JP2008219791A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】出力デバイス特性記憶部220には、画像出力装置が色再現可能な範囲を示す色再現領域情報が記憶され、色再現目標情報記憶部210には、複数の仮想色再現領域情報と、各色再現領域に対応した目標色データが記憶され、色再現領域選択部230は、複数の仮想色再現領域から画像出力装置の色再現領域と類似した色再現領域を選択する。第1色変換部240は、選択した色再現領域情報を参照して、仮想の色再現範囲内へ圧縮写像を行い、圧縮部250で実際のプリンタの色再現範囲内へ圧縮写像を行った後、第2色変換部260でプリンタ用の制御信号に変換する。
【選択図】図2
Description
本発明の目的は、入力画像データを任意の出力デバイスで出力する場合に、出力デバイスの色再現能力に応じて統一された色再現を得ることのできる画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
(1)色再現範囲の大きさや形状が異なる出力デバイス群に対して出力デバイスの色再現能力を活かしつつ、各出力デバイスの色味を統一することができる色再現範囲定義方法を提供することにある。
(2)共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一する色変換装置において、適切な大きさの標準色再現範囲を設定できる色再現範囲定義方法を提供することにある。
(3)共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一する色変換装置において、出力デバイスの色再現範囲と形状が類似した曲面構造の色再現範囲を設定できる色再現範囲定義方法を提供することにある。
(4)共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一する色変換装置において、出力デバイスの色再現範囲と形状が類似した色再現範囲を簡易に設定できる色再現範囲定義方法を提供することにある。
(5)共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一する色変換装置において、出力デバイスの色再現範囲と形状が類似した滑らかな色再現範囲を設定できる色再現範囲定義方法を提供することにある。
(6)色再現範囲の大きさや形状が異なる出力デバイス群に対して出力デバイスの色再現能力を活かしつつ、共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一することができる色再現装置を提供することにある。
(7)標準色再現範囲よりも出力デバイスの色再現範囲の方が広い場合でも、出力デバイスの色再現能力を損ねることのない色再現が実現できる色変換方法を提供することにある。
(8)標準色再現範囲よりも出力デバイスの色再現範囲の方が広い場合でも、出力デバイスの色再現能力を損ねることなく、出力デバイスの色味を統一することができる色変換方法を提供することにある。
(9)マッピング・パラメータの最適化処理が確実に収束するための最適化手順を提供することにある。
(10)標準色再現範囲と出力デバイスの色再現範囲の包含関係に基づいて、適切に色味が一致した色再現を実現できる色変換方法を提供することにある。
(11)色再現領域の大きさや形状が異なる出力デバイス群に対して出力デバイスの色再現能力を活かしつつ、共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一することができる色変換装置、色変換方法を提供することにある。
(12)共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一する色変換装置において、想定している色再現領域の大きさが異なる複数の共通色再現目標から高速に共通の色再現目標を選択することができる色変換装置を提供することにある。
(13)共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一する色変換装置において、想定している色再現領域の大きさが異なる複数の共通色再現目標から高精度に共通の色再現目標を選択することができる色変換装置を提供することにある。
(14)共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一する色変換装置において、想定している色再現領域の大きさが異なる複数の共通色再現目標から出力デバイスの色再現領域と類似した共通の色再現目標を選択する方法を提供することにある。
(15)共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一する色変換装置において、出力デバイスの色再現領域と類似した共通の色再現目標を参照しながら、出力デバイスの色再現領域に色域マッピングが可能な装置を提供することにある。
(16)共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一する色変換装置において、想定している色再現領域の大きさが異なる複数の共通色再現目標から出力デバイスの色再現領域と類似した共通の色再現目標を選択する装置を提供することにある。
(1)入力色信号を出力デバイスが再現可能な色信号に変換する際に、前記複数の仮想色再現領域のデータと前記出力デバイスの色再現領域のデータとを比較して仮想色再現領域を選択し、前記選択された仮想色再現領域に対応する目標色データを用いて、入力色信号を仮想色再現領域内の色信号に変換し、前記色変換された色信号を前記出力デバイスの色再現領域内の色信号に変換しているため、色再現領域の大きさや形状が異なる出力デバイス群に対して出力デバイスの色再現能力を活かしつつ、共通の色再現目標に沿って各出力デバイスの色味を統一することができる
(2)R、G、B、C、M、Yのデバイス非依存な色空間の座標値を用いて、出力デバイスの色再現領域に類似した仮想色再現領域を選択しているため、高速に色再現領域を選択できる。
(3)明度及び色相を分割した分割空間に対する最大彩度値を保持しているため、凸形状の色再現領域を持つ出力デバイスであっても、色味を統一することができる。
(4)出力デバイスの色再現領域を完全に包含、かつ仮想色再現領域と出力デバイスの色再現領域の対応するデータとの色差の統計値に基づいて仮想色再現領域を選択しているため、仮想色再現領域に色域圧縮した後、出力デバイスの色再現領域に圧縮を行っても、出力デバイスの色再現能力を100%活かした色再現を行うことができる。
(5)選択された仮想色再現領域に対応する目標色データを用いて、入力色信号に対するガマット圧縮パラメータを決定し、前記ガマット圧縮パラメータ及び出力デバイスの色再現領域データを用いてデバイスの色再現領域内の色信号に変換する色変換するようにしているため、出力デバイスの色再現領域よりも狭い仮想色再現領域を用いても、出力デバイスの色再現能力を100%生かした色再現を行うことができる。
(6)選択された仮想色再現領域に対応する目標色データを用いて、入力色信号に対する圧縮方向を決定しているため、出力デバイスの色再現領域よりも狭い仮想色再現領域を用いても、出力デバイスの色再現能力を100%生かした色再現を行うことができる。
(7)仮想色再現領域と出力デバイスの色再現領域の対応するデータとの色差の統計値に基づいて仮想色再現領域を選択しているため、出力デバイスの色再現領域と最も一致する仮想の色再現領域を選択することができる。
(8)複数の仮想色再現領域のデータと前記出力デバイスの色再現領域のデータとを比較して大きさの異なる2種類の仮想色再現領域を選択し、前記選択された2種類の仮想色再現領域に対応する目標色データを結ぶライン上に色域マッピングを行うため、種々のプリンタの色味を容易に統一することができる。
実施例6〜8:
(9)仮想デバイスの色再現範囲を定義する方法において、複数のカラー画像出力デバイスに対応する色再現範囲を読み取り、前記複数の色再現範囲の中間的な大きさの標準色再現範囲Gaを定義しているため、色再現目標と出力デバイスの色再現の差異が小さくなり、色再現目標に準拠した色再現が行われているか否かを容易に確認できる。
(10)基準色再現範囲Gsを拡大・縮小して、複数の色再現範囲の平均的な大きさに略一致する標準色再現範囲Gaを作成しているため、対象とする出力デバイスに最適な大きさの標準色再現範囲を設定できる。
(11)基準色再現範囲Gsは、ソリッドカラーの分光反射率とドット面積率を用いて仮想デバイス・モデルを作成し、仮想デバイスの色再現範囲を計算して生成しているため出力デバイスに類似した滑らかな曲面構造をした標準色再現範囲をモデル化することができ、標準色再現範囲と出力デバイスの色再現範囲の差異を小さくすることができる。
(12)複数の出力デバイスの色再現範囲情報を読み取って、格子点に対応する色再現範囲データを平均して標準色再現範囲Gaを作成しているため、測色が不可能な出力デバイスがあっても標準色再現範囲をモデル化することができる。
(13)標準色再現範囲Gaの境界面を平滑化しているため、出力デバイスに類似した滑らかな境界面をした標準色再現範囲をモデル化することができる。
(14)標準色再現範囲Gaに対して色再現目標色を定義したカラープロファイルを用いて色変換を行うようにしているため、出力デバイスの色再現範囲よりも狭い仮想色再現範囲を用いても、出力デバイスの色再現能力を活かした色再現を行うことができる。
(15)標準色再現範囲に対する色再現目標色を参照して、入力色信号を出力デバイスが再現可能な色信号に変換する色変換方法において、前記標準色再現範囲が出力デバイスの色再現範囲より狭い場合には、前記入力色信号の一部を標準色再現範囲よりも高彩度の出力色に変換しているため、出力デバイスの色再現範囲よりも狭い仮想色再現範囲を用いても、出力デバイスの色再現能力を活かした色再現を行うことができる。
(16)入力色信号を出力デバイスの色再現範囲内の色信号に変換するガマット処理を行い、色再現目標色とガマット処理後の再現色とのずれ量を計算し、前記ずれ量が許容範囲内になるように、前記ガマット処理におけるマッピング・パラメータを修正するようにしているため、標準色再現範囲よりも出力デバイスの色再現範囲の方が広い場合でも、出力デバイスの色再現能力を損ねることなく、出力デバイスの色味を統一することができる。
(17)目標色Tよりもガマット処理後の再現色Pの方が彩度が高い場合には、負の値をとる色差式を用いているため、標準色再現範囲よりも出力デバイスの色再現範囲の方が広い場合でも、出力デバイスの色再現能力を損ねることなく、出力デバイスの色味を統一することができる。
(18)マッピング・パラメータの修正は、色相補正パラメータを最適化した後、彩度圧縮パラメータを最適化しているため、最適なマッピング・パラメータを安定的に求めることができる。
(19)標準色再現範囲に対する色再現目標色を参照して、入力色信号を出力デバイスが再現可能な色信号に変換する色変換方法において、前記標準色再現範囲が出力デバイスの色再現範囲より狭いか否かを判定するステップと、前記判定において、前記標準色再現範囲が出力デバイスの色再現範囲より狭い領域が存在する場合には、入力色信号を出力デバイスの色再現範囲に変換するステップと、前記判定において、前記標準色再現範囲が出力デバイスの色再現範囲を包含している場合には、標準色再現範囲上の色信号を出力デバイスの色再現範囲に変換するステップを行うようにしているため、出力デバイスの色再現範囲のばらつきが大きい場合にも色味の統一性に優れた適切な色変換を行うことができる。(20)プラグイン形式の色変換プログラムは、前記色再現目標データ及び出力デバイスプロファイルを入力するためのインターフェースを備え、本発明の色変換アルゴリズムをコンピュータに実行させているため、標準色再現範囲よりも出力デバイスの色再現範囲の方が広い場合に、出力デバイスの色再現能力を損ねることなく、複数プリンタの色味を統一することができる。
1.画像処理システム
図1は、本発明の実施例1の画像処理システムの構成を示す。図1において、100は画
像処理装置、101はディスプレイ、102は画像入力装置、103は画像出力装置であ
る。画像入力装置102から読み込まれた画像データは、画像入力部104へ入力され、
画像処理部105に含まれる色変換装置106により色変換処理が施され、画像出力部1
07を介して、画像出力装置103へ出力される。また、画像処理装置100にはディス
プレイ101が接続され、ユーザーがプロファイルを作成するための画面を表示すること
ができる。
2.色変換装置の構成・動作
図2は、色変換装置の構成を示す。色変換装置106は、画像出力装置103が色再現可能な範囲を示す色再現領域情報Sdを記憶する出力デバイス特性記憶部220と、複数の仮想の色再現領域情報及び各色再現領域に対応した目標色データを記憶する色再現目標情報記憶部210と、出力デバイス特性記憶部220を参照して、色再現目標情報記憶部210に記憶されている複数の色再現領域から画像出力装置103の色再現領域と類似した色再現領域Svを選択する色再現領域選択部230と、色再現領域選択部230で選択された色再現領域情報Svを参照し、仮想の色再現範囲内へ圧縮写像を行なう第1色変換部240と、出力デバイス特性記憶部220の情報を参照して、実際のプリンタの色再現範囲内へ圧縮写像を行なうガマット圧縮部250と、ガマット圧縮部250によって変換された色信号をプリンタ用の制御信号(CMYorCMYK)に変換する第2色変換部260とを備えている。
(色再現領域選択部230の説明)
色再現目標情報記憶部210には、仮想色再現領域情報と仮想色再現領域情報に対応する色再現目標値のテーブルが複数保持されており、色再現領域選択部230では、色再現目標情報記憶部210から画像出力装置103の色再現領域と類似した色再現領域Sを選択する。
(第1色変換部の説明)
第1色変換部240は、色再現領域選択部230が選択した入力プロファイルを用いて、画像入力装置102から受け取った入力画像データの色変換処理を実行する。
(ガマット圧縮部の説明)
第1色変換部240でターゲット色に色変換された色データは、ガマット圧縮部250において、出力デバイスの色再現領域情報を基に実際のプリンタ(カラー画像出力装置)の色再現範囲へガマット圧縮される。
(第2色変換部の説明)
ガマット圧縮部240で出力デバイスの色再現領域内に圧縮写像された色データは、第2色変換部260において、均等色空間における色であるL*a*b*に対する画像出力装置(カラー・プリンタ)103の特性に基づいた色変換により、画像出力装置(プリンタ)103の制御信号である出力色成分C、M、Yデータに変換される。
上記した実施例では、色再現領域情報として8色の定義色を保持し、12面体で定義するようにしていた。しかし、図10に示すように、出力デバイスのガマット形状が凸面の場合、出力デバイスの定義色である8色が仮想色再現領域内であっても、出力デバイスの色再現領域の方が仮想色再現領域よりも大きい色領域が生じてしまう。そこで、そのような出力デバイスを対象にする場合には、更に詳細な色再現領域情報を保持するようにする。
上記した実施例では、出力デバイスの色再現領域を包含する仮想色再現領域を選択するようにしていたが、部分的に出力デバイスの色再現領域よりも狭い仮想色再現領域を選択してもよい。図12は、実施例3で選択する仮想色再現領域を示す。図12は、色再現領域のa*b*平面図であって、図示するように、斜線部分では仮想色再現領域Svよりも出力デバイスの色再現領域の方が広くなっている。
S21において、仮想色再現領域Svに対応するカラープロファイルを読み取って色再現
目標値を取得する。この色再現目標値は、入力RGB空間の格子点に対するL*a*b*
値が三次元LUT形式で記述されている。
上記した実施例では、1つの仮想色再現領域の色再現目標値のみを使用して色変換を行ったが、複数の色再現目標値を参照して色変換を行ってもよい。図15は、実施例4の色変換装置の構成を示す。図15に示すように、ガマット圧縮部250が、色再現領域選択部230で選択された2種類の仮想色再現領域情報及び出力デバイスの特性情報を用いて色域マッピングを行う以外は実施例1と同様である。
図16を用いて、複数の色再現目標値を用いたガマット圧縮方法を説明する。本実施例では、大きさの異なる2種類の仮想色再現領域(仮想色再現領域A、仮想色再現領域B)を選択し、各仮想色再現領域に設定されている目標色Aと目標色Bを結ぶライン上の出力色にガマットマッピングを行うようにしている。仮想色再現領域の選択では、出力デバイスの色再現領域を包含する仮想色再現領域Aと出力デバイスの色再現領域に内包される色再現領域Bを使うのが一般的であるが、例えば仮想色再現領域Bとして、実施例3で説明したような仮想色再現領域を用いることも可能である。
実施例1では、色変換装置が仮想色再現情報を保持していたが、実施例5では、コンピュータが複数の仮想色再現情報を画像出力装置へ送信し、画像出力装置が仮想色再現情報を処理する。
図17は、実施例5における色変換システムの構成例である。ここでは、ネットワーク上に複数の画像出力装置303〜306が接続されており、コンピュータ301は必要に応じて特定の画像出力装置に画像を出力する。コンピュータ301には、画像入力装置302が接続されており、任意の画像データを読み取って画像出力装置へ送信する。
加データを必要に応じて細かく設定できるようになっており、デバイス信号をXYZ信号やLab信号などの標準信号へ変換するための色変換パラメータもTagデータとして記述される。
1.画像処理システム
図19は、本発明の実施例6の画像処理システムの構成を示す。色変換装置106は、リファレンス・プロファイル記憶部108より、画像データの種類に対応したリファレンス・プロファイルを読み取って色変換処理を行う。色変換装置106、リファレンス・プロファイル記憶部108を除いて、他の構成要素は実施例1と同様である。
2.リファレンス・プロファイルの作成方法
リファレンス・プロファイル記憶部108には、予め作成された標準色再現範囲に対応する色再現目標値を記述したリファレンス・プロファイルが複数保持されており、画像処理部105は、入力画像データのオブジェクト種別やプリント出力モードに合致したリファレンス・プロファイルを色変換装置106に送る。オブジェクトの種別としては、例えばビットマップ画像、グラフィックス、テキストなどである。
(標準色再現範囲の決定方法)
本実施例においては、標準色再現範囲の大きさや形状を、できるだけ出力デバイスと類似するように決定する。標準色再現範囲が大きすぎると、色再現目標色と出力デバイスの再現色が乖離してしまい、機種による色再現のばらつきが大きくなってしまう。そのため、本実施例では標準色再現範囲を、実在する複数の出力デバイスの中間的な大きさの色再現範囲になるように作成する。
Yインクが重なった時の再現色を計算機シミュレーションで計算できるようにしたモデル式である。このようなモデル式としては、ノイゲバウアモデルやノイゲバウアモデルを改良したユールニールセンモデルなど種々のものを用いることができる。ここでは、ユールニールセンモデルを用いた例について説明する。
まず、ステップS31において、基本となるR、G、B、C、M、Y、W、Kの8色のソリッド色について分光反射率を設定する。分光反射率は、例えば、色再現を統一しようとしている複数プリンタのソリッド色の分光反射率を測定し、分光反射率を波長ごとに平均して代表的な分光反射率を定義することができる。また、JapanColorのような業界標準的なプリンタのソリッド色の分光反射率データを用いてもよい。図23は、分光反射率の例を示す。また、基本8色の色を微調整するために測色した分光反射率を手動で修正することもできる。
ソリッド色の分光反射率データの設定後、ステップS32において仮想の色再現モデルを構築する。仮想の色再現モデルとは、デバイス特性を数式モデルで記述したものであって、例えば、ユールニールセン・ノイゲバウア・モデルが代表的である。ユールニールセン・ノイゲバウア・モデルは以下の式で表される。
R(λ)=pow(ΣKi・pow(Ri(λ)、1/n)、n)
ここで、R(λ)は波長λ[nm]での混色反射率である。Ri(λ)はソリッド色iの反射率であって、ステップS31で設定した基本8色の分光反射率データを適用する。nはユールニールセンのn値と呼ばれる調整パラメータであるが、n値を変えてもガマット形状はあまり大きく変化しないので厳密に決める必要はなく、概ね1.0〜2.5の間の値に設定する。Kiはソリッド色iの各面積率で、0.0〜1.0の範囲の値である。
Km=(1−kc)km(1−ky)
Ky=(1−kc)(1−km)ky
Kr=(1−kc)kmky
Kg=kckm(1−ky)
Kb=kc(1−km)ky
Kw=(1−kc)(1−km)(1−ky)
Kk=kckykm
そして、上記のKc、Km、Ky、Kr、Kg、Kb、Kw、KkをステップS32で作成した色再現モデルに適用することで混色パッチの分光反射率が計算できる。即ち、標準色再現範囲を求めるには、Kc、Km、Ky、Kr、Kg、Kb、Kw、Kkを変化させるのではなく、網点面積率kc、km、kyを0.0から1.0まで所定の間隔で変化させて混色の分光反射率を計算することになる。
R=√(V(Gp)/V(Gs))
最後に、ステップS36において、基準色再現範囲Gsの拡大・縮小率で拡大・縮小することにより、色再現目標色を設定するための標準色再現範囲Gaを生成する。
以上の方法により、実際の出力デバイスのガマット形状に類似した滑らかな曲面形状を有する標準色再現範囲Gaを作成することができる。なお、上記の例では、平均体積が一致するように標準色再現範囲を決定したが、分光反射率を波長ごとに平均して構築した仮想色再現モデルの色再現範囲をそのまま標準色再現範囲としてもよい。
(目標色設定方法)
リファレンス・プロファイルに記述される色再現目標値Tは、前述したように、入力RGB空間におけるn×n×nの格子点に対するCIECAM02空間上の色彩値(=JCaCb値)を定義した三次元ルックアップテーブルの形式で保持している。ここで、色再現目標値Tは、標準色再現範囲Gaに対して、手動調整を含む任意のガマット処理を施して作成する。ガマット処理方法としては、階調性の保存を重視した圧縮方法や色差最小での圧縮方法など用途・モードに応じて種々の方式を用いてよい。
2.色変換装置の構成・動作
図20は、色変換装置106の構成を示す。色変換装置106は、入力色信号を出力デバイスの色再現範囲内のデバイス非依存色信号へ変換する第1色変換部410と、第1色変換部410で変換されたデバイス非依存の色信号を出力デバイス用の制御信号(CMYorCMYK)に変換して出力する第2色変換部420と、リファレンス・プロファイル記憶部108から読み取ったリファレンス・プロファイルを参照して第1色変換部410で用いる色変換パラメータを生成する色変換パラメータ生成部430と、出力デバイスの色再現範囲のデータを記憶する出力デバイス色再現範囲記憶部440を備えている。
出力デバイス色再現範囲記憶部440には、出力デバイスの色再現範囲を記述したデータが格納されている。一例を図25に示す。図25に示すように、所定の色相、明度における色域表面を覆う多面体(ポリゴン)の識別ID、ポリゴンを構成する頂点リスト、各頂点の出力色空間上の座標値及びデバイス非依存空間上の座標値などで表される。図25の例では、デバイス非依存色空間において明度を10分割、色相を30°おきの12分割し、分割した各明度、色相に属するポリゴンのIDを記述している。そして、各ポリゴンを構成する頂点のID番号が別のリストに登録されている。更に、頂点のID番号に対し、C、M、Y、J、Ca、Cbデータも対応付けている。実際のプリンタの色再現域を精密に記述するには、明度、色相の分割数はさらに細かくなる。
このような色域情報を予め作成しておくことにより、入力信号に対してガマット処理を行なう際に検索すべき多面体に高速にアクセスすることができる。
ここで、Pは出力デバイスの再現色、Tは目標色、Xは入力色、Δ(x、y)は色xと色yの色差、Δs(x、y)は色xと色yの彩度差を表している。上記した式を用いることにより、目標色Tよりも再現色Pの方が高彩度である場合には、修正色差EMはマイナス値となり、色差が小さいと判定することができる。
実施例6では、仮想のデバイス・モデルを用いて標準色再現範囲を求めた。しかし、仮想デバイス・モデルを構築するには、分光反射率の測定が必要になる。そこで、本実施例では、実在の出力デバイスの色再現範囲情報を用いて標準色再現範囲を作成する方法について説明する。但し、ここでは出力デバイスはRGBデバイスとし、デバイス内部で墨生成処理及びインク量規制処理などの処理を行ってCMYK信号に変換するものとしている。
図30は、実施例7による標準色再現範囲定義方法のフローチャートを示す。まず、ステップS51において、出力デバイスの入力信号であるRGB色空間を分割し、RGB色空間の最外郭面上の格子点データ(i、j、k)のリストを作成する。
上記実施例では、出力デバイスの色再現範囲の一部が標準色再現範囲Gaよりも大きいものとして、色変換パラメータを作成する方法について説明した。しかしながら、標準色再現範囲Gaは複数の出力デバイスの平均的な大きさにしているため、色再現範囲の狭い出力デバイスの場合には、標準色再現範囲Gaに完全に包含される場合がある。そのような場合には、標準色再現範囲Gaに対して定義されている色再現目標データを出力デバイスの色再現範囲にマッピングする方が目標色再現の色味に一致する出力デバイス用の色変換パラメータを高速に作成できる。
図31は、実施例8を説明するフローチャートである。まず、ステップS61において、
標準色再現範囲Gaが出力デバイスの色再現範囲Gpを包含しているか否かを判定する。包含しているか否かの判定は、出力デバイスの色再現範囲境界面上の各点について、標準色再現範囲の内外判定を行えばよい。内外判定の具体的な方法としては、公知(例えば、特許第3566350号公報)の方式を用いることができる。
図32は、本発明をソフトウェアで実現する場合のシステム構成例を示す。この画像処理システムは、ワークステーション等のコンピュータ500とプリンタ502とディスプレイ501が接続されている。ワークステーション(コンピュータ500)は、前記した色処理方法の機能を実現するもので、ディスプレイ501、キーボード509、プログラム読取装置510および演算処理装置などで構成されている。演算処理装置は、種々のコマンドを実行可能なCPU503に、ROM505、RAM504がバスで接続されている。また、バスには大容量記憶装置であるハードディスク等のDISK506と、ネットワーク上の機器と通信を行なうNIC507が接続されている。
101 ディスプレイ
102 画像入力装置
103 画像出力装置
104 画像入力部
105 画像処理部
106 色変換装置
107 画像出力部
Claims (19)
- 入力色信号を出力デバイスが再現可能な色信号に変換する画像処理装置において、複数の出力デバイスに対応する複数の色再現範囲の中間的な大きさで、かつ形状が類似した標準色再現範囲に対する色再現目標色を記憶した記憶手段と、前記記憶手段を参照して前記入力色信号を前記出力デバイスが再現可能な色信号に変換する色変換手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。
- 基準色再現範囲を拡大・縮小して、前記複数の色再現範囲の平均的な大きさに略一致する前記標準色再現範囲を作成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- ソリッドカラーの仮想分光反射率及びドット面積率を用いて仮想デバイス・モデルを定義し、前記定義した仮想デバイス・モデルを用いて知覚均等色空間上の色彩値を計算し、前記標準色再現範囲を作成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記複数の出力デバイスの色再現範囲情報を読み取って、格子点に対応する色再現範囲データを平均して前記標準色再現範囲を作成し、前記作成した標準色再現範囲の境界面を平滑化することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記標準色再現範囲が前記出力デバイスの色再現範囲より狭い場合には、前記入力色信号の一部を前記標準色再現範囲よりも高彩度の出力色に変換することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記入力色信号を前記出力デバイスの色再現範囲内の色信号に変換するガマット処理を行い、前記色再現目標色と前記ガマット処理後の再現色とのずれ量を計算し、前記ずれ量が許容範囲内になるように、前記ガマット処理におけるマッピング・パラメータを修正することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記ずれ量は、前記色再現目標色よりもガマット処理後の再現色の方が彩度が高い場合には、負の値をとる色差式を用い、前記マッピング・パラメータの修正は、色相補正パラメータを最適化した後、彩度圧縮パラメータを最適化することを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
- 入力色信号を出力デバイスが再現可能な色信号に変換する画像処理装置において、複数の仮想色再現領域のデータ及び各仮想色再現領域に対応した目標色データを記憶する色再現目標情報記憶手段と、前記出力デバイスの色再現領域のデータを記憶するデバイス特性記憶手段と、前記複数の仮想色再現領域のデータと前記出力デバイスの色再現領域のデータとを比較して仮想色再現領域を選択する色再現領域選択手段と、前記選択された仮想色再現領域に対応する目標色データを用いて、前記入力色信号を仮想色再現領域内の色信号に変換する第一の色変換手段と、前記色変換された色信号を前記出力デバイスの色再現領域内の色信号に変換する第二の色変換手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。
- 前記仮想色再現領域のデータと前記出力デバイスの色再現領域のデータは、少なくともR、G、B、C、M、Yのデバイス非依存の色空間の座標値を含み、かつ明度及び色相を分割した分割空間に対する最大彩度値を保持していることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
- 前記色再現領域選択手段は、出力デバイスの色再現領域を完全に包含し、かつ仮想色再現領域と出力デバイスの色再現領域の対応するデータとの色差の統計値に基づいて仮想色再現領域を選択することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
- 入力色信号を出力デバイスが再現可能な色信号に変換する画像処理装置において、複数の仮想色再現領域のデータ及び各仮想色再現領域に対応した目標色データを記憶する色再現目標情報記憶手段と、前記出力デバイスの色再現領域のデータを記憶するデバイス特性記憶手段と、前記複数の仮想色再現領域のデータと前記出力デバイスの色再現領域のデータとを比較して仮想色再現領域を選択する色再現領域選択手段と、前記選択された仮想色再現領域に対応する目標色データを用いて、前記入力色信号に対するガマット圧縮パラメータを決定する決定手段と、前記ガマット圧縮パラメータ及び出力デバイスの色再現領域データを用いて出力デバイスの色再現領域内の色信号に変換する色変換手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。
- 前記ガマット圧縮パラメータは、前記入力色信号に対する圧縮方向を示すベクトルであることを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。
- 前記色再現領域選択手段は、仮想色再現領域と出力デバイスの色再現領域の対応するデータとの色差の統計値に基づいて仮想色再現領域を選択することを特徴とする請求項11記載の画像処理装置。
- 入力色信号を出力デバイスが再現可能な色信号に変換する画像処理装置において、複数の仮想色再現領域のデータ及び各仮想色再現領域に対応した目標色データを記憶する色再現目標情報記憶手段と、前記出力デバイスの色再現領域のデータを記憶するデバイス特性記憶手段と、前記複数の仮想色再現領域のデータと前記出力デバイスの色再現領域のデータとを比較して大きさの異なる2種類の仮想色再現領域を選択する色再現領域選択手段と、前記選択された2種類の仮想色再現領域に対応する目標色データを取得する取得手段と、前記2種類の目標色データを結ぶラインと前記出力デバイスの色再現領域の境界面が交わる点に色域マッピングを行う色域マッピング手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。
- 入力色信号を出力デバイスが再現可能な色信号に変換する画像処理装置において、複数の仮想色再現領域のデータ及び各仮想色再現領域に対応した目標色データを記述したカラープロファイルを送信する送信手段と、前記出力デバイス用のカラープロファイルを参照して出力デバイスの色再現領域のデータを取得する取得手段と、前記複数の仮想色再現領域のデータから前記出力デバイスの色再現領域情報と類似する色再現領域を選択する色再現領域選択手段と、前記選択された仮想色再現領域に対応するタグ情報と出力デバイスのプロファイルを用いて、色変換パラメータを構築する色変換パラメータ構築手段と、前記色変換パラメータを用いて、前記入力色信号を色変換する色変換手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。
- 入力色信号を出力デバイスが再現可能な色信号に変換する画像処理方法において、複数の出力デバイスに対応する複数の色再現範囲の中間的な大きさで、かつ形状が類似した標準色再現範囲に対する色再現目標色を記憶手段に記憶し、前記記憶手段を参照して前記入力色信号を前記出力デバイスが再現可能な色信号に変換することを特徴とする画像処理方法。
- 入力色信号を出力デバイスが再現可能な色信号に変換する画像処理方法において、複数の仮想色再現領域のデータと前記出力デバイスの色再現領域のデータとを比較して仮想色再現領域を選択し、前記選択された仮想色再現領域に対応する目標色データを参照して、前記入力色信号を仮想色再現領域内の色信号に変換し、前記色変換された色信号を前記出力デバイスの色再現領域内の色信号に変換することを特徴とする画像処理方法。
- 請求項16または17に記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
- 請求項16または17に記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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