JP2017135683A - 生成装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】2つの色空間のそれぞれの値の間の対応関係を決定するための処理の負担を軽減する。【解決手段】第1色空間の複数の第1種の代表表色値と第2色空間の複数の第2種の代表表色値とを対応付ける色対応情報を以下のように生成する。第1種の注目表色値に対応付けられたN個(Nは2以上の整数)の測色値を取得する。第1種の注目表色値の目標色値が判断領域内に位置すると判断された場合、1以上の測色値に対応付けられる1以上の第2種の候補表色値に基づいて第2種の代表表色値を決定する。目標色値が判断領域内に位置すると判断されない場合、第1距離と第2距離と第1測色値と第2測色値とを用いて第2種の代表表色値を決定する。第1距離は、第1測色値を用いて決まる参照位置と、第1測色値よりも目標色値から遠い第2測色値と、の間の距離である。第2距離は、第2位置と目標色値との間の距離である。【選択図】 図1
Description
本開示は、第1の色空間の表色値に対応する第2の色空間の表色値を算出する技術に関する。
従来から、印刷などの画像処理において、画像データの色空間を変換する色変換処理が行われている。このような色変換処理では、色変換テーブルなどの、2つの色空間のそれぞれに含まれる値の間の対応関係を定める情報が、用いられる。色変換テーブルは、例えば、画像出力装置(例えば、ディスプレイやプリンタ)によって出力された複数の色(例えば、カラーパッチ)を測色することによって得られる複数の測色値を用いて、作成される。
ところで、従来は、2つの色空間のそれぞれに含まれる値の間の対応関係を精度よく決定するためには、多数の色の出力と測色とが行われており、処理の負担が大きかった。
本明細書は、2つの色空間のそれぞれに含まれる値の間の対応関係を決定するための処理の負担を軽減し得る技術を開示する。
本明細書は、例えば、以下の適用例を開示する。
[適用例1]
第1の色空間における表色値である複数の第1種の代表表色値と、第2の色空間における表色値である複数の第2種の代表表色値と、を対応付ける色対応情報を生成する生成装置であって、
前記複数の第1種の代表表色値のうちの第1種の注目表色値に対応付けられた前記第2の色空間におけるN個(Nは2以上の整数)の第2種の候補表色値に従って出力されるN個のパッチを測色して得られるN個の測色値を取得する取得部と、
前記第1種の注目表色値に予め対応付けられた目標色値が、前記N個の測色値を表す特定色空間内において、前記N個の測色値を用いて特定される色領域である判断領域内に位置するか否かを判断する判断部と、
前記目標色値が前記判断領域内に位置すると判断された場合に、前記第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値を、前記特定色空間内における前記N個の測色値のうちの1個以上の測色値に対応付けられる1個以上の前記第2種の候補表色値に基づいて決定する第1決定部と、
前記目標色値が前記判断領域内に位置すると判断されなかった場合に、前記特定色空間内の距離である第1距離と第2距離とを算出する算出部であって、
前記第1距離は、前記N個の測色値のうちの第1測色値の前記特定色空間内の第1位置を用いて決まる参照位置と、前記N個の測色値のうちの前記第1位置よりも前記目標色値の前記特定色空間内の目標位置から遠い第2測色値の前記特定色空間内の第2位置と、の間の距離であり、
前記参照位置は、前記目標位置と、前記第2位置と、を通る直線上に前記参照位置から垂線を下ろした場合に、前記目標位置と、前記参照位置の垂線の足と、前記第2位置と、が前記直線上でこの順に並ぶ位置であり、
前記第2距離は、前記第2位置と、前記目標位置と、の間の距離であり、
前記参照位置と前記第1位置と前記第2位置と前記目標位置とのそれぞれは、前記特定色空間の複数の色成分のうちの2以上の色成分を用いて表される色空間内の位置である、前記算出部と、
前記第1距離と、前記第2距離と、前記第1測色値と、前記第2測色値と、を用いて、前記第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値を決定する第2決定部と、
を備える、生成装置。
第1の色空間における表色値である複数の第1種の代表表色値と、第2の色空間における表色値である複数の第2種の代表表色値と、を対応付ける色対応情報を生成する生成装置であって、
前記複数の第1種の代表表色値のうちの第1種の注目表色値に対応付けられた前記第2の色空間におけるN個(Nは2以上の整数)の第2種の候補表色値に従って出力されるN個のパッチを測色して得られるN個の測色値を取得する取得部と、
前記第1種の注目表色値に予め対応付けられた目標色値が、前記N個の測色値を表す特定色空間内において、前記N個の測色値を用いて特定される色領域である判断領域内に位置するか否かを判断する判断部と、
前記目標色値が前記判断領域内に位置すると判断された場合に、前記第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値を、前記特定色空間内における前記N個の測色値のうちの1個以上の測色値に対応付けられる1個以上の前記第2種の候補表色値に基づいて決定する第1決定部と、
前記目標色値が前記判断領域内に位置すると判断されなかった場合に、前記特定色空間内の距離である第1距離と第2距離とを算出する算出部であって、
前記第1距離は、前記N個の測色値のうちの第1測色値の前記特定色空間内の第1位置を用いて決まる参照位置と、前記N個の測色値のうちの前記第1位置よりも前記目標色値の前記特定色空間内の目標位置から遠い第2測色値の前記特定色空間内の第2位置と、の間の距離であり、
前記参照位置は、前記目標位置と、前記第2位置と、を通る直線上に前記参照位置から垂線を下ろした場合に、前記目標位置と、前記参照位置の垂線の足と、前記第2位置と、が前記直線上でこの順に並ぶ位置であり、
前記第2距離は、前記第2位置と、前記目標位置と、の間の距離であり、
前記参照位置と前記第1位置と前記第2位置と前記目標位置とのそれぞれは、前記特定色空間の複数の色成分のうちの2以上の色成分を用いて表される色空間内の位置である、前記算出部と、
前記第1距離と、前記第2距離と、前記第1測色値と、前記第2測色値と、を用いて、前記第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値を決定する第2決定部と、
を備える、生成装置。
この構成によれば、目標色値が判断領域内に位置すると判断された場合には、第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値が、N個の測色値のうちの1個以上の測色値に対応付けられる1個以上の第2種の候補表色値に基づいて決定されるので、第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値を、目標色値に適した表色値に決定できる。また、目標色値が判断領域内に位置すると判断されなかった場合には、第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値の決定に、第1測色値の第1位置を用いて決まる参照位置と第1測色値の第1位置よりも目標色値の目標位置から遠い第2測色値の第2位置との間の第1距離と、第2位置と目標位置との間の第2距離と、第1測色値と、第2測色値と、が用いられるので、第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値の決定に用いられる測色値の総数を抑制できる。また、目標色値から遠い第2測色値が用いられるので、目標色値に近い測色値の誤差に応じて第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値が過度に変化することを抑制できる。また、参照位置は、目標位置と第2位置とを通る直線上に参照位置から垂線を下ろした場合に、目標位置と垂線の足と第2位置とが、直線上でこの順番に並ぶ位置である。従って、適切な表色値を算出できる。以上により、第1の色空間の表色値と第2の色空間の表色値との間の対応関係を決定するための処理の負担を抑制することができる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、色対応情報の生成方法および生成装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)、等の形態で実現することができる。
A.第1実施例:
図1は、実施例のデータ処理装置100を示す説明図である。データ処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータである(例えば、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ)。データ処理装置100は、プロセッサ110と、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、画像を表示する表示部140と、ユーザによる操作を受け入れる操作部150と、インタフェース190と、を有している。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。
図1は、実施例のデータ処理装置100を示す説明図である。データ処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータである(例えば、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ)。データ処理装置100は、プロセッサ110と、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、画像を表示する表示部140と、ユーザによる操作を受け入れる操作部150と、インタフェース190と、を有している。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。
プロセッサ110は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置130は、例えば、フラッシュメモリである。
不揮発性記憶装置130は、第1プログラム132と第2プログラム134と第3プログラム136とを格納している。プロセッサ110は、これらのプログラム132、134、136を実行することによって、種々の機能を実現する。これらのプログラム132、134、136によって実現される機能の詳細については、後述する。プロセッサ110は、プログラム132、134、136の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置(例えば、揮発性記憶装置120、不揮発性記憶装置130のいずれか)に、一時的に格納する。
表示部140は、画像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。操作部150は、ユーザによる操作を受け取る装置であり、例えば、表示部140上に重ねて配置されたタッチパネルである。ユーザは、操作部150を操作することによって、種々の指示をデータ処理装置100に入力可能である。
インタフェース190は、他の装置と通信するためのインタフェースである(例えば、USBインタフェース、有線LANインタフェース、IEEE802.11の無線インタフェース)。インタフェース190には、測色機200とプリンタ210とが接続されている。測色機200は、色を測定して測色値を出力する装置であり、例えば、分光測色機である。プリンタ210は、用紙(印刷媒体の一例)上に画像を印刷する装置である。本実施例では、プリンタ210は、シアンCとマゼンタMとイエロYとのそれぞれのインクを用いるインクジェット式の印刷装置である。なお、プリンタ210としては、他の方式(例えば、レーザ方式)の印刷装置を採用してもよい。
図2は、プリンタ用のルックアップテーブルLUTを作成する処理の例を示すフローチャートである。本実施例では、ルックアップテーブルLUTは、RGB色空間で表された画像データを用いて画像を印刷する際に利用される。ルックアップテーブルLUTは、RGBの各色成分の階調値で表される複数の表色値と、プリンタで利用可能な複数の色材の各色成分の階調値で表される複数の表色値と、の対応関係を定めるテーブルである。ここでは、複数の色材として、シアンC、マゼンタM、イエロYの3種類の色材が利用可能であることとする。また、RGBとCMYとのそれぞれの階調値は、0から255の256段階で表されていることとする。CMYの階調値は、対応する色材の単位面積当たりの量が多いほど、大きい。以下、RGBの表色値を、第1種表色値とも呼ぶ。また、CMYの表色値を、第2種表色値とも呼ぶ。
図3は、RGBの色成分で表される色立体CCの説明図である。色立体CCの8つの頂点のそれぞれには、色を示す符号が付されている(具体的には、黒頂点Vk(0,0,0)、赤頂点Vr(255,0,0)、緑頂点Vg(0,255,0)、青頂点Vbl(0,0,255)、シアン頂点Vc(0,255,255)、マゼンタ頂点Vm(255,0,255)、イエロ頂点Vy(255,255,0)、白頂点Vw(255,255,255))。括弧内の数字は、(赤R、緑G、青B)の各色成分の値を示している。
本実施例では、ルックアップテーブルLUTは、RGB色空間における複数の代表的な表色値(グリッド値ともよぶ)と、CMY色空間における複数の表色値であって複数のグリッド値に対応付けられた複数の表色値と、の対応関係を表している。グリッド値は、例えば、RGB色空間において、RGBの各値を、0から255の間におおよそ均等に配置された33個の特定値のいずれかに設定して得られる値である。このような複数のグリッド値は、図3の色立体CC内において、おおよそ均等に分布する複数のグリッドによって表される(図示省略)。
図中には、第1ラインRL1と、第2ラインRL2と、無彩色ラインALと、が示されている。第1ラインRL1は、白頂点Vwと赤頂点Vrとを結ぶ直線である。第2ラインRL2は、赤頂点Vrと黒頂点Vkとを結ぶ直線である。これらのラインRL1、RL2は、色立体CCの外殻上の直線である。無彩色ラインALは、白頂点Vwと黒頂点Vkとを結ぶ直線である。無彩色ラインAL上では、R=G=Bである。無彩色ラインAL上の表色値は、無彩色を表している。3本のラインRL1、RL2、ALで囲まれる三角形の領域RA上の表色値は、赤の色相を有する色を表している。一般的には、色立体CC内において、無彩色ラインALを含む平面のうち、無彩色ラインALから見て一方向側の部分は、色相がおおよそ同じ色を表している。
プロセッサ110(図1)は、図2の処理を実行することによって、RGB色空間における複数のグリッド値に対応する、CMY色空間における複数の表色値を算出する。図2の処理は、第1プログラム132に従って動作するプロセッサ110によって、実行される。なお、測色機200を用いた測色は、測色用の第2プログラム134に従って動作するプロセッサ110によって行われる。プリンタ210を用いた画像の印刷は、印刷用の第3プログラム136に従って動作するプロセッサ110によって行われる。
S100では、プロセッサ110(図1)は、キャリブレーションデータを作成する。キャリブレーションデータは、CMYのそれぞれの階調値の変化に対して、実際に印刷される色の濃度がリニアに変化するように、CMYの階調値を補正するためのデータである。本実施例では、キャリブレーションデータは、シアンの補正前階調値Caと補正済階調値Cbとの対応関係と、マゼンタの補正前階調値Maと補正済階調値Mbとの対応関係と、イエロの補正前階調値Yaと補正済階調値Ybとの対応関係と、を表している。補正前階調値と補正済階調値との対応関係を表すデータとしては、例えば、1次元のルックアップテーブルが用いられる。キャリブレーションデータは、CMYの3色成分のための3個の1次元ルックアップテーブルを含んでいる。
キャリブレーションデータは、例えば、以下のように生成される。以下、シアンCの1次元ルックアップテーブルを作成する方法の例を説明する。プロセッサ110は、印刷用の第3プログラム136に従って、シアンCのキャリブレーション用の複数個のパッチを、プリンタ210に印刷させる。1個のパッチは、シアンCの1つの階調値に対応しており、シアンCの色材で印刷された濃度が均一な領域である。複数個のパッチの間では、対応するシアンCの階調値(すなわち、濃度)が互いに異なっている。以下、複数個のパッチに対応する複数の階調値を、キャリブレーション用の複数の代表値とも呼ぶ。キャリブレーション用の複数の代表値は、例えば、最小値(ここでは、ゼロ)から最大値(ここでは、255)までの範囲から、おおよそ均等に選択される。
プロセッサ110は、印刷用の第3プログラム136に従って、複数個のパッチを表すパッチ画像データを用いて印刷データを生成し、生成した印刷データをプリンタ210に供給する。プリンタ210は、受信した印刷データに従って、複数個のパッチを印刷する。なお、本実施例では、パッチ画像データは、CMY色空間で表されている。そして、印刷用の第3プログラム136は、CMYの階調値を用いたハーフトーン処理(例えば、誤差拡散処理、または、ディザマトリクスを用いた処理)を行うことによって印刷データを生成する機能を、プロセッサ110に実行させる。パッチは、ハーフトーン処理によって生成された印刷データに従って、印刷される。なお、パッチ画像データは、予め準備されている。この代わりに、第1プログラム132に従って動作するプロセッサ110が、S100で、パッチ画像データを生成してもよい。
プロセッサ110は、測色用の第2プログラム134に従って、測色機200に、印刷された複数個のパッチを測色させ、各パッチの光学濃度を特定する。これにより、シアンCの階調値と実際の光学濃度との関係が特定される。なお、シアンCの複数個の代表値のそれぞれには、予め、目標濃度が対応付けられている。プロセッサ110は、LUT作成用の第1プログラム132に従って、代表値に予め対応付けられた目標濃度を実現する階調値を、階調値と実際の光学濃度との関係から算出する(例えば、補間)。目標濃度を実現する階調値の算出は、各代表値毎に行われる。これにより、代表値と目標濃度を実現する階調値との対応関係が、各代表値毎に決定される。プロセッサ110は、代表値を補正前階調値Caとして用い、代表値に対応付けられた目標濃度を実現する階調値を補正済階調値Cbとして用いることによって、シアンC用の1次元ルックアップテーブルを作成する。他の色成分M、Yに関しても、同様に、キャリブレーションデータが作成される。
図2のS110では、プロセッサ110は、無彩色ラインAL上のパッチ用の無彩色代表値を、特定する(パッチ代表値とも呼ぶ)。パッチ代表値は、図3で説明した色立体CCの無彩色ラインAL上に位置する複数のグリッド値のうちの一部の複数のグリッド値であり、後述するパッチの印刷に用いられるグリッド値である。図4は、無彩色ラインAL上の表色値と、CMYの階調値との関係を示す説明図である。横軸は、無彩色ラインAL上の表色値の位置を示し、縦軸は、CMYの階調値を示している。表色値の位置は、白頂点Vwからの距離を表すグレー値GVによって、表されている。グレー値GVは、白頂点Vwの位置を示すゼロから黒頂点Vkの位置を示す255までの範囲で、表されている。無彩色ラインAL上の表色値は、グレー値GVによって特定可能である。以下、無彩色ラインAL上の表色値を示す符号として、その表色値のグレー値を示す符号と同じ符号を用いて、説明を行う。
横軸に示された複数個の黒点は、S110で特定される複数個のパッチ代表値を示している。本実施例では、グレー値GV=16、32、48、80、112、144、176、208、240、255の10個の無彩色のグリッド値が、パッチ代表値として用いられる。
図4(A)のCMYの階調値は、予め決められた未調整階調値を示している。未調整階調値は、無彩色ラインAL上の表色値に対応するCMYの階調値の基準を表している。本実施例では、複数個のパッチ代表値とCMYの未調整階調値との対応関係を表すデータが、予め、第1プログラム132とともに不揮発性記憶装置130に格納されている(図示省略)。図4(A)のグラフは、このような対応関係を補間することによって、特定される。
図示するように、CMYの階調値は、グレー値GVがゼロから255まで増大することに応じて、ゼロから増大する。図4(A)の実施例では、CMYの階調値は、グレー値GVの増大に応じて単調増加する。
なお、本実施例では、シアンCとマゼンタMとイエロYとの等量の混色によって無彩色が表現されることとする。従って、無彩色ラインAL上の表色値に対応付けられたCMYの3個の未調整階調値は、互いに同じである。
実際のプリンタ210では、利用可能な複数の色材(ここでは、CMY)の間で印刷に用いられる色材の量のバランスが、想定されたバランスからズレ得る。例えば、シアンCの色材の量が、想定された量よりも多くなり得る。この場合、無彩色ラインAL上の表色値によって表される色を印刷した場合に、無彩色ではなく、青みがかった色が印刷され得る。このような色材の量のズレは、プリンタ210のモデル毎に異なり得る。また、色材の量のズレは、プリンタ210の個体毎に異なり得る。
図2のS120では、プロセッサ110は、このような色材の量のズレによる印刷される色のズレを補正するためのグレー調整処理を行う。グレー調整処理は、無彩色ラインAL上の表色値で表される色が無彩色で印刷されるように、CMYの階調値を調整する処理である。
図5は、グレー調整処理の例を示すフローチャートである。S210では、プロセッサ110は、図4(A)で説明した複数のパッチ代表値のそれぞれのための複数個のパッチを印刷する。本実施例では、プロセッサ110は、各パッチ代表値に対応付けられた複数個のパッチをプリンタ210に印刷させる。1個のパッチ代表値に対応付けられた複数個のパッチは、そのパッチ代表値に対応付けられた未調整階調値(図4(A))を中心して階調値を5段階で変化させることによって、得られる。例えば、シアンCの5個の階調値は、調整幅dと、パッチ代表値に対応付けられたシアンの未調整階調値Ciとを用いて、以下のように表される。Ci−2d、Ci−d、Ci、Ci+d、Ci+2d。調整幅dは、予め決められている。他の色成分M、Yの5個の階調値も、同様に、表される。本実施例では、CMYの3個の階調値が5段階で変化するので、1個のパッチ代表値に対応付けられたパッチの総数は、5×5×5=125個である。以下、複数個のパッチを表す複数個のCMYの表色値を、パッチ表色値とも呼ぶ。
なお、調整幅dに応じて階調値を変化させた結果、階調値がゼロ未満になる場合、ゼロ未満の階調値で表されるパッチの印刷は省略される。この代わりに、変化後の階調値がゼロ以上となるように、調整幅dを小さくしてもよい。また、調整幅dに応じて階調値を変化させた結果、階調値が、階調値が取り得る範囲の最大値(ここでは、255)を超える場合、最大値を超える階調値で表されるパッチの印刷は省略される。この代わりに、変化後の階調値が最大値以下となるように、調整幅dを小さくしてもよい。
プロセッサ110は、第3プログラム136に従って、複数個のCMYのパッチ表色値によって複数個のパッチを表すグレー調整用のパッチ画像データを用いて、印刷データを生成し、生成した印刷データをプリンタ210に供給する。プリンタ210は、受信した印刷データに従って、複数個のパッチを印刷する。ここで、パッチ表色値の階調値(すなわち、未調整階調値と調整幅dとを用いて表される階調値)は、図2のS100で説明した補正前階調値として用いられる。プロセッサ110は、パッチ表色値の階調値を、キャリブレーションデータを用いて、補正済階調値に変換し、補正済階調値のハーフトーン処理によって、印刷データを生成する。なお、グレー調整用のパッチ画像データは、予め準備されている。この代わりに、第1プログラム132に従って動作するプロセッサ110が、S210で、パッチ画像データを生成してもよい。
S220では、プロセッサ110は、測色用の第2プログラム134に従って、測色機200に、印刷された複数個のパッチを測色させ、各パッチの測色値を取得する。測色値は、プリンタなどのデバイスに依存しない色空間の表色値であり、本実施例では、CIELAB色空間の表色値(以下、Lab値とも呼ぶ)である。これにより、複数個のパッチ表色値(CMY)と測色値(L*a*b*)との対応関係が特定される。
S223では、プロセッサ110は、図4(A)で説明した複数のパッチ代表値のうちの1個の未処理のパッチ代表値を選択する。以下、選択されたパッチ代表値を、注目代表値とも呼ぶ。S226では、プロセッサ110は、S220で取得された全てのパッチ代表値の全ての測色値のうち、注目代表値に対応付けられた複数個のパッチから得られた複数の測色値を特定する。以下、注目代表値に対応付けられた複数個のパッチを、複数個の注目パッチとも呼び、複数個の注目パッチから得られた複数の測色値を、複数の注目パッチ測色値とも呼ぶ。
注目代表値(ひいては、複数個のパッチ代表値のそれぞれ)には、予め、測色値の目標値である目標色値が対応付けられている。図5のS230では、プロセッサ110は、LUT作成用の第1プログラム132に従って、注目代表値に予め対応付けられた目標色値を実現するCMYの表色値(すなわち、第2種表色値)を、複数個の注目パッチのそれぞれのパッチ表色値(CMY)と注目パッチ測色値(L*a*b*)との対応関係を用いて算出する。
図6は、CMYの表色値(第2種表色値)を算出する処理の例のフローチャートである。S300では、プロセッサ110は、目標色値Poを含む最小三角領域TAを検出する。図7は、a*b*平面上に投影された複数個の注目パッチの複数の注目パッチ測色値の説明図である。図7(A)〜図7(C)のそれぞれにおける複数の黒点Pは、複数の注目パッチの複数の注目パッチ測色値のa*b*平面上の位置を示している。以下、測色値を表す符号として、その測色値に対応するa*b*平面上の位置を示す符号と同じ符号を用いて、説明を行う。例えば、位置Pに対応する測色値を、測色値Pとも呼ぶ。図中では、複数の測色値Pが簡略化して示されているが、実際には、より多数の測色値Pが、a*b*平面上に配置される。
図7(A)の目標色値Poは、注目代表値の目標色値である。最小三角領域TAは、3個の測色値Pで形成される三角形のうちの目標色値Poを含み面積が最小の三角形で囲まれる領域である。図6のS300では、プロセッサ110は、このような最小三角領域TAを、検索する。目標色値Poが、複数の測色値Pが分布する領域の外に位置する場合には、このような最小三角領域TAが検出されない。
図6のS310では、プロセッサ110は、最小三角領域TAを検出したか否かを判断する。最小三角領域TAが検出されたことは、目標色値Poが、複数の測色値から得られる3個の測色値の複数の組み合わせのうちの少なくとも1個の組み合わせで形成される三角領域に含まれることを示している。最小三角領域TAが検出された場合(S310:Yes)、S320で、データ処理装置100は、最小三角領域TAを形成する3個の測色値P1、P2、P3(図7(A))に対応する3個のCMY測色値を補間することによって、注目代表値に対応するCMY表色値を算出する。そして、プロセッサ110は、図6の処理を終了する。このように、目標色値Poに近い3個の測色値P1、P2、P3を補間に用いることによって、適切なCMY測色値が算出できる。
一方、最小三角領域TAが検出されないことは、目標色値Poが、複数の測色値から得られる3個の測色値の複数の組み合わせのうちいずれの組み合わせの三角領域にも含まれていないことを示している。最小三角領域TAが検出されない場合(S310:No)、S330で、プロセッサ110は、複数の測色値Pから、目標色値Poに最も近い測色値Pである第1近測色値Pn1を特定する。図7(B)は、最小三角領域TAが検出されない場合の複数の測色値Pと目標色値Poとの配置例を示している。プロセッサ110は、目標色値Poに最も近い第1近測色値Pn1を特定する。なお、本実施例では、2個の測色値の間の距離として、a*b*平面上におけるユークリッド距離が用いられる。この距離は、CIELAB色空間の3個の色成分(L*、a*、b*)のうちの2個の色成分(a*、b*)で表される。具体的には、距離は、a*の二乗とb*の二乗との和の平方根で表される。プロセッサ110は、目標色値Poからのこのような距離が最も短い測色値Pを、第1近測色値Pn1として特定する。
図6のS340では、プロセッサ110は、目標色値Poから最も遠い測色値Pである遠測色値Pfを特定する。図7(B)には、特定された遠測色値Pfが示されている。プロセッサ110は、複数の測色値Pのうち、目標色値Poからの上記の距離が最も長い測色値Pを、遠測色値Pfとして特定する。
図6のS350では、プロセッサ110は、第2近測色値Pn2を特定する。図7(B)には、特定された第2近測色値Pn2が示されている。図中の第1直線L1は、a*b*平面上で、目標色値Poと遠測色値Pfとを結ぶ直線である。a*b*平面上に投影された複数の測色値Pは、この第1直線L1によって、第1直線L1から見て第1近測色値Pn1側の測色値Pと、第1近測色値Pn1側とは反対側の測色値Pと、に区分される。第2近測色値Pn2は、第1近測色値Pn1側とは反対側の測色値Pのうちの目標色値Poに最も近い測色値Pである。図中の第2直線L2は、a*b*平面上で第1近測色値Pn1と第2近測色値Pn2とを結ぶ直線である。
なお、処理対象の測色値が、第1直線L1から見て第1近測色値Pn1側に位置するか否かを判断する方法としては、任意の方法を採用可能である。例えば、a*b*平面において、目標色値Poから遠測色値Pfまで延びる第1ベクトルと、目標色値Poから処理対象の測色値まで延びるベクトルと、の外積の符号(正、または、負)が、第1ベクトルと、目標色値Poから第1近測色値Pn1まで延びる第2ベクトルと、の外積の符号と同じである場合、処理対象の測色値は第1近測色値Pn1側に位置していると判断される。
図6のS360では、プロセッサ110は、a*b*平面上における第1直線L1と第2直線L2との交点の位置Pcを特定する(参照位置Pcと呼ぶ)。図7(B)の参照位置Pcは、第1直線L1と第2直線L2との交点の位置である。
図6のS365では、プロセッサ110は、第1距離D1と第2距離D2とを算出する。図7(B)には、第1距離D1と第2距離D2とが示されている。第1距離D1は、a*b*平面上における参照位置Pcと遠測色値Pfとの距離である。第2距離D2は、a*b*平面上における目標色値Poと遠測色値Pfとの距離である。また、図7(B)には、a*b*平面上における第1近測色値Pn1と参照位置Pcとの間の第3距離Daと、第2近測色値Pn2と参照位置Pcとの間の第4距離Dbと、が示されている。プロセッサ110は、これらの距離Da、Dbも、算出する。
図6のS370では、プロセッサ110は、遠測色値Pfと、参照位置Pcと、第1距離D1と、第2距離D2と、を用いて、注目代表値に対応するCMY表色値(すなわち、第2種表色値)を算出する。本実施例では、プロセッサ110は、第1近測色値Pn1のCMY表色値と、第2近測色値Pn2のCMY表色値とを、第3距離Daと第4距離Dbとの比率に応じて補間することによって、参照位置Pcに対応するCMY表色値を算出する。そして、プロセッサ110は、遠測色値PfのCMY表色値と参照位置PcのCMY表色値とを、第1距離D1と第2距離D2との比率に応じて外挿することによって、注目代表値に対応するCMY表色値を算出する。そして、プロセッサ110は、図6の処理を終了する。
図6の処理、すなわち、図5のS230が終了した場合、S240では、プロセッサ110は、全てのパッチ代表値(すなわち、パッチ用の無彩色代表値)の処理が完了したか否かを判断する。未処理のパッチ代表値が残っている場合(S240:No)、プロセッサ110は、S223に移行して、未処理のパッチ代表値の処理を実行する。全てのパッチ代表値の処理が完了した場合(S240:Yes)、S250で、プロセッサ110は、無彩色ラインAL(図3)上のパッチ代表値以外の複数の無彩色のグリッド値のためのCMYの調整済表色値を算出する。
本実施例では、S250では、プロセッサ110は、注目グリッド値に対応するCMY表色値を、白頂点Vwから黒頂点Vkまでの間の複数のパッチ代表値のうちの注目グリッド値に最も近い2個のパッチ代表値を用いた補間によって、算出する。これにより、注目グリッド値に対応する適切なCMY表色値を算出できる。
図4(B)のグラフは、無彩色ラインAL上の表色値の位置と、S230、S250で算出されたCMY表色値(すなわちCMYのそれぞれの調整済階調値)と、の対応関係を示している。S230で算出される複数のパッチ代表値のそれぞれのCMYの調整済階調値は、測色の結果に応じて決定されているので、CMYの間で調整済階調値が異なり得る。この結果、S250で算出されるCMYの調整済階調値も、互いに異なり得る。図4(B)の例では、階調値の大きい順は、Y、M、Cの順である。
全ての無彩色グリッド値の処理が完了した場合、プロセッサ110は、図5のS250の処理を終了する。そして、プロセッサ110は、図5の処理、すなわち、図2のS120の処理を終了する。
図2のS130では、プロセッサ110は、グレー調整済のルックアップテーブルを作成する。グレー調整済のルックアップテーブルでは、無彩色ラインAL上のRGBのグリッド値には、図5、図6で算出したCMYの調整済表色値が、対応付けられる。無彩色ラインALから離れた位置のRGBのグリッド値に関しては、プロセッサ110は、予め決められた方法に従って、CMYの表色値を決定する。CMYの表色値を決定する方法としては、種々の方法を採用可能である。本実施例では、プロセッサ110は、CMYで表現可能な色範囲(ガマットとも呼ばれる)が最も広くなるように、CMYの表色値を決定する。
図8は、無彩色ラインALから離れたグリッド値に対応するCMYの表色値の説明図である。図8(A)には、図3で説明した赤領域RAが示されている。赤領域RAの縁を形成する第1ラインRL1と第2ラインRL2とは、色立体CC(図3)の外殻上のラインである。図8(B)には、外殻のラインRL1、RL2上の表色値と、CMYの階調値と、の関係を示すグラフが示されている。横軸は、ラインRL1、RL2上の位置を示し、縦軸は、CMYの階調値を示している。
本実施例では、色立体CCの外殻上のグリッド値に対応するCMYの階調値は、予め決められている。例えば、図8(B)に示すように、赤頂点Vrに関しては、最も彩度の高い赤色を再現するように、イエロYの階調値とマゼンタMの階調値とが最大値に決定され、シアンCの階調値がゼロに決定される。最大値は、階調値の取り得る範囲の最大値であってもよい(ここでは、ゼロから255の範囲の最大値である255)。この代わりに、印刷媒体上の単位面積当たりの色材量の上限値を定める条件を満たす範囲内での最大値を採用してもよい。
白頂点Vwから赤頂点Vrまでの第1ラインRL1に関しては、以下の通りである。イエロYの階調値とマゼンタMの階調値とは、白頂点Vwから赤頂点Vrに向かって、白頂点Vwでの階調値(ここでは、ゼロ)から赤頂点Vrでの階調値まで徐々に増大する。シアンCの階調値は、ゼロに維持される。
赤頂点Vrから黒頂点Vkまでの第2ラインRL2に関しては、以下の通りである。シアンCの階調値は、赤頂点Vrから黒頂点Vkに向かって、ゼロから黒頂点Vkでの階調値まで徐々に増大する。イエロYの階調値とマゼンタMの階調値とは、赤頂点Vrから黒頂点Vkに向かって、赤頂点Vrでの階調値から黒頂点Vkでの階調値まで徐々に減少する。黒頂点Vkでは、CMYのそれぞれの階調値は、互いに同じである。なお、図8では図示を省略するが、黒頂点Vkには、図4(B)で説明したCMYの調整済階調値が、対応付けられる。第2ラインRL2上の黒頂点Vkを含む少なくとも一部の色範囲(例えば、赤頂点Vrから黒頂点Vkまでの色範囲)において、CMYのそれぞれの階調値が、予め決められた値ではなく、黒頂点VkでのCMYのそれぞれの調整済階調値に向かって、徐々に変化してもよい。
図8(A)に示す赤領域RAの縁(すなわち、ラインAL、RL1、RL2)よりも内側の内部領域RAiのグリッド点に関しては、プロセッサ110は、縁(ラインAL、RL1、RL2)上の複数のグリッド点のCMYのそれぞれの表色値を補間することによって、CMYの表色値を算出する。
以上により、プロセッサ110は、赤領域RAの複数のグリッド点のそれぞれのCMYの表色値を算出する。他の色相のグリッド値に関しても、同様に、CMYの表色値が算出される。すなわち、色立体CCの外殻上のグリッド値に対応するCMYの表色値は、ガマットが最大になるように予め決定されている。外殻よりも内側のグリッド値に対応するCMYの表色値は、無彩色ラインAL上のグリッド値のCMYの調整済表色値と、外殻上の同じ色相のグリッド値のCMYの表色値と、を補間することによって、算出される。これにより、グレー調整済のルックアップテーブルが、完成する。
図2のS140では、プロセッサ110は、特定の有彩色のCMYの表色値を、調整することによって、最終的なルックアップテーブルを作成する。例えば、プロセッサ110は、ユーザの指示に応じて、グレー調整済のルックアップテーブルのうち、ユーザによって指定されたグリッド値に対応付けられたCMYの表色値を変更する。例えば、ユーザは、青色を表すRGBのグリッド値に対応するCMYの表色値を、海を表す画像に適したCMYの表色値に変更できる。ユーザは、例えば、変更対象のグリッド値を特定する情報と、変更後のCMYの表色値とを、操作部150を通じて入力する。ここで、プロセッサ110は、入力された表色値によって表される色を表示部140に表示してもよい。なお、S140は、省略されてもよい。
以上のように、キャリブレーションデータとルックアップテーブルとが生成される。データ処理装置100は、キャリブレーションデータとルックアップテーブルを生成する生成装置である、といえる。生成されたキャリブレーションデータとルックアップテーブルは、プリンタ210を用いる後述の印刷処理に利用される。キャリブレーションデータとルックアップテーブルとは、プリンタ210を制御するためのプリンタドライバに組み込まれてもよい。なお、キャリブレーションデータとルックアップテーブルとは、プリンタ210のモデル毎に準備される。この代わりに、キャリブレーションデータとルックアップテーブルとが、プリンタ210の個体毎に準備されてもよい。
図9は、印刷処理の例を示すフローチャートである。この印刷処理では、図2の手順に従って作成されたキャリブレーションデータとルックアップテーブルとが用いられる。以下、印刷用の第3プログラム136(図1)に従って動作するプロセッサ110が、図9の処理を実行することとして、説明を行う。また、図2のS100で生成されたキャリブレーションデータと、S110〜S140で生成されたルックアップテーブルとが、第3プログラム136に組み込まれていることとする。
S10では、プロセッサ110は、ユーザから操作部150を介して印刷指示を取得する。印刷指示は、印刷対象の対象画像データを指定する指示を含んでいる。プロセッサ110は、ユーザによって指定された対象画像データを取得する。例えば、記憶装置(例えば、不揮発性記憶装置130)から、対象画像データが取得される。対象画像データは、例えば、ページ記述言語で記述された画像データや、JPEG形式で圧縮された画像データである。
S20では、プロセッサ110は、取得した対象画像データに対してラスタライズ処理を実行して、複数個の画素を含む対象画像を表す印刷処理用のビットマップデータを生成する。ビットマップデータは、本実施例では、RGBの階調値によって画素ごとの色を表すRGB画像データである。対象画像データがビットマップデータである場合には、プロセッサ110は、ビットマップデータの解像度(すなわち、画素密度)を、印刷処理用の解像度に変換する処理を実行してもよい。
S30では、プロセッサ110は、RGB画像データに対して色変換処理を実行して、印刷に利用可能な色材の種類に対応する画像データを生成する。本実施例では、CMY画像データが生成される。色変換処理は、RGBの階調値とCMYの階調値との対応関係を定める上記のルックアップテーブルを用いて行われる(例えば、補間)。
S35では、プロセッサ110は、CMYの階調値を、上記のキャリブレーションデータを用いて、補正済階調値に変換する。
S40では、プロセッサ110は、CMYの補正済階調値に対してハーフトーン処理を実行して、ドットの形成状態を画素ごと、かつ、インクの種類ごとに表すドットデータを生成する。本実施例では、ハーフトーン処理は、誤差マトリクスを利用した誤差拡散処理を用いて実行される。これに代えて、ディザマトリクスを用いるハーフトーン処理を採用してもよい。
S50では、プロセッサ110は、ドットデータを用いて印刷データを生成する。印刷データは、プリンタ210によって解釈可能なデータ形式で表されたデータである。プロセッサ110は、例えば、印刷に用いられる順にドットデータを並べるとともに、各種のプリンタ制御コードや、データ識別コードを付加して印刷データを生成する。
S60では、プロセッサ110は、生成した印刷データを、プリンタ210に供給する。S70では、プリンタ210は、受信した印刷データに従って、画像を印刷する。以上により、図9の印刷処理が終了する。
以上のように、本実施例では、図6のS300、S310で説明したように、注目代表値の目標色値Poを含む最小三角領域TAが検出されるか否かに応じて、注目代表値に対応付けられたCMY表色値の算出方法が異なっている。ここで、最小三角領域TAが検出されることは、目標色値Poが最小三角領域TA内に位置することを示している。従って、最小三角領域TAが検出されるか否かの判断は、目標色値Poが最小三角領域TA内に位置するか否かを判断している、といえる。このように、判断に用いられる最小三角領域TAを、判断領域TAとも呼ぶ。本実施例では、判断領域TAは、注目代表値に対応付けられた複数個のパッチから得られる複数個の測色値と、注目代表値に予め対応付けられた目標色値Poと、に応じて特定される。
目標色値Poが判断領域TA内に位置すると判断された場合(図6:S310:Yes)、図6のS320で説明したように、プロセッサ110は、最小三角領域TAを形成する3個の測色値P1、P2、P3に対応する3個のCMY表色値を補間することによって、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値を算出する。従って、目標色値Poに適したCMY表色値を決定できる。特に、本実施例では、補間に用いられる測色値P1、P2、P3は、目標色値Poに近く、そして、目標色値Poを囲むように配置されている。従って、目標色値Poに適したCMY表色値を算出できる。
また、目標色値Poが判断領域TA内に位置すると判断されなかった場合(図6:S310:No)、第1近測色値Pn1を用いて参照位置Pcが特定される(S330〜S360)。また、第1近測色値Pn1よりも目標色値Poから遠い遠測色値Pfが特定される(S330、S340)。そして、参照位置Pcと遠測色値Pfとの間の第1距離D1と、遠測色値Pfと目標色値Poとの間の第2距離D2と、が算出される(S370)。距離D1、D2は、a*b*平面上の測色値の位置を用いて、算出される。そして、プロセッサ110は、第1距離D1と第2距離D2と第1近測色値Pn1と遠測色値Pfとを用いて、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値を決定する(S370)。このように、目標色値Poが判断領域TA内に位置すると判断されなかった場合であっても、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値は、取得済の複数の測色値を用いて算出されるので、追加のパッチの印刷と測色とを省略できる。この結果、CMY表色値の決定に用いられる測色値の総数を抑制できる。また、目標色値Poから遠い遠測色値Pfが用いられるので、目標色値Poに近い測色値の誤差に応じてCMY表色値が過度に変化することを抑制できる。
以上により、測色値を準備するための負担を抑制できるので、RGB色空間の表色値とCMY色空間の表色値との間の対応関係を決定するための処理の負担を抑制できる。
また、図6のS330で説明したように、第1近測色値Pn1は、注目代表値に対応付けられた複数のパッチから得られる複数の測色値のうちの目標色値Poとの距離(ここでは、a*とb*との2つの色成分で表される距離)が最小の測色値である。このように、目標色値Poとの距離が最小の第1近測色値Pn1が用いられるので、注目代表値に適したCMY表色値を算出できる。
また、図6のS340で説明したように、遠測色値Pfは、複数の測色値のうちの目標色値Poとの距離(ここでは、a*とb*との2つの色成分で表される距離)が最大の測色値である。このように、目標色値Poとの距離が最大の遠測色値Pfが用いられる。従って、CMY表色値の算出に用いられる複数の測色値のうち目標色値Poとの距離が小さい測色値(例えば、第1近測色値Pn1)に誤差が含まれる場合であっても、誤差を含む測色値から遠い遠測色値PfもCMY表色値の算出に用いられるので、誤差に起因してCMY表色値が過度に変化することを、適切に抑制できる。
また、上述したように、プロセッサ110は、図6のS300、S310で、CIELAB色空間の3個の色成分のうちa*とb*との2個の色成分で表される平面上において、3個の測色値を頂点とする三角領域TAを、判断領域として用いる。従って、目標色値Poが判断領域TA内に位置するか否かを、適切に判断できる。特に、判断領域が、3次元の立体領域ではなく2次元の領域であるので、目標色値Poが判断領域内に位置するか否かを、容易に判断できる。
また、図6のS300、S310で説明したように、プロセッサ110は、注目代表値に対応付けられた複数のパッチから得られる複数の測色値から選択される3個の表色値の複数の組み合わせのうち、いずれの組み合わせの三角領域にも目標色値Poが含まれていない場合に、目標色値Poが判断領域内に位置すると判断しない(S310:No)。そして、3個の表色値の複数の組み合わせのうち少なくとも1個の組み合わせで形成される三角領域内に目標色値Poが位置する場合に、目標色値Poが判断領域内に位置すると判断する(S310:Yes)。このように、プロセッサ110は、3個の表色値の複数の組み合わせのそれぞれに関して、3個の表色値で形成される三角領域内に目標色値Poが位置しているか否かの判断を行うことによって、目標色値Poが判断領域内に位置しているか否かを適切に判断できる。
また、図6のS330〜S370、図7(B)で説明したように、プロセッサ110は、a*b*平面上で、遠測色値Pfの位置と目標色値Poの位置とを結ぶ第1直線L1と、第1直線L1の第1近測色値Pn1側とは反対側に位置する第2近測色値Pn2の位置と第1近測色値Pn1の位置とを結ぶ第2直線L2と、の交点の位置Pcを、参照位置Pcとして用いる。そして、プロセッサ110は、この参照位置Pcを用いて特定される第1距離D1と第2距離D2とを用いて、注目代表値に対応するCMY表色値を算出する。従って、目標色値Poに近い第1近測色値Pn1と目標色値Poから遠い遠測色値Pfとを用いて、適切に、CMY表色値を算出できる。特に、本実施例では、プロセッサ110は、距離D1、D2を用いる外挿によって、適切なCMY表色値を算出できる。
B.変形例:
(1)目標色値Poが判断領域内に位置すると判断された場合の、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値の算出方法としては、図6のS320で説明した算出方法に代えて、他の種々の方法を採用可能である。例えば、a*b*平面上で目標色値Poに最も近い測色値に対応付けられたCMY表色値を、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値として採用してもよい。また、CIELAB色空間内において目標色値Poを含む最小の三角錐を形成する4個の測色値を特定し、特定された4個の測色値に対応する4個のCMY表色値を補間することによって、CMY表色値を算出してもよい。一般的には、プロセッサ110は、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値を、注目代表値に対応付けられた複数個のパッチから得られる複数個の測色値のうちの1個以上に対応付けられる1個以上のCMY表色値に基づいて決定すればよい。ここで、算出されるCMY表色値の精度を向上するためには、複数個のパッチから得られる複数個の測色値のうちの2個以上の測色値に対応付けられる2個以上のCMY表色値を補間することによって、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値を算出することが好ましい。
(1)目標色値Poが判断領域内に位置すると判断された場合の、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値の算出方法としては、図6のS320で説明した算出方法に代えて、他の種々の方法を採用可能である。例えば、a*b*平面上で目標色値Poに最も近い測色値に対応付けられたCMY表色値を、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値として採用してもよい。また、CIELAB色空間内において目標色値Poを含む最小の三角錐を形成する4個の測色値を特定し、特定された4個の測色値に対応する4個のCMY表色値を補間することによって、CMY表色値を算出してもよい。一般的には、プロセッサ110は、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値を、注目代表値に対応付けられた複数個のパッチから得られる複数個の測色値のうちの1個以上に対応付けられる1個以上のCMY表色値に基づいて決定すればよい。ここで、算出されるCMY表色値の精度を向上するためには、複数個のパッチから得られる複数個の測色値のうちの2個以上の測色値に対応付けられる2個以上のCMY表色値を補間することによって、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値を算出することが好ましい。
(2)目標色値Poが判断領域内に位置すると判断されなかった場合の、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値の算出方法としては、図6のS330〜S370で説明した算出方法に代えて、他の種々の方法を採用可能である。
図7(C)は、CMY表色値の算出方法の変形例を示す説明図である。図中には、図7(B)と同じ、a*b*平面上に投影された目標色値Poと複数の測色値Pとの配置が示されている。図7(B)の実施例との差異は、遠測色値Pfとして、目標色値Poから最も遠い測色値の代わりに、別の測色値が用いられる点だけである。図7(C)の遠測色値Pfは、第1近測色値Pn1よりも目標色値Poから遠い測色値である。すなわち、遠測色値Pfと目標色値Poとの間の距離は、第1近測色値Pn1と目標色値Poとの間の距離よりも、長い。この変形例においては、目標色値Poと遠測色値Pfとを結ぶ直線が、第1直線L1であり、第1近測色値Pn1と第2近測色値Pn2とを結ぶ直線が、第2直線L2である。そして、注目代表値に対応するCMY表色値は、図7(B)の実施例と同様に、遠測色値PfのCMY表色値と参照位置PcのCMY表色値とを用いた外挿によって、算出される。
なお、図7(C)の変形例において、遠測色値Pfとしては、種々の測色値を採用できる。例えば、複数の測色値Pから、目標色値Poからの距離が第1近測色値Pn1と目標色値Poとの間の距離よりも長い測色値を検索する場合に、最初に検出された測色値を遠測色値Pfとして採用してもよい。
一般的には、第1直線L1の特定に用いられる遠測色値Pfは、目標色値Poから最も遠い測色値でなくてもよく、第2直線L2の特定に用いられる第1近測色値Pn1よりも目標色値Poから遠い種々の測色値であってよい。また、第2直線L2の特定に用いられる第1近測色値Pn1は、目標色値Poに最も近い測色値でなくてもよく、遠測色値Pfよりも目標色値Poに近い種々の測色値であってよい。すなわち、遠測色値Pfと目標色値Poとの間の距離が、第1近測色値Pn1と目標色値Poとの間の距離よりも長いという条件下で、遠測色値Pfと第1近測色値Pn1との種々の組み合わせを利用可能である。
また、第2直線L2の特定に用いられる第2近測色値Pn2は、第1直線L1の第1近測色値Pn1側とは反対側に位置する種々の測色値であってよい。例えば、第2近測色値Pn2は、反対側の複数の測色値のうちの目標色値Poから最も遠い測色値であってもよい。いずれの場合も、第2近測色値Pn2が、第1直線L1から見て第1近測色値Pn1側とは反対側の測色値であれば、近測色値Pn1、Pn2を用いた補間によって、直線L1、L2の交点である参照位置Pcに対応する適切なCMY表色値を算出できる。そして、遠測色値Pfと参照位置Pcとを用いた外挿によって、目標色値Poに対応する適切なCMY表色値を算出可能である。
なお、参照位置Pcとしては、直線L1、L2の交点の位置に代えて、第1近測色値Pn1を用いて決まる他の種々の位置を採用可能である。例えば、a*b*平面上において、第1近測色値Pn1を通り第1直線L1に垂直な直線と第1直線L1との交点の位置を、参照位置Pcとして採用してもよい。参照位置Pcに対応するCMY表色値は、種々の方法で算出可能であり、例えば、a*b*平面上で参照位置Pcを含む最小三角形を形成する3個の測色値を用いた補間によって算出可能である。いずれの場合も、参照位置Pcとしては、遠測色値Pfと目標色値Poとを結ぶ直線上の位置を採用することが好ましい。この構成によれば、遠測色値Pfと参照位置Pcとを用いた外挿によって、目標色値Poに対応する適切なCMY表色値を算出できる。
また、a*b*平面上での距離に代えて、3個の色成分(例えば、L*、a*、b*)で表される距離(例えば、ユークリッド距離)を用いて、CMY表色値の算出に用いられる測色値(例えば、近測色値Pn1と遠測色値Pf)が特定されてもよい(以下、3個の色成分で表される距離を、3次元距離とも呼ぶ)。そして、注目代表値に対応付けられるCMY表色値は、図7(B)のような2次元平面上での表色値Pf、Pn1、Pn2の位置に代えて、3個の色成分で表される3次元の色空間(例えば、CIELAB色空間)内の複数の表色値の位置に応じて、算出されてもよい。
例えば、近測色値Pn1は、複数の測色値のうちの、目標色値Poからの3次元距離が最も短い測色値であってよい。遠測色値Pfは、複数の測色値のうちの、目標色値Poからの3次元距離が最も長い測色値であってよい。より一般的には、遠測色値Pfと目標色値Poとの間の3次元距離が、近測色値Pn1と目標色値Poとの間の3次元距離よりも長いという条件下で、遠測色値Pfと近測色値Pn1との種々の組み合わせを利用可能である。また、参照位置Pcは、3次元色空間内において、近測色値Pn1を用いて決まる種々の位置であってよい。例えば、参照位置Pcは、3次元色空間内において、目標色値Poと遠測色値Pfとを結ぶ第1直線と、近測色値Pn1を通り第1直線に直交する直線と、の交点の位置であってよい。参照位置Pcに対応付けられたCMY表色値は、複数の測色値を用いた補間によって、算出されてよい(例えば、参照位置Pcを含む最小三角錐を形成する4個の測色値を用いた補間)。そして、注目代表値に対応付けられるCMY表色値は、遠測色値Pfと参照位置Pcとを用いる外挿によって、算出されてよい。
一般的には、測色値を表す色空間(例えば、CIELAB色空間、CIEXYZ色空間などの機器独立色空間)の複数の色成分のうちの上記の距離の計算に用いられる2以上の色成分を用いて表される色空間(例えば、a*b*平面、または、L*a*b*空間)内において、目標色値Poと遠測色値Pfとを通る直線上に参照位置Pcから垂線を下ろした場合に、目標色値Poと、上記垂線の足と、遠測色値Pfとが、上記直線上でこの順番に並ぶことが好ましい。すなわち、目標色値Poと遠測色値Pfとを通る直線上で、上記垂線の足は、目標色値Poと遠測色値Pfとの間に位置していることが好ましい。このような参照位置Pcを用いれば、遠測色値Pfと参照位置Pcとを用いて適切なCMY表色値を算出できる。なお、参照位置Pcが、図7(B)、図7(C)の例のように、目標色値Poと遠測色値Pfとを通る直線上の位置である場合、上記垂線の足の位置は、参照位置Pcと同じである。また、参照位置Pcが、目標色値Poと遠測色値Pfとを通る直線から離れていてもよい。この場合も、プロセッサ110は、例えば、遠測色値PfのCMY表色値と参照位置PcのCMY表色値とを、遠測色値Pfと参照位置Pcとの間の距離と遠測色値Pfと目標色値Poとの間の距離との比率に応じて外挿する計算式と同じ計算式に従ってCMY表色値を算出してよい。一般的には、複数の測色値に対応する複数のCMY表色値を用いて目標色値Poに対応するCMY表色値を推定する任意の算出方法を採用可能である。ここで、遠測色値Pfと参照位置Pcとの間の距離と、遠測色値Pfと目標色値Poとの間の距離と、近測色値Pn1と、遠測色値Pfと、を用いる算出方法を採用すれば、適切なCMY表色値を算出できる。
(3)図6のように注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値を算出する処理において、算出方法を選択するための判断で用いられる判断領域としては、図7(A)で説明した最小三角領域TAに代えて、他の種々の領域を採用可能である。例えば、CIELAB色空間内で、目標色値Poを含む最小の三角錐を、判断領域として用いてもよい。この場合、プロセッサ110は、注目代表値に対応付けられた複数のパッチの複数の測色値から得られる4個の測色値の複数の組み合わせのうち、少なくとも1個の組み合わせで形成される三角錐の内に目標色値Poが含まれる場合に、目標色値Poが判断領域内に位置すると判断できる。目標色値Poが判断領域内に位置すると判断された場合、プロセッサ110は、判断領域(ここでは、最小三角錐)を形成する4個の測色値に対応する4個のCMY表色値を補間することによって、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値を算出すればよい。また、プロセッサ110は、複数の測色値から得られる4個の測色値の複数の組み合わせのうちいずれの組み合わせの三角錐にも目標色値Poが含まれていない場合、目標色値Poが判断領域内に位置していないと判断できる。目標色値Poが判断領域内に位置していないと判断された場合、プロセッサ110は、複数の測色値を用いた外挿によって、注目代表値に対応付けられるべきCMY表色値を算出すればよい。外挿の方法としては、公知の方法を採用可能である。
また、判断領域は、目標色値Poとは独立に、複数の測色値を用いて特定されてもよい。例えば、判断領域は、a*b*平面上の複数の測色値Pを含む凸包であってもよい。この凸包内に目標色値Poが位置する場合には、複数の測色値の少なくとも一部の複数の測色値を用いた補間によって、CMY表色値を算出すればよい。目標色値Poが凸包の外に位置する場合、複数の測色値の少なくとも一部の複数の測色値を用いた外挿によって、CMY表色値を算出すればよい。
(4)図6のように判断領域を用いる判断結果に従ってCMY表色値を算出する処理は、無彩色ラインAL(図3)上の複数のグリッド値(すなわち、無彩色のグリッド値)のうちの一部の複数のグリッド値に限らず、無彩色ラインAL上の全てのグリッド値に適用されてもよい。また、無彩色ラインAL上のグリッド値に限らず、無彩色ラインALから離れたグリッド値(すなわち、有彩色のグリッド値)に適用されてもよい。一般的には、ルックアップテーブルの複数のグリッド値のうちの少なくとも一部の複数のグリッド値に、判断領域を用いる判断結果に従ってCMY表色値を算出する処理を適用してよい。
(5)図4(A)、図4(B)に示す実施例において、複数のパッチ代表値の配置が、図示された黒点の配置とは異なっていてもよい。例えば、複数のパッチ代表値が、白頂点Vwと黒頂点Vkとの間で均等に配置されていてもよい。
(6)図4(A)、図4(B)の黒点で示される複数のパッチ代表値などの複数の無彩色代表値は、おおよそ無彩色ラインAL上に位置していればよく、無彩色ラインALからわずかに離れていてもよい。例えば、無彩色代表値が無彩色ラインALから離れている場合であっても、その無彩色代表値に従って印刷された色を肉眼で観察した結果、その色が無彩色であると判断され得る場合には、その無彩色代表値は、おおよそ無彩色ラインAL上に位置しているということができる。
(7)ルックアップテーブルの作成処理としては、図2に示す処理に代えて、他の種々の処理を採用可能である。例えば、S100とキャリブレーションデータとを省略してもよい。また、S140が省略されてもよい。また、印刷処理としては、図9に示す処理に代えて、他の種々の処理を採用可能である。例えば、S35が省略されてもよい。
(8)RGBの表色値とCMYの表色値との対応関係としては、図4(A)、図4(B)、図8に示す対応関係に代えて、他の種々の対応関係を採用可能である。例えば、図4(A)、図4(B)の実施例において、グレー値GVの増大に対して、CMYの階調値が減少せずに増大し続けてもよい。
(9)1個の注目代表値に対応付けられたパッチの総数は、125個に限らず、他の任意の数を採用可能である(例えば、2以上の任意の数)。例えば、階調値が、3段階で変化されてもよい。この場合、CMYの3個の階調値が3段階で変化するので、パッチの総数は、3×3×3=27個である。
(10)印刷に利用可能な色材の種類は、CMYに代えて、他の任意の種類を採用可能である。例えば、利用可能な色材は、例えば、CMYとシアンCよりも薄いライトシアンLCとの4種であってもよい。また、利用可能な色材は、無彩色の色材を含んでもよく、例えば、CMYとブラックの色材Kを含むCMYKの4種類であってもよい。
(11)色対応情報(例えば、図2の処理で生成されるルックアップテーブル)によって対応付けられる色空間の組み合わせは、RGB色空間とCMY色空間との組み合わせに代えて、他の任意の色空間の組み合わせを採用可能である。例えば、色対応情報は、YCbCr色空間における複数の代表的な表色値と、利用可能な複数種類の色材に対応する複数の色成分で表される色空間(例えば、CMY色空間や、CMYLc色空間(Lcは、ライトシアンLCの色成分))における複数の表色値とを対応付けてもよい。
(12)色対応情報を生成する生成装置は、パーソナルコンピュータとは異なる種類の装置(例えば、デジタルカメラ、スキャナ、スマートフォン)であってもよい。また、生成装置が、印刷装置の一部であってもよい。また、ネットワークを介して互いに通信可能な複数の装置(例えば、コンピュータ)が、生成装置による色対応情報を生成する処理の機能を一部ずつ分担して、全体として、生成処理の機能を提供してもよい(これらの装置を備えるシステムが生成装置に対応する)。
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図6の算出処理を実行する機能を、専用のハードウェア回路によって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含み得る。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100...データ処理装置、110...プロセッサ、120...揮発性記憶装置、130...不揮発性記憶装置、132...第1プログラム、134...第2プログラム、136...第3プログラム、140...表示部、150...操作部、190...インタフェース、200...測色機、210...プリンタ、P...測色値、L1...第1直線、L2...第2直線、D1...第1距離、D2...第2距離、RA...赤領域、TA...判断領域(最小三角領域)、CC...色立体、AL...無彩色ライン、GV...グレー値、Da...第3距離、Db...第4距離、Vc...シアン頂点、Vm...マゼンタ頂点、Vy...イエロ頂点、Vk...黒頂点、Vr...赤頂点、Vg...緑頂点、Vbl...青頂点、Vw...白頂点、Pn1...第1近測色値、Pn2...第2近測色値、Pc...参照位置、Pf...遠測色値、Po...目標色値、RL1...第1ライン、RL2...第2ライン、LUT...ルックアップテーブル、RAi...内部領域
Claims (6)
- 第1の色空間における表色値である複数の第1種の代表表色値と、第2の色空間における表色値である複数の第2種の代表表色値と、を対応付ける色対応情報を生成する生成装置であって、
前記複数の第1種の代表表色値のうちの第1種の注目表色値に対応付けられた前記第2の色空間におけるN個(Nは2以上の整数)の第2種の候補表色値に従って出力されるN個のパッチを測色して得られるN個の測色値を取得する取得部と、
前記第1種の注目表色値に予め対応付けられた目標色値が、前記N個の測色値を表す特定色空間内において、前記N個の測色値を用いて特定される色領域である判断領域内に位置するか否かを判断する判断部と、
前記目標色値が前記判断領域内に位置すると判断された場合に、前記第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値を、前記特定色空間内における前記N個の測色値のうちの1個以上の測色値に対応付けられる1個以上の前記第2種の候補表色値に基づいて決定する第1決定部と、
前記目標色値が前記判断領域内に位置すると判断されなかった場合に、前記特定色空間内の距離である第1距離と第2距離とを算出する算出部であって、
前記第1距離は、前記N個の測色値のうちの第1測色値の前記特定色空間内の第1位置を用いて決まる参照位置と、前記N個の測色値のうちの前記第1位置よりも前記目標色値の前記特定色空間内の目標位置から遠い第2測色値の前記特定色空間内の第2位置と、の間の距離であり、
前記参照位置は、前記目標位置と、前記第2位置と、を通る直線上に前記参照位置から垂線を下ろした場合に、前記目標位置と、前記参照位置の垂線の足と、前記第2位置と、が前記直線上でこの順に並ぶ位置であり、
前記第2距離は、前記第2位置と、前記目標位置と、の間の距離であり、
前記参照位置と前記第1位置と前記第2位置と前記目標位置とのそれぞれは、前記特定色空間の複数の色成分のうちの2以上の色成分を用いて表される色空間内の位置である、前記算出部と、
前記第1距離と、前記第2距離と、前記第1測色値と、前記第2測色値と、を用いて、前記第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値を決定する第2決定部と、
を備える、生成装置。 - 請求項1に記載の生成装置であって、
前記第1測色値は、前記N個の測色値のうちの前記目標色値との前記2以上の色成分で表される距離が最小の測色値であり、
前記第2測色値は、前記N個の測色値のうちの前記目標色値との前記2以上の色成分で表される距離が最大の測色値である、
生成装置。 - 請求項1または2に記載の生成装置であって、
前記判断部は、前記特定色空間の複数の色成分のうちの特定の2つの色成分で表される平面上において、前記N個の測色値のうちの3個の測色値を頂点とする三角領域を、前記判断領域として用いる、
生成装置。 - 請求項3に記載の生成装置であって、
前記判断部は、
前記目標色値が、前記N個の測色値のうちの3個の測色値のいずれの組み合わせの前記三角領域にも含まれていない場合に、前記目標色値が前記判断領域内に位置すると判断せずに、
前記目標色値が、前記N個の測色値のうちの3個の測色値の少なくとも1個の組み合わせの前記三角領域に含まれる場合に、前記目標色値が前記判断領域内に位置すると判断する、
生成装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の生成装置であって、
前記算出部は、前記特定色空間の複数の色成分のうちの特定の2つの色成分で表される平面上において、前記第2測色値の前記第2位置と前記目標色値の前記目標位置とを結ぶ第1直線と、前記第1直線の前記第1測色値側とは反対側に位置する測色値の位置と前記第1測色値の前記第1位置とを結ぶ第2直線と、の交点の位置を、前記参照位置として用いる、
生成装置。 - 第1の色空間における表色値である複数の第1種の代表表色値と、第2の色空間における表色値である複数の第2種の代表表色値と、を対応付ける色対応情報を生成するためのコンピュータプログラムであって、
前記複数の第1種の代表表色値のうちの第1種の注目表色値に対応付けられた前記第2の色空間におけるN個(Nは2以上の整数)の第2種の候補表色値に従って出力されるN個のパッチを測色して得られるN個の測色値を取得する取得機能と、
前記第1種の注目表色値に予め対応付けられた目標色値が、前記N個の測色値を表す特定色空間内において、前記N個の測色値を用いて特定される色領域である判断領域内に位置するか否かを判断する判断機能と、
前記目標色値が前記判断領域内に位置すると判断された場合に、前記第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値を、前記特定色空間内における前記N個の測色値のうちの1個以上の測色値に対応付けられる1個以上の前記第2種の候補表色値に基づいて決定する第1決定機能と、
前記目標色値が前記判断領域内に位置すると判断されなかった場合に、前記特定色空間内の距離である第1距離と第2距離とを算出する算出機能であって、
前記第1距離は、前記N個の測色値のうちの第1測色値の前記特定色空間内の第1位置を用いて決まる参照位置と、前記N個の測色値のうちの前記第1位置よりも前記目標色値の前記特定色空間内の目標位置から遠い第2測色値の前記特定色空間内の第2位置と、の間の距離であり、
前記参照位置は、前記目標位置と、前記第2位置と、を通る直線上に前記参照位置から垂線を下ろした場合に、前記目標位置と、前記参照位置の垂線の足と、前記第2位置と、が前記直線上でこの順に並ぶ位置であり、
前記第2距離は、前記第2位置と、前記目標位置と、の間の距離であり、
前記参照位置と前記第1位置と前記第2位置と前記目標位置とのそれぞれは、前記特定色空間の複数の色成分のうちの2以上の色成分を用いて表される色空間内の位置である、前記算出機能と、
前記第1距離と、前記第2距離と、前記第1測色値と、前記第2測色値と、を用いて、前記第1種の注目表色値に対応付けられるべき第2種の代表表色値を決定する第2決定機能と、
をコンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
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JP2016016462A JP2017135683A (ja) | 2016-01-29 | 2016-01-29 | 生成装置、および、コンピュータプログラム |
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CN111489417A (zh) * | 2020-01-20 | 2020-08-04 | 网易(杭州)网络有限公司 | 贴图处理的方法及装置 |
-
2016
- 2016-01-29 JP JP2016016462A patent/JP2017135683A/ja active Pending
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