JP2010204541A - 画像形成装置 - Google Patents

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Hisashi Murata
久 村田
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Abstract

【課題】中間転写ベルトにトナー像を適切に転写できて、作像時の画像不良を防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】制御部80は、光学センサ65の検出値に基づいて、一次転写ローラ30の転写電流を制御する。つまり、制御部80は、中間転写ベルト12の面粗さ(厚み)に起因する中間転写ベルト12の抵抗値の変化に応じて、一次転写ローラ30の適正な一次転写電流Iを決定する。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば、電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行う複写機、プリンタ、FAXやこれら複合機などの画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置としては、回転可能な環状の中間転写ベルトと、この中間転写ベルトの外周面に対向して配置されると共にトナー像が形成される感光体と、この感光体上のトナー像を上記中間転写ベルトに転写する一次転写ローラとを備えたものがある(特開2008−241969号公報:特許文献1参照)。
特開2008−241969号公報
しかしながら、上記従来の画像形成装置では、中間転写ベルトを用いているため、中間転写ベルトは、製造工程において、厚さムラやスジなどが発生し、この厚さムラやスジなどは、中間転写ベルトの抵抗値に変化をおよぼす問題があった。
この結果、一次転写ローラに一定の電流を流すとき、中間転写ベルトの抵抗値にバラツキがあるため、中間転写ベルトにトナー像を適切に転写できず、作像時に画像不良が発生していた。
そこで、この発明の課題は、中間転写ベルトにトナー像を適切に転写できて、作像時の画像不良を防止できる画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の画像形成装置は、
回転可能な環状のベルト部材と、
このベルト部材の外周面に対向して配置されると共に、トナー像が形成される像担持体と、
この像担持体とともに上記ベルト部材を挟むように上記ベルト部材の内周面に対向して配置されると共に、上記像担持体上のトナー像を上記ベルト部材側に転写する転写部材と、
上記ベルト部材の内周面および外周面のうちの少なくとも一面に対向して配置され、上記ベルト部材の少なくとも周方向の面粗さを検出する光学センサと、
上記光学センサの検出値に基づいて、上記転写部材の転写電流を制御する制御部と
を備えることを特徴としている。
この発明の画像形成装置によれば、上記制御部は、上記光学センサの検出値に基づいて、上記転写部材の転写電流を制御するので、上記制御部は、上記ベルト部材の面粗さ(厚み)に起因する上記ベルト部材の抵抗値の変化に応じて、上記転写部材の適正な転写電流を決定する。
したがって、上記像担持体上のトナー像を上記ベルト部材側に適切に転写できて、作像時の画像不良を防止できる。
また、一実施形態の画像形成装置では、
上記光学センサは、上記ベルト部材の上記少なくとも一面の凹部の深さを測定することで、上記少なくとも一面の面粗さを検出し、
上記制御部は、上記ベルト部材の上記凹部の深さが深いほど、上記転写部材の転写電流を小さくする。
この実施形態の画像形成装置によれば、上記制御部は、上記ベルト部材の上記凹部の深さが深いほど、上記転写部材の転写電流を小さくするので、上記ベルト部材の上記凹部の深さに応じて、上記転写部材の転写電流を容易に制御できる。
また、一実施形態の画像形成装置では、上記光学センサは、上記ベルト部材の内周面の上記少なくとも周方向の面粗さを検出する。
この実施形態の画像形成装置によれば、上記光学センサは、上記ベルト部材の内周面の面粗さを検出するので、上記ベルト部材では一般的に外面より内面が粗いため、上記ベルト部材の面粗さを正確に検出でき、上記ベルト部材の厚みを正確に求めることができて、上記転写部材の適正な転写電流を決定できる。
また、一実施形態の画像形成装置では、
上記光学センサは、上記ベルト部材の周方向の同一位置における上記ベルト部材の幅方向の面粗さを複数箇所検出し、
上記制御部は、上記ベルト部材の周方向の同一位置における上記複数箇所の上記光学センサの検出値のうちの少なくとも一つの検出値が設定値を超えたと判断したとき、装置の運転を停止する。
この実施形態の画像形成装置によれば、上記制御部は、上記ベルト部材の周方向の同一位置における上記複数箇所の上記光学センサの検出値のうちの少なくとも一つの検出値が設定値を超えたと判断したとき、装置の運転を停止するので、上記ベルト部材の異常に起因する画像不良を防止できる。
また、一実施形態の画像形成装置では、
上記ベルト部材の周囲の温度を検出する温度センサを有し、
上記制御部は、上記温度センサの検出値に基づいて、直前に上記光学センサにより上記少なくとも周方向の面粗さを検出したときの温度からの温度の変化量が設定値を超えたと判断したとき、上記光学センサにより上記少なくとも周方向の面粗さの検出を行う。
この実施形態の画像形成装置によれば、上記制御部は、上記温度センサの検出値に基づいて、直前に上記光学センサにより面粗さを検出したときの温度からの温度の変化量が設定値を超えたと判断したとき、上記光学センサにより面粗さの検出を行うので、温度によって上記ベルト部材の面粗さ(抵抗値)が変化しても、上記転写部材の一層最適な転写電流を決定できる。
また、一実施形態の画像形成装置では、
トナー像が転写された記録材の枚数をカウントするカウントセンサを有し、
上記制御部は、上記カウントセンサの検出値に基づいて、上記カウントセンサの検出値が設定値を超えたと判断したとき、上記光学センサにより上記少なくとも周方向の面粗さの検出を行う。
この実施形態の画像形成装置によれば、上記制御部は、上記カウントセンサの検出値に基づいて、上記カウントセンサの検出値が設定値を超えたと判断したとき、上記光学センサにより面粗さの検出を行うので、長期使用(耐久)によって上記ベルト部材の面粗さ(抵抗値)が変化しても、上記転写部材の一層最適な転写電流を決定できる。
また、一実施形態の画像形成装置では、
上記ベルト部材は、上記像担持体からトナー像を転写される中間転写ベルトであり、
上記中間転写ベルトのトナー像を記録材に転写する二次転写部材を有し、
上記制御部は、上記光学センサの検出値に基づいて、上記二次転写部材の転写電流を制御する。
この実施形態の画像形成装置によれば、上記制御部は、上記光学センサの検出値に基づいて、上記二次転写部材の転写電流を制御するので、上記制御部は、上記中間転写ベルトの面粗さ(厚み)に起因する上記中間転写ベルトの抵抗値の変化に応じて、上記二次転写部材の適正な転写電流を決定する。
したがって、上記中間転写ベルト上のトナー像を上記記録材に適切に二次転写できて、作像時の画像不良を防止できる。
また、一実施形態の画像形成装置では、
上記光学センサは、上記ベルト部材の上記少なくとも一面の凹部の深さを測定することで、上記少なくとも一面の面粗さを検出し、
上記制御部は、上記ベルト部材の上記凹部の深さが深いほど、上記二次転写部材の転写電流を小さくする。
この実施形態の画像形成装置によれば、上記制御部は、上記ベルト部材の上記凹部の深さが深いほど、上記二次転写部材の転写電流を小さくするので、上記ベルト部材の上記凹部の深さに応じて、上記二次転写部材の転写電流を容易に制御できる。
また、一実施形態の画像形成装置では、
上記ベルト部材は、上記像担持体からトナー像を転写される中間転写ベルトであり、
上記中間転写ベルトに残留するトナーをクリーニングするクリーニング部材を有し、
上記制御部は、上記光学センサの検出値に基づいて、上記クリーニング部材のクリーニング電流を制御する。
この実施形態の画像形成装置によれば、上記制御部は、上記光学センサの検出値に基づいて、上記クリーニング部材のクリーニング電流を制御するので、上記制御部は、上記中間転写ベルトの面粗さ(厚み)に起因する上記中間転写ベルトの抵抗値の変化に応じて、上記クリーニング部材の適正なクリーニング電流を決定する。
したがって、上記中間転写ベルト上の残留トナーを確実に清掃できる。
また、一実施形態の画像形成装置では、
上記光学センサは、上記ベルト部材の上記少なくとも一面の凹部の深さを測定することで、上記少なくとも一面の面粗さを検出し、
上記制御部は、上記ベルト部材の上記凹部の深さが深いほど、上記クリーニング部材のクリーニング電流を小さくする。
この実施形態の画像形成装置によれば、上記制御部は、上記ベルト部材の上記凹部の深さが深いほど、上記クリーニング部材のクリーニング電流を小さくするので、上記ベルト部材の上記凹部の深さに応じて、上記クリーニング部材のクリーニング電流を容易に制御できる。
この発明の画像形成装置によれば、上記制御部は、上記光学センサの検出値に基づいて、上記転写部材の転写電流を制御するので、上記像担持体上のトナー像を上記ベルト部材側に適切に転写できて、作像時の画像不良を防止できる。
本発明の画像形成装置の一実施形態を示す簡略構成図である。 画像形成装置の要部の拡大図である。 光学センサの作用説明図である。 ベルト周方向位置に関して、ベルト粗さ、ベルト厚み、ベルト抵抗値および印加電流を示すテーブルである。 ベルト厚みとベルト抵抗値との関係を示すグラフである。 ベルト抵抗値と印加電流との関係を示すテーブルである。 本発明の画像形成装置の第2実施形態を示す簡略構成図である。 環境温度とベルト表面抵抗との関係を示すグラフである。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の画像形成装置の一実施形態である簡略構成図を示している。この画像形成装置は、タンデム型デジタルカラープリンタである。この画像形成装置は、その内部のほぼ中央部に、回転可能な環状の(ベルト部材としての)中間転写ベルト12を有する。この中間転写ベルト12は、半導電性材料からなっており、支持ローラ14、クリーニング対向ローラ16および転写対向ローラ18の外周部に支持されて、矢印A方向に回転駆動されるようになっている。
上記中間転写ベルト12の下部水平部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーにそれぞれ対応する4つの作像ユニット20Y,20M,20C,20Kが、設けられている。この4つの作像ユニット20Y,20M,20C,20Kは、上記中間転写ベルト12に沿って並んで配置されている。
各作像ユニット20Y,20M,20C,20Kは、それぞれ、トナー像が形成される(像担持体としての)ドラム状の感光体22を有している。各感光体22は、上記中間転写ベルト12の外周面に対向して配置される。
上記感光体22の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電器24と、プリントヘッド部26と、現像器28と、(転写部材としての)一次転写ローラ30と、クリーナ32とが設けられている。
上記帯電器24は、上記感光体22の表面を均一帯電させる。上記プリントヘッド部26は、均一帯電した上記感光体22の表面に、各色画像データに応じて露光することにより、静電潜像を形成する。
上記現像器28は、上記感光体22の表面に形成された静電潜像を、各色トナーで現像してトナー像とする。
上記一次転写ローラ30は、この感光体22とともに上記中間転写ベルト12を挟むように上記中間転写ベルト12の内周面に対向して配置される。上記一次転写ローラ30は、上記感光体22上のトナー像を上記中間転写ベルト12に転写する。
上記クリーナ32は、一次転写後に、上記感光体22の表面に残留するトナーを回収して、クリーニングする。
上記プリントヘッド部26は、上記感光体22の軸方向と平行な主走査方向に並べられた多数のLEDから構成されている。
上記中間転写ベルト12の上記転写対向ローラ18で支持された部分の外側には、(二次転写部材としての)二次転写ローラ34が圧接されている。つまり、この二次転写ローラ34は、上記中間転写ベルト12の外周面に対向して配置される。
上記二次転写ローラ34と上記中間転写ベルト12との接触部は、転写領域36を形成している。上記二次転写ローラ34は、上記中間転写ベルト12とともに(記録材としての)用紙Sを挟持しつつ搬送して、この用紙Sに上記中間転写ベルト12上のトナー像を転写する。
上記二次転写ローラ34は、図示しない退避機構により、上記中間転写ベルト12と非接触となる位置へ、退避可能になっている。
上記中間転写ベルト12のクリーニング対向ローラ16で支持された部分には、(クリーニング部材としての)クリーニングローラ38が圧接されている。つまり、このクリーニングローラ38は、上記中間転写ベルト12の外周面に対向して配置される。
上記クリーニングローラ38は、上記二次転写ローラ34を通過後の上記中間転写ベルト12上に残留するトナーを掻きとってクリーニングし、このトナーは、廃トナーボックス40内に回収される。
上記クリーニングローラ38は、上記二次転写ローラ34と同様に、図示しない退避機構により上記中間転写ベルト12と非接触となる位置へ退避可能になっている。
画像形成装置の下部には、給紙カセット42が着脱可能に配置されている。給紙カセット42内に積載収容された用紙Sは、給紙ローラ44の回転によって最上部のものから1枚ずつ搬送路46に送り出されることになる。
この搬送路46は、給紙カセット42から、タイミングローラ対48のニップ部、二次転写領域36および定着ユニット50を通って、排紙トレイ11まで延びている。上記タイミングローラ対48は、給紙カセット42から送られてきた用紙Sを、中間転写ベルト12上の画像と同期をとって、転写領域36に給紙する。
上記タイミングローラ対48に近傍には、タイミングセンサ52が配置されている。このタイミングセンサ52は、給紙カセット42から搬送路46へ送り出された用紙Sの先端がタイミングローラ対48でニップされたことを検出する。
上記タイミングセンサ52により用紙Sの先端が検出されると、上記タイミングローラ対48は、その回転を一旦停止し、その後、上記中間転写ベルト12上のトナー像と同期をとって、用紙Sを二次転写領域36に給紙する。
上記タイミングローラ対48の一方のローラ48aに対向して、紙厚センサ54が配置されている。この紙厚センサ54は、上記タイミングローラ対48に用紙先端がニップされたときの上記ローラ48aの移動量を検知して、用紙が普通紙であるか、厚みのある厚紙またはOHPシートであるかを判別する。
上記定着ユニット50は、一対のローラ56,58に支持されて矢印B方向に回転駆動される定着ベルト60と、この定着ベルト60を介してローラ56に圧接されて矢印方向に従動回転する定着ローラ62とを有する。トナー像が二次転写された用紙が通過する定着ベルト60と定着ローラ62とのニップ部が、定着領域64となっている。上記定着ベルト60は、図示しないヒータにより加熱されている。
図2に示すように、一次転写ローラ30には、電源31により、一次転写電圧Vが印加される。なお、図示していないが、イエローの作像ユニット20Y以外に、マゼンタの作像ユニット20M、シアンの作像ユニット20Cおよびブラックの作像ユニット20Kのそれぞれの一次転写ローラ30に、一次転写電圧Vが印加される。この電圧Vにより、一次転写ローラ30は、トナーの極性と逆の極性に、バイアスされる。
この一次転写電圧Vの作用により、各作像ユニット20Y,20M,20C,20Kの感光体22の表面に形成された各色トナー像が静電的に引き付けられて、上記中間転写ベルト12上に一次転写される。
また、上記二次転写ローラ34は、電源35により、二次転写電圧Vが印加され、上記中間転写ベルト12の上記転写対向ローラ18は接地されている。この電圧Vにより、二次転写ローラ34は、トナーの極性と逆の極性に、バイアスされる。
この二次転写電圧Vの作用により、上記中間転写ベルト12上に形成されたトナー像は、転写領域36に搬送されてきた用紙に静電的に引き付けられて二次転写される。
上記中間転写ベルト12の内周面に対向して、光学センサ65が配置されている。この光学センサ65は、上記中間転写ベルト12の内周面の面粗さを検出する。上記光学センサ65は、上記中間転写ベルト12の周方向の面粗さを複数箇所検出する。
上記光学センサ65の検出値に基づいて、上記一次転写ローラ30の転写電流を制御する制御部80が設けられている。この制御部80は、上記中間転写ベルト12の面粗さに基づいて、上記中間転写ベルト12の厚みを求め、この厚みに基づいて、上記中間転写ベルト12の抵抗値を求め、この抵抗値に基づいて、上記一次転写ローラ30の一次転写電流Iを求める。
なお、図示していないが、上記制御部80は、イエローの作像ユニット20Y以外に、マゼンタの作像ユニット20M、シアンの作像ユニット20Cおよびブラックの作像ユニット20Kのそれぞれの一次転写ローラ30の適正な一次転写電流Iを決定する。
図3に示すように、上記光学センサ65は、上記中間転写ベルト12の内周面を、測定する。つまり、上記中間転写ベルト12の外周面は、画像転写面に相当して、平滑面に形成される一方、上記中間転写ベルト12の内周面は、非画像転写面に相当して、粗面に形成される。上記光学センサ65は、中間転写ベルト12の粗面である部分を効果的に検出できる。
上記光学センサ65は、上記中間転写ベルト12の内周面の凹部12aの深さを測定することで、この内周面の面粗さを検出する。そして、上記制御部80は、上記中間転写ベルト12の上記凹部12aの深さが深いほど、連続的にまたは段階的に、上記一次転写ローラ30の一次転写電流を小さくする。
次に、上記構成の画像形成装置の動作について説明する。
図1に示すように、外部装置(例えばパソコン)から画像形成装置の画像信号処理部(図示せず)に画像信号が入力されると、画像信号処理部では、この画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成し、この信号をプリントヘッド用LEDドライブ回路に伝達する。
このドライブ回路は、入力されたデジタル信号に基づいて、各作像ユニット20Y,20M,20C,20Kのプリントヘッド部26を発光させて露光を行う。この露光は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順に、それぞれ時間差をもって行われる。これにより、各感光体22の表面に各色用の静電潜像がそれぞれ形成される。
各感光体22上に形成された静電潜像は、各現像器28によりそれぞれ現像されて各色のトナー像となる。そして、各色のトナー像は、正極性の一次転写電圧が印加された各一次転写ローラ30の作用により、矢印A方向に移動する中間転写ベルト12上に順次重ね合わせて一次転写される。
このようにして、上記中間転写ベルト12上に重ね合わされた各色のトナー像は、中間転写ベルト12の移動にしたがって、上記転写領域36に達する。そして、重ね合わされた各色のトナー像は、一次転写電圧と同極性の二次転写電圧が印加された上記二次転写ローラ34の作用により、上記給紙カセット42から上記搬送路46に送り出されて、上記タイミングローラ対48の駆動により、上記転写領域36を通過する用紙Sに一括して二次転写される。
なお、二次転写後に上記中間転写ベルト12上に残留するトナーは、正極性のクリーニング電流が印加されたクリーニングローラ38の作用により回収される。
トナー像が二次転写された用紙Sは、上記搬送路46を通って、上記定着ユニット50に送られ、そこで定着領域64を通過することにより、トナー像が用紙Sに加熱定着される。そして、用紙Sは、排紙トレイ11に排出される。
なお、カラー画像形成動作は、上述のようにして行われるが、モノクロ画像の場合には、入力されたモノクロ画像データに基づき、作像ユニット20Kだけが動作して、上記中間転写ベルト12上にブラックトナー像が形成される。その後、同様に、ブラックトナー像は、上記転写領域36で用紙Sに二次転写され、上記定着ユニット50で加熱定着されて、用紙Sが排紙トレイ11に排出される。
続いて、電源投入後のウォームアップ時間中の画像形成装置の制御について説明する。まず、画像形成装置の電源がオンされると、二次転写ローラ34のクリーニングを行った後、各作像ユニット20Y,20M,20C,20Kの一次転写ローラ30および二次転写ローラ34にそれぞれ印加する転写電圧を決定する(ATVC)。
このとき、図2に示すように、上記光学センサ65で、上記中間転写ベルト12の作像面(外周面)と反対側の非作像面(内周面)を照射し、その反射光を受光して、上記中間転写ベルト12の周方向の面粗さを検出する。つまり、上記光学センサ65は、上記中間転写ベルト12の上記凹部12aの深さを測定することで、面粗さを検出する。
この検出を、上記中間転写ベルト12の周方向1mmおきで1周分行って、記録する。そして、図4(α)に示すように、ベルトの粗さに基づいてベルト厚さを1周分求める。その後、ベルト厚みとベルト抵抗値との関係を示す図5のグラフに基づいて、図4(β)に示すように、ベルト抵抗値を1周分求める。そして、ベルト抵抗値と印加電流との関係を示す図6のテーブルに基づいて、図4(γ)に示すように、一次転写ローラ30に印加する印加電流(転写電流)を1周分求める。つまり、上記中間転写ベルト12の上記凹部12aの深さが深いほど、上記一次転写ローラ30の転写電流を小さくする。なお、図5のグラフおよび図6のテーブルは、ベルトの材質や環境などにより予め決定されており、画像形成装置に予め設定される。
そして、画像形成時に、上記決定した転写電流を、各作像ユニット20Y,20M,20C,20Kの一次転写ローラ30に流す。
上記構成の画像形成装置によれば、上記制御部80は、上記光学センサ65の検出値に基づいて、上記一次転写ローラ30の転写電流を制御するので、上記中間転写ベルト12の面粗さ(厚み)に起因する上記中間転写ベルト12の抵抗値の変化に応じて、上記一次転写ローラ30の適正な一次転写電流Iを決定する。
したがって、上記感光体22上のトナー像を上記中間転写ベルト12側に適切に転写できて、作像時の画像不良を防止できる。
また、上記光学センサ65を用いているので、例えば、中間転写ベルト12に測定用の電流を流して中間転写ベルト12の厚みを検出する場合と比較して、中間転写ベルト12に電流の負荷をかけることなく、また、測定用の電流の残電位に起因するノイズ画像の発生を防止できる。
また、上記光学センサ65は、上記中間転写ベルト12の内周面の面粗さを検出するので、上記中間転写ベルト12では一般的に外面より内面が粗いため、上記中間転写ベルト12の面粗さを正確に検出でき、上記中間転写ベルト12の厚みを正確に求めることができて、上記一次転写ローラ30の適正な転写電流を決定できる。
また、上記制御部80は、上記中間転写ベルト12の上記凹部12aの深さが深いほど、上記一次転写ローラ30の一次転写電流を小さくするので、上記中間転写ベルト12の上記凹部12aの深さに応じて、上記一次転写ローラ30の転写電流を容易に制御できる。
(第2の実施形態)
図7は、この発明の画像形成装置の第2の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、光学センサは、中間転写ベルトの幅方向の面粗さを検出する。なお、この第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
図7に示すように、光学センサ65は、中間転写ベルト12の幅方向に延在する移動部90に取り付けられ、この移動部90は、光学センサ65を上記中間転写ベルト12の幅方向に移動可能とする。
この移動部90は、ボルト部91とナット部92を有し、上記光学センサ65は、上記ナット部92に取り付けられている。そして、上記ボルト部91の回転により、上記ナット部92が、上記光学センサ65と共に、上記中間転写ベルト12の幅方向に移動する。
上記光学センサ65は、上記中間転写ベルト12の周方向の同一位置における上記中間転写ベルト12の幅方向の面粗さを複数箇所検出する。
制御部80Aは、上記第1の実施形態の制御部80の制御動作に加えて、上記中間転写ベルト12の周方向の同一位置における上記複数箇所の上記光学センサ65の検出値のうちの少なくとも一つの検出値が設定値を超えたと判断したとき、装置の運転を停止する。
ここで、一般的に、上記中間転写ベルト12の周方向の同一位置における幅方向の面粗さ(厚み)は、一定であるため、上記中間転写ベルト12の幅方向の一部分に、傷やゴミなどがある場合、その部分で抵抗値が変化して、作像時に画像不良が発生する。
上記構成の画像形成装置では、上記中間転写ベルト12の幅方向の面粗さを検出することで、上記中間転写ベルト12上の傷やゴミなどの有無を確認して、傷やゴミがあるときに、装置の運転を停止する。したがって、上記中間転写ベルト12の異常に起因する画像不良を防止できる。
なお、制御部80Aは、装置の運転を停止するとともに、装置の表示部にエラーコールを表示させるようにしてもよい。また、移動部としては、リニアガイドなどの移動機構であってもよい。また、光学センサを、中間転写ベルトの幅方向と同程度の長さを有する構成として、中間転写ベルトの幅方向の面粗さを検出するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
この発明の画像形成装置の第3の実施形態では、図1の仮想線に示すように、中間転写ベルト12の周囲の温度を検出する温度センサ70を有している。
この第3の実施形態の制御部は、上記第1の実施形態の制御部80の制御動作に加えて、上記温度センサ70の検出値に基づいて、直前に光学センサ65により面粗さを検出したときの温度からの温度の変化量が設定値を超えたと判断したとき、上記光学センサ65により面粗さの検出を行う。
ここで、一般的に、温度変化によって、上記中間転写ベルト12内の水分含有量が変化して、上記中間転写ベルト12の面粗さが変化し、かつ、上記中間転写ベルト12の抵抗値が変化する。
例えば、図8に、環境温度とベルト表面抵抗との関係を示すように、環境温度が、10℃から30℃まで20℃変化したとき、ベルト抵抗が、1桁変化する。図8では、上記中間転写ベルト12における上記温度センサ70の近傍の部分の温度を測定している。
上記構成の画像形成装置では、上記温度センサ70の検出値に基づいて、温度変化が設定値(例えば、20℃)を超えたと判断したとき、上記光学センサ65により面粗さの検出を行うので、温度によって上記中間転写ベルト12の面粗さ(抵抗値)が変化しても、一次転写ローラ30の一層最適な転写電流を決定できる。
(第4の実施形態)
この発明の画像形成装置の第4の実施形態では、図1の仮想線に示すように、トナー像が転写された用紙(記録材)Sの枚数をカウントするカウントセンサ71を有している。このカウントセンサ71は、搬送路46の最上流部および最下流部の少なくとも一方に設ければよい。
この第4の実施形態の制御部は、上記第1の実施形態の制御部80の制御動作に加えて、上記カウントセンサ71の検出値に基づいて、上記カウントセンサ71の検出値が設定値を超えたと判断したとき、光学センサ65により面粗さの検出を行う。
ここで、一般的に、長期使用によって、中間転写ベルト12の表面が削れて、上記中間転写ベルト12の面粗さが変化し、上記中間転写ベルト12の抵抗値が変化する。
上記構成の画像形成装置によれば、上記カウントセンサ71の検出値に基づいて、通紙枚数が設定値を超えたと判断したとき、上記光学センサ65により面粗さの検出を行うので、長期使用(耐久)によって上記中間転写ベルト12の面粗さ(抵抗値)が変化しても、一次転写ローラ30の一層最適な転写電流を決定できる。
例えば、通紙枚数が30万枚で、上記中間転写ベルト12を含むユニットが寿命となる場合、設定値を5万枚毎とする。
(第5の実施形態)
この発明の画像形成装置の第5の実施形態では、図1を参照して、第5の実施形態の制御部は、上記第1の実施形態の制御部80の制御動作に加えて、光学センサ65の検出値に基づいて、二次転写ローラ34の転写電流を制御する。
つまり、上記制御部は、中間転写ベルト12の面粗さ(厚み)に起因する上記中間転写ベルト12の抵抗値の変化に応じて、上記二次転写ローラ34の適正な転写電流を決定する。
したがって、上記中間転写ベルト12上のトナー像を上記記録材に適切に二次転写できて、作像時の画像不良を防止できる。
また、上記光学センサ65は、上記中間転写ベルト12の内周面の凹部12aの深さを測定することで、この内周面の面粗さを検出する。そして、上記制御部は、上記中間転写ベルト12の上記凹部12aの深さが深いほど、連続的にまたは段階的に、上記二次転写ローラ34の二次転写電流を小さくする。したがって、上記中間転写ベルト12の上記凹部12aの深さに応じて、上記二次転写ローラ34の転写電流を容易に制御できる。
(第6の実施形態)
この発明の画像形成装置の第6の実施形態では、図1を参照して、第6の実施形態の制御部は、上記第1の実施形態の制御部80の制御動作に加えて、光学センサ65の検出値に基づいて、クリーニングローラ38のクリーニング電流を制御する。
つまり、上記制御部は、中間転写ベルト12の面粗さ(厚み)に起因する上記中間転写ベルト12の抵抗値の変化に応じて、上記クリーニングローラ38の適正なクリーニング電流を決定する。
したがって、上記中間転写ベルト12上の残留トナーを確実に清掃できる。
また、上記光学センサ65は、上記中間転写ベルト12の内周面の凹部12aの深さを測定することで、この内周面の面粗さを検出する。そして、上記制御部は、上記中間転写ベルト12の上記凹部12aの深さが深いほど、連続的にまたは段階的に、上記クリーニングローラ38のクリーニング電流を小さくする。したがって、上記中間転写ベルト12の上記凹部12aの深さに応じて、上記クリーニングローラ38のクリーニング電流を容易に制御できる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、光学センサを、中間転写ベルトの内周面および外周面のうちの少なくとも一面に対向して配置して、この少なくとも一面の面粗さを検出するようにしてもよい。また、光学センサは、中間転写ベルトの周方向の面粗さを、少なくとも1箇所検出してもよい。
また、ベルト部材としては、トナー像を直接に転写される中間転写ベルトに限らず、記録材を搬送しつつ記録材にトナー像を転写させる搬送ベルトであってもよい。また、上記第1から上記第6の実施形態の特徴点を、様々に組み合わせてもよい。
12 中間転写ベルト(ベルト部材)
12a 凹部
20Y,20M,20C,20K 作像ユニット
22 感光体(像担持体)
30 一次転写ローラ(転写部材)
34 二次転写ローラ(二次転写部材)
38 クリーニングローラ(クリーニング部材)
50 定着ユニット
65 光学センサ
70 温度センサ
71 カウントセンサ
80,80A 制御部
90 移動部
S 用紙(記録材)

Claims (10)

  1. 回転可能な環状のベルト部材と、
    このベルト部材の外周面に対向して配置されると共に、トナー像が形成される像担持体と、
    この像担持体とともに上記ベルト部材を挟むように上記ベルト部材の内周面に対向して配置されると共に、上記像担持体上のトナー像を上記ベルト部材側に転写する転写部材と、
    上記ベルト部材の内周面および外周面のうちの少なくとも一面に対向して配置され、上記ベルト部材の少なくとも周方向の面粗さを検出する光学センサと、
    上記光学センサの検出値に基づいて、上記転写部材の転写電流を制御する制御部と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    上記光学センサは、上記ベルト部材の上記少なくとも一面の凹部の深さを測定することで、上記少なくとも一面の面粗さを検出し、
    上記制御部は、上記ベルト部材の上記凹部の深さが深いほど、上記転写部材の転写電流を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像形成装置において、
    上記光学センサは、上記ベルト部材の内周面の上記少なくとも周方向の面粗さを検出することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1から3の何れか一つに記載の画像形成装置において、
    上記光学センサは、上記ベルト部材の周方向の同一位置における上記ベルト部材の幅方向の面粗さを複数箇所検出し、
    上記制御部は、上記ベルト部材の周方向の同一位置における上記複数箇所の上記光学センサの検出値のうちの少なくとも一つの検出値が、設定値を超えたと判断したとき、装置の運転を停止することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1から4の何れか一つに記載の画像形成装置において、
    上記ベルト部材の周囲の温度を検出する温度センサを有し、
    上記制御部は、上記温度センサの検出値に基づいて、直前に上記光学センサにより上記少なくとも周方向の面粗さを検出したときの温度からの温度の変化量が、設定値を超えたと判断したとき、上記光学センサにより上記少なくとも周方向の面粗さの検出を行うことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1から5の何れか一つに記載の画像形成装置において、
    トナー像が転写された記録材の枚数をカウントするカウントセンサを有し、
    上記制御部は、上記カウントセンサの検出値に基づいて、上記カウントセンサの検出値が、設定値を超えたと判断したとき、上記光学センサにより上記少なくとも周方向の面粗さの検出を行うことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1から6の何れか一つに記載の画像形成装置において、
    上記ベルト部材は、上記像担持体からトナー像を転写される中間転写ベルトであり、
    上記中間転写ベルトのトナー像を記録材に転写する二次転写部材を有し、
    上記制御部は、上記光学センサの検出値に基づいて、上記二次転写部材の転写電流を制御することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7に記載の画像形成装置において、
    上記光学センサは、上記ベルト部材の上記少なくとも一面の凹部の深さを測定することで、上記少なくとも一面の面粗さを検出し、
    上記制御部は、上記ベルト部材の上記凹部の深さが深いほど、上記二次転写部材の転写電流を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1から8の何れか一つに記載の画像形成装置において、
    上記ベルト部材は、上記像担持体からトナー像を転写される中間転写ベルトであり、
    上記中間転写ベルトに残留するトナーをクリーニングするクリーニング部材を有し、
    上記制御部は、上記光学センサの検出値に基づいて、上記クリーニング部材のクリーニング電流を制御することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9に記載の画像形成装置において、
    上記光学センサは、上記ベルト部材の上記少なくとも一面の凹部の深さを測定することで、上記少なくとも一面の面粗さを検出し、
    上記制御部は、上記ベルト部材の上記凹部の深さが深いほど、上記クリーニング部材のクリーニング電流を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
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