発電装置用フレネルレンズに用いられるガラスであって、質量%で、SiO2 30〜80%、B2O3 0〜40%、Al2O3 0〜20%、Li2O 0.1〜4.5%、ZrO2 0.1〜10%、及び、BaO 0〜17%を含有することを特徴とするガラスに関する。
質量%で、SiO2+B2O3+Al2O3が30〜80%であり、かつ、質量比で、SiO2/Al2O3が5.1以上であることが好ましい。
さらに、質量%で、MgO 0〜20%、CaO 0〜20%、SrO 0〜20%、ZnO 0〜20%、Na2O 0〜20%、K2O 0〜20%、及び、TiO2 0〜10%を含有することが好ましい。
質量%で、MgO+CaO+SrO+BaOが20%以下、かつ、Li2O+Na2O+K2Oが20%以下であることが好ましい。
さらに、質量%で、CeO2+Nd2O3+Pr2O3+Eu2O3+Tb2O3+Er2O3+Y2O3+Yb2O5を0〜5%を含有することが好ましい。
鉛成分、ヒ素成分及びフッ素成分を実質的に含有しないことが好ましい。
30〜300℃における平均線熱膨張係数が120×10−7/℃以下であることが好ましい。
102.0Pa・sの粘度に相当する温度が1300℃以下であることが好ましい。
軟化点が750℃以下であることが好ましい。
波長400nmにおける内部透過率が90%以上であることが好ましい。
また、本発明は、前記いずれかのガラスからなることを特徴とする集光型太陽光発電装置用フレネルレンズに関する。
さらに、本発明は、太陽電池と、太陽電池に集光する集光光学系とを備え、集光光学系が前記フレネルレンズを有することを特徴とする集光型太陽光発電装置に関する。
本発明によれば、集光型太陽光発電装置用フレネルレンズに用いられるガラスであって、耐候性に優れ、かつ、複雑な形状に容易に加工することが可能なガラスを提供することができる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率等は、現実の物体の寸法の比率等とは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
(集光型太陽光発電装置)
図1は、本実施形態に係るフレネルレンズを備えた集光型太陽光発電装置の模式的概念図である。
図1は、本実施形態に係るフレネルレンズを備えた集光型太陽光発電装置の模式的概念図である。
集光型太陽光発電装置1は、太陽電池5と、太陽電池5に太陽光を集光する集光光学系2とを備える。集光光学系2は、フレネルレンズ3と光学素子4とを有する。フレネルレンズ3は、太陽光等の光を集光し、光学素子4を介して太陽電池5に光を照射する。光学素子4は、フレネルレンズ3により集光された光を均質化し、太陽電池5の受光面50に導く。
太陽電池5の種類は特に限定されない。太陽電池5は、例えば、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、薄膜太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、色素増感型太陽電池、有機半導体太陽電池等により構成することができる。
(フレネルレンズ)
フレネルレンズ3を構成するガラスは、質量%で、SiO2 30〜80%、B2O3 0〜40%、Al2O3 0〜20%、Li2O 0.1〜4.5%、ZrO2 0.1〜10%、及び、BaO 0〜17%を含有する。当該組成を有するガラスからなるフレネルレンズであれば、耐候性に優れ、長期間屋外で使用しても、表面変質等の不具合が生じにくい。また、低軟化点または低粘度を達成しやすいため、溶融や成形に適しており、金型の形状を適宜選択することにより、複雑な形状を有するフレネルレンズを容易に作製することが可能となる。
フレネルレンズ3を構成するガラスは、質量%で、SiO2 30〜80%、B2O3 0〜40%、Al2O3 0〜20%、Li2O 0.1〜4.5%、ZrO2 0.1〜10%、及び、BaO 0〜17%を含有する。当該組成を有するガラスからなるフレネルレンズであれば、耐候性に優れ、長期間屋外で使用しても、表面変質等の不具合が生じにくい。また、低軟化点または低粘度を達成しやすいため、溶融や成形に適しており、金型の形状を適宜選択することにより、複雑な形状を有するフレネルレンズを容易に作製することが可能となる。
以下に、各成分の含有量を上記のように特定した理由を説明する。
SiO2はガラス骨格を構成する成分であり、失透を抑制するとともに耐候性を向上させる効果がある。SiO2の含有量は30〜80%であり、好ましくは40〜75%、より好ましくは45〜70%、さらに好ましくは45〜65%、特に好ましくは45〜60%である。SiO2が少なすぎると、ガラスが不安定になって耐失透性が低下したり、分相するとともに耐酸性や耐水性等の耐候性が低下しやすくなる。また、熱膨張係数が大きくなって、耐熱衝撃性が低下するおそれがある。一方、SiO2の含有量が多すぎると、軟化点が高くなったり、屈折率が低下する傾向がある。
B2O3もガラス骨格を構成する成分であり、失透を抑制するとともに耐候性を向上させる効果がある。B2O3の含有量は0〜40%であり、好ましくは2.5〜30%、より好ましくは5〜20%である。B2O3の含有量が多すぎると、耐候性が低下したり、屈折率が低下する傾向がある。
Al2O3もガラス骨格を構成する成分であり、失透を抑制するとともに耐候性を向上させる効果がある。Al2O3の含有量は0〜20%であり、好ましくは2.5〜15%、より好ましくは5〜10%である。Al2O3の含有量が多すぎると、屈折率が低下するとともに耐候性が低下する傾向がある。
Li2Oは融剤として作用し、軟化点を低下させる効果が大きい成分である。Li2Oの含有量は0.1%〜4.5%であり、好ましくは1〜4%、より好ましくは2〜4%である。Li2Oの含有量が少なすぎると、前記効果が得られにくくなる。一方、Li2Oの含有量が多すぎると、耐酸性や耐水性等の耐候性が低下する傾向がある。また、熱膨張係数が大きくなって、耐熱衝撃性が低下するおそれがある。
ZrO2は耐酸性や耐水性等の耐候性を飛躍的に向上させる効果がある成分である。ZrO2の含有量は0.1〜10%であり、好ましくは1〜5%である。ZrO2の含有量が少なすぎると、前記効果が得られにくくなる。一方、ZrO2の含有量が多すぎると、粘度が高くなったり、失透しやすくなる。
BaOは、耐酸性や耐水性等の耐候性をあまり低下させることなく、軟化点を低下させる効果がある成分である。BaOの含有量は0〜17%であり、好ましくは0.5〜15%、より好ましくは1〜10%、さらに好ましくは1.5〜9.5%である。BaOの含有量が多すぎると、耐酸性や耐水性等の耐候性が低下しやすくなる。
フレネルレンズ3を構成するガラスは、上記成分に加えて、 さらに、質量%で、MgO 0〜20%、CaO 0〜20%、SrO 0〜20%、ZnO 0〜20%、Na2O 0〜20%、K2O 0〜20%、及び、TiO2 0〜10%を含有することが好ましい。
MgO、CaO及びSrOは融剤として作用して軟化点を低下させるとともに、液相温度を低下させる効果がある。その含有量は各々好ましくは0〜20%、より好ましくは0.1〜15%である。これらの成分の含有量が多すぎると、耐酸性や耐水性等の耐候性が低下しやすくなる。
ZnOは融剤として作用して軟化点を低下させるとともに、液相温度を低下させる効果がある。特に、ZnOは、MgO、CaO及びSrOに比べ、軟化点を低下させる効果が高く、かつ、良好な耐候性を確保できる。ZnOの含有量は好ましくは0〜20%、より好ましくは0.1〜15%である。ZnOの含有量が多すぎると、耐酸性や耐水性等の耐候性が低下しやすくなる。
なお、良好な耐候性を得るためには、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を適宜調整することが好ましい。具体的には、MgO+CaO+SrO+BaOは好ましくは20%以下、より好ましくは19.5%以下、さらに好ましくは17.5%以下である。これらの成分の合量が多すぎると、耐侯性に劣る傾向がある。一方、軟化点を十分に低下させるためには、MgO+CaO+SrO+BaOは0.5%以上であることが好ましい。
Na2O及びK2Oは融剤として作用して軟化点を低下させるとともに、液相温度を低下させる効果がある。その含有量は各々好ましくは0〜20%、より好ましくは0.1〜15%、さらに好ましくは0.1〜10%である。これらの成分の含有量が多すぎると、アルカリ溶出が顕著となり、耐酸性や耐水性等の耐候性が低下しやすくなる。また、熱膨張係数が大きくなって耐熱衝撃性が低下するおそれがある。
なお、良好な耐候性及び耐熱衝撃性を確保するためには、アルカリ金属酸化物であるLi2O、Na2O及びK2Oの合量を適宜調整することが好ましい。具体的には、Li2O+Na2O+K2Oは好ましくは20%以下、より好ましくは16%以下、さらに好ましくは15%以下である。なお、軟化点を十分に低下させる効果を得るためには、Li2O+Na2O+K2Oは好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは1%以上、特に好ましくは2%以上である。
TiO2は融剤として作用して軟化点を低下させるとともに、紫外線による着色を抑制する効果や、耐酸性や耐水性等の耐候性を向上させる効果がある。TiO2の含有量は好ましくは0〜10%、より好ましくは0.1〜9.5%、さらに好ましくは0.1〜5%である。TiO2の含有量が多すぎると、透過率曲線において、紫外領域の透過率が長波長側にシフトして着色が起こりやすくなったり、屈折率が高くなりすぎる傾向がある。
フレネルレンズ3を構成するガラスは、上記成分に加えて、以下の成分を含有することができる。
CeO2、Nd2O3、Pr2O3、Eu2O3、Tb2O3、Er2O3、Y2O3及びYb2O5は、可視〜紫外域付近の光を吸収して強い発光が生じるため、これらの成分を適宜含有させることで発光効率を高めることができる。CeO2+Nd2O3+Pr2O3+Eu2O3+Tb2O3+Er2O3+Y2O3+Yb2O5は好ましくは0〜5%、より好ましくは0.1〜3%、さらに好ましくは0.1〜1%である。
WO3、Nb2O5、La2O3、Gd2O5及びTa2O5は、紫外域付近の吸収端の位置を大きく変化させる成分である。そのため、これらの成分の含有量を調整することにより、吸収端位置を任意に調整することが好ましい。具体的には、WO3+Nb2O5+La2O3+Gd2O5+Ta2O5は好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0.1〜8%、特に好ましくは1〜5%である。
本発明において、低粘度かつ耐侯性に優れたガラスを得るためには、以下のように各成分の合量や比率を調整することが好ましい。
SiO2+B2O3+Al2O3は好ましくは30〜80%、より好ましくは35〜75%である。SiO2+Al2O3+B2O3が少なすぎると、耐侯性に劣る傾向があり、一方、多すぎると、粘度が高くなりやすい。
SiO2/Al2O3は好ましくは5.1〜1000、より好ましくは5.5〜500、さらに好ましくは6.5〜300、特に好ましくは7.5〜200である。当該比率が小さすぎると、粘度が高くなりやすく、結果として溶融温度やプレス温度が高くなりやすい。一方、当該比率が大きすぎると、耐侯性に劣る傾向がある。
(SiO2+Al2O3)/ZrO2は好ましくは5〜700、より好ましくは10〜600である。当該比率が大きすぎると、耐侯性に劣る傾向があり、一方、小さすぎると、粘度が高くなりやすい。
Li2O/ZrO2は好ましくは0.1〜15、より好ましくは0.2〜10、さらに好ましくは0.5〜5である。当該比率が大きすぎると、耐侯性に劣る傾向があり、一方、小さすぎると、粘度が高くなりやすい。
BaO+ZnOは好ましくは1.5〜40%、より好ましくは2〜30%である。BaO+ZnOが少なすぎると、粘度が高くなりやすい。一方、BaO+ZnOが多すぎると、耐侯性に劣る傾向がある。
(SiO2+Al2O3)/Li2Oは好ましくは5〜700、より好ましくは10〜600である。当該比率が大きすぎると、粘度が高くなりやすい。一方、当該比率が小さすぎると、耐侯性に劣る傾向がある。
(Na2O+K2O)/Li2Oは好ましくは0.1〜100、より好ましくは0.2〜50である。当該比率が小さすぎると、熱膨張係数が大きくなって耐熱衝撃性が低下するおそれがある。また、粘度が高くなる傾向がある。一方、当該比率が大きすぎると、耐侯性に劣る傾向がある。
なお、本発明において、鉛成分(例えばPbO)、ヒ素成分(例えばAs2O3)及びフッ素成分(例えばF2)は、環境上の理由から、実質的なガラスへの導入は避けるべきである。よって、フレネルレンズ3を構成するガラスはこれらの成分を実質的に含有しないことが好ましい。具体的には、各成分の含有量は0.1%未満であることが好ましい。
また、着色成分であるFe2O3を多く含有すると、透過率が低下して発電効率低下の原因になる。よって、Fe2O3の含有量は好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。
また、清澄剤、酸化剤または還元剤として、Sb2O3、SO3、NO3、SnO2またはカーボン等を合量で1%以下含有することができる。
本発明のガラスの屈折率(nd)は特に限定されないが、例えば1.5〜1.7、特に1.5〜1.6であることが好ましい。屈折率が低すぎると、レンズとしての集光距離が長くなる傾向があるため、装置の大きさ(フレネルレンズ3と光学素子4の距離)に集光距離を適合させるためには複雑なレンズ形状が必要となる。また、光が外部に漏れやすくなる。一方、屈折率が高すぎると、フレネルレンズ3の受光面において光が反射して、フレネルレンズ3の内部に光が入射しにくくなる。
フレネルレンズ3の表面粗さは、JIS B0601で規定される算術表面粗さ(Ra)で200nm以下、100nm以下、50nm以下、20nm以下、特に10nm以下であることが好ましい。これにより、フレネルレンズ3の表面における光の散乱が抑制され、光が内部に入射しやすくなる。
本発明のガラスの30〜300℃における平均線熱膨張係数は、好ましくは120×10−7/℃以下、より好ましくは110×10−7/℃以下、さらに好ましくは100×10−7/℃以下である。平均線熱膨張係数が高すぎると、プレス成型後の冷却時や、屋外で使用した際の温度変化に対応できず、破損するおそれがある。さらに、レンズの焦点が変化し、高い発電効率が得られにくい。なお、下限については特に限定されないが、現実的には30×10−7/℃以上、特に50×10−7/℃以上である。
本発明のガラスの102.0Pa・sの粘度に相当する温度は、好ましくは1300℃以下、より好ましくは1200℃以下である。102.0Pa・sの粘度に相当する温度が高すぎると、溶融の際の耐火物や成型の際の金型が劣化しやすくなる。
本発明のガラスの軟化点は、好ましくは750℃以下、より好ましくは700℃以下、さらに好ましくは650℃以下である。軟化点が高すぎると、成形時に金型が劣化がしやすくなる。
本発明のガラスは、波長400nmにおける内部透過率が、好ましくは90%以上、より好ましくは92.5%以上、さらに好ましくは95%以上である。波長400nmにおける内部透過率が低すぎると、集光型太陽光発電装置の発電効率に劣る傾向がある。
本発明のガラスは、波長300nmにおける内部透過率が、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下、最も好ましくは0%である。波長300nmにおける内部透過率が高すぎると、集光型太陽光発電装置1を構成する部材同士(例えば、光学素子4と太陽電池5)を接着するシリコーン樹脂等が劣化しやすくなる。
また、本発明のガラスは、内部透過率が0%となる波長が、好ましくは250nm以上、より好ましくは275nm以上、さらに好ましくは280nm以上である。内部透過率が0%となる波長が小さすぎると、紫外光が透過しやすくなるため、集光型太陽光発電装置1を構成する部材同士を接着するシリコーン樹脂等が劣化しやすくなる。
なお、本発明において、内部透過率は厚さ10mmで測定した値をいう。
以下、フレネルレンズ3の製造方法の一例について説明する。
(フレネルレンズの製造方法)
フレネルレンズ3は、上記組成を有するガラス材料に対して、機械研磨による研磨加工またはプレス成形を施すことにより得られる。プレス成形は、溶融ガラスを直接金型に流し込み、加圧成形を行うダイレクトプレス成形や、一旦ガラス化して得られた成形体を再加熱し、軟化変形させるリヒートプレス成形等が挙げられる。特に、複雑な形状のフレネルレンズを得る場合は、機械研磨よりプレス成型が有利である。
フレネルレンズ3は、上記組成を有するガラス材料に対して、機械研磨による研磨加工またはプレス成形を施すことにより得られる。プレス成形は、溶融ガラスを直接金型に流し込み、加圧成形を行うダイレクトプレス成形や、一旦ガラス化して得られた成形体を再加熱し、軟化変形させるリヒートプレス成形等が挙げられる。特に、複雑な形状のフレネルレンズを得る場合は、機械研磨よりプレス成型が有利である。
プレス成型によりフレネルレンズ3を作製する場合、低軟化点あるいは低粘度のガラスを用いることで、金型の劣化を抑制することができる。
成型後、例えば火炎研磨を行なうことにより、良好な表面粗さを容易に得ることができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
表1〜5は本発明の実施例(No.1〜39)及び比較例(No.40、41)をそれぞれ示している。
各試料は次のようにして調製した。
まず、表に示す各組成になるようにガラス原料を調合し、白金ルツボを用いて1000〜1400℃で4時間溶融した。溶融後、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、さらにアニール後、各測定に適した試料を作製した。
得られた試料について、熱膨張係数、軟化点、102.0Pa・sの粘度に相当する温度、内部透過率を測定した。また、耐侯性について評価した。結果を表1〜5に示す。
表から明らかなように、実施例であるNo.1〜39の試料は、熱膨張係数が97×10−7/℃以下、軟化点が745℃以下、102.0Pa・sの粘度に相当する温度が1295℃以下、波長400nmにおける内部透過率が97%以上、波長300nmにおける内部透過率が31%以下、内部透過率が0%となる波長が289nm以上と、各特性に優れていた。また、いずれも良好な耐失透性を示していた。
一方、比較例であるNo.40の試料は、波長400nmにおける内部透過率が86%と低く、太陽電池の発電効率に劣ると考えられる。また、耐候性にも劣っていた。No.41の試料は軟化点が800℃と高く、リヒートプレス成形に適していなかった。また、102.0Pa・sの粘度に相当する温度が1300℃を超えており、ダイレクトプレス成形に適していなかった。
なお、各特性は以下の方法により測定及び評価した。
熱膨張係数は熱膨張測定装置(dilato meter)を用いて測定した。
軟化点はファイバー法により測定した。
102.0Pa・sの粘度に相当する温度は白金球引き上げ法により測定した。
内部透過率は、まず分光光度計(株式会社島津製作所製UV−3100)を用いて、厚さ5mm±0.1mm及び10mm±0.1mmの光学研磨された各試料について、波長200〜800nmの範囲における表面反射損失を含む透過率を0.5nm間隔で測定し、得られた測定値から波長400nm及び300nmにおける内部透過率と内部透過率0%となる波長を算出した。
耐候性は、試料を温度85℃、相対湿度85%の恒温恒湿槽に2000時間放置した後、試料表面を顕微鏡で観察し、表面に白濁や析出物が確認されなかったものを「○」、白濁や表面析出物が確認されたものを「×」として評価した。
1…集光型太陽光発電装置
2…集光光学系
3…フレネルレンズ
4…光学素子
5…太陽電池
50…受光面
2…集光光学系
3…フレネルレンズ
4…光学素子
5…太陽電池
50…受光面
Claims (12)
- 集光型太陽光発電装置用フレネルレンズに用いられるガラスであって、質量%で、SiO2 30〜80%、B2O3 0〜40%、Al2O3 0〜20%、Li2O 0.1〜4.5%、ZrO2 0.1〜10%、及び、BaO 0〜17%を含有することを特徴とするガラス。
- 質量%で、SiO2+B2O3+Al2O3が30〜80%であり、かつ、質量比で、SiO2/Al2O3が5.1以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラス。
- さらに、質量%で、MgO 0〜20%、CaO 0〜20%、SrO 0〜20%、ZnO 0〜20%、Na2O 0〜20%、K2O 0〜20%、及び、TiO2 0〜10%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のガラス。
- 質量%で、MgO+CaO+SrO+BaOが20%以下、かつ、Li2O+Na2O+K2Oが20%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス。
- さらに、質量%で、CeO2+Nd2O3+Pr2O3+Eu2O3+Tb2O3+Er2O3+Y2O3+Yb2O5を0〜5%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス。
- 鉛成分、ヒ素成分及びフッ素成分を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス。
- 30〜300℃における平均線熱膨張係数が120×10−7/℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラス。
- 102.0Pa・sの粘度に相当する温度が1300℃以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラス。
- 軟化点が750℃以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のガラス。
- 波長400nmにおける内部透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のガラス。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のガラスからなることを特徴とする集光型太陽光発電装置用フレネルレンズ。
- 太陽電池と、太陽電池に集光する集光光学系とを備え、集光光学系が請求項11に記載のフレネルレンズを有することを特徴とする集光型太陽光発電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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---|---|---|---|---|
JP2016074575A (ja) * | 2014-10-08 | 2016-05-12 | 株式会社オハラ | ガラス |
JP2016199429A (ja) * | 2015-04-10 | 2016-12-01 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス板 |
CN111320384A (zh) * | 2019-04-04 | 2020-06-23 | 株式会社小原 | 光学玻璃的制造方法 |
JP2020169116A (ja) * | 2019-04-04 | 2020-10-15 | 株式会社オハラ | 光学ガラスの製造方法 |
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-
2012
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