JP2004155351A - 車両のフロントデッキ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡素な構造を採る上に、フロントウインドシールドガラスに対する音振動特性が向上し、しかも歩行者保護対策のための衝撃吸収機能を発揮できる車両のフロントデッキ構造を提供することにある。
【解決手段】車両のダッシュパネル1の上縁部と車両のフロントウインドシールドガラス6の下縁部aとの間に配されるカウルトップ部材2を有する車両のフロントデッキ構造において、カウルトップ部材2は閉断面D形状を成して車幅方向Yに延設され、閉断面Dの上部側にはフロントウインドシールドガラス6の下縁部aを支持するガラス支持部Bが設けられ、カウルトップ部材2にはガラス支持部Bが上方より荷重を受けた際に座屈を促進する座屈促進手段が設けられたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のフロントウインドシールドガラスの下縁部を支持すると共にカウルトップ部材により車室前部の剛性を保持するようにした車両のフロントデッキ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のフロントデッキは車室前部の剛性を保持するもので、フロントウインドシールドガラスの下縁部を支持し、しかも、ダッシュボードアッパーやインストルメントパネル側に支持された計器類やステアリングホイールの支持部として十分な剛性を必要とし、音振動特性や車両のハンドリングなどの特性に重要な役割を持っている。更に、一般車両では正面衝突時にエンジンルーム内の部品のキャビンへの侵入を抑えつつウインドー保持を確保するため、フロントデッキは剛性の高い構造とすることが要求されている。
【0003】
一方、乗員保護対策と並んで歩行者保護対策が車体に各種施されており、この内、歩行者の頭部保護を図るべくダッシュボードアッパー領域に衝撃吸収構造が設けられる。
この衝撃吸収構造では車両の前方斜め上方からカウルトップに衝撃が入力された際に、その衝撃を吸収する構造をフロントデッキ部の剛性部材であるカウルトップ部材に設けることとなる。
【0004】
例えば、特許第2195785号公報(特許文献1)には車幅方向に長いカウルボックス1をダッシュアッパー3と補強部材20からなる三角形状の閉断面とこれに重なる上パネル4とエネルギ吸収部14とから成る三角形状の閉断面とで形成し、カウルボックス1の上部にフロントウインドシールドガラスの下縁部とカウルトップに上パネルを支持する。これによって、エネルギ吸収部14が前方斜め上方からの衝撃を十分に吸収するようにしている。
【0005】
更に、特開2000−38160号公報(特許文献2)には、箱型断面部15と、箱型断面部15の補強部材14より板状の第1サポート16を前側に延出させ、その先端より上方に閉断面構造の第2サポート20を延出形成し、第2サポート20の上面にフロントウインドシールドガラス6の下縁部とカウルトップ30とを支持する。これによって、第1サポート16が前方斜め上方からの衝撃を十分に吸収するようにしている。
【0006】
更に、特開平11−321709号公報(特許文献3)には、閉断面形状のダッシュボード上部12の上壁に前方上方に屈曲して延びる板状の屈曲部16aを形成し、その上端にボックス部18を連結し、ボックス部18の上面にフロントウインドシールドガラス15の下縁部とカウルトップ23とを支持する。これによって、屈曲部16aが前方斜め上方からの衝撃を十分に吸収するようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特許第2195785号公報
【特許文献2】
特開2000−38160公報
【特許文献3】
特開平11−321709号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、車両のフロントデッキは音振動特性や車両のハンドリングなどの特性に重要な役割を持ち、剛性の高い構造が要求され、例えば、図7(a)に示すカウルトップ部材100は閉断面構造を成し、その上部にフロントウインドシールドガラス110とデッキガーニッシュ120を支持した構成を採る。或いは、上部からの衝撃荷重に対し衝撃吸収機能を発揮し、歩行者保護の対策を十分に採ることとすると、例えば、図7(b)に示すように、カウルトップ部材100はダッシュパネルアッパー130とこれに一端が結合され、他端が上向きに屈曲して延びるエネルギ吸収部材140とでなり、エネルギ吸収部材140はその上端部にフロントウインドシールドガラス110とデッキガーニッシュ120を片持ち支持するという低剛性構造を採る。
【0009】
即ち、車両のフロントデッキは、車両の音振動特性を悪化させるフロントウインドシールドガラス110の振動を抑制すべく剛性強化すると衝撃吸収機能が悪化し、歩行者保護対策のため衝撃吸収機能を十分に確保すべく剛性を抑えると剛性低下によりフロントウインドシールドガラスの振動性能が悪化してしまい、相反する要求を共に満たす必要性のもとで作成されている。
【0010】
しかし、従来技術ではその要求を十分に満たすことはできていない。即ち、特許文献1のカウルボックスでは、エネルギ吸収部が上パネルに加わる衝撃吸収機能を発揮するが、ダッシュアッパーと補強部材からなる三角形状の閉断面が剛性部材として機能し、フロントウインドシールドガラスの下縁部に加わる荷重に対して衝撃吸収機能を発揮できない。
【0011】
特許文献2のウインドシールド支持構造では板状の第1サポートを介して箱型断面部と閉断面構造の第2サポートとが接続されるという複雑な構造を採り、コスト増を招き易い上に、板状の第1サポートの剛性が低くなることより、その先端部に第2サポートを介してフロントウインドシールドガラスを支持するので、フロントウインドシールドガラスの音振動特性が低下し易い。
【0012】
特許文献3のウインドシールド支持構造は特許文献2とほぼ同様に、板状の屈曲部を介して閉断面形状のダッシュパネル1上部とボックス部とが接続されるという複雑な構造を採り、コスト増を招き易い上に、板状の屈曲部16の剛性が低くなることより、それを介してフロントウインドシールドガラス15を支持するので、フロントウインドシールドガラス6の音振動特性が低下し易い。
【0013】
本発明は、以上のような課題に基づきなされたもので、簡素な構造を採る上に、フロントウインドシールドガラスに対する音振動特性や車両のハンドリングなどの特性が向上し、しかも歩行者保護対策のための衝撃吸収機能を発揮できる車両のフロントデッキ構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車両のダッシュパネルの上縁部と上記車両のフロントウインドシールドガラスの下縁部との間に配されるカウルトップ部材を有する車両のフロントデッキ構造において、上記カウルトップ部材は閉断面形状を成して車幅方向に延設され、該閉断面の上部側には上記フロントウインドシールドガラスの下縁部を支持するガラス支持部が設けられ、上記カウルトップ部材には上記ガラス支持部が上方より荷重を受けた際に座屈を促進する座屈促進手段が設けられたことを特徴とする。
このように、閉断面に形成されたカウルトップ部材がダッシュパネルの上縁部に一体結合された閉断面低壁部材を有するので、カウルトップ部材のガラス支持部の剛性を向上させてフロントウインドシールドガラスの振動を抑制できると共に、左右フロントピラーの間の結合剛性の不足による車体剛性の悪化を防止し、ダッシュパネルの振動を抑制でき、その上で、カウルトップ部材のガラス支持部に過荷重が加わった際に閉断面形状の座屈を促進する座屈促進手段を設けたので、車両の前方斜め上方からカウルトップ部材に衝撃荷重が入力される際、カウルトップ部材が容易に塑性変形して衝撃吸収を行なうことができる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載の車両のフロントデッキ構造において、上記ガラス支持部は、上記閉断面の下部を成す対向壁のうち、上記車両の前方側に配設される前壁部材よりも前方に所定突出し量だけ突出し形成されることを特徴とする。
このように、請求項1の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面上部に設けたガラス支持部が閉断面下部を成す対向壁のうち車両の前方側に配設される対向する前壁部材よりも前方に所定突出し量だけ突出し形成されるので、カウルトップ部材が上記フロントウインドシールドガラスの下縁部を片持ち状態で支持することとなり、車両の前方斜め上方からカウルトップ部材に衝撃が入力される際、カウルトップ部材が容易に変形(塑性変形)して衝撃吸収を行なうことができる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2記載の車両のフロントデッキ構造において、上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材がその閉断面下部より閉断面上部に向かって先細形状となるように設けられたことを特徴とする。
このように、請求項2の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状が閉断面下部より閉断面上部のガラス支持部に向かうにつれて先細形状となるので、車両の前方斜め上方からカウルトップ部材に衝撃が入力される際、容易に変形(塑性変形)して、より好適に衝撃吸収することができる。加えて、先細形状となっていることから、過大な衝撃が入力された際に弾性変形を容易に発生させることができ、塑性変形に加えて、弾性変形で衝撃を吸収することができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項3に記載の車両のフロントデッキ構造において、上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状が上記車両の後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、若しくは折曲して設けられていることを特徴とする。
このように、請求項3の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状が後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、折曲して設けられているので、より好適に変形(塑性・弾性)を生じて衝撃吸収することができる。
【0018】
請求項5の発明は、請求項4に記載の車両のフロントデッキ構造において、上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状の前側壁部に上記車幅方向に延びるビードが少なくとも1つ設けられていることを特徴とする。
このように、請求項4の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状の前側壁部にビードを設けたことにより、前側壁が容易に変形(塑性・弾性)し、より好適に衝撃吸収を行なうことができる。
【0019】
請求項6の発明は、上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材がその閉断面下部より閉断面上部に向かって先細形状となるように設けられたことを特徴とする。
このように、請求項1の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状が閉断面下部より閉断面上部のガラス支持部に向かうにつれて先細形状となるので、車両の前方斜め上方からカウルトップ部材に衝撃が入力される際、容易に変形(塑性変形)して、より好適に衝撃吸収することができる。加えて、先細形状となっていることから、過大な衝撃が入力された際に弾性変形を容易に発生させることができ、塑性変形に加えて、弾性変形で衝撃を吸収することができる。
【0020】
請求項7の発明は、請求項6に記載の車両のフロントデッキ構造において、上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状が上記車両の後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、若しくは折曲して設けられていることを特徴とする。
このように、請求項6の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状が後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、折曲して設けられているので、より好適に変形(塑性・弾性)を生じて衝撃吸収することができる。
【0021】
請求項8の発明は、請求項7に記載の車両のフロントデッキ構造において、上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状の前側壁部に上記車幅方向に延びるビードが少なくとも1つ設けられていることを特徴とする。
このように、請求項7の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状の前側壁部にビードを設けたことにより、前側壁が容易に変形(塑性・弾性)し、より好適に衝撃吸収を行なうことができる。
【0022】
請求項9の発明は、請求項1に記載の車両のフロントデッキ構造において、上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状が上記車両の後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、若しくは折曲して設けられていることを特徴とする。
このように、請求項1の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状が後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、折曲して設けられているので、より好適に変形(塑性・弾性)を生じて衝撃吸収することができる。
【0023】
請求項10の発明は、請求項9に記載の車両のフロントデッキ構造において、上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状の前側壁部に上記車幅方向に延びるビードが少なくとも1つ設けられていることを特徴とする。
このように、請求項9の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状の前側壁部にビードを設けたことにより、前側壁が容易に変形(塑性・弾性)し、より好適に衝撃吸収を行なうことができる。
【0024】
請求項11の発明は、請求項1に記載の車両のフロントデッキ構造において、上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状の前側壁部に上記車幅方向に延びるビードが少なくとも1つ設けられていることを特徴とする。
このように、請求項1の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状の前側壁部にビードを設けたことにより、前側壁が容易に変形(塑性・弾性)し、より好適に衝撃吸収を行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3には本発明の実施形態としての車両のフロントデッキ構造を示した。
この車両のフロントデッキ構造はエンジンルームER(紙面左側)と車室R(紙面右側)との間を区分するダッシュパネル1の上縁部に配備され、閉断面構造のカウルトップ部材2と、カウルトップ部材2の低部に基端が重なるカウルトップロア部材3と、カウルトップロア部材3がカウルトップ部材2と共に形成する上方開口を有する収容空間Eと、上方開口を覆うデッキガーニッシュ4とで形成され、いずれも車幅方向(図1で紙面表裏方向)に連続して配備される。
【0026】
ダッシュパネル1の上縁部にはL型片5の縦部501が重ね合わされ溶着される。このL型片5の上側屈曲部502とダッシュパネル1の上端は水平方向に配備されたカウルトップロア部材3の基端部301に当接し互いに溶着される。これによりカウルトップロア部材3及びカウルトップ部材2はダッシュパネル1の上縁部に確実に一体結合される。この結果、車幅方向に閉断面形状を成すカウルトップ部材2をフロントピラー間に掛け渡すことができて、車室前部における車幅方向(図1で紙面表裏方向)の剛性を確保することができる。
【0027】
カウルトップロア部材3は基端部301より段差部を経て前方に延出する底部302と、底部の前端より屈曲して斜め上方に延出する前縦壁303と、前縦壁303の上端よりも前方に延出するフランジ状の前端受け部304とを備える。このカウルトップロア部材3はカウルトップ部材2と共働して上方開口を有する収容空間Eを形成する。
この収容空間Eは車幅方向Yに連続形成され、図3に示すように、ここにはワイパー装置のピボット部wpが配備され、ピボット部wpの突出し端はデッキガーニッシュ4を貫通して突出し端にワイパーアームwaが一体結合される。
【0028】
ここで上方開口はデッキガーニッシュ4で閉鎖される。このデッキガーニッシュ4はその前端がカウルトップロア部材3の前端受け部304に載置され、後端が後述のガラス支持部Bにフロントウインドシールドガラス6を介して重ね合わされ、図示しないビスにより複数箇所がカウルトップロア部材3側より延出する不図示のブラケットに締め付け固定される。
【0029】
なお、デッキガーニッシュ4はPP(ポリプロピレン)等の硬質合成樹脂で形成されるが、これに代えてプレス鋼板により形成されても良く、いずれの場合も、多数の通気孔gを形成されることで、不図示の換気用開口に外気を導入可能に形成される。なお、デッキガーニッシュ4の前端上面にはウエザーストリップ7が接着され、同ウエザーストリップ7を介してエンジンフード8の後端縁が水密性を保って載置される。
フロントウインドシールドガラス6はその下縁部aがカウルトップ部材2の上端のガラス支持部Bに液ウレタンなどの接着剤により固着されている。
【0030】
カウルトップ部材2は後側板材であるカウルトップインナ9と前側板材であるカウルトップアウタ11とこれら両板材の下端フランジbが重ねて溶着されるカウルトップロア部材3の基端部301とによって閉断面Dを形成し、これにより、所定の剛性を確保し、上部に形成するガラス支持部Bにフロントウインドシールドガラス6の下縁部aを接着して支持し、フロントウインドシールドガラス6の下縁部aの振動を抑制するように機能する。
【0031】
車幅方向に連続する閉断面Dを形成するカウルトップ部材2は、後側(図1で右側)のカウルトップインナ9が車両の後方側へ向かって略凸形状を成すよう湾曲して設けられ、前側(図1で左側)のカウルトップアウタ11はその上部が前方に垂れるように湾曲して形成される。特に、ここでの閉断面Dはその閉断面下部d1より閉断面上部d2に向かって前方に垂れるように湾曲して形成される。しかも、ここでの閉断面Dはその閉断面下部d1より閉断面上部d2に向かって先細形状となるように設けられ、閉断面上部d2の先細形状部は前下がりに延出し、その上面がガラス支持部Bとして形成される。
【0032】
ここで、カウルトップ部材2はそのカウルトップインナ9が車両の後方側へ向かって略凸形状を成すよう湾曲して設けられ、閉断面Dがその閉断面下部d1より閉断面上部d2に向かって前方に垂れるように湾曲して形成され、閉断面Dがその閉断面下部d1より閉断面上部d2に向かって先細形状となるように形成され、これら各構成がそれぞれ座屈促進手段を成している。
しかも、このようなカウルトップ部材2はそのガラス支持部Bが閉断面下部d1と対向する前壁部材を成すカウルトップアウタ11の下壁部111に対して前方に所定突出し量Cだけ突出し形成されるという座屈促進手段としての機能を備える。つまり、ガラス支持部Bより後方に下壁部111が形成される。
【0033】
このように、複数の座屈促進手段をカウルトップ部材2にそれぞれ設けたことで、ガラス支持部Bに前方斜め上方より衝撃荷重Wが加わった際に、カウルトップ部材2が容易に塑性変形及び弾性変形でき、衝撃荷重Wを吸収できる。特に、カウルトップ部材2のガラス支持部Bがカウルトップアウタ11の下壁部111より前方に突出し量Cだけ突出し形成されたので、カウルトップ部材2がフロントウインドシールドガラス6の下縁部aを片持ち状態で支持する構成を採るため、ガラス支持部Bに前方斜め上方より衝撃荷重Wが加わった際に、カウルトップ部材2が容易に確実に塑性変形及び弾性変形でき、衝撃荷重を吸収できる。
【0034】
更に、図2に示すカウルトップインナ9は、閉断面下部d1より閉断面上部d2に向かって前方に垂れるように湾曲して形成され、その閉断面下部d1と閉断面上部d2との中間部でやや閉断面上部d2側に偏った位置に車幅方向に延びる座屈促進手段としての折れビード(以後端にビード12と記す)が形成される。このビード12は過荷重の入力時に座屈開始を促す機能を備え、より確実に座屈を発生させることができるもので、その深さtは適宜設定される座屈限界値を考慮して設定される。しかも、ビード12を入れる事で変形特性をコントロールする事が出来、カウルトップ部材2の形状の自由度を確保できる。
【0035】
ここで、図1のカウルトップ部材2はカウルトップアウタ11に一つのビード12を形成されているが、図2に示すようにカウルトップアウタ11の他の個所、例えば閉断面下部d1との対向部である下壁部111に2つ目のビード12を形成しても良く、更に、カウルトップインナ9の閉断面下部d1との対向部に3つ目のビード12を形成しても良く、その他の部位に複数のビード12を形成してもよく、いずれの場合もこのビード12の形状や数はカウルトップ部材2の剛性と適宜設定される座屈限界値を考慮して設定されることとなる。
【0036】
このような車両のフロントデッキ構造ではカウルトップ部材2がカウルトップアウタ11とカウルトップインナ9とで閉断面を形成し、カウルトップ部材2のガラス支持剛性を向上させることができる。
このため、不図示の車両の通常走行においては、車体振動をフロントウインドシールドガラス6が受け起振されたとしても、カウルトップ部材2がガラスの振動を抑制するに十分な剛性を確保しており、フロントウインドシールドガラス6の下縁部aの振動を防止できる。更に、閉断面下部d1が十分な閉断面を形成するので、不図示の左右フロントピラーの間の結合剛性を確保して、ダッシュパネル1の振動を抑制できる。
【0037】
一方、フロントウインドシールドガラス6の下縁部aに前方斜め上方より衝撃荷重Wが加わるとする。
この場合、衝撃荷重Wはフロントウインドシールドガラス6の下縁部aよりカウルトップ部材2のガラス支持部Bに加わる。
ここで、図1のカウルトップ部材2は閉断面D構造に加え、複数の座屈促進手段を備え、特に閉断面上部d2側に座屈促進手段を複数設けている。
【0038】
即ち、カウルトップ部材2のガラス支持部Bが閉断面上部d2側に形成され、カウルトップアウタ11の下壁部111より前方に突出し量Cだけ突出し形成され、フロントウインドシールドガラス6の下縁部aを片持ち状態で支持する。このため、図2に示すように、カウルトップ部材2の閉断面上部d2は定常位置h1より変位量Lだけ変位して変形位置h2に容易に確実に永久変形である塑性変形でき、衝撃荷重を吸収でき、衝撃を吸収できる。
【0039】
この際、特に、カウルトップアウタ11のビード12が塑性変形の発生を促し速やかに塑性変形を促進できる。
更に、カウルトップインナ9が車両の後方側へ向かって略凸形状を成すよう湾曲して設けられ、しかも、閉断面Dがその閉断面下部d1より閉断面上部d2に向かって前方に垂れるように湾曲して形成されたので、より好適に塑性変形を生じて衝撃吸収することができる。更に、閉断面Dがその閉断面下部d1より閉断面上部d2に向かって先細形状となるように形成されたので、過大な衝撃が入力された際に弾性変形を容易に発生させることができる。
【0040】
即ち、図4に示すように、永久変形である塑性変形に加えて、弾性変形で衝撃を吸収して、最大変位位置h3まで一旦変位し、その上で弾性変位分eを戻し、変形位置h2に達することとなり、衝撃エネルギーを十分に吸収し歩行者頭部の傷害を軽減させることができる。なお、図4中の符号Mは衝撃荷重Wを付加する障害物を示す。
【0041】
上述のところにおいて、カウルトップ部材2はガラス支持部Bがカウルトップアウタ11の下壁部111より前方に突出し量Cだけ突出し形成されるという座屈促進手段を備え、その上で、複数のその他の座屈促進手段を備えていたが、これらの内の一部の座屈促進手段を備えるカウルトップ部材を形成して図1のカウルトップ部材2に代えて使用し、車両のフロントデッキ構造を構成しても良い。
【0042】
例えば、図5(a)〜(d)に示す各カウルトップ部材2はそれぞれがカウルトップロア部材3と共にダッシュパネル1の上縁部及びL型片5に確実に一体結合され、ガラス支持部Bがカウルトップアウタ11の下壁部111より前方に突出し量C1だけ突出し形成されるという座屈促進手段を備える。
その上で、図5(a)のカウルトップ部材2は後側板材であるカウルトップインナ9aと前側板材であるカウルトップアウタ11aとこれら両板材の下端フランジbが重ねて溶着されるカウルトップロア部材3の基端部301とによって閉断面Daを形成する。
【0043】
カウルトップインナ9aは下端フランジより屈曲して延びる縦部m0、縦部m0より屈曲して前方に延びる頂部m1、頂部m1より前下がりに延びるガラス支持部B、ガラス支持部Bの先端の上フランジm2とを備え、これらはプレス加工により形成される。なお、カウルトップインナ9は後方側へ向かって略凸形状を成すよう屈曲して設けられるという座屈促進手段の構成を備える。
【0044】
カウルトップアウタ11aは下端フランジbより屈曲して延びる縦部である下壁部111、下壁部111より屈曲して前方に延びる突出し部11e、突出し部11eより更に延びて上フランジm2に重なる下フランジ11fとを備え、これらはプレス加工により形成される。上、下各フランジm2,11fは溶接され、カウルトップインナ9とカウルトップアウタ11aとで車幅方向に連続する略矩形閉断面Daのカウルトップ部材2が形成されている。このカウルトップ部材2はカウルトップインナ9のガラス支持部Bにフロントウインドシールドガラス6の下縁部aを接着剤により固着し、ガラスの振動を抑制するに十分な剛性を確保している。しかも、フロントウインドシールドガラス6の下縁部aが上方よりの衝撃荷重Wを受けた場合、ガラス支持部Bが前方に突出し形成されるという座屈促進手段を設けたので、カウルトップ部材2の閉断面上部d2側は容易に塑性変形でき、衝撃荷重を吸収できる。
【0045】
図5(b)のカウルトップ部材2は後側板材であるカウルトップインナ9bと前側板材であるカウルトップアウタ11bとこれら両板材の下端フランジが重ねて溶着されるカウルトップロア部材3の基端部とによって閉断面を形成する。 カウルトップインナ9bは下端フランジより後方側へ向かって略凸形状を成して湾曲して延びる湾曲縦部n、湾曲縦部nの上端より前下がりに延びるガラス支持部B、ガラス支持部Bの先端の上フランジn1とを備え、これらはプレス加工により形成される。カウルトップアウタ11bは下端フランジbより屈曲して延びる縦部である下壁部111、下壁部111の上端より屈曲して前方に延びる突出し部11e、突出し部より更に延びて上フランジに重なる下フランジ11fとを備え、これらはプレス加工により形成される。上、下各フランジn1,11fは溶接され、カウルトップインナ9bとカウルトップアウタ11bとで車幅方向に連続する閉断面Dbのカウルトップ部材2が形成されている。
【0046】
このカウルトップ部材2bはカウルトップインナ9bのガラス支持部Bにフロントウインドシールドガラス6の下縁部aを接着剤により固着し、ガラスの振動を抑制するに十分な剛性を確保している。しかも、ここでフロントウインドシールドガラス6の下縁部aが上方よりの衝撃荷重Wを受けた場合、ガラス支持部Bが前方に突出し形成されるという座屈促進手段に加え、カウルトップ部材2の閉断面Dbの形状が後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲して設けられるという座屈促進手段を設けたので、カウルトップ部材2の閉断面上部d2側は容易に塑性変形でき、衝撃荷重を吸収できる。
図5(c)のカウルトップ部材2cは後側板材であるカウルトップインナ9cと前側板材であるカウルトップアウタ11cとこれら両板材の下端フランジbが重ねて溶着されるカウルトップロア部材3の基端部301とによって閉断面Dcを形成する。
【0047】
カウルトップインナ9cは下端フランジbより後方側へ向かって略凸形状を成して湾曲して延びる湾曲縦部n、湾曲縦部nの上端より前下がりに延びるガラス支持部B、ガラス支持部Bの先端の上フランジn1とを備え、これらはプレス加工により形成される。カウルトップアウタ11は下端フランジbより屈曲して延び、その中間部に上下2つのビード12を設けた下壁部111、下壁部111の上端より屈曲して前方に延びる突出し部11e、突出し部11eより更に延びて上フランジに重なる下フランジ11fとを備え、これらはプレス加工により形成される。上、下各フランジn1、11fは溶接され、カウルトップインナ9とカウルトップアウタ11とで車幅方向に連続する湾曲閉断面Dcのカウルトップ部材2cが形成されている。
【0048】
このカウルトップ部材2cはカウルトップインナ9cのガラス支持部Bにフロントウインドシールドガラス6の下縁部aを接着剤により固着し、ガラスの振動を抑制するに十分な剛性を確保している。しかも、ここでフロントウインドシールドガラス6の下縁部aが上方よりの衝撃荷重Wを受けた場合、ガラス支持部Bが前方に突出し形成されるという座屈促進手段に加え、カウルトップアウタ11の下壁部111に上下2つのビード12を形成するという座屈促進手段を設けたので、カウルトップ部材2の閉断面上部d2側は2つのビード12により容易に塑性変形でき、衝撃荷重を吸収できる。
図5(d)のカウルトップ部材2dは後側板材であるカウルトップインナ9dと前側板材であるカウルトップアウタ11dとこれら両板材の下端フランジbが重ねて溶着されるカウルトップロア部材3の基端部111とによって閉断面Ddを形成する。
【0049】
カウルトップインナ9dは下端フランジbより斜め前方上方へ向かって延びる傾斜部q1、傾斜部q1の上端より前下がりに延びるガラス支持部B、ガラス支持部Bの先端の上フランジq2とを備え、これらはプレス加工により形成される。カウルトップアウタ11dは下端フランジbより斜め前方上方へ向かって延びる傾斜した下壁部111d、傾斜下壁部111dの上端より屈曲して前方に延びる突出し部11e、突出し部11eより更に延びて上フランジq2に重なる下フランジ11fとを備え、これらはプレス加工により形成される。上、下各フランジq2,11fは溶接され、カウルトップインナ9dとカウルトップアウタ11dとで車幅方向に連続する先細形状閉断面のカウルトップ部材2dが形成されている。
【0050】
このカウルトップ部材2dはカウルトップインナ9のガラス支持部Bにフロントウインドシールドガラス6の下縁部aを接着剤により固着し、ガラスの振動を抑制するに十分な剛性を確保している。しかも、ここでフロントウインドシールドガラス6の下縁部aが上方よりの衝撃荷重を受けた場合、ガラス支持部Bが前方に突出し形成されるという座屈促進手段に加え、カウルトップ部材2dの閉断面Ddの形状がガラス支持部Bに向かうにつれて先細形状となるという座屈促進手段を設けたので、カウルトップ部材2dの閉断面上部d2側は容易に塑性変形でき、衝撃荷重を吸収できる。加えて、先細形状となっていることから、過大な衝撃が入力された際に弾性変形を容易に発生させることができ、塑性変形に加えて、弾性変形で衝撃を吸収することができる。
【0051】
図5(d)のカウルトップ部材2dにおいて、カウルトップインナ9dの傾斜部q1をこれに代えて後方側へ向かって略凸形状を成して湾曲して延びる湾曲縦部(2点鎖線で示す)という座屈促進手段を設けても良く、この場合も図4(d)のカウルトップ部材2dと同様の作用効果が得られる。
図5(d)のカウルトップ部材2dにおいて、カウルトップアウタ11dの傾斜下壁部111dにビード12(2点鎖線で示す)を形成するという座屈促進手段を設けても良く、この場合も図5(d)のカウルトップ部材2dと同様の作用効果が得られる。
上述のところにおいて、図1の車両のフロントデッキ構造におけるカウルトップ部材2はカウルトップロア部材3と共にダッシュパネル1の上縁部及びL型片5に確実に一体結合されていたが、これに代えて、図6に示すように車両のフロントデッキ構造を構成してもよい。
【0052】
図6に示す車両のフロントデッキ構造におけるカウルトップ部材2は後側板材であるカウルトップインナ9と前側板材であるカウルトップアウタ11とこれら両板材の下端フランジが重ねて溶着される基板13とを備える。しかも、基板13の前部にカウルトップロア部材3の基端部301が重ねて溶着され、カウルトップインナ9の後端の下向き延出部901にダッシュパネル1の上縁部が重ねて溶着されている。このような構成の車両のフロントデッキ構造の場合も図1の車両のフロントデッキ構造の場合と同様に上述のカウルトップ部材2、2a〜2dが選択的に組み合わされて構成されることで同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、閉断面に形成されたカウルトップ部材がダッシュパネルの上縁部に一体結合された閉断面低壁部材を有するので、カウルトップ部材のガラス支持部の剛性を向上させてフロントウインドシールドガラスの振動を抑制できると共に、左右フロントピラーの間の結合剛性の不足による車体剛性の悪化を防止し、ダッシュパネルの振動を抑制でき、その上で、カウルトップ部材のガラス支持部に過荷重が加わった際に閉断面形状の座屈を促進する座屈促進手段を設けたので、車両の前方斜め上方からカウルトップ部材に衝撃荷重が入力される際、カウルトップ部材が容易に塑性変形して衝撃吸収を行なうことができる。
【0054】
請求項2の発明は、請求項1の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面上部に設けたガラス支持部が閉断面下部を成す対向壁のうち車両の前方側に配設される対向する前壁部材よりも前方に所定突出し量だけ突出し形成されるので、カウルトップ部材が上記フロントウインドシールドガラスの下縁部を片持ち状態で支持することとなり、車両の前方斜め上方からカウルトップ部材に衝撃が入力される際、カウルトップ部材が容易に変形(塑性変形)して衝撃吸収を行なうことができる。
【0055】
請求項3の発明は、請求項2の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状が閉断面下部より閉断面上部のガラス支持部に向かうにつれて先細形状となるので、車両の前方斜め上方からカウルトップ部材に衝撃が入力される際、容易に変形(塑性変形)して、より好適に衝撃吸収することができる。加えて、先細形状となっていることから、過大な衝撃が入力された際に弾性変形を容易に発生させることができ、塑性変形に加えて、弾性変形で衝撃を吸収することができる。
【0056】
請求項4の発明は、請求項3の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状が後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、折曲して設けられているので、より好適に変形(塑性・弾性)を生じて衝撃吸収することができる。
【0057】
請求項5の発明は、請求項4の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状の前側壁部にビードを設けたことにより、前側壁が容易に変形(塑性・弾性)し、より好適に衝撃吸収を行なうことができる。
【0058】
請求項6の発明は、請求項1の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状が閉断面下部より閉断面上部のガラス支持部に向かうにつれて先細形状となるので、車両の前方斜め上方からカウルトップ部材に衝撃が入力される際、容易に変形(塑性変形)して、より好適に衝撃吸収することができる。加えて、先細形状となっていることから、過大な衝撃が入力された際に弾性変形を容易に発生させることができ、塑性変形に加えて、弾性変形で衝撃を吸収することができる。
【0059】
請求項7の発明は、請求項6の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状が後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、折曲して設けられているので、より好適に変形(塑性・弾性)を生じて衝撃吸収することができる。
【0060】
請求項8の発明は、請求項7の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状の前側壁部にビードを設けたことにより、前側壁が容易に変形(塑性・弾性)し、より好適に衝撃吸収を行なうことができる。
【0061】
請求項8の発明は、請求項7の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状の前側壁部にビードを設けたことにより、前側壁が容易に変形(塑性・弾性)し、より好適に衝撃吸収を行なうことができる。
【0062】
請求項9の発明は、請求項1の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状が後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、折曲して設けられているので、より好適に変形(塑性・弾性)を生じて衝撃吸収することができる。
【0063】
請求項10の発明は、請求項9の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状の前側壁部にビードを設けたことにより、前側壁が容易に変形(塑性・弾性)し、より好適に衝撃吸収を行なうことができる。
【0064】
請求項11の発明は、請求項1の効果に加えて、カウルトップ部材の閉断面形状の前側壁部にビードを設けたことにより、前側壁が容易に変形(塑性・弾性)し、より好適に衝撃吸収を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両のフロントデッキ構造の要部切欠断面図である。
【図2】図1のフロントデッキ構造を搭載する車両の変形前後の要部切欠断面図である。
【図3】図1のフロントデッキ構造の部分切欠平面図である。
【図4】図1のフロントデッキ構造で用いるカウルトップ部材の衝撃吸収の説明図である。
【図5】図1のフロントデッキ構造で用いるカウルトップ部材の変形例を示し、(a)は第1変形例、(b)は第2変形例、(c)は第3変形例、(d)は第4変形例である。
【図6】本発明の他の実施形態としての車両のフロントデッキ構造の要部切欠断面図である。
【図7】従来のフロントデッキ構造の概略図で、(a)は第1従来例、(b)は第2従来例である。
【符号の説明】
1 ダッシュパネル
2〜2d カウルトップ部材
6 フロントウインドシールドガラス
9〜9d カウルトップインナ
11〜11d カウルトップアウタ
111 下壁部
12 ビード(座屈促進手段)
a フロントウインドシールドガラスの下縁部
d1 閉断面下部
d2 閉断面上部
B ガラス支持部
C,C1 突出し量(座屈促進手段)
D〜Dd 閉断面
W 衝撃荷重
Y 車幅方向

Claims (11)

  1. 車両のダッシュパネルの上縁部と上記車両のフロントウインドシールドガラスの下縁部との間に配されるカウルトップ部材を有する車両のフロントデッキ構造において、
    上記カウルトップ部材は閉断面形状を成して車幅方向に延設され、該閉断面の上部側には上記フロントウインドシールドガラスの下縁部を支持するガラス支持部が設けられ、
    上記カウルトップ部材には上記ガラス支持部が上方より荷重を受けた際に座屈を促進する座屈促進手段が設けられたことを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
  2. 請求項1記載の車両のフロントデッキ構造において、
    上記ガラス支持部は、上記閉断面の下部を成す対向壁のうち、上記車両の前方側に配設される前壁部材よりも前方に所定突出し量だけ突出し形成されることを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
  3. 請求項2記載の車両のフロントデッキ構造において、
    上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材がその閉断面下部より閉断面上部に向かって先細形状となるように設けられたことを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
  4. 請求項3に記載の車両のフロントデッキ構造において、
    上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状が上記車両の後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、若しくは折曲して設けられていることを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
  5. 請求項4に記載の車両のフロントデッキ構造において、
    上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状の前側壁部に上記車幅方向に延びるビードが少なくとも1つ設けられていることを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
  6. 請求項1に記載の車両のフロントデッキ構造において、
    上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材がその閉断面下部より閉断面上部に向かって先細形状となるように設けられたことを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
  7. 請求項6に記載の車両のフロントデッキ構造において、
    上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状が上記車両の後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、若しくは折曲して設けられていることを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
  8. 請求項7に記載の車両のフロントデッキ構造において、
    上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状の前側壁部に上記車幅方向に延びるビードが少なくとも1つ設けられていることを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
  9. 請求項1に記載の車両のフロントデッキ構造において、
    上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状が上記車両の後方側へ向かって略凸形状を成すよう、湾曲、若しくは折曲して設けられていることを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
  10. 請求項9に記載の車両のフロントデッキ構造において、
    上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状の前側壁部に上記車幅方向に延びるビードが少なくとも1つ設けられていることを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
  11. 請求項1に記載の車両のフロントデッキ構造において、
    上記座屈促進手段として、上記カウルトップ部材の上記閉断面形状の前側壁部に上記車幅方向に延びるビードが少なくとも1つ設けられていることを特徴とする車両のフロントデッキ構造。
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