JP2004220006A - 転写装置及び画像形成装置とベルト移動速度補正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中間転写ベルト10の全周に亘ってスケール5を設けると共に、そのスケール5を読み取るセンサ6を設け、そのセンサ6がスケール5を検知した情報からベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じてベルトの速度を補正制御するための正規速度制御ループR1と、スケール5がトナー等により汚れて正規速度制御ループR1に異常が生じたときのための異常時使用制御ループR2とを設ける。
【選択図】 図1
Description
その色ズレが発生する原因の一つとして、間接転写方式の転写装置の場合には中間転写ベルト(直接転写方式の場合にはシート搬送ベルト)の速度ムラがあるということが解っている。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の感光体上の各画像が直接あるいは担持した記録材上に重ね合わせるように順次転写されて回動するベルトがトナー等で汚れたとしても、色ズレや色合いの変化等が生じない良質のカラー画像が得られるようにすることを目的とする。
(実施の形態1)
図1はこの発明の一実施形態である転写装置を制御系及び複数の感光体と共に示す概略構成図、図2は同じくその転写装置を備えた画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
図2に画像形成装置の一例として示すカラー複写機は、中間転写ベルト10を使用したタンデム型の電子写真装置であり、給紙テーブル2上に複写装置本体1を載置している。その複写装置本体1の上にはスキャナ3を取り付けると共に、その上に原稿自動給送装置(ADF)4を取り付けている。
複写装置本体1内には、その略中央に無端ベルト状の中間転写ベルト10を有する転写装置20を設けており、その中間転写ベルト10は駆動ローラ9と2つの従動ローラ15,16の間に張架されて図2で時計回り方法に回動するようになっている。また、この中間転写ベルト10は、従動ローラ15の左方に設けられているクリーニング装置17により、その表面に画像転写後に残留する残留トナーが除去されるようになっている。
その中間転写ベルト10の駆動ローラ9と従動ローラ15の間に架け渡された直線部分の上方には、その中間転写ベルト10の移動方向に沿って、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの4つの画像形成部18を構成するドラム状の感光体40Y,40C,40M,40K(以下、特定しない場合には単に感光体40と呼ぶ)を、それぞれ図2で反時計回り方向に回転可能に設けている。そのドラム状の感光体40の回りには、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64をそれぞれ設けている。
そして、その感光体の上方に、露光装置21を設けている。
その2次転写装置22のシート搬送方向下流側には、シートP上のトナー画像を定着する定着装置25があり、そこでは無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられている。
なお、2次転写装置22は、画像転写後のシートを定着装置25へ搬送する機能も果たす。また、この2次転写装置22は、転写ローラや非接触のチャージャを使用した転写装置であってもよい。
その2次転写装置22の下側には、シートの両面に画像を形成する際にシートを反転させるシート反転装置28を設けている。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動給送装置4に原稿をセットしたときは、その原稿がコンタクトガラス32上に給送される。また、手動で原稿をコンタクトガラス32上にセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行を開始する。そして、第1走行体33の光源から光が原稿に向けて照射され、その原稿面からの反射光が第2走行体34に向かうと共に、その光が第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入射して、原稿の内容が読み取られる。
また、上述したスタートスイッチの押下により、中間転写ベルト10が回動を開始する。さらに、それと同時に各感光体40Y,40C,40M,40Kが回転を開始して、その各感光体上にイエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの各単色画像を形成する動作を開始する。そして、その各感光体上に形成された各色の画像は、図2で時計回り方向に回動する中間転写ベルト10上に重ね合わせ状態に順次転写されていき、そこにフルカラーの合成カラー画像が形成される。
そのシートPは、搬送ローラ47により複写機本体1内の給紙路48に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止する。
また、手差し給紙の場合には、手差しトレイ51上にセットされたシートPが給紙ローラ50の回転により繰り出され、それが分離ローラ52により1枚に分離されて手差し給紙路53に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止状態になる。
その画像が転写されたシートPは、搬送装置としての機能も有する2次転写装置22により定着装置25へ搬送され、そこで熱と加圧力が加えられることにより転写画像が定着される。その後、そのシートPは、切換爪55により排出側に案内され、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出されてそこにスタックされる。
また、両面コピーモードが選択されているときには、片面に画像を形成したシートPを切換爪55によりシート反転装置28側に搬送し、そこで反転させて再び転写位置へ導き、今度は裏面に画像を形成した後に、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出する。
そして、この転写装置20には、図4に示すようにセンサ6がスケール5を検知した情報から中間転写ベルト10の実際の速度を検出してその実際の速度に応じて中間転写ベルト10の速度を補正制御する正規速度制御ループR1と、その正規速度制御ループR1に異常が生じたときのための異常時使用制御ループR2とを設けている。
図5はその正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR2を更に詳しく説明するためのブロック図である。
正規速度制御ループR1は、中間転写ベルト10のスケール5(図3)をセンサ6で読み取り、それを制御装置70のモータ制御部を構成している第1速度値変換部71が入力する。それにより、センサ6から出力される信号はモーター制御部の動作と非同期となるが、その信号が第1速度値変換部71により同期のとれた信号レベルに変換される。そして、その第1速度値変換部71は、入力した検知情報を速度値(中間転写ベルト10の実際の速度となる)に変換して、それを第1演算器72に出力する。
このようにして、正規速度制御ループR1は、中間転写ベルト10の速度を目標速度になるようにフィードバック制御する。
その第2演算器76は、目標速度設定部73から中間転写ベルト10の目標速度に対応する信号も入力するので、第2速度値変換部75から入力した中間転写ベルト10の実際の速度と、目標速度設定部73から入力した目標速度とを比較して、そこに差があるときには中間転写ベルト10が目標速度となるようにコントローラ74に対してベルト駆動モータ7の回転数を制御するための信号を出力し、中間転写ベルト10を目標速度になるように制御する。
このようにして、異常時使用制御ループR2は、中間転写ベルト10の速度を目標速度になるようにフィードバック制御する。
なお、この実施形態では、ベルト駆動モータ7として、例えばDC(AC)の3相モータを使用する。
その摩擦力増大手段は、例えば駆動ローラ9の外周面にローレット溝を多数形成することにより中間転写ベルト10を駆動ローラ9に対して滑りにくくしたり、駆動ローラ9の外周面に摩擦力が増大する特性を持った材料を均一にコーティングしたりするものである。
中間転写ベルト10は、例えば弗素系樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリイミド樹脂等で形成するベルトであり、そのベルトの全層や、その一部を弾性部材で形成するようにした弾性ベルトを使用したりする。
また、ベルト駆動モータ7は、駆動ローラ9を回転させることにより中間転写ベルト10を矢示C方向に回動させるが、その間の回転力の伝達は直接であってもよいし、間にギヤを介したものであってもよい。
なお、中間転写ベルト10の内面には、前述したスケール5を全周に亘って当間隔に形成しているが、そのスケール5は中間転写ベルト10の外面に設けるようにしてもよい。但し、どちらかといえば画像が形成されるベルト外面よりも内側の方が好ましい。また、センサ6の配設位置も、中間転写ベルト10が直線状に張架された部分のベルト面のスケール5を検知できる位置であれば、いずれの場所であってもかまわない。
センサ6は、図6に示すように、例えば一対の発光素子6aと受光素子6bを備えた反射型光学センサであり、発光素子6aからスケール5に向けて照射した光の反射光を受光素子6bで受光し、その際にスケール5のスリット部5aとそれ以外の部分5bとで異なる反射光量を検出する。
すなわち、センサ6はスケール5のスリット部5aとそれ以外の部分5bとで異なる反射率の違いにより、HighとLowの2値の信号を出力する。
したがって、このような状態でセンサ6を使用した正規速度制御ループR1を使用して中間転写ベルト10を目標速度になるようにフィードバック制御したとしても、中間転写ベルト10を正確な移動速度に制御することはできない。それにより、フルカラー画像を形成したときには、中間転写ベルト10上に転写される4色のトナー像が位置ズレを生じてしまうので、カラー画像に色ズレや色合いの変化が発生して画像品質が低下してしまう。
その制御は、図1及び図4に示した制御装置70が全て行い、具体的な制御ループの切り替えは、スイッチ回路77によって行われる。その制御装置70は、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなるマイクロコンピュータを備えている。
まずステップ1で、ベルト駆動モータ7に対して目標速度Vを設定し、そのベルト駆動モータ7をONにして駆動させる。次のステップ2では、そのベルト駆動モータ7をOFFにする信号を入力したか否かを判断し、OFF信号を入力していればステップ3へ進んでそのベルト駆動モータ7をOFFにして停止させてこの処理を終了させるが、OFF信号を入力していなければステップ4ヘ進んで、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR2が共に異常を生じているか否か、すなわちFG1=FG2=1になっているか否かを判断する。ここで、FG1は、正規速度制御ループR1の処理に異常が生じているか否かを示すフラグであり、正規速度制御ループR1に異常が生じている場合にFG1に1が設定されるようになっている。また、FG2は、異常時使用制御ループR2の処理に異常が生じているか否かを示すフラグであり、異常時使用制御ループR2に異常が生じている場合にFG2に1が設定されるようになっている。
そのステップ8では、速度差ΔV1を生じている中間転写ベルト10の速度が目標速度Vになるように、ベルト駆動モータ7を制御する制御量の演算を行う。そして、次のステップ9で、その制御量に応じて駆動ドライバをコントロールする。
一方、ステップ7で正規速度制御ループR1の異常を判断してステップ10に進んだ場合には、そこで異常検知フラグ(FG1=1)をたててステップ11へ進んで、異常時使用制御ループR2のみを使用して中間転写ベルト10の実際の速度を検出し、その実際の速度と目標速度Vとを比較して、その速度差ΔV2を算出する。
次のステップ12では、そのΔV2が異常範囲にあるか否か、すなわちΔV2が許容できる範囲の速度差にあるか否かを判断し、それが許容できる範囲を超える速度差(例えば目標速度に対して10%を超える場合)であればステップ13ヘ進んで、異常時使用制御ループR2の異常を示す異常検知フラグ(FG2=1)をたてて、ステップ14でベルト駆動モータ7をOFFにして停止させ、この処理を終了させる。
そして、ベルト駆動モータ7をOFFにするOFF信号を入力すると、ステップ2→3と進んで、この処理を終了する。
また、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR2が共に異常を検知したときも、ステップ7→10→11→12→13→14と進んで、この処理を終了する。
そして、異常時使用制御ループR2は、正規速度制御ループR1に異常が生じたときにのみ使用する制御ループとしている。
したがって、正規速度制御ループR1に異常がないときには、ベルト駆動モータ7の回転軸から間接的に中間転写ベルト10の速度を検出する制御ループである異常時使用制御ループR2よりも、中間転写ベルト10の移動速度をその内面に設けているスケール5(図3)を直接検知することにより高い検出精度が得られる正規速度制御ループR1を使用するので、中間転写ベルト10を高い精度で速度制御することができる。
このセンサ誤検知の判断方法では、基準となるクロックSCLKを用いて中間転写ベルトの目標速度の設定を行う。図8に示した例では、SCLKが14個分で目標速度の設定となる場合である。
センサ6(図1)から入力する信号に関しては、まずSCLKで同期化し、同期化センサ信号を生成する。その信号がSCLKの何個分であるかを判断し、その数が目標値より多ければ中間転写ベルトの速度が遅いと判断し、少なければ速いと判断する。ここで、もし中間転写ベルト上のスケール5(図3)にトナー等による汚れが付着することによりセンサ6が誤検知をすると、同期化センサ信号がSCLKの2倍以上となってしまう。その時を、この判断方法ではベルト汚れと判断する。
その判断基準は、中間転写ベルトの目標速度との差分が目標速度に対し数%になったときとする。また、精度を上げるためにはSCLKを高くし、分解能を上げることが有効である。異常時使用制御ループR2(図1)の検知信号も、同様にしてベルト速度とフィードバック信号異常を判断する。
図9は中間転写ベルトを張架する従動ローラの回転数から中間転写ベルトの速度を検出するようにした画像形成装置の転写装置付近を制御系と共に示す図1と同様な概略構成図、図10は同じくその画像形成装置の2つの制御ループを説明するためのブロック図である。
この実施の形態による画像形成装置は、中間転写ベルト10の移動速度を検出する箇所を、その中間転写ベルト10を張架する従動ローラ15とした点のみが図2で説明した画像形成装置と異なるだけであるので、画像形成装置全体の図示及び説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
この実施の形態による画像形成装置が有する転写装置は、図1乃至図7で説明した実施の形態と同様に正規速度制御ループR1に異常が生じたときのための異常時使用制御ループR3を設けている。その異常時使用制御ループR3は、中間転写ベルト10を回動可能に張架する従動ローラ15の回転数を検出する回転速度検出器であるエンコーダ8を備えており、そのエンコーダ8が検出した従動ローラ15の回転数から中間転写ベルト10の実際の速度を検出し、その検出結果に応じて中間転写ベルト10の速度を補正制御する制御ループである。
この実施の形態では、図7のステップ11からステップ16で行う異常時使用制御ループR3を使用しての中間転写ベルト10の実際の速度検出に、中間転写ベルト10を張架している従動ローラ15の回転数を検出するエンコーダ8を使用する点のみが、図7で説明した実施の形態と異なる。
すなわち、この実施の形態では、制御装置70のマイクロコンピュータは、図7で説明したルーチンでステップ11まで進むと、そこで異常時使用制御ループR3のみを使用して中間転写ベルト10の実際の速度を検出するが、その際に図9に示したように従動ローラ15の回転数をエンコーダ8で検出しそれにより、中間転写ベルト10の実際の速度を検出する。
このように、この実施の形態では、異常時使用制御ループR3を使用して中間転写ベルト10の実際の速度を検出するのに、中間転写ベルト10を張架している従動ローラ15の回転数を検出するので、ベルト駆動モータ7の回転軸の回転数を検出する場合に比べて中間転写ベルト10に近い部位でその中間転写ベルト10の実際の速度を間接的に検出できるため検知精度が向上する。
なお、この実施形態における転写装置及び画像形成装置は、図1及び図2で説明したものと各機構部分及び制御系は同一であるため、その図示及び説明は省略し(必要に応じて図1及び図2を参照)、制御装置(図1の制御装置70と同様な構成のもの)のマイクロコンピュータがベルト移動速度補正方法に沿って実行する処理についてのみ説明する。
この実施形態では、上記制御装置のマイクロコンピュータは、正規速度制御ループR1と、異常時使用制御ループR2が共に正常で、スケール5を基にして検出した中間転写ベルト10の実際の速度とベルトの目標速度との第1の速度差ΔV1が所定値を超える場合には、その第1の速度差ΔV1と、異常時使用制御ループR2により検出したベルトの実際の速度とベルトの目標速度との第2の速度差ΔV2との合成値に応じて中間転写ベルト10の速度を補正制御する。すなわち、この実施形態では、上記制御装置が第1の速度差と第2の速度差ΔV2との合成値に応じて中間転写ベルト10の速度を補正制御する制御手段として機能する。
そのルーチンがスタートすると、まずステップ21で、ベルト駆動モータ7に対して目標速度Vを設定し、そのベルト駆動モータ7をONにして駆動させる。次のステップ22では、そのベルト駆動モータ7をOFFにする信号を入力したか否かを判断し、OFF信号を入力していればステップ23へ進んでそのベルト駆動モータ7をOFFにして停止させてこの処理を終了させるが、OFF信号を入力していなければステップ24ヘ進んで、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR2が共に異常を生じているか否か、すなわちFG1=FG2=1になっているか否かを判断する。
そこで、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR2が共に異常を生じていてYESの判断をしたときには、ステップ25ヘ進んでベルト駆動モータ7をOFFにして停止させ、この処理を終了させる。また、ステップ24でNOの判断をしたときにはステップ26ヘ進んで、正規速度制御ループR1を使用して検出した中間転写ベルト10の実際の速度と上述した目標速度Vとを比較し、その速度差となる第1の速度差ΔV1を算出する。
次のステップ29では、そのΔV2が異常範囲にあるか否か、すなわちΔV2が、目標速度に対して許容できる例えば10%以内にあるか否かを判断し、その許容範囲を超える速度差であればステップ41ヘ進むが、許容範囲内にあればステップ31へ進む。
そこでは、ΔV1が目標速度に対して許容できる範囲内の値で設定する所定値(詳しい説明は後述する)を超えているか否かを判断し、超えていなければステップ42ヘ進むが、超えていればステップ32へ進む。
一方、ステップ27の判断で、ΔV1が異常範囲にあることによりステップ30ヘ進んだときには(正規速度制御ループR1の異常時)、そこで異常検知フラグ(FG1=1)をたてて、ステップ35へ進んで、異常時使用制御ループR2のみを使用して中間転写ベルト10の実際の速度を検出し、その実際の速度と目標速度Vとを比較して、その速度差ΔV2を算出する。
次のステップ36では、そのΔV2が異常範囲にあるか否か、すなわちΔV2が許容できる範囲の速度差(例えば目標速度に対して10%以内)にあるか否かを判断し、それが許容できる範囲を超える速度差であればステップ37ヘ進んで、異常時使用制御ループR2の異常を示す異常検知フラグ(FG2=1)をたてて、ステップ38でベルト駆動モータ7をOFFにして停止させ、この処理を終了させる。
さらに、ステップ29の判断で、ΔV2が異常範囲にあってステップ41ヘ進んだときには、そこで異常時使用制御ループR2の異常を示す異常検知フラグ(FG2=1)をたて、次のステップ42で正規速度制御ループR1のみを使用して、ΔV1が生じている中間転写ベルト10の速度が目標速度Vになるように、ベルト駆動モータ7を制御する制御量の演算を行う。また、次のステップ43で、その制御量に応じて駆動ドライバをコントロールした後にステップ22へ戻って、そのステップ22以降の判断及び処理を繰り返す。
そして、ベルト駆動モータ7をOFFにするOFF信号を入力すると、ステップ22→23と進んで、この処理を終了する。
また、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR2が共に異常を検知したときも、ステップ27→30→35→36→37→38と進んで、この処理を終了する。
また、異常時使用制御ループR2のみで中間転写ベルト10の速度を補正制御している途中で、その異常時使用制御ループR2に異常があったときには中間転写ベルト10の駆動を停止させる。
さらに、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR2が共に正常であって、第1の速度差ΔV1と第2の速度差ΔV2との合成値ΔVに応じて中間転写ベルト10の速度を補正制御している途中で異常時使用制御ループR2に異常があったときには、正規速度制御ループR1のみで中間転写ベルト10の速度を補正制御する。
したがって、中間転写ベルト10に設けているスケール5(図3参照)が、仮にトナー等で汚れたとしても、異常時使用制御ループR2に異常がなければ中間転写ベルト10を引き続き正常な移動速度で駆動し続けることができる。
そこで、この実施の形態では、その正規速度制御ループR1による第1の速度差ΔV1が所定値を超える場合にのみ、第1の速度差ΔV1と第2の速度差ΔV2との合成値ΔVに応じて中間転写ベルト10の速度を制御するベルト移動速度補正方法を実施している。それにより、ΔV1だけで制御するときよりもΔV1とΔV2の合成値ΔVに応じて中間転写ベルト10の速度を制御したときの方が速度制御の精度が良くなるときだけ、合成値ΔVに応じた制御が行われる。
図12は異常時使用制御ループを2つ設けた転写装置を有する画像形成装置の制御ループを説明するためのブロック図であり、図10と対応する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態による画像形成装置は、図10の実施形態に対し中間転写ベルト10の移動速度を検出する箇所を、その中間転写ベルト10を張架する従動ローラ15の部分に加え、それと異なる検出箇所のベルト駆動モータ7の部分にも設け、異常時使用制御ループを異常時使用制御ループR2,R3の2つにした点が異なるだけであるので、その画像形成装置全体の図示(必要に応じて図2を参照)及び説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
そして、その2つの異常時使用制御ループR2,R3は、それぞれが中間転写ベルト10の実際の速度を検出してその実際の速度に応じて中間転写ベルト10の速度をそれぞれ補正制御する制御ループとして機能する。
さらに、この実施の形態では、2つの異常時使用制御ループR2,R3は、いずれも正規速度制御ループR1に異常が生じたときにのみ使用する制御ループであり、その使用順位は中間転写ベルト10の実際の速度の検出箇所がその中間転写ベルト10に近い制御ループ順に選択されていくようにしている。そして、その使用するループの選択制御は、制御装置70(図5の制御装置70と制御内容が異なるだけで構成は同じであるため、説明の簡略化上同一の符号を付す)が行う。
すなわち、この実施の形態では、この制御装置70が使用ループ選択手段として機能する。
そのマイクロコンピュータは、所定のタイミングで図13に示す使用ループ選択処理のルーチンをスタートさせる。
まず、ステップ51で、前述した各実施の形態と同様な方法で正規速度制御ループR1が異常であるか否かを判断し、異常がなく正常であればステップ52へ進んで、使用する制御ループを正規速度制御ループR1として選択し、このルーチンを終了する。また、正規速度制御ループR1に異常があればステップ53へ進んで、正規速度制御ループR1の次に中間転写ベルト10の速度の検出部位がその中間転写ベルト10に近い従動ローラ15から中間転写ベルト10の速度を検出する異常時使用制御ループR3が異常であるか否かを判断する。
そのステップ55で、異常時使用制御ループR2に異常がなく正常であればステップ56へ進んで、使用する制御ループを異常時使用制御ループR2として選択し、このルーチンを終了する。また、異常時使用制御ループR2に異常があればステップ57へ進んで、中間転写ベルト10を駆動するベルト駆動モータ7をOFFにして、それを停止させ、このルーチンを終了する。
このように、この実施の形態では、3つの制御ループを、中間転写ベルト10の実際の速度の検出箇所がその中間転写ベルト10に近い制御ループ順に選択していくベルト移動速度補正方法を実施するので、中間転写ベルト10の実際の速度を、常に最も高い精度の制御ループを使用して検出することができる。したがって、高い精度のベルト移動速度補正制御ができる。
図14はベルト速度補正停止手段を設けた転写装置を有する画像形成装置の制御装置が有するマイクロコンピュータが行うベルト速度補正停止処理を示すフロー図である。
なお、この実施の形態による画像形成装置の全体構成は図2で説明したものと同様であるためその図示を省略する。また、制御装置の構成も、図1,図9,図12の各実施形態で説明した制御装置70と同様であり、それが行う制御内容のみが異なるだけであるので、その図示も省略する。そして、必要に応じて図1,図9,図12で使用した符号を使用して説明する。
この実施の形態による制御装置のマイクロコンピュータは、ベルト速度補正停止手段としても機能するものであり、単色の画像を形成するモード時には、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR2(図9のR3も同じ)のいずれも使用しないように制御する。
また、ステップ61で単色で画像を形成するモードが選択されていればステップ63へ進んで、そこで正規速度制御ループと異常時使用制御ループを使用するベルト速度補正をしないように制御して、このルーチンを終了する。
この実施の形態によれば、単色で画像を形成するモードのときには正規速度制御ループと異常時使用制御ループを使用するベルト速度補正をしないので、その分だけ1枚目の画像形成開始時期(ファーストコピー)を早めることができる。
図15はステッピングモータを使用して中間転写ベルトを駆動するようにした転写装置を有する画像形成装置のベルト速度補正制御に係る制御系を示すブロック図であり、図5と対応する部分には同一の符号を付してある。
なお、この実施の形態による画像形成装置の全体構成は、図2で説明した画像形成装置と同様であり、中間転写ベルト10を駆動するベルト駆動モータ7(図1参照)がステッピングモータ11に代わっただけであるので、その機構的な部分の図示は省略し、必要に応じて図1及び図2に付した符号を使用して説明する。
この実施の形態による転写装置は、前述した各実施の形態と同様に、4つの感光体上の各画像が重ね合わせるように順次転写されて回動する中間転写ベルト10と、その中間転写ベルト10の全周に亘って設けられたスケール5(図3)を読み取るセンサ6とを備えていて、そのセンサ6がスケール5を検知した情報から中間転写ベルト10の実際の速度を検出してその実際の速度に応じて中間転写ベルト10の速度を補正制御する正規速度制御ループR1を有している。
また、この実施の形態では、中間転写ベルト10を回動させるモータにステッピングモータ11を使用している。そして、制御装置(制御手段)80は、センサ6によるスケール5の検知結果に異常が生じたときには正規速度制御ループR1を使用せずにステッピングモータ11を目標速度値で回転させて中間転写ベルト10の速度を制御する。
制御装置80のモータ制御部は、正規速度制御ループR1を使用して中間転写ベルト10のスケール5をセンサ6で読み取り、その信号を速度値変換部71′(図5の第1速度値変換部71と同一のもの)で入力し、演算器72に出力する。その演算器72は、中間転写ベルト10の基本となる速度である目標速度を設定する目標速度設定部73から目標速度に対応する信号も入力する。そして、その演算器72は、速度値変換部71′から入力した中間転写ベルト10の実際の速度と、目標速度設定部73から入力した目標速度とを比較して、そこに異常と判断できるほどの差があるときには正規速度制御ループR1を使用するフィードバック制御は行わず、ステッピングモータ11を目標速度値で回転させるようにコントローラ74を制御する。
このように、この実施の形態によれば、上述した制御内容のベルト移動速度補正方法を実施するので、簡素で低コストの制御システムでありながら、中間転写ベルト10のスケール5がトナー等で汚れることにより正規速度制御ループR1が異常になったとしても、フィードバック制御することなしに、オープンループで駆動可能なステッピングモータ11を目標速度値で回転させることにより中間転写ベルト10を回動させ続けることができる。
図16はステッピングモータにより駆動される中間転写ベルトを張架する従動ローラの回転数からそのベルトの速度を検出するようにした画像形成装置のベルト速度補正制御に係る制御系を示すブロック図であり、図15と対応する部分には同一の符号を付してある。
なお、この実施の形態による画像形成装置の全体構成も、図2で説明した画像形成装置と同様であり、中間転写ベルト10を駆動するベルト駆動モータをステッピングモータ11に代えただけであるので、その機構的な部分の図示は省略し、必要に応じて図1及び図2で使用した符号を使用して説明する。
この実施の形態は、図10等で説明した実施の形態と同様に、正規速度制御ループR1に異常が生じたときのための異常時使用制御ループR3を設けており、その異常時使用制御ループR3は、中間転写ベルト10を回動可能に張架する従動ローラ15(図2,図9等を参照)の回転数を検出する回転速度検出器であるエンコーダ8を備えており、そのエンコーダ8が検出した従動ローラ15の回転数に応じて中間転写ベルト10の速度を補正制御する制御ループである。
その摩擦力増大手段は、例えば従動ローラ15の外周面にローレット溝を多数形成することにより中間転写ベルト10を従動ローラ15に対して滑りにくくしたり、従動ローラ15の外周面に摩擦力が増大する特性を持った材料を均一にコーティングしたりするものである。
この実施の形態においても、センサ6が検知したセンサ信号と、エンコーダ8が出力する信号は共に制御装置70が入力し、その制御装置70は中間転写ベルト10を補正制御するための信号をコントローラ74から出力するが、その信号の入出力については図5及び図10で説明した場合と同様であるので、ここではその説明を省略する。
この実施の形態による制御装置70のマイクロコンピュータは、図17のルーチンがスタートすると、まずステップ71で、ステッピングモータ11に対して目標速度Vを設定し、そのステッピングモータ11をONにして駆動させる。次のステップ72では、そのステッピングモータ11をOFFにする信号を入力したか否かを判断し、OFF信号を入力していればステップ90へ進んでそのステッピングモータ11をOFFにして停止させてこの処理を終了させるが、OFF信号を入力していなければステップ73ヘ進んで、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR3が共に異常を生じているか否か、すなわちFG1=FG3=1になっているか否かを判断する。
そこで、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR3が共に異常を生じていてYESの判断をしたときには、ステップ74ヘ進んで、ステッピングモータ11を回転させる目標速度値を固定し、次のステップ75でステッピングモータ11を固定した目標速度値で回転させるように駆動ドライバをコントロールし、再びステップ72に戻る。
また、ステップ73でNOの判断をしてステップ76に進んだときには、そこで正規速度制御ループR1を使用して検出した中間転写ベルト10の実際の速度と上述した目標速度Vとを比較し、その速度差ΔV1を算出する。
一方、ステップ77で正規速度制御ループR1の異常を判断してステップ80に進んだ場合には、そこで異常検知フラグ(FG1=1)をたててステップ81へ進んで、異常時使用制御ループR3のみを使用して中間転写ベルト10の実際の速度を検出し、その実際の速度と目標速度Vとを比較して、その速度差ΔV2を算出する。
次のステップ82では、そのΔV2が異常範囲にあるか否か、すなわちΔV2が許容できる範囲の速度差にあるか否かを判断し、それが許容できる範囲を超える速度差(例えば目標速度に対して10%を超える場合)であればステップ83ヘ進んで、異常時使用制御ループR3の異常を示す異常検知フラグ(FG3=1)をたてて、再びステップ72に戻る。
また、ステップ82で、ΔV2が許容範囲内にあって異常範囲でなければステップ84ヘ進んで、異常時使用制御ループR3のみを使用して、ΔV2が生じている中間転写ベルト10の速度が目標速度Vになるように、ステッピングモータ11を制御する制御量の演算を行う。そして、次のステップ85で、その制御量に応じて駆動ドライバをコントロールした後にステップ72へ戻って、そのステップ72以降の判断及び処理を繰り返す。
また、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR3が共に異常のときは、ステップ77→80→81→82→83→72→73→74→75と進んで、ステッピングモータ11を停止させることなしに、それを目標速度値で回転させて中間転写ベルト10の速度を制御する。
このように、この実施の形態では、異常時使用制御ループR3は、正規速度制御ループR1に異常が生じたときにのみ使用する制御ループであり、正規速度制御ループR1が正常なときは、スケール5を基にして検出した中間転写ベルト10の実際の速度とベルトの目標速度との速度差のみに応じて中間転写ベルト10の速度を補正制御するベルト移動速度補正方法を実施するので、通常時は直接中間転写ベルト10の移動速度を正規速度制御ループR1のセンサ6により検出することにより最も高い精度でフィードバック信号を得ることができるため、高い精度のベルト移動速度補正ができる。
図18は正規速度制御ループと異常時使用制御ループがそれぞれ検出したベルトの実際の速度と目標速度との各速度差に応じてベルトの速度をステッピングモータの回転で制御するようにした転写装置を有する画像形成装置の実施形態を説明するためのフロー図である。
なお、この実施形態における転写装置及び画像形成装置は、図1及び図2で説明したものと各機構部分及び制御系が同一であるため、その図示及び説明は省略(必要に応じて図1,図2及び図15,図16を参照)し、制御装置(図1の制御装置70と同様な構成のもの)のマイクロコンピュータがベルト移動速度補正方法に沿って実行する処理についてのみ説明する。
この実施の形態では、上記制御装置のマイクロコンピュータは、正規速度制御ループR1と、異常時使用制御ループR3が共に正常で、スケール5を基にして検出した中間転写ベルト10の実際の速度とベルトの目標速度との第1の速度差ΔV1が所定値(図11の実施形態で説明した場合と同様に設定する)を超える場合には、その第1の速度差ΔV1と、異常時使用制御ループR3により検出したベルトの実際の速度とベルトの目標速度との第2の速度差ΔV2との合成値ΔVに応じて中間転写ベルト10の速度を補正制御する。
すなわち、この実施形態では、上記制御装置が第1の速度差と第2の速度差との合成値に応じて中間転写ベルト10の速度を補正制御する制御手段として機能する。
まず、ステップ91で、ステッピングモータ11に対して目標速度Vを設定し、そのステッピングモータ11をONにして駆動させる。次のステップ92では、そのステッピングモータ11をOFFにする信号を入力したか否かを判断し、OFF信号を入力していればステップ108へ進んでそのステッピングモータ11をOFFにして停止させてこの処理を終了させるが、OFF信号を入力していなければステップ93ヘ進んで、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR3が共に異常を生じているか否か、すなわちFG1=FG3=1になっているか否かを判断する。
そこで、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR3が共に異常を生じていてYESの判断をしたときには、ステップ94へ進んでステッピングモータ11を回転させる目標速度値を固定し、次のステップ95でステッピングモータ11を固定した目標速度値で回転させるように駆動ドライバをコントロールし、再びステップ92に戻る。
また、ステップ93でNOの判断をしてステップ96に進んだときには、正規速度制御ループR1を使用して検出した中間転写ベルト10の実際の速度と上述した目標速度Vとを比較し、その速度差となる第1の速度差ΔV1を算出する。
次のステップ99では、そのΔV2が異常範囲にあるか否か、すなわちΔV2が、目標速度に対して許容できる例えば10%以内にあるか否かを判断し、その許容範囲を超える速度差であればステップ111ヘ進むが、許容範囲内にあればステップ101へ進む。
そこでは、ΔV1が目標速度に対して許容できる範囲内の値で設定する所定値(図11の実施形態で説明した場合と同様に設定する)を超えているか否かを判断し、超えていなければステップ112ヘ進むが、超えていればステップ102へ進む。
一方、ステップ97の判断で、ΔV1が異常範囲にあることによりステップ100ヘ進んだときには(正規速度制御ループR1の異常時)、そこで異常検知フラグ(FG1=1)をたてて、ステップ105へ進んで、異常時使用制御ループR3のみを使用して中間転写ベルト10の実際の速度を検出し、その実際の速度と目標速度Vとを比較して、その速度差ΔV2を算出する。
次のステップ106では、そのΔV2が異常範囲にあるか否か、すなわちΔV2が許容できる範囲の速度差(例えば目標速度に対して10%以内)にあるか否かを判断し、それが許容できる範囲を超える速度差であればステップ107ヘ進んで、異常時使用制御ループR3の異常を示す異常検知フラグ(FG3=1)をたてて、ステップ92→108と進み、そこでステッピングモータ11をOFFにして停止させ、この処理を終了させる。
さらに、ステップ99の判断で、ΔV2が異常範囲にあってステップ111ヘ進んだときには、そこで異常時使用制御ループR3の異常を示す異常検知フラグ(FG3=1)をたて、次のステップ112で正規速度制御ループR1のみを使用して、ΔV1が生じている中間転写ベルト10の速度が目標速度Vになるように、ステッピングモータ11を制御する制御量の演算を行う。また、次のステップ113で、その制御量に応じて駆動ドライバをコントロールした後にステップ92へ戻って、そのステップ92以降の判断及び処理を繰り返す。
そして、ステップ92でステッピングモータ11をOFFにするOFF信号を入力すると、ステップ92→108と進んでステッピングモータ11を停止させ、この処理を終了する。
また、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR3が共に異常のときは、ステップ97→100→105→106→107→92→93→94→95と進んで、ステッピングモータ11を停止させることなしに、それを目標速度値で回転させて中間転写ベルト10の速度を制御する。
したがって、この実施の形態では、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR3が共に異常を生じたとしても、中間転写ベルト10を停止させることなく駆動させ続けることができる。
図19は異常時使用制御ループを2つ設けた転写装置を有する画像形成装置の制御ループを説明するためのブロック図であり、図16と対応する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態による画像形成装置は、図16の実施形態に対し中間転写ベルト10の移動速度を検出する箇所を、その中間転写ベルト10を張架する従動ローラ15の部分に加え、それと異なる検出箇所の例えばステッピングモータ11の回転力を駆動ローラ9に伝達する駆動伝達部14の部分にも設け、異常時使用制御ループを異常時使用制御ループR2,R3の2つ(3つ以上にしてもよい)にした点が異なるだけであるので、その画像形成装置全体の図示及び説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
2つの異常時使用制御ループR2,R3は、それぞれが異なる検出箇所から中間転写ベルト10の実際の速度を検出してその実際の速度に応じて中間転写ベルト10の速度をそれぞれ補正制御する制御ループとして機能する。
すなわち、この実施の形態では、この制御装置70が使用ループ選択手段として機能する。
また、この制御装置70は、正規速度制御ループR1と異常時使用制御ループR2,R3の全てが異常のときはステッピングモータ11を目標速度値で回転させて中間転写ベルト10の速度を制御する制御手段としても機能する。
そのマイクロコンピュータは、所定のタイミングで図20に示す使用ループ選択処理のルーチンをスタートさせる。
まず、ステップ121で、図13で説明した場合と同様な方法で正規速度制御ループR1が異常であるか否かを判断し、異常がなく正常であればステップ122へ進んで、使用する制御ループを正規速度制御ループR1として選択して、このルーチンを終了する。また、正規速度制御ループR1に異常があればステップ123へ進んで、正規速度制御ループR1の次に中間転写ベルト10の速度の検出部位がその中間転写ベルト10に近い従動ローラ15から中間転写ベルト10の速度のを検出する異常時使用制御ループR3が異常であるか否かを判断する。
そのステップ125で、異常時使用制御ループR2に異常がなく正常であればステップ126へ進んで、使用する制御ループを異常時使用制御ループR2として選択し、このルーチンを終了する。また、異常時使用制御ループR2に異常があればステップ127へ進んで、ステッピングモータ11を目標速度値で回転させて、このルーチンを終了する。
このように、この実施の形態では、3つの制御ループを、中間転写ベルト10の実際の速度の検出箇所がその中間転写ベルト10に近い制御ループ順に選択していくベルト移動速度補正方法を実施するので、中間転写ベルト10の実際の速度を正常な状態にある最も高い精度の制御ループを使用して検出することができる。したがって、高い精度のベルト移動速度補正制御ができる。
そして、そのマイクロコンピュータが、図14で説明したベルト速度補正停止処理を行うようにすれば、単色で画像を形成するモードのときには正規速度制御ループと異常時使用制御ループを使用するベルト速度補正をしなくなるので、その分だけ1枚目の画像形成開始時期(ファーストコピー)を早めることができる。
しかしながら、その異常時使用制御ループR2,R3を使用するベルトの速度制御やステッピングモータ11を目標速度値のみで回転させる制御は、いずれも正規速度制御ループの補助的動作手段であって、中間転写ベルト10の移動速度を直接フィードバック制御するものではないので、ベルトの移動速度を高い精度に保つのは難しい。
そこで、上述した各実施の形態の画像形成装置には、図21に示すように、制御装置70(あるいは制御装置80)が、正規速度制御ループR1に異常が生じたときにはその正規速度制御ループR1に異常が発生したことを知らせるための表示を複写機本体1(図2参照)の外部の表示部13に表示させる機能も有するようにするとよい。
なお、この表示内容は、センサ6によるスケール5の異常検知箇所がベルト1周に対し数ヶ所あるか否かの異常度合いや、異常検知発生頻度等に応じて、例えばセンサ6の清掃要求をするものであったり、中間転写ベルト10の全面清掃を要求するものであったり、さらに頻繁に異常が発生するようであればそのベルトの交換を要求するものであったりするとよい。
このように、制御装置70(あるいは制御装置80)が、正規ループ異常発生表示手段としての機能も持つようにすれば、オペレータは表示部13の表示を見て正規速度制御ループR1の異常にすぐに気がつく。
以上、この発明を間接転写方式の転写装置及び画像形成装置、さらには間接転写方式のベルト移動速度補正方法に適用した場合の各実施の形態について説明してきたが、この発明は図22で説明したようなシートを担持しながら搬送するシート搬送ベルトを使用する直接転写方式におけるベルト移動速度補正にも同様に適用することができる。
図23は、センサ2301を従動ローラ16と従動ローラ15の間のベルトの位置に設け、かつエンコーダ2302を従動ローラ16に取り付けた画像形成装置の構成図である。この場合におけるベルトの速度の補正制御については実施の形態1の制御と同様である。
6:センサ
7:ベルト駆動モータ
8:エンコーダ(回転速度検出器)
9:駆動ローラ
10:中間転写ベルト
11:ステッピングモータ
13:表示部
15,16:従動ローラ
20:転写装置
40Y,40M,40C,40K:感光体
70,80:制御装置
R1:正規速度制御ループ
R2,R3:異常時使用制御ループ
P:シート(記録材)
Claims (42)
- 複数の感光体上の各画像が直接あるいは担持した記録材上に重ね合わせるように順次転写されて回動するベルトと、
該ベルトの全周に亘って設けられたスケールを読み取るセンサと、
該センサが前記スケールを検知した情報から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度を補正制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記センサが前記スケールを検知した情報から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度を補正制御する正規速度制御ループと、
該正規速度制御ループとは別個に前記ベルトの速度を補正制御する異常時使用制御ループと、
を備えたことを特徴とする転写装置。 - 前記異常時使用制御ループは、前記ベルトを回動させるモータの回転軸の回転数を検出する回転速度検出器を備えており、該検出器が検出した前記モータの回転数に応じて前記ベルトの速度を補正制御する制御ループであることを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
- 前記モータの回転力は前記ベルトを回動可能に張架すると共に該ベルトを駆動する駆動ローラに伝達され、該駆動ローラの外周面には前記ベルトに対する滑りを防止するための摩擦力増大手段を設けていることを特徴とする請求項2に記載の転写装置。
- 前記異常時使用制御ループは、前記ベルトを回動可能に張架する従動ローラの回転数を検出する回転速度検出器を備えており、該検出器が検出した前記従動ローラの回転数に応じて前記ベルトの速度を補正制御する制御ループであることを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
- 前記回転速度検出器はエンコーダであることを特徴とする請求項2に記載の転写装置。
- 前記回転速度検出器はエンコーダであることを特徴とする請求項4に記載の転写装置。
- 前記異常時使用制御ループは、前記正規速度制御ループに異常が生じたときに使用する制御ループであることを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
- 前記制御手段は、前記正規速度制御ループが正常なときは、前記スケールに基づいて検知した前記ベルトの実際の速度とベルトの目標速度との速度差に応じて前記ベルトの速度を補正制御することを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
- 前記制御手段は、前記スケールに基づいて検出した前記ベルトの実際の速度とベルトの目標速度との第1の速度差と、前記異常時使用制御ループにより検出したベルトの実際の速度とベルトの目標速度との第2の速度差との合成値に応じて前記ベルトの速度を補正制御することを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
- 前記制御手段は、前記正規速度制御ループと、前記異常時使用制御ループが共に正常な場合に、前記第1の速度差と前記第2の速度差との合成値に応じて前記ベルトの速度を補正制御することを特徴とする請求項9に記載の転写装置。
- 前記制御手段は、前記正規速度制御ループと、前記異常時使用制御ループが共に正常な場合であって、前記第1の速度差が所定値を超える場合に、前記第1の速度差と前記第2の速度差との合成値に応じて前記ベルトの速度を補正制御することを特徴とする請求項10に記載の転写装置。
- 前記異常時使用制御ループは2つ以上あり、その2つ以上の制御ループはそれぞれが異なる検出箇所から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度をそれぞれ補正制御する制御ループであることを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
- 2つ以上の前記異常時使用制御ループは、いずれも前記正規速度制御ループに異常が生じたときに使用される制御ループであることを特徴とする請求項12に記載の転写装置。
- 2つ以上の前記異常時使用制御ループの使用順位を前記ベルトの実際の速度の検出箇所が該ベルトに近い制御ループ順に選択していくように制御する使用ループ選択手段を設けたことを特徴とする請求項13に記載の転写装置。
- 2つ以上の前記異常時使用制御ループの使用順位を前記ベルトの実際の速度の検出箇所が前記ベルトとして中間転写ベルトに近い制御ループ順に選択していくように制御する使用ループ選択手段を設けたことを特徴とする請求項14に記載の転写装置。
- 単色の画像形成時には前記正規速度制御ループと前記異常時使用制御ループのいずれも使用しないように制御するベルト速度補正停止手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
- 複数の感光体上の各画像が直接あるいは担持した記録材上に重ね合わせるように順次転写されてモータの回転力により回動するベルトと、
該ベルトの全周に亘って設けられたスケールを読み取るセンサと、
該センサが前記スケールを検知した情報から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度を補正制御する正規速度制御ループと、
前記モータをステッピングモータとし、前記センサによる前記スケールの検知結果に異常が生じたときには前記正規速度制御ループを使用せずに前記ステッピングモータを目標速度値で回転させて前記ベルトの速度を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする転写装置。 - 前記正規速度制御ループとは別個に前記ベルトの速度を補正制御する異常時使用制御ループを設けたことを特徴とする請求項17に記載の転写装置。
- 前記異常時使用制御ループは、前記ベルトを回動可能に張架する従動ローラの回転数を検出する回転速度検出器を備えており、該検出器が検出した前記従動ローラの回転数に応じて前記ベルトの速度を補正制御する制御ループであることを特徴とする請求項18に記載の転写装置。
- 前記従動ローラの外周面には前記ベルトに対する滑りを防止するための摩擦力増大手段を設けていることを特徴とする請求項19に記載の転写装置。
- 前記回転速度検出器はエンコーダであることを特徴とする請求項19に記載の転写装置。
- 前記異常時使用制御ループは、前記正規速度制御ループに異常が生じたときに使用される制御ループであることを特徴とする請求項18に記載の転写装置。
- 前記制御手段は、前記正規速度制御ループが正常なときは、前記スケールを基にして検出した前記ベルトの実際の速度とベルトの目標速度との速度差のみに応じて前記ベルトの速度を補正制御することを特徴とする請求項17に記載の転写装置。
- 前記制御手段は、前記スケールを基にして検出した前記ベルトの実際の速度とベルトの目標速度との第1の速度差と、前記異常時使用制御ループにより検出したベルトの実際の速度とベルトの目標速度との第2の速度差との合成値に応じて前記ベルトの速度を補正制御することを特徴とする請求項18に記載の転写装置。
- 前記正規速度制御ループと、前記異常時使用制御ループが共に正常な場合に、前記第1の速度差と、前記第2の速度差との合成値に応じて前記ベルトの速度を補正制御することを特徴とする請求項24に記載の転写装置。
- 前記正規速度制御ループと、前記異常時使用制御ループが共に正常な場合であって、前記第1の速度差が所定値を超える場合に、前記第1の速度差と前記第2の速度差との合成値に応じて前記ベルトの速度を補正制御することを特徴とする請求項25に記載の転写装置。
- 前記異常時使用制御ループは2つ以上あり、その2つ以上の異常時使用制御ループはそれぞれが異なる検出箇所から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度をそれぞれ補正制御する制御ループであることを特徴とする請求項18に記載の転写装置。
- 2つ以上の前記異常時使用制御ループは、いずれも前記正規速度制御ループに異常が生じたときにのみ使用する制御ループであることを特徴とする請求項27に記載の転写装置。
- 2つ以上の前記異常時使用制御ループの使用順位は前記ベルトの実際の速度の検出箇所が該ベルトに近い制御ループ順に選択していくように制御する使用ループ選択手段を設けたことを特徴とする請求項28に記載の転写装置。
- 2つ以上の前記異常時使用制御ループの使用順位は前記ベルトの実際の速度の検出箇所が前記ベルトとそて中間転写ベルトに近い制御ループ順に選択していくように制御する使用ループ選択手段を設けたことを特徴とする請求項29に記載の転写装置。
- 前記制御手段は、前記正規速度制御ループと前記異常時使用制御ループの全てが異常のときは前記ステッピングモータを目標速度値で回転させて前記ベルトの速度を制御することを特徴とする請求項19に記載の転写装置。
- 単色の画像形成時には前記正規速度制御ループと前記異常時使用制御ループのいずれも使用しないように制御するベルト速度補正停止手段を設けたことを特徴とする請求項19に記載の転写装置。
- 複数の感光体上の各画像が直接あるいは担持した記録材上に重ね合わせるように順次転写されて回動するベルトと、
該ベルトの全周に亘って設けられたスケールを読み取るセンサと、
該センサが前記スケールを検知した情報から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度を補正制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記センサが前記スケールを検知した情報から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度を補正制御する正規速度制御ループと、該正規速度制御ループとは別個に前記ベルトの速度を補正制御する異常時使用制御ループと、を有する転写装置
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記正規速度制御ループに異常が生じたときには該正規速度制御ループに異常が発生したことを知らせるための表示を外部の表示部に表示させる正規ループ異常発生表示手段を設けたことを特徴とする請求項33に記載の画像形成装置。
- 複数の感光体上の各画像が直接あるいは担持した記録材上に重ね合わせるように順次転写されてモータの回転力により回動するベルトと、
該ベルトの全周に亘って設けられたスケールを読み取るセンサと、
該センサが前記スケールを検知した情報から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度を補正制御する正規速度制御ループと、
前記モータをステッピングモータとし、前記センサによる前記スケールの検知結果に異常が生じたときには前記正規速度制御ループを使用せずに前記ステッピングモータを目標速度値で回転させて前記ベルトの速度を制御する制御手段と、を有する転写装置、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記正規速度制御ループに異常が生じたときには該正規速度制御ループに異常が発生したことを知らせるための表示を外部の表示部に表示させる正規ループ異常発生表示手段を設けたことを特徴とする請求項33に記載の画像形成装置。
- 複数の感光体上の各画像が直接あるいは担持した記録材上に重ね合わせるように順次転写されて回動するベルトの全周に亘って設けられたスケールをセンサで読み取り、そのセンサが前記スケールを検知した情報から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度を補正制御する正規速度制御ループを使用して前記ベルトの速度を補正制御し、
前記正規速度制御ループに異常が生じたときには前記スケール及びセンサを使用しない異常時使用制御ループを使用して前記ベルトの速度を補正制御するベルト移動速度補正方法。 - 前記正規速度制御ループが正常なときは、前記正規速度制御ループを使用して検出した前記ベルトの実際の速度とベルトの目標速度との速度差のみに応じて前記ベルトの速度を補正制御する請求項37に記載のベルト移動速度補正方法。
- 前記正規速度制御ループと、前記異常時使用制御ループがいずれも正常で、前記正規速度制御ループを使用して検出した前記ベルトの実際の速度とベルトの目標速度との第1の速度差が所定値を超える場合には、その第1の速度差と、前記異常時使用制御ループにより検出したベルトの実際の速度とベルトの目標速度との第2の速度差との合成値に応じて前記ベルトの速度を補正制御する請求項37に記載のベルト移動速度補正方法。
- 前記異常時使用制御ループは2つ以上あり、前記正規速度制御ループに異常が生じたときには2つ以上ある前記異常時使用制御ループを、前記ベルトの実際の速度の検出箇所が該ベルトに近い制御ループの順に使用しすることを特徴とする請求項37に記載のベルト移動速度補正方法。
- 複数の感光体上の各画像が直接あるいは担持した記録材上に重ね合わせるように順次転写されてステッピングモータの回転力により回動するベルトの全周に亘って設けられたスケールをセンサで読み取り、そのセンサが前記スケールを検知した情報から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度を補正制御する正規速度制御ループを使用して前記ベルトの速度を補正制御し、
前記正規速度制御ループに異常が生じたときには前記ステッピングモータを目標速度値で回転させて前記ベルトの速度を制御するベルト移動速度補正方法。 - 複数の感光体上の各画像が直接あるいは担持した記録材上に重ね合わせるように順次転写されてステッピングモータの回転力により回動するベルトの全周に亘って設けられたスケールをセンサで読み取り、そのセンサが前記スケールを検知した情報から前記ベルトの実際の速度を検出してその実際の速度に応じて前記ベルトの速度を補正制御する正規速度制御ループを使用して前記ベルトの速度を補正制御し、
前記正規速度制御ループに異常が生じたときには前記スケール及びセンサを使用しない異常時使用制御ループを使用して前記ベルトの速度を補正制御し、前記正規速度制御ループと前記異常時使用制御ループが共に異常のときは前記ステッピングモータを目標速度値で回転させて前記ベルトの速度を制御するベルト移動速度補正方法。
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