JP4422771B2 - ベルト装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複数の張架部材に張架されて移動するベルト部材の移動方向に沿って連続して多数形成した目盛をセンサで検知し、その検知結果から得られるベルト部材の実際の移動速度に応じてそのベルト部材の移動速度を予め設定した基本速度になるように制御するベルト装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
例えば、従来のベルト部材のベルト面上に多数形成した目盛をセンサで検知することによりベルト部材の実際の移動速度を検出し、その移動速度が予め設定した基本速度になるように制御するようにしたベルト装置としては、電子写真方式の画像形成装置である複写機やプリンタ内に設けられているものがある。
その画像形成装置に設けられているベルト装置は、例えば感光体上に形成された画像が直接転写される中間転写ベルトや、複数の感光体上の各画像が順次重ね合わせ状態に転写されていく記録材を搬送する記録材搬送ベルトを駆動する装置として使用されている。
このような複写機やプリンタは、近年市場からの要求にともない、フルカラーの画像を形成可能なものが多くなってきている。このようなカラー画像も形成可能な画像形成装置には、1つの感光体のまわりに各色のトナーで現像を行う複数の現像装置を備え、それらの現像装置により感光体上の潜像にトナーを付着させてフルカラーの合成トナー画像を形成し、そのトナー画像を記録材であるシート上に転写してカラー画像を得る、いわゆる1ドラム型のものがある。
また、複数の感光体を並べて配置すると共にその各感光体に対応させて異なる色のトナーで現像をする現像装置をそれぞれ設け、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、その単色のトナー画像をベルト上あるいはシート上に順次転写していくことによりベルト上あるいはシート上にフルカラーの合成カラー画像を形成する、いわゆるタンデム型のものもある。
この1ドラム型の画像形成装置とタンデム型の画像形成装置とを比較すると、前者は感光体が1つであることから装置全体を比較的小型化することができ、それに伴ってコストもその分だけ安価になるという利点がある。しかしながら、1つの感光体を複数回(フルカラーの場合には4回)回転させてフルカラー画像を1枚形成する構成であるため、画像形成速度の高速化は困難であるという欠点を有する。
また、後者のタンデム型の画像形成装置の場合には、感光体を複数必要とするため逆に装置が大型化する傾向があり、その分だけコストも高くなってしまうという欠点はあるが、画像形成速度の高速化が図れるという利点がある。
そこで、最近はフルカラーの画像もモノクロ並みの画像形成スピードが望まれていることから、後者のタンデム型の画像形成装置が注目されている。
このタンデム型の画像形成装置には、図21に示すように、一直線上にそれぞれ配置した各感光体91Y,91M,91C,91K上のトナー画像を、矢示A方向に回動するシート搬送ベルト93上に担持されて搬送されるシートP上に各転写装置92により順次転写していき、そのシートP上にフルカラーの画像を形成する直接転写方式のものと、図22に示すように、複数の各感光体91Y,91M,91C,91K上のトナー画像を矢示B方向に回動する中間転写ベルト94上に順次重ね合わせていくように転写していき、その中間転写ベルト94上の画像を2次転写装置95によりシートP上に一括転写する間接転写方式のものとがある。
この2つの転写方式を比べると、前者は複数の感光体91を並べたその上流側に給紙装置96を、下流側に定着装置97をそれぞれ配置する構成となるため、装置全体がどうしてもシートの搬送方向に長くなって大型化してしまうという欠点がある。
これに対し、後者は2次転写位置を比較的自由に設定することができるため、図22に示した例のように2次転写装置95を中間転写ベルト94の下側に配置すると共に、給紙装置96もその中間転写ベルト94の下側に配置することができるので、装置を幅方向(図22で左右方向)に小型化することができる利点がある。
さらに、前者の直接転写方式のタンデム型は、装置を幅方向にできるだけ小さくしようとすると、定着装置97をシート搬送ベルト93に接近させて配置するようになる。このようにすると、シートPの先端が定着装置97のニップに達した際に、そのシートPがシート搬送ベルト93と定着装置97との線速差(定着装置97の方が遅い)により撓もうとしても、シート搬送ベルト93から定着装置97までの距離が極めて短いために、特に厚いシートの場合にはその先端が定着装置97のニップに達した際の衝撃等によりシート全体に振動が生じ、それが画像に影響を与えやすいという欠点があった。
これに対し、後者の間接転写方式のタンデム型の場合には、2次転写装置95を中間転写ベルト94の下側に配置することができるため、装置を幅方向に小型化しても定着装置97を中間転写ベルト94から離して配置できる余裕が生まれる。したがって、シートの先端が定着装置97のニップに達したときでも、シートは中間転写ベルト94と定着装置97との線速差に対して余裕をもって撓むことによりその線速差を吸収してしまうので、画像に悪影響が出ないようにすることができる。
このように、間接転写方式のタンデム型の画像形成装置は利点が多いので、最近では特に注目されている。
ところで、各色のトナーに対応させて複数の感光体を並べて配置するタンデム型の画像形成装置では、その各感光体上に形成した異なる色のトナー画像をシート上あるいは中間転写ベルト上に重ね合わせてカラー画像を形成するため、その各色の画像の重ね合わせ位置が狙いの位置に対してずれてしまうと、画像上において色ズレや微妙な色合いに変化が生じてしまうようになるので画像品質が低下してしまう。したがって、その各色のトナー画像の位置ズレ(色ズレ)は重要な問題である。
その色ズレが発生する原因の一つとして、間接転写方式の転写装置の場合には中間転写ベルト(直接転写方式の場合にはシート搬送ベルト)の速度ムラがあるということが解っている。
そこで、従来の転写ベルトを使用したカラーの画像形成装置には、例えば特許文献1に記載されているように、転写ベルトの速度ムラを補正するようにしたものがある。
特開平11−24507号公報(第3〜4頁、第1図)
上記文献には、駆動ローラを1本含む5本の支持ローラ間に中間転写ベルト(転写ベルト)を回動可能に張架し、その中間転写ベルトの外周面に、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色のトナー画像を順次重ね合わせ状態に転写していくことによりフルカラーの画像を形成するカラー複写機が記載されている。
このカラー複写機の中間転写ベルトの内面には、微細且つ精密な目盛で形成したスケールを設けて、そのスケールを光学型の検出器で読み取って中間転写ベルトの移動速度を正確に検知し、その検出した移動速度をフィードバック制御系によりフィードバック制御して中間転写ベルトを正確な移動速度になるように制御している。
そして、そのフィードバックの制御系に、上記検出器の他に位置制御回路,速度制御回路,電力変換回路,位置検出回路,速度検出回路等を設け、その位置制御回路で位置検出回路からの正確且つ微細な位置信号と中間転写ベルトの目標位置との偏差を演算し、それにより中間転写ベルトの目標速度を正確に算出し、それを速度制御回路に出力するようにしている。その速度制御回路は、位置制御回路から入力した正確な目標速度と、速度検出回路から入力する速度信号との偏差を演算し、それにより中間転写ベルトを駆動するモータに供給する正確な電気量を算出してそれを電力変換回路に出力し、上記モータの駆動を制御することにより中間転写ベルトの移動を正確な移動速度にしている。
しかしながら、このように複数の張架部材に張架されて回動するベルト部材は、その外面側に多数の目盛(スケール)を形成した場合には、それがトナー等により汚れやすくなる。そこで、このような目盛はベルト部材の内面に形成するのが望ましいが、そのようにするとその目盛の部分が複数の張架部材であるローラ等に直接接触するようになるため、経時においてその目盛部分に細かな傷ができたり、摩耗により表面が削られて灰色がかってしまって反射率が低下したりする。
また、目盛の部分が汚れることによっても反射率は低下する。このようになると、センサが目盛の反射部を検知したときと非反射部を検知したときとでそのセンサがそれぞれ出力する出力値の比(差)が所定の値よりも小さくなるため、目盛の誤検知が生じやすくなる。したがって、このような誤検知が生じたときにはベルト部材を基本速度で駆動制御できなくなる。
さらに、目盛の反射部は、異物の混入や大きな傷により一部が欠落してしまうと、その欠落部をセンサが検知したときにベルト部材が速度変動を起したものと誤検知して、誤ったベルト部材の速度制御を行ってしまうという恐れもあった。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ベルト部材を長期に亘って正常な基本速度で駆動できるようにすることを目的とする。
この発明は上記の目的を達成するため、複数の張架部材に張架されて移動するベルト部材を有し、画像を外面にそれぞれ形成する複数の感光体上の各画像が、該ベルト部材若しくは該ベルト部材上の記録材に順次重ね合わせるように転写されるベルト装置において、
上記ベルト部材の上記張架部材と直接接触する内面側に、移動方向に沿って連続して交互に規則正しく配置された反射部と非反射部からなる目盛と、
その目盛に対して光を発する発光部とその目盛から反射した光を受光する受光部とからなるセンサで目盛を検知する目盛検知手段と、
その目盛検知手段による検知結果から得られる上記ベルト部材の実際の移動速度に応じて前記ベルト部材の移動速度を予め設定した基本速度になるように制御する移動速度制御手段と、
上記目盛検知手段のセンサが、上記目盛の反射部と非反射部とを検知してそれぞれ出力する信号波形の振幅が、複数の連続する波形について、ベース側は同じレベルで波形上部側のみがそれぞれ所定の値より低いレベルになった場合に、上記ベルト部材と上記張架部材との間に異物が混入していると判断する異物混入判断手段と、
上記異物混入判断手段が異物が混入していると判断した場合に異物混入を知らせる表示手段とを備えたものである。
さらに、上記ベルト装置を備えた画像形成装置も提供する。
この発明によるベルト装置はベルト部材とそれを張架している張架部材(従動ローラあるいは駆動ローラ)との間に異物が混入すると、それを自動的に判断して知らせることができるので、早い時期にその異物を除去したり、ベルト部材を傷のない新しいものに交換することができる。そのため、目盛検知手段によりベルト部材の実際の移動速度を正確に検出することができ、ベルト部材を長期に亘って基本速度で駆動することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態の説明では、複数の張架部材に張架されて移動するベルト部材が、中間転写ベルトである場合を例にとって説明するが、記録材搬送ベルトであるシート搬送ベルトの場合にも適用可能である。
図1はこの発明の一実施形態であるベルト装置を制御系と共に示す概略構成図、図2は同じくそのベルト装置を備えた画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
図2に画像形成装置の一例として示すカラー複写機は、ベルト部材である中間転写ベルト10を使用したタンデム型の電子写真装置であり、給紙テーブル2上に複写機本体1を載置している。その複写機本体1の上にはスキャナ3を取り付けると共に、その上に原稿自動給送装置(ADF)4を取り付けている。
複写機本体1内には、その略中央に無端ベルト状のベルト部材である中間転写ベルト10を有する移動体装置であるベルト装置20を設けており、その中間転写ベルト10はそれぞれ張架部材である駆動ローラ9と2つの従動ローラ15,16の間に張架されて図2で時計回り方法に回動するようになっている。また、この中間転写ベルト10の外面は、従動ローラ15の左方に設けられているクリーニング装置17により、その表面に画像転写後に残留する残留トナーが除去されるようになっている。
その中間転写ベルト10の駆動ローラ9と従動ローラ15の間に架け渡された直線部分の上方には、その中間転写ベルト10の移動方向に沿って、異なる色の画像を外面にそれぞれ形成するイエロー,シアン,マゼンタ,ブラック用の4つの画像形成部18を構成するドラム状の感光体40Y,40C,40M,40K(以下、特定しない場合には単に感光体40と呼ぶ)を、それぞれ図2で反時計回り方向に回転可能に設けている。そして、その各感光体上に形成された各画像(トナー画像)が、中間転写ベルト10上面に直接重ね合わせ状態に順次転写されていくようになっている。
そのドラム状の感光体40の回りには、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64をそれぞれ設けている。そして、その感光体の上方に、露光装置21を設けている。
一方、中間転写ベルト10の下側には、その中間転写ベルト10上の画像を記録材であるシートPに転写する転写部となる2次転写装置22を設けている。その2次転写装置22は、2つのローラ23,23間に無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡したものであり、その2次転写ベルト24が中間転写ベルト10を介して従動ローラ16に押し当たるようになっている。この、2次転写装置22は、2次転写ベルト24と中間転写ベルト10との間に送り込まれるに、中間転写ベルト10上のトナー画像を一括転写する。
その2次転写装置22のシート搬送方向下流側には、シートP上のトナー画像を定着する定着装置25があり、そこでは無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられている。
なお、2次転写装置22は、画像転写後のシートを定着装置25へ搬送する機能も果たす。また、この2次転写装置22は、転写ローラや非接触のチャージャを使用した転写装置であってもよい。
その2次転写装置22の下側には、シートの両面に画像を形成する際にシートを反転させるシート反転装置28を設けている。
このカラー複写機は、カラーのコピーをとるときは、原稿自動給送装置4の原稿台30上に原稿をセットする。また、手動で原稿をセットする場合には、原稿自動給送装置4を開いてスキャナ3のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動給送装置4を閉じてそれを押える。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動給送装置4に原稿をセットしたときは、その原稿がコンタクトガラス32上に給送される。また、手動で原稿をコンタクトガラス32上にセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行を開始する。そして、第1走行体33の光源から光が原稿に向けて照射され、その原稿面からの反射光が第2走行体34に向かうと共に、その光が第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入射して、原稿の内容が読み取られる。
また、上述したスタートスイッチの押下により、中間転写ベルト10が回動を開始する。さらに、それと同時に各感光体40Y,40C,40M,40Kが回転を開始して、その各感光体上にイエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの各単色画像を形成する動作を開始する。そして、その各感光体上に形成された各色の画像は、図2で時計回り方向に回動する中間転写ベルト10上に重ね合わせ状態に順次転写されていき、そこにフルカラーの合成カラー画像が形成される。
一方、上述したスタートスイッチの押下により、給紙テーブル2内の選択された給紙段の給紙ローラ42が回転し、ペーパーバンク43の中の選択された1つの給紙カセット44からシートPが繰り出され、それが分離ローラ45により1枚に分離されて給紙路46に搬送される。
そのシートPは、搬送ローラ47により複写機本体1内の給紙路48に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止する。
また、手差し給紙の場合には、手差しトレイ51上にセットされたシートPが給紙ローラ50の回転により繰り出され、それが分離ローラ52により1枚に分離されて手差し給紙路53に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止状態になる。
そのレジストローラ49は、中間転写ベルト10上の合成カラー画像に合わせた正確なタイミングで回転を開始し、一旦停止状態にあったシートPを中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に送り込む。そして、そのシートP上に2次転写装置22でカラー画像が転写される。
その画像が転写されたシートPは、搬送装置としての機能も有する2次転写装置22により定着装置25へ搬送され、そこで熱と加圧力が加えられることにより転写画像が定着される。その後、そのシートPは、切換爪55により排出側に案内され、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出されてそこにスタックされる。
また、両面コピーモードが選択されているときには、片面に画像を形成したシートPを切換爪55によりシート反転装置28側に搬送し、そこで反転させて再び転写位置へ導き、今度は裏面に画像を形成した後に、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出する。
ベルト装置20は、図1に示すよう中間転写ベルト10と、その中間転写ベルト10のベルト面上にその中間転写ベルト10の移動方向に沿って連続して多数形成した目盛(スケール)5をセンサ6で検知する目盛検知手段と、その目盛検知手段による検知結果から得られる中間転写ベルト10の実際の移動速度に応じてその中間転写ベルト10の移動速度を予め設定した基本速度になるように制御するベルト速度制御手段(移動速度制御手段)として機能する制御装置70とを備えている。
その制御装置70は、この実施の形態では、上記目盛検知手段の目盛5を検知する能力が所定の値よりも悪化したときにその目盛検知能力を回復させる目盛検知能力回復手段の制御部としても機能する。
目盛5は、図3及び図4に示すように中間転写ベルト10の移動方向に沿って連続して交互に規則正しく配置した反射部5aと非反射部5bとからなり、センサ6はこの目盛5に対して光を発する発光部6aとその目盛5から反射した光を受光する受光部6bとからなる。
そして、上述した目盛検知能力回復手段は、中間転写ベルト10上の目盛5をクリーニングする目盛クリーニング装置29(図1参照)を有し、発光部6aが目盛5に対して発して反射した光を受光部6bが受光して出力する出力値の反射部5aを検知したときと非反射部5bを検知したときとの比(図4の振幅fとなる)が所定の値よりも小さくなったときに目盛検知能力が悪化したと判断して目盛クリーニング装置29を作動させて目盛5をクリーニングさせる手段である。
目盛クリーニング装置29は、例えば図1に示したように毛ブラシを外周面に多数植設したファーブラシをモータにより回転させ、毛ブラシ部分を目盛5に接触させてそれをクリーニングするものを使用するが、目盛5にゴムブレードの先端を軽く摺接させてそれをクリーニングする装置であってもよいし、それ以外の構成のものであっても、目盛5を傷付けることなくクリーニングできるものであればよい。
なお、上記の目盛検知能力の悪化を判断する基準となる所定の値については、その詳しい説明を後述する。
ベルト装置20は、図4に示したセンサ6の発光部6aと受光部6bの表面をそれぞれクリーニングする目盛検知能力回復手段のクリーニング部として機能する図1に示すセンサクリーニング装置31も設けている。そのセンサクリーニング装置31は、例えば発光部6aと受光部6bの表面にそれぞれエアーを吹き付ける装置からなる。
そして、この実施の形態では、上記の目盛検知能力回復手段は、図1に示した目盛クリーニング装置29を作動させるタイミングでセンサクリーニング装置31も作動させて発光部6aと受光部6bの表面もそれぞれクリーニングさせる手段としても機能する。
中間転写ベルト10は、ベルト駆動モータ7により駆動ローラ9を介して図1の矢示C方向に回動されるようになっている。すなわち、ベルト駆動モータ7の回転力は、中間転写ベルト10を回動可能に張架すると共にそのベルトを駆動する駆動ローラ9に伝達され、その駆動ローラ9の回転により矢示C方向に回動される。
なお、ベルト駆動モータ7は、回転力を駆動ローラ9に直接伝達するものであってもよいし、その間にギヤを介したものであってもよい。
中間転写ベルト10は、例えば弗素系樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリイミド樹脂等で形成するベルトであり、そのベルトの全層や、その一部を弾性部材で形成するようにした弾性ベルトを使用したりする。
そして、この中間転写ベルト10に、感光体40Y,40C,40M,40Kの順に、そこに形成されている異なる色の単色画像(トナー像)が順次重ね合わせ状態に転写されていく。
その中間転写ベルト10の外面には、前述したように目盛5を形成しているが、その目盛5は図3に示すように中間転写ベルト10の全周に亘って反射部5aを当間隔に形成したものであり、その反射部5aは図4に示すように白色に形成し、その他の非反射部5bを含むベルト部分を黒色(ハッチングで示している)に形成している。また、その目盛5のベルト幅方向の位置は、感光体の端部に対応する位置にしている。
なお、この目盛5を検知する図1に示したセンサ6の配設位置は、中間転写ベルト10が直線状に張架された部分のベルト面の目盛5を検知できる位置であれば、いずれの場所であってもかまわない。
センサ6は、その一例を図4に示すように、例えば一対の発光部6aと受光部6bとを備えた反射型光学センサであり、発光部6aから目盛5に向けて照射した光の反射光を受光部6bで受光し、その際に目盛5の反射部5aと非反射部5bとで異なる反射光量を検出する。
このセンサ6は、目盛5の反射部5aと非反射部5bとで異なる反射率により正弦波のアナログ信号波形を得て、それをセンサ内の回路によりデジタル信号に変換した後、HighとLowの2値の信号にして、それを受光部6bが出力する出力値としている。
ここで、この実施の形態では、センサ6は受光部6bが光を受光するとHigh信号を出力するタイプのものを使用しているので、目盛5の反射部5aの反射率が非反射部5bよりも高くなるので、センサ6から出力される信号は図4のtの範囲が、反射部5aがセンサ6を通過している間の出力となる。したがって、中間転写ベルト10が回動するに伴い、センサ6の検出範囲を通過する反射部5aの有無により、センサ6の出力がHigh、Lowを図示のように繰り返す。
したがって、その信号がLowからHighに変化した時点から次のLowからHighに変化するまでの時間Tを求めることにより、中間転写ベルト10の表面の移動速度(以下、単にベルト速度ともいう)を検出することができる。
このように、センサ6がベルト速度に対応して出力する情報から中間転写ベルト10の表面の実際の移動速度を検出し、それに応じてその中間転写ベルト10の移動速度を、図1に示した制御装置70が予め設定した基本速度になるように制御する。
その制御装置70は、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなるマイクロコンピュータであり、図5に示すようにモータ制御部71とメイン制御部72とを有している。
そのモータ制御部71は、ベルト駆動モータ7に対しそれを駆動するための信号を出力し、そのベルト駆動モータ7を中間転写ベルト10が基本速度(定常速度)で回動するように制御する。中間転写ベルト10が回動すると、センサ6はベルト上の目盛5を読み取り、その検出情報をモータ制御部71にフィードバックする。
その際モータ制御部71は、フィードバックされた情報から得たベルト速度が基本速度に一致していれば、そのままベルト駆動モータ7の回転数を維持することにより(変更なし)、中間転写ベルト10をそのまま基本速度で回動させ続ける。
また、そのフィードバックされた情報から得たベルト速度が基本速度と相違する場合には、その差を算出して、中間転写ベルト10のベルト速度が基本速度になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御する。
モータ制御部71がセンサ6から中間転写ベルト10の回動に応じて入力するのは、2値化した信号のパルスであり、モータ制御部71は予め設定した規定時間内にカウントした上記パルスのカウント値を基準カウント値(基本速度に対応するカウント値)と比較器73で比較し、その差のプラスあるいはマイナスによりモータに与えるフィードバック量を計算する。
なお、モータ制御部71は、センサ6の受光部6b(図4参照)が出力するアナログ信号(正弦波)の振幅信号も入力し、その振幅信号の大きさにより、異常の有無も判定するようにしている。
次に、中間転写ベルト10のベルト速度の制御について図6を参照して説明する。
図5に示したモータ制御部71は、所定のタイミングで図6に示す中間転写ベルトの移動速度補正処理をスタートさせ、以下説明するベルト移動速度補正方法を実行する。
まずステップ1で、ベルト駆動モータ7をONにして、それを目標速度である基本速度Vで回転させるようにし、ステップ2へ進む。そこでは、ベルト駆動モータ7をOFFにする信号を入力しているか否かを判断し、OFF信号を入力していればステップ3へ進んでベルト駆動モータ7をOFFにして、この処理を終了する。
また、ステップ2でOFF信号を入力していなくてステップ4へ進んだときには、そこでフィードバックされるセンサ6からの信号を入力し、その情報から中間転写ベルト10の表面の実際の速度V′を検出する。そして、次のステップ5で、基本速度Vと実際の速度V′との速度比較を行う。
次のステップ6では、その基本速度Vと実際の速度V′とが同じでないか(V≠V)を判断し、その基本速度Vと実際の速度V′が同じで、その間に速度差がなければ(許容できる速度差)、中間転写ベルト10は基本速度Vと同じ速度でベルト表面が回転していると判断できるので、そのまま基本速度Vで制御を継続してステップ2へ戻り、再びそのステップ2以降の判断及び処理を繰り返す。
また、ステップ6の判断で、基本速度Vと実際の速度V′とが同じでないときにはステップ7に進んで、そこで基本速度Vと中間転写ベルト10の実際の速度V′とのベルト表面の速度差V″を計算する。
そして、ステップ8で、その速度差V″がV″>0であるか否かを判断し、V″>0であれば(YESの判断)、基本速度Vよりも、中間転写ベルト10の実際の速度V′の方が遅いと判断できるので、基本速度Vに速度差V″を加えた速度Vになるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御し、その後ステップ2へ戻る。
また、ステップ8の判断で速度差V″がV″>0でないときには、速度差V″はV″<0であって中間転写ベルト10の実際の速度V′のベルト表面速度が基本速度Vよりも速いと判断できるので、ステップ10へ進んで、そこで基本速度Vから速度差V″を差し引いた速度Vになるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御し、その後ステップ2へ戻る。
そして、そのステップ2以降の判断及び処理を繰返すことにより、中間転写ベルト10の表面の実際の速度V′が基本速度Vになるように補正制御する。そして、ステップ2でベルト駆動モータ7をOFFにする信号の入力を判断するとステップ3へ進んで、ベルト駆動モータ7をOFFにして、この処理を終了する。
ところで、目盛5は中間転写ベルト10の外側の面に設けてもよいが、そうするとその目盛がトナー等により汚れやすくなるということを前述した。そこで、この実施の形態によるベルト装置及びそれを備えた画像形成装置では、図1に示したように目盛5を中間転写ベルト10の内面側に形成するようにしている。
ところが、このようにすると、今度は目盛5の部分が中間転写ベルト10を張架する駆動ローラ9や従動ローラ15,16等に直接接触するようになるため、経時においてその目盛5の部分に細かな傷ができたり、摩耗により表面が削られたりして当初は白色であったものが灰色がかってしまうことにより反射率が低下したりする。このようになると、センサ6の受光部6bが受光して出力する出力値の目盛5の反射部5aを検知したときと非反射部5bを検知したときとの比が初期に比べて小さくなることにより、センサ6のアナログ出力(正弦波)の振幅が小さくなるため、それを信号として取り出せなくなる恐れがある。
しかしながら、この実施の形態によるベルト装置及びそれを備えた画像形成装置は、前述した構成にすることにより、中間転写ベルト10の回動時に目盛5に対してセンサ6の発光部6aから光を照射し、その光を受光部6bで受光してその受光部6bが出力する出力値が悪化して中間転写ベルト10の実際の移動速度を検知するための目盛検知能力が所定の値(予め設定しておく)よりも低下したときには、目盛5とセンサ6の発光部6a及び受光部6bのうち少なくとも目盛5をクリーニングするベルト上目盛検知能力回復方法を実施するので、中間転写ベルト10を長期に亘って基本速度で駆動することができる。
以下、そのベルト上目盛検知能力回復方法について、詳しく説明する。
図1に示した制御装置70は、目盛5の劣化状態をセンサ6を使用した目盛検知能力が所定の値よりも低下したか否かにより判断している。そして、その目盛検知能力の低下を判断すると、目盛5を目盛クリーニング装置29によりクリーニングさせると共に、センサ6をセンサクリーニング装置31によりクリーニングさせる。
このようにすることで、目盛5とセンサ6はきれいな状態が保たれるので、中間転写ベルト10の実際の移動速度を正確に検出して、それを基本速度で駆動させることができる。したがって、図2に示したカラーの画像形成装置でフルカラーの画像を形成しても、4色が色ずれを生じない良好な画像を長期に亘って形成することができる。
上記の目盛検知能力低下の判断は、センサ6の出力により行うが、そのセンサ6が図4に示したように、目盛5に発光部6aから光を照射してその光を受光部6bが受光して出力する信号波形は方形波のアナログ信号である。
このアナログ信号は、受光部6bが目盛5を介して受光する光量に応じて振幅fが変化する。例えば、図7に受光部6bが目盛5を検知して出力した初期の振幅fを実線で示したものが、経時において目盛5の非反射部5bの反射率は初期に比べて変化していないときでも、反射部5aは経時的にトナーや紙粉等が付着することによりで汚れたり、摩耗等により白色から灰色がかってきて反射率が低下したりするため、受光部6bが出力する波形の振幅fは小さくなる。
そこで、この実施の形態では、この受光部6bが出力する波形の振幅に、目盛検知能力低下の判断基準とする規定の閾値となる振幅f(所定の値)を設定し、受光部6bが出力する波形の振幅が振幅fよりも小さくなったときに目盛検知能力が悪化したと判断して、目盛クリーニング装置29で目盛5をクリーニングすると共に、センサクリーニング装置31を動作させてセンサ6をクリーニングするようにしている。
上記閾値となる振幅fの設定は、例えばセンサ6の発光部6aが目盛5に対して発して反射した光を受光部6bが受光して出力する出力値の反射部5aを検知したときと非反射部5bを検知したときとの比で設定する。
そして、その振幅fは、例えば誤検知を生じてしまう反射部5aの汚れと振幅fとの関係を機種ごとに予め実験で求め、そこにバラツキ等を考慮して決定し、それを例えば工場出荷の段階で画像形成装置の記憶部に記憶させておく。
なお、このベルト上目盛検知能力回復方法による目盛検知能力低下の判断によれば、目盛5がトナーや紙粉等で汚れたり、摩耗したりしたときばかりか、センサ6の発光部6aと受光部6bの光路部分が汚れた場合にも受光部6bが出力する波形の振幅は小さくなるので、目盛検知能力の低下を判断することができる。
そして、この目盛検知能力の低下を判断すると、図5に示したモータ制御部71がメイン制御部72に対して目盛検知能力低下を示す信号を出力する。それにより、メイン制御部72は目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31に対し、それらをクリーニング動作させる信号をそれぞれ出力し、目盛5及びセンサ6の発光部6aと受光部6bのクリーニングを開始させる。
ところで、センサ6は、それを構成している発光部6aと受光部6bの光路上に位置する部分の表面が汚れていなくても、経時的に劣化することにより発光量や出力が低下することがある。したがって、そのような場合には、目盛検知能力低下を判断することにより目盛クリーニング装置29及びセンサクリーニング装置31をクリーニング動作させた後も、受光部6bが出力する波形の振幅が、図7で説明した振幅fよりも小さくなった状態のままになってしまうので不都合が生じる。
そこで、この実施の形態によるベルト装置及びそれを備えた画像形成装置では、その目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31のそれぞれクリーニング後も目盛検知手段の目盛検知能力が所定の値よりも悪化した状態が続くとき、すなわち受光部6bが出力する波形の振幅が、図7で説明した振幅fよりも小さくなった状態が続くときにはセンサ6の発光部6aの発光量を増大させるように制御する手段を設けている。そして、その手段としては、図1の制御装置70が機能する。
このように、クリーニング後も受光部6bが出力する出力値の反射部5aを検知したときと非反射部5bを検知したときとの比が所定の値よりも小さくなっているときにはセンサ6の発光部6bの発光量を増大させるベルト上目盛検知能力回復方法を実施すことで、センサ6の発光部6aや受光部6bが経時的に劣化することにより受光部6bが出力する波形の振幅が振幅f(図7)よりも小さくなるようなときでも、発光部6aの発光量を増大させることにより、その振幅を振幅fよりも大きくすることができる。したがって、センサ6によるベルト速度の誤検知を防止することができる。
なお、この実施の形態によるベルト装置及びそれを備えた画像形成装置では、上述したように目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31のそれぞれクリーニング後も目盛検知手段の目盛検知能力が所定の値よりも悪化した状態が続くときには、図1に示す制御装置70は、複写機本体の外部から見える操作パネル上に設けた表示部75に、中間転写ベルト10の交換を要求する警告を表示させる制御を行う。
すなわち、この実施の形態では、制御装置70は、目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31のそれぞれクリーニング後も目盛検知手段の目盛検知能力が所定の値よりも悪化した状態が続くときには、中間転写ベルト10の交換を要求する警告を外部から見える表示部75に表示させる手段としても機能する。
このように、この実施の形態では、目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31のクリーニング後も目盛検知手段の目盛検知能力が所定の値よりも悪化した状態が続くときには、中間転写ベルト10の交換を要求する警告が表示部75に表示されるので、ユーザーは中間転写ベルト10が摩耗したり、クリーニングしきれないほど中間転写ベルト10が汚れて寿命に達していることを確実に知ることができる。
ところで、中間転写ベルト10は、図1に示したように駆動ローラ9、従動ローラ15,16等に張架されて矢示C方向に回動するが、2次転写ローラとしても機能する従動ローラ16は、例えばゴム材で形成するため、異物が中間転写ベルト10の内側に入ってしまったときには、それらのローラの表面をクリーニングする装置が付いていたとしても、ゴム材の中に異物が埋もれて強固に従動ローラ16上に付着して残ってしまう場合がある。このようになると、その異物によって中間転写ベルト10上の図8に示す目盛5が擦られることにより、図示のようにベルトの移動方向に略平行して複数の反射部5a及び非反射部5bに跨る傷SCが付いたりする。
このような傷SCが目盛5に付くと、その傷SCが付いた部分は反射率が変化してしまうため、センサ6が目盛5の反射部5aを検知したときと非反射部5bを検知したときとの比、すなわち受光部6bが出力する波形の振幅が傷SCを検知した部分で、閾値である振幅fよりも小さくなってしまう。
この異物混入により傷SCが付けられた目盛5は、その中間転写ベルト10がまだ新しいときにはその目盛5の部分はまだ摩耗していないので、その目盛5の一部の反射部5aには傷SCが付いていても、その傷SCが付いた部分以外はまだ白い状態が保たれているので高い反射率を有する。また、非反射部5bも黒い状態が保たれているので、初期の低い反射率を有する。
したがって、この場合の異物混入時における傷SCの部分の信号波形は、図8に示したように複数の連続する波形についてベース(波形下端)側が同じレベルで、波形上端部側のみがそれぞれ振幅fとなる値(所定の値)よりも低いレベルになる。
このようになると、目盛5の反射部5aと非反射部5bとを正確に検知することができなくなるので、その中間転写ベルト10上の目盛5を検知することによってベルト速度を制御する制御系のベルト速度制御が行えなくなる。
そこで、この実施の形態によるベルト装置及びそれを備えた画像形成装置では、中間転写ベルト10の回動時に目盛検知手段のセンサ6が目盛5の反射部5aと非反射部5bとを検知してそれぞれ出力する信号波形の振幅が、複数の連続する波形についてベース側が同じレベルで波形上端部側のみがそれぞれ所定の値(振幅f)よりも低いレベルになったときには、中間転写ベルト10の内面と張架部材である従動ローラ16あるいは駆動ローラ9,従動ローラ15のいずれかの間に異物が混入していると判断して、その異物混入を知らせる表示を外部から見える部分の表示部75(図1)に表示させるようにしている。そして、この異物混入判断手段と表示手段も、図1に示した制御装置70が機能する。
したがって、この実施の形態によれば、中間転写ベルト10の内面とそれを張架する各ローラとの間に異物が混入したことを装置外部から知ることができるので、目盛5が傷付けられた後の早い時期に、その噛み込んだ異物を除去することができると共に、中間転写ベルト10を傷のない新しいものにすぐに交換することができる。
また、図9に示すように目盛5の反射部5aに略ベルトの移動方向と垂直な方向に傷SCが付いたときには、その傷SCにより、本来は出るはずのアナログ出力信号が一部で出なくなったりする。このようになると、本来は1つの反射部5aを検知することにより1パルスが出るところが2パルスになったりして、デジタル信号出力の周波数が急激に変化する異常状態となる。
したがって、このような異常が発生すると、図1に示した制御装置70(詳しくは図5のモータ制御部71)は上記のデジタル信号出力に基づいて中間転写ベルト10のベルト速度を制御しているので、そのデジタル信号出力の周波数が急激に高く変化した部分ではベルト駆動モータ7が速くなったものと判断してそれを遅くする方向に制御してしまうので、中間転写ベルト10に速度ムラが発生してしまう。それにより、中間転写ベルト10を基本速度に制御できなくなる。
そこで、この実施の形態によるベルト装置及びそれを備えた画像形成装置では、図9に示したように目盛検知手段のセンサ6が目盛5の反射部5aの1つを検知している間に出力する1パルスの予め設定した検知時間t内に2つ以上のパルスを検出したときには、中間転写ベルト10の目盛5に傷が付いていると判断するベルト傷検知手段を設けている。そして、この実施の形態では、制御装置70がそのベルト傷検知手段として機能する。
ところで、図9で説明したように反射部5aに傷SCが付いていても中間転写ベルト10がまだ新しいときには、その中間転写ベルト10上の目盛5は、その傷SCがある箇所以外は正常であり、目盛5全体としてはそれが汚れたり、摩耗していたりすることはない。したがって、この場合には傷SCがある異常箇所以外は、目盛5は正常に検知されるので、中間転写ベルト10はその異常箇所以外の部分では正常にベルト速度が制御される。
そこで、この実施の形態によるベルト装置及びそれを備えた画像形成装置では、上述したベルト傷検知手段の他に、目盛クリーニング装置29及びセンサクリーニング装置31のクリーニング後に、ベルト傷検知手段が目盛5に傷が付いていると判断したとき、目盛検知手段の目盛5を検知する能力が所定の値(図7の振幅f)よりも小さくなっていないときには、目盛検知手段による検知結果から得られる中間転写ベルト10の移動速度に係らず、その中間転写ベルト10を予め設定した基本速度で移動させるように制御する手段を設けている。そして、その手段も制御装置70(図1)が機能する。
この実施の形態によれば、中間転写ベルト10の目盛5の部分に図9で説明したような傷SCが付いていても、中間転写ベルト10がまだ新しくて目盛検知手段の目盛5を検知する能力が所定の値以上であるときには、その目盛5を検知することによって得る中間転写ベルト10のベルト速度を無視して中間転写ベルト10を基本速度で回動させるので、傷SCの影響を全く受けない。
この実施の形態では、上述したベルト傷検知手段は、中間転写ベルト10が移動時の負荷変動を考慮した最も速い移動速度で移動するときに目盛検知手段のセンサ6が目盛5の反射部5aの1つを検知している間に出力する1パルスの予め設定した検知時間内に2つ以上のパルスを検出したときにベルト部材の目盛に傷が付いていると判断する。
このように、ベルト傷検知手段は、図9に示したセンサ6が目盛5の反射部5aの1つを検知している間に出力する1パルスの予め設定した検知時間tを、中間転写ベルト10が移動時の負荷変動を考慮した最も速い移動速度で移動するときの時間にしている。
このようにするのは、中間転写ベルト10は、そこに加わる負荷の変動によりベルト速度が速くなったり遅くなったりするため、tを遅い時間(tが大きくなる)に設定し過ぎると、中間転写ベルト10が負荷変動により速まったときには、その設定した検知時間tの間に正常なパルスを2つ以上検出してしまう可能性があるため、それを防ぐためである。
なお、検知時間tは、実際に中間転写ベルト10を回動させ、そのときの負荷変動を測定し、その負荷が最も軽くなってベルトが最も速い移動速度で移動するときの時間を実験により求めておき、それを制御装置70(正確にはモータ制御部71)の記憶部に記憶させておく。
なお、図8及び図9に示した傷SCを検出した場合には、中間転写ベルト10の目盛5の部分をクリーニングする必要はない。
このように、この実施の形態では、センサ6が目盛5の反射部5aの1つを検知している間に出力する1パルスの検知時間tを予め設定し、その検知時間t内に2つ以上のパルスを検出し且つセンサ6の目盛5を検知する能力が所定の値よりも悪化していないときには、目盛検知手段による検知結果から得られる中間転写ベルト10の移動速度に係らずその中間転写ベルト10を予め設定した基本速度で移動させるベルト上目盛検知能力回復方法を実施する。
それによって、センサ6が出力するパルスの周波数により、中間転写ベルト10の目盛5の部分に傷があるのか、単なる負荷変動によるベルト速度の変動であるのかを、1パルスの予め設定した検知時間t内に2つ以上のパルスを検出するか否かにより判断することができる。
そして、この実施の形態によるベルト装置及びそれを備えた画像形成装置では、上述したベルト傷検知手段が目盛5に傷が付いていると判断したときにはベルト傷発生を知らせる表示を外部から見える図1に示した表示部75に表示させるようにしており、その制御は制御装置70が行う。
なお、図7乃至図9に示したセンサ6が出力するアナログ信号の振幅は、前述したように中間転写ベルト10がまだ新しいときに、目盛5に傷SCが付いたときには、各波形はベース(波形下端)側が同じ位置で、波形上端部側のみがそれぞれ低い位置になったが、図10に示すように初期には仮想線の位置にあった波形の振幅fが、経時においては実線で示すようにベースラインが上昇し、波形のピーク点がそれぞれ低い位置になることによって振幅が小さくなる。
これは、経時においては図4に示した目盛5の非反射部5bの黒い部分が摩耗により白みがかることにより反射率が増大してベースラインが上昇し、逆に本来は白い反射部5aが汚れることにより反射率が低下することにより波形のピーク点が下がるためである。
このように、センサ6が出力するアナログ信号の振幅が小さくなるには2形態あるが、この実施の形態はセンサ6の発光部6aが目盛5に対して発して反射した光を受光部6bが受光して出力する出力値の反射部5aを検知したときと非反射部5bを検知したときとの比で判断しているので、振幅がいずれの形態の場合であっても目盛検知能力の悪化を確実に検出することができる。
図11はセンサの中間転写ベルト上の目盛の反射部を検知したときと非反射部を検知したときとで形成されるパルスの周波数により目盛検知能力の悪化を判断するようにしたベルト装置の実施形態を示す図1と同様な概略構成図、図12は同じくそのベルト装置が有するセンサが目盛を検知して出力するアナログ信号とパルスの周波数を示す説明図であり、図1及び図9と対応する部分には同一の符号を付してある。
このベルト装置及びそれを備えたカラーの画像形成装置(ベルト装置以外の構成は図2で説明した画像形成装置と同様であるため、その図示を省略する)は、図1の実施形態と同様に、目盛5は中間転写ベルト10の移動方向に沿って連続して交互に規則正しく配置した反射部5aと非反射部5bとからなる。
そして、このベルト装置が図1のベルト装置20と異なるのは、センサ6の発光部6aが目盛5に対して発して反射した光を受光部6bが受光して出力する出力値の反射部5aを検知したときと非反射部5bを検知したときとで形成されるパルスの周波数が後で説明する所定の値よりも大きな値になったときに目盛検知能力が悪化したと判断して目盛クリーニング装置29を作動させると共にセンサクリーニング装置31も作動させて目盛5とセンサ6をクリーニングさせるように、制御装置70′が制御する点だけである。
そして、その制御装置70′は、図1の制御装置70と同様な構成であり、制御する内容のみが異なる。
この実施の形態では、例えば図12に示すように目盛5の反射部5aにその反射部5aの短手側の幅よりも小さなトナー塊Tnが付着していると、そのトナー塊Tnにより、本来は出るはずのアナログ出力信号が一部で出なくなったりする。このようになると、中間転写ベルト10上の目盛5の反射部5aをカウントする時間となる所定の時間(任意に設定可)内におけるパルスの周波数が、中間転写ベルト10を基本速度(定常速度)で回動させたときに正常な目盛5の反射部5aをカウントして出力されるパルスの個数に一致する所定の値(予め設定して記憶部に記憶させておく)よりも大きな値になる。
したがって、このパルスの変化により目盛5の部分の異常を検出し、それにより目盛クリーニング装置29を作動させると共にセンサクリーニング装置31を作動させ、目盛5とセンサ6をクリーニングする。
そして、この実施の形態においても、制御装置70′は、目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31のそれぞれクリーニング後も目盛検知手段の目盛検知能力が所定の値よりも悪化した状態が続くときには、中間転写ベルト10の交換を要求する警告を表示部75に表示させる。
また、上記クリーニング後に、目盛検知手段のセンサ6が目盛5の反射部5aの1つを検知している間に出力する1パルスの予め設定した図12に示した検知時間t内に2つ以上のパルスを検出したときには、中間転写ベルト10の目盛5に傷が付いていると制御装置70′(ベルト傷検知手段として機能)は判断する。
図13はクリーニング後も目盛検知能力が悪化した状態が続くときにはセンサの受光部の出力を増大させるようにしたベルト装置の実施の形態を示す概略構成図であり、図1と対応する部分には同一の符号を付してある。
なお、この実施形態のベルト装置を備えた画像形成装置は、ベルト装置以外の構成は図2で説明した画像形成装置と同様であるため、その図示を省略する。
このベルト装置も、図1のベルト装置20と同様に、目盛検知能力回復手段として機能する制御装置80は、目盛クリーニング装置29を作動させるタイミングでセンサクリーニング装置31も作動させてセンサ6の発光部と受光部の表面もそれぞれクリーニングさせる手段として機能する。
さらに、この制御装置80は、目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31のそれぞれクリーニング後もセンサ6とそのセンサ6からの信号を入力する制御系とからなる目盛検知手段の目盛検知能力が所定の値(図7で説明した振幅f)よりも悪化した状態が続くときにはセンサ6の受光部の出力を増大させる手段としても機能する。
なお、制御装置80は、図1の制御装置70と同様な構成であり、上記のクリーニング後も目盛検知手段の目盛検知能力が所定の値よりも悪化した状態が続くときにはセンサ6の受光部の出力を増大(受光部の出力増幅器の出力アップ)させる制御を行う点のみが異なる。
この実施の形態によれば、クリーニング後もセンサ6の受光部が出力する出力値の反射部5aを検知したときと非反射部5b(図12等を参照)を検知したときとの比が所定の値よりも小さくなっているときにはセンサ6の受光部の出力を増大させるベルト上目盛検知能力回復方法を実施するので、センサ6の発光部と受光部が経時的に劣化することにより、その受光部が出力する波形の振幅が図7で説明した振幅fよりも小さくなるときでも、受光部の出力を劣化に見合った分だけ増大させることで、その振幅を振幅fよりも大きくすることができる。したがって、センサ6によるベルト速度の誤検知を防止することができる。
なお、この受光部の出力を増大させたときは、既にセンサ6が経時的に劣化しているので、制御装置80は中間転写ベルト10の交換を要求する警告を表示部75に表示させる。
図14はクリーニング後も目盛検知能力が悪化した状態が続くときには目盛検知能力悪化の判断基準とする閾値を引き下げるようにしたベルト装置の実施の形態を示す概略構成図であり、図1と対応する部分には同一の符号を付してある。
なお、この実施形態のベルト装置を備えた画像形成装置は、ベルト装置以外の構成は図2で説明した画像形成装置と同様であるため、その図示を省略する。
このベルト装置も、図1のベルト装置20と同様に、目盛検知能力回復手段として機能する制御装置81は、目盛クリーニング装置29を作動させるタイミングでセンサクリーニング装置31も作動させてセンサ6の発光部と受光部の表面もそれぞれクリーニングさせる手段として機能する。
さらに、この制御装置81は、目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31のそれぞれクリーニング後もセンサ6とそのセンサ6からの信号を入力する制御系とからなる目盛検知手段の目盛検知能力が所定の値(図7で説明した振幅f)よりも悪化した状態が続くときには目盛検知能力悪化の判断基準とする閾値を引き下げる手段としても機能する。
その制御装置81は、図1の制御装置70と同様な構成であり、上記のクリーニング後も目盛検知手段の目盛検知能力が所定の値よりも悪化した状態が続くときには閾値を引き下げるように制御する点のみが異なる。
この実施の形態によれば、目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31とによるクリーニング後も受光部が出力する出力値の目盛5の反射部を検知したときと非反射部を検知したときとの比が所定の値よりも小さくなっているときには所定の値となる閾値を引き下げるベルト上目盛検知能力回復方法を実施するので、センサ6の発光部と受光部が経時的に劣化することにより、その受光部が出力する波形の振幅が図7で説明した閾値となる振幅fよりも小さくなるときでも、その閾値を多少引き下げることで、中間転写ベルト10上に形成している目盛5の反射部を検知した際に得られるパルスをカウントして、中間転写ベルト10のベルト速度の検出を可能にすることができる。
なお、この閾値の引き下げを行ったときは、既にセンサ6が経時的に劣化しているので、制御装置81は中間転写ベルト10の交換を要求する警告を表示部75に表示させる。
図15は目盛検知能力回復のためのクリーニングを行ったときはその回数を記憶させるようにしたベルト装置の実施の形態の制御系と主要な関連構成を示すブロック図であリ、図5と対応する部分には同一の符号を付してある。
なお、この実施形態のベルト装置を備えた画像形成装置は、ベルト装置以外の構成は図2で説明した画像形成装置と同様であるため、その図示を省略する。
このベルト装置の制御装置85は、目盛クリーニング装置29,センサクリーニング装置31等からなる目盛検知能力回復手段が目盛検知能力を回復させる動作を行ったときにはその動作回数を記憶する回復動作回数記憶手段として機能する記憶部76を有している。
その制御装置85は、図1の制御装置70と同様な構成であり、目盛クリーニング装置29及びセンサクリーニング装置31を動作させて目盛5(図3,図4等を参照)とセンサ6のクリーニングを行って目盛検知能力を回復させる動作を行ったときにはその動作回数を記憶させる処理を行う点のみが異なる。
この実施の形態によれば、中間転写ベルト10上の目盛5あるいはセンサ6の発光部と受光部が経時的にトナー等により汚れて目盛検知手段の目盛5を検知する能力が前述した所定の値よりも悪化(例えば振幅が図7のfよりも小)したときには、目盛クリーニング装置29及びセンサクリーニング装置31を動作させて目盛5とセンサ6のクリーニングを行うが、そのクリーニングの実施回数(動作回数)が記憶部76に自動的に記憶される。そして、その記憶部76に記憶されたクリーニングの実施回数は、サービスマン等がメンテナンスなどのときに容易に知ることができるようになっている。
したがって、サービスマン等がそのクリーニングの実施回数を確認した際に、その累積回数が多い場合には、トナー等の異常な漏れ等も考えられるので、その情報がメンテナンス時に役立つ。また、そのクリーニングの実施回数の情報は、中間転写ベルト10やセンサ6の交換時期の判断にも役立つ。
以上、この発明によるベルト装置及びそれを備えた画像形成装置の各実施の形態について説明したが、その各実施の形態では目盛検知能力悪化の判断を、センサ6が出力するアナログ信号の出力波形の振幅が所定の値よりも小さくなったとき、あるいはセンサ6が目盛5の反射部5aと非反射部5bとを検知した時とで形成されるパルスの周波数が所定の値よりも大きくなったときに、目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31を共に動作させて目盛5とセンサ6のクリーニングを行うようにしている。
そのクリーニングを実施する判断を、センサ6が出力するアナログ信号の連続する正弦波の1つの振幅でも上記所定の値よりも小さくなったとき、あるいは上記パルスの周波数が所定の値よりもパルス1つだけ大きくなったときにすると、例えば中間転写ベルト10が初期の段階で全く汚れてはいないが、目盛5の一箇所に僅かな傷等があったときには、それを中間転写ベルト10が1周する毎にセンサ6が検知してベルト1周毎に毎回上記クリーニングをしてしまうことになる。
そこで、そのクリーニングを実施する判断は、例えば画像形成回数をカウントするようにして、そのカウント数が少ない中間転写ベルト10がまだ新しい段階では、所定の値よりも小さくなる異常な振幅が1つ出たり、所定の値よりもパルス数が1つだけ多くなる周波数を検出したとしても、上記クリーニングはしないように制御し、ある程度使い込んだカウント数になった時点以降は、異常な振幅が1つ出たり、所定の値よりもパルス数が1つだけ多くなる周波数でもクリーニングを行うようにするとよい。
以上、この発明によるベルト装置を、図22で説明したような間接転写方式の中間転写ベルトを駆動する装置に使用した画像形成装置の各実施形態について説明したが、この発明は図21で説明したような複数の感光体上の各画像が記録材上に重ね合わせ状態に順次転写されていくように記録材を搬送する記録材搬送ベルトであるシート搬送ベルト(ベルト部材)を使用する直接転写方式におけるベルト装置にも同様に適用することができる。
図16はこの発明の応用例である感光体装置を制御系と共に示す概略構成図、図17は同じくその感光体装置の感光体ドラムの表面端部に形成する目盛とそれを検知したセンサ出力とを説明するための説明図であり、図1及び図4と対応する部分には同一の符号を付してある。
この感光体装置100は、図1等で説明したベルト装置20の中間転写ベルト10に形成した目盛5をセンサ6で検知して中間転写ベルト10の移動速度を基本速度になるようにする技術を、感光体ドラム101の回転速度を基本速度になるように制御する技術に応用したものである。
すなわち、この感光体装置100は、回転可能に支持されて外周面の非画像形成領域となる軸方向の一端側に回転方向に沿って連続して目盛5を多数形成した感光体ドラム101と、目盛5をセンサ6で検知する目盛検知手段と、その目盛検知手段による検知結果から得られる感光体ドラム101の実際の回転速度に応じて感光体駆動モータ102の回転速度を制御することにより感光体ドラム101の移動速度を予め設定した基本速度になるように制御する感光体速度制御手段として機能する制御装置110とを備えている。
その制御装置110は、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなるマイクロコンピュータを備えている。
また、この感光体装置100は、目盛検知手段の目盛5を検知する能力が所定の値(図7で説明した振幅fや、図12で説明したパルスの周波数)よりも悪化したときにその目盛検知能力を回復させる後述する目盛検知能力回復手段も設けている。
目盛5は、図17に示すように感光体ドラム101の移動方向に沿って連続して交互に規則正しく配置した反射部5aと非反射部5bとからなり、センサ6は目盛5に対して光を発する発光部6aとその目盛5から反射した光を受光する受光部6bとからなる。
上述した目盛検知能力回復手段は、図16に示した感光体ドラム101上の目盛5をクリーニングする目盛クリーニング装置29と、センサ6の光路に面する部分をクリーニングするセンサクリーニング装置31とを有しており、センサ6の発光部6aが目盛5に対して発して反射した光を受光部6bが受光して出力する出力値の反射部5aを検知したときと非反射部5bを検知したときとの比が所定の値よりも小さくなったときに目盛検知能力が悪化したと判断して目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31を共に作動させて目盛5及びセンサ6をクリーニングさせる。
この感光体装置100によれば、目盛5の部分、あるいはセンサ6の発光部6aと受光部6bの光路部分がトナーや紙粉等で汚れたとしても、そのときは図17に示した受光部6bがアナログ信号で出力する波形の振幅fが小さくなるので、目盛検知能力の低下をすぐに判断することができる。
そして、この目盛検知能力の低下を判断すると、図16に示した制御装置110が目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31を駆動させるので、目盛5及びセンサ6の発光部6aと受光部6bがクリーニングされる。
したがって、センサ6により目盛5を正確に検知して、その検知結果から感光体ドラム101の実際の回転速度を正確に検出することができるので、それにより感光体ドラム101の移動速度を予め設定した基本速度に確実に制御することができる。
図18はこの発明の応用例である感光体装置の他の例を制御系と共に示す図16と同様な概略構成図、図19は同じくその感光体装置の感光体ドラムの表面端部に形成する目盛とそれを検知したセンサ出力とを説明するための図17と同様な説明図であり、図16及び図17と対応する部分には同一の符号を付してある。
この感光体装置120が、図16及び図17で説明した感光体装置100と異なる部分は、制御装置130が、センサ6の発光部6aが目盛5に対して発して反射した光を受光部6bが受光して出力する出力値の反射部5aを検知したときと非反射部5bを検知したときとで形成されるパルスの周波数が後で説明する所定の値よりも大きな値になったときに目盛検知能力が悪化したと判断して目盛クリーニング装置29を作動させると共にセンサクリーニング装置31も作動させて目盛5とセンサ6をクリーニングさせる制御を行う点のみである。
したがって、その制御装置130は、図16の制御装置110と同様な構成であり、制御する内容のみが異なる。
この感光体装置では、例えば図19に示すように目盛5の反射部5aにその反射部5aの短手側の幅よりも小さなトナー塊Tnが付着していると、そのトナー塊Tnにより、本来は出るはずのアナログ出力信号が一部で出なくなったりする。このようになると、感光体ドラム101上の目盛5の反射部5aをカウントする時間となる所定の時間(任意に設定可)内におけるパルスの周波数が、感光体ドラム101を基本速度(定常速度)で回動させたときに正常な目盛5の反射部5aをカウントして出力されるパルスの個数に一致する所定の値(予め設定して記憶部に記憶させておく)よりも大きな値になる。
したがって、このパルスの変化により目盛5の異常を検出し、それにより目盛クリーニング装置29を作動させると共にセンサクリーニング装置31を作動させ、目盛5とセンサ6をクリーニングする。
この感光体装置120によれば、目盛5の部分、あるいはセンサ6の発光部6aと受光部6bの光路部分がトナーや紙粉等で汚れたとしても、そのときは図19に示したパルスの周波数が所定の値よりも大きな値になるので、それをすぐに判断することができる。
そして、この場合には図18の制御装置130が目盛クリーニング装置29とセンサクリーニング装置31を駆動させるので、目盛5及びセンサ6の発光部6aと受光部6bが共にクリーニングされる。したがって、センサ6により目盛5を正確に検知して、その検知結果から感光体ドラム101の実際の回転速度を正確に検出することができるので、それにより感光体ドラム101の回転速度を予め設定した基本速度に確実に制御することができる。
図20は図16あるいは図18の感光体装置を使用した画像形成装置の一例を簡略化して示す全体構成図である。
この画像形成装置は、複写機本体131内に感光体装置100(感光体装置120でもよい)を設けている。また、その複写機本体131内には、光学読取系132により読み取った画像データを基にして感光体装置100の感光体ドラム101上に潜像を形成する光書込系133も設けており、その潜像を現像装置136がトナーにより可視像としている。
複写機本体131の下部には給送装置151が設けてあり、その給送装置151から給送ローラ154により給送されたシートPは、搬送ローラ対147によって搬送路137を搬送され、そこに感光体ドラム101上の可視像(トナー像)が転写される。
その可視像が転写されたシートPは、定着装置138に搬送されてそこで可視像が定着された後、排紙ローラ対139により外部の排紙トレイ140に排出される。また、両面画像形成時には、シートPは図示しない排紙分岐爪により反転搬送路141から両面装置142へ向けて搬送され、両面トレイ143に一旦格納された後に進行方向が逆転されて、両面搬送路144から再び感光体ドラム101のある作像系に送り込まれて裏面に画像が形成され、定着装置138を通って排紙トレイ140上に排出される。
なお、この感光体装置は、図2に示したカラーの画像形成装置のように、感光体が複数あるものについても同様に適用することができる。
また、この発明によるベルト装置を備えた画像形成装置は、例えば複写機,プリンタの他にファクシミリにも適用が可能である。
さらに、ベルト装置の適用範囲は、画像形成装置への使用に限ることなしに、ベルト部材の移動速度を常に一定の基本速度で運転し続ける必要のある搬送ベルトを駆動する装置等にも、同様に適用することができる。
以上説明したように、この発明によるベルト装置は、画像形成装置の中間転写ベルトや記録材搬送ベルトを駆動する装置、その他、常に一定の基本速度で運転し続ける必要のある搬送ベルトを駆動する装置に適用でき、この発明による画像形成装置は、複写機,プリンタ、ファクシミリ装置等に利用できる。そして、カラーの画像形成装置場合には、色ズレや色合いの変化が生じないようにすることができる。
この発明の一実施形態であるベルト装置を制御系と共に示す概略構成図である。 同じくそのベルト装置を備えた画像形成装置の一例を示す全体構成図である。 同じくそのベルト装置に設けられている中間転写ベルトの外面に形成する目盛を説明するための平面図である。 同じくその目盛を検知するセンサとそのセンサ出力とを説明するための説明図である。 図1の制御装置が有するメイン制御部とモータ制御部とその関連構成を示すブロック図である。
同じくその制御装置のモータ制御部が行う中間転写ベルトの移動速度補正処理を示すフロー図である。 目盛検知能力低下の判断をするための閾値となる振幅fを説明するための説明図である。 異物により中間転写ベルトの目盛部分にベルトの移動方向に略平行する傷が付いた状態を示す説明図である。 同じくその目盛の反射部に中間転写ベルトのの移動方向と垂直な方向に傷が付いた場合のセンサ出力を示す説明図である。 同じくそのセンサが経時において出力する波形の振幅を初期の波形の振幅と比較した波形図である。
センサの中間転写ベルト上の目盛の反射部を検知したときと非反射部を検知したときとで形成されるパルスの周波数により目盛検知能力の悪化を判断するようにしたベルト装置の実施形態を示す図1と同様な概略構成図である。 同じくそのベルト装置が有するセンサが目盛を検知して出力するアナロク信号とパルスの周波数を示す説明図である。 クリーニング後も目盛検知能力が悪化した状態が続くときにはセンサの受光部の出力を増大させるようにしたベルト装置の実施の形態を示す概略構成図である。 クリーニング後も目盛検知能力が悪化した状態が続くときには目盛検知能力悪化の判断基準とする閾値を引き下げるようにしたベルト装置の実施の形態を示す概略構成図である。 目盛検知能力回復のためのクリーニングを行ったときはその回数を記憶させるようにしたベルト装置の実施の形態の制御系と主要な関連構成を示すブロック図である。
この発明の応用例である感光体装置を制御系と共に示す概略構成図である。 同じくその感光体装置の感光体ドラムの表面端部に形成する目盛とそれを検知したセンサ出力とを説明するための説明図である。 この発明の応用例である感光体装置の他の例を制御系と共に示す図16と同様な概略構成図である。 同じくその感光体装置の感光体ドラムの表面端部に形成する目盛とそれを検知したセンサ出力とを説明するための図17と同様な説明図である。 図16あるいは図18の感光体装置を使用した画像形成装置の一例を簡略化して示す全体構成図である。 従来の直接転写方式の画像形成装置の一例を画像形成部のみ示す構成図である。 従来の間接転写方式の画像形成装置の一例を画像形成部のみ示す構成図である。
符号の説明
5:目盛 5a:反射部
5b:非反射部 6:センサ(目盛検知手段)
6a:発光部 6b:受光部
9:駆動ローラ(張架部材)
10:中間転写ベルト(ベルト部材)
15,16:従動ローラ(張架部材)
20:ベルト装置 29:目盛クリーニング装置
31:センサクリーニング装置
40Y,40M,40C,40K:感光体
70,70′,80,81,85,110,130:制御装置(移動速度制御手段)
75:表示部 100,120:感光体装置
101:感光体ドラム

Claims (2)

  1. 複数の張架部材に張架されて移動するベルト部材を有し、画像を外面にそれぞれ形成する複数の感光体上の各画像が、該ベルト部材若しくは該ベルト部材上の記録材に順次重ね合わせるように転写されるベルト装置において、
    前記ベルト部材の前記張架部材と直接接触する内面側に、移動方向に沿って連続して交互に規則正しく配置された反射部と非反射部からなる目盛と、
    該目盛に対して光を発する発光部とその目盛から反射した光を受光する受光部とからなるセンサで目盛を検知する目盛検知手段と、
    該目盛検知手段による検知結果から得られる前記ベルト部材の実際の移動速度に応じて前記ベルト部材の移動速度を予め設定した基本速度になるように制御する移動速度制御手段と、
    前記目盛検知手段の前記センサが、前記目盛の前記反射部と前記非反射部とを検知してそれぞれ出力する信号波形の振幅が、複数の連続する波形について、ベース側は同じレベルで波形上部側のみがそれぞれ所定の値より低いレベルになった場合に、前記ベルト部材と前記張架部材との間に異物が混入していると判断する異物混入判断手段と、
    該異物混入判断手段が異物が混入していると判断した場合に異物混入を知らせる表示手段と
    を備えたことを特徴とするベルト装置。
  2. 請求項1に記載のベルト装置を備えたことを特徴とする画像形成装置
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