JP2009177789A - 印刷制御装置、印刷システムおよび印刷制御プログラム - Google Patents

印刷制御装置、印刷システムおよび印刷制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】実際に印刷を行う印刷装置で使用される色材群とは異なる色材群の混色を予測し、該予測された混色を該印刷装置にて印刷して視認可能にする。
【解決手段】前記第1の色材群と異なる第2の色材群を利用して作成される混色の分光反射率を、混色元となる前記第2の色材群における各色材の分光反射率と前記混色における前記第2の色材群の各色材の使用割合とに基づいて予測する分光反射率予測手段と、前記混色の分光反射率に近似する分光反射率を前記記録媒体上に再現する前記色材量セットを予測する色材量セット予測手段と、当該予測した色材量セットに基づいて前記印刷装置に印刷を実行させる印刷制御手段と、を備えさせる。
【選択図】図8

Description

本発明は、印刷制御装置、印刷システムおよび印刷制御プログラムに関し、特に混色の分光反射率を再現させるための印刷制御装置、印刷システムおよび印刷制御プログラムに関する。
分光的な再現性に注目した印刷方法が提案されている(特許文献1参照。)。この文献においては、ターゲット画像に分光的かつ測色的に一致するような印刷を行うために、プリンティングモデルを使用し、ターゲットの分光反射率(ターゲットスペクトル)にフィッティングするようにプリンタ色(CMYKOG)の組み合わせを最適化している。このようにすれば、当該プリンタ色(CMYKOG)に基づく印刷を行うことにより、分光的にターゲット画像が再現でき、結果として測色的にも再現性の高い印刷結果を得ることができる。
特表2005−508125号公報
ところで、印刷業界には、正式な印刷を行う前に印刷結果を確認するためのプルーフ等、他の印刷装置が無い状況においても該他の印刷装置による印刷結果を作成する必要性や要望がある。また、既に作成済みの色(印刷済みの色、自然界に存在する色、絵画や文化財や文書等に既に着色されている色、絵の具の色等)を混ぜ合わせた色を、実際に印刷して目で見て確認したいという要望もある。印刷装置同士であれば、予め印刷装置同士の色空間を対応付けるLUT等を作成しておき、作成したLUTに基づく印刷を行ったりすることで実現可能ではある。ただし、大きなサイズのLUTを記憶させるとメモリサイズを圧迫することにもなるし、印刷結果を再現したい他の印刷装置が特定されていない場合はこのようなLUTを持つこと自体が現実的でなくなる。また、印刷結果以外で作成済みの色を混ぜ合わせた結果を予測するのは、そもそもLUT等では実現不可能である。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、実際に印刷を行う印刷装置で使用される色材群とは異なる色材群の混色を予測し、該予測された混色を該印刷装置にて印刷して視認可能にする印刷制御装置、印刷システムおよび印刷制御プログラムを提供する。
前記課題を解決するために、本発明の印刷制御装置は、印刷手段と分光反射率予測手段と色材量セット予測手段と混色印刷手段とを備える構成としてある。印刷手段は、前記色材量セットとインデックスとの対応関係を規定することにより作成されたルックアップテーブルを参照することにより、指定されたインデックスに対応する前記色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷させる。この印刷において参照されるルックアップテーブルにおいては、第2の色材群を利用して作成される混色を前記記録媒体上に再現するように予測した色材量セットが、前記混色を特定するインデックスに対応付けて規定されている。前記第2の色材群は、前記第1の色材群と異なる色材群である。前記混色を前記第1の色材群を用いて前記記録媒体上に再現するための色材量セットは、混色元となる前記第2の色材群における各色材の分光反射率と前記混色における前記第2の色材群の各色材の使用割合とに基づいて前記混色の分光反射率を所定の予測モデルで予測し、該混色の分光反射率に近似する分光反射率を前記記録媒体上に再現するように予測されたものである。前記混色の分光反射率に近似する分光反射率を前記記録媒体上に再現する前記色材量セットによれば、光源が変動しても混色の元となった色材を実際に混合して作成される色と同様の色を示す印刷結果を得ることができる。
なお、前記分光反射率取得手段は、実際に前記色材についての分光反射率測定を行うことにより前記分光反射率を取得してもよいし、ユーザー等から前記色材の分光反射率の入力を受付けてもよい。また、前記印刷装置は少なくとも複数の前記色材を前記記録媒体に付着させることができればよく、インクジェットプリンタやレーザープリンタや昇華型プリンタ等の種々の印刷装置が採用可能である。
また、前述した色材量セットを予測するにあたり、前記色材量セット予測手段は、前記第1の色材群における各色材の分光反射率と前記第1の色材群における各色材の使用割合とに基づいて分光反射率予測手段によって予測された結果が、前記混色の分光反射率に近似する分光反射率となるように、前記第1の色材群における各色材の使用割合を変化させて繰り返し分光反射率予測手段に予測させることで、前記色材量セットの予測を行う構成としてもよい。このように構成すると、第1の色材群を利用して第2の色材群の混色結果を再現する際に、最も適した色材量セットで印刷を行うことが出来るようになる。
また、予測された色材量セットの近似度合を評価する、波長によって異なる重みを加味しつつ前記混色の分光反射率に対する近似性を評価する評価値に基づいて行うことにより実現可能である。前記重みの好適な一例として、人間の目の分光感度特性に基づいて設定されるものを適用してもよい。このようにすることにより、人間の分光感度が敏感な波長について優先的に分光反射率を近似させることができ、視覚的に再現精度のよい印刷結果を得ることができる。より具体的な例として、前記重みが3刺激値に対応する各等色関数の線形結合に基づいて設定されるようにしてもよい。このようにすれば、3刺激値に対応する各等色関数に対応する波長域を総合的に重視することが可能な前記重みを設定することができる。
さらに、前記重みが前記混色の分光反射率に基づいて設定されてもよい。例えば、前記混色の分光反射率が強いスペクトルを有している波長域については、最終的に視覚に大きく影響すると考えられるため、当該波長域を優先させて近似させることが望ましい。また、前記重みが所定の光源の分光エネルギー分布に基づいて設定されてもよい。所定の光源の分光エネルギー分布に応じて前記重みを設定することにより、光源が強いスペクトルを有している波長域について優先させて近似させることでき、当該光源における視覚的再現性を向上させることができる。また、単一光源のみならず複数光源での再現性を総合的に考慮して、前記重みを複数光源の分光エネルギーの線形結合に基づいて設定されるようにしてもよい。
さらに、本発明の技術的思想は、具体的な印刷制御装置にて具現化されるのみならず、その方法としても具現化することができる。すなわち、上述した印刷制御装置が行う各手段に対応する工程を有する方法としても本発明を特定することができる。むろん、上述した印刷制御装置がプログラムを読み込んで上述した各手段を実現する場合には、当該各手段に対応する機能を実行させるプログラムや当該プログラムを記録した各種記録媒体においても本発明の技術的思想が具現化できることは言うまでもない。なお、本発明の印刷制御装置は、単一の装置のみならず、複数の装置によって分散して存在可能であることはいうまでもない。例えば、印刷制御装置が有する各手段が、パーソナルコンピュータ上で実行されるプリンタドライバと、プリンタの双方において分散することも可能である。また、プリンタ等の印刷装置に本発明の印刷制御装置の各手段を包含させることも可能である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
1.印刷制御装置の構成:
2.印刷データ生成処理:
3.混色の印刷データ生成処理:
4.印刷制御処理:
4−1.1D−LUT作成処理:
4−2.印刷制御データ生成処理:
5.分光プリンティングモデル:
6.変形例:
6−1:変形例1:
6−2:変形例2:
6−3:変形例3:
6−4:変形例4:
6−5:変形例5:
6−6:変形例6:
6−7:変形例7:
1.印刷制御装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷制御装置のハードウェア構成を示している。同図において、印刷制御装置は主にコンピュータ10によって構成されており、コンピュータ10はCPU11とRAM12とROM13とハードディスクドライブ(HDD)14と汎用インターフェイス(GIF)15とビデオインターフェイス(VIF)16と入力インターフェイス(IIF)17とバス18とから構成されている。バス18は、コンピュータ10を構成する各要素11〜17の間でのデータ通信を実現するものであり、図示しないチップセット等によって通信が制御されている。HDD14には、オペレーティングシステム(OS)を含む各種プログラムを実行するためのプログラムデータ14aが記憶されており、当該プログラムデータ14aをRAM12に展開しながらCPU11が当該プログラムデータ14aに従って演算を実行する。GIF 15は、例えばUSB規格に準じたインターフェイスを提供するものであり、外部のプリンタ20と分光反射率計30をコンピュータ10に接続させている。VIF 16はコンピュータ10を外部のディスプレイ40に接続し、ディスプレイ40に画像を表示するためのインターフェイスを提供する。IIF 17はコンピュータ10を外部のキーボード50aとマウス50bに接続し、キーボード50aとマウス50bからの入力信号をコンピュータ10が取得するためのインターフェイスを提供する。
図2は、コンピュータ10にて実行されるプログラムのソフトウェア構成を概略的なデータの流れとともに示している。同図において、コンピュータ10では、おもにOS P1と見本印刷アプリケーション(APL)P2と1D−LUT生成アプリケーション(LUG)P3aとプリンタドライバ(PDV)P3bと分光反射率計ドライバ(MDV)P4とディスプレイドライバ(DDV)P5が実行されている。OS P1は、各プログラムが使用可能なAPIのひとつとして画像機器インターフェイス(GDI) P1aとスプーラP1bを提供しており、APL P2の要求に応じてGDI P1aが呼び出され、さらにGDI P1aの要求に応じてPDV P3bやDDV P5が呼び出される。GDI P1aはコンピュータ10がプリンタ20やディスプレイ40等の画像出力装置における画像出力を制御するための汎用的な仕組みを提供し、一方のPDV P3bやDDV P5はプリンタ20やディスプレイ40の機種固有の処理等を提供する。また、スプーラP1bは、APL P2やPDV P3bやプリンタ20の間に介在し、ジョブのコントロール等を実行する。APL P2は、見本チャートSCを印刷するためのアプリケーションプログラムであり、RGBビットマップ形式の印刷データPDを生成し、GDI P1aに対して当該印刷データPDを出力する。また、印刷データPDを生成するにあたっては、MDV P4からターゲットの測色データMDを取得する。MDV P4は、APL P2の要求に応じて分光反射率計30を制御し、当該制御によって得られた分光反射率データRDをAPL P2に出力する。
APL P2が生成した印刷データPDはGDI P1aやスプーラP1bを経由してPDV P3bに出力され、PDV P3bが印刷データPDに基づいてプリンタ20に出力可能な印刷制御データCDを生成する処理を実行する。PDV P3bが生成した印刷制御データCDはOS P1が提供するスプーラP1bを介してプリンタ20に出力され、プリンタ20が当該印刷制御データCDに基づく動作を行うことにより見本チャートSCを印刷用紙上に印刷させる。以上においては、全体の処理の流れ概略的に説明したが、以下、フローチャートを用いて各プログラムP1〜P4が実行する処理を詳細に説明する。
2.印刷データ生成処理
図3は、APL P2が実行する印刷データ生成処理の流れを示している。図2に示すようにAPL P2はUIモジュール(UIM)P2aと測定制御モジュール(MCM)P2bと印刷データ生成モジュール(PDG)P2cと混色の印刷データ生成モジュールP2dとから構成されており、これらの各モジュールP2a,P2b,P2cが図3に示す各ステップを実行する。なお、混色の印刷データ生成モジュールP2dについては後述の3節や6−7節で行われる混色の作成に使用されるモジュールである。ステップS100においては、UIM P2aがGDI P1aおよびDDV P5を介して、見本チャートSCを印刷させる旨の印刷指示を受付けるためのUI画面Xを表示させる。UI画面Xにおいては、見本チャートSCのテンプレートを示す表示が設けられている。
図4は、UI画面Xの一例を示している。同図において、前記テンプレートTPが表示されており、当該テンプレートTPにはカラーパッチをレイアウトするための12個の枠FL1〜FL12が設けられている。UI画面Xには各枠FL1〜FL12をマウス50bのクリックによって選択することが可能となっており、枠FL1〜FL12をクリックすると分光反射率測定を開始させるか否かを指示するための選択ウィンドウWが表示される。また、UI画面Xにおいては、見本チャートSCの印刷を実行させるか否かを指示するためのボタンB1も設けられている。ステップS110においては、UIM P2aがマウス50bによる各枠FL1〜FL12のクリックを検出し、検出された場合にはステップS120にて分光反射率測定を開始させるか否かを指示するための選択ウィンドウWを表示させる。ステップS130においては選択ウィンドウWにおけるマウス50bのクリックを検出し、キャンセルがクリックされた場合にはステップS110に戻る。一方、分光反射率測定実行がクリックされた場合には、ステップS140においてMCM P2bがMDV P4を介して分光反射率計30にターゲットTGの分光反射率R(λ)としてターゲット分光反射率Rt(λ)の測定を実行させ、当該ターゲット分光反射率Rt(λ)を格納した分光反射率データRDを取得する。
ステップS140におけるターゲット分光反射率Rt(λ)の測定が完了すると、最も標準的な光源であるD65光源を照射したときのCIELAB色空間における色彩値(L***値)を算出する。そして、当該L***値を所定のRGBプロファイルを使用してRGB値に変換し、当該RGB値を表示用RGB値として取得する。なお、RGBプロファイルは絶対色空間としてのCIELAB色空間と本実施形態のRGB色空間との等色関係を規定したプロファイルであり、例えばICCプロファイルを使用することができる。
図5は、ステップS140において、分光反射率データRDから表示用RGB値を算出する様子を模式的に示している。ターゲットTGについてターゲット分光反射率Rt(λ)を測定した結果、図示するようターゲット分光反射率Rt(λ)の分布を示す分光反射率データRDが得られたとする。なお、ターゲットTGは、分光的な再現の目標とする物体表面を意味し、例えば他の印刷装置や塗装装置等で形成した人工的物体表面や、自然物の表面等が該当する。一方、D65光源は図示するような可視波長域において不均一な分光エネルギーP(λ)の分布を有しており、ターゲットTGにD65光源を照射したときの各波長の反射光の分光エネルギーは、ターゲット分光反射率Rt(λ)と分光エネルギーP(λ)を各波長について掛け合わせた値となる。さらに、反射光の分光エネルギーのスペクトルに対して人間の分光感度特性に応じた等色関数x(λ),y(λ),z(λ)をそれぞれ畳み込み積分し、係数kによって正規化することにより、3刺激値X,Y,Zを得る。以上を数式で表すと下記の(1)式となる。
Figure 2009177789
3刺激値X,Y,Zを所定の変換式によって変換することにより、ターゲットTGにD65光源を照射したときの色を示すL***値を得ることができ、さらにRGBプロファイルを使用することにより、表示用RGB値を得ることができる。ステップS145においては、テンプレートTPにおいてクリックされた枠FL1〜FL12を前記表示用RGB値で塗りつぶした表示に更新する。これにより、標準的な光源であるD65光源でのターゲットTGの色をUI画面にて感覚的に把握することが可能となる。ステップS145が完了すると、ステップS150において固有のインデックスを生成するとともに、当該インデックスと、ステップS110にてクリックされた枠FL1〜FL12の位置情報と表示用RGB値を分光反射率データRDに対応付けてRAM12に記憶する。ステップS150が完了すると、ステップS110に戻り、ステップS120〜S150を繰り返して実行する。これにより、他の枠FL1〜FL12を選択し、他の枠FL1〜FL12について他のターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)の測定を行うことができる。
本実施形態においては、それぞれ異なる12種類のターゲットTG1〜TG12が用意されており、ターゲットTG1〜TG12のそれぞれについてのターゲット分光反射率Rt(λ)が分光反射率測データRDとして取得されるものとする。従って、ステップS150においては、各枠FL1〜FL12についての分光反射率測データRDと固有のインデックスを対応付けたデータが順次RAMに記憶されていくこととなる。なお、インデックスはそれぞれの値が固有となるように生成されればよく、インクリメントによって生成してもよいし、重複しない乱数によって生成してもよい。
ステップS110において、各枠FL1〜FL12のクリックが検出されない場合には、ステップS160にて見本チャートSCの印刷を実行させる旨のボタンB1のクリックを検出し、検出されない場合にはステップS110に戻る。一方、見本チャートSCの印刷を実行させる旨のボタンB1のクリックが検出された場合には、ステップS170にてPDG P2cが印刷データPDを生成する。
図6は、印刷データPDの構成を模式的に示している。同図において、印刷データPDはドットマトリクス状に配列した多数の画素によって構成されており、各画素が4バイト(8ビット×4)の情報を有している。印刷データPDは、図4に示したテンプレートTPと同様の画像を示しており、テンプレートTPの各枠FL1〜FL12に対応する領域以外の画素は、テンプレートTPに対応する色のRGB値を有している。RGB各チャネルの階調値はそれぞれ8ビット(256階調)によって表現され、上述した4バイトのうち3バイトがRGB値を格納するために使用される。例えば、テンプレートTPの各枠FL1〜FL12以外の色が(R,G,B)=(128,128,128)の一様な中間グレーで表される場合、印刷データPDにおける各枠FL1〜FL12に対応する領域以外の画素は(R,G,B)=(128,128,128)の色情報を有することとなる。なお、残りの1バイトは使用されない。
一方、テンプレートTPの各枠FL1〜FL12に対応する画素も4バイトの情報を有しており、通常、RGB値が格納される3バイトを使用してインデックスを格納する。このインデックスは、ステップS150にて各枠FL1〜FL12ごとに生成した固有のものであり、PDG P2cはインデックスをRAM12から取得し、各枠FL1〜FL12に対応する画素に対応するインデックスを格納する。このようにインデックスをRGB値の代わりに格納した各枠FL1〜FL12に対応する画素については、残りの1バイトを使用してインデックスが格納された旨のフラグを立てる。これにより、各画素がRGB値を格納しているか、インデックスを格納しているかを判別することができる。本実施形態では、インデックスを格納するために3バイトを使用することができるため、3バイト以下の情報量で表現できるインデックスをステップS150で生成しておく必要がある。以上のようにしてビットマップ形式の印刷データPDが生成できると、ステップS180において、PDG P2cがインデックステーブルIDBを生成する。
図7は、インデックステーブルIDBの一例を示している。同図において、各枠FL1〜FL12に対応して生成された固有のインデックスのそれぞれに対して、測定によって得られたターゲット分光反射率Rt(λ)およびD65光源におけるL***値に対応する表示用RGB値が格納されている。インデックステーブルIDBの生成が完了すると、印刷データPDはGDI P1aやスプーラP1bを経由してPDV P3bに出力される。印刷データPDは、外形上、通常のRGBビットマップ形式と変わらないため、OS P1が提供するGDI P1aやスプーラP1bにおいても通常の印刷ジョブと同様に処理することができる。一方、インデックステーブルIDBは、直接、PDV P3bに出力される。なお、本実施形態においては、インデックステーブルIDBを新たに生成するようにしたが、既存のインデックステーブルIDBにインデックスとターゲット分光反射率Rt(λ)と表示用RGB値の新たな対応関係を追記するようにしてもよい。また、以上の印刷データ生成処理と後述する印刷制御処理は必ずしも同一の装置において連続して実行する必要はなく、印刷データ生成処理と印刷制御処理を例えばLANやインターネット等の通信回線によって接続された複数のコンピュータ上にて個別に実行してもよい。
3.混色の印刷データ生成処理
さらにAPL P2は混色の印刷データ生成も可能になっている。図8は混色の印刷データ生成部P2bが主体となって実行する混色の印刷データ生成処理の流れを示している。ステップS400において、UIM P2aがGDI P1aおよびDDV P5を介して、混色の作成と作成した混色を印刷させる旨の印刷指示を受付けるためのUI画面Yを表示させる。
図9は、UI画面Yの一例を示している。同図においてUI画面Yには、混色の元になる色を指定する指定枠FL21〜FL24が設けられている。指定枠FL21〜FL24はマウス50bのクリックによって選択可能になっており、指定枠FL21〜FL24をクリックするとカラーパレットCPが新たなウィンドウとしてポップアップ表示される。カラーパレットCPには、混色の元となる色見本CL1〜CL16が一覧表示されており、マウス50bで色見本CL1〜CL16のいずれかをクリックするとクリックされた色が指定枠に指定される。また、UI画面Yには、混色の割合を指定するスライダSLと、混色の予測を指示するボタンB2も設けられている。図9においては、一例として4つの指定枠を正方形の各角に表示してあり、4色までの混色の作成が可能なように記載してある。各指定枠の間にはスライダSLが表示されており、スライダSLの位置で各指定枠の色の使用割合(混色において各指定枠の色が使用される比率)が決定される。無論、2色以上であれば任意の色数の混色が可能である。
混色の印刷データ生成処理が開始されると、ステップS400において、混色の指定を行うUI画面Yを表示する。続くステップS410においては、混色の元となる色の指定を受付ける。具体的にはUIM P2aがマウス50bによる指定枠FL21〜FL24のいずれかのクリックを検出し、検出された場合はステップS420に進んでカラーパレットCPのウィンドウをポップアップ表示させる。そしてカラーパレットCPの色見本CL1〜CL16の何れかのクリックを検出し、検出された色見本を受付け、受付けた色見本をステップS400でクリックされた指定枠に対して設定してステップS430に進む。色見本が設定された指定枠には、この色見本が表示される。一方、ステップS410においてマウス50bのクリックを検出しない場合は、ステップS440に進む。
続くステップS430においては、使用割合の指定を受付ける。具体的には、UIM P2aがマウス50bによるスライダSLのドラッグアンドドロップを検出し、検出された場合にはドラッグアンドドロップ中のマウス50bの動きに追随してスライダSLを移動させる。なお、より詳細な使用割合を指定するために、各見本色の使用割合を数値で入力する等、使用割合の指定方法は様々なものが採用可能である。
続くステップS440においては、指定枠FL21〜FL24のうち2枠以上に色見本が設定されているか否かを判断する。2つ以上の指定枠に色見本が設定されていない場合は、混色が不可能なのでステップS410に戻り、色見本が2枠以上に設定済みであればステップS450に進む。
ステップS450においては、混色の予測を開始するか否かを判断する。具体的には、UIM P2aがマウス50bによるボタンB2のクリックを検出し、検出した場合にはステップS460に進んで混色の分光反射率の計算を実行する。マウス50bによるボタンB2のクリックを検出しない場合は、ステップS410に戻る。
ステップS460においては、指定枠に指定された色見本をスライダSLにて指定された使用割合にて混合した混色の分光反射率の予測を行う。混色の分光反射率は、使用割合に応じて各色見本の分光反射率に対し重み付けを行った線型結合で計算したり、後述の4節に記載の分光プリンティングモデルにおけるノイゲバウアモデル等で計算したりすることができる。例えば、4色の色見本の混色を線型結合で計算する場合は、分光反射率R1(λ)の色見本と、分光反射率R2(λ)の色見本と、分光反射率R3(λ)の色見本と、分光反射率R4(λ)の色見本と、を、f1:f2:f3:f4(f1+F2+f3+f4=1、0≦f1≦1、0≦f2≦1、0≦f3≦1、0≦f4≦1)、の割合で混合して作成される混色の分光反射率Rmix(λ)は、Rmix(λ)=f1×R1(λ)+f2×R2(λ)+f3×R3(λ)+f4×R4(λ)、の式にて計算できる。
また、同様に4色の色見本の混色を、分光プリンティングモデルのセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルを利用して計算する場合は、4節の分光プリンティングモデルにおけるインクセット(CMYやCMYKlclm等)の代わりに指定枠FL21〜FL24に指定された色を使用し、インク量セットの代わりにスライダSLにて指定された使用割合を使用することになる。
なお、混色の予測は、前述のように複数の色見本の混色を予測するのみならず、他のプリンタにおける印刷結果を予測することも可能である。すなわち、実際に印刷実行するプリンタ20以外の他のプリンタPにおけるインクセットの組合せにより作成される色の分光反射率を予測するのである。より具体的には、プリンタPのインクセットに基づいて後述の4節のように分光プリンティングモデルによる分光反射率データベースを構築し、プリンタPの任意のインク量セットが入力された場合の分光反射率を予測するのである。このように他のプリンタPにて使用されるインクセットや、混色の元となる色として前述したカラーパレットCPからFLにて受付けられた各色等が第2の色材群に相当する。一方、プリンタ20のインクセットは、第1の色材群に相当する。
ステップ460における分光反射率Rmix(λ)の算出が完了すると、ステップ470において、固有のインデックスを作成するとともに、当該インデックスを分光反射率データRDに対応付けてRAM12に記憶する。また、分光反射率データRDに対して、最も標準的な光源であるD65光源を照射したときのCIELAB色空間における色彩値(L***値)を算出する。そして、当該L***値を所定のRGBプロファイルを使用してRGB値に変換し、当該RGB値を表示用RGB値として測色データMDと対応付けてRAM12に記憶する。なお、RGBプロファイルは絶対色空間としてのCIELAB色空間と本実施形態のRGB色空間との等色関係を規定したプロファイルであり、例えばICCプロファイルを使用することができる。この分光反射率データRDから表示用RGB値を算出する様子は前述の印刷データ生成処理と同様なので、説明を省略する。
続くステップS480においては、混色の印刷を実行させる旨のボタンB3のクリックを検出し、検出されない場合にはステップS410に戻る。一方、混色の印刷を実行させる旨のボタンB3のクリックが検出された場合には、ステップS490にてPDG P2cが印刷データPDを生成する。作成される印刷データは前述の印刷データ生成処理と同様である。印刷データPDが生成されると、ステップS500において、PDG P2cがインデックステーブルIDBを生成する。生成されるインデックステーブルIDBについても前述の印刷データ生成処理と同様である。インデックステーブルIDBの生成が完了すると、印刷データPDはGDI P1aやスプーラP1bを経由してPDV P3bに出力される。一方、インデックステーブルIDBは、直接、PDV P3bに出力される。
4.印刷制御処理
図10は、LUG P3aとPDV P3bが実行する印刷制御処理の全体的な流れを示している。1D−LUT生成処理(ステップS200)をLUG P3aが担当し、一方の印刷制御データ生成処理(ステップS300)をPDV P3bが担当する。1D−LUT生成処理は印刷制御データ生成処理に先行して行われてもよいし、1D−LUT生成処理と印刷制御データ生成処理を並行して行うようにしてもよい。
4−1.1D−LUT生成処理
図11は、1D−LUT生成処理の流れを示している。図2に示すようにLUG P3aは、インク量セット算出モジュール(ICM)P3a1と分光反射率予測モジュール(RPM)P3a2と評価値算出モジュール(ECM)P3a3とLUT出力モジュール(LOM) P3a4とから構成されている。ステップS210においては、ICM P3a1がインデックステーブルIDBを取得する。ステップS220においては、インデックステーブルIDBから一つのインデックスを選択し、当該インデックスに対応付けられている分光反射率データRDを取得する。ステップS230においては、ICM P3a1が前記分光反射率データRDが示すターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)と同様の分光反射率R(λ)が再現可能なインク量セットを算出する処理を行う。その際に、上述したRPM P3a2とECM P3a3を使用する。
図12は、前記分光反射率データRDが示すターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)と同様の分光反射率R(λ)が再現可能なインク量セットを算出する処理の流れを模式的に示している。RPM P3a2は、ICM P3a1からのインク量セットφの入力に応じて、当該インク量セットφに基づいてプリンタ20が所定の印刷用紙にインクを吐出させたときの分光反射率R(λ)を予測し、当該分光反射率R(λ)を予測分光反射率Rs(λ)としてECM P3a3に出力する。
ECM P3a3は、分光反射率データRDが示すターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)と予測分光反射率Rs(λ)の差分D(λ)を各波長λについて算出し、各波長λごとに重みが課せられた重み関数w(λ)を当該差分D(λ)に乗算する。この値の二乗平均の平方根を評価値E(φ)として算出する。以上の計算を数式で表すと下記の(2)式のように表すことができる。
Figure 2009177789
前記の(2)式において、Nは波長λの有限区分数を意味する。前記の(2)式において、評価値E(φ)が小さければ小さいほど、各波長λにおけるターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)と予測分光反射率Rs(λ)の差が少ないということができる。すなわち、評価値E(φ)が小さければ小さいほど、入力したインク量セットφによってプリンタ20が印刷したときに記録媒体上にて再現される分光反射率R(λ)と、対応するターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)が近似しているということができる。さらに、前記の(1)式によれば、光源の変動に応じてインク量セットφによってプリンタ20が印刷したときの記録媒体と対応するターゲットTGが示す絶対的な色彩値は双方とも変動するものの、分光反射率R(λ)が近似すれば光源の変動に拘わらず相対的には同じ色に知覚されるということができる。従って、評価値(φ)が小さくなるインク量セットφによれば、あらゆる光源においてターゲットTGと同じ色に知覚される印刷結果を得ることができるということができる。
また、本実施形態において、重み関数w(λ)は下記の(3)式のものを使用する。
Figure 2009177789

前記の(3)式においては、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)を加算することにより、重み関数w(λ)が定義されている。なお、前記の(3)式の右辺全体に所定の係数を乗算して、重み関数w(λ)の値の範囲を正規化してもよい。前記の(1)式によれば、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)が大きい波長域ほど、色彩値(L***値)に大きく影響するということができる。従って、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)を加算した重み関数w(λ)を使用すれば、色への影響が大きい波長域を重視した二乗誤差が評価可能な評価値E(φ)を得ることができる。例えば、人間の目に知覚されない近紫外波長域においてはw(λ)が0となり、当該波長域における差分D(λ)は評価値E(φ)の増大に寄与しないこととなる。
すなわち、必ずしも全可視波長域においてターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)と予測分光反射率Rs(λ)との差が小さくなくても、人間の目に特に強く知覚される波長域においてターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)と予測分光反射率Rs(λ)とが似ていれば小さい値の評価値E(φ)を得ることができ、人間の目に知覚に即した分光反射率R(λ)の近似性の指標として評価値E(φ)を使用することができる。算出された評価値E(φ)はICM P3a1に返される。すなわち、ICMP 3a1が任意のインク量セットφをRPM P3a2とECM P3a3に出力することにより、最終的に評価値E(φ)がICM P3a1に返される構成となっている。ICM P3a1は任意のインク量セットφに対応して評価値E(φ)を得ることを繰り返し実行することにより、目的関数としての評価値E(φ)が極小化するようなインク量セットφの最適解を算出する。この最適解を算出する手法としては、様々な最適化手法を用いることができるが、例えば勾配法といった非線形最適化手法を用いることが望ましい。
図13は、ステップS230においてインク量セットφが最適化されていく様子を模式的に示している。同図において、インク量セットφが最適化されていくにつれて、インク量セットφで印刷を行った場合の予測分光反射率Rs(λ)がターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)に近づいていく。また、重み関数w(λ)を使用することにより、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)が大きい波長域ほど、予測分光反射率Rs(λ)のターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)への拘束が強くなっており、予測分光反射率Rs(λ)がターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)の差が小さくなっている。このように、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)が大きく、視覚に大きく影響する波長域について優先的に予測分光反射率Rs(λ)をターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)や混色分光反射率Rmix(λ)に拘束することができるため、任意の光源を照射したときの見た目が近くなるようなインク量セットφを算出することができる。以上により、いずれの光源においてもターゲットTGと似たような見た目をプリンタ20にて再現させることが可能なインク量セットφを算出することができる。なお、最適化の終了条件は、インク量セットφ更新の繰り返し回数としてもよいし、評価値E(φ)の閾値としてもよい。
以上のようにして、ステップS230においてICM P3a1がターゲットTGと同様の分光反射率R(λ)が再現可能なインク量セットφを算出すると、ステップS240においてインデックステーブルIDBに記述されたインデックスのすべてがステップS220にて選択されたか否かを判定し、すべて選択されていない場合にはステップS220に戻り、次のインデックスを選択する。このようにすることにより、すべてのインデックスについてターゲットTGと同様の色が再現可能なインク量セットφを算出することができる。すなわち、印刷データ生成処理(図2)のステップS140において測色を行ったすべてのターゲットTG1〜TG12についてターゲットTG1〜TG12と同様の分光反射率R(λ)が再現可能なインク量セットφを算出することができる。ステップS240において、すべてのインデックスについて最適なインク量セットφが算出されたことが判定されると、ステップS250において、LOM P3a4が1D−LUTを生成し、当該1D−LUTをCDG P3bに出力する。
図14は、1D−LUTの一例を示している。同図において、各インデックスに対応して最適なインク量セットφが格納されている。すなわち、各ターゲットTG1〜TG12について、各ターゲットTG1〜TG12と似たような見た目をプリンタ20にて再現させることが可能なインク量セットφを記述した1D−LUTを用意することができる。1D−LUTをCDG P3bに出力すると、1D−LUT生成処理が完了し、次の印刷制御データ生成処理(ステップS300)を実行させる。
以上説明したように、分光反射率予測の手法は、混色の分光反射率を予測する際の手法と、該混色の分光反射率を実現するインク量セットを計算する手法とで、同じ手法が利用可能である。すなわち、混色をプリンタ20にて印刷するための色材料セットを予測するにあたり、第2の色材群の各色材の分光反射率と使用割合とに基づいて混色の分光反射率Rmix(λ)を算出する手法と、プリンタ20の各インクの分光反射率と各インクの使用割合と基づいて予測分光反射率R(λ)を算出する手法と、に同じ手法を利用しつつ、予測分光反射率R(λ)が混色分光反射率Rmix(λ)に近似する分光反射率となるように、プリンタ20における各インクの使用割合を変化させて繰り返し分光反射率予測を行うのである。なお、予測分光反射率R(λ)と混色分光反射率Rmix(λ)とが近似するか否かは、前述の評価関数等で評価すればよい。このように分光反射率の予測手法を共通化することにより、各分光反射率の予測の間で不整合が生じにくくなり、混色の予測がより適切なものになる。また、予測手法に使用するアルゴリズムが共通化されることで、プログラムサイズのコンパクト化にも寄与する。
4−2.印刷制御データ生成処理
図15は、印刷制御データ生成処理の流れを示している。図2に示すようにCDG P3bは、モード判別モジュール(MIM)P3b1とインデックス分版モジュール(ISM)P3b2とRGB分版モジュール(CSM)P3b3とハーフトーンモジュール(HTM)P3b4とラスタ化モジュール(RTM)P3b5とから構成されている。ステップS310においては、モード判別モジュール(MIM)P3b1が印刷データPDを取得する。ステップS320において、MIM P3b1は印刷データPDから一の画素を選択する。ステップS330において、MIM P3b1は当該選択した画素にインデックスが格納された旨のフラグが立っているか否かを判定する。当該フラグが立っていないと判定された場合には、ステップS340にてCSM P3b3が3D−LUTを参照して、当該画素についての色変換(分版)を実行する。
図16は、3D−LUTの一例を示している。同図において、3D−LUTはRGB値とインク量セットφ(d,d,d,d,dlc,dlm)との対応関係が色空間における複数の代表的な座標について記述されたテーブルであり、CSM P3b3は3D−LUTを参照して当該画素が有するRGB値に対応するインク量セットφを取得する。その際に、3D−LUTに直接記述されていないRGB値については補間演算を行うことにより、対応するインク量セットφを取得する。なお、3D−LUTの作成方法として、特開2006−82460号公報等を採用することができる。当該公報においては、特定光源における色の再現性や、再現色の階調性や、粒状性や、再現色の光源非依存性や、ガマットや、インクデューティが総合的に良好となる3D−LUTが作成される。
一方、ステップS330において、選択した画素にインデックスが格納された旨のフラグが立っていると判定された場合には、ステップS350にてISM P3b2が1D−LUTを参照して、当該画素についての色変換(分版)を実行する。すなわち、インデックスが格納された旨のフラグが立っている画素から、インデックスを取得するとともに、1D−LUTにて当該インデックスに対応付けられているインク量セットφを取得する。ステップS340またはステップS350のいずれかにおいて、当該画素についてのインク量セットφが取得できると、ステップS360においてすべての画素についてインク量セットφが取得できたか否かを判定する。ここでインク量セットφが未取得の画素が残っている場合には、ステップS320に戻り次の画素を選択する。
以上の処理を繰り返して実行することにより、すべての画素についてインク量セットφを取得することができる。すべての画素についてインク量セットφが取得できると、すべての画素がインク量セットφで表現された印刷データPDに変換されたこととなる。以上のように各画素について1D−LUTと3D−LUTのいずれを使用するかを判定することにより、インデックスが格納された枠F1〜F12に対応する画素については、各光源において各ターゲットTG1〜TG12に近い色が再現可能なインク量セットφを取得することができるとともに、RGB値が格納された画素については3D−LUTの作成指針(例えば、粒状性を重視する等。)に基づく色再現が可能なインク量セットφを取得させることができる。
ステップS370においては、各画素がインク量セットφで表現された印刷データPDをHTM P3b4が取得し、ハーフトーン処理を実行する。HTM P3b4はハーフトーン処理をするにあたっては公知のディザ法や誤差拡散法等を使用することができる。ハーフトーン処理が完了した印刷データPDにおいては、各画素が各インクを吐出させるか否を示す吐出信号を有している。ステップS380では、ハーフトーン処理が完了した印刷データPDをRTM P3b5が取得し、当該印刷データPDにおける吐出信号をプリンタ20が有する印刷ヘッドの各走査パスおよび各ノズルに割り振る処理を実行する。以上によりプリンタ20に出力可能な印刷制御データCDが生成でき、プリンタ20の制御に必要な信号を添付した印刷制御データCDをスプーラP1bおよびプリンタ20に出力する。これによりプリンタ20が印刷用紙上にインクを吐出して、見本チャートSCを形成する。
以上のようにして印刷用紙上に形成された見本チャートSCの枠FL1〜FL12に対応する領域において、各ターゲットTG1〜TG12のターゲット分光反射率Rt(λ)を再現したり、混色の分光反射率Rmix(λ)を再現したりすることができる。すなわち、枠FL1〜FL12に対応する領域は、ターゲットTG1〜TG12の複数光源下での色に追従するようなインク量セットφで印刷されているため、各光源下においてターゲットTG1〜TG12と似たような色を再現することができる。例えば、見本チャートSCを室内で視認したときの各枠FL1〜FL12に対応する領域の色はターゲットTG1〜TG12を室内で視認したときの色を再現するし、見本チャートSCを室外で視認したときの各枠FL1〜FL12に対応する領域の色もターゲットTG1〜TG12を室外で視認したときの色を再現することができる。
なお、究極的には、ターゲットTG1〜TG12と完全に同じ分光反射率R(λ)を有する見本チャートSCや予測された混色の分光反射率と完全に同じ分光反射率を再現すれば、いかなる光源においてもターゲットTG1〜TG12や実際に混色された印刷結果と同様の色を再現することができる。しかしながら、プリンタ20が使用可能なインク(色材の種類)はCMYKlclmに限られているため、完全に同じ分光反射率R(λ)が再現可能なインク量セットφを求めることは実質的に不可能である。また、知覚色に影響しない波長域について完全な分光反射率R(λ)が再現可能なインク量セットφを求めても、視覚的な再現精度の実現においては無駄となる。これに対して、本発明では、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)に基づく重み付けを行った評価値E(φ)を利用してターゲット分光反射率Rt(λ)や予測された混色への近似性を評価しているため、視覚的に十分な精度が達成可能なインク量セットφを求めることができる。
一方、印刷用紙上に形成された見本チャートSCの枠FL1〜FL12に対応する領域や混色の印刷される領域においては、上述した3D−LUTに基づいたインク量セットφによって印刷がなされることとなる。そのため、当該領域についての印刷パフォーマンスは3D−LUTに基づくものとなる。上述したとおり本実施形態においては枠FL1〜FL12や混色が印刷される領域以外の領域は中間グレーの一様な画像を示すが、当該領域において3D−LUTが目標とする印刷パフォーマンスを満足させることができる。すなわち、再現色の階調性や、粒状性や、再現色の光源非依存性や、ガマットや、インクデューティが総合的に良好となる印刷を実現することができる。
5.分光プリンティングモデル
図17は、本実施形態のプリンタ20の印刷方式を模式的に示している。同図において、プリンタ20は、CMYKlclmのインクごとに複数のノズル21a,21a・・・を備えた印刷ヘッド21を備えており、ノズル21a,21a・・・が吐出するCMYKlclmのインクごとのインク量を上述したインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)によって指定された量とする制御が印刷制御データCDに基づいて行われる。各ノズル21a,21a・・・が吐出したインク滴は印刷用紙上において微細なドットとなり、多数のドットの集まりによってインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)に応じたインク被覆率の印刷画像が印刷用紙上に形成されることとなる。
RPM P3a2が使用する予測モデル(分光プリンティングモデル)は、本実施形態のプリンタ20で使用され得る任意のインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)で印刷を行った場合の分光反射率R(λ)を予測分光反射率Rs(λ)として予測するための予測モデルである。分光プリンティングモデルにおいては、インク量空間における複数の代表点について実際にカラーパッチを印刷し、その分光反射率R(λ)を分光反射率計によって測定することにより得られた分光反射率データベースRDBを用意する。そして、この分光反射率データベースRDBを使用したセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Cellular Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)による予測を行うことにより、正確に任意のインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)で印刷を行った場合の分光反射率R(λ)を予測する。
図18は、分光反射率データベースRDBを示している。同図に示すように分光反射率データベースRDBはインク量空間(本実施形態では6次元であるが、図の簡略化のためCM面のみ図示。)における複数の格子点のインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)について実際に印刷/測定をして得られた分光反射率R(λ)が記述されたルックアップテーブルとなっている。例えば、各インク量軸を分割する5グリッドの格子点を発生させる。ここでは513個もの格子点が発生し、膨大な量のカラーパッチの印刷/測定をすることが必要となるが、実際にはプリンタ20にて同時に搭載可能なインク数や同時に吐出可能なインクデューティの制限があるため、印刷/測定をする格子点の数は絞られることとなる。
さらに、一部の格子点のみ実際に印刷/測定をし、他の格子点については実際に印刷/測定を行った格子点の分光反射率R(λ)に基づいて分光反射率R(λ)を予測することにより、実際に印刷/測定を行うカラーパッチの個数を低減させてもよい。分光反射率データベースRDBは、プリンタ20が印刷可能な印刷用紙ごとに用意されている必要がある。厳密には、分光反射率R(λ)は印刷用紙上に形成されたインク膜(ドット)による分光透過率と印刷用紙の反射率によって決まるものであり、印刷用紙の表面物性(ドット形状が依存)や反射率の影響を大きく受けるからである。次に、分光反射率データベースRDBを使用したセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルによる予測を説明する。
RPM P3a2は、ICM P3a1の要請に応じて分光反射率データベースRDBを使用したセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルによる予測を実行する。この予測にあたっては、ICM P3a1から予測条件を取得し、この予測条件を設定する。具体的には、印刷用紙やインク量セットφを印刷条件として設定する。例えば、光沢紙を印刷用紙として予測を行う場合には、光沢紙にカラーパッチを印刷することにより作成した分光反射率データベースRDBが設定される。
分光反射率データベースRDBの設定ができると、ICM P3a1から入力されたインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)を分光プリンティングモデルに適用する。セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルは、よく知られた分光ノイゲバウアモデルとユール・ニールセンモデルとに基づいている。なお、以下の説明では、説明の簡略化のためCMYの3種類のインクを用いた場合のモデルについて説明するが、同様のモデルを本実施形態のCMYKlclmを含む任意のインクセットを用いたモデルに拡張することは容易である。また、セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルについては、Color Res Appl 25, 4-19, 2000およびR Balasubramanian, Optimization of the spectral Neugebauer model for printer characterization, J. Electronic Imaging 8(2), 156-166 (1999)を参照。
図19は、分光ノイゲバウアモデルを示す図である。分光ノイゲバウアモデルでは、任意のインク量セット(dc,dm,dy)で印刷したときの印刷物の予測分光反射率Rs(λ)は、以下の(4)式で与えられる。
Figure 2009177789
ここで、aiはi番目の領域の面積率であり、Ri(λ)はi番目の領域の分光反射率である。添え字iは、インクの無い領域(w)と、シアンインクのみの領域(c)と、マゼンタインクのみの領域(m)と、イエローインクのみの領域(y)と、マゼンタインクとイエローインクが吐出される領域(r)と、イエローインクとシアンインクが吐出される領域(g)と、シアンインクとマゼンタインクが吐出される領域(b)と、CMYの3つのインクが吐出される領域(k)をそれぞれ意味している。また、fc,fm,fyは、CMY各インクを1種類のみ吐出したときにそのインクで覆われる面積の割合(「インク被覆率(Ink area coverage)」と呼ぶ)である。
インク被覆率fc,fm,fyは、図19(B)に示すマーレイ・デービスモデルで与えられる。マーレイ・デービスモデルでは、例えばシアンインクのインク被覆率fcは、シアンのインク量dcの非線形関数であり、例えば1次元ルックアップテーブルによってインク量dcをインク被覆率fcに換算することができる。インク被覆率fc,fm,fyがインク量dc,dm,dyの非線形関数となる理由は、単位面積に少量のインクが吐出された場合にはインクが十分に広がるが、多量のインクが吐出された場合にはインクが重なり合うためにインクで覆われる面積があまり増加しないためである。他の種類のMYインクについても同様である。
分光反射率に関するユール・ニールセンモデルを適用すると、前記(4)式は以下の(5a)式または(5b)式に書き換えられる。
Figure 2009177789

ここで、nは1以上の所定の係数であり、例えばn=10に設定することができる。前記の(5a)式および(5b)式は、ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)を表す式である。
本実施形態で採用するセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Cellular Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)は、上述したユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルのインク量空間を複数のセルに分割したものである。
図20(A)は、セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルにおけるセル分割の例を示している。ここでは、説明の簡略化のために、CMインクのインク量dc,dmの2つの軸を含む2次元インク量空間でのセル分割を描いている。なお、インク被覆率fc,fmは上述したマーレイ・デービスモデルにてインク量dc,dmと一意の関係にあるため、インク被覆率fc,fmを示す軸と考えることもできる。白丸は、セル分割のグリッド点(「格子点」と呼ぶ)であり、2次元のインク量(被覆率)空間が9つのセルC1〜C9に分割されている。各格子点に対応するインク量セット(dc,dm)は、分光反射率データベースRDBに規定された格子点に対応するインク量セットとされている。すなわち、上述した分光反射率データベースRDBを参照することにより、各格子点の分光反射率R(λ)を得ることができる。従って、各格子点の分光反射率R(λ)00,R(λ)10,R(λ)20・・・R(λ)33は、分光反射率データベースRDBから取得することができる。
実際には、本実施形態ではセル分割もCMYKlclmの6次元インク量空間で行うとともに、各格子点の座標も6次元のインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)によって表される。そして、各格子点のインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)に対応する格子点の分光反射率R(λ)が分光反射率データベースRDB(例えば光沢紙のもの)から取得されることとなる。
図20(B)は、セル分割モデルにて使用するインク被覆率fcとインク量dcとの関係を示している。ここでは、1種類のインクのインク量の範囲0〜dcmaxも3つの区間に分割されており、各区間毎に0から1まで単調に増加する非線形の曲線によってセル分割モデルにて使用する仮想的なインク被覆率fcが求められる。他のインクについても同様にインク被覆率fm,fyが求められる。
図20(C)は、図20(A)の中央のセルC5内にある任意のインク量セット(dc,dm)にて印刷を行った場合の予測分光反射率Rs(λ)の算出方法を示している。インク量セット(dc,dm)にて印刷を行った場合の分光反射率R(λ)は、以下の(6)式で与えられる。
Figure 2009177789

ここで、(6)式におけるインク被覆率fc,fmは図20(B)のグラフで与えられる値である。また、セルC5を囲む4つの格子点に対応する分光反射率R(λ)11,(λ)12,(λ)21,(λ)22は分光反射率データベースRDBを参照することにより取得することができる。これにより、(6)式の右辺を構成するすべての値を確定することができ、その計算結果として任意のインク量セットφ(dc,dm)にて印刷を行った場合の予測分光反射率Rs(λ)を算出することができる。波長λを可視波長域にて順次シフトさせていくことにより、可視波長域における予測分光反射率Rs(λ)を得ることができる。インク量空間を複数のセルに分割すれば、分割しない場合に比べて予測分光反射率Rs(λ)をより精度良く算出することができる。以上のようにして、RPM P3a2がICM P3a1の要請に応じて予測分光反射率Rs(λ)を予測することができる。
6.変形例
6−1:変形例1
以下の変形例においては、ターゲット分光反射率Rt(λ)を例にとって説明を行うが、混色の分光反射率Rmix(λ)についても同様である。図21は、変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)が示されており、当該ターゲット分光反射率Rt(λ)と各等色関数x(λ),y(λ),z(λ)との相関係数cx,cy,czがECM P3a3によって算出されている。そして、下記の(7)式によって本変形にかかる重み関数w(λ)を算出する。
Figure 2009177789

前記の(7)式においては、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)との相関が高い等色関数x(λ),y(λ),z(λ)ほど線形結合の際の重みが大きくなるようにされている。以上のようにして得られた重み関数w(λ)においては、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域についての重みを強調することができる。従って、各光源下での反射光の分光エネルギーのスペクトルが強くなりがちな波長域を重視した評価値E(φ)を得ることができる。すなわち、特にターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域については、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)と予測分光反射率Rs(λ)とのずれを許容しないようなインク量セットφの最適解を得ることができる。むろん、重み関数w(λ)は各等色関数x(λ),y(λ),z(λ)に由来しているため、人間の知覚に適合した評価値E(φ)を得ることができる。
6−2:変形例2
図22は、別の変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)をそのまま重み関数w(λ)として適用している。このようにすることによっても、特にターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域についてターゲットTGの分光反射率R(λ)とターゲット分光反射率Rt(λ)とのずれを許容しないようなインク量セットφの最適解を得ることができる。
6−3:変形例3
図23は、別の変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、5種類(標準昼光系のD50光源,D55光源,D65光源、白熱電球系のA光源、蛍光ランプ系のF11光源)の各光源の分光エネルギーP D50(λ),P D55(λ),P D65(λ),PA(λ),P F11(λ)が示されている。本変形例においては、下記の(8)式によって、これらの分光エネルギーP D50(λ),P D55,P D65(λ),PA(λ),P F11(λ)を線形結合することにより重み関数w(λ)を算出する。
Figure 2009177789
前記の(8)式において、w1〜w5は各光源についての重みを設定する重み係数である。このように、光源の分光エネルギー分布P D50(λ),P D55(λ),P D65(λ),PA(λ),P F11(λ)に由来する重み関数w(λ)を設定することにより、各光源下での反射光の分光エネルギーのスペクトルが強くなりがちな波長域を重視した評価値E(φ)を得ることができる。また、重み係数w1〜w5を調整することも可能である。例えば全光源における色の再現性をバランスよく確保したい場合にはw1=w2=w3=w4=w5とすればよいし、人工光源における色の再現性を重視したい場合にはw1,w2,w3<w4,w5とすればよい。
6−4:変形例4
図24は、変形例においてディスプレイ40に表示されるUI画面を示している。同図において、UI画面において複数のターゲット分光反射率Rt(λ)のグラフが表示されている。このようなUI画面を表示させることにより、ユーザーがステップS140においてターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)を測定する代わりに、所望の波形のグラフをターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)として選択することができる。このようにすることにより、実際に分光反射率測定をしなくてもターゲット分光反射率Rt(λ)を設定することができる。むろん、グラフの波形をユーザーが直接編集できるようにしてもよい。例えば、新規の物体表面の開発を行う際に目標とするターゲット分光反射率Rt(λ)に編集しておけば、実際に物体表面を試作することなく、目標とするターゲット分光反射率Rt(λ)を有する見本チャートSCをプリンタ20によって印刷させることができる。このような所望の波形のグラフは、混色の元となる見本色にも利用可能であり、所望のグラフにて表現される分光反射率を混色した色を予測可能となる。
6−5:変形例5
図25は、変形例にかかる評価値(φ)を模式的に説明している。同図において、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)に対して前記5種類の光源を照射したときの色彩値(ターゲット色彩値)を上述した(1)式,図5によって算出する。一方、RPM P3a2が予測した予測分光反射率Rs(λ)に対して前記5種類の光源を照射したときの色彩値(予測色彩値)も上述した(1)式(Rt(λ)をRs(λ)に置き換えて使用),図5によって算出する。そして、各光源におけるターゲット色彩値と予測色彩値の色差ΔE(ΔE2000)をCIE DE2000の色差式に基づいて算出する。そして、各光源についての色差ΔEをΔE D50,ΔE D55,ΔE D65,ΔEA,ΔE F11とし、下記の(9)式によって評価値E(φ)を算出する。
Figure 2009177789

前記の(2)式において、w1〜w5は各光源の重みを設定する重み係数であり、上述した変形例3の重み係数w1〜w5とほぼ同様の性質を有する。ここでも全光源における色の再現性をバランスよく確保したい場合にはw1=w2=w3=w4=w5とすればよいし、人工光源における色の再現性を重視したい場合にはw1,w2,w3<w4,w5とすればよい。
6−6.変形例6
図26〜図27は、本発明の変形例にかかる印刷システムのソフトウェア構成を示している。図24に示すように、上述した実施形態のLUG P3aに相当する構成がPDV P3bの内部モジュール(1D−LUT作成部)として備えられていてもよい。また、図27に示すように、上述した実施形態のLUG P3aに相当する構成が他のコンピュータ110において実行されてもよい。この場合、コンピュータ10とコンピュータ110とが所定の通信インターフェイスCIFによって接続され、コンピュータ110のLUG P3aにて生成された1D―LUTが通信インターフェイスCIFを介してコンピュータ10に送信される。通信インターフェイスCIFは、インターネットを介在するものであってもよい。その場合、コンピュータ10はインターネット上のコンピュータ110から取得した1D−LUTを参照して色変換を行うことができる。さらに、プリンタ20が各ソフトウェア構成P1〜P5を実行するようにしてもよい。むろん、ソフトウェア構成P1〜P5と同等の処理を実行するハードウェアがプリンタ20に組み込まれる場合にも、本発明を実現することができる。
6−7.変形例7
前記実施形態では、複数色を指定してその混色を表示するUIについて説明したが、以上説明した混色の予測手法は、ユーザの意図する色(目標色)を再現するためにも利用可能である。例えば、ユーザが所望の色(目標色)をイメージしているにも関わらずその目標色がインクセットにて表現可能な色見本(代表色)の中に無く、目標色を有する印刷物等が手元に無いときに、目標色そのものではないが近い色の実物やデータを持っている場合や、近い色を指定するために必要な情報を持っている場合等に、これら近い色を指標(指針)色として目標色を探索することができる。
より具体的には、例えば、ユーザがイメージしている色(目標色TC)を再現するために混色する色見本の組み合わせを探索するにあたり、目標色TCに類似する色(指標色IC)の指定をユーザから受付けて、まずは指標色ICを再現するために必要な色材組合せとその混合割合とを求める。このようにして再現された指標色ICは、目標色TCに類似した色である。従って、指標色ICにおける色材組合せの混色割合を変更することにより、より目標色TCに近い色を再現するための混合割合を求めることが出来る可能性がある。そこで、指標色ICの混色割合を変更する手段と、変更された混色割合の色を表示する手段と、をユーザに提供し、指標色ICを起点としてユーザが混色割合を変更しつつ最もユーザの目標色TCに近い色を再現できるようにする。すなわちユーザに混色割合を変更する自由度を与えることにより、ユーザの感性に基づいて目標色TCにより近い色を再現する色材を探索可能にするのである。以下、指標色ICとして画像データの一部の色を利用する場合を例にとって説明を行う。
図28は、混色の印刷データ生成部P2bが主体となって実行する目標色探索処理のフローチャート、図29は、指標色ICの選択をユーザから受付けるためのユーザインターフェース(UI)の一例である。同図に示すUI Wは、画像表示枠W1、指標色選択枠W2、混色割合指定部W3を備えており、混色割合指定部W3は第1近似色枠W3aと第2近似色枠W3bと混色表示枠W3cと指標色表示枠W3dとを備える。画像表示枠W1は、ユーザから指定された画像データに基づく画像表示をするエリアである。指標色選択枠W2は、画像表示枠W1に表示された画像の中の一部を囲う選択枠であり、所定の操作入力が行われると選択枠内の色を指標色ICとして設定する。指標色選択枠W2にて設定された指標色は、指標色表示枠W3cに表示される。なお、指標色選択枠W2の中の色が単一色でなくて複数色を含んでいる場合は、枠内の色を平均した色を指標色ICとして設定する。
混色割合指定部W3は、指標色ICを再現するための混色元となる色材の色である第1近似色と第2近似色とを表示する第1近似色枠W3aと第2近似色枠W3bを所定間隔離して表示し、これら枠をバーで接続する。このバー上を移動可能なスライダとして、各近似色の混色割合に基づいた位置に混色表示枠W3cを表示する。この混色表示枠W3cには、その位置に対応する混色割合で各近似色を混是合わせた色が表示される。指標色表示枠W3dには、指標色選択枠W2で設定された指標色ICが表示される。この指標色表示枠W3dと混色表示枠W3cは、並べて配置されており、混色と指標色ICとを見比べながら混色割合を変更し、目標色TCに近い色探索できるようになっている。なお、本変形例では、2色を混色して目標色を探索する例について説明するが、無論、3色以上の複数色を混色して目標色を探索してもよい。例えば3色を混色するのであれば、三角形の頂点に混色元となる各近似色を表示して、その三角形の内部に混色表示枠を表示する。そして、三角形の内部で混色表示枠を移動可能とし、前記実施形態の4色の混色と同様にその位置に応じた混色を算出して混色表示枠に表示することができる。
なお、前実施形態においては、ターゲット分光反射率Rt(λ)を実際に測定し、当該ターゲット分光反射率Rt(λ)とインデックスとを対応付けたインデックステーブルが用意されるようにしたが、予め多数のインデックスとターゲット分光反射率Rt(λ)とが登録されたインデックステーブルが用意されていてもよい。そこで、本変形例では、塗料メーカーが製造する各塗料について与えられたインデックスと、各塗料の塗布表面を測定したターゲット分光反射率Rt(λ)との対応関係を登録したインデックステーブルが予め用意されているものとする。当該インデックステーブルにおいては、上述した実施形態と同様に表示用RGB値も登録されている。インデックステーブルが予め用意されている場合、ステップS100では、見本チャートSCに再現したい塗料(インデックス)を選択するための処理がAPL P2によって行われる。
図28の処理が開始されると、ステップS505において、図29のUI Wを表示する。そしてステップS510において、指標色ICの選択を受付ける。より具体的には、例えば、ユーザがUIの画像表示枠W1にマウスのポインタを合わせてクリックする操作を行うと、画像表示枠W1に表示させる画像データの選択を受付ける画像選択ウィンドウ等が表示される。画像選択ウィンドウにおいて指標色ICを含んだ画像データのファイルをユーザが選択すると、この選択された画像データを受付けて画像データに基づく画像を画像表示枠W1に表示する。次に、画像表示枠W1の内部に指標色表示枠W2が表示される。指標色表示枠W2は、カーソル移動キーの操作やマウスの動きと連動して画像表示枠W1の内部で移動する。ユーザは、指標色表示枠W2の内部にユーザのイメージに最も近い色が含まれるようにカーソル移動キーやマウスを操作し、決定キーやマウスの右クリックを行って指標色表示枠W2の色を指標色ICに設定する。なお、指標色表示枠W2のサイズを変更できるようにしたり、指標色表示枠W2に囲まれた各画素の色を平均した色を別途表示する枠を設けたりすると、ユーザは適切な指標色ICを選択しやすくなる。このようにして指標色表示枠W2を利用して指定された指標色ICは、RGB値(指標色RGB値)として取得される。指標色の設定が終了すると、ステップS510は条件成立となり、ステップS520に進む。
ステップS520においては、指標色ICを再現するための近似色を選定する処理を行う。本処理においては、まず、インデックステーブルに登録されている色の中から、指標色ICを中心として所定範囲内にある色を抽出する。指標色ICから大きく離れた色を利用して混色しても指標色を得られない可能性があるからである。インデックステーブルには前述したように表示用RGB値が設定されている。そこで、例えば、指標色RGB値をP1=(R0,G0,B0)とすると、以下の条件を満たすRGB値をインデックステーブルから抽出する。
R0−Δr≦R≦R0+Δr
G0−Δg≦G≦G0+Δg
B0−Δb≦B≦B0+Δb
上記条件式において、Δr、Δg、Δbは、色空間におけるインデックスの密度に応じて決定される定数である。すなわち、前記条件式にて規定される範囲内に、所定数以上の表示用RGB値が含まれるように決定されている。含まれるインデックス数が少なすぎると、含まれたインデックスの任意の2色を結ぶ線と指標色ICとがかけ離れてしまう可能性があるからである。
なお、近似色の範囲指定を行うにあたり、明度・彩度・色相等の色属性のいずれかを優先するように範囲指定を行ってもよい。すなわち、ユーザが用意した指標色と想定している目標色との間で最も類似する色属性を指定する操作入力をユーザから受付けて、指定された属性を変更しないようなインデックスが近似色の候補に選定されるように範囲指定する。例えば、指標色と目標色との色合いが似ているが明るさや鮮やかさがずれているのであれば、色相に対する限定を強くして範囲指定する。
図30は色属性に基づいて範囲指定を行う方法を説明する図である。同図に示す色見本の分布を得てその範囲指定を行うためには、まず、前述したインデックスの表示用RGB値と指標色RGB値とを、例えば、公知の変換式でHSV色空間(明度・彩度・色相を変数とする色空間)に変換する。そして、HSV空間において、指標色RGB値を変換したHSV値(Q0)の色相角(H値)に対して±5度以内の断面扇形状の空間を特定する。すなわち、色相角が指標色に近似する空間が特定される。次に、HSV空間において、指標色RGB値を変換したHSV値(Q0)の明度Vおよび彩度Sに対して±5以内となる明度Vおよび彩度Sとなる円環状空間を特定する。すなわち、明度Vおよび彩度Sが指標色に近似する空間が特定される。このように指定された範囲に含まれるインデックスは、色属性が指標色と近似するものとなる。
範囲指定が完了すると、抽出されたRGB値の中から、指標色を再現するのに最も適した近似色の組合せを選定する。この選定においては、例えば、抽出された色点から任意の2色(説明上、各色の座標をX,Yとする。)を選択し、線分XYと指標色RGB値Aとのユークリッド距離d0が最小値を取る組合せを第1近似色AC1と第2近似色AC2に選定する。このように第1近似色AC1と第2近似色AC2を結ぶ線分上に近い位置に指標色ICを位置させることにより、指標色ICにより近い色を再現可能な近似色の組合せを選定できる。
なお、選定に際して、距離d0のみならず、色点Xと指標色RGB値との距離d1や色点Yと指標色RGB値との距離d2を考慮して近似色RGB値を選定してもよい。その理由は、2色を結ぶ軸上に存在する色点であっても色空間で距離が離れていると2色を混色して再現される色よりも、軸がずれていても色点同士が近い2色を混色した方が指標色の再現性が高い場合があるからである。具体的には、距離d0に重みw1を乗じ、距離d1、d2に重みw2を乗じて、これらの和を評価式w1Z+w2(d1+d2)として、この式が極小化する組合せを近似色RGB値に選定する等である。
ステップS530においては、以上のステップS510にて指定された指標色ICとステップS520にて選定された近似色AC1,AC2を、図29に示したUIの下部に表示する。すなわち、指標色表示枠W3dに指標色ICを表示し、第1近似色枠に近似色AC1を表示し、第2近似色枠W3bに近似色AC2を表示する。そして、近似色AC1,AC2の混色結果を混色表示枠W3cに表示する。なお、初期状態でスライダに表示される混色は、近似色を半々で混色した結果を表示してもよいし、指標色RGB値と各近似色RGB値との距離に応じた割合で近似色を混色して表示してもよい。
ステップS540においては、混合割合の変更を指示する操作入力が行われたか否かを判断する。該操作入力が行われた場合はステップS560に進み、該操作入力が検出されなかった場合はステップS580に進む。図29のUIにおいては、混合割合の変更は、スライダをバー上で移動させることにより行われるようになっており、第1近似色に近づくほど第1近似色の混合比率を高め、第2近似色に近づくほど第2近似色の混色比率を高める。例えば、[スライダと第1近似色の間隔]:[スライダと第2近似色の間隔]=a:b、であれば第1近似色の混色割合をb/(a+b)、第2近似色の混色割合をa/(a+b)、とすることが考えられるが、無論これに限定されるものではない。
ステップS560においては、指定された混色割合の色をスライダに表示する。すなわち、第1近似色AC1と第2近似色AC2とをスライダにて指定された使用割合にて混合した混色の分光反射率R’mix(λ)の予測を行う。混色の分光反射率は、使用割合に応じて各色見本の分光反射率R’mix(λ)に対し重み付けを行った線型結合で計算したり、後述の4節に記載の分光プリンティングモデルにおけるノイゲバウアモデル等で計算したりすることができる。例えば、第1近似色AC1の分光反射率R1(λ)と、第2近似色AC2の分光反射率R2(λ)と、を、f1:f2(f1+f2=1、0≦f1≦1、0≦f2≦1)、の割合で混合して作成される混色の分光反射率R’mix(λ)は、R’mix(λ)=f1×R1(λ)+f2×R2(λ)、なる式にて計算できる。
また、同様に第1近似色と第2近似色の混色を、分光プリンティングモデルのセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルを利用して計算する場合は、4節の分光プリンティングモデルにおけるインクセット(CMYやCMYKlclm等)の代わりに第1近似色と第2近似色を使用し、インク量セットの代わりにスライダにて指定された使用割合を使用することになる。
ステップ560における分光反射率R’mix(λ)の算出が完了すると、ステップ570において、固有のインデックスを作成するとともに、当該インデックスを分光反射率データRDに対応付けてRAM12に記憶する。また、分光反射率データRDに対して、最も標準的な光源であるD65光源を照射したときのCIELAB色空間における色彩値(L***値)を算出する。そして、当該L***値を所定のRGBプロファイルを使用してRGB値に変換し、当該RGB値を表示用RGB値として測色データMDと対応付けてRAM12に記憶する。なお、RGBプロファイルは絶対色空間としてのCIELAB色空間と本実施形態のRGB色空間との等色関係を規定したプロファイルであり、例えばICCプロファイルを使用することができる。この分光反射率データRDから表示用RGB値を算出する様子は前述の印刷データ生成処理と同様なので、説明を省略する。
続くステップS580においては、混色の印刷を実行させる旨のボタンW4のクリックを検出し、検出されない場合にはステップS410に戻る。一方、混色の印刷を実行させる旨のボタンW4のクリックが検出された場合には、ステップS590にてPDG P2cが印刷データPDを生成する。作成される印刷データは前述の印刷データ生成処理と同様である。印刷データPDが生成されると、ステップS600において、PDG P2cがインデックステーブルIDBを生成する。生成されるインデックステーブルIDBについても前述の印刷データ生成処理と同様である。インデックステーブルIDBの生成が完了すると、印刷データPDはGDI P1aやスプーラP1bを経由してPDV P3bに出力される。一方、インデックステーブルIDBは、直接、PDV P3bに出力される。
印刷制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 印刷制御装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。 印刷データ生成処理の流れを示すフローチャートである。 UI画面Xの一例を示す図である。 分光反射率に基づいて色彩値を算出するための計算を説明する図である。 印刷データを示す図である。 インデックステーブルを示す図である。 混色の印刷データ生成処理の流れを示すフローチャートである。 UI画面Yの一例を示す図である。 印刷制御処理の全体的な流れを示すフローチャートである。 1D−LUT生成処理の流れを示すフローチャートである。 インク量セットを最適化する処理の流れを示す模式図である。 インク量セットが最適化されていく様子を示す模式図である。 1D−LUTを示す図である。 印刷制御データ生成処理の流れを示すフローチャートである。 3D−LUTを示す図である。 プリンタの印刷方式を示す模式図である。 分光反射率データベースを示す図である。 分光ノイゲバウアモデルを示す図である。 セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルを示す図である。 変形例にかかる重み関数を示す模式図である。 変形例にかかる重み関数を示す模式図である。 変形例にかかる重み関数を示す模式図である。 変形例にかかるUI画面を示す図である。 変形例にかかる評価値を示す模式図である。 変形例にかかる印刷システムのソフトウェア構成である。 変形例にかかる印刷システムのソフトウェア構成である。 変形例にかかる目標色探索処理のフローチャートである。 変形例にかかるユーザインターフェース(UI)の一例である。 変形例にかかる色属性に基づいて範囲指定を行う方法を説明する図である。
符号の説明
10…コンピュータ、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…HDD、15…GIF、16…VIF、17…IIF、18…バス、P1…OS、P1a…GDI、P1b…スプーラ、P2…APL、P2a…UIM、P2b…MCM、P2c…PDG、P3a…LUG、P3b…PDV、P3a1…ICM、P3a2…RPM、P3a3…ECM、P3a4…LOM、P4…MDV、P5…DDV。

Claims (8)

  1. 第1の色材群の色材を記録媒体に付着させる印刷を印刷装置に実行させるにあたり、前記第1の色材群における色材の量の組み合わせである色材量セットに基づいた印刷を前記印刷装置に実行させる印刷制御装置であって、
    前記色材量セットとインデックスとの対応関係を規定することにより作成されたルックアップテーブルを参照することにより、指定されたインデックスに対応する前記色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷させる印刷手段を備え、
    前記ルックアップテーブルにおいては、
    前記第1の色材群と異なる第2の色材群を利用して作成される混色について、混色元となる前記第2の色材群における各色材の分光反射率と前記混色における前記第2の色材群の各色材の使用割合とに基づいて所定の予測モデルで予測された分光反射率に近似する分光反射率を前記記録媒体上に再現するように予測された前記色材量セットと、前記混色を特定するインデックスと、の対応関係が規定されていることを特徴とする印刷制御装置。
  2. 前記色材量セット予測手段は、前記第1の色材群における各色材の分光反射率と前記第1の色材群における各色材の使用割合とに基づいて分光反射率予測手段によって予測された結果が、前記混色の分光反射率に近似する分光反射率となるように、前記第1の色材群における各色材の使用割合を変化させて繰り返し分光反射率予測手段に予測させることで、前記色材量セットの予測を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 前記色材量セットの予測は、波長によって異なる重みを加味しつつ前記混色の分光反射率に対する近似性を評価する評価値に基づいて行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷制御装置。
  4. 前記重みは、人間の目の分光感度特性に基づいて設定されることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
  5. 前記重みは、前記ターゲット分光反射率に基づいて設定されることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
  6. 前記重みは、所定の光源の分光エネルギー分布に基づいて設定されることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
  7. 第1の色材群を記録媒体に付着させる印刷を実行する印刷装置と、前記第1の色材群における色材の使用量の組み合わせである色材量セットを前記印刷装置に指定し、当該色材量セットに基づいた印刷を実行させる印刷制御装置とからなる印刷システムであって、
    前記印刷制御装置は、
    前記色材量セットとインデックスとの対応関係を規定することにより作成されたルックアップテーブルを参照することにより、指定されたインデックスに対応する前記色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷させる印刷手段を備え、
    前記ルックアップテーブルにおいては、
    前記第1の色材群と異なる第2の色材群を利用して作成される混色について、混色元となる前記第2の色材群における各色材の分光反射率と前記混色における前記第2の色材群の各色材の使用割合とに基づいて所定の予測モデルで予測された分光反射率に近似する分光反射率を前記記録媒体上に再現するように予測された前記色材量セットと、前記混色を特定するインデックスと、の対応関係が規定されており、
    前記印刷装置は、
    前記色材量セットに基づいて印刷を実行する印刷実行手段を具備することを特徴とする印刷システム。
  8. 第1の色材群の色材を記録媒体に付着させる印刷を印刷装置に実行させるにあたり、前記第1の色材群における色材の量の組み合わせである色材量セットに基づいた印刷を前記印刷装置に実行させる機能をコンピュータに実現させるための印刷制御プログラムであって、
    前記色材量セットとインデックスとの対応関係を規定することにより作成されたルックアップテーブルを参照することにより、指定されたインデックスに対応する前記色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷させる印刷機能をコンピュータに実現させており、
    前記ルックアップテーブルにおいては、
    前記第1の色材群と異なる第2の色材群を利用して作成される混色について、混色元となる前記第2の色材群における各色材の分光反射率と前記混色における前記第2の色材群の各色材の使用割合とに基づいて所定の予測モデルで予測された分光反射率に近似する分光反射率を前記記録媒体上に再現するように予測された前記色材量セットと、前記混色を特定するインデックスと、の対応関係が規定されていることを特徴とする印刷制御プログラム。
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