JP5182044B2 - 印刷制御装置、印刷システムおよび印刷制御プログラム - Google Patents
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Description
1.印刷制御装置の構成:
2.印刷データ生成処理:
3.印刷制御処理:
3−1.1D−LUT作成処理:
3−2.印刷制御データ生成処理:
4.分光プリンティングモデル:
5.変形例:
5−1:変形例1:
5−2:変形例2:
5−3:変形例3:
5−4:変形例4:
5−5:変形例5:
5−6:変形例6:
5−7:変形例7:
5−8:変形例8:
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷制御装置のハードウェア構成を示している。同図において、印刷制御装置は主にコンピュータ10によって構成されており、コンピュータ10はCPU11とRAM12とROM13とハードディスクドライブ(HDD)14と汎用インターフェイス(GIF)15とビデオインターフェイス(VIF)16と入力インターフェイス(IIF)17とバス18とから構成されている。バス18は、コンピュータ10を構成する各要素11〜17の間でのデータ通信を実現するものであり、図示しないチップセット等によって通信が制御されている。HDD14には、オペレーティングシステム(OS)を含む各種プログラムを実行するためのプログラムデータ14aが記憶されており、当該プログラムデータ14aをRAM12に展開しながらCPU11が当該プログラムデータ14aに準じた演算を実行する。GIF 15は、例えばUSB規格に準じたインターフェイスを提供するものであり、外部のプリンタ20と分光反射率計30をコンピュータ10に接続させている。VIF 16はコンピュータ10を外部のディスプレイ40に接続し、ディスプレイ40に画像を表示するためのインターフェイスを提供する。IIF 17はコンピュータ10を外部のキーボード50aとマウス50bに接続し、キーボード50aとマウス50bからの入力信号をコンピュータ10が取得するためのインターフェイスを提供する。
図3は、APL P2が実行する印刷データ生成処理の流れを示している。図2に示すようにAPL P2はUI部(UIM)P2aと測定制御部(MCM)P2bと印刷データ生成部(PDG)P2cとから構成されており、これらの各モジュールP2a,P2b,P2cが図3に示す各ステップを実行する。ステップS100においては、UIM P2aがGDI P1aおよびDDV P5を介して、見本チャートSCを印刷させる旨の印刷指示を受け付けるためのUI画面を表示させる。前記UI画面においては、見本チャートSCのテンプレートを示す表示が設けられている。
図8は、LUG P3aとPDV P3bが実行する印刷制御処理の全体的な流れを示している。1D−LUT生成処理(ステップS200)をLUG P3aが担当し、一方の印刷制御データ生成処理(ステップS300)をPDV P3bが担当する。1D−LUT生成処理は印刷制御データ生成処理に先行して行われてもよいし、1D−LUT生成処理と印刷制御データ生成処理を並行して行うようにしてもよい。
図9は、1D−LUT生成処理の流れを示している。図2に示すようにLUG P3aは、インク量セット算出モジュール(ICM)P3a1と分光反射率予測モジュール(RPM)P3a2と評価値算出モジュール(ECM)P3a3とLUT出力モジュール(LOM) P3a4とから構成されている。ステップS210においては、ICM P3a1がインデックステーブルIDBを取得する。ステップS220においては、インデックステーブルIDBから一つのインデックスを選択し、当該インデックスに対応付けられている分光反射率データRDを取得する。ステップS230においては、ICM P3a1が前記分光反射率データRDが示すターゲット分光反射率Rt(λ)と同様の分光反射率R(λ)が再現可能なインク量セットを算出する処理を行う。その際に、上述したRPM P3a2とECM P3a3を使用する。
前記の(3)式においては、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)を加算することにより、重み関数w(λ)が定義されている。なお、前記の(3)式の右辺全体に所定の係数を乗算して、重み関数w(λ)の値の範囲を正規化してもよい。前記の(1)式によれば、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)が大きい波長域ほど、色彩値(L*a*b*値)に大きく影響するということができる。従って、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)を加算した重み関数w(λ)を使用すれば、色への影響が大きい波長域を重視した二乗誤差が評価可能な評価値E(φ)を得ることができる。例えば、人間の目に知覚されない近紫外波長域においてはw(λ)が0となり、当該波長域における差分D(λ)は評価値E(φ)の増大に寄与しないこととなる。
図13は、印刷制御データ生成処理の流れを示している。図2に示すようにPDV P3bは、モード判別モジュール(MIM)P3b1とインデックス変換モジュール(ISM)P3b2とRGB変換モジュール(CSM)P3b3とハーフトーンモジュール(HTM)P3b4とラスタ化モジュール(RTM)P3b5とから構成されている。ステップS310においては、モード判別モジュール(MIM)P3b1が印刷データPDを取得する。ステップS320において、MIM P3b1は印刷データPDから一の画素を選択する。ステップS330において、MIM P3b1は当該選択した画素にインデックスが格納された旨のフラグが立っているか否かを判定する。当該フラグが立っていないと判定された場合には、ステップS340にてCSM P3b3が3D−LUTを参照して、当該画素についての色変換を実行する。
図15は、本実施形態のプリンタ20の印刷方式を模式的に示している。同図において、プリンタ20は、CMYKlclmのインクごとに複数のノズル21a,21a・・・を備えた印刷ヘッド21を備えており、ノズル21a,21a・・・が吐出するCMYKlclmのインクごとのインク量を上述したインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)によって指定された量とする制御が印刷制御データCDに基づいて行われる。各ノズル21a,21a・・・が吐出したインク滴は印刷用紙上において微細なドットとなり、多数のドットの集まりによってインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)に応じたインク被覆率の印刷画像が印刷用紙上に形成されることとなる。
ここで、nは1以上の所定の係数であり、例えばn=10に設定することができる。前記の(5a)式および(5b)式は、ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)を表す式である。
ここで、(6)式におけるインク被覆率fc,fmは図18(B)のグラフで与えられる値である。また、セルC5を囲む4つの格子点に対応する分光反射率R(λ)11,(λ)12,(λ)21,(λ)22は分光反射率データベースRDBを参照することにより取得することができる。これにより、(6)式の右辺を構成するすべての値を確定することができ、その計算結果として任意のインク量セットφ(dc,dm)にて印刷を行った場合の予測分光反射率Rs(λ)を算出することができる。波長λを可視波長域にて順次シフトさせていくことにより、可視波長域における予測分光反射率Rs(λ)を得ることができる。インク量空間を複数のセルに分割すれば、分割しない場合に比べて予測分光反射率Rs(λ)をより精度良く算出することができる。以上のようにして、RPM P3a2がICM P3a1の要請に応じて予測分光反射率Rs(λ)を予測することができる。
5−1:変形例1
図19は、変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)が示されており、当該ターゲット分光反射率Rt(λ)と各等色関数x(λ),y(λ),z(λ)との相関係数cx,cy,czがECM P3a3によって算出されている。そして、下記の(7)式によって本変形にかかる重み関数w(λ)を算出する。
前記の(7)式においては、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)との相関が高い等色関数x(λ),y(λ),z(λ)ほど線形結合の際の重みが大きくなるようにされている。以上のようにして得られた重み関数w(λ)においては、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域についての重みを強調することができる。従って、各光源下での反射光の分光エネルギーのスペクトルが強くなりがちな波長域を重視した評価値E(φ)を得ることができる。すなわち、特にターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域については、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)と予測分光反射率Rs(λ)とのずれを許容しないようなインク量セットφの最適解を得ることができる。むろん、重み関数w(λ)は各等色関数x(λ),y(λ),z(λ)に由来しているため、人間の知覚に適合した評価値E(φ)を得ることができる。
図20は、別の変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、ターゲットTGから得られたターゲット分光反射率Rt(λ)をそのまま重み関数w(λ)として適用している。このようにすることによっても、特にターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)が大きい波長域についてターゲットTGの分光反射率R(λ)とターゲット分光反射率Rt(λ)とのずれを許容しないようなインク量セットφの最適解を得ることができる。
図21は、別の変形例においてECM P3a3が設定する重み関数w(λ)を模式的に示している。同図において、5種類(標準昼光系のD50光源,D55光源,D65光源、白熱電球系のA光源、蛍光ランプ系のF11光源)の各光源の分光エネルギーP D50(λ),P D55(λ),P D65(λ),PA(λ),P F11(λ)が示されている。本変形例においては、下記の(8)式によって、これらの分光エネルギーP D50(λ),P D55(λ),P D65(λ),PA(λ),P F11(λ)を線形結合することにより重み関数w(λ)を算出する。
図22は、変形例においてディスプレイ40に表示されるUI画面を示している。同図において、UI画面において複数のターゲット分光反射率Rt(λ)のグラフが表示されている。このようなUI画面を表示させることにより、ユーザーがステップS140においてターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)を測定する代わりに、所望の波形のグラフをターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)として選択することができる。このようにすることにより、実際に分光反射率測定をしなくてもターゲット分光反射率Rt(λ)を設定することができる。むろん、グラフの波形をユーザーが直接編集できるようにしてもよい。例えば、新規の物体表面の開発を行う際に目標とするターゲット分光反射率Rt(λ)に編集しておけば、実際に物体表面を試作することなく、目標とするターゲット分光反射率Rt(λ)を有する見本チャートSCをプリンタ20によって印刷させることができる。
図23は、変形例にかかる評価値(φ)を模式的に説明している。同図において、ターゲットTGのターゲット分光反射率Rt(λ)に対して前記5種類の光源を照射したときの色彩値(ターゲット色彩値)を上述した(1)式,図5によって算出する。一方、RPM P3a2が予測した予測分光反射率Rs(λ)に対して前記5種類の光源を照射したときの色彩値(予測色彩値)も上述した(1)式(Rt(λ)をRs(λ)に置き換えて使用),図5によって算出する。そして、各光源におけるターゲット色彩値と予測色彩値の色差ΔE(ΔE2000)をCIE DE2000の色差式に基づいて算出する。そして、各光源についての色差ΔEをΔE D50,ΔE D55,ΔE D65,ΔEA,ΔE F11とし、下記の(9)式によって評価値E(φ)を算出する。
前記の(2)式において、w1〜w5は各光源の重みを設定する重み係数であり、上述した変形例3の重み係数w1〜w5とほぼ同様の性質を有する。ここでも全光源における色の再現性をバランスよく確保したい場合にはw1=w2=w3=w4=w5とすればよいし、人工光源における色の再現性を重視したい場合にはw1,w2,w3<w4,w5とすればよい。
なお、上述した実施形態において選択されていない枠Fに対応する領域については、枠F以外の領域と同じ色で印刷を行うようにすればよい。むろん、選択されていない枠Fに対応する領域については、分光的な再現性を要求する必要がないため、枠F以外の領域と同様に3D−LUTを使用した色変換を行わせるようにすればよい。さらに、ターゲットTGが指定された枠Fに対応する領域以外において、模様や文字やマーク等を印刷するようにしてもよい。例えば、ターゲットTGが指定された枠Fの付近に、ターゲットTGがどのようなものであるかを示す文字が記載できるようにしてもよい。
図24〜図25は、本発明の変形例にかかる印刷システムのソフトウェア構成を示している。図24に示すように、上述した実施形態のLUG P3aに相当する構成がPDV P3bの内部モジュール(1D−LUT作成部)として備えられていてもよい。また、図25に示すように、上述した実施形態のLUG P3aに相当する構成が他のコンピュータ110において実行されてもよい。この場合、コンピュータ10とコンピュータ110とが所定の通信インターフェイスCIFによって接続され、コンピュータ110のLUG P3aにて生成された1D―LUTが通信インターフェイスCIFを介してコンピュータ10に送信される。通信インターフェイスCIFは、インターネットを介在するものであってもよい。その場合、コンピュータ10はインターネット上のコンピュータ110から取得した1D−LUTを参照して色変換を行うことができる。さらに、プリンタ20が各ソフトウェア構成P1〜P5を実行するようにしてもよい。むろん、ソフトウェア構成P1〜P5と同等の処理を実行するハードウェアがプリンタ20に組み込まれる場合にも、本発明を実現することができる。
図26A、図26Bは、本変形例にかかるUI画面(ステップS100において表示)を示している。前実施形態においては、ターゲット分光反射率Rt(λ)を実際に測定し、当該ターゲット分光反射率Rt(λ)とインデックスとを対応付けたインデックステーブルが用意されるようにしたが、予め多数のインデックスとターゲット分光反射率Rt(λ)とが登録されたインデックステーブルが用意されていてもよい。本変形例では、塗料メーカーが製造する各塗料について与えられたインデックスと、各塗料の塗布表面を測定したターゲット分光反射率Rt(λ)との対応関係を登録したインデックステーブルが予め用意されているものとする。当該インデックステーブルにおいては、上述した実施形態と同様に表示用RGB値も登録されている。インデックステーブルが予め用意されている場合、ステップS100では、見本チャートSCに再現したい塗料(インデックス)を選択するための処理がAPL P2によって行われる。
Claims (3)
- 印刷装置にて複数の色材を記録媒体に付着させて印刷を実行させるにあたり、前記色材の使用量の組み合わせである色材量セットを前記印刷装置に指定し、当該色材量セットに基づく印刷を実行させる印刷制御装置であって、
ターゲットの分光反射率をターゲット分光反射率として取得するターゲット分光反射率取得手段と、
前記ターゲット分光反射率と前記色材量セットとの対応関係を規定したルックアップテーブルを参照することにより、前記ターゲット分光反射率に対応する前記色材量セットを取得し、該色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷を実行させる印刷制御手段とを具備するとともに、
前記ルックアップテーブルにおいては、
前記色材量セットと、当該色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷を実行させた場合に前記記録媒体上で再現される分光反射率との近似性が高い前記ターゲット色彩値と、の対応関係が規定されるとともに、
前記近似性の評価においては、前記記録媒体上で再現される分光反射率の各波長の値に、前記各波長に応じて値が変化する重み関数が加味され、
前記重み関数の前記各波長に応じた値は、当該波長に対応する前記ターゲット分光反射率の値に基づいて設定されることを特徴とする印刷制御装置。
- 複数の色材を記録媒体に付着させて印刷を実行する印刷装置と、前記色材の使用量の組み合わせである色材量セットを前記印刷装置に指定し、当該色材量セットに基づく印刷を実行させる印刷制御装置とからなる印刷システムであって、
ターゲットの分光反射率をターゲット分光反射率として取得するターゲット分光反射率取得手段と、
前記ターゲット分光反射率と前記色材量セットとの対応関係を規定したルックアップテーブルを参照することにより、前記ターゲット分光反射率に対応する前記色材量セットを取得し、該色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷を実行させる印刷制御手段とを具備するとともに、
前記ルックアップテーブルにおいては、
前記色材量セットと、当該色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷を実行させた場合に前記記録媒体上で再現される分光反射率との近似性が高い前記ターゲット色彩値と、の対応関係が規定されるとともに、
前記近似性の評価においては、前記記録媒体上で再現される分光反射率の各波長の値に、前記各波長に応じて値が変化する重み関数が加味され、
前記重み関数の前記各波長に応じた値は、当該波長に対応する前記ターゲット分光反射率の値に基づいて設定されることを特徴とする印刷システム。 - 印刷装置にて複数の色材を記録媒体に付着させて印刷を実行させるにあたり、前記色材の使用量の組み合わせである色材量セットを前記印刷装置に指定し、当該色材量セットに基づく印刷を実行させる機能をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能な印刷制御プログラムであって、
ターゲットの分光反射率をターゲット分光反射率として取得するターゲット分光反射率取得機能と、
前記ターゲット分光反射率と前記色材量セットとの対応関係を規定したルックアップテーブルを参照することにより、前記ターゲット分光反射率に対応する前記色材量セットを取得し、該色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷を実行させる印刷制御機能とをコンピュータに実行させるとともに、
前記ルックアップテーブルにおいては、
前記色材量セットと、当該色材量セットを前記印刷装置に指定して印刷を実行させた場合に前記記録媒体上で再現される分光反射率との近似性が高い前記ターゲット色彩値と、の対応関係が規定されるとともに、
前記近似性の評価においては、前記記録媒体上で再現される分光反射率の各波長の値に、前記各波長に応じて値が変化する重み関数が加味され、
前記重み関数の前記各波長に応じた値は、当該波長に対応する前記ターゲット分光反射率の値に基づいて設定されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な印刷制御プログラム。
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