JP2004222421A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換装置の漏れ電流によるノイズを低減し、システム全体の小形,低コスト化を図る。
【解決手段】交流電源1に接続されたダイオード整流器2と、この整流器2の出力側にコンデンサCからなる平滑回路とインバータ回路3を接続した電力変換装置において、上記インバータ回路3の出力側に出力短絡回路6と、この出力短絡回路6の電位を固定する電位固定回路7とを接続し、インバータ回路3の出力を或る一定の電位に固定することで、モータ中性点の電位変動を抑制し漏れ電流を低減させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インバータ装置等のスイッチング素子を含む電力変換装置のノイズ低減技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図24に3相誘導電動機を3相インバータにより制御する誘導電動機駆動システムの従来例(例えば、特許文献1参照)を示す。
【0003】
図24では、交流電源1にダイオード整流器2の入力が、整流器2の出力にコンデンサCが、コンデンサCには半導体スイッチQ〜Qで構成された3相インバータ回路3が、3相インバータ回路3の出力にはモータ4がそれぞれ接続されている。
3相インバータ回路3のスイッチQ〜Qは、パルス幅変調(PWM)されたPWMパルスによりオン・オフ制御される。モータ4は、3相インバータ回路3の出力電圧で駆動される。ここで、3相インバータ回路3の各相の出力電位をVu,Vv,Vw、モータ中性点電位をVmcとすると、モータ中性点電位Vmcは次の(1)式のように表わされる。
mc=(Vu+Vv+Vw)/3 …(1)
【0004】
図25に正弦波−三角波比較方式でPWM(パルス幅変調)制御した場合の、モータ中性点電位Vmcの波形例を示す。
図示のように、モータ中性点電位Vmcは、3相インバータ回路3のスイッチQ〜Qのスイッチング動作に伴って、直流中間電圧Edの1/3ずつ変化することが分かる。例えば、スイッチQ,Q,QがオンするモードではVmc=Vとなり、スイッチQ,Q,QがオンするモードではVmc=Vとなる。このモータ中性点電位変動によって、図24に示すモータ4と接地Gとの間に浮遊する静電容量Cが充放電し、その充放電電流が漏れ電流(i)となって流れる。この漏れ電流はノイズとして、ブレーカの誤動作を引き起こしたり、周辺機器の誤動作を引き起こす原因となる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−247836号公報(第3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ノイズを低減するためには、例えば図26に示すような、リアクトルとコンデンサからなるフィルタを用いることになるが、ノイズ発生量が増加すればその分フィルタの性能を向上させる必要があり、その結果、装置が大型化し高価となる。
したがって、この発明の課題は、ノイズを抑制し装置の小形化,低コスト化を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、請求項1の発明では、交流電源に接続された整流回路と、この整流回路の直流出力側に平滑回路とインバータ回路とを接続して構成される電力変換装置において、
前記インバータ回路の出力部に出力の複数相またはすべての相を短絡する出力短絡回路と、この出力短絡回路の電位を固定する電位固定回路とを設けたことを特徴とする。
この請求項1の発明においては、前記出力短絡回路を複数個のダイオードと1つのスイッチング素子で構成することができる(請求項2の発明)。
上記請求項1または2の発明においては、前記電位固定回路を複数の電位点から1つを選択可能な構成とすることができる(請求項3の発明)。
請求項1ないし3のいずれかの発明においては、前記電位固定回路を、前記インバータ回路の出力部と直流中間部との間で電力授受が可能な構成とすることができる(請求項4の発明)。
【0008】
請求項5の発明では、交流電源に接続された整流回路と、この整流回路の直流出力側に平滑回路とインバータ回路とを接続して構成される電力変換装置において、
前記整流回路を少なくとも1つのスイッチ素子を有するコンバータ回路とするとともに、前記平滑回路とインバータ回路との間に昇圧回路または降圧回路もしくは昇降圧回路を接続することを特徴とする。
この請求項5の発明においては、前記コンバータ回路を構成するスイッチ素子のスイッチング動作による電位変動の総和と、前記インバータ回路を構成するスイッチ素子のスイッチング動作による電位変動の総和とが一致するようにスイッチングさせることができる(請求項6の発明)。
【0009】
請求項7の発明では、交流電源に接続された整流回路と、この整流回路の直流出力側に平滑回路とインバータ回路とを接続して構成される電力変換装置において、
前記インバータ回路をスイッチ素子によるフルブリッジ構成とし、上アーム素子の2個と下アーム素子の1個、または上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンするスイッチングパターンのみで運転することを特徴とする。
この請求項7の発明においては、前記整流回路をスイッチ素子によるフルブリッジ構成のPWM整流回路とし、前記インバータ回路の上アーム素子の2個と下アーム素子の1個をオンして運転するときは、前記PWM整流回路の上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンして運転するか、またはインバータ回路の上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンして運転するときは、前記PWM整流回路の上アーム素子の2個と下アーム素子の1個をオンして運転することができ(請求項8の発明)、または前記インバータ回路の上アーム素子の2個と下アーム素子の1個をオンし、前記PWM整流回路の上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンしての運転と、インバータ回路の上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンし、前記PWM整流回路の上アーム素子の2個と下アーム素子の1個をオンしての運転とを、出力電圧1周期の間に切り換えて行なうことができる(請求項の9)。
【0010】
請求項10の発明では、交流電源に接続された整流回路と、この整流回路の直流出力側にコンデンサを直列接続してなる平滑回路と、スイッチ素子によって平滑回路の正極電位と負極電位とコンデンサ接続点の中間電位とを任意に出力可能な3レベルインバータ回路または3レベル以上のマルチレベルインバータ回路とから構成される電力変換装置において、
任意の出力指令値に対して、スイッチ素子のスイッチング動作に伴う出力端子の電位変動の総和が変動しないスイッチングパターンを優先させて制御することを特徴とする。
上記請求項11の発明では、交流電源に接続された整流回路と、この整流回路の直流出力側にコンデンサを直列接続してなる平滑回路と、スイッチ素子によって平滑回路の正極電位と負極電位とコンデンサ接続点の中間電位とを任意に出力可能な3レベルインバータ回路または3レベル以上のマルチレベルインバータ回路とから構成される電力変換装置において、
低出力電圧範囲では、スイッチ素子のスイッチング動作に伴う出力端子の電位変動の総和が零となるスイッチングパターンで優先して制御し、
出力端子の電位変動の総和が零となるスイッチングパターンのみでは出力できない高出力電圧範囲では、
出力指令値に応じて、出力端子の電位変動の総和が前記整流回路の出力部である直流中間電圧の半分で極性がプラスとなるスイッチングパターンのみ、
または、出力端子の電位変動の総和が前記整流回路の出力部である直流中間電圧の半分で極性がマイナスとなるスイッチングパターンのみ、
もしくは、出力端子の電位変動の総和が零、または前記整流回路の出力部である直流中間電圧の半分で極性がプラスとなるスイッチングパターンとの組み合わせ、
或いは、出力端子の電位変動の総和が零、または前記整流回路の出力部である直流中間電圧の半分で極性がマイナスとなるスイッチングパターンとの組み合わせ、のいずれかのスイッチングパターンで制御することを特徴とする。
【0011】
上記請求項10または11の発明においては、前記整流回路に、前記平滑回路を構成するコンデンサの電圧値を調整する機能を持たせることができ(請求項12の発明)、この請求項12の発明においては、任意の出力指令値に対して、スイッチ素子のスイッチング動作に伴う出力端子の電位変動の総和が可能な限り変動しないスイッチングパターンを形成することができる(請求項13の発明)。
請求項10または11の発明においては、前記整流回路の出力電圧を、入力線間電圧のピーク値以上に出力し得る構成とすることができる(請求項14の発明)。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施の形態を示す構成図である。
図示のように、図24に示したシステムに対し、3相一括短絡回路6とこの回路6の電位を固定する電位固定回路7を付加して構成される。
その回路の動作について説明する。図24で正弦波−三角波比較方式のPWM制御を行なった場合のモータ中性点電位は図25に示すように、1回のスイッチング毎に直流中間電圧Edの1/3ずつ変化することになる。漏れ電流は、この中性点電位変動によるモータ浮遊容量の充放電電流であり、モータ中性点の電位変動をE[V]、漏れ電流経路のインダクタンスをL[H]、抵抗分をR[Ω]、モータの浮遊容量をC[F]とおくと、図2の簡易等価回路より求められる。
漏れ電流i(t)は、次の数1の(2)式のように表わせる。
【0013】
【数1】
Figure 2004222421
【0014】
ここで、ζ≪1とおくと、上式(2)は次の数2の(3)式のようになる。
【数2】
Figure 2004222421
【0015】
よって、漏れ電流波形のピーク値は、E/Zで近似できる。これより、漏れ電流を低減するためには、モータ中性点の電位変動E[V]を低減すればよいことが分かる。
ここで、モータ中性点の電位変動E[V]を低減するために、図1に示す3相インバータ回路3のスイッチQ,Q,Qをオンするモード、すなわち出力線間電圧がゼロとなる期間において、スイッチQ,Q,Qをオンする代わりに3相一括短絡回路6により、インバータ出力の3相を短絡する。そして、短絡点の電位を固定するために、電位固定回路7の固定点と短絡点を接続する。例えば、電位固定点を直流中間電圧の中点とすると、インバータの出力は直流中間電圧の中点に固定される。
【0016】
同様に、出力線間電圧がゼロとなる期間である、図1に示す3相インバータ回路3のスイッチQ,Q,Qをオンするモードにおいて、スイッチQ,Q,Qをオンする代わりに3相一括短絡回路6により、インバータ出力の3相を短絡し、その短絡点を電位固定回路7の固定点と接続すれば、インバータの出力は電位固定回路7の固定電位となる。
【0017】
以上のように動作させた場合、電位固定点を直流中間電圧の中点とすると、モータ中性点電位は図3のようになり、中性点電位変動が直流中間電圧Edの1/6となる部分が存在し、図25の半分となる。また、任意に3相一括短絡回路6を動作させることにより、モータ中性点電位変動を図4のように、すべて直流中間電圧Edの1/6にすることができる。
【0018】
図5に3相一括短絡回路と電位固定回路の具体例を示す。
すなわち、3相一括短絡回路6としてダイオード6個と1個のスイッチング素子S1とを組み合わせ、スイッチング素子S1をオンすることにより、インバータ出力を3相一括で短絡し得るようにしている。また、電位固定回路7としては、抵抗分圧回路を用いている。この場合、電位を固定するのが目的であるので、抵抗としては高抵抗のものが適している。
【0019】
図6は図5の第1変形例で、分圧抵抗R1,R2の間に3相一括短絡回路6を接続して対称形としているが、機能的には図5と同じである。
図7は図5の第2変形例で、電位固定回路7を抵抗R1,R2に加え、電位固定点の電位を変更可能とするために、スイッチング素子S2,S3と抵抗R3,R4を追加して構成される。これにより、電位固定点の電位はスイッチング素子S2,S3の状態により、表1のような値を選択できることになる。
【0020】
【表1】
Figure 2004222421
【0021】
したがって、スイッチQ,Q,Qをオンする代わりに3相一括短絡回路6と電位固定回路7のスイッチS1,S2をオンすることにより、インバータ出力を直流中間電圧Edの2/3に固定することができる。また、スイッチQ,Q,Qをオンする代わりに3相一括短絡回路6と電位固定回路7のスイッチS1,S3をオンすることにより、インバータ出力を直流中間電圧Edの1/3に固定できる。その結果、モータ中性点電位は図8のようになって電位変動回数が低減でき、漏れ電流の実効値を低減できる。
【0022】
図9は図5の第3変形例で、電位固定回路8を電力の授受ができるようにコンデンサC,CとダイオードD,Dで構成したもので、これによりインバータ出力部と直流中間部との間で電力の授受が可能となる。なお、コンデンサCの代わりにコンデンサC,Cの直列接続回路とすることで、分圧抵抗を減らすようにしている。これは、図5の例にも適用可能である。
【0023】
ところで、図24のようなシステムでは、インバータの中性点電位変動がコモンモード電流(ノイズ電流)を流すことになり、その電位Vmcは(1)式に示すように3相インバータの各出力電圧の和を1/3倍した値として与えられることを示した。したがって、3相インバータ回路の上アーム素子2個下アーム素子1個、または上アーム素子1個下アーム素子2個をオンするスイッチングパターンのみで運転すれば、中性点電位変動を1/6Ed,−1/6Ed(Ed:直流中間電圧)に固定でき、コモンモードのノイズ電流が流れなくなる。
図10はこのような観点に基づく別の実施の形態を説明するための説明図で、上記の如きスイッチングパターンのみで運転した場合の空間ベクトル図を示す。
【0024】
図24に示すフルブリッジインバータ回路の上アームスイッチ素子が2個、下アームスイッチ素子が1個オンするモードとしては、(Q,Q,Q)がオンのベクトルAと、(Q,Q,Q)がオンのベクトルBと、(Q,Q,Q)がオンのベクトルCを選ぶことができる。このときインバータ回路が出力できる空間ベクトルVinvは、次の(4)〜(11)式より図10(a)に示す三角形の範囲となる(網掛け部参照)。なお、例えば、ベクトルA(+,+,−)はVu=V(+1),Vv=V(+1),Vw=V(−1)であることを示す。
【0025】
Vinv・T=Va・T11+Vb・T12+Vc・T13 …(4)
Vinv=(Xinv,Yinv) …(5)
Va=(1,0) …(6)
Vb=(−1/2,√3/2) …(7)
Vc=(−1/2,−√3/2) …(8)
Xinv=T11−1/2・T12−1/2・T13 …(9)
Yinv=√3/2・T12−√3/2・T13 …(10)
T=T11+T12+T13 …(11)
Va,Vb,Vc:図10の点A,点B,点Cのベクトル
T:スイッチング周期
T11,T12,T13:スイッチング周期の中の時間
【0026】
以上のように運転することで、下記(12)〜(14)式に示すように、中性点電位変動は1/6Edに固定される。図11にこのときの動作波形を示す。図中の期間A〜CがベクトルA〜Cを出力している期間を示す。このように運転することで、コモンモード電圧変動によるノイズ電流は発生しない。
ベクトルA出力時:Vmc=(Vu,Vv,Vw)/3=(1/2Ed+1/2Ed−1/2Ed)/3=1/6Ed …(12)
ベクトルB出力時:Vmc=(Vu,Vv,Vw)/3=(1/2Ed−1/2Ed+1/2Ed)/3=1/6Ed …(13)
ベクトルC出力時:Vmc=(Vu,Vv,Vw)/3=(−1/2Ed+1/2Ed+1/2Ed)/3=1/6Ed …(14)
ただし、ここではモータ中性点電位をVmcとして示している。
【0027】
同様に、図24に示すフルブリッジインバータ回路の上アームスイッチ素子が1個、下アームスイッチ素子が2個オンするモードとしては、(Q,Q,Q)がオンのベクトルDと、(Q,Q,Q)がオンのベクトルEと、(Q,Q,Q)がオンのベクトルFを選ぶことができる。このときインバータ回路が出力できる空間ベクトルVinvは、図10(b)に示す三角形の範囲となる(網掛け部参照)。ベクトルD〜Fは次の(15)〜(17)式より、−1/6Edに固定され、コモンモード電圧変動によるノイズ電流は発生しない。
【0028】
ベクトルD出力時:Vmc=(Vu,Vv,Vw)/3=(−1/2Ed−1/2Ed+1/2Ed)/3=−1/6Ed …(15)
ベクトルE出力時:Vmc=(Vu,Vv,Vw)/3=(−1/2Ed+1/2Ed−1/2Ed)/3=−1/6Ed …(16)
ベクトルF出力時:Vmc=(Vu,Vv,Vw)/3=(1/2Ed−1/2Ed−1/2Ed)/3=−1/6Ed …(17)
【0029】
以上のようにすれば、図11に示す如くコモンモード電圧を発生しないように運転できるが、図10に示すように出力できる電圧ピーク値が1/2Edに低下する。そこで、ダイオード整流器をスイッチング素子からなるPWM整流器とし、これをインバータの場合と同様に運転する。すると、PWM整流器の出力できる電圧範囲は、図10の場合と同様に図12に示す円の電圧ピーク値が1/2Edとなる。このとき、直流中間電圧は昇圧チョッパの原理から、次の(18)式で示すように、入力電圧ピークVipの2倍の電圧となる。
Ed=Vip×1/(1−1/2)=2・Vip …(18)
したがって、図10のようにインバータ電圧のピーク値が直流電圧の1/2になっても、PWM整流器の出力電圧を入力電圧ピーク値の2倍にできるため、出力電圧を入力電圧と同等にすることができる。
【0030】
なお、上記の各方法で動作させると、漏れ電流は発生しないようになるが、モータの制御性能が低下することになる。そこで、上記の各方法を組み合わせ、インバータ回路の上アーム素子の2個と下アーム素子の1個をオンし、前記PWM整流回路の上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンしての運転と、インバータ回路の上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンし、前記PWM整流回路の上アーム素子の2個と下アーム素子の1個をオンしての運転とを、出力電圧1周期の間に切り換えて行なうと、ノイズを低減しつつ、モータの制御性能の低下を防ぐことができる。
【0031】
ところで、図24に示すシステムにおけるダイオード整流器2の入力電圧,相電流波形は、例えば図27のように特に電流波形には多くの高調波が含まれるため、入力電流高調波を低減する目的で、ダイオード整流器の代わりにリアクトル,コンデンサ,ダイオードとスイッチ素子を用いたさまざまなコンバータ回路が用いられることがある。その例としてPWM整流器があり、その例を図28に示す(かかる構成は、例えば特開平05−344736号公報の図1に開示されている)。
図28に示すものは、ダイオード整流器の代わりにリアクトル5とスイッチ素子Q〜Q12からなるコンバータ回路2aを用い、スイッチ素子Q〜Q12を適宜にオン・オフ制御することで、入力電流波形を正弦波に近づけながら、所望の出力電圧を得るものである。
【0032】
図29に図28におけるコモンモードの等価回路を示す。図29は、コンバータ回路2aのスイッチ素子による電位変動を基とするノイズ源1と、インバータ回路3のスイッチ素子による電位変動を基とするノイズ源2とが存在し、これらのノイズ源により配線およびモータの浮遊容量が充放電され、この充放電電流がノイズ電流となることを示している。
図30にコンバータ回路での電位変動、インバータ回路での電位変動、および電位変動に伴うノイズ電流波形等の例を示す。この図は、スイッチ素子からなるコンバータ回路を用いたことで、スイッチ素子が増加するだけでなく、スイッチ素子のスイッチング動作に伴う電位変動により発生するノイズが増加することを示している。
【0033】
よって、PWM整流器とすることで、入力電流高調波を低減させ、出力電圧範囲を拡大させることができるが、漏れ電流は一般的には増加することになる。そこで、PWM整流器側の出力電圧変動の総和とインバータ側の出力電圧変動の総和とを加えて零になるように、同期して運転することを考える。
例えば、インバータ出力電圧変動の総和を1/2Edとするときには、PWM整流器出力電圧変動の総和を−1/2Edになるように同期して運転すれば、図29に示すコモンモード等価回路のノイズ源1とノイズ源2が相殺されて、ノイズ電流を全く流さないようにすることができる。
【0034】
図13に、PWM整流器を用いた場合に漏れ電流が増加する問題に対処し得る別の実施の形態を示す。
これは、コンバータ回路2aの出力には平滑用のコンデンサCを、平滑用コンデンサCの出力には昇圧回路または降圧回路もしくは昇降圧回路8を、回路8の出力には平滑用のコンデンサCを、平滑用コンデンサCの出力にはインバータ回路3をそれぞれ接続して構成したもである。つまり、コンバータ回路2aとインバータ回路3との間に、平滑用コンデンサC,Cを挟んで昇圧回路または降圧回路もしくは昇降圧回路8を接続した点が特徴である。
【0035】
図13のように構成し、インバータ回路3の入力部の電圧値を回路8により変更することで、インバータ回路3のスイッチング動作を任意に変更させたとしても、コンバータ回路2aのスイッチング動作に同期,連動させることが可能となる。その結果、コンバータ回路2aでのスイッチング動作による電位変動と、インバータ回路3でのスイッチング動作による電位変動とを極力相殺するように、スイッチングパターンを形成することができるので、スイッチング動作による電位変動に伴って発生する高調波ノイズを低減することが可能となる。
【0036】
図14に図13の具体例を示す。
これは、コンバータ回路2aとして、リアクトル5とスイッチ素子Q〜Q12からなるものを用い、コンバータ回路2aとインバータ回路3との間には、平滑用コンデンサC,Cを挟んでスイッチ素子S1,S2、リアクトルL1、ダイオードD1,D2からなる昇降圧回路8aを接続した例である。
このような構成では、スイッチ素子S1のオン・オフ制御により、平滑用コンデンサCの電圧値を、平滑用コンデンサCの電圧値よりも低い値の範囲で任意に調整できるだけでなく、スイッチ素子S2のオン・オフ制御により、平滑用コンデンサCの電圧値を、平滑用コンデンサCの電圧値よりも高い値の範囲で任意に調整することができる。
【0037】
上記のようにすることで、インバータ回路3のスイッチ素子のスイッチングパターンを、コンバータ回路2aのスイッチ素子による電位変動を打ち消すように形成することができる。例えば、インバータの出力周波数が電源周波数と一致している場合には、昇降圧回路8aで平滑用コンデンサC2の電圧値を調整することにより、例えば図15に示すように、R相のスイッチングパターンとU相のスイッチングパターン、S相のスイッチングパターンとV相のスイッチングパターン、T相のスイッチングパターンとW相のスイッチングパターンをそれぞれ一致させることによって、コンバータ回路での電位変動とインバータ回路での電位変動が一致し、相殺される形となるので、コンバータ回路とインバータ回路の電位変動は、平滑用コンデンサC,Cの電圧差分の変動となり、ノイズ電流は大幅に低減できることになる。
【0038】
また、インバータの出力周波数が電源周波数と一致しない場合は、図16のようにインバータ回路における出力値が一番大きい相のスイッチングパターンのみを、コンバータ回路のスイッチングパターンと一致させることによって、電位変動の一部が相殺される形となり、ノイズ電流が低減される。
いずれにしても、インバータ回路の入力部の電圧値を調整することによって、コンバータ回路のスイッチングパターンとインバータ回路のスイッチングパターンの一部、または全てを一致させることができるので、スイッチ素子の電位変動に伴う高調波ノイズを低減することが可能となる。
【0039】
これまでは2レベルインバータを用いたが、上述のような中性点電位変動は3レベルインバータにより低減できることが知られている。図31に3レベルインバータを用いた例を示す。
図31の3レベルインバータ回路3aのスイッチQ1〜Q4において、スイッチQ1,Q2をオンするとVu=Vとなり、スイッチQ,QをオンするとVu=Vとなり、スイッチQ,QをオンするとVu=Vとなる。Vv,Vwについても同様で、各スイッチの動作状態と出力電圧との関係を表2に、また、中性点電位Vmcの波形例を図32に示す。なお、詳細が必要ならば、例えば特開平05−227796号公報を参照されたい。
【0040】
【表2】
Figure 2004222421
【0041】
これらのことから、3レベルインバータでは図24に示す2レベルインバータでは出力できなかった中間電位Vが出力できることなり、モータ中性点電位変動が2レベルインバータの1/3から1/6となる。その結果、漏れ電流によるノイズが低減され、ブレーカや周辺機器の誤動作も低減できる。
しかし、図32からも明らかなように、モータ中性点電位が搬送波の1周期当たり12回変動し、これに基づきノイズが発生することになる。
【0042】
図17はこの発明の他の実施の形態を説明するための説明図で、3レベルインバータのスイッチングパターンを工夫することで、モータ中性点の電位変動を抑制するものである。
図17のベクトル図は、図31に示す3レベルインバータの、スイッチング素子Q〜Q12のスイッチング動作によって取り得る電圧ベクトルの範囲を示している。太枠で示した最大の六角形の内側のベクトルであれば、スイッチングパターンの組み合わせによって任意に出力できる。また、六角形内部を24領域に均等に分割している正三角形の各頂点は、3相出力の1つのスイッチングパターンで出力することができる電圧ベクトルを示す。
【0043】
表3に、3レベルインバータの3相出力電圧とモータ中性点電位との関係を示す。3相出力電位とスイッチング素子Q〜Q12のスイッチング状態との関係は先の表2を参照されたい。表3より、3相出力電圧の出力パターンは27個あり、それぞれのパターンにおいて、モータ中性点電位は0,±Ed/6,±Ed/3,±Ed/2のいずれかの値となる。
【0044】
【表3】
Figure 2004222421
【0045】
ここで、表3でモータ中性点電位が0となる7つのパターンに着目する。この7つのパターンは、図17の「●」印の電圧ベクトルに相当し、これらの7つのパターンを組み合わせることによって、「●」印を頂点とする点線で示した六角形内部の電圧ベクトルは全て出すことができる。よって、「●」印を頂点とする六角形内部の出力指令値に対しては、モータ中性点電位を変動させずに出力できることになる。
【0046】
しかし、上記の六角形内部のベクトルだけでは、出力できる電圧値が限定されてしまうので、上記の六角形の外部で出力可能な範囲についても同様にモータ中性点電位変動を極力抑えることを考えると、図17の▲1▼〜▲5▼の5つの領域に分けることができる。
▲1▼の領域は上述のモータ中性点電位が零で、変動も零となる領域であり、▲2▼の領域はモータ中性点電位が+Ed/6で、変動が零となる領域であり、▲3▼の領域はモータ中性点電位が−Ed/6で、変動が零となる領域である。▲4▼の領域はモータ中性点電位が零と+Ed/6とを組み合わせる。よって、電位変動は制御周期内に±Ed/6で最低1回ずつ変化させる必要がある。また、▲5▼の領域はモータ中性点電位が零と−Ed/6とを組み合わせる。よって、電位変動は制御周期内に±Ed/6で最低1回ずつ変化させる必要がある。
【0047】
表4に、図17に示す各領域でのモータ中性点電位と電位変動との関係を示す。
以上のように、任意の出力指令値に対して、各領域ごとに使用するスイッチングパターンを限定することで、モータ中性点電位変動を極力抑えることができる。この考え方を基に、モータ制御性能との兼ね合いも考慮し最終的にスイッチングパターンを決定することで、従来よりもモータ中性点電位変動が大幅に抑えられ、その結果漏れ電流を低減できるだけでなく、モータ中性点電位変動に起因するモータの劣化も改善できる。
【0048】
【表4】
Figure 2004222421
【0049】
図18は図17の変形例を説明するための説明図で、3レベルインバータで出力可能な電圧ベクトルの領域をA,B,Cの3つに分け、その領域ごとにスイッチングパターンを限定したものである。すなわち、図17の領域▲1▼を領域A、領域▲2▼,▲4▼を合わせて領域B、領域▲3▼,▲5▼を合わせて領域Cとしている。これによれば、図17場合と比べて中性点電位変動回数は増加するが、その分、トータルのスイッチング回数を低減できるので、損失を低減できる利点がある。中性点電位変動回数が増加する分漏れ電流も増加するが、従来のものに比べれば大幅な低減が可能である。図18の場合の、各領域でのモータ中性点電位と電位変動との関係を表5に示す。
【0050】
【表5】
Figure 2004222421
【0051】
図19は整流回路にコンデンサ電圧調整機能を持たせた例である。
交流電圧を直流電圧に変換する整流回路2bに、直流中間のコンデンサ直列接続回路の各コンデンサ電圧を調整する機能を持たせたものである。
すなわち、3レベルインバータでは、パルスパターンにより、直流中間部のコンデンサ直列接続回路のコンデンサ電圧が変動してしまう。コンデンサ電圧が変動すると、各スイッチング素子にかかる電圧が変化し、最悪の場合、各スイッチング素子に2倍の電圧が定常的に印加されることとなり、素子が破壊する可能性がある。
【0052】
素子の破壊を回避するためには、スイッチング素子に耐圧が大きいものを使用する必要が生じたりする。また、コンデンサ電圧の変動で出力電圧の精度が悪くなり、モータ制御性能に悪影響を与える。このことから、3レベルインバータでは、コンデンサ電圧の変動を抑制するようなスイッチングパターンを選定する必要が生じたりしている。
そこで、図19のように、直流中間のコンデンサ直列接続回路の各コンデンサ電圧の制御を整流回路2bで実施することにより、インバータのパルスパターンの選定によるコンデンサ電圧の変動抑制制御が不要となり、余分の中性点電位変動をなくすことができ、漏れ電流を低減することが可能となる。
【0053】
図20に図19の整流回路の具体例を示す。
この整流回路2bは、ダイオードD51〜D58およびスイッチング素子Q13,Q14より構成される。
ここで、入力部のR端子の方がS端子よりも電位が高い場合には、スイッチング素子Q13をオンすることにより、ダイオードD51→スイッチング素子Q13→ダイオードD56→リアクトルL1→コンデンサCの経路で、コンデンサCの電圧を調整することが可能である。
【0054】
逆に、R端子の方がS端子よりも電位が低い場合には、スイッチング素子Q13をオンすることにより、コンデンサC→リアクトルL2→ダイオードD55→スイッチング素子Q13→ダイオードD52の経路で、コンデンサCの電圧を調整することが可能である。また、S端子とT端子においても同様にS端子の方がT端子よりも電位が高い場合には、コンデンサCの電圧を調整することが可能であり、S端子の方がT端子よりも電位が低い場合には、コンデンサCの電圧を調整することが可能である。
なお、図19,図20の回路を用いて図17または図18に示すスイッチングパターンを選択すれば、コンデンサ電圧変動を抑制するためのスイッチングパターンを使用せずに済み、モータの中性点電位変動がより少なくなるスイッチングパターンを選択でき、結果的に漏れ電流を大幅に低減することが可能となる。
【0055】
図21に整流回路の別の例を示す。
これは、交流電圧を直流電圧に変換する整流回路2cに、直流中間電圧を入力線間電圧のピーク値以上に上げられる機能を持たせたものである。
図22にベクトルAとして示すように、モータ駆動に必要な出力電圧ベクトルが描く軌跡である円1に対して、モータ中性点電位が零となるスイッチングパターンのみを使用した場合、出力可能な電圧ベクトルはベクトルAの▲1▼の領域となり、モータ駆動に必要な電圧ベクトルのすべては出力できない。そこで、直流中間電圧値を上げることで、図22のベクトルBのように出力可能な電圧ベクトルの範囲を拡大し、モータ駆動に必要な電圧ベクトルのすべてを、モータの中性点電位変動が零となるスイッチングパターンのみで出力できるようにするものである。
【0056】
図23に図21の具体例を示す。
この整流回路2cは、ダイオード整流器の出力に昇圧チョッパ回路を接続して構成される。したがって、昇圧チョッパ回路のスイッチング素子Qをオン,オフさせることにより、直流中間電圧を入力線間電圧のピーク値以上に上げることができる。
なお、図20に示すものは倍電圧整流回路構成となっているので、図20でも直流中間電圧を入力線間電圧のピーク値以上に上げることが可能である。よって、図20の回路は直流中間コンデンサ電圧の調整機能と、直流中間電圧を入力線間電圧のピーク値以上に上げる機能との両方の機能を備えていることになり、モータの中性点電位変動が低減するスイッチングパターンの選定が容易になる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1〜4の発明によれば、簡単な回路構成でモータ中性点電位変動を低減でき、漏れ電流が低減できるため、低価格化,小形化が可能となる。
請求項5,6の発明によれば、コンバータ回路を構成するスイッチ素子と、インバータ回路を構成するスイッチ素子のスイッチング動作を、高周波ノイズ低減のために同期または連動できるためフィルタを小形または不要にでき、システム全体として低価格化,小形化が可能となる。
請求項7の発明によれば、インバータの出力電圧の中性点電位変動をなくすことができるため、コモンモードのノイズ電流が流れず、フィルタを小形または不要にでき、システム全体として低価格化,小形化が可能となる。
請求項8,9の発明によれば、インバータの出力電圧の低下をPWM整流器の昇圧動作で補償できるため、入力電圧を同じ値まで出力できる。インバータとPWM整流器の出力電圧の中性点電位変動をなくすことができるため、コモンモードのノイズ電流が流れず、フィルタを小形または不要にでき、システム全体として低価格化,小形化が可能となる。
請求項10〜14の発明によれば、スイッチ素子のパルスパターンを工夫することでモータ中性点電位変動を低減でき、漏れ電流が低減できるため、信頼性の高いシステムが構築できる。また、フィルタを小形または不要にでき、システム全体として低価格化,小形化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す構成図
【図2】図1の漏れ電流経路の簡易等価回路図
【図3】モータの中性点電位波形図(その1)
【図4】モータの中性点電位波形図(その2)
【図5】図1の第1の具体例を示す構成図
【図6】図1の第2の具体例を示す構成図
【図7】図1の第3の具体例を示す構成図
【図8】モータの中性点電位波形図(その3)
【図9】図1の第4の具体例を示す構成図
【図10】この発明の第2の実施の形態を説明する説明図
【図11】電位変動波形図
【図12】PWM整流器の出力電圧ベクトル図
【図13】この発明の第3の実施の形態を示す構成図
【図14】図13の具体例を示す構成図
【図15】図14における電位変動波形,ノイズ波形例図(その1)
【図16】図14における電位変動波形,ノイズ波形例図(その2)
【図17】この発明の第4の実施の形態を説明する説明図
【図18】図17の第1変形例の説明図
【図19】整流回路にコンデンサ電圧調整機能を持たせた場合の構成図
【図20】図19の整流回路例を示す回路図
【図21】整流回路に直流中間電圧の昇圧機能を持たせた場合の構成図
【図22】図21の動作説明図
【図23】図21の整流回路の具体的回路図
【図24】従来の誘導電動機駆動システム構成図
【図25】図24でのモータ中性点電位波形例図
【図26】フィルタ回路図
【図27】図24のダイオード整流器の入力相電圧,相電流波形図
【図28】コンバータ回路を用いた誘導電動機駆動システム構成図
【図29】図28のコモンモード時の等価回路図
【図30】図28における電位変動波形,ノイズ波形例図
【図31】3レベルインバータの従来例を示す構成図
【図32】図31でのモータ中性点電位波形例図
【符号の説明】1…交流電源、2…ダイオード整流器、2a,2b,2c…整流回路、3…インバータ回路、3a…3レベルインバータ回路、4…モータ、5…リアクトル、6…3相一括短絡回路、7…電位固定回路、7a…電力授受機能付き電位固定回路、8…昇圧回路または降圧回路もしくは昇降圧回路、8a…昇降圧回路、Q1〜Q14,S1〜S3…スイッチ素子、D1〜D6,D51〜D58…ダイオード、C〜C…コンデンサ。

Claims (14)

  1. 交流電源に接続された整流回路と、この整流回路の直流出力側に平滑回路とインバータ回路とを接続して構成される電力変換装置において、前記インバータ回路の出力部に出力の複数相またはすべての相を短絡する出力短絡回路と、この出力短絡回路の電位を固定する電位固定回路とを設けたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記出力短絡回路を複数個のダイオードと1つのスイッチング素子で構成することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記電位固定回路を複数の電位点から1つを選択可能な構成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記電位固定回路を、前記インバータ回路の出力部と直流中間部との間で電力授受が可能な構成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電力変換装置。
  5. 交流電源に接続された整流回路と、この整流回路の直流出力側に平滑回路とインバータ回路とを接続して構成される電力変換装置において、前記整流回路を少なくとも1つのスイッチ素子を有するコンバータ回路とするとともに、前記平滑回路とインバータ回路との間に昇圧回路または降圧回路もしくは昇降圧回路を接続することを特徴とする電力変換装置。
  6. 前記コンバータ回路を構成するスイッチ素子のスイッチング動作による電位変動の総和と、前記インバータ回路を構成するスイッチ素子のスイッチング動作による電位変動の総和とが一致するようにスイッチングさせることを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 交流電源に接続された整流回路と、この整流回路の直流出力側に平滑回路とインバータ回路とを接続して構成される電力変換装置において、前記インバータ回路をスイッチ素子によるフルブリッジ構成とし、上アーム素子の2個と下アーム素子の1個、または上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンするスイッチングパターンのみで運転することを特徴とする電力変換装置。
  8. 前記整流回路をスイッチ素子によるフルブリッジ構成のPWM整流回路とし、前記インバータ回路の上アーム素子の2個と下アーム素子の1個をオンして運転するときは、前記PWM整流回路の上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンして運転するか、またはインバータ回路の上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンして運転するときは、前記PWM整流回路の上アーム素子の2個と下アーム素子の1個をオンして運転することを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 前記インバータ回路の上アーム素子の2個と下アーム素子の1個をオンし、前記PWM整流回路の上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンしての運転と、インバータ回路の上アーム素子の1個と下アーム素子の2個をオンし、前記PWM整流回路の上アーム素子の2個と下アーム素子の1個をオンしての運転とを、出力電圧1周期の間に切り換えて行なうことを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
  10. 交流電源に接続された整流回路と、この整流回路の直流出力側にコンデンサを直列接続してなる平滑回路と、スイッチ素子によって平滑回路の正極電位と負極電位とコンデンサ接続点の中間電位とを任意に出力可能な3レベルインバータ回路または3レベル以上のマルチレベルインバータ回路とから構成される電力変換装置において、
    任意の出力指令値に対して、スイッチ素子のスイッチング動作に伴う出力端子の電位変動の総和が変動しないスイッチングパターンを優先させて制御することを特徴とする電力変換装置。
  11. 交流電源に接続された整流回路と、この整流回路の直流出力側にコンデンサを直列接続してなる平滑回路と、スイッチ素子によって平滑回路の正極電位と負極電位とコンデンサ接続点の中間電位とを任意に出力可能な3レベルインバータ回路または3レベル以上のマルチレベルインバータ回路とから構成される電力変換装置において、
    低出力電圧範囲では、スイッチ素子のスイッチング動作に伴う出力端子の電位変動の総和が零となるスイッチングパターンで優先して制御し、
    出力端子の電位変動の総和が零となるスイッチングパターンのみでは出力できない高出力電圧範囲では、
    出力指令値に応じて、出力端子の電位変動の総和が前記整流回路の出力部である直流中間電圧の半分で極性がプラスとなるスイッチングパターンのみ、
    または、出力端子の電位変動の総和が前記整流回路の出力部である直流中間電圧の半分で極性がマイナスとなるスイッチングパターンのみ、
    もしくは、出力端子の電位変動の総和が零、または前記整流回路の出力部である直流中間電圧の半分で極性がプラスとなるスイッチングパターンとの組み合わせ、
    或いは、出力端子の電位変動の総和が零、または前記整流回路の出力部である直流中間電圧の半分で極性がマイナスとなるスイッチングパターンとの組み合わせ、
    のいずれかのスイッチングパターンで制御することを特徴とする電力変換装置。
  12. 前記整流回路に、前記平滑回路を構成するコンデンサの電圧値を調整する機能を持たせることを特徴とする請求項10または11に記載の電力変換装置。
  13. 任意の出力指令値に対して、スイッチ素子のスイッチング動作に伴う出力端子の電位変動の総和が可能な限り変動しないスイッチングパターンを形成することを特徴とする請求項12に記載の電力変換装置。
  14. 前記整流回路の出力電圧を、入力線間電圧のピーク値以上に出力し得る構成にしたことを特徴とする請求項10または11に記載の電力変換装置。
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