JP2015073174A - 色変換ルックアップテーブルの作成方法 - Google Patents

色変換ルックアップテーブルの作成方法 Download PDF

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崇廣 鎌田
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健治 松坂
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茂樹 金井
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Abstract

【課題】ルックアップテーブルの作成に要する手間を低減する。【解決手段】色変換LUTの作成方法は、(a)基準LUTを用意する工程、(b)基準LUTの有彩色インクの使用量を変更するために用いられる色変換係数を決定する工程、(c)決定された色変換係数を用いて、基準LUTの各明度に対応する有彩色インクの使用量を変更し色変換LUTを作成する工程と、を備える。工程(b)は(b1)基準LUTの中から複数の明度を複数の基準点として選択する工程、(b2)基準点ごとに、目標座標をそれぞれ設定する工程、(b3)複数の基準点ごとに、変化させた色変換係数および基準点のインクの使用量を用いて算出されるインクの使用量によって印刷される色の色空間中における現座標と、目標座標と、の離間度を算出し、算出された複数の基準点ごとの離間度がそれぞれ小さくなる色変換係数を求める工程、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、色変換ルックアップテーブルの作成方法に関する。
明度のみの情報を有するモノクローム画像データに基づいて、好みの色調を付して、無彩色と低彩度の有彩色とを組み合わせた画像であるモノトーン画像を印刷するための技術が公開されている(例えば、特許文献1)。モノトーン画像としては、寒色気味の色調(以下「クール調」と呼ぶ)、暖色気味の色調(以下「ウォーム調」と呼ぶ)、写真が褪色した色合いの色調(以下「セピア調」と呼ぶ)などがある。モノクローム画像データにクール調、ウォーム調、セピア調などの色調を付して印刷するためには、一般的に、それぞれの色調に応じたインクの使用量が規定された、色変換ルックアップテーブルが用いられる。
特開2005−286985号公報
印刷装置のモデルチェンジに伴って、印刷装置に用いられるインクの組成が変更されたり、記録媒体が変更されたりすると、再度、色変換ルックアップテーブルが作成される。モデルチェンジ後の印刷装置においても、モデルチェンジ前の印刷装置と同様の色調が表現されるようにするためである。しかし、一般的に、色変換ルックアップテーブルの作成においては、インクの組み合わせごとに印刷される印刷画像を評価する作業が繰り返される。そのため、色変換ルックアップテーブルの作成には、多大な手間がかかる場合がある。よって、このような手間を低減する技術が望まれている。また、このような色変換ルックアップテーブルの作成においては、精度の向上や短時間化が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、色変換ルックアップテーブルの作成方法が提供される。この色変換ルックアップテーブルの作成方法は;(a)画像データの明度の入力に応じて、有彩色インクを含む複数のインクの使用量をそれぞれ出力するためのテーブルである、基準ルックアップテーブルを用意する工程と;(b)目標とする色調を再現するために前記基準ルックアップテーブルの前記有彩色インクの使用量を変更するために用いられる色変換係数を決定する工程と;(c)決定された前記色変換係数を用いて、前記基準ルックアップテーブルの各明度に対応する前記有彩色インクの使用量を変更し、前記色変換ルックアップテーブルを作成する工程と、を備え;前記工程(b)は;(b1)前記基準ルックアップテーブルの中から複数の明度を複数の基準点として選択する工程と;(b2)前記基準点ごとに、色空間中の前記目標とする色調に対応する目標座標をそれぞれ設定する工程と;(b3)前記色変換係数を変化させながら、複数の前記基準点ごとに、前記変化させた色変換係数および前記基準点のインクの使用量を用いて算出されるインクの使用量によって印刷される色の前記色空間中における現座標と、前記目標座標と、の離れ度合いを表す離間度を算出し、前記変化させた色変換係数の中から、算出された前記複数の基準点ごとの前記離間度がそれぞれ小さくなる前記色変換係数を求める工程と;を備える。このような色変換ルックアップテーブルの作成方法によれば、基準ルックアップテーブルの中から複数の基準点が選択され、基準点ごとに目標座標がそれぞれ設定される。そして、変化させた色変換係数および基準点のインクの使用量を用いて印刷される現座標と、目標座標と、の離間度がそれぞれ小さくなるような色変換係数を求める。そのため、1点の目標座標に対してのみでなく、複数の目標座標それぞれに近づくような色変換係数を決定することができる。よって、このような色変換係数を基準ルックアップテーブルに適用するだけで、目標とする色変換ルックアップテーブルを作成することができるので、色変換ルックアップテーブルの作成に伴う手間を低減することができる。
(2)上記形態の色変換ルックアップテーブルの作成方法において、前記工程(b3)では、前記現座標と前記目標座標との座標成分ごとの差分がそれぞれ小さくなるように、前記差分にそれぞれ重みを設定し、重みが設定された各前記差分を合算することによって前記離間度を算出してもよい。このような色変換ルックアップテーブルの作成方法によれば、色空間中の現座標と目標座標との座標成分ごとの差分がそれぞれ小さくなるように、各差分に重みが設定される。そのため、各差分の偏りを調整することができる。
(3)上記形態の色変換ルックアップテーブルの作成方法において、前記工程(b3)では、前記離間度に対する前記差分の割合に応じた重みを各前記差分に設定してもよい。このような色変換ルックアップテーブルの作成方法によれば、色空間中の現座標と目標座標との座標成分ごとの差分のうち、離間度に寄与する割合が大きなものについては、大きな重みが設定される。そのため、各差分の偏りを、効果的に調整することができる。
(4)上記形態の色変換ルックアップテーブルの作成方法において、前記工程(b3)では、前記基準点ごとの前記離間度に対して重みを設定してもよい。このような色変換ルックアップテーブルの作成方法によれば、基準点ごとの離間度に重みが設定されるので、基準点ごとの離間度の偏りを調整することができる。また、複数の基準点のうち、離間度をより小さくしたい基準点については、大きな重みを設定することができるので、離間度を効果的に小さくすることができる。
(5)上記形態の色変換ルックアップテーブルの作成方法において、前記工程(b3)では、前記現座標と前記目標座標との座標成分ごとの差分に設定する重みと、前記基準点ごとの前記離間度に設定する重みと、のうち少なくとも一方の重みを含む複数の関数を予め用意し、前記基準点ごとに算出された前記離間度がそれぞれ小さくなるような前記関数を用いて前記色変換係数を求めてもよい。このような色変換ルックアップテーブルの作成方法によれば、予め用意された、重みを含む複数の関数を用いて色変換係数を求めるので、現座標と目標座標との座標成分ごとの差分や、現座標と目標座標との離間度の値に設定する重みを調整してから、色変換係数を求めなくてもよい。そのため、色変換ルックアップテーブルを作成するための時間を短縮することができる。
(6)上記形態の色変換ルックアップテーブルの作成方法において、前記工程(b1)では、印刷が行われた印刷媒体を測色したときの明度の最大値と最小値との幅に応じて、前記複数の基準点の明度の間隔を決定してもよい。このような色変換ルックアップテーブルの作成方法によれば、実際に画像が印刷される印刷媒体の明度の幅に応じた、効果的な数の基準点を選択することができる。
(7)上記形態の色変換ルックアップテーブルの作成方法において、前記工程(b1)では、最大の彩度に対応する明度を含む前記複数の基準点を選択してもよい。このような色変換ルックアップテーブルの作成方法によれば、作成された色変換ルックアップテーブルにより表現される彩度の最大値を、印刷装置のモデルチェンジがされる前の色変換ルックアップテーブルで表現された彩度の最大値に近づけることができる。よって、作成された色変換ルックアップテーブルにより、彩度がクリップ(制限)されることを抑制することができる。
本発明は、色変換ルックアップテーブルの作成方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、色変換ルックアップテーブルの作成システム、色変換ルックアップテーブルを備える印刷装置、色変換ルックアップテーブルの作成機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体等の形態で実現できる。
色変換ルックアップテーブルが用いられる印刷装置(プリンター22)の構成について説明するための図である。 LUT作成システムの構成について説明するための図である。 1次元LUTの作成方法を示すフローチャートである。 色変換係数αcの決定方法を示すフローチャートである。 1つの明度が基準点として選択された場合におけるターゲット値Labtの色彩値と決定された色変換係数αにより変換されたインクの使用量に基づく色彩値とを示す図である。 複数の明度が複数の基準点として選択された場合におけるターゲット値Labtの色彩値と決定された色変換係数αにより変換されたインク量に基づく色彩値とを示す図である。 第2実施形態の色変換係数の決定方法を示すフローチャートである。 座標成分ごとの差分に重みが設定されない状態で色変換係数αが決定された場合におけるターゲット値Labtの色彩値と決定された色変換係数αにより変換されたインクの使用量に基づく色彩値とを示す図である。 座標成分ごとの差分に重みが設定された状態で色変換係数αが決定された場合におけるターゲット値Labtの色彩値と決定された色変換係数により変換されたインクの使用量に基づく色彩値とを示す図である。 第5実施形態における色変換係数αの決定方法を示すフローチャートである。 色変換係数の決定方法のうち基準点の選択方法を示すフローチャートである。 第6実施形態において選択された基準点とターゲット値Labtの色彩値とを示す図である。 色変換係数の決定方法のうち基準点の選択方法を示すフローチャートである。 第7実施形態において選択された基準点とターゲット値Labtの色彩値とを示す図である。
A.第1実施形態:
A1.印刷装置の構成および処理:
図1は、色変換ルックアップテーブルが用いられる印刷装置(プリンター22)の構成について説明するための図である。コンピューター90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム92が動作している。また、オペレーティングシステムには、ビデオドライバー91やプリンタードライバー93が組み込まれている。
アプリケーションプログラム92は、マウス52やキーボード51から入力されるユーザの指示に応じて、レッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3色の色成分からなる原画像データORGをCD−Rやメモリーカード(図示しない)から読み込む。そして、ユーザの指示に応じて、原画像データORGに画像のレタッチなどの処理を行う。アプリケーションプログラム92は、例えば、カラー画像からモノクローム画像を生成する。モノクローム画像とは、明度のみの情報を有する画像である。アプリケーションプログラム92は、処理を行った画像を、ビデオドライバー91を介して液晶ディスプレイ21に表示する。また、アプリケーションプログラム92は、ユーザからの印刷指示を受け取ると、プリンタードライバー93に印刷指示を出し、処理を行った画像を初期画像データPIDとしてプリンタードライバー93に出力する。
プリンタードライバー93は、初期画像データPIDをアプリケーションプログラム92から受け取り、これをプリンター22が処理可能な印刷画像データFNL(ここではライトシアンLc、ライトマゼンタLm、イエローY、第1〜第3の無彩色インクK1〜K3の6色についての多値化された信号)に変換する。
図1に示した例では、プリンタードライバー93の内部には、解像度変換モジュール94と、色変換モジュール95と、色変換テーブル100と、ハーフトーンモジュール96と、並べ替えモジュール97とが備えられている。
解像度変換モジュール94は、初期画像データPIDの解像度をプリンター22で印刷を行う際の解像度に変換する。色変換モジュール95は、カラー画像の印刷においては、色変換テーブル100の3次元色変換ルックアップテーブル100aを参照しつつ、sRGB表色系のRGBの階調値で各画素の色が現されている画像データMID1を、プリンター22が使用するインクの階調値で各画素の色が表された画像データMID2に変換する。以下、色変換ルックアップテーブルを、単に「LUT」ともいう。
また、色変換モジュール95は、モノクローム画像の印刷においては、LUT100のうち、1次元LUT100c、100w、100sを参照しつつ、モノクローム画像データMID1を、ライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、第1〜第3の無彩色インク(K1〜K3)の階調値で各画素の色が表された画像データMID2に変換する。色変換モジュール95は、ユーザからクール調の色調を付する指示がされた場合には、クール調の1次元LUT100cを参照し、ウォーム調の色調を付する指示がされた場合には、ウォーム調の1次元LUT100wを参照し、セピア調の色調を付する指示がされた場合には、セピア調の1次元LUT100sを参照する。これらの1次元LUT100c、100w、100sは、プリンター22がモデルチェンジするたびに(あるいはプリンターで使用されるインクの組成等が変更された場合に)、後述するLUT作成システム200によって作成され、プリンタードライバー93に格納される。
ハーフトーンモジュール96は、各画素の各色の濃度が各色の階調値で表された画像データMID2にハーフトーン処理を行うことによって、各色の濃度が各画素におけるドットの有無で表される画像データMID3に変換する。
こうして生成された画像データMID3は、並べ替えモジュール97によりプリンター22に転送すべきデータ順に並べ替えられて、最終的な印刷画像データFNLとして出力される。
プリンター22は、紙送りモーターによって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモーターによってキャリッジ31を用紙Pの搬送方向SSと垂直な方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載されインクの吐出およびドット形成を行う印刷ヘッド28と、各種の設定データを格納しているROM42と、これらの紙送りモーター,キャリッジモーター,印刷ヘッド28、P−ROM42および操作パネル32を制御するCPU41とから構成されている。プリンター22は、印刷画像データFNLを受け取って、印刷画像データFNLに応じてライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)を含む有彩色インクと、第1〜第3の無彩色インク(K1〜K3)とで印刷媒体上にドットを形成し、印刷を実行する。
A2.LUT作成システム:
図2は、LUT作成システム200の概略構成を示す図である。LUT作成システム200は、CPU220と、メモリー230と、モニタや各種入出力インタフェース(図示しない)を有するコンピューター210と、パッチ印刷機240と、測色機250と、を備える。CPU220は、ROMまたはHDDに記憶されたプログラムをRAM(ROM、HDD、RAMのいずれも図示しない)に展開して実行することにより、色変換係数決定部221、LUT生成部223等の各機能を実現する。メモリー230には、CPU220によって入力インターフェースを介して読み込まれた基準1次元LUT100nと、このLUT作成システム200によって作成されたクール調の1次元LUT100cと、ウォーム調の1次元LUT100wと、セピア調の1次元LUT100sと、が格納される。
基準1次元LUT100nは、画像データMID1の明度の入力に応じて、有彩色インク(Lc、Lm、Y)を含む複数のインク(Lc、Lm、Y、K1〜K3)の使用量(VLc、VLm、VY、VK1、VK2、VK3)をそれぞれ出力するためのテーブルである。基準1次元LUT100nは、クール調、ウォーム調、セピア調の色調をもたないモノトーン画像(ニュートラル調のグレー画像)を印刷する場合にも使用される。
色変換係数決定部221は、基準1次元LUT100nのインクの使用量を変更して目標とする色調(クール調、セピア調、ウォーム調)を再現するための色変換係数αc、αw、αsを探索し、決定する。LUT生成部223は、決定された色変換係数と基準1次元LUT100nの各明度におけるインクの使用量とに基づいて、1次元LUT100c、100w、100sを生成する。
パッチ印刷機240は、後述の色変換係数の決定において、色変換係数決定部221の指示に応じてパッチを印刷する。
測色機250は、パッチ印刷機240により印刷されたパッチの色空間中の座標における各成分(L値、a値、b値)を測色する。色変換係数決定部221は、測色機250により得られた値を取得して、色変換係数を探索し、決定する。
なお、LUT作成システム200により作成された1次元LUT100c、100w、100wは、メモリー230から適宜読み出され、プリンター22の製造時において、EEPROMライター等によりEEPROMに書き込まれる。そして、このEEPROMがプリンター22内のプリンタードライバー93に実装されることで、プリンター22が製造される。
A3.1次元LUTの作成方法:
図3は、1次元LUTの作成方法を示すフローチャートである。ここでは、クール調の色調を付与するための1次元LUT100cの作成方法を例に挙げて説明する。なお、この方法は、ウォーム調の色調を付与するための1次元LUT100w、セピア調の色調を付与するための1次元LUT100sにも同様に適用可能である。このことは、以下の実施形態においても同様である。
まず、CPU220は、基準1次元LUT100nを用意する(ステップS10)。本実施形態では、基準1次元LUT100nは、CPU220によって、入力インターフェースを介してメモリー230に読み込まれる。図3には、横軸にはグレー画像の明度(以下「グレー階調値」または「明度階調値」ともいう)Qを、縦軸には各インクの使用量Vnをそれぞれ採った基準1次元LUT100nを示している。グレー階調値Qの値が大きいほど、明度は高い。ステップS10は、本願の工程(a)に相当する。
次に、CPU220の色変換係数決定部221は、有彩色インクごとに、色変換係数が決定される(ステップS20)。色変換係数は、基準1次元LUT100nにおける有彩色インク(Lc、Lm、Y)の使用量(Vn_Lc、Vn_Lm、Vn_Y)を変更して、色調を付与するための係数である。本実施形態では、色変換係数決定部221は、基準1次元LUT100nにおける有彩色インク(Lc、Lm、Y)ごとに、クール調の色調を付与するための色変換係数αcを決定する。具体的には、色変換係数決定部221は、ライトシアンLcのクール調の色変換係数αc_Lcと、ライトマゼンタLmのクール調の色変換係αc_Lmと、イエローYのクール調の色変換係数αc_Yと、を決定する。以降、クール調の色変換係数をまとめて、「色変換係数αc」ともいう。色変換係数αcの決定方法の詳細については、後述する。ステップS20は、本願の「工程(b)」に相当する。
色変換係数αcが決定されると、LUT生成部223は、決定された色変換係数αcと基準1次元LUT100nの各明度に対応する有彩色インクの使用量Vnとを用いて、1次元LUT100cを生成する(ステップS30)。ステップS30は、本願の「工程(c)」に相当する。具体的には、基準1次元LUT100nの各明度に対応する有彩色インクの使用量をVn、決定されたクール調の色変換係数をαcとすると、1次元LUT100cのある有彩色インクの使用量Vcは、以下の式1によって表される。
Figure 2015073174
図3には、色変換係数αと基準1次元LUT100nとを用いて作成されたクール調の1次元LUT100cを示している。図3に示す横軸はグレー階調値Qを、縦軸は各インクの使用量Vcである。クール調の1次元LUT100cにおいて、各明度における有彩色インクの使用量(Vc_Lc、Vc_Lm、Vc_Y)は、基準1次元LUT100nにおける有彩色インクの使用量(Vn_Lc、Vn_Lm、Vn_Y)と異なっている。一方、無彩色インクK1〜K3の使用量(Vc_K1、Vc_K2、Vc_K3)は、基準1次元LUT100nにおける無彩色インクK1〜K3の使用量(Vn_K1、Vn_K2、Vn_K3)と同じである。
A4.色変換係数の決定方法:
図4は、色変換係数αcの決定方法を示すフローチャートである。まず、色変換係数決定部221は、基準1次元LUT100nの中から、複数の明度を基準点gとして選択する(ステップS100)。本実施形態では、色変換係数決定部221は、4つの明度を4つの基準点g1〜g4として選択する。ステップS100は、本願の「工程(b1)」に相当する。
次に、色変換係数決定部221は、基準点g1〜g4にそれぞれターゲット値Labtを設定する(ステップS110)。ターゲット値Labtは、例えばモデルチェンジ前のプリンターで用いられたクール調の1次元LUT100cpの明度に対応する、色空間中の座標である。いいかえると、ターゲット値Labtは、モデルチェンジ後のプリンター22において、色変換係数αcを用いて基準点におけるインク使用量Vnを変更し、画像を印刷した場合に、所望される色空間中の座標である。ステップS110は、本願の「工程(b2)」に相当し、ターゲット値Labtは、本願の「目標座標」に相当する。
次に、色変換係数決定部221は、色変換係数αcを予め定められた範囲内で変化させ、変化させた色変換係数αcと各基準点g1〜g4におけるインクの使用量Vnとを用いて、パッチ印刷機240にパッチを印刷させる。また、色変換係数決定部221は、印刷されたパッチの測色結果を測色機250を介して取得する(ステップS120)。色変換係数αcは、例えば、基準点g1に対して、ライトシアンLcのクール調の色変換係数αc_Lcが、−1.0から3.0の間や、−1.0から4.0の間などで、M個の値を採ることができる。同様に、ライトマゼンタLmのクール調の色変換係数αc_LmおよびイエローYのクール調の色変換係数αc_Yも、−1.0から3.0の間や、−1.0から4.0の間などでM個の値を採ることができる。1つの基準点gに対して、これらの変化させた色変換係数αc_Lc、αc_Lm、αc_Yの組み合わせについてパッチが印刷される。よって、パッチの数は、基準点の数g1〜g4と色変換係数の組み合わせの数(M(αc_Lc)×M(αc_Lm)×M(αc_Y))とを乗算した数となる。
パッチが測色されると、色変換係数決定部221は、測色により得られた値とターゲット値Labtとを用いて、基準点g1〜g4ごとに測色値とターゲット値Labtとの離れ度合いを示す色差ΔEを算出し、各基準点のΔEを平均した平均ΔEが最小となる色変換係数を探索する(ステップS130)。ある基準点gにおける色差ΔEgは、例えば、以下の式2により求められる。
Figure 2015073174
ステップS130では、色変換係数決定部221は、各基準点の色差ΔEgの平均(平均ΔE)が最小となる色変換係数を探索するために、パッチを測色して得られたLab値と、Lab値に対応する色変換係数αcの組み合わせとに基づいて、立方体補間を用いて、さらにLab値と色変換係数αcとの複数の組み合わせを求める。このようにすることで、パッチの印刷と測色とに要する手間を省略して、平均ΔEが最小となるLab値と色変換係数αcとの組み合わせを探索することができる。以降、ステップS120の測色およびステップS130の立方体補間で求められたLab値をあわせて、「測色値Labs」ともいう。測色値Labsは、本願の「現座標」に相当し、測色値Labsとターゲット値Labtとの色差ΔEは、本願の「離間度」に相当する。また、ステップS120〜S130は、本願の「工程(b3)」に相当する。
なお、本実施形態における平均ΔEは最適化手法における目的関数であり、色変換係数αcは目的関数を最小化する解でもある。本実施形態および以降の実施形態においても、色変換係数αcは、目的関数を最小化する最適化手法により求められる。
以上のようにして、クール調の1次元LUT100cを作成するための色変換係数が探索され、決定される。
A5.第1実施形態の効果:
次に、第1実施形態の効果について説明する。
図5は、1つの明度が基準点gとして選択された場合における、ターゲット値Labtの色彩値と、決定された色変換係数αにより変換されたインクの使用量に基づく色彩値と、を示す図である。図5に示す縦軸は色彩値(a*値、b*値)であり、横軸は明度(L*値)である。以降、Lab表色系のa*値、b*値、L*値をそれぞれ、単にa、b、Lともいう。図5には、ターゲット値Labtの色彩値であるターゲット値atおよびターゲット値btと、決定された色変換係数αcと基準1次元LUT100nのインク量Vnとを用いて変換されたインク量Vcに基づく色彩値(変換値a、変換値b)と、が示されている。図5に示すターゲット値at、btの値は、測色により求めることができる。また、変換値a、bの基準点g以外の値は、測色又は補間により求めることができる。
図5に示すように、1つの明度が基準点として選択されると、その基準点においては、変換値aがターゲット値atに合致するようにし、1次元LUTを作成することができる。また、変換値bがターゲット値btに合致するようにし、1次元LUTを作成することができる。しかし、基準点g以外の明度においては、変換値aとターゲット値atおよび変換値bとターゲット値btとの間に相違(差)が生じる。そのため、ある明度においては、プリンター22のモデルチェンジ前後で、同様の色調を有する画像を得ることができないおそれがある。
図6は、本実施形態によって、複数の明度が複数の基準点として選択された場合における、ターゲット値Labtの色彩値と決定された色変換係数αにより変換されたインク量に基づく色彩値と、を示す図である。図6に示す縦軸は色彩値(a値、b値)であり、横軸は明度(L値)である。図6には、図5と同様に、ターゲット値at、btと、決定された色変換係数αcと基準1次元LUT100nのインク量Vnとを用いて変換されたインク量Vcに基づく色彩値(変換値a、変換値b)と、が示されている。図6に示すように、複数の基準点g1〜g4が選択された場合には、1つの基準点が選択された場合(図5)と比べて、基準点におけるターゲット値atと変換値a、ターゲット値btと変換値bと、の間にわずかに相違(差)が生じ得る。しかし、明度の取り得る範囲(レンジ)全体についてみると、ターゲット値atと変換値aとの相違、および、ターゲット値btと変換値bとの間の相違は、1つの基準点が選択された場合(図5)と比べて小さい。すなわち、複数の基準点が選択された場合には、変換値aは、明度階調値の全体にわたってターゲット値atに近似させることができる。同様に、変換値bは、明度階調値の全体にわたってターゲット値btに近似させることができる。
以上で説明したように、本実施形態の1次元LUT100cの作成方法によれば、基準1次元LUT100nの中から複数の基準点g1〜g4が選択され、基準点g1〜g4ごとにターゲット値Labtがそれぞれ設定される。よって、色変換係数αcと基準1次元LUT100nのインクの使用量とを用いて合致させたいターゲット値Labtを、複数設定することができる。また、変化させた色変換係数αcおよび基準点のインクの使用量を用いて印刷される色の色空間中における座標(測色値Labs)と、ターゲット値Labtと、の各基準点における色差ΔEの平均値が小さくなるような色変換係数αcが求められる。そのため、1点のターゲット値Labtに対してのみでなく、複数のターゲット値Labtそれぞれに近づくような色変換係数αcを決定することができる。よって、このような色変換係数αcを基準1次元LUT100nに適用するだけで、目標とする1次元LUT100cを作成することができる。そのため、モデルチェンジ前のプリンターで用いられた1次元LUT100cpと同様の色調を表現する1次元LUT100cを作成するために、様々なインクの使用量の組み合わせを印刷して測色し、いずれの組み合わせが適するかを評価する作業を繰り返す手間を省くことができる。このように、本実施形態の方法によって作成された1次元LUT100cを用いれば、プリンター22のモデルチェンジ等に伴って使用されるインクの組成や種類等が変更される場合であっても、モデルチェンジ前と同様の色調のモノトーン画像を出力することができる。
B.第2実施形態:
B1.色変換係数の決定方法:
図7は、第2実施形態の色変換係数の決定方法を示すフローチャートである。本実施形態では、色変換係数決定部221は、まず、図4に示した第1実施形態と同様の方法で、色変換係数αcを探索する(ステップS200)。
次に、色変換係数決定部221は、基準点における測色値Labsとターゲット値Labtとの座標成分ごとの差分が予め定められた範囲内であるか否かを判定する(ステップS210)。本実施形態および以降の実施形態において、座標成分とは、Lab表色系における、ある1点の座標(L,a,b)を構成する各値(L値、a値、b値)をいう。例えば、座標成分「L」の差分は「|ΔL|」である。座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)が予め定められた範囲内である場合には(ステップS210:YES)、色変換係数決定部221は、測色値Labsに対応する色変換係数αcを、1次元LUT100cを作成するための色変換係数として決定する。
なお、色変換係数決定部221は、座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)が予め定められた範囲内であるか否かの判定において、探索した色変換係数αcと基準1次元LUT100nのインクの使用量Vnとを用いて、パッチ印刷機240にパッチ(例えば、256パッチ)を印刷させる。色変換係数決定部221は、測色機250にパッチを測色させてその結果を取得し、座標成分ごとの差分を算出して判定を行う。
一方、ステップS210において判定結果がNOである場合には(ステップS210:NO)、色変換係数決定部221は、座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)がそれぞれ小さくなるように、座標成分ごとの差分に所定の重みwa、wb、WLを設定する(ステップS220)。色変換係数決定部221は、例えば、測色値Labsのa値とターゲット値Labtのa値(at)との差分|Δa|が大きい場合には、|Δa|に大きな重みwaを設定する。こうすることで、|Δa|の変化がΔEの変化に与える影響が大きくなる。
重みが設定されると、色変換係数決定部221は、以下に示す式3を用いて、重みが設定された色差ΔEwgを基準点ごとに算出し、各基準点の色差ΔEwgの合計(目的関数)が最小となる色変換係数αcを探索する(ステップS230)。なお、ステップS230においては、色変換係数決定部221は、色差ΔEwgの合計の代わりに、各基準点の色差ΔEwgの平均値が最小となる色変換係数αcを探索してもよい。
Figure 2015073174
色変換係数αcが探索によって決定されると、色変換係数決定部221は、ステップS210に戻り、再度、座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)が予め定められた範囲内であるか否かの判定を行う。
以上のようにして、クール調の1次元LUT100cを作成するための色変換係数αcが探索され、決定される
B2.第2実施形態の効果:
図8は、座標成分ごとの差分に重みが設定されない状態で色変換係数αが決定された場合における、ターゲット値Labtの色彩値と、決定された色変換係数αにより変換されたインクの使用量に基づく色彩値と、を示す図である。図8に示すように、座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)に重みが設定されない場合には、ΔE(目的関数)が最小となる色変換係数を求めることはできるものの、ΔEを構成する座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)が偏る場合がある。図8においては、変換値aとターゲット値atとの相違は、変換値bとターゲット値btとの相違よりも大きい。よって、ΔEgを構成する値は、Δaに偏っている。
図9は、座標成分ごとの差分に重みが設定された状態で色変換係数αが決定された場合における、ターゲット値Labtの色彩値と、決定された色変換係数により変換されたインクの使用量に基づく色彩値と、を示す図である。図9に示す変換値a、bは、図8の結果をもとに|Δa|に重みが設定された状態で色変換係数αが決定された場合における色彩値である。このように、偏った値|Δa|に重みが設定されることによって、偏った値を調整することができる。
以上で説明したように、第2実施形態においては、色空間中の座標の座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)がそれぞれ小さくなるように、座標成分ごとの差分に重みが設定される。そのため、ターゲット値Labtと色空間中の座標の座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)の偏りが調整された色変換計数を探索し、決定することができる。
C.第3実施形態:
C1.色変換係数の決定方法:
第3実施形態においては、色変換係数決定部221は、第2実施形態と同様に、色空間中の座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)に重みwa、wb、WLを設定する。しかし、第3実施形態では、色変換係数決定部221が、以下に示す方法で重みを設定する点において、第2実施形態と異なる。第3実施形態の色変換係数の決定方法のその他の点については、第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
第3実施形態においては、第2実施形態と異なり、色変換係数決定部221は、式4で示す重みを座標成分ごとの差分に設定する。本実施形態では、色変換係数決定部221は、ΔEの値がΔE<2.0など予め定められた範囲内でない場合に、重みを設定する。
Figure 2015073174
式4を用いて座標成分ごとの差分に設定される重みwa、wb、WLは、色差ΔEに対する座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)の割合である。そのため、例えば、|Δa|の値が|Δb|の値や|ΔL|の値に比べて大きい場合には、|Δa|の値に設定される重みwaは、|Δb|の値や|ΔL|の値に設定される重みwb、Lに比べて大きくなる。すなわち、本実施形態では、ターゲット値Labtと測色値Labsとの差(ずれ)に応じた重みが設定される。
C2.第3実施形態の効果:
以上で説明したように、第3実施形態においては、色差(ΔE)の値が予め定められた範囲内でない場合には、色空間中の座標の座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)に、上述の式4で示した重みが設定される。重みは、ターゲット値Labtと測色値Labsとの色差ΔEに対する座標成分ごとの差分(ターゲット値とのずれ)に応じて、式4に示すように一意に設定される。そのため、ずれに応じた適切な重みが用いられるので、ターゲット値Labtと色空間中の座標の座標成分ごとの差分の偏りを、より効果的に調整することができる。
D.第4実施形態:
D1.色変換係数の決定方法:
第4実施形態においては、上述の第2、3実施形態と同様に、色変換係数決定部221は、色空間中の座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)に重みを設定する。色変換係数決定部221は、さらに、第4実施形態においては、基準点gごとに、ターゲット値Labtと測色値Labsとの色差ΔEに重みwgを設定する。第4実施形態の色変換係数の決定方法のその他の点については、上述の第2、3実施形態と同様であるため説明を省略する。
第4実施形態においては、色変換係数決定部221は、基準点gごとのターゲット値Labtと測色値Labsとの色差ΔEgに以下の式5で示すように重みを設定し、各基準点の色差wgΔEwgの合計値(目的関数)が最小となる色変換係数αを探索する。
Figure 2015073174
式5において、Crはターゲット値Labtにおける彩度である。なお、色変換係数決定部221は、基準点gごとに設定される重みwgを、正規化して用いてもよい。
また、色変換係数決定部221は、以下の式6に示すように、ターゲット値Labtと測色値Labsとの色差を、重みwgとして設定してもよい。
Figure 2015073174
なお、色変換係数決定部221は、上述の式6のように、ターゲット値Labtと測色値Labsとの色差ΔEgを重みwgとして設定する場合には、以下の式7のように、前回、色差ΔEを算出した場合に用いられた重みwgx_preを用いて、今回の重みwgxを設定してもよい。目的関数を最適化する場合における振動を抑制するためである。
Figure 2015073174
また、色変換係数決定部221は、複数の基準点のうち、ターゲット値Labtと測色値Labsとの離間度の変化が、色調の変化に与える影響に応じて、基準点に重みを設定してもよい。例えば、複数の基準点のうち、最も低い明度に対応する基準点については、小さな重みを設定してもよい。
D2.第4実施形態の効果:
以上で説明したように、第4実施形態においては、上述の第2、3実施形態と異なり、さらに、基準点gごとに、ターゲット値Labtと測色値Labsとの色差ΔEgに重みwgが設定される。式5を用いて重みを設定する場合には、ターゲット値Labtは既に設定されているので、彩度である重みが一意に算出される。また、式6を用いて重みを設定する場合には、測色値Labsとターゲット値Labtとの色差ΔEgが大きな場合には、大きな重みが設定される。そのため、基準点(ターゲット値Labt)とのずれが大きな測色値Labsを、ターゲット値Labtに近づけるような色変換係数αが探索される。さらに、式7のように、前回における色差ΔEgを算出した場合に用いられた重みwgx_preを用いて今回の重みwgxを設定する場合には、最適化手法における振動を抑制しつつ、基準点(ターゲット値Labt)とのずれが大きな測色値Labsをターゲット値Labtに近づけるような色変換係数αが探索される。また、複数の基準点のうち、離間度をより小さくしたい基準点については、大きな重みを設定することができる。よって、色調の変化に与える影響が大きな基準点の離間度を、効果的に小さくすることができる。すなわち、第4実施形態の色変換係数の探索方法によれば、ある測色値Labsのみがターゲット値Labtから離れている場合においても、その測色値Labsをターゲット値Labtに近づけるように調整して、色変換係数を探索し、決定することができる。
E.第5実施形態:
E1.色変換係数の決定方法:
図10は、第5実施形態における色変換係数αの決定方法を示すフローチャートである。第5実施形態においては、色変換係数決定部221が、複数の明度を基準点として選択し(ステップS300)、基準点ごとにターゲット値Labtを設定し(ステップS310)、変化させた色変換係数αと、基準点gにおけるインク量Vngとを用いてパッチ印刷機240にパッチを印刷させ、測色機250による測色結果を取得する点(ステップS320)については上述の種々の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、色変換係数決定部221は、測色値Labsとターゲット値Labtとの色差を、色差ΔEを算出するための重みが設定された複数の式を用いて算出する(ステップS330)。具体的には、以下に示すような式を用いる。
(1)色差を算出するための座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)に重みが設定された式8〜式10
Figure 2015073174
Figure 2015073174
Figure 2015073174
(2)基準点ごとの色差ΔEgにそれぞれ重みが設定された式11〜13
Figure 2015073174
Figure 2015073174
Figure 2015073174
(3)座標成分ごとの差分(Δa、Δb、ΔL)を2乗して色差を求める式14
Figure 2015073174
(4)(1)色差を算出するための座標成分ごとの差分(|Δa|、|Δb|、|ΔL|)に重みが設定された式と、(2)基準点ごとの色差ΔEgにそれぞれ重みが設定された式とが組み合わされた式15
Figure 2015073174
上述の複数の式を用いて色差が算出されると、色変換係数決定部221は、複数の式の中から、それぞれの平均ΔE76(色差式1976)が最小となり、かつ、最大ΔE76が最小となる式を選択する(ステップS340)。ステップS340では、色変換係数決定部221は、さらに、選択した式により色変換係数αを探索し、決定する。
E2.第5実施形態の効果:
以上で説明したように、第5実施形態においては、予め用意され、重みが設定された複数の式(目的関数)を用いて色差が計算される。そのため、上述の第2〜4実施形態のように、判定と重みの設定と色変換係数の探索とが繰り返されることがないので、色変換係数αの決定に要する時間を減らすことができる。
F.第6実施形態:
F1.色変換係数の決定方法:
第6実施形態では、上述の種々の実施形態における色変換係数の決定方法のうち、基準点の選択方法が異なる。その他の点については、上述の種々の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図11は、色変換係数の決定方法のうち、基準点の選択方法を示すフローチャートである。基準点の選択に際しては、色変換係数決定部221は、まず、プリンター22で用いられる印刷媒体Pに画像が印刷された場合における最大の明度(紙白)と最小の明度(紙黒)とを、測色機250を用いて取得する(ステップS400)。
次に、色変換係数決定部221は、印刷媒体Pの明度の取り得る範囲(明度レンジ)である、紙白と紙黒との差分を算出する(ステップS410)。
明度レンジが算出されると、色変換係数決定部221は、明度レンジに応じて複数の基準点の明度の間隔を決定し、基準点を選択する(ステップS420)。具体的には、色変換係数決定部221は、明度レンジ内において所定の数に明度を等分し、それぞれの明度を基準点として選択する。
図12は、第6実施形態において選択された基準点と、ターゲット値Labtの色彩値とを示す図である。図12に示す縦軸は色彩値(a値、b値)であり、横軸は明度(L値)である。図12には、ターゲット値at、btが示されている。図12に示す基準点g1〜g5は、紙黒(紙白)の明度g1からL=20の幅になるように選択されている。
以上のようにして複数の明度が基準点として選択し、ターゲット値Labtを設定すると、色変換係数決定部221は、上述の種々の実施形態と同様に色変換係数αを探索し、決定する。
F2.第6実施形態の効果:
以上で説明したように、第6実施形態の色変換係数の決定方法によれば、基準点の数を明度レンジに応じて決定することができる。そのため、例えば、明度レンジが広い場合には多くの数の基準点を選択することができ、明度レンジが狭い場合には少ない数の基準点を選択することができる。そのため、実際に画像が印刷される印刷媒体の明度レンジに応じた、効果的な数の基準点を選択することができる。
G.第7実施形態:
G1.色変換係数の決定方法:
第7実施形態においても上述の第6実施形態と同様に、第1〜第5実施形態における色変換係数の決定方法のうち、基準点の選択方法が異なる。その他の点については、上述の種々の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図13は、色変換係数の決定方法のうち、基準点の選択方法を示すフローチャートである。基準点の選択に際しては、まず、色変換係数決定部221は、基準1次元LUT100nの明度の中から、最大の彩度を有する明度を基準点として選択する(ステップS500)。以降、最大の彩度を有する明度を、「最大彩度点」ともいう。彩度は、以下に示す式16により算出される。
Figure 2015073174
次に、色変換係数決定部221は、最大彩度点以外の明度を基準点として選択する(ステップS510)。ステップS500〜ステップS510により、例えば、色変換係数決定部221は、以下のような明度を基準点として選択する。
・紙白の明度(g5)
・紙黒の明度(g1)
・最大彩度(g3)
・紙白の明度と最大彩度点とを所定の数に等分した場合における明度(g4)
・紙黒の明度と最大彩度点とを所定の数に等分した場合における明度(g2)
図14は、第7実施形態において選択された基準点と、ターゲット値Labtの色彩値とを示す図である。図12に示す縦軸は色彩値(a値、b値)であり、横軸は明度(L値)である。図12には、ターゲット値at、btが示されている。図14に示す基準点g1〜g5のうち、基準点g3は、最大彩度点に対応する基準点である。
以上のようにして最大彩度点に対応する明度を含む複数の明度を基準点として選択し、ターゲット値を設定すると、色変換係数決定部221は、上述の種々の実施形態と同様に色変換係数を探索し、決定する。
G2.第7実施形態の効果:
以上で説明したように、第7実施形態の色変換係数の決定方法によれば、最大彩度点を含む複数の明度が基準点として選択される。そのため、測色値Labsが最大彩度点に近づくような色変換係数αが探索される。よって、作成された1次元LUT100sにより表現される彩度の最大値を、プリンター22に用いられるインクの種類等が変更される前の1次元LUT100spで表現された彩度の最大値に近づけることができる。すなわち、作成された1次元LUT100sにより、彩度がクリップ(制限)されることを抑制することができる。
H.変形例:
H1.変形例1:
上述の種々の実施形態では、ターゲット値がおよび測色値を表す座標系は、Lab座標系である。これに対し、ターゲット値および測色値を表す座標系は、Lch座標系やLuv座標系でもよい。
H2.変形例2:
上述の第1実施形態のステップS130では、色変換係数決定部221は、複数の基準点のΔEを平均した平均ΔEが最小となる色変換係数を探索している。これに対し、色変換係数決定部221は、複数の基準点のΔEを合計した合計ΔEが最小となる色変換係数を探索してもよい。
H3.変形例3:
上述の第5実施形態のステップS340では、色変換係数決定部221は、平均ΔE76が最小となり、かつ、最大ΔE76が最小となる式を選択している。これに対し、色変換係数決定部221は、平均ΔE00(色差式2000)が最小となり、かつ、最大ΔE00が最小となる式を選択してもよい。
H4.変形例4:
上述の種々の実施形態では、重みが設定されていない場合における色差ΔEは、例えば式2を用いて算出されている。これに対し、色差ΔEは、ターゲット値と測色値との座標成分ごとの差分(距離)が含まれていれば、他の式を用いて算出されてもよい。例えば、以下の式17を用いて算出されてもよい。
Figure 2015073174
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
21…液晶ディスプレイ
22…プリンター
28…印刷ヘッド
31…キャリッジ
32…操作パネル
41…CPU
42…ROM
51…キーボード
52…マウス
90…コンピューター
91…ビデオドライバー
92…アプリケーションプログラム
93…プリンタードライバー
94…解像度変換モジュール
95…色変換モジュール
96…ハーフトーンモジュール
97…並べ替えモジュール
100…色変換テーブル
100n…基準1次元LUT
100a…3次元LUT
100c…クール調の1次元LUT
100w…ウォーム調の1次元LUT
100s…セピア調の基準1次元LUT
200…LUT作成システム
210…コンピューター
220…CPU
221…色変換係数決定部
223…LUT生成部
230…メモリー
240…パッチ印刷機
250…測色機
MID1…画像データ
MID2…画像データ
MID3…画像データ
PID…初期画像データ
ORG…原画像データ
FNL…印刷画像データ

Claims (7)

  1. 色変換ルックアップテーブルの作成方法であって、
    (a)画像データの明度の入力に応じて、有彩色インクを含む複数のインクの使用量をそれぞれ出力するためのテーブルである、基準ルックアップテーブルを用意する工程と、
    (b)目標とする色調を再現するために前記基準ルックアップテーブルの前記有彩色インクの使用量を変更するために用いられる色変換係数を決定する工程と、
    (c)決定された前記色変換係数を用いて、前記基準ルックアップテーブルの各明度に対応する前記有彩色インクの使用量を変更し、前記色変換ルックアップテーブルを作成する工程と、を備え、
    前記工程(b)は、
    (b1)前記基準ルックアップテーブルの中から複数の明度を複数の基準点として選択する工程と、
    (b2)前記基準点ごとに、色空間中の前記目標とする色調に対応する目標座標をそれぞれ設定する工程と、
    (b3)前記色変換係数を変化させながら、複数の前記基準点ごとに、前記変化させた色変換係数および前記基準点のインクの使用量を用いて算出されるインクの使用量によって印刷される色の前記色空間中における現座標と、前記目標座標と、の離れ度合いを表す離間度を算出し、前記変化させた色変換係数の中から、算出された前記複数の基準点ごとの前記離間度がそれぞれ小さくなる前記色変換係数を求める工程と、
    を備える、色変換ルックアップテーブルの作成方法。
  2. 請求項1記載の色変換ルックアップテーブルの作成方法であって、
    前記工程(b3)では、前記現座標と前記目標座標との座標成分ごとの差分がそれぞれ小さくなるように、前記差分にそれぞれ重みを設定し、重みが設定された各前記差分を合算することによって前記離間度を算出する、色変換ルックアップテーブルの作成方法。
  3. 請求項2に記載の色変換ルックアップテーブルの作成方法であって、
    前記工程(b3)では、前記離間度に対する前記差分の割合に応じた重みを各前記差分に設定する、色変換ルックアップテーブルの作成方法。
  4. 請求項1に記載の色変換ルックアップテーブルの作成方法であって、
    前記工程(b3)では、前記基準点ごとの前記離間度に対して重みを設定する、色変換ルックアップテーブルの作成方法。
  5. 請求項1に記載の色変換ルックアップテーブルの作成方法であって、
    前記工程(b3)では、前記現座標と前記目標座標との座標成分ごとの差分に設定する重みと、前記基準点ごとの前記離間度に設定する重みと、のうち少なくとも一方の重みを含む複数の関数を予め用意し、前記基準点ごとに算出された前記離間度がそれぞれ小さくなるような前記関数を用いて前記色変換係数を求める、色変換ルックアップテーブルの作成方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の色変換ルックアップテーブルの作成方法であって、
    前記工程(b1)では、印刷が行われた印刷媒体を測色したときの明度の最大値と最小値との幅に応じて、前記複数の基準点の明度の間隔を決定する、色変換ルックアップテーブルの作成方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の色変換ルックアップテーブルの作成方法であって、
    前記工程(b1)では、最大の彩度に対応する明度を含む前記複数の基準点を選択する、色変換ルックアップテーブルの作成方法。
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