JP2004158099A - 印刷処理されたディスク状記憶媒体 - Google Patents

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正孚 橋本
Tsuyoshi Sugiyama
強 杉山
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Abstract

【課題】本発明は、健常者は勿論、視力障害者でも接触並びに目視により判読可能に、且つバランス良く印刷処理することができ、記録情報再生時に回転ムラがなく安定した再生音や再生画像を得ることができる印刷処理されたディスク状記憶媒体を提供する。
【解決手段】紫外線硬化樹脂インク8を使用してインクジェット方式によりディスク状記憶媒体1の印刷可能な表面2に凸状に印刷処理されたディスク状記憶媒体1であって、上記表面2の外周に沿って所定パターンで隣接させて接触並びに目視により判読可能に印刷処理されることで、記録情報再生時にディスク状記憶媒体1の回転ムラがなく安定した再生音や再生画像を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線硬化樹脂インクを使用してインクジェット方式により、CDやDVD等のディスク状記憶媒体の印刷可能な表面に凸状に印刷処理されたディスク状記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、健常者のみならず視力障害者でも例えば商品の内容が接触により容易に判読できるように各種パターンの点字を印刷したディスク状記憶媒体が提案されている。
【0003】
例えば、紫外線硬化性樹脂を印刷して硬化させた点字となる突起部と数字を対応させて透明な塩化ビニールシート上に印刷したもの(特許文献1参照)や、光ディスクの印刷を施す面に、着色性の紫外線硬化インクを吸着する成分を含むインクをインクジェット方式により印刷するものが知られている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−52929号公報(段落0018、0019、図5〜図7)
【特許文献2】
特開2002−197727号公報(段落0023、0024、図1)
【0005】
上記のような公知の紫外線硬化樹脂のインクを使用してインクジェット方式によりディスク状記憶媒体の表面に凸状のドット印刷により点字を印刷したものとして、図4に示すようなものが知られている。
【0006】
ここで、点字について簡単に触れておくと、この点字は縦3点、横2列の6つの凸点の組み合わせによって構成されている文字で、この単位をマスと呼んでいる。この一マスの6つの点には名称が有り、左の上から▲1▼の点、▲2▼の点、▲3▼の点、右の上から▲4▼の点、▲5▼の点、▲6▼の点と呼び、点字は横書きで左から右方向へ凸面で読んでいく規則になっている。そして、形成された点字に対応して表示される文字等を墨字と呼んでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図4に示されるように、ディスク状記憶媒体301に印刷された点字並びに該点字に対応する墨字は、該ディスク状記憶媒体301の回転中心Oを通る直線に対し直交する方向に、左から右方向へ所定パターンで連続するように紫外線硬化樹脂のインクを使用したインクジェット方式により直列に印刷されており、これが複数行に及ぶ場合は、ディスク状記憶媒体301の回転中心Oを跨いで平行に印刷される場合もある。
【0008】
従って、上記のような配置でディスク状記憶媒体301に点字が印刷されると、ディスク状記憶媒体301を再生する際に高速回転(例えば15000rpm)すると、印刷された紫外線硬化樹脂インクによりディスク状記憶媒体301上に偏荷重が生ずるため、回転がアンバランス状態となって再生音や再生画像にムラが生ずる問題を有していた。
【0009】
従って、本発明の目的とする所は、健常者は勿論、視力障害者でも接触並びに目視により判読可能に、且つバランス良く印刷処理することができ、記録情報再生時に回転ムラがなく安定した再生音や再生画像を得ることができる印刷処理されたディスク状記憶媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成するために、本発明は次の技術的手段を有する。即ち、発明の実施の形態に対応する添付図面に使用した符号を用いて説明すると、紫外線硬化樹脂インク8を使用してインクジェット方式によりディスク状記憶媒体1の印刷可能な表面2に凸状に印刷処理されたディスク状記憶媒体であって、該ディスク状記憶媒体1は、上記インクジェット方式により上記表面2の外周に沿って所定パターンで隣接させて接触並びに目視により判読可能に印刷処理されていることを特徴とする印刷処理されたディスク状記憶媒体である。
従って、ディスク状記憶媒体1は、紫外線硬化樹脂インク8を使用してインクジェット方式により、その表面外周に沿って所定パターンで隣接させて凸状に印刷処理されているので、記録情報再生時にディスク状記憶媒体1の回転ムラがなく安定した再生音や再生画像を得ることができる。
【0011】
また本発明は、上記印刷の対象が、上記ディスク状記憶媒体1の回転中心を向くように規則に従って配置された点字4と、該点字4に対応する墨字5が上記ディスク状記憶媒体1の回転中心に向くように配置され、これらが時計廻りに所定パターンで連続して印刷されている印刷処理されたディスク状記憶媒体である。従って、ディスク状記憶媒体1の回転中心Oを向くように規則に従って配置された点字4と該点字4に対応する墨字5が上記回転中心Oに向くように配置され、これらが時計廻りに所定パターンで連続して印刷されているので、健常者は勿論、視力障害者でも接触並びに目視によりディスク状記憶媒体1の外周に沿って時計廻りに判読することができる。
【0012】
また本発明は、少なくとも上記点字4の印刷に使用される紫外線硬化樹脂インク8が、透明なインクであることを特徴とする印刷処理されたディスク状記憶媒体である。
従って、少なくとも点字4が透明なインクで印刷されて、突出した印刷となっても健常者には目立つことがないため、点字4に対応して印刷された墨字5を上記点字4に関わらず容易に判読することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷処理されたディスク状記憶媒体の平面図、図2はディスク状記憶媒体の表面に点字印刷するための、インクジェット方式の印字ヘッドの内部構造図であり、図3はディスク状記憶媒体の表面に目視可能な文字、数字並びに記号等と対応する各種パターンの点字印刷の制御を行なうブロック図である。
【0014】
図1〜図3において、符号1は本発明に係るCDやDVD等のディスク状記憶媒体であって、このディスク状記憶媒体1の印刷可能な表面2の外周に沿って接触によって判読可能な点字4と、この点字4に対応する墨字5(目視により判読可能な文字等)が対となって時計廻り(矢印方向)に所定パターンで連続して印刷されている。
【0015】
外周に沿った面上で互いに隣接する各点字4は、ディスク状記憶媒体1の回転中心Oを向くように規則に従って印刷配置されており、各点字4に対応する墨字5もその内周側にディスク状記憶媒体1の回転中心Oを向けて印刷配置されている。
【0016】
各点字4の印刷は、後述する紫外線硬化樹脂インク8を使用してインクジェットプリンタ12の印字ヘッド6によりドット印刷して凸状部10を形成した後、紫外線を照射させることで硬化させる(図2参照)。
【0017】
各点字4の標準寸法は、日本工業標準調査会医療安全用具部会審議の規定によれば、左側の▲1▼の点〜▲3▼の点の各間隔が2.3mm、左列と右列の間隔が2.26mm、隣接する点字の左列間の間隔が6.1mm、円周上の外側に配置される点字と内側に配置される点字の▲1▼の点の間隔が11.5mm以上で、高さが0.3mm以上とされている。
【0018】
次ぎに、紫外線硬化樹脂インク8は、光重合性プレポリマーとともに紫外線硬化性組成物を希釈する目的で、紫外線硬化反応において重合反応に関与する光重合性モノマーを用いて印刷したインクの形状の保持性が良好であるという特徴を有しており、それぞれの含有比率を調整することで所定の表面張力を得ることができ、表面張力は33mN/m以上が好ましいとされている。
【0019】
また、上記の紫外線硬化樹脂インク8を使用して印刷するインクジェットプリンタ12に使用される印字ヘッド6は、図2に示されるように、電圧をかけると変形するピエゾ素子を使用して上記インク8を発射させる方式で、圧力がかけられた紫外線硬化樹脂インク8は、ノズルと呼ばれる小さな孔からディスク状記憶媒体1の印刷可能な外周面に向けて発射される。ノズルの数が増えるほど一度に多くの紫外線硬化樹脂インク8を発射することができるので、その数によって印刷速度も変えられるようになっている。
【0020】
詳しくは、図2に示す印字ヘッド6は、ピエゾ素子13、振動板14、セル15、及びノズル16から構成されており、ピエゾ素子13により振動板14を介して、セル15内部に25〜30KHzの振動を与えることで、セル15に充填された紫外線硬化樹脂インク8は、ピエゾ素子13の振動により1秒間に25000〜30000粒の紫外線硬化樹脂インク8をディスク状記憶媒体1の印刷可能な表面2の外周に向かって発射し、凸状部10が印刷処理されるようになっている。
【0021】
次ぎに、図3を参照して各種パターンの点字の印刷制御につき説明する。
【0022】
20は中央処理装置(CPU)としての制御装置であって、この制御装置20には、点字入力装置22ならびに文字入力装置24が、インターフェイスI/Fを介して接続されている。更に制御装置20には、インクジェットプリンタ12並びにこのインクジェットプリンタ12に紫外線硬化樹脂インクを供給する紫外線硬化樹脂インク供給装置26が接続されている。
【0023】
制御装置20は、記憶部25を有しており、点字入力装置22ならびに文字入力装置24を介して入力された各種印刷パターンの点字4および墨字5のモデルを記憶している。
【0024】
そこで、ディスク状記憶媒体1の表面に点字印刷を行なうに際し、記憶部25に記憶されているモデル例から所定パターンの点字が選択されると、制御装置20によりインクジェットプリンタ12の印字ヘッド6が制御されてピエゾ素子13により振動板14が振動し、紫外線硬化樹脂インク8がディスク状記憶媒体1外周の印刷面に向けて発射される。
【0025】
これにより、ディスク状記憶媒体1の回転中心Oを向くように規則に従って凸状の点字4と、この点字4に対応する墨字5が上記ディスク状記憶媒体1の回転中心Oに向くように配置され、これらが時計廻りに所定パターンで連続して印刷される。
【0026】
尚、点字印刷に使用される紫外線硬化樹脂インク8は、着色したインクを用いても良いが、好ましくは透明なインクを用いれば、点字4が突出した印刷となっても健常者には目立つことないため、点字4に対応して印刷された墨字5を上記点字4に関わらず容易に判読することができる。
【0027】
また、透明なインクを用いずに、ディスク状記憶媒体1の表面2の全面、または点字4が印刷される部位に適宜地色を印刷し、印刷された地色と同系色のインクで点字4を着色すれば互いに保護色関係となり、透明と同じ効果を得ることができる。
【0028】
従って、上記のように印刷処理されたディスク状記憶媒体によれば、紫外線硬化樹脂インク8が、インクジェットプリンタ12の印字ヘッド6により、ディスク状記憶媒体1の表面2外周に沿って所定パターンで隣接させて凸状に印刷処理されているので、記録情報再生時にディスク状記憶媒体1の回転ムラがなく安定した再生音や再生画像を得ることができる。
【0029】
また、ディスク状記憶媒体1の回転中心を向くように規則に従って配置された点字4と、この点字4に対応する墨字5が上記回転中心Oに向くように配置され、これらがディスク状記憶媒体1の表面外周に沿って時計廻りに所定パターンで連続して印刷されているので、健常者は勿論、視力障害者でも接触並びに目視によりディスク状記憶媒体1の外周に沿って時計廻りに判読することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によると次の様な効果を奏する。
【0031】
即ち、請求項1によると、紫外線硬化樹脂インクを使用してインクジェット方式によりディスク状記憶媒体の表面外周に沿って所定パターンで隣接させて凸状に印刷処理されているので、記録情報再生時にディスク状記憶媒体の回転ムラがなく安定した再生音や再生画像を得ることができる。
【0032】
また、請求項2によると、ディスク状記憶媒体の回転中心を向くように規則に従って配置された点字と該点字に対応する墨字が上記回転中心に向くように配置され、これらが時計廻りに所定パターンで連続して印刷されているので、健常者は勿論、視力障害者でも接触並びに目視によりディスク状記憶媒体の外周に沿って時計廻りに判読することができる。
【0033】
また、請求項3によると、少なくとも点字が透明なインクで印刷されて、点字が突出した印刷となっても健常者には目立つことがないため、点字に対応して印刷された墨字を上記点字に関わらず容易に判読することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷処理されたディスク状記憶媒体の平面図である。
【図2】ディスク状記憶媒体の表面に点字印刷するための、インクジェット方式の印字ヘッドの内部構造図である。
【図3】ディスク状記憶媒体の表面に目視可能な文字、数字並びに記号等と対応する各種パターンの点字印刷の制御を行なうブロック図である。
【図4】紫外線硬化樹脂インクを使用して印刷処理された従来のディスク状記憶媒体の平面図である。
【符号の説明】
1 ディスク状記憶媒体
2 印刷可能な表面
4 点字
5 墨字
6 印字ヘッド
8 紫外線硬化樹脂インク
10 凸状部
12 インクジェットプリンタ
13 ピエゾ素子
14 振動板
15 セル
16 ノズル
20 制御装置
22 点字入力装置
24 文字入力装置
25 記憶部
26 紫外線硬化樹脂インク供給装置
O 回転中心

Claims (3)

  1. 紫外線硬化樹脂インク8を使用してインクジェット方式によりディスク状記憶媒体1の印刷可能な表面2に凸状に印刷処理されたディスク状記憶媒体であって、
    該ディスク状記憶媒体1は、上記インクジェット方式により上記表面2の外周に沿って所定パターンで隣接させて接触並びに目視により判読可能に印刷処理されていることを特徴とする印刷処理されたディスク状記憶媒体。
  2. 上記印刷の対象は、上記ディスク状記憶媒体1の回転中心Oを向くように規則に従って配置された点字4と、該点字4に対応する墨字5が上記ディスク状記憶媒体1の回転中心Oに向くように配置され、これらが時計廻りに所定パターンで連続して印刷されている請求項1に記載の印刷処理されたディスク状記憶媒体。
  3. 少なくとも上記点字4の印刷に使用される紫外線硬化樹脂インク8は、透明なインクであることを特徴とする請求項2に記載の印刷処理されたディスク状記憶媒体。
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