JP2008043096A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易かつ小型でコモンモードノイズを低減することができる電力変換装置を提供すること。
【解決手段】交流電源1のR相と、単相PFC整流器4のP相との間、および交流電源1のS相と、単相PFC整流器4のN相との間に、負荷6とアース9との間の浮遊静電容量の数倍の大きさの容量をもつコンデンサ13,14をそれぞれ接続し、単相PFC整流器4のスイッチング前後に生じる電位変動によって浮遊静電容量を介して流れる漏洩電流を、コンデンサ13,14を介して交流電源1側に分流することで、コモンモードノイズ電流を低減するようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】交流電源1のR相と、単相PFC整流器4のP相との間、および交流電源1のS相と、単相PFC整流器4のN相との間に、負荷6とアース9との間の浮遊静電容量の数倍の大きさの容量をもつコンデンサ13,14をそれぞれ接続し、単相PFC整流器4のスイッチング前後に生じる電位変動によって浮遊静電容量を介して流れる漏洩電流を、コンデンサ13,14を介して交流電源1側に分流することで、コモンモードノイズ電流を低減するようにしている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ダイオードやスイッチング素子などを用いる電力変換装置に関するものである。
ダイオード、スイッチング素子などを用いた電力変換装置では、電流や電圧が非線形に変換される為、高周波の電流や電圧が発生しノイズ電圧となる。例えば、空気調和機に用いられる電力変換装置では、入力される交流電源の周波数が50Hzであるのに対して、スイッチング素子のスイッチング周波数は数十kHz程度となり、スイッチング素子のスイッチングに起因して発生する高周波ノイズは数十kHz以上となる。このノイズ電圧は、信号ライン間に発生するノーマルモードノイズと、信号ラインや電力変換装置に接続される負荷とアースとの間に存在する浮遊容量を介して漏洩電流が流れることにより発生するコモンモードノイズとに分けられる。従来から、ノーマルモードノイズは、信号ラインにフィルタを挿入することによって低減させていた。また、コモンモードノイズは、例えば2本の信号ラインを1つのフェライトコアに各々逆向きに巻くコモンモードチョークコイルを実装したり、信号ラインとアースとの間にバイパスコンデンサを接続したりして低減させていた。
具体的には、室外機に電力変換装置としてのインバータを備えた空気調和機においてコモンモードチョークコイルと電源ライン−アース間のバイパスコンデンサとを各々備え、コモンモードノイズを低減するものがある(特許文献1参照)。
さらに、整流回路およびインバータ回路を備えた電力変換装置では、1つの鉄心型コアにほぼ同一のインダクタンスを有する第1の巻線と第2の巻線をそれぞれ巻装したリアクトルを交直変換装置(整流回路)とインバータ装置との間に設け、第1の巻線を直流ラインの一方に、第2の巻線を直流ラインの他方にそれぞれ接続し、さらにリアクトルとインバータ装置との間に力率改善用のスイッチング素子を設け、リアクトルがコモンモードチョークコイルとして作用し、力率改善用のスイッチング素子のスイッチングにより発生するコモンモードノイズを低減するものがある(特許文献2参照)。
ところで、信号ラインが2本である場合、ノーマルモードノイズを低減するためのフィルタは、2本の信号ラインのうちのいずれか一方に直列にインダクタンスを挿入することによって比較的小型で安価に実現することができる。
一方、コモンモードノイズを低減するためのコモンモードチョークコイルは、ノイズ電流に対して直列にインピーダンスを挿入してコモンモードノイズを低減させるものであり、ノイズ源と入力との間にインピーダンスを挿入するという作用をもつ。これは、ノイズ電流を低減させることによって漏洩電流を低減する有効な方法であるが、ノイズ源のエネルギー自体を小さくする作用はなく、ノイズ源のエネルギーが大きい場合には、大きなインピーダンスが必要となり、結果として大きなコモンモードチョークコイルが必要となるという問題点がある。さらに、上述したように2本の信号ラインを一括してフェライトコアに巻くため構造が複雑になり、コモンモードチョークコイルによるコモンモードノイズ低減には、形状、コストの面で問題があった。
また、コモンモードノイズを低減させるもう一つの手段であるバイパスコンデンサ(ラインバイパスコンデンサとも呼ぶ)は、2本の電源ライン(信号ライン)とアース(装置グランド,装置のシャーシなど)との間にコンデンサを挿入することでコモンモード端子電圧を下げることができるが、このバイパスコンデンサはノイズ端子電圧を低減するものの、このバイパスコンデンサがアースに接続されているため、バイパスコンデンサを流れる電流が漏洩電流となり、アースを経由して還流した成分がノイズ源となる場合があり、コモンモードノイズの低減に十分な効果が得られないことがあるという問題点があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易かつ小型でコモンモードノイズを低減することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる電力変換装置は、交流電源から供給された電力を電力変換部によって電力変換し、該電力変換された電力を負荷に供給する電力変換装置であって、前記交流電源と前記負荷との間にコンデンサを接続したことを特徴とする。
また、この発明にかかる電力変換装置は、上記の発明において、前記電力変換部は、単相PFC整流器であり、該単相PFC整流器のR相とP相(またはN相)との間、および該単相PFC整流器のS相とN相(またはP相)との間に、それぞれ前記コンデンサを接続したことを特徴とする。
また、この発明にかかる電力変換装置は、上記の発明において、前記電力変換部は、前記PFC整流器の後段にインバータが接続され、該単相PFC整流器のR相と前記インバータの出力であるU相、V相、およびW相の各相との間、および該単相PFC整流器のS相と前記インバータの出力であるU相、V相、およびW相の各相との間に、前記コンデンサを接続したことを特徴とする。
また、この発明にかかる電力変換装置は、上記の発明において、前記コンデンサは、前記負荷と前記アースとの間の浮遊静電容量に比して大きな静電容量をもつことを特徴とする。
また、この発明にかかる電力変換装置は、上記の発明において、前記単相PFC整流器に用いられる2つのリアクトルのインダクタンス値を同じにしたことを特徴とする。
この発明にかかる電力変換装置では、交流電源と負荷との間にコンデンサを接続し、PFCのスイッチングやインバータのスイッチングなどの前後に生じる電位変動によって前記浮遊静電容量を介して流れる漏洩電流を、前記コンデンサを介して電源側に分流するようにしているので、簡易かつ小型な構成で、コモンモードノイズを低減することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態である電力変換装置について説明する。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる電力変換装置の構成を示す回路図である。図1では、電力変換装置の一例としてPFC整流回路を示している。図1において、この電力変換装置は、交流電源1のR相側にリアクトル2(Lr)、S相側にリアクトル3(Ls)の一端がそれぞれ接続され、リアクトル2,3のそれぞれの他端間にスイッチング素子10が接続され、さらにリアクトル2、3の他端にダイオード整流器4が接続される。ダイオード整流器4のP相とN相との間には、平滑コンデンサ5が接続され、平滑コンデンサ5と並列に負荷6が接続されている。交流電源1から供給された交流電流は、リアクトル2、3の持つインダクタンスの作用およびスイッチング素子10をオン、オフすることで電流波形を電圧波形と同位相の正弦波に近づけられ、力率が改善された交流電流となる。この交流電流は、ダイオード整流器4で整流されて半端整流波となり、この半波整流波は、平滑コンデンサ5によって直流に変換される。この直流に負荷6が接続されると負荷6とアース9との間にそれぞれ浮遊静電容量が存在する。これは等価的に直流のP相、N相とアース9との間にコンデンサ7(Cf1),8(Cf2)が接続されたものとみることができる。ここで、直流のP相、N相と、交流電源1のR相、S相との間にはそれぞれコンデンサ13,14が接続される。このコンデンサ13,14の静電容量の大きさは、浮遊静電容量と等価なコンデンサ7,8の静電容量の大きさの数倍に設定されている。
図1は、この発明の実施の形態1にかかる電力変換装置の構成を示す回路図である。図1では、電力変換装置の一例としてPFC整流回路を示している。図1において、この電力変換装置は、交流電源1のR相側にリアクトル2(Lr)、S相側にリアクトル3(Ls)の一端がそれぞれ接続され、リアクトル2,3のそれぞれの他端間にスイッチング素子10が接続され、さらにリアクトル2、3の他端にダイオード整流器4が接続される。ダイオード整流器4のP相とN相との間には、平滑コンデンサ5が接続され、平滑コンデンサ5と並列に負荷6が接続されている。交流電源1から供給された交流電流は、リアクトル2、3の持つインダクタンスの作用およびスイッチング素子10をオン、オフすることで電流波形を電圧波形と同位相の正弦波に近づけられ、力率が改善された交流電流となる。この交流電流は、ダイオード整流器4で整流されて半端整流波となり、この半波整流波は、平滑コンデンサ5によって直流に変換される。この直流に負荷6が接続されると負荷6とアース9との間にそれぞれ浮遊静電容量が存在する。これは等価的に直流のP相、N相とアース9との間にコンデンサ7(Cf1),8(Cf2)が接続されたものとみることができる。ここで、直流のP相、N相と、交流電源1のR相、S相との間にはそれぞれコンデンサ13,14が接続される。このコンデンサ13,14の静電容量の大きさは、浮遊静電容量と等価なコンデンサ7,8の静電容量の大きさの数倍に設定されている。
スイッチング素子10がオフで、ダイオード整流器4に電流が流れているときP相の電位は、Vr+Lrdi/dtである。そして、スイッチング素子10がオンになるとダイオード整流器4がオフし、コンデンサ7,8は、電流が流れた最後の電位を維持する。次のスイッチングタイミングでスイッチング素子10がオフして電流が流れる時は、スイッチング間隔の時間経過により、Vrもdi/dtも変化している。この差によってコンデンサ7,8に電位変動が生じ漏洩電流が流れる。
図2は、コンデンサ13,14を設けない場合の構成での上述したスイッチング前後の電位変動に着目した等価回路である。ここで、102は、スイッチングの前後で生じる電位差であり、101は、リアクトル2,3に対応し、103は、コンデンサ(浮遊静電容量)7,8に対応している。また、図3は、本発明によるコンデンサ13,14を設けた場合の構成での上述したスイッチング前後の電位変動に着目した等価回路である。104は、コンデンサ13,14に対応する。図3では、コンデンサ13,14は、コンデンサ7,8の数倍の容量である。例えば、コンデンサ13,14は、コンデンサ7,8の浮遊静電容量を1000pFとした場合、5000pF程度の容量をもち、図1に示すように、交流電源1側のR相,S相とダイオード整流器4のP相、N相との間にそれぞれ接続されている。また、コンデンサ13,14の静電容量は、R相とS相とに分流される漏洩電流をバランスさせ、直流の中性点電位を入力(交流電源1側)の中性点電位に近づけるために、同じ値としている。
図3に示すように、コンデンサ13,14を設けることによって、これまでスイッチング前後の電位差によって103に流れていた電流(If)をコンデンサ103より大きい容量のコンデンサ104を介して流すことができる(Ia)。コンデンサ104を流れる電流Iaは、図1に示す電流Ia1,Ia2に対応し、電源供給ラインに流れるため、漏洩電流にはならない。従って、コンデンサ13,14を設けることによって、ノイズ源102の電位変動による電流は、コンデンサ103とコンデンサ104とに分流されるため、コンデンサ103を流れる電流Ifは少なくなる。すなわち、浮遊静電容量であるコンデンサ7,8を流れる電流が少なくなり、漏洩電流、コモンモードノイズを低減させることができる。ここで、コンデンサ13,14は、コンデンサ(浮遊静電容量)7,8の数倍の容量としたが、これは、コンデンサ13,14の上記漏洩電流(ノイズ)に対するインピーダンスが、コンデンサ(浮遊静電容量)7,8に比べて十分小さくなる容量であることを意味している。
なお、図4は、この発明の実施の形態1の変形例である電力変換装置の構成を示す回路図である。図4に示した電力変換装置は、ダイオード整流器4を交流電源1の後段であってリアクトル2,3の前段に設けた単相PFC整流回路であり、浮遊静電容量であるコンデンサ7,8の数倍の容量のコンデンサ13、14が、それぞれ交流電源1のR相とダイオード11のカソードとの間、およびS相とダイオード12のアノードとの接続されている。この変形例においても、漏洩電流がコンデンサ13,14に分流され、交流電源1側に還流され、漏洩電流、コモンモードノイズが低減される。
ここで、この発明の実施の形態1の応用例について説明する。上述した実施の形態1では、単相PFC整流回路のコモンモードノイズを低減するものであったが、この実施の形態1の応用例では、この単相PFC整流回路の後段にインバータ回路を付加した電力変換装置のコモンモードノイズを低減することができる。
図5は、この発明の実施の形態1の応用例である電力変換装置の構成を示す回路図である。図5に示した電力変換装置は、図1に示したPFC整流回路の負荷にインバータ回路を接続し、このインバータ回路の各出力信号ラインと交流電源1のR相、S相との間をコンデンサ19〜24で接続している。
このような回路において、負荷であるインバータ回路15の出力ラインとアース9との間に浮遊静電容量(コンデンサ16,17,18)が存在する。インバータ回路15内の各スイッチング素子がスイッチングすると、このスイッチングの前後で直流電圧の変動分だけ電位変動が生じる。この電位変動は、コンデンサ16,17,18を介してアース9に流れる漏洩電流を発生させる。
ここで、交流電源1のR相,S相と、インバータ回路15の各出力(U相,V相,W相)とを、インバータ回路15の出力ラインとアース9との間の浮遊静電容量であるコンデンサ16,17,18の数倍のコンデンサ19〜24で接続している。インバータ回路15の各出力と、交流電源1のR相との間に接続したコンデンサ19,20,21、およびインバータ回路15の各出力と、交流電源1のS相と間に接続したコンデンサ22,23,24は、R相とS相とに分流される漏洩電流をバランスさせ、インバータ回路15の出力の中性点電位と入力(交流電源1側)の中性点電位とを近づけるようにするため同じ容量としている。
図5に示した電力変換装置におけるスイッチングの前後の電位変動に着目して等価回路を書くと、実施の形態1と同様に、図3に示したもので表すことができる。この場合、104がコンデンサ19〜24に対応する。そして、コンデンサ104を設けることによって、これまで103を流れていた電流の多くがコンデンサ104に流れることになる。すなわち、コンデンサ16〜18を流れる電流が減少し、この減少分がコンデンサ19〜24に流れる。ここで、コンデンサ19〜24は、電源供給ラインに接続されているので、これらに流れる電流は漏洩電流とならず、コモンモードノイズを発生させることはなく、漏洩電流、コモンモードノイズを低減させることができる。
この実施の形態1では、コンデンサ13,14、19〜24を設けるのみで、コンデンサ13,14、19〜24を介してコモンモードノイズ電流が分流されて交流電源側1に戻され、コモンモードノイズを低減することができる。さらに、上述した電力変換装置では、このコンデンサ13,14、19〜24によるコモンモードノイズの低減が図れるため、別途ノイズ対策部品としてコモンモードチョークコイルやバイパスコンデンサなどを付加する場合でも、本発明を適用しない場合に比べて、それらのノイズ対策部品を小さくすることができるので、小型軽量化を促進することができる。
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。図6は、この発明の実施の形態2である電力変換装置の構成を示す回路図である。図1に示した電力変換装置では、分流用コンデンサであるコンデンサ13,14が交流電源1の電源供給ラインのR相、S相のそれぞれに直接に接続されていたが、この実施の形態2では、R相とS相との間にインピーダンスの低い中性点、例えば、R相とS相との間にリップル除去のための大容量コンデンサ25,26を直列に接続し、その中間点にP相およびN相からからコンデンサ13,14をそれぞれ接続するようにしている。
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。図6は、この発明の実施の形態2である電力変換装置の構成を示す回路図である。図1に示した電力変換装置では、分流用コンデンサであるコンデンサ13,14が交流電源1の電源供給ラインのR相、S相のそれぞれに直接に接続されていたが、この実施の形態2では、R相とS相との間にインピーダンスの低い中性点、例えば、R相とS相との間にリップル除去のための大容量コンデンサ25,26を直列に接続し、その中間点にP相およびN相からからコンデンサ13,14をそれぞれ接続するようにしている。
一般に、リップル除去のためにR相およびS相との間には、大容量のコンデンサを直列に接続することが行なわれ、この大容量のコンデンサを利用することによって、分流用コンデンサであるコンデンサ13,14の接続点の自由度を確保することができる。
図7は、この発明の実施の形態2である電力変換装置の変形例の構成を示す回路図である。この図7に示した電力変換装置は、図5に示した電力変換装置に対して、図6と同様に、R相とS相との間にインピーダンスの低い中性点、例えば、R相とS相との間にリップル除去のための大容量コンデンサ25,26を直列に接続し、その中間点に、インバータ回路15の出力であるU相,V相,W相からコンデンサ19,20,21をそれぞれ接続するようにしている。
この場合、図5に示したコンデンサ22,23,24を削除した構成となり、図5に設けた分流用のコンデンサの数を6個から3個に削減することができ、一層、簡易な構成となり、小型化を促進することができる。なお、図7に示した構成では、コンデンサ19,20,21を共通接続しているが、各コンデンサ19,20,21をそれぞれ個別にコンデンサ25,26の中性点に接続するようにしてもよい。
なお、上述した分流用のコンデンサ13,14、19〜24の中性点への接続は、実施の形態1に示した各構成に対して適宜選択的に組み合わせても良い。たとえば、図4に示した電力変換装置にも適用することができる。
また、上述した実施の形態1,2の構成に、ノーマルモードノイズ削減用のフィルタなどを併用することができるのはもちろんである。
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3では、図1に示した電力変換装置のリアクトル2,3のインダクタンスの値を同一にしている。
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3では、図1に示した電力変換装置のリアクトル2,3のインダクタンスの値を同一にしている。
すなわち、交流電源1のR相側にリアクトル2のリアクタンスLrの値と、S相側にリアクトル3のリアクタンスLsの値とを同一にしている。
ここで、P相、N相の電位は、コンデンサ7,8の電位によって決定される。スイッチング素子10がオフとなりダイオード整流器4に電流が流れたとき、P相、N相の電位は、ダイオード整流器4が導通しているので、それぞれリアクトル2,3の電位となる。スイッチング素子10がオンとなり、ダイオード整流器4の電流が流れなくなると、コンデンサ7,8によってP相、N相の電位は、電流が流れていた時の最後の電位を保持する。
ダイオード整流器4の出力電圧は、平滑コンデンサ5によって一定に制御されるため、ダイオード整流器4の出力の中性点電圧により、P相、N相の電位変動を説明することができる。R相からS相に電流が流れている時、P相の電位は、Vr+Lrdi/dt、N相の電位は、Vs−Lsdi/dtであるので、中性点電位は、
((Vr+Lrdi/dt)+(Vs−Lsdi/dt))/2
=(Vr+Vs)/2+((Lr−Ls)/2)di/dt …(1)
である。一方、S相からR相に電流が流れる時の中性点電位は、同様にして、
((Vr−Lrdi/dt)+(Vs+Lsdi/dt))/2
=(Vr+Vs)/2+((Ls−Lr)/2)di/dt …(2)
となる。従って、R相からS相への電流の向きが逆になると(1)、(2)式より、
(Lr−Ls)di/dt …(3)
の電位変動が、中性点電位に生じることとなる(図8参照)。この結果、電流の流れる向きが変化する時に直流回路に大きな電位変動が生じ、このため、コンデンサ7,8に大きな電流が流れる。ここで、リアクトル2,3のインダクタンスの各値がLr=Lsであれば、(3)式は、時間に関係なく零となり、電流の向きが変化する時の中性点電位の変動はない(図9参照)。中性点電位に大きな変動がなければ、浮遊静電容量であるコンデンサ7,8に大きな電流は流れない。従って、Lr=Lsとすることによって、電流の向きが変わるときの電位変動を回避することができ、コモンモードチョークコイルがなくても漏洩電流、コモンモードノイズを低減させることができる。実際にはLr≒Lsであれば中性点電位に大きな変動がなくなることは、(3)式から明らかである。
((Vr+Lrdi/dt)+(Vs−Lsdi/dt))/2
=(Vr+Vs)/2+((Lr−Ls)/2)di/dt …(1)
である。一方、S相からR相に電流が流れる時の中性点電位は、同様にして、
((Vr−Lrdi/dt)+(Vs+Lsdi/dt))/2
=(Vr+Vs)/2+((Ls−Lr)/2)di/dt …(2)
となる。従って、R相からS相への電流の向きが逆になると(1)、(2)式より、
(Lr−Ls)di/dt …(3)
の電位変動が、中性点電位に生じることとなる(図8参照)。この結果、電流の流れる向きが変化する時に直流回路に大きな電位変動が生じ、このため、コンデンサ7,8に大きな電流が流れる。ここで、リアクトル2,3のインダクタンスの各値がLr=Lsであれば、(3)式は、時間に関係なく零となり、電流の向きが変化する時の中性点電位の変動はない(図9参照)。中性点電位に大きな変動がなければ、浮遊静電容量であるコンデンサ7,8に大きな電流は流れない。従って、Lr=Lsとすることによって、電流の向きが変わるときの電位変動を回避することができ、コモンモードチョークコイルがなくても漏洩電流、コモンモードノイズを低減させることができる。実際にはLr≒Lsであれば中性点電位に大きな変動がなくなることは、(3)式から明らかである。
なお、R相、S相間で電流の流れる向きが変わるのは、スイッチング素子10のオン、オフによるだけでなく、リアクトル2,3に直接接続されている電源が交流電源であるため交流電源の位相の変化に応じても起こり、上記のLr=Lsの効果は、いずれの場合でも得られる。
また、図4〜図7に示した電力変換装置についても、リアクトル2,3のインダクタンスを同じ、あるいはほぼ同じにすることによって、コモンモードノイズを低減することができる。
たとえば、図4に示した電力変換装置に適用する場合を考えると、図1に示した電力変換装置では、リアクトル2,3を流れる電流の向き(極性)が変わるのに対し、図4に示した電力変換装置では、リアクトル2,3がダイオード整流器4に接続される電源の電位が変わる。R相の電圧VrがS相の電圧Vsより高いとき、P相の電位は、Vr−Lrdi/dt、N相の電位は、Vs+Lsdi/dtである。反対に電圧Vsが電圧Vrより高いとき、P相の電位は、Vs−Lrdi/dt、N相の電位はVr+Lsdi/dtである。よって、リアクトル2,3が接続される電位が変わったときの中性点の電位変動は、
((Vr−Lrdi/dt)+(Vs+Lsdi/dt))/2−((Vs−Lrdi/dt)+(Vr+Lsdi/dt))/2
=(Ls−Lr)di/dt …(4)
となる。従って、図1の電力変換装置と同様に、Lr=Lsとすることによって、電流の向きが変わるときの電位変動を回避することができ、コモンモードチョークコイルがなくても漏洩電流、コモンモードノイズを低減させることができる。実際にはLr≒Lsであっても効果があることは、図1に示した電力変換装置に適用した場合と同様である。
((Vr−Lrdi/dt)+(Vs+Lsdi/dt))/2−((Vs−Lrdi/dt)+(Vr+Lsdi/dt))/2
=(Ls−Lr)di/dt …(4)
となる。従って、図1の電力変換装置と同様に、Lr=Lsとすることによって、電流の向きが変わるときの電位変動を回避することができ、コモンモードチョークコイルがなくても漏洩電流、コモンモードノイズを低減させることができる。実際にはLr≒Lsであっても効果があることは、図1に示した電力変換装置に適用した場合と同様である。
なお、ダイオード11,12は、スイッチング素子10がオンのとき、平滑コンデンサ5に蓄積された電荷がスイッチング素子10を通して放電することを防ぐためのものであるが、それに加えてスイッチング素子10がオンの期間は、PFC整流器側と負荷側とを分離する作用もある。つまり、その期間は、PFC整流器と負荷6とは切り離されているため、お互いのスイッチング素子のノイズ等が相互に伝達されることがなく、時間的に平均するとノイズの低減効果が得られる。
同様に、図5に示した電力変換装置に適用する場合、リアクトル2,3のインダクタンスLr,Lsの値を同じか、ほぼ同じにしても、上述したコモンモードノイズの低減を図ることができる。
また、この実施の形態3は、実施の形態1,2の構成に、リアクトル2,3のインダクタンスの値Lr,Lsを同じか、ほぼ同じにしようとするものであったが、たとえば、図1に示したコンデンサ13,14を設けない構成であっても、リアクトル2,3のインダクタンスLr,Lsの値を同じかほぼ同じにすることのみによっても、コモンモードノイズの低減を独立的に行うことができる。
1 交流電源
2,3 リアクトル
4 ダイオード整流器
5 平滑コンデンサ
6 負荷
7,8,16〜18 コンデンサ(浮遊静電容量)
9 アース
10 スイッチング素子
11,12 ダイオード
13,14,19〜24,25,26 コンデンサ
15 インバータ回路
2,3 リアクトル
4 ダイオード整流器
5 平滑コンデンサ
6 負荷
7,8,16〜18 コンデンサ(浮遊静電容量)
9 アース
10 スイッチング素子
11,12 ダイオード
13,14,19〜24,25,26 コンデンサ
15 インバータ回路
Claims (5)
- 交流電源から供給された電力を電力変換部によって電力変換し、該電力変換された電力を負荷に供給する電力変換装置であって、
前記交流電源と前記負荷との間にコンデンサを接続したことを特徴とする電力変換装置。 - 前記電力変換部は、単相PFC整流器であり、該単相PFC整流器のR相とP相(またはN相)との間、および該単相PFC整流器のS相とN相(またはP相)との間に、それぞれ前記コンデンサを接続したことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記電力変換部は、前記PFC整流器の後段にインバータが接続され、該単相PFC整流器のR相と前記インバータの出力であるU相、V相、およびW相の各相との間、および該単相PFC整流器のS相と前記インバータの出力であるU相、V相、およびW相の各相との間に、前記コンデンサを接続したことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記コンデンサは、前記負荷と前記アースとの間の浮遊静電容量に比して大きな静電容量をもつことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電力変換装置。
- 前記単相PFC整流器に用いられる2つのリアクトルのインダクタンス値を同じにしたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の電力変換装置。
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JP2006215765A JP2008043096A (ja) | 2006-08-08 | 2006-08-08 | 電力変換装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012253965A (ja) * | 2011-06-06 | 2012-12-20 | Fuji Electric Co Ltd | 直流電源装置 |
JP2015220953A (ja) * | 2014-05-21 | 2015-12-07 | 株式会社デンソー | 電力変換装置 |
JP6045664B1 (ja) * | 2015-08-20 | 2016-12-14 | 三菱電機株式会社 | 電力変換装置 |
-
2006
- 2006-08-08 JP JP2006215765A patent/JP2008043096A/ja active Pending
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