JP2012036037A - 屋外用管ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】発電変換効率が高く、光の透過性と、耐ソラリゼーション性など耐候性に優れた屋外用管ガラスの提供。
【解決手段】本発明は、太陽熱集熱器や太陽電池用途に適用できる屋外用管ガラスあって、下記酸化物基準の質量%表示で、SiOを65〜75%、Alを2〜4%、Bを0〜3%、MgOを1〜5%、CaOを3〜10%、SrOを0〜5%、BaOを0〜5%、NaOを10〜15%、KOを0〜5%、かつNaOとKOの合量(RO)が12〜16%含有するガラスから基本的になり、As、Cl、SO、CeOを実質的に含まず、他の成分合計に対して外掛でSbを0.05〜0.6%、Feを0.06%未満に抑えた屋外用管ガラスに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、屋外用管ガラス、例えば太陽熱集熱器、典型的にはガラス管の開口端部を封止具で密閉すると共に該ガラス管内を真空状態に保持し、このガラス管内に選択吸収膜と選択反射膜、および熱媒体流路を供えた太陽熱発電用集熱管もしくは、二重のガラス管の間に光電変換層が形成されている太陽電池、典型的には内側のガラス管(内管)上に11族、13族、16族元素を主成分とした光電変換層が形成されている化合物薄膜太陽電池に関する。
近年の省エネ・創エネの観点から、太陽熱発電や太陽光発電に対する期待が高まっている。太陽熱発電は、太陽からの放射エネルギーを熱エネルギーとして効率よく使用するため、集光してエネルギー密度を高め、集熱器で加熱された熱媒体を蒸発させることで蒸気タービンを回転させ発電する方式で、集熱器には、対流による熱損失を防ぐため、種々の真空ガラス管型の集熱器が提案されている(例えば特許文献1参照)。
太陽光発電は、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、化合物半導体型、色素増感型、有機薄膜型など種々の太陽電池が提案されている。その中でもカルコパイライト結晶構造を持つ11−13族若しくは11−16族化合物半導体または立方晶系若しくは六方晶系の12−16族化合物半導体は、可視から近赤外の波長範囲の光に対して大きな吸収係数を有するために、高効率薄膜太陽電池の材料として期待されている。
代表的な例としてCu(In,Ga)Se系(以下、CIGS系と記述する)やCdTe系があげられる。CIGS系薄膜太陽電池では、原価面と熱膨張係数がCIGS系化合物半導体と近いことから、ソーダライムガラスが基板として期待されている。
また、二重のガラス管を用いた太陽電池が提案されている(特許文献3参照)。すなわち、内管の外側にCIGS系薄膜を形成し、外側のガラス管(外管)で保護し、端部を気密封止する構成を有する。なお、ソーダライムガラスのガラス管としては、照明効率を低減させることなく、熱加工性のよい環形蛍光ランプ用ガラスなどが提案されている(特許文献4参照)が、屋外で使用される太陽電池用の二重のガラス管としては、必ずしも最適なものではない。
特公昭60−11301号公報 特開平11−135819号公報 米国特許出願公開第2008/0110491号明細書 特公昭63−16348号公報
本発明は、二重のガラス管を用いた太陽電池または真空ガラス管型集熱器等に好適な屋外用管ガラスを提供するものであるが、屋外用管ガラスには、エネルギー変換効率の向上のために、広い波長範囲で高透過率、特に長波長側でも高透過率のガラスが望まれる。また、屋外での長期間の使用を考えると、耐候性の高いこと、ソラリゼーションしにくいことなどが望まれる。従来のソーダライムガラスの場合、Fe含有量によっては必ずしも長波長側で高透過率が得られず、耐ソラリゼーション性も充分とはいえない。
また、二重のガラス管を用いた太陽電池の場合、熱膨張係数がCIGS系化合物半導体のそれに近いことが要求される。また、内管の外側にはCIGS系太陽電池の吸収層が形成されるが、製膜の際、ガラス基板からNaやKといったアルカリ金属が拡散すると、吸収層の性能(光電変換効率)が向上することが知られている。したがって、光電変換効率の良い太陽電池を作製するには、適度なアルカリ金属の拡散性を示し、かつ面内で均一に拡散するようなガラスが望まれる。
同様に、真空ガラス管型集熱器の場合、管を封止するガラスフリットの熱膨張係数や金属製端版の熱膨張係数と近いことも要求される。さらに熱媒体と接触するため、耐熱衝撃性も要求される。一方、屋外用管ガラスの用途としては、例えば、真空ガラス管型集熱器や太陽電池などの一般ユーザー向けであることを考慮すると、比較的生産性の良いガラス組成物であるべきで、その高温粘性はある程度低いことが好ましい。
本発明は、屋外用管ガラスとして従来のソーダライムガラスからなるガラス管を用いた場合に生じる問題を解決できる屋外用管ガラスの提供を目的とする。
本発明は、太陽熱集熱器や太陽電池用途に適用できる屋外用管ガラスあって、下記酸化物基準の質量%表示で、SiOを65〜75%、Alを2〜4%、Bを0〜3%、MgOを1〜5%、CaOを3〜10%、SrOを0〜5%、BaOを0〜5%、NaOを10〜15%、KOを0〜5%、かつNaOとKOの合量(RO)が12〜16%含有するガラスから基本的になり、As、Cl、SO、CeOを実質的に含まず、他の成分合計に対して外掛でSbを質量%表示で0.05〜0.6%、Feを0.06%未満に抑えた屋外用管ガラスを提供する。
なお、たとえば「Bを0〜3%含有する」とは、Bは必須ではないが3%まで含有してもよいの意であり、「実質的に含まず」とは、積極的に含有させないが、例えばガラス原料や製造環境から不可避的にガラスに含まれる量として0.005%未満であれば許容する。また、特に断わりのない限り、上記化学組成の数値範囲の下限値は以上を、上限値は以下をそれぞれ示すものとする。
管ガラスの成形法としては生産性に優れるなどの点でダンナー法が挙げられる。ダンナー法ではスリーブと呼ばれる耐火物を使用するが、ガラス中にClやSOが含まれると耐火物との接触面でリボイルが発生し、ガラス管中に泡が入って光散乱の原因となり透過率の低下や強度の低下のおそれがある。本発明のガラスは、ClやSOを含まないためダンナー法による管成形が可能であり、生産性に優れる。
また、屋外用管ガラスは長期間屋外に曝されるため、ガラスの耐候性が悪いと、ガラス中のアルカリ金属が水分や熱の介在により、ガラス表面に拡散し炭酸塩を形成することにより透過率の低下を招くが、本発明のガラスでは、Sbを質量%表示で0.05〜0.6%、Feを0.06%未満に抑えたガラスとするため、ソラリゼーション特性等の耐候性に優れたガラスを提供できる。
したがって、本発明のガラスは、As、Cl、SO、CeOを実質的に含まず、Sbを質量%表示で0.05〜0.6%、Feを0.06%未満に抑えたガラスとするため、ソラリゼーション特性、リボイル特性が良好で屋外用に好適な管ガラスが得られ、長波長側での透過率を高くしたり、耐ソラリゼーション性を向上させた屋外用管ガラスの提供が可能になり、太陽熱集熱器、または化合物薄膜太陽電池のエネルギー変換効率の向上が期待できるる。
化合物薄膜太陽電池の光電変換層がCIGS系のものである場合、CIGS膜形成時にガラスからCIGS膜中へのアルカリ金属の拡散量が少ないと、発電変化効率の低下を招くおそれがある。光電変換効率を上げるため、CIGS膜形成時にガラスからCIGS膜中へのアルカリ金属の拡散量を多くすることが好ましい。
本発明によれば、Alを2〜4%、NaOとKOの合量(RO)が12〜16%含有するガラスであるため、耐候性とCIGS膜中へのアルカリ金属の十分な拡散量の両立が可能である。
屋外用管ガラスの組成の含有量を限定した理由を説明する。なお、本明細書では、化学組成は酸化物基準とし、以下、特に断りがない限り化学組成の%は質量%を意味するものとする。
SiOはガラス形成の必須の成分であり、その含有量は65〜75%である。含有量が65%未満では化学的耐久性および耐候性が劣化する。含有量が66%以上であると好ましく、より好ましくは含有量が68%以上である。また含有量が75%を超えると膨張係数が小さくなり、または高温粘性(軟化点)が高くなり管成形が困難となる。含有量が73%以下であると好ましく、含有量が72%以下であるとより好ましい。
Alは化学的耐久性および耐候性を高める、Tgを上げる、密度dを軽くするための必須の成分である。その含有量は2〜4%である。含有量が2%未満では化学的耐久性および耐候性が劣化する。含有量が2.5%以上であると好ましく、含有量が3%以上であると特に好ましい。含有量が4%を超えると粘性が高くなって溶融不均質となり脈理不良が増加する、失透性が悪化するおそれがある、または、CIGS膜形成時にガラスからCIGS膜中へのアルカリ金属の拡散量が少なくなるおそれがあり、光電変換効率の低下を招くおそれがある。含有量が4%以下であると好ましく、含有量が3.8%以下であるとより好ましい。
は必須の成分ではないが、密度を軽くする、溶融性を向上させる等のために3%まで含有してもよい。含有量が3%を超えると、膨張係数が小さくなる、または、CIGS膜形成時にCIGS膜中へのアルカリ金属の拡散量が少なくなるおそれがあり、光電変換効率の低下を招くおそれがある。より好ましくは含有量が2%以下である。含有量が1.5%以下であると特に好ましい。
MgOは化学的耐久性および耐候性を向上させる、密度を軽くする等のため必須の成分である。その含有量は、1〜5%である。含有量が1%未満では化学的耐久性および耐候性が十分に得られない。含有量が1.5%以上であると好ましく、より好ましくは2%以上である。含有量が5%を超えるとガラスを失透させる傾向が強くなる、または、CIGS膜形成時にCIGS膜中へのアルカリ金属の拡散量が少なくなるおそれがあり、光電変換効率の低下を招くおそれがある。含有量が4%以下であると好ましく、含有量が3%以下であるとより好ましい。
CaOはTgを上げる、または高温粘性を低下させる等のため、必須の成分である。その含有量は、3〜10%である。含有量が3%未満では高温粘性が充分には低下せず、溶融性が悪化する。含有量が3%以上であると好ましく、含有量が4%以上であると特に好ましい。一方、含有量が10%を超えるとガラスを失透させる傾向が強くなる、または、CIGS膜形成時にCIGS膜中へのアルカリ金属の拡散量が少なくなるおそれがある。また、Caイオンは、CIGS膜中の欠陥を補償するといわれるNaイオンとイオン半径が近いため、Na効果を抑制するおそれがあり、光電変換効率の低下を招くおそれがある。含有量が9%以下であると好ましく、含有量が8%以下であるとより好ましい。
SrOは必須の成分ではないが、化学的耐久性および耐候性を高める、高温粘性を低下させる、膨張係数を調整する等のために5%まで含有しても良い。含有量が5%を超えると、CIGS膜形成時にCIGS膜中へのアルカリ金属の拡散量が少なくなるおそれがある。また、Srイオンは、CIGS膜中の欠陥を補償するといわれるNaイオンとイオン半径が近いため、Na効果を抑制するおそれがあり、光電変換効率の低下を招くおそれがある。より好ましくは含有量が4%以下である。3%以下であると特に好ましい。
BaOは必須の成分ではないが、化学的耐久性および耐候性を高める、高温粘性を低下させる、膨張係数を調整する等のために5%まで含有してもよい。含有量が5%を超えるとTgが低下する、密度が重くなる、または溶融過程での泡切れが悪くなるおそれがある。より好ましくは含有量が4%以下である。3%以下であると特に好ましい。
NaOはCIGS系太陽電池の変換効率向上に寄与するための成分であり、必須の成分である。その含有量は、10〜15%である。Naはガラス上に構成されたCIGS系太陽電池の吸収層中に拡散し、変換効率を高めることが知られているが、含有量が10%未満ではガラス上のCIGS系太陽電池吸収層へのNa拡散が不充分となり、変換効率も不充分となるおそれがある。含有量が11%以上であると好ましく、含有量が12%以上であるとより好ましい。一方、NaO含有量が15%を超えると化学的耐久性および耐候性が劣化する、Tgが低下する、または熱膨張係数が大きくなる。含有量が14.5%以下であると好ましく、含有量が14%以下であるとより好ましい。
Oは必須の成分ではないが、Na同様にCIGS系太陽電池の吸収層中に拡散し、変換効率を高める効果が期待される、または、膨張係数の調整や粘性調整のために5%まで含有してもよい。5%を超えると化学的耐久性および耐候性が劣化するおそれがある。より好ましくは含有量が4%以下である。含有量が3%以下であると特に好ましい。一方、含有する場合には、0.1%以上が好ましく、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上であると特に好ましい。
また、NaOとKOの合量(以下、ROとも略す)は、12%以上である。前記合量が12%未満では、CIGS系太陽電池の変換効率が十分に得られないおそれがある。前記合量が12.5%以上であると好ましく、前記合量が13%以上であるとより好ましい。一方、前記合量が多すぎると化学的耐久性および耐候性が劣化するおそれがある。そのため、前記合量は16%以下である。前記合量が15%以下が好ましく、前記14%以下であるとより好ましい。
Asは、ガラスの清澄剤として有効であるが、環境負荷があるので、本発明においては実質的に含有しない。なお、本明細書において、「実質的に含まず」とは、積極的に含有させないが、例えばガラス原料や製造環境から不可避的にガラスに含まれる量として0.005%未満であれば許容する、との意味である。
Clは、ガラスの清澄剤として有効であるが、管成形の際、スリーブとの接触面でリボイルが発生し、ガラス管中に泡が入って光散乱の原因となり透過率の低下や強度の低下のおそれがあるため、本発明においては実質的に含有しない。SOは、ガラスの清澄剤として有効であるが、管成形の際、スリーブとの接触面でリボイルが発生し、ガラス管中に泡が入って光散乱の原因となり透過率の低下や強度の低下のおそれがあるため、本発明においては実質的に含有しない。
CeOは、透過率が低下する、ソラリゼーション特性が悪化するおそれがあるため、本発明においては実質的に含有しない。なお、As、Cl、SO、CeOに関して、「実質的に含まず」とは、積極的に含有させないが、例えばガラス原料や製造環境から不可避的にガラスに含まれる量として0.005%未満であれば許容する。
Sbは、清澄剤として必須の成分である。その含有量は、ガラス成分の合量(Feを除く)に対して外掛で0.05〜0.6%である。0.05%未満では清澄剤として充分に機能しないおそれがある。含有量が0.07%以上であると好ましく、含有量が0.1%以上であるとより好ましい。一方、Sbの含有量が0.6%を超えると、ガラスを再加熱時に着色する、または、脈理の原因になるおそれがある。含有量が0.5%以下が好ましく、含有量が0.4%以下であるとより好ましい。
なお、Feは通常原料などに起因する不純物として不可避的に含有することが多いが、その含有量がガラス成分の合量(Sbを除く)に対して外掛で0.06%以上であると透過率が低下し、太陽電池の効率が低下する傾向が顕著となる。そのため、本発明において、その含有量は、ガラス成分の合量(Sbを除く)に対して外掛で0.06%未満とする。含有量が0.05%以下であると好ましく、含有量が0.04%以下であるとより好ましい。含有量が0.03%以下であると特に好ましい。
本発明の屋外用管ガラスは、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を、典型的には合計で5%以下含有してもよい。例えば、耐候性、溶融性、失透性、紫外線遮蔽などの改善を目的に、ZrO、ZnO、TiO、LiO、WO、Nb、V、Bi、MoO、P、Fなどを含有してもよい場合がある。
本発明において化学成分としては、Feを除いて、上記で説明したSiO、Al、B、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、NaO、KO、CeOおよびSb化学成分(ただし、これらの化学成分中には、必須成分でないものも含む)から実質的になることが好ましい。なお、本明細書において、実質的に上記成分からなるとは、上記成分以外に不可避的不純物を含有することを許容するものとする。
本発明の屋外用管ガラスの波長450〜1000nmにおける平均透過率は1mm厚み換算で91%以上であると好ましい。91%未満では太陽熱集熱器、または太陽電池のエネルギー変換効率が低下してしまう。より好ましくは92%以上である。
屋外用管ガラスの波長400nmにおける透過率は1mm厚み換算で90%以上であると好ましい。90%未満では太陽熱集熱器、もしくは太陽電池のエネルギー変換効率が低下してしまう、または、長期の使用でガラスが太陽光によるソラリゼーションを起こし、効率が低下するおそれがある。より好ましくは91%以上である。
屋外用管ガラスは、120℃、0.2MPaの水蒸気雰囲気下に20時間保持後のガラス表面に析出しているアルカリ金属元素量が300nmol/cm以下であると好ましい。300nmol/cmより大きい場合には耐候性が充分ではなく、太陽熱集熱器、または太陽電池用途として長期信頼性が確保できない。より好ましくは200nmol/cm以下である。また、NaとKとの合量が200nmol/cm以下であるとさらに好ましい。
屋外用管ガラスの50〜300℃における平均線膨張係数は85×10−7〜110×10−7/℃であると好ましい。85×10−7/℃未満または110×10−7/℃超では金属製端版やCIGS膜との熱膨張差が大きくなりすぎ、熱衝撃による割れや膜剥がれなどの欠点が生じやすくなる。より好ましくは90×10−7/℃以上または100×10−7/℃以下である。
屋外用管ガラスの密度dは2.6g/cm以下であると好ましい。2.6g/cm超では、太陽電池モジュールにした際、自重でたわむ、設置場所に負担をかけるなどのおそれがある。より好ましくは、密度が2.5g/cm以下である。
ガラス管は溶融粘度が10〜10dPa・sの粘度領域で成形されるのが一般的である。また、ガラスは温度変化に伴い連続的に粘度が変化するため、10dPa・sを示す温度(以下、Tとも称す)が高温になると、当然、成形温度も高温になる。たとえば、ガラス管の製造法である、ダンナー法ではスリーブと呼ばれる耐火物を使用するが、成形温度が高くなると耐火物の侵食速度も上がり、安定した成形ができなくなるが、Tが1500℃以下であれば成形温度の過度の上昇が抑えられる。
本発明の屋外用管ガラスは、Tは1500℃以下であると好ましい。1500℃超では高温溶解起因の欠点が多くなり、生産性が低下したり、溶解窯の寿命が短くなるといった問題が生じる。より好ましくはTが1495℃以下である。Tが1490℃以下であると特に好ましい。本発明によるガラスは、上記化学組成と特性を有するので、ダンナー法によって管成形ができる。
本発明の屋外用管ガラスが用いられる太陽電池は典型的には特許文献3に開示されている構造を有する。すなわち、内管の外側表面すなわち外管と対向する表面に、背面電極、半導体接合(semiconductor junction)および透明導電層を有する光電変換層が形成されており、内管と外管の間の光電変換層が形成されている部分は真空処理などによって酸素と水分が取り除かれ気密封止されている。なお、光電変換層として典型的なものはCIGS系のものである。
太陽電池用途の屋外用管ガラスの転移温度Tgは520℃以上であると好ましい。520℃未満ではたとえばCIGS膜を形成する時のプロセス温度をあまり高温にできず、効率の良いCIGS膜を形成することが難しい。より好ましくはTgが525℃以上である。Tgが530℃以上であると特に好ましい。
表1〜2のSiOからCeOまでの欄に質量百分率で示す組成のガラスが得られるように、原料を調合してガラス原料とした。なお、表中、Sb、SO、Cl、FおよびFeの両成分については、他の成分の合計に対する外掛で表示する。なお、例1〜7は実施例、例8〜17は比較例である。また、表3〜4のSiOからCeOまでの欄に例1〜17のガラスの化学組成をモル%表示で示した。
ガラス化後の質量が400gとなる量のガラス原料を、高さ90mm、外径70mmの有底円筒形の、白金ロジウム製の坩堝に入れた。該坩堝を加熱炉に入れ、加熱炉の側面から露点80℃の空気を吹き込みながら1600℃で30分加熱した後、スターラによって強制的に坩堝内を1時間撹拌し、ガラス原料を溶融させた。その後、撹拌を止め、1時間静置し、坩堝内の溶融ガラスをカーボン板の上に流し出し、徐冷炉にて冷却した。冷却後、サンプルを徐冷炉から取り出し、次のような測定、読取または算出を行った。結果を表1〜2に示す。示差熱膨張計を用いて、石英ガラスを参照試料として室温から5℃/分の割合で昇温した際のガラスの伸び率を、ガラスが軟化してもはや伸びが観測されなくなる温度、すなわち屈伏点まで測定し、熱膨張曲線における屈曲点に相当する温度をガラス転移点Tg(単位:℃)とした。また、前記Tgの測定と同様にして、50〜300℃における平均線膨張係数α(単位:10−7/℃)を算出した。
密度d(単位:g/cm)は、アルキメデス法により測定した。
溶融ガラスの粘度ηを、1450℃、1500℃、1550℃、1600℃、1650℃において高温回転粘度計を用いて測定し、各温度におけるlogηをもとに、ηが10dPa・sとなる温度T(logηが2となる温度)を算出した(単位:℃)。
また、厚さが1mm、大きさが4cm×4cmのガラス板の両面を酸化セリウムで鏡面研磨した透過率測定用サンプルを作製し、波長300〜2000nmの透過率を測定し、400nmにおける透過率T400(単位:%)を読み取り、また450〜1100nmにおける平均透過率Tave(単位:%)を算出した。
ソラリゼーション特性を知るために、前記透過率測定後のサンプルについて、800Wの高圧水銀ランプをサンプルの板面から10cm離し、UV光を100時間照射した後、400nmにおける透過率LST400(単位:%)を読み取り、また450〜1100nmにおける平均透過率LSTave(単位:%)を算出した。
リボイル試験は、質量%表示でAl:85.3%、SiO:13.7% (他1%は不純物)からなる耐火物容器を用意し、その中にガラスを流し込み、1150℃で48時間熱処理後、耐火物とガラスの接触面を顕微鏡で観察した。その結果、1cmあたりの泡個数が10個未満であれば「○」、10個以上であれば「×」と判定した。
耐候性試験:厚さが1〜2mm、大きさが4cm×4cmのガラス板の両面を酸化セリウムで鏡面研磨し、炭酸カルシウムおよび中性洗剤を用いて洗浄した後、高度加速寿命試験装置(エスペック社製、商品名;不飽和型プレッシャークッカーEHS−411M)に入れて120℃、0.2MPaの水蒸気雰囲気に20時間静置した。
洗浄済みチャック付ポリ袋に試験後試料と超純水20mlを入れ超音波洗浄機で10分間表面析出物を溶解し、ICP分光法でアルカリ金属元素の溶出物を定量した。アルカリ金属元素としては、本実施例ではNaとK以外は検出限界以下であったので、NaとKとの合量として測定した。溶出量はmol換算し、試料表面積で規格化した。表中の数値の単位は、nmol/cmである。
なお、表1〜2中の「−」は測定しなかったことを示す。
実施例である例1〜7は、CIGSに近いαを有し、520℃以上のTgを示しながらも、比較的低いTを有しており、CIGSプロセス温度付近での高耐熱性と高い生産性を両立できるものである。また、波長450〜1100nmにおける平均透過率および波長400nmの透過率は充分高く、ソラリゼーション特性も充分であり、耐候性も良好であることから、太陽熱発電および太陽電池におけるエネルギー変換効率の向上と長期信頼性が期待される。
これに対し、比較例である例8〜11は、CeOを含有しているため、Fe量の有無によらず、UV光照射後の透過率LST400は低い値を示し、ソラリゼーション特性は充分とはいえない。
また、比較例である例12〜14は、ClおよびSOを含有しているため、リボイル試験結果が悪く、ガラス管中に無数の泡が入り、散乱による透過率低下で太陽熱発電および太陽電池におけるエネルギー変換効率が低下すると予想される。
また、例15〜17は、例15がRO量が16%超、例16がRO量が16%超かつAlの量が2%未満、例17はAlの量が2%未満であるため、耐候性が悪化している。なお、RO量に比して、例17の耐候性が例15よりも悪いのは、例17のガラスはNaO/KO比率が高く、いわゆるアルカリ混合効果の影響が小さいためであると予想される。
Figure 2012036037
Figure 2012036037
Figure 2012036037
Figure 2012036037
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなくさまざまな変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本発明によれば、屋外用管ガラスの長波長側での透過率を高くしたり、耐ソラリゼーション性を向上させることができ、太陽熱集熱器、または化合物薄膜太陽電池のエネルギー変換効率を高めることができる。
また、本発明のガラスはダンナー法による管成形時に耐火物との接触面でリボイルを抑制し、ガラス管中への泡混入を防ぎ、透過率の低下や強度の低下を抑えることができる。
また、本発明によれば、耐候性とCIGS膜中へのアルカリ金属の充分な拡散量の両立ができる。

Claims (14)

  1. 下記酸化物基準の質量%表示で、SiOを65〜75%、Alを2〜4%、Bを0〜3%、MgOを1〜5%、CaOを3〜10%、SrOを0〜5%、BaOを0〜5%、NaOを10〜15%、KOを0〜5%、かつNaOとKOの合量(RO)が12〜16%含有するガラスから基本的になり、As、Cl、SO、CeOを実質的に含まず、他の成分合計に対して外掛でSbを0.05〜0.6%、Feを0.06%未満含有するガラスからなる屋外用ガラス管。
  2. 前記ガラスのSbを他の成分合計(Feを除く)に対して外掛で0.15〜0.5%である請求項1記載の屋外用ガラス管。
  3. 前記ガラスのFe含有量が他の成分合計(Sbを除く)に対して外掛で0.01〜0.04%である請求項1または2記載の屋外用ガラス管。
  4. 前記ガラスの波長450〜1000nmにおける平均透過率が1mm厚み換算で91%以上である請求項1、2または3記載の屋外用ガラス管。
  5. 前記ガラスの波長400nmにおける透過率が1mm厚み換算で90%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の屋外用ガラス管。
  6. 前記ガラスが、そのガラスからなるガラス板に、10cm離れた位置から800Wの高圧水銀ランプの光を100時間照射したときの波長450〜1000nmにおける平均透過率が1mm厚み換算で91%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の屋外用ガラス管。
  7. 前記ガラスが、そのガラスからなるガラス板に、10cm離れた位置から800Wの高圧水銀ランプの光を100時間照射したときの波長400nmにおける透過率が1mm厚み換算で90%以上である請求項1〜6のいずれかに記載の屋外用ガラス管。
  8. 前記ガラスが、120℃、0.2MPaの水蒸気雰囲気下に20時間保持後、そのガラス表面に析出しているアルカリ金属元素量が300nmol/cm以下である請求項1〜7のいずれかに記載の屋外用ガラス管。
  9. 前記ガラスの50〜300℃における平均線膨張係数が85×10−7〜110×10−7/℃である請求項1〜8のいずれかに記載の屋外用ガラス管。
  10. 前記ガラスの溶融粘度が10dPa・sとなる温度が1500℃以下である請求項1〜9のいずれかに記載の屋外用ガラス管。
  11. 前記ガラスの密度が2.6g/cm以下である請求項1〜10のいずれかに記載の屋外用ガラス管。
  12. 前記ガラスのガラス転移点Tgが520℃以上である請求項1〜11のいずれかに記載の屋外用ガラス管。
  13. ガラス管の開口端部を封止具で密閉すると共に該ガラス管内を真空状態に保持し、このガラス管内に選択吸収膜と選択反射膜、および熱媒体流路を供えたガラス管であって、請求項1に記載のガラスからなる太陽熱集熱用ガラス管。
  14. 直径が異なる2本のガラス管からなる二重管、および当該2本のガラス管の間に形成された光電変換層を含み、当該二重管の光電変換層が形成されている部分の両端が封止されている太陽電池の当該2本のガラス管の少なくともいずれか一方として用いられるガラス管であって、請求項1に記載のガラスからなる太陽電池用ガラス管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021011403A (ja) * 2019-07-05 2021-02-04 Agc株式会社 Cspミラー用ガラス基板、その製造方法、及びcspミラー

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