JP2004142423A - モノクローム画像印刷のための色調設定 - Google Patents

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Abstract

【課題】モノクローム画像を印刷する際の色調の設定を容易に行うことのできる技術を提供する。
【解決手段】基準1次元LUT412に基づいて、互いに異なる色調を有する複数の1次元LUT413を作成する。そして、これらの1次元LUT群413を用いて複数のモノクローム見本画像を生成し、これらのモノクローム見本画像が配列されたカタログプリントを印刷する。ユーザがカタログプリントの中から好ましい色調を有する見本画像を選択した後に、その見本画像に対応する1次元LUT413を用いてモノクローム画像を印刷する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばグレー画像に色調を付与して印刷する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図22は、カラープリンタを用いてカラー画像を印刷する技術を概念的に示すブロック図である。スキャナ20は読み込んだ画像を示す画像データDT2をコンピュータ10へ出力する。コンピュータ10は画像データDT2に基づいてCRT22に画像を表示させ、カラープリンタ30に画像を印刷させる。読み込んだ画像をカラーで印刷したい場合には、画像データDT2として、それぞれ赤、緑、青の量を示すR信号、G信号、B信号(以下、これらを総称して「RGB信号」ともいう)が採用される。
【0003】
コンピュータ10では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム40が動作する。このオペレーティングシステムには、CRTドライバソフト17やプリンタドライバソフト41が組み込まれている。アプリケーションプログラム40からはプリンタドライバソフト41を介して、カラープリンタ30に転送するための画像データDT1が出力される。
【0004】
アプリケーションプログラム40は、例えばフォトレタッチソフトであり、画像データDT2に対して画像のレタッチなどの処理を行う。アプリケーションプログラム40によって得られた処理結果DT3は、CRTドライバソフト17やプリンタドライバソフト41に与えられる。
【0005】
アプリケーションプログラム40が印刷命令を発すると、コンピュータ10のプリンタドライバソフト41が、処理結果DT3を印刷信号DT1に変換してカラープリンタ30に送信する。カラープリンタ30は種々のインクを備えており、印刷信号DT1は複数種類のインクのドット形成状態を示すデータ(ドットデータ)や、副走査送り量についての情報を有している。
【0006】
プリンタドライバソフト41は、内部に解像度変換モジュール41aと、色変換モジュール41bと、色変換テーブル41eと、ハーフトーンモジュール41cと、ラスタライザ41dとを備えている。
【0007】
解像度変換モジュール41aは、アプリケーションプログラム40から得られた処理結果DT3の解像度を印刷解像度に変換して変換結果DT4を得る。変換結果DT4も当然、色についての情報を有している。色変換モジュール41bは色変換テーブル41eを用いて、変換結果DT4に基づいて各画素毎にカラープリンタ30が使用する種々のインクの使用量を決定する。ハーフトーンモジュール41cは、いわゆるハーフトーン処理を実行する。ラスタライザ41dはカラープリンタ30に転送すべきデータ順にドットデータを並べ替え、最終的な印刷データとしての印刷信号DT1をカラープリンタ30に出力する。
【0008】
かかる技術は例えば特許文献1において紹介されている。またカラープリンタを用いて複数の色味に対応する複数の画像を印刷する技術については例えば特許文献2において紹介されている。
【0009】
【特許文献1】特開2002−59571号公報
【特許文献2】特開平11−196285号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようにして、印刷媒体上にカラー画像を表示する技術は広く使用されている。しかしながら、色相が単一であるモノクローム画像(「モノトーン画像」とも呼ばれている)は、所定の色調を有している場合に独特の雰囲気を有しており、モノクローム画像を印刷する需要も高い。図22に例示された従来の技術においても、モノクローム画像を印刷することは可能である。
【0011】
例えばスキャナ20が読み込んだ画像を無彩色のグレー画像としてコンピュータ10に認識させる。グレー画像ではいずれの画素においても赤、緑、青が等量であるので、画像データDT2のR信号、G信号、B信号は、相互に等しい値を採る。
【0012】
アプリケーションプログラム40は、画像データDT2が表すグレー画像に対して所定の色調を付与する処理(以下「色調付与処理」と称す)を行って、処理結果DT3を生成する。
【0013】
図23乃至図26は、色調付与処理に伴ってRGB信号の変換を示すグラフであり、色調付与処理を行って得られた処理結果DT3が有する新たなR信号、G信号、B信号をそれぞれR’信号、G’信号、B’信号として示している(以下、これらを総称して「R’G’B’信号」ともいう)。画像データDT2のR信号、G信号、B信号は相互に等しい値を採る。ここではRGB信号の階調値を0〜255の整数に対応した256段階である場合を例示している。
【0014】
図23はグレー画像をグレー画像として(以下「ニュートラル調」と称す)印刷させたい場合を、図24は寒色気味(以下「クール調」と称す)に印刷させたい場合を、図25は暖色気味(以下「ウォーム調」と称す)に印刷させたい場合を、図26はカラー写真が褪色した色合い(以下「セピア調」と称す)に印刷させたい場合を、それぞれ示す。
【0015】
このようにして得られたR’G’B’信号は解像度変換モジュール41aで解像度が変換された後、色変換モジュール41bにおいて色変換テーブル41eを用いてカラープリンタ30が使用する種々のインクの使用量に変換する。解像度変換モジュール41aで解像度が変換されても、R’G’B’信号の値は維持される。
【0016】
図27は色変換テーブル41eを用いて、R’G’B’信号に基づいてシアン、マゼンタ、イエロー、黒の各インクの使用量C,M,Y,Kを設定する技術を説明するグラフである。R’信号、G’信号、B’信号は相互に独立であるので、3次元の立方体で色変換テーブル41eが模式的に表現される。ここでは階調値を0〜255の256(=2)段階である場合を示している。色変換テーブル41eが独立した2×2×2組(約1678万組)のデータを記憶することは、メモリ容量の制限から望ましくない。このため、色変換テーブル41eでのデータの記憶位置は、格子点として離散的に、例えば階調値17個分毎に設定される。ここで一組のデータには例えばインクの使用量C,M,Yの3種のデータが含まれている。図27にはR’信号、G’信号、B’信号がそれぞれ値r0,g0,b0を採る場合に対応する位置Tを例示している。
【0017】
しかしながら、一般的には任意の値r0,g0,b0に対応した格子点は存在しない場合がある。このような場合には一般には位置Tを囲む複数個の格子点をピックアップし、ピックアップされた格子点のそれぞれに記憶されたインクの使用量を用いた補間により、位置Tに対応したインク量を設定する。
【0018】
上述の構成においてモノクローム画像の色調を所望の色調に設定することは容易ではない。特に、グレー画像を示す画像データDT2ではRGB信号が256種類で足りるにも関わらず、モノクローム画像を表すR’信号、G’信号、B’信号のそれぞれが異なる値を採るので、モノクローム画像を印刷する際にはカラー画像の場合と同様な色変換処理が必要となる。しかも、モノクローム画像の色調を設定するための試行錯誤が行われることにより、作業に要する時間は膨大となる。
【0019】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、モノクローム画像を印刷する際の色調の設定を容易に行うことのできる技術を提供することを主たる目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明による第1の方法は、モノクローム画像の印刷のための色調を設定する方法であって、
(a)画像の明度階調値の入力に応じて複数種類のインクの使用量を出力する1次元ルックアップテーブルとして、互いに異なる色再現特性を有する複数の候補1次元ルックアップテーブルを準備する工程と、
(b)前記複数の候補1次元ルックアップテーブルを用いて、同一のグレー多階調画像データから複数のモノクローム見本画像を生成するとともに、前記複数のモノクローム見本画像が配列されたカタログ画像を再生する工程と、
(c)前記カタログ画像の中から選択された少なくとも1つのモノクローム見本画像と、前記選択されたモノクローム見本画像に対応する候補1次元ルックアップテーブルとに基づいて、モノクローム画像の印刷に使用される印刷実行用1次元ルックアップテーブルを得る工程と、
を備える。
【0021】
この方法によれば、互いに異なる色再現特性を有する複数の候補1次元ルックアップテーブルを用いて複数のモノクローム見本画像を生成し、これらのモノクローム見本画像が配列されたカタログ画像を再生するので、好ましい色調を有する見本画像をユーザが容易に選択することができる。また、カタログ画像の中から選択された少なくとも1つのモノクローム見本画像と、選択されたモノクローム見本画像に対応する候補1次元ルックアップテーブルとに基づいて、モノクローム画像の印刷に使用される印刷実行用1次元ルックアップテーブルを得るので、この印刷実行用1次元ルックアップテーブルを用いて好ましい色調を有するモノクローム画像の印刷を行うことができる。
【0022】
前記複数種類のインクは、少なくとも1種類の無彩色インクと複数種類の有彩色インクとを含み、
前記複数の候補1次元ルックアップテーブルは、前記無彩色インクの使用量が同一で前記有彩色インクの使用量が互いに異なるテーブルであるものとしてもよい。
【0023】
この構成によれば、互いに異なる色調を再現するための複数の候補1次元ルックアップテーブルを容易に得ることができる。
【0024】
あるいは、前記複数の候補1次元ルックアップテーブルは、任意の前記複数種類のインクの使用量を与える明度階調値が互いに異なり、これにより階調特性が互いに異なるテーブルであるものとしてもよい。
【0025】
この構成によっても、互いに異なる色調を再現するための複数の候補1次元ルックアップテーブルを容易に得ることができる。
【0026】
前記工程(c)は、
前記カタログ画像の中から複数のモノクローム見本画像が選択された場合には、前記選択された複数のモノクローム見本画像に対応する複数の候補1次元ルックアップテーブルの平均的な特性を有するテーブルを前記印刷実行用1次元ルックアップテーブルとして生成することとしてもよい。
【0027】
この構成によれば、複数のモノクローム見本画像の中に好ましい色調のものが存在しない場合にも、それに近い色調を有する見本画像を複数選択することによって、好ましい色調を再現するための印刷実行用1次元ルックアップテーブルを生成することができる。
【0028】
前記工程(a)は、
(a1)少なくとも1つの基準1次元ルックアップテーブルを準備する工程と、
(a2)前記基準1次元ルックアップテーブルの入出力特性を調整することによって前記複数の候補1次元ルックアップテーブルを作成する工程と、
含むようにしてもよい。
【0029】
この構成によれば、必要に応じて複数の候補1次元ルックアップテーブルを作成することができる。
【0030】
前記複数種類のインクは、少なくとも1種類の無彩色インクと複数種類の有彩色インクとを含み、
前記工程(a2)は、
各有彩色インクに関して複数のインク量調整値を設定する工程と、
前記各有彩色インクに対する複数のインク量調整値を組み合わせて適用して前記基準1次元ルックアップテーブルにおける前記複数種類の有彩色インクの一部または全部の使用量を調整することによって、前記複数の候補1次元ルックアップテーブルを作成する工程と、
を含むものとしてもよい。
【0031】
この構成によれば、有彩色インクのインク量を調整するだけで、種々の候補1次元ルックアップテーブルを作成することができる。
【0032】
前記各有彩色インクに対する前記複数のインク量調整値は、一定の差分を有するように設定されるようにしてもよい。
【0033】
この構成によれば、ほぼ一定の間隔の色調を有する見本画像を再現することができる。
【0034】
前記工程(c)は、
(i)前記カタログ画像の中から選択されたモノクローム見本画像の色調の近傍の色調を再現するための複数のインク量調整値として、前回の複数のインク量調整値よりも小さな差分を有する新たな複数のインク量調整値を各有彩色インクに対して設定する工程と、
(ii)前記各有彩色インクに対する前記新たな複数のインク量調整値を組み合わせて使用して新たな複数の候補1次元ルックアップテーブルを作成する工程と、
(iii)前記新たな複数の候補1次元ルックアップテーブルを用いて、前記同一のグレー多階調画像データから新たな複数のモノクローム見本画像を生成するとともに、前記新たな複数のモノクローム見本画像が配列された更新されたカタログ画像を再生する工程と、
(iv)モノクローム画像の印刷に適したモノクローム見本画像が選択されるまで、前記工程(i)〜(iii)を繰り返し実行する工程と、
を含むものとしてもよい。
【0035】
この構成によれば、工程(i)〜(iii)を繰り返し実行することによって、より精度良く色調を設定することが可能である。
【0036】
前記工程(a2)は、
複数の階調特性を設定する工程と、
前記複数の階調特性にそれぞれ応じて前記基準1次元ルックアップテーブルの入力値を調整することによって、前記複数の候補1次元ルックアップテーブルを作成する工程と、
を含むものとしてもよい。
【0037】
この構成によれば、候補1次元ルックアップテーブル異なる明度特性を有するテーブルを容易に作成することができる。
【0038】
前記モノクローム見本画像は、印刷対象となる画像の縮小画像であるものとしてもよい。
【0039】
この構成によれば、印刷しようとしている画像自体に種々の色調を付与した見本が縮小して再生されるので、好ましい色調をより容易に選択することが可能である。
【0040】
前記工程(c)における前記カタログ画像の再生は、前記カタログ画像を印刷媒体上に印刷することによって実現されるものとしてもよい。
【0041】
この構成によれば、印刷時の色調をより正確に認識することができる。
【0042】
前記カタログ画像内の前記複数のモノクローム見本画像の配列は、各モノクローム見本画像における3つの有彩1次色の色調の強さが前記カタログ画像内における各モノクローム見本画像の位置から視覚的に認識できるように、前記3つの有彩1次色の色調の強さを示す互いに異なる3つの方向を含む2次元的な配列に設定されているものとしてもよい。
【0043】
この構成によれば、見本画像の2次元的な配列から、各見本画像の色調がどの色相に沿っているのかを容易に認識することができる。
【0044】
この発明による第2の方法は、(a)グレー画像を得るステップと、(b)前記グレー画像に対して異なる複数の色相を付与した複数のモノクローム画像を纏めて印刷するステップとを備える。
【0045】
この方法によれば、同一のグレー画像に基づいて異なる色相が付与されたモノクローム画像を纏めて印刷させ、視認することが容易であるので、所望の色相を設定する行為を補助することができる。
【0046】
前記ステップ(a)は(a−1)カラー画像から明度を抽出するステップを含むものとしてもよい。
【0047】
この構成によれば、原画がカラー画像であっても、一旦グレー画像に変換されるので、色相が改めて付与されたモノクローム画像を得ることができる。
【0048】
前記ステップ(b)は前記グレー画像の明度の階調値に基づいて、少なくとも一つの有彩色インクの使用量を前記複数の色相毎に求めるステップを含むものとしてもよい。
【0049】
この構成によれば、有彩色インクの使用量はグレー画像の明度の階調値と、モノクローム画像を得るためにグレー画像に付与すべき色相とに基づいて求められる。よってグレー画像の明度に基づいて有彩色インクの使用量を決定する場合に、計算が簡易でありよって迅速な処理が可能である。
【0050】
この色調設定補助方法は、さらに、明度の階調値と、所定の明度を有する少なくとも一つの無彩色インクの使用量とを関係づけるテーブルに基づいて、前記グレー画像に対応した前記無彩色インクの使用量を前記モノクローム画像毎に求めるステップを含むものとしてもよい。
【0051】
この構成によれば、無彩色インクの使用量を求めるテーブルは、明度という一変数によって、少なくとも一つの無彩色インクの使用量を決定する。よってグレー画像の明度に基づいて無彩色インクの使用量を決定する場合に、計算が簡易でありよって迅速な処理が可能である。
【0052】
前記テーブルは、前記明度の階調値と前記有彩色インクの前記使用量とをも関係づけ、前記テーブルにおいて前記明度の階調値と関係づけられた前記有彩色インクの使用量に所定の係数を乗じることにより、前記有彩色インクの使用量を前記複数の色相毎に求めるものとしてもよい。
【0053】
この構成によれば、設定された複数の色相に対応した有彩色インクの使用量を容易に求めることができる。
【0054】
前記所定の係数は、前記複数の色相に対応した前記有彩色インクの使用量の最大値を、前記テーブルにおいて前記明度の階調値と関係づけられた前記有彩色インクの使用量の最大値で除した値であり、前記複数の色相に対応した前記有彩色インクの使用量の最大値は、所定の範囲及び所定の間隔で複数設定されるものとしてもよい。
【0055】
この構成によっても、設定された複数の色相に対応した有彩色インクの使用量を容易に求めることができる。
【0056】
また、前記ステップ(b)は繰り返して実行され、第N回目(Nは2以上の整数)の前記ステップ(b)の前記所定の範囲及び前記所定の間隔は、それぞれ前記第N−1回目の前記ステップ(b)の前記所定の範囲及び前記所定の間隔よりも狭いものとしてもよい。
【0057】
この構成によれば、より詳細に色相を設定することができる。
【0058】
この方法は、(c)前記ステップ(b)において前記複数の色相毎に求められた前記有彩色インクの使用量を、前記複数の色相の少なくとも二つに亘って平均して、新たに有彩色インクの使用量を求めるステップを更に備えるものとしてもよい。
【0059】
この構成によれば、ステップ(b)において纏めて印刷された複数のモノクローム画像において所望の色相のモノクローム画像が存在しない場合、所望の色相に近い色相のモノクローム画像を少なくとも二つ選択する。これらのモノクローム画像を印刷するための有彩色インクの使用量の平均を採ることにより、所望の色相により近いモノクローム画像を得るための有彩色インクの使用量を簡易に求めることができる。
【0060】
この発明による第3の方法は、(a)グレー画像を得るステップと、(b)前記グレー画像に対して、所定の色相が付与され、階調特性が異なる複数のモノクローム画像を纏めて印刷するステップとを備える。
【0061】
この方法によれば、同一のグレー画像に基づいて階調特性が異なるモノクローム画像を纏めて印刷させ、視認することが容易であるので、所望の階調特性を設定する行為を補助することができる。
【0062】
この第2の色調設定補助方法において、前記ステップ(a)は(a−1)カラー画像から明度を抽出するステップを含むものとしてもよい。
【0063】
この構成によれば、原画がカラー画像であっても、一旦グレー画像に変換されるので、色相が改めて付与されたモノクローム画像を得ることができる。
【0064】
前記ステップ(b)は前記グレー画像の明度の階調値に基づいて、少なくとも一つの有彩色インクの使用量と、少なくとも一つの無彩色インクの使用量とを前記階調特性毎に求めるステップを含むものとしてもよい。
【0065】
この構成によれば、階調特性の異なる複数のモノクローム画像に対応した各インクの使用量を求めることができる。
【0066】
この色調設定補助方法において、明度の階調値と、前記有彩色インクの前記使用量と、前記無彩色インクの前記使用量とを関係づけるテーブルに基づいて、前記階調特性毎に前記有彩色インクの前記使用量と、前記無彩色インクの前記使用量とが求められるものとしてもよい。
【0067】
この構成によれば、階調特性の異なる複数のモノクローム画像に対応した各インクの使用量を求めることができる。
【0068】
この色調設定補助方法は、(c)前記階調特性の少なくとも二つに亘って平均して得られた平均値と、前記テーブルにおいて前記明度の階調値と関係づけられた前記有彩色インク及び無彩色インクの使用量に基づいて、新たに前記有彩色インク及び前記無彩色インクの使用量を求めるステップを更に備えるものとしてもよい。
【0069】
この構成によれば、ステップ(b)において纏めて印刷された複数のモノクローム画像において所望の階調特性のモノクローム画像が存在しない場合、所望の階調特性に近いモノクローム画像を少なくとも二つ選択する。これらのモノクローム画像を印刷するための階調特性の平均を採ることにより、所望の明度分布により近いモノクローム画像を得るための有彩色インクの使用量を簡易に求めることができる。
【0070】
この色調設定補助方法は、(c)前記モノクローム画像に対応した前記有彩色インクの使用量及び前記無彩色インクの使用量に基づいて、デバイスに依存しない色空間の座標を求めるステップと、(d)前記ステップ(c)で求められた前記座標に基づいて、前記モノクローム画像を表示するに対応したRGB信号を求めるステップとを更に備えるものとしてもよい。
【0071】
この構成によれば、印刷で得られるモノクローム画像を、画面上で視認することができる。
【0072】
前記有彩色インクの前記使用量は、前記無彩色インクの前記使用量の総和によって制限されるものとしてもよい。
【0073】
この構成によれば、多量のインクが集中して付着することに起因する、色相の再現性の悪化を防止できる。
【0074】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、色調設定方法および装置、色調設定補助方法および装置、印刷制御方法および装置、印刷方法および装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【0075】
【発明の実施の形態】
以下では、発明の実施の形態を次の順序で説明する。
A.第1の実施形態.
B.第2の実施形態.
C.第3の実施形態.
D.第4の実施形態.
E.第5の実施形態.
F.第6の実施形態.
G.変形例.
【0076】
A.第1の実施の形態.
本実施の形態においては、同一のグレー画像に対して複数の色相(hue)または色調(tint)を付与して得られるモノクローム画像を纏めて印刷する(以下、かかる印刷によって得られた印刷物を「カタログプリント」または「カタログ画像」と称す)。そして操作者がカタログプリントを見て、所望の色調を選択し、選択された色調をグレー画像に付加して改めてモノクローム画像の印刷を行う。
【0077】
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる、カラープリンタを用いてモノクローム画像を印刷する技術を概念的に示すブロック図である。図22に示された構成と比較して、色変換テーブル41eの構成と、色変換モジュール41bの機能とが特徴的に異なっている。色変換モジュール41bは、カタログプリントを印刷または表示するためのカタログ画像再生部50と、モノクローム画像印刷用の1次元ルックアップテーブルを生成するための1次元ルックアップテーブル生成部52とを有している。色変換モジュール41bの機能の詳細については後述する。
【0078】
色変換モジュール41bにおいて複数の色調が付加される対象となるグレー画像は、例えばスキャナ20において読み込んだ画像がグレー画像である場合には当該画像をそのまま用いてもよいし、スキャナ20において読み込んだ画像がカラー画像であっても、アプリケーションプログラム40によるフォトレタッチによってグレー画像に変換することができる。原画がカラー画像であっても、一旦グレー画像に変換されるので、後に色調が改めて付与されたモノクローム画像を得ることができる。
【0079】
色変換テーブル41eは、カラー画像印刷用の3次元ルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)411と、モノクローム画像印刷用の1次元ルックアップテーブル412、413とを有している。
【0080】
図2は、第1の実施形態においてモノクローム画像の印刷を行う全体手順を示すフローチャートである。また、図3は、全体の処理の流れを示す説明図である。図2のステップT1では、アプリケーションプログラム40によって印刷対象となるグレー画像データ(図3(A))が生成される。なお、アプリケーションプログラム40の代わりに、プリンタドライバ41内の図示しないグレー画像生成部がこの処理を実行するようにしてもよい。ステップT2〜T4では、色変換モジュール41bの1次元LUT生成部52によって、基準1次元ルックアップテーブル412(図3(B))から、複数の色調設定用1次元ルックアップテーブル413(図3(C))が生成される。
【0081】
図4は、基準1次元LUT412の内容を拡大して示すグラフである。第1実施形態における基準1次元LUT412は、ニュートラル調のグレー画像を印刷する場合に使用されるLUTである。横軸にはグレー画像の明度の階調値(以下「グレー階調値」または「明度階調値」と称する)Qを、縦軸には各インクの使用量を、それぞれ採っている。なお、グレー階調値Qは、大きい値を採るほど明度が高い。なお、基準1次元LUT412としては、グレー階調値Qと少なくとも一つの無彩色インクの使用量との関係を記憶したものや、グレー階調値Qと少なくとも一つの有彩色インクの使用量との関係を記憶したものが使用可能である。
【0082】
ここでは無彩色インクとして明度の異なる三種のインクを採用しており、それぞれ明度の低い方から順に使用量K1,K2,K3で表している。また、有彩色インクとしてシアン、マゼンタ、イエローの三色を採用しており、それぞれ使用量C,M,Yで表している。グレー階調値Qに対応して、基準1次元ルックアップテーブル412に記憶されたインクの使用量K1,K2,K3,C,M,Yを用いれば、ニュートラル調の画像を印刷することができる。なお、「1次元LUT」という名称は、入力が1次元(グレー階調値のみ)であることを意味している。1次元LUTの出力は、モノクローム印刷に使用される複数種類のインクの使用量を表す複数の値となる。
【0083】
1次元LUT生成部52(図1)は、基準1次元LUT412から、互いに異なる色調を有する色調設定用1次元LUT群413を生成する。なお、「色調(tint)」とは、「色相(hue)」と「彩度(saturation)」の組合せを意味している。これらの色調設定用1次元LUT群413は、互いに色再現特性が異なるものであると考えることもできる。図3(C)に示す色調設定用1次元LUT群413の各LUTは、無彩色インクの使用量K1,K2,K3が基準1次色LUT412と同一であり、有彩色インクの使用量C’,M’,Y’の少なくとも1つが基準1次色LUT412と異なっている。換言すれば、色調設定用1次元LUT群413は、基準1次元LUT412における各有彩色インクの使用量C,M,Yを調整することによって生成される。この調整に使用する調整値(「変動量」とも呼ぶ)Cv,Mv,Yvの設定については後述する。
【0084】
なお、モノクローム画像の色調を実際に設定する際に色調設定用1次元LUT群413を作成する代わりに、予め色調設定用1次元LUT群413を作成しておき、メモリ(例えばハードディスク)内に格納しておくようにしてもよい。
【0085】
図2のステップT3では、カタログ画像再生部50(図1)が、基準1次元LUT412と色調設定用1次元LUT群413とを使用して、カタログプリント(図3(D))をプリンタ30に印刷させる。このカタログプリントは、印刷媒体上に複数のモノクローム見本画像が配列されたものである。この例では、モノクローム見本画像は印刷対象画像の縮小画像であり、1つのモノクローム見本画像が1つの1次元LUTを用いて再現される。従って、例えば1つの基準1次元LUT412と8つの色調設定用1次元LUT413を使用すると、9つのモノクローム見本画像が生成される。なお、モノクローム見本画像の生成に使用される1次元LUT412,413を「候補1次元LUT」とも呼ぶ。なお、基準1次元LUTを使用せずに複数の色調設定用1次元LUT413のみを用いてモノクローム見本画像を生成してもよい。後者の場合には、色調設定用1次元LUT413のみが候補1次元LUTとなる。
【0086】
カタログプリントは、1枚の印刷媒体上にすべてのモノクローム見本画像を配列したものが好ましいが、モノクローム見本画像の数が多い場合には複数枚の印刷媒体上に配列してもよい。また、モノクローム見本画像としては、印刷対象の縮小画像の代わりに、所定の標準画像を用いてもよい。
【0087】
図2のステップT4では、操作者(ユーザ)が、カタログプリントの中から好ましい色調のモノクローム見本画像を選択し、キーボードやマウスを用いてコンピュータ10に選択結果を入力する。ステップT5では、選択された色調でモノクローム画像を印刷する。この際、色変換モジュール41bは、選択された色調の再現に用いられていた1次元LUTを用いて、印刷対象のグレー画像の画像データを複数種類のインクの使用量に変換する。そして、ハーフトーンモジュール41cとラスタライザ41dとによって、プリンタ30に供給する印刷データDT1が生成される。なお、1回のカタログプリントで満足のいく色調が得られていない場合には、ステップT4からステップT2に戻り、新たな色調設定用1次元LUT群を作成する。そして、モノクローム画像の印刷に適した色調(すなわちモノクローム見本画像)が選択されるまで、ステップT2〜T4が繰り返し実行される。
【0088】
図5は色変換モジュール41bの、本実施の形態における特徴的な色変換工程を示すフローチャートであり、図2のステップT2〜T5の詳細を示している。図5のステップS10〜S11は図2のステップT2に対応し、また、ステップS12はステップT3に、ステップS12はステップT3に、ステップS13〜S17はステップT4に、ステップS15はステップT5にそれぞれ対応する。ステップS10においては、有彩色インクの調整値(「変動量」とも呼ぶ)Cv,Mv,Yvが設定される。ここで「インクの調整値」とは、色調設定用1次元LUT413におけるインクの使用量の最大値に相当する。図4に示した基準1次元LUT412では、3種類の有彩色インクの使用量の最大値はCmax,Mmax,Ymaxである。例えば、シアンインクの調整値がCvに設定されると、各グレー階調値Qに対するシアンインクの使用量Cがそれぞれ(Cv/Cmax)倍され、その最大値はCvとなる(実際の処理は後述するステップS11で実行される)。
【0089】
有彩色インクの調整値Cv,Mv,Yvとしては、それぞれ複数の値が設定される。この際まず、インクの調整値Cv,Mv,Yvが取り得る所定の範囲(以下「調整値範囲」または「変動幅」と称す)をそれぞれ設定する。例えばシアン、マゼンタ、イエローについて調整値範囲それぞれ0〜C、0〜M、0〜Yと設定される。より具体的には、各有彩色インクの調整値範囲は例えば0%〜20%(すなわち10%±10%)に設定される。ここで、「100%」は、1種類のインクでべた打ちするときのインク使用量に相当する。そして、各インクの調整値Cv,Mv,Yvが、この調整値範囲の中において、それぞれ所定の間隔Δc、Δm、Δy(以下「刻み幅」または単に「差分」ともいう)を有する複数の値に設定されるする。例えば、シアンインクの調整値Cvは、0,Δc,2Δc,…NΔcの(N+1)個の値に設定される。ここで、NΔcは、調整値範囲の最大値に等しい。他のインクも同様である。なお、3つの有彩1次色インクの調整値Cv,Mv,Yvとしては、共通の同じ値を使用してもよい。具体的には、調整値Cv,Mv,Yvとして、例えば0%〜20%まで4%の間隔でそれぞれ6個の値を設定するようにしてもよい。これらのインクの調整値Cv,Mv,Yvは、後述するステップS11において、色調設定用1次元ルックアップ群413を作成する際に使用される。
【0090】
なお、有彩色インクの調整値Cv,Mv,Yvは、印刷メディアについてのインク使用量の制限内で設定される。印刷メディアは例えば紙、布であり、一般に、有彩色、無彩色を問わず、多量のインクが集中して付着すると、色再現性が悪化したり滲みが発生したりして、画質が劣化する傾向がある。そこでステップS10では、有彩色インクの使用量と無彩色インクの使用量との総和が一定の制限値以下となることを条件としつつ、有彩色インクの調整値Cv,Mv,Yvを設定することが好ましい。これにより多量のインクが集中して付着することに起因する画質の悪化を防止できる。
【0091】
例えば図4に則していえば、総使用量Tは、明度の異なる三種の黒インクの使用量K1,K2,K3と、三色の有彩色インクの使用量C,M,Yとの総和である。例えばグレー階調値Qが0の場合には、三色の有彩色インクの使用量C,M,Y、黒インクの使用量K2,K3のいずれも0であるので、総使用量Tは最も明度の低い黒インクの使用量K1と同じ値となる。また総使用量Tはインク使用量K2がピークを採るグレー階調値Qの近傍で最大値Xxを採る。
【0092】
色調設定用1次元LUT413を基準1次元LUT412から作成する際には、無彩色インクの使用量K1,K2,K3を変更せずに維持することができる。この場合には有彩色インクの使用量のみが色調に応じて異なる。そして、色調に応じて総使用量Tの最大値Xxも異なることになる。従って、カタログプリントの画質を過度に劣化させないようにするためには、有彩色インクの使用量の変動範囲が印刷メディアについてのインク使用量の制限を受けることになる。
【0093】
例えばシアン、マゼンタ、イエローの調整値範囲をそれぞれ0〜C、0〜M、0〜Yと設定する場合を考える。総使用量の最大値(K1+K2+K3+C+M+Y)が印刷メディアについてのインク使用量の制限未満である限り、シアン、マゼンタ、イエローの調整値Cv,Mv,Yvを相互に独立して設定することができる。
【0094】
印刷メディアについてのインク使用量の制限は、総使用量Tの最大値を制限値Xx以下とする設定以外にも、単独で、あるいは複数が併存して、設定することができる。例えば黒インクの使用量K1,K2,K3の各々の使用量の最大値の制限、黒インクの使用量K1,K2,K3の内の二つの和についての制限を用いてもよい。
【0095】
インク使用量の制限は、印刷メディアの種類毎に個別に設定されるので、基準1次元ルックアップテーブル412は印刷メディア毎に記憶されていることが好ましい。以下では簡単のために、ある一つの印刷メディアについてのインク使用量の制限の下で説明を続ける。
【0096】
図5のステップS11では、1次元LUT作成部52(図1)が、複数の色調に対応する複数の色調設定用1次元ルックアップテーブル413を作成する。この際、同一のグレー画像に対して複数の異なる色調を付与した複数のモノクローム画像を得るために、基準1次元LUT412における有彩色インクの使用量C,M,Yの一部または全部を変化させることによって複数の色調設定用1次元LUT413が生成される。
【0097】
シアンインクの使用量を変化させる場合について具体例を説明する。まず、グレー画像を印刷するためのシアンインクの使用量Cが基準1次元LUT412から読み出され、その最大値Cmaxが求められる。シアンインクの調整値Cv(0≦Cv≦C)が与えられたとき、新たなシアンインクの使用量は(Cv/Cmax)・Cで求められる。つまりシアンインクの調整値Cvは、新たなシアンの使用量の最大値となる。係数(Cv/Cmax)は、シアンインクの調整値Cvを、基準1次元LUT412におけるシアンインクの使用量Cの最大値Cmaxで除した値である。上述のように、調整値Cvとしては、所定の範囲0〜C及び所定の間隔Δcで複数の値が設定される。
【0098】
同様にして、他の有彩色インクについても、インクの調整値Mv,Yvに応じて新たなインク使用量が計算され、色調設定用1次元LUT413が作成される。なお、色調設定用1次元LUT413は、各有彩インクの調整値Cv,Mv,Yvのすべての組合せに対して作成されることが好ましい。例えば、各有彩色インクの調整値Cv,Mv,Yvがそれぞれ(N+1)個の値に設定された場合には、(N+1)の3乗個の色調設定用LUT413が作成されることが好ましい。これらの色調設定用LUT413は、それぞれ異なる色調を有するモノトーン画像を再現するために使用できる。
【0099】
以上のように、色調設定用1次元LUT群413は、互いに異なる色調を再現するために、グレー階調値Qを無彩色インクと有彩色インクの使用量に関係づけたテーブル群である。換言すれば、各色調設定用1次元LUT413は、明度を表すグレー階調値Qという一変数によって、無彩色インクの使用量を決定し、また、明度を表すグレー階調値Qと、モノクローム画像を得るためにグレー画像に付与すべき色調とに基づいて有彩色インクの使用量を決定する。よってグレー画像の明度に基づいて無彩色インクや有彩色インクの使用量を決定する場合に、このような1次元LUT413を使用すれば、計算が簡易でありよって迅速な処理が可能である。
【0100】
このようにして複数の色調について得られた色調整用1次元LUT群413と基準1次元LUT412とを用いて、ステップS12では複数のモノクローム見本画像が印刷される。より具体的には、色変換モジュール41b(図1)が、印刷対象画像のグレー画像データを各1次元LUTでインク使用量に変換し、ハーフトーンモジュール41cとラスタライザ41dとがそれぞれの処理を実行することによって、それぞれの色調が付与された印刷データDT1を生成する。そして、カラープリンタ30がこの印刷データDT1に基づいて複数のモノクローム見本画像が配列されたカタログプリント(図3(D))を印刷する。
【0101】
図6は、複数のモノクローム見本画像が纏めて印刷されたカタログプリントの配列を模式的に例示する図である。ここでは25種のモノクローム見本画像ξ(p=1,2,…,25)が纏めて印刷された場合が例示されている。なお、ここでは図示の便宜上、見本画像の絵柄は省略しており、各見本画像の位置を示す符号のみが描かれている。
【0102】
操作者は、カタログプリントとして印刷された複数種のモノクローム見本画像から、所望の色調を選択する。例えば22番目のモノクローム見本画像ξ22の色調が望ましいものである場合には、このモノクローム見本画像ξ22をコンピュータ10に指定する処理を行う。この指定を容易にするために、印刷されたモノクローム見本画像の各々に(例えばその隣接位置に)、モノクローム見本画像を相互に区別した識別番号を印刷しておくことが好ましい。そして操作者が選択したモノクローム見本画像に対応する識別番号をコンピュータ10へと入力することで、操作者が選択したモノクローム見本画像をξ22をコンピュータ10に認識させることができる。
【0103】
あるいは、図6に示されたカタログプリントと同じ配列を有するカタログ画像をCRT22に表示し、所望のモノクローム見本画像を画面上で選択(例えば画面上に示されるポインタを選択した画像上に位置させる等)してもよい。これにより、印刷で得られるモノクローム見本画像を、CRT22上で視認することができる。CRT22においてそのような表示を行うためには、インクの使用量に基づいてRGB信号を求めることになるが、この技術については後に詳述する。
【0104】
以上のようにステップS12において、同一のグレー画像に基づいて異なる色調が付与されたモノクローム見本画像を纏めた画像データを生成し、これに基づいて印刷されたカタログプリントを作成すれば、各見本画像を視認することが容易である。従って、所望の色調を設定する行為を補助することができる。
【0105】
その後、ステップS13に処理が進み、選択されたモノクローム見本画像に対応する1次元LUT413における各有彩色インクの使用量の最大値(以下「有彩色インクの最大値」という)Cv,Mv,Yvをメモリに記憶する。これらの最大値Cv,Mv,Yvは、選択されたモノクローム見本画像を作成するために使用された1次元LUTを作成する際に設定された有彩色インクの調整値である。ステップS13は、後に実行される可能性のあるステップS16,S17のための前準備である。従って、ステップS16,S17を経由した繰り返し処理を行わないように全体の処理手順が構成されている場合には、ステップS13は不要である。
【0106】
そしてステップS14に進み、色調の更なる微調整が要求されたか否かが判断される。図6に示された例を用いて説明すれば、選択したモノクローム見本画像ξ22が所望の色調を有するものとして操作者に満足される場合には、色調の更なる微調整を要求しない旨をコンピュータ10に入力する。この場合には処理がステップS15に進み、選択されたモノクローム見本画像ξ22に対応する1次元LUT413を用いて印刷を行う。これにより、所望の色調が付加されたモノクローム画像が印刷される。
【0107】
しかしながら、選択したモノクローム見本画像ξ22が所望の色調として操作者に満足されない場合には、より細かな色調の調整を行うべく、コンピュータ10に対して色調の更なる微調整を要求する旨を入力する。この場合には処理がステップS16に進み、選択されたモノクローム見本画像ξ22及びこれに近い複数種の色調が付与された複数のモノクローム見本画像を印刷する準備を行う。
【0108】
ステップS16では有彩色インクの調整値Cv,Mv,Yvが変化する範囲と調整値の間隔とが再設定される。ここでは、ステップS12で示された複数種のモノクローム見本画像よりも色調の相違が細かい複数種のモノクローム見本画像を印刷するため、調整値範囲は、ステップS10で設定された前回の調整値範囲よりも小さく設定される。また、調整値同士の間隔も、前回よりも小さな値に設定される。具体的には、例えばステップS14で記憶されたシアンの使用量の最大値Xcが8%であるときに、新たな調整値範囲は、8%を中心として、前回の調整値範囲である10%±10%よりも小さな範囲である8%±3%(すなわち5%〜11%)に設定される。また、調整値同士の間隔は、前回の間隔である4%よりも小さな1.5%に設定される。
【0109】
次にステップS17に処理が進み、ステップS14で記憶された有彩色インクの最大値と、ステップS16で設定された調整値範囲とに基づいて、有彩色インクの調整値Cv,Mv,Yvを再設定する。すなわち、ステップS14で記憶された有彩色インクの最大値の近傍で、ステップS16で設定された調整値範囲内で有彩色インクの複数の調整値Cv,Mv,Yvを設定する。
【0110】
具体的には例えば、ステップS14で記憶されたシアンの使用量の最大値をXcとし、ステップS16で設定された調整値範囲を0.04Xc(すなわちXc±0.02Xc)とし、間隔を0.01Xcとすれば、シアンの調整値Cvは、0.98Xc,0.99Xc,Xc,1.01Xc,1.02Xcの5つの値に設定される。他の有彩色インクについても同様である。他の具体例では、調整値範囲が8%±3%に設定され、間隔が1.5%に設定された場合に、各調整値Cv,Mv,Yvは、5%,6.5%,8%,9.5%,11%の5つの値にそれぞれ設定される。
【0111】
そしてステップS11に処理が戻り、色調設定用1次元LUT群413が更新される。この際、新たに設定される有彩色インクの使用量の最大値が、ステップS17で設定された有彩色インクの調整値Cv,Mv,Yvとなるように、基準1次元LUT412に記憶された有彩色インクの使用量C,M,Yに対して比例計数Cv/Cmax,Mv/Mmax,Yv/Ymaxをそれぞれ乗じる。例えばシアンの調整値Cvが0.98Xcである場合には、(0.98Xc/Cmax)・Cを、新たな色調設定用1次元LUTのシアンインクの使用量とする。他の有彩色インクについても同様である。
【0112】
その後、ステップS12〜S14において既述の処理が再度行われる。図7はステップS12が2回目に行われた場合に、カタログプリントとして印刷された複数種のモノクローム見本画像を例示する図である。ここでは25種のモノクローム見本画像ηが纏めて印刷された場合が例示されている。例えば中央のモノクローム見本画像η13は、ステップS12が1回目に行われた場合に選択されたモノクローム見本画像ξ22と同一である。
【0113】
このようにグレー画像に対して異なる複数の色調を付与した複数のモノクローム見本画像を纏めて印刷するステップを繰り返して実行し、有彩色インクの調整値Cv,Mv,Yvの範囲及び間隔を、第N回目(Nは2以上の整数)では第N−1回目よりも小さくすることで、より詳細に色調を設定することができる。
【0114】
なお、ステップS13はステップS17の前準備であるので、ステップS12の処理が終了後は直接にステップS14へと進み、ステップS14において色相の異なる微調整が要求されたと判断された場合に、ステップS16の前にステップS13を実行してもよい。
【0115】
図6及び図7では複数種のモノクローム見本画像を印刷する位置については特に規定していなかったが、これらの位置を、有彩色インクの使用量と関連づけて配置することにより、操作者にとって所望の色相を選択し易くさせることもできる。
【0116】
図8はステップS12において一纏めに印刷される複数種のモノクローム見本画像を例示する図である。シアン、マゼンタ、イエローのそれぞれの調整値Cv,Mv,Yvは4種類の値に設定されており、4×4×4=64種のモノクローム見本画像ψijk(i,j,kはいずれも1,2,3,4のいずれか一つ)が得られている場合が例示されている。複数種のモノクローム見本画像は16種毎に4つに区分される。区分された各々においてイエローのインク調整値Yvは等しく、異なる区分ではイエローのインク調整値Yvは異なる。Yv=level kとの表示はイエローのインク調整値(すなわち最大使用量)を示し、例えば値kが大きいほど、イエローの使用量が多い。
【0117】
またいずれの区分内でも図中で右に向かうほどシアンのインク使用量が増加した色調の見本が配置されており、また、図中で下に向かうほどマゼンタのインク使用量が増加した色調の見本が配置されている。モノクローム見本画像ψijkは、その記号の添字i,j,kの値が大きいほど、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンの各インクの使用量が大きい。
【0118】
図8のようにモノクローム画像が配置されたカタログプリントを得ることにより、操作者にとって所望の色調が選択し易くなる。
【0119】
図9は、カタログプリントにおけるモノクローム見本画像の他の配列を示す説明図である。図9(A)に示すカタログプリントでは、印刷媒体PMに仮想的な3つの方向Dy,Dm,Dcが設定されている。これらの方向Dy,Dm,Dcは、イエローとシアンとマゼンタの3つの有彩1次色の色調の強さを示す軸である。すなわち、これらの方向の外側に行くほど、その色相の彩度が高くなることを意味している。なお、3つの有彩1次色の色調の強さを示す方向Dy,Dm,Dcを、実際にカタログプリント内に描くようにしてもよい。
【0120】
上述した図5の手順において初めてカタログプリントが印刷される際には、図9(A)の中央に配置される見本画像はニュートラル調(無彩色)である。また、2番目のカタログプリントでは、図9(A)の中央に操作者によって選択された色調が付された見本画像が配置される。いずれの場合にも、図9(A)の上方に行くに従ってイエローの色調が強くなる。同様に、図9(A)の左下方向に行くに従ってマゼンタの色調が強くなり、右下方向に行くに従ってマゼンタの色調が強くなる。また、図9(B)に示すように、3つの方向Dy,Dm,Dcの反対側の方向Db,Dg,Drでは、それぞれの補色の色調が強くなる。
【0121】
図9(A)のカタログプリントでは、各モノクローム見本画像における3つの有彩1次色の色調の強さがカタログプリント内の各見本画像の位置から視覚的に認識できる。このように、見本画像が2次元的な配列に設定されていれば、操作者が各見本画像の色調をより正確に把握することができるので、色調の選択がより容易になるという利点がある。
【0122】
図10は、図9(A)のカタログプリントの変形例である。このカタログプリントでは、見本画像が同心円状に配置されており、色調の強さをより忠実に反映した位置に各見本画像が配置されている。このカタログプリントにおいても、各モノクローム見本画像における3つの有彩1次色の色調の強さが、カタログプリント内の各見本画像の位置から視覚的に認識できるので、操作者による色調の選択がより容易になる。
【0123】
B.第2の実施の形態.
図11は色変換モジュール41bの、第2の実施の形態における特徴的な色変換工程の一部を示すフローチャートである。図5に示されたフローチャートにおいてステップS12とステップS13との間に挿入されるステップS91,S92,S93が示されている。
【0124】
ステップS12において複数のモノクローム見本画像が印刷された後、操作者は所望の色調を選択する。この際、単数のモノクローム見本画像を選択し、その旨をコンピュータ10に入力した場合には、処理はステップS13へと進み、第1の実施の形態において説明された処理が続行される。
【0125】
一方、所望の色調がカタログプリントの中で見つからない場合いは、操作者は複数のモノクローム見本画像を選択し、その旨をコンピュータ10に入力することができる。この場合には処理がステップS91へと進む。
【0126】
ステップS92では、選択された複数のモノクローム見本画像に対応する複数の色調設定用1次元LUT413のそれぞれについて、有彩色インクの調整値Cvの平均値を求める。そして有彩色のインクの調整値の平均値を用いて、新たな色調設定用1次元LUT群413を作成する。この第2の実施の形態では、無彩色インクの使用量は、モノクローム画像を得るためにグレー画像に付加された色調には依存しないので、無彩色インクについての平均値の計算は不要であり、1次元LUT412,413のいずれかの無彩色インクの使用量をそのまま用いることができる。
【0127】
ステップS93において、ステップS92で作成された新たな複数の色調設定用1次元LUT413を用いて、モノクローム見本画像を印刷する。
【0128】
このように第2の実施の形態では、操作者が少なくとも二つのモノクローム見本画像を選択することができ、選択された複数のモノクローム見本画像についての有彩色インクの調整値の平均値が採用されて、改めてモノクローム見本画像が印刷される。よってカタログプリント中に所望の色調がなくても、これに近い色調の複数のモノクローム見本画像を選択することにより、所望の色調に近いモノクローム画像を印刷することができる。
【0129】
C.第3の実施の形態.
第3実施形態では、基準1次元LUT412として、ニュートラル調以外の特定の色調のモノクローム画像を再現するためのテーブルを利用する。図12はニュートラル調のモノクローム画像であるグレー画像を得るために用いられる各インクの使用量をグレー階調値Qに対して示すグラフであり、同じ関係を示す図4よりも正確に示されている。
【0130】
有彩色インクの使用量C,M,Yはいずれもグレー階調値Qが値q1を採る場合にそれぞれ最大値Xm,Xc,Xyを採り、グレー階調値Qが最小値0及び最大値255を採る場合に全て0となる。このニュートラル調の例では、Xy<Xc<Xmの関係にある。
【0131】
インクの使用量K1,K2,K3はそれぞれグレー階調値Qが値0,q2,q3を採る場合にそれぞれ最大値X1,X2,X3を採る。インクの使用量K1はグレー階調値Qが値0から値q2へと遷移するに従って最大値X1から最小値0へとほぼ単調に減少する。インクの使用量K2はグレー階調値Qが値0から値q2へと遷移するに従ってほぼ単調に増加する。またインクの使用量K2はグレー階調値Qが値q2から値q3へと遷移するに従ってほぼ単調に減少し、グレー階調値Qが値q3を採る場合にほぼ0となる。インクの使用量K3はグレー階調値Qが値q2から値q3へと遷移するに従って最小値0から最大値X3へとほぼ単調に増加し、グレー階調値Qが値q3から最大値255へと遷移するに従って最大値X3から最小値0へとほぼ単調に増加する。
【0132】
図13はウォーム調のモノクローム画像を得るために用いられる各インクの使用量をグレー階調値Qに対して示すグラフである。インクの使用量K1,K2,K3はニュートラル調と同じである。またニュートラル調と同様に、有彩色インクの使用量C,M,Yはいずれもグレー階調値Qが値q1を採る場合にそれぞれ最大値Xm,Xc,Xyを採り、グレー階調値Qが最小値0及び最大値255を採る場合に全て0となる。このウォーム調においても、ニュートラル調と同様にXy<Xc<Xmの関係にあるが、個々の値Xm,Xc,Xyはニュートラル調とは異なっている。
【0133】
図14はクール調のモノクローム画像を得るために用いられる各インクの使用量をグレー階調値Qに対して示すグラフである。インクの使用量K1,K2,K3はニュートラル調と同じである。またニュートラル調と同様に、有彩色インクの使用量C,M,Yはいずれもグレー階調値Qが値q1を採る場合にそれぞれ最大値Xm,Xc,Xyを採り、グレー階調値Qが最小値0及び最大値255を採る場合に全て0となる。なお、クール調ではXy<Xm<Xcの関係にある。
【0134】
図15はセピア調のモノクローム画像を得るために用いられる各インクの使用量をグレー階調値Qに対して示すグラフである。インクの使用量K1,K2,K3はニュートラル調と同じである。またニュートラル調と同様に、有彩色インクの使用量C,M,Yはいずれもグレー階調値Qが値q1を採る場合にそれぞれ最大値Xm,Xc,Xyを採り、グレー階調値Qが最小値0及び最大値255を採る場合に全て0となる。但しセピア調ではXc<Xy<Xmの関係にある。
【0135】
グレー画像以外にも、このように良く知られた色調を基準色調として、種々の色調を付加したモノクローム見本画像についてカタログプリントを得てもよい。具体的には基準1次元LUT412にはニュートラル調のモノクローム画像(グレー画像)を得るためのインクの使用量ではなく、ウォーム調、クール調、セピア調等、良く知られた色調を得るためのインクの使用量を記憶していればよい。
【0136】
もちろん、基準色調は良く知られていることは必ずしも必要ではなく、任意の色調を基準色調として設定することができる。更には基準1次元LUT412を複数、例えばウォーム調、クール調、セピア調で用意しておき、これらのそれぞれに対して図5の各処理を行わせてもよい。
【0137】
但し、基準色調としてニュートラル調を採用すれば、他の色調に向けて変化させる場合でも有彩色インクの変化量が小さくて済むという点で望ましい。
【0138】
D.第4の実施の形態.
第4実施形態では、有彩色インクの使用量を、上述とは異なる他の方法で変動させて種々のモノクローム見本画像をカタログプリントとして印刷する。図16及び図17はいずれもクール調のモノクローム画像を得るためのインク使用量とグレー階調値Qとの関係を示すグラフであるが、両者ではγ補正で使用されるγ値が異なる。即ち図16ではγ値が1.8の場合が、図17ではγ値が2.2の場合が、それぞれ示されている。なお、γ補正はいわゆる階調補正の一種であり、γ値で表される入出力特性は階調特性の一種である。
【0139】
γ補正では、任意のグレー階調値Qにおける各インクの使用量として、基準1次元LUT412において、γ値で決まる係数(Q/Qγと関係づけられたグレー階調値Q’における各インクの使用量を採用する(但しQはグレー階調値Qの最大値:ここでは例えば255)。より具体的に言えば、色調設定用1次元LUT413のグレー階調値Qにおける各インクの使用量として、基準1次元LUT412でのグレー階調値Q’=Q×(Q/Qγにおける各インクの使用量が採用される。例えば、γ値が1.8である場合には、色調設定用1次元LUT413でのグレー階調値Q=128に対応する基準1次元LUT412でのグレー階調値Q’は74である。このとき、色調設定用1次元LUT413でのグレー階調値Q=128に対する各インクの使用量は、基準1次元LUT412においてグレー階調値Q’=74に対する値を参照することによって得られる。同様に、γ値が2.2である場合には、色調設定用LUT413でのグレー階調値Q=128に対応する各インクの使用量は、基準1次元LUT412においてグレー階調値Q’=56に対応する値を参照することによって得られる。このようなγ補正では、γの値の変化に対して各インクの使用量はその最大値及び最小値は変わらずに、インクの使用量がピークを採るグレー階調値Qの値のみが、γの増大に応じて増大する。その結果、対応するモノクローム画像の明度分布は変動することになる。この明度分布も、モノクローム画像の色調を左右する要因となる。
【0140】
この第4の実施の形態では、有彩色インクがピークを採るグレー階調値Qの値と、無彩色インクの使用量K2がピークを採るグレー階調値Qの値が一致する場合が例示されている。図16ではこれらのグレー階調値Qが値q1=q2を採っており、図17では値q1’=q2’を採っており、q1<q1’となっている。無彩色インクの使用量K3がピークを採るグレー階調値Qについても同様であり、γ値が1.8である場合(値q3)よりもγ値が2.2である場合(q3’)の方が大きい。
【0141】
このように、基準色調が決まっていれば、複数のγ値によって種々の明度分布のモノクローム画像を再現するためのインクの使用量を得ることができる。
【0142】
図18は色変換モジュール41bの、第4の実施の形態における特徴的な色変換工程を示すフローチャートである。まずステップS21において、γ値の調整値(変動量)を設定する。ここで「γ値の調整値」とは、所定の範囲内で所定の刻み幅Δγで設定された複数のγ値を指す。例えば調整値範囲として1.8〜2.2が設定され、刻み幅Δγが0.1であれば、γ値の調整値は1.8,1.9,2.0,2.1,2.2となる。
【0143】
次に処理はステップS22に進み、基準色調のモノクローム画像の各インクの使用量が基準1次元LUT412から読み出される。そしてこれとγ値の調整値とに基づいて、新たに各インクの使用量を求め、色調設定用1次元LUT413を各γ値毎に応じて作成する。図5で示されたフローチャートとは異なり、無彩色インクの使用量もγ値の影響を受けるので、無彩色インクについてもγ値に基づく計算が必要となる。こうして作成された複数の色調設定用1次元LUT413は、互いに色再現特性が異なるものである。
【0144】
そしてステップS23に進み、ステップS22で作成された1次元LUT413に基づいて、複数のモノクローム見本画像を印刷してカタログプリントを得る。より具体的には、γ値の異なる複数のモノクローム見本画像を纏めたカタログ画像の画像データDT1を生成し、カラープリンタ30が画像データDT1に基づいて複数のモノクローム見本画像を印刷する。
【0145】
以上のようにステップS23において、同一のグレー画像に基づいてγ値の異なる複数のモノクローム見本画像を纏めた画像データを生成し、これに基づいてカタログ画像を印刷する。これにより、操作者が所望のγ値を設定する行為を補助することができる。
【0146】
操作者はカタログプリント中の所望の見本画像を選択してコンピュータ10に入力する。処理はステップS91に進み、図11で示されたように選択されたモノクローム見本画像が単数か複数かが判断される。複数であれば、ステップS94に進む。
【0147】
ステップS94では、選択された複数のモノクローム見本画像から新たな明度分布を有する1次元LUTを作成する。具体的には、選択されたモノクローム見本画像に対応する複数のγ値を求め、基準1次元LUT412の各インクの使用量と、γ値の平均値とに基づいて、1次元LUT413を更新する。前述した図11の第2の実施の形態におけるステップS92のように、有彩色インクの使用量の平均値を採ることは望ましくない。この理由は、各インクの使用量のグレー階調値Qに対するピークは、γ値に依存して異なるからである。
【0148】
そしてステップS95に進み、ステップS94で得られた1次元LUT413を利用して、最終的なモノクローム画像を印刷する。
【0149】
なお、ステップS91において、選択されたモノクローム見本画像が単数であれば、ステップS91からステップS24へと処理が進む。ステップS24は図5で示されたステップS14と同じ処理であり、色調の更なる微調整が要求されたか否かが判断される。そして微調整が要求されていなければステップS25に進み、図5で示されたステップS15と同様に、選択された色調でモノクローム画像を印刷する。
【0150】
微調整が要求されていればステップS26へと処理が進み、γの調整値範囲が設定される。この調整値範囲は、既に設定されていた調整値範囲よりも狭く、例えば既に設定されていた刻み幅Δγに等しく設定される。更にステップS27に進んで、γ値の調整値が再設定される。具体的にはステップS26で設定された調整値の範囲内で、刻み幅Δγを再設定して複数のγ値を設定する。例えばステップS23で印刷されたカタログプリントからγ=1.9に対応するモノクローム見本画像が選択され、かつ微調整が要求された場合には、調整値範囲を1.85〜1.95として、刻み幅Δγを0.02とする。これによりステップS27において再設定されたγ値の調整値は1.85,1.87,1.89,1.91,1.93,1.95となる。
【0151】
ステップS27の実行後はステップS22へと処理が戻り、新たに設定されたγ値の調整値を用いて1次元ルックアップテーブル413が更新される。
【0152】
上記の印刷により、色相は同一でも明度の分布が種々異なるモノクローム画像を纏めて視認することが容易であるので、所望の明度分布を設定する行為を補助することができる。
【0153】
なお、γ値が変化しても、単にグレー階調値Qの変化に対するインクの使用量が変化するに過ぎず、インクの使用量自体は変わらない。よって印刷メディアについてのインク使用量の制限はγ値とは関係ない。よってγ値を変化させる場合であっても、印刷メディアについてのインク使用量の制限の下でカタログプリントを行うことができる。
【0154】
E,第5の実施の形態.
第5の実施形態では、カタログプリントを行わなずに、CRT22上で望ましい色調の選択を行う。図19は色変換モジュール41bの動作によってCRT22に表示される、色調設定用のユーザインタフェース画面を例示する図である。かかる画面は、色変換モジュール41bからCRTドライバソフト17を動作させてCRT22に表示される。
【0155】
このユーザインタフェース画面はボタン42〜46、操作バー47〜49、モノクローム画像表示領域50を表示している。ボタン42〜46、操作バー47〜49は画面上で操作可能な操作領域である。ここで操作領域とは、その表示されている位置若しくはその近傍に、画面上で表示されるポインタ(図示せず)を重ね、あるいは更に入力スイッチ(図示せず)をオンすることにより、それぞれに対応した処理が行われる領域を指す。
【0156】
ボタン42,43,44,45はそれぞれニュートラル調、ウォーム調、クール調、セピア調をそれぞれ基準として色調を変化させたモノクローム画像を得るための操作領域である。またボタン46は色調を決定するための操作領域である。操作バー47〜49はそれぞれシアン、マゼンタ、イエローのインクの使用量を増減するための操作領域である。モノクローム画像表示領域50には、ボタン42,43,44,45で決定された色調を基準とし、操作バー47〜49で増減されたインクの使用量で印刷した場合に得られるであろうモノクローム画像が、CRT22上で再現される。
【0157】
図20は第5の実施の形態におけるモノクローム画像の印刷を示すフローチャートである。ステップS31において、基準色調が選択されたか否かが判断され、選択されるまではステップS32への進行が保留される。操作者がボタン42,43,44,45のいずれかを操作した場合に、ステップS32に処理が進む。
【0158】
この第5の実施の形態では、ニュートラル調と、ウォーム調と、クール調と、セピア調の4種類の基準1次元LUT412が予め準備されている。これらの基準1次元LUT412には、図12乃至図15に例示されたようなグレー階調Qと関係づけられたインクの使用量が記憶されている。
【0159】
ステップS32では、選択された基準色調に対応するインクの使用量を得る。具体的には選択された基準色調に対応する1次元LUT412からインクの使用量が読み出される。
【0160】
次にステップS33に進み、操作バー47〜49の操作状況に基づいて、基準となる色調に対して有彩色インク、即ちここではシアン、マゼンタ、イエローのインクの使用量が増減される。その結果得られた有彩色インクの使用量、及び無彩色インクの使用量が、新たな1次元LUT413内に記憶される。
【0161】
次にステップS34に進み、ステップS33で作成された1次元LUT413のインク使用量に基づいて、モノクローム画像をモノクローム画表示領域50に表示する。インクの使用量に基づいて、CRT22での表示に用いるRGB信号が求められるが、この技術については後に詳述する。そして処理はステップS35へと進む。
【0162】
操作者は、モノクローム画像表示領域50に表示されたモノクローム画像を視認し、所望の色調であるか否かを判断する。所望の色調であれば操作者はボタン46を操作し、モノクローム画像表示領域50に表示されたモノクローム画像に対応する色調を採用することを決定する。ステップS35では色調が決定されたか否かを判断し、色調が決定された場合、具体的にはボタン46が操作された場合には、ステップS36に進み、決定された色調に基づいて、即ち現状の1次元LUT413のインク量に基づいてモノクローム画像を印刷する。
【0163】
色調が決定されていなければ、具体的にはボタン46が操作されなければステップS35からステップS33へと処理が戻る。このように処理が進められるので、操作者はモノクローム画像表示領域50に表示されたモノクローム画像を視認しつつ、所望の色調が得られるまで、基準色調に対する有彩色インクの増減を試行することができる。
【0164】
このような有彩色インクの増減に応じたモノクローム画像のCRT22上の表示とは、1次元LUT413に基づいたRGB信号への変換によって行われる。また前述した第1の実施の形態、第2の実施の形態で説明されたように複数のモノクローム画像についてカタログプリントを行う場合と比較して、所望の色調を得るための基準となる色調を記憶する基準1次元LUT412の数は多くなるが、所望の色調を得るための1次元LUT413の数が一つで足り、顕著に少なくなる。よってメモリ容量を小さくできる点で望ましい。
【0165】
なお操作バー47〜49に替えて、あるいはこれらに加えて、γ補正を行う操作バーを設け、γ補正を行ってもよい。
【0166】
また色調変換用のユーザインタフェース画面において、別途にカスタマイズのための操作領域を設け、これを操作することにより、第1の実施の形態、第2の実施の形態で示された動作を行うように設定してもよい。
【0167】
F.第6の実施の形態.
第6の実施の形態では、所定の色調のモノクローム画像を再現するための1次元LUTに基づいて、当該色調が付加されたモノクローム画像をCRT22上で表示するための技術について説明する。具体的には印刷において実現される所定の色調をCRT22上で表示するために、インクの使用量からRGB信号を求める技術について説明する。以下では、第5の実施の形態の図20のステップS34の詳細として説明する。但し当該技術は、第1の実施の形態で説明されたように、カタログプリントを行って選択する色相をコンピュータ10に入力する場合にも適用することができる。
【0168】
図21は、第6の実施の形態における信号処理を示すブロック図である。色変換モジュール41bでは、便宜的にブロックで表される二つの変換機能が実行される。一つはインクの使用量からデバイスに依存しない色空間へと変換するインク量−独立色空間変換機能61であり、もう一つはデバイスに依存しない色空間からRGB信号へと変換する独立色空間−RGB変換機能62である。
【0169】
ステップS11,S22,S33で作成あるいは更新された1次元LUT413から、各インクの使用量C,M,Y,K1,K2,K3が色変換モジュール41bに与えられる。
【0170】
一方、プリンタドライバ41内に格納される変換多項式51は、プリンタで採用されるインクの使用量と、デバイスに依存しない色空間とが関連づけられている。インク量−独立色空間変換61は変換用多項式51と、インクの使用量C,M,Y,K1,K2,K3とに基づいて、デバイスに依存しない色空間、例えばX,Y,Z空間での座標を求める。図21では当該座標を表す記号としてもX,Y,Zを採用している。
【0171】
変換用マトリックス52は、モニタで用いられるRGB信号と、デバイスに依存しない色空間とを関連づけるものであり、プリンタドライバ41内に格納されている。独立色空間−RGB変換62は変換用マトリックス52と、X,Y,Z空間での座標とに基づいて、モニタとしてのCRT22に適合したRGB信号を求める。
【0172】
このようにして求められたRGB信号は、色変換モジュール41bからCRTドライバソフト17を介してCRT22に与えられる。よって、ステップS11,S22,S33で設定された各インクの使用量に対応した画像をCRT22で表示することができる。
【0173】
上述した各種の実施形態から理解できるように、複数のモノクローム見本画像が配列されたカタログ画像は、印刷物として再生してもよく、あるいはモニタ画面上に再生してもよい。
【0174】
なお既述の通り、プリンタドライバ41は、コンピュータ10において所定のオペレーティングシステムの下で動作する。よってコンピュータ10はプリンタドライバ41とアプリケーションプログラム40の少なくとも一部によって動作することにより、色調設定補助装置として機能する。換言すれば、プリンタドライバ41とアプリケーションプログラム40の少なくとも一部は、グレー画像に対して異なる複数の色調を付与した複数のモノクローム見本画像を纏めた画像データを、あるいは所定の色調が付与され、階調特性が異なる複数のモノクローム見本画像を纏めた画像データを、コンピュータ10に作成させるためのプログラムに相当。当該プログラムはコンピュータが読みとり可能な記録媒体に記録された形で提供することができる。また、当該記録媒体から当該プログラムを読み込んだコンピュータを、色調設定補助装置として機能させることができる。
【0175】
G.変形例.
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0176】
G1.変形例1:
上記実施形態では、有彩色インクの使用量Cv,Mv,Yvやγ値を色調設定のための調整値として使用していたが、これ以外の種々の値を色調設定のための調整値(または設定値)として使用することが可能である。例えば、第1実施形態で使用した比(Cv/Cmax),(Mv/Mmax),(Yv/Ymax)の値や、基準となるγ値γ0とγ値の調整値との比(γ/γ0)などを調整値として使用することが可能である。
【0177】
また、上記実施形態では、複数の調整値の間隔は一定としていたが、一定でない任意の間隔で複数の調整値を設定するようにしてもよい。但し、調整値の間隔を一定にすれば、ほぼ一定の色調の間隔で見本画像を再現することができるという利点がある。
【0178】
G2.変形例2:
上述した各実施形態では、有彩色インクとしてC,M,Yの3種類のインクを用いていたが、これ以外の有彩色インクを用いることも可能である。また、本発明は、少なくとも1種類の有彩色インクをモノクローム画像の印刷に利用可能な場合に適用することができる。但し、2種類以上の有彩色インクを利用可能な場合は色調設定の自由度が高いので好ましく、3種類以上の有彩色インクを利用可能な場合が特に好ましい。また、無彩色インクとしては、少なくとも1種類のインクが利用可能であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を概念的に示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態においてモノクローム画像の印刷を行う全体手順を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の全体の処理の流れを示す説明図である。
【図4】基準1次元LUT412におけるインクの使用量を模式的に示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】最初のカタログプリントを示す図である。
【図7】2番目のカタログプリントを示す図である。
【図8】カタログプリントにおけるモノクローム見本画像の他の配列を示す図である。
【図9】カタログプリントにおけるモノクローム見本画像のさらに他の配列を示す図である。
【図10】カタログプリントにおけるモノクローム見本画像のさらに他の配列を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図12】インクの使用量をグレー階調値に対して示すグラフである。
【図13】インクの使用量をグレー階調値に対して示すグラフである。
【図14】インクの使用量をグレー階調値に対して示すグラフである。
【図15】インクの使用量をグレー階調値に対して示すグラフである。
【図16】インクの使用量をグレー階調値に対して示すグラフである。
【図17】インクの使用量をグレー階調値に対して示すグラフである。
【図18】本発明の第4の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第5の実施の形態にかかるユーザインタフェース画面を示す図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第6の実施の形態の動作を示すブロック図である。
【図22】従来の技術を概念的に示すブロック図である。
【図23】色調付与処理に伴ったRGB信号の変換を示すグラフである。
【図24】色調付与処理に伴ったRGB信号の変換を示すグラフである。
【図25】色調付与処理に伴ったRGB信号の変換を示すグラフである。
【図26】色調付与処理に伴ったRGB信号の変換を示すグラフである。
【図27】色変換テーブルを用いてインクの使用量を設定する技術を説明するグラフである。
【符号の説明】
17…CRTドライバソフト
30…カラープリンタ
40…アプリケーション
41…プリンタドライバソフト
41b…色変換モジュール
41e…色変換テーブル
411…3次元ルックアップテーブル
412…基準1次元ルックアップテーブル
413…色調設定用1次元ルックアップテーブル

Claims (35)

  1. モノクローム画像の印刷のための色調を設定する方法であって、
    (a)画像の明度階調値の入力に応じて複数種類のインクの使用量を出力する1次元ルックアップテーブルとして、互いに異なる色再現特性を有する複数の候補1次元ルックアップテーブルを準備する工程と、
    (b)前記複数の候補1次元ルックアップテーブルを用いて、同一のグレー多階調画像データから複数のモノクローム見本画像を生成するとともに、前記複数のモノクローム見本画像が配列されたカタログ画像を再生する工程と、
    (c)前記カタログ画像の中から選択された少なくとも1つのモノクローム見本画像と、前記選択されたモノクローム見本画像に対応する候補1次元ルックアップテーブルとに基づいて、モノクローム画像の印刷に使用される印刷実行用1次元ルックアップテーブルを得る工程と、
    を備える方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、
    前記複数種類のインクは、少なくとも1種類の無彩色インクと複数種類の有彩色インクとを含み、
    前記複数の候補1次元ルックアップテーブルは、前記無彩色インクの使用量が同一で前記有彩色インクの使用量が互いに異なるテーブルである、方法。
  3. 請求項1記載の方法であって、
    前記複数の候補1次元ルックアップテーブルは、任意の前記複数種類のインクの使用量を与える明度階調値が互いに異なり、これにより階調特性が互いに異なるテーブルである、方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の方法であって、
    前記工程(c)は、
    前記カタログ画像の中から複数のモノクローム見本画像が選択された場合には、前記選択された複数のモノクローム見本画像に対応する複数の候補1次元ルックアップテーブルの平均的な特性を有するテーブルを前記印刷実行用1次元ルックアップテーブルとして生成する、方法。
  5. 請求項1記載の方法であって、
    前記工程(a)は、
    (a1)少なくとも1つの基準1次元ルックアップテーブルを準備する工程と、
    (a2)前記基準1次元ルックアップテーブルの入出力特性を調整することによって前記複数の候補1次元ルックアップテーブルを作成する工程と、
    含む、方法。
  6. 請求項5記載の方法であって、
    前記複数種類のインクは、少なくとも1種類の無彩色インクと複数種類の有彩色インクとを含み、
    前記工程(a2)は、
    各有彩色インクに関して複数のインク量調整値を設定する工程と、
    前記各有彩色インクに対する複数のインク量調整値を組み合わせて適用して前記基準1次元ルックアップテーブルにおける前記複数種類の有彩色インクの一部または全部の使用量を調整することによって前記複数の候補1次元ルックアップテーブルを作成する工程と、
    を含む、方法。
  7. 請求項6記載の方法であって、
    前記各有彩色インクに対する前記複数のインク量調整値は、一定の差分を有するように設定される、方法。
  8. 請求項6記載の方法であって、
    前記工程(c)は、
    (i)前記カタログ画像の中から選択されたモノクローム見本画像の色調の近傍の色調を再現するための複数のインク量調整値として、前回の複数のインク量調整値よりも小さな差分を有する新たな複数のインク量調整値を各有彩色インクに対して設定する工程と、
    (ii)前記各有彩色インクに対する前記新たな複数のインク量調整値を組み合わせて使用して新たな複数の候補1次元ルックアップテーブルを作成する工程と、
    (iii)前記新たな複数の候補1次元ルックアップテーブルを用いて、前記同一のグレー多階調画像データから新たな複数のモノクローム見本画像を生成するとともに、前記新たな複数のモノクローム見本画像が配列された更新されたカタログ画像を再生する工程と、
    (iv)モノクローム画像の印刷に適したモノクローム見本画像が選択されるまで、前記工程(i)〜(iii)を繰り返し実行する工程と、
    を含む、方法。
  9. 請求項5記載の方法であって、
    前記工程(a2)は、
    複数の階調特性を設定する工程と、
    前記複数の階調特性にそれぞれ応じて前記基準1次元ルックアップテーブルの入力値を調整することによって前記複数の候補1次元ルックアップテーブルを作成する工程と、
    を含む、方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の方法であって、
    前記モノクローム見本画像は、印刷対象となる画像の縮小画像である、方法。
  11. 請求項10記載の方法であって、
    前記工程(c)における前記カタログ画像の再生は、前記カタログ画像を印刷媒体上に印刷することによって実現される、方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の方法であって、
    前記カタログ画像内の前記複数のモノクローム見本画像の配列は、各モノクローム見本画像における3つの有彩1次色の色調の強さが前記カタログ画像内における各モノクローム見本画像の位置から視覚的に認識できるように、前記3つの有彩1次色の色調の強さを示す互いに異なる3つの方向を含む2次元的な配列に設定されている、方法。
  13. モノクローム画像の印刷のための色調を設定する装置であって、
    画像の明度階調値の入力に応じて複数種類のインクの使用量を出力する1次元ルックアップテーブルとして、互いに異なる色再現特性を有する複数の候補1次元ルックアップテーブルを格納するメモリと、
    前記複数の候補1次元ルックアップテーブルを用いて、同一のグレー多階調画像データから複数のモノクローム見本画像を生成するとともに、前記複数のモノクローム見本画像が配列されたカタログ画像を再生するカタログ画像再生部と、
    前記カタログ画像の中から選択された少なくとも1つのモノクローム見本画像と、前記選択されたモノクローム見本画像に対応する候補1次元ルックアップテーブルとに基づいて、モノクローム画像の印刷に使用される印刷実行用1次元ルックアップテーブルを得るルックアップテーブル生成部と、
    を備える装置。
  14. モノクローム画像の印刷のための色調を設定するためのコンピュータプログラムであって、
    画像の明度階調値の入力に応じて複数種類のインクの使用量を出力する1次元ルックアップテーブルとして、互いに異なる色再現特性を有する複数の候補1次元ルックアップテーブルをメモリから読み出す機能と、
    前記複数の候補1次元ルックアップテーブルを用いて、同一のグレー多階調画像データから複数のモノクローム見本画像を生成するとともに、前記複数のモノクローム見本画像が配列されたカタログ画像を再生する機能と、
    前記カタログ画像の中から選択された少なくとも1つのモノクローム見本画像と、前記選択されたモノクローム見本画像に対応する候補1次元ルックアップテーブルとに基づいて、モノクローム画像の印刷に使用される印刷実行用1次元ルックアップテーブルを得る機能と、
    をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
  15. (a)グレー画像を得るステップと、
    (b)前記グレー画像に対して異なる複数の色相を付与した複数のモノクローム画像を纏めた画像データを生成するステップと
    を備える、色調設定補助方法。
  16. 前記ステップ(a)は
    (a−1)カラー画像から明度を抽出するステップ
    を含む、請求項15記載の色調設定補助方法。
  17. 前記ステップ(b)は
    前記グレー画像の明度の階調値に基づいて、少なくとも一つの有彩色インクの使用量を前記複数の色相毎に求めるステップ
    を含む、請求項15及び請求項16のいずれか一つに記載の色調設定補助方法。
  18. 明度の階調値と、所定の明度を有する少なくとも一つの無彩色インクの使用量とを関係づけるテーブルに基づいて、前記グレー画像に対応した前記無彩色インクの使用量を前記モノクローム画像毎に求めるステップ
    を含む、請求項17に記載の色調設定補助方法。
  19. 前記テーブルは、前記明度の階調値と前記有彩色インクの前記使用量とをも関係づけ、
    前記テーブルにおいて前記明度の階調値と関係づけられた前記有彩色インクの使用量に所定の係数を乗じることにより、前記有彩色インクの使用量を前記複数の色相毎に求める、請求項18記載の色調設定補助方法。
  20. 前記所定の係数は、前記複数の色相に対応した前記有彩色インクの使用量の最大値を、前記テーブルにおいて前記明度の階調値と関係づけられた前記有彩色インクの使用量の最大値で除した値であり、
    前記複数の色相に対応した前記有彩色インクの使用量の最大値は、所定の範囲及び所定の間隔で複数設定される、請求項19記載の色調設定補助方法。
  21. 前記ステップ(b)は繰り返して実行され、第N回目(Nは2以上の整数)の前記ステップ(b)の前記所定の範囲及び前記所定の間隔は、それぞれ前記第N−1回目の前記ステップ(b)の前記所定の範囲及び前記所定の間隔よりも狭い、請求項20記載の色調設定補助方法。
  22. (c)前記ステップ(b)において前記複数の色相毎に求められた前記有彩色インクの使用量を、前記複数の色相の少なくとも二つに亘って平均して、新たに有彩色インクの使用量を求めるステップ
    を更に備える、請求項17記載の色調設定補助方法。
  23. (a)グレー画像を得るステップと、
    (b)前記グレー画像に対して、所定の色相が付与され、階調特性が異なる複数のモノクローム画像を纏めた画像データを生成するステップと
    を備える、色調設定補助方法。
  24. 前記ステップ(a)は
    (a−1)カラー画像から明度を抽出するステップ
    を含む、請求項23記載の色調設定補助方法。
  25. 前記ステップ(b)は
    前記グレー画像の明度の階調値に基づいて、少なくとも一つの有彩色インクの使用量と、少なくとも一つの無彩色インクの使用量とを前記階調特性毎に求めるステップ
    を含む、請求項23及び請求項24のいずれか一つに記載の色調設定補助方法。
  26. 明度の階調値と、前記有彩色インクの前記使用量と、前記無彩色インクの前記使用量とを関係づけるテーブルに基づいて、前記階調特性毎に前記有彩色インクの前記使用量と、前記無彩色インクの前記使用量とが求められる、請求項25記載の色調設定補助方法。
  27. (c)前記階調特性の少なくとも二つに亘って平均して得られた平均値と、前記テーブルにおいて前記明度の階調値と関係づけられた前記有彩色インク及び無彩色インクの使用量に基づいて、新たに前記有彩色インク及び前記無彩色インクの使用量を求めるステップ
    を更に備える、請求項26記載の色調設定補助方法。
  28. (c)前記モノクローム画像に対応した前記有彩色インクの使用量及び前記無彩色インクの使用量に基づいて、デバイスに依存しない色空間の座標を求めるステップと、
    (d)前記ステップ(c)で求められた前記座標に基づいて、前記モノクローム画像を表示するに対応したRGB信号を求めるステップと
    を更に備える、請求項18及び請求項25のいずれか一つに記載の色調設定補助方法。
  29. 前記有彩色インクの前記使用量は、前記無彩色インクの前記使用量の総和によって制限される、請求項18及び請求項25のいずれか一つに記載の色調設定補助方法。
  30. グレー画像に対して異なる複数の色相を付与した複数のモノクローム画像を纏めた画像データを生成する、色調設定補助装置。
  31. グレー画像に対して、所定の色相が付与され、階調特性が異なる複数のモノクローム画像を纏めた画像データを生成する、色調設定補助装置。
  32. (a)グレー画像を得るステップと、
    (b)前記グレー画像に対して異なる複数の色相を付与した複数のモノクローム画像を纏めた画像データを生成するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  33. (a)グレー画像を得るステップと、
    (b)前記グレー画像に対して所定の色相が付与され、階調特性が異なる複数のモノクローム画像を纏めた画像データを生成するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  34. (a)グレー画像を得るステップと、
    (b)前記グレー画像に対して異なる複数の色相を付与した複数のモノクローム画像を纏めた画像データを生成するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラムを格納する、コンピュータが読みとり可能な記録媒体。
  35. (a)グレー画像を得るステップと、
    (b)前記グレー画像に対して所定の色相が付与され、階調特性が異なる複数のモノクローム画像を纏めた画像データを生成するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラムを格納する、コンピュータが読みとり可能な記録媒体。
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