JP2000050092A - 色変換方法 - Google Patents

色変換方法

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JP2000050092A
JP2000050092A JP10214293A JP21429398A JP2000050092A JP 2000050092 A JP2000050092 A JP 2000050092A JP 10214293 A JP10214293 A JP 10214293A JP 21429398 A JP21429398 A JP 21429398A JP 2000050092 A JP2000050092 A JP 2000050092A
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color
space
device data
correspondence
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Yoshitoku Usami
良徳 宇佐美
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ある表色系によるデバイスデータを他の表色
系によるデバイスデータに簡単に変換する。 【解決手段】 処理対象のRGB表色系の特定デバイス
空間のデバイスデータをsRGB空間のデバイスデータ
に簡易なキャリブレーションにより変換し(ステップ1
14)、予め求めた標準色空間のデバイスデータ間の対
応関係を用いて、該変換で得られたsRGB空間のデバ
イスデータをsCMYK空間のデバイスデータに変換し
(ステップ116)、そして、該変換で得られたsCM
YK空間のデバイスデータをCMYK表色系の特定デバ
イス空間のデバイスデータに簡易なキャリブレーション
により変換する(ステップ118)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色変換方法に係
り、より詳しくは、第1表色系によるデバイスデータ
を、第1表色系と異なる第2表色系によるデバイスデー
タに変換する色変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、オープンネットワークの通信
施設の整備に伴い、該ネットワークに接続された画像表
示装置や印刷装置等のデバイスの各々で他のデバイスの
色情報を含む画像ソースデータを用いて画像を提示する
ことが行われている。この場合、各デバイスの色空間
(以下、デバイス空間と称する)間で、各デバイスの色
情報を含む画像ソースデータ(以下、デバイスデータと
称する)の変換を行う必要がある。例えば、画像表示装
置で主に用いられるRGBデータを用いて画像をカラー
印刷する場合、RGBデータを印刷装置で主に用いられ
るCMYKデータに変換しなければならない。
【0003】従来より、RGBデータをCMYKデータ
に変換する場合には、RGB及びCMYKのデバイス空
間をそれぞれL* * * 色空間やXYZ色空間等の一
般的に用いられる色空間(以下、測色空間と称する)に
一旦写像して、RGBデバイス空間から測色空間への変
換、測色空間からCMYKデバイス空間への変換を順次
行っていた。即ち、RGBデータを測色空間の色情報へ
変換し、該測色空間の色情報をCMYKデータに変換す
るのが一般的であった。
【0004】実際には各デバイス空間に対応する測色空
間での再現域(Gamutともいう)はデバイス毎に異
なっており、測色空間においてデバイス毎の再現域を幾
何的に整合させるのに、色相・彩度・階調再現といった
色再現の性能に着目した種々の変換方法が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多様な
デバイスとそれぞれに特徴的な色再現特性とが存在する
中で、変換元デバイスと変換先デバイスの膨大な組み合
わせ毎に最適かつ精度の良い変換を達成しようとする場
合、予め変換元及び変換先デバイスの色空間特性を把握
するための作業が必要となり、多くの労力を要する。
【0006】このため、任意のデバイス空間間での変換
のオープン性に要求される出力デバイスの選択自由度な
どを奪うことになり好ましくない。換言すれば、異なる
表色系のデバイス空間間の写像(色変換)においては、
変換元及び変換先のデバイス空間を選択する際の選択自
由度を高く維持することと、良好な再現精度を得ること
とは相反する条件となりやすい。その結果、以下4つの
問題点が生じるおそれがある。
【0007】1.現在のクローズシステムといわれる系
では、異なる表色系の所定のデバイス空間間で再現精度
が良く好ましい変換を求めても、他のデバイス空間間の
変換に対して利用することが困難である。
【0008】2.変換先のデバイス空間と近い色再現特
性を持つ他のデバイス空間を変換先として写像を行う場
合でも、改めて該他のデバイス空間の色空間特性を把握
するための作業を行わなければならない。
【0009】3.異なる表色系の任意のデバイス空間間
での変換のオープン性を得るためのオープンシステムと
いわれる系では、任意のデバイス空間間の変換に対し
て、その最大公約数的な変換を適用するしかなく、色の
再現性や精度は充分満足できるレベルには達しない。
【0010】4.色再現特性がほぼ同じ複数のデバイス
空間をそれぞれ変換先として変換を行った場合でも、異
なる変換方法により、大きく色再現特性が変わる可能性
がある。
【0011】以上のような問題は、各表色系に特有の色
空間特性と、各デバイス毎の色再現に係る特徴(例え
ば、原色の色相、デバイスの変動特性、印刷用紙の特性
など)に依存する特性とを切り分けずに、これら2つの
特性の違いによる色再現特性の違いを同時に解消しよう
とすることに起因するところが大きい。
【0012】本発明は、上記問題点を解消するために成
されたものであり、ある表色系によるデバイスデータを
他の表色系によるデバイスデータに簡単に変換すること
ができる色変換方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記請求項1記載の色変
換方法は、第1表色系によるデバイスデータを、前記第
1表色系と異なる第2表色系によるデバイスデータに変
換する色変換方法であって、前記第1表色系を特徴的に
示す第1の標準色空間を予め定めると共に、前記第2表
色系を特徴的に示す第2の標準色空間を予め定め、前記
第1の標準色空間のデバイスデータと前記第2の標準色
空間のデバイスデータとの対応関係を予め求め、前記第
1表色系の特定デバイス空間のデバイスデータを前記第
1の標準色空間のデバイスデータに変換し、前記対応関
係に基づいて、前記変換で得られた第1の標準色空間の
デバイスデータを前記第2の標準色空間のデバイスデー
タに変換し、該変換で得られた第2の標準色空間のデバ
イスデータを前記第2表色系の特定デバイス空間のデバ
イスデータに変換する、ことを特徴とする。
【0014】また、請求項2記載の色変換方法では、請
求項1記載の色変換方法において、前記対応関係は、前
記第1の標準色空間のデバイスデータから前記第1及び
第2表色系と異なる第3表色系の色情報への第1対応関
係、及び前記第2の標準色空間のデバイスデータから前
記第3表色系の色情報への第2対応関係を求め、前記第
2対応関係に基づいて前記第3表色系の色情報から前記
第2の標準色空間のデバイスデータへの逆対応関係を求
め、前記第1対応関係及び逆対応関係に基づいて求める
ことを特徴とする。
【0015】上記請求項1記載の色変換方法は、第1表
色系によるデバイスデータを、第1表色系と異なる第2
表色系によるデバイスデータに変換する色変換方法であ
る。この色変換方法では、第1表色系を特徴的に示す第
1の標準色空間を予め定めると共に第2表色系を特徴的
に示す第2の標準色空間を予め定める。
【0016】なお、標準色空間としては、例えば、表色
系がRGB表色系である場合、モニターにてRGBを再
現する表色系で一般的に用いられるsRGB空間(=測
色空間と一意的に対応付けられる標準的なRGBデバイ
ス空間)や、画像が記録されたリバーサルフィルムに光
を透過させて前記画像を再現する表色系で一般的な、分
光スペクトルによるランベルトベール則に従った加法式
で表せるRGBデバイス空間等を定めることができる。
また、表色系がCMYK表色系である場合、プリンタ等
の印刷装置にてCMYKを再現する表色系で一般的な後
述するノイゲバウア式で表せるCMYKデバイス空間等
を定めることができる。
【0017】そして、第1の標準色空間のデバイスデー
タと第2の標準色空間のデバイスデータとの対応関係を
予め求める。例えば、第1表色系としてRGB表色系、
第2表色系としてCMYK表色系を採用した場合には、
従来より知られたPerceptual方式、Abso
lute Colorimetric方式、Relat
ive Colorimetric方式、Satura
tion方式等のXYZ表色系やL* * * 表色系を
介した変換方式に基づく対応関係を求めても良いし、後
述する請求項2記載の発明のように、XYZ表色系やL
* * * 表色系を介さない、第1の標準色空間のデバ
イスデータと第2の標準色空間のデバイスデータとの直
接的な対応関係を求めても良い。
【0018】ここで、まず、第1工程として、第1表色
系の特定デバイス空間のデバイスデータを第1の標準色
空間のデバイスデータに変換する。この変換は、変換
元、変換先ともに第1表色系の色空間のデバイスデータ
であり該第1表色系に特有の色再現特性は同じであるの
で、例えば行列式を用いた線形変換等の容易なキャリブ
レーション程度で済む。なお、特定デバイス空間とは、
特定の1つのデバイスの色空間を意味し、デバイスの機
種や色再現性能等により該特定デバイス空間は異なる。
【0019】次に、第2工程として、上記予め求めてお
いた対応関係を用いて、上記変換で得られた第1の標準
色空間のデバイスデータを第2の標準色空間のデバイス
データに変換する。ここでは、対応関係が予め求められ
ているので、容易且つ円滑に変換することができる。
【0020】次に、第3工程として、上記変換で得られ
た第2の標準色空間のデバイスデータを第2表色系の特
定デバイス空間のデバイスデータに変換する。この変換
は、変換元、変換先ともに第2表色系の色空間のデバイ
スデータであり該第2表色系に特有の色再現特性は同じ
であるので、例えば行列式を用いた線形変換等の容易な
キャリブレーション程度で済む。
【0021】このように第1表色系によるデバイスデー
タを第2表色系によるデバイスデータに変換する際に、
一旦第1表色系の特定デバイス空間のデバイスデータを
第1の標準色空間のデバイスデータに変換し、予め求め
た対応関係を用いて該変換で得られた第1の標準色空間
のデバイスデータを第2の標準色空間のデバイスデータ
に変換し、そして、該変換で得られた第2の標準色空間
のデバイスデータを第2表色系の特定デバイス空間のデ
バイスデータに変換することにより、第1表色系の特定
デバイス空間のデバイスデータを第2表色系の特定デバ
イス空間のデバイスデータに容易に変換することができ
る。
【0022】換言すれば、図14に示すように、第1表
色系のさまざまなデバイス空間のデバイスデータを、第
2表色系のさまざまなデバイス空間のデバイスデータに
容易に変換することが可能となり、変換元及び変換先の
デバイス空間を選択する際の選択自由度を高く維持する
(変換のオープン性を保持する)ことができる。
【0023】即ち、第1表色系のさまざまなデバイス空
間のデバイスデータは、容易なキャリブレーション等に
より第1の標準色空間のデバイスデータに変換すれば良
く、変換後の第1の標準色空間のデバイスデータは、予
め求めた対応関係を用いて第2の標準色空間のデバイス
データへ容易に変換することができる。さらに、変換後
の第2の標準色空間のデバイスデータは、容易なキャリ
ブレーション等により該第2表色系のさまざまなデバイ
ス空間のデバイスデータに変換することができる。
【0024】より好ましくは、各デバイス空間のデバイ
スデータと、同じ表色系の標準色空間のデバイスデータ
とを対応付けた、ルックアップテーブル又は関数を各デ
バイス空間毎にプロファイルとして準備しておき、該プ
ロファイルを参照しながら対象のデバイス空間のデバイ
スデータと標準色空間のデバイスデータとの間で変換を
行っても良い。
【0025】なお、上記色変換方法は、第1表色系とし
てRGB表色系、第2表色系としてCMYK表色系を採
用し、RGBデータからCMYKデータへ変換する色変
換方法に適用可能であり、また、その逆に第1表色系と
してCMYK表色系、第2表色系としてRGB表色系を
採用し、CMYKデータからRGBデータへ変換する色
変換方法に適用可能である。もちろん、上記CMYKデ
ータは、CMYK表色系でKのデータを所定値(例えば
「0」)に固定した場合のCMYKデータ(CMYデー
タ)も含んでいる。
【0026】ところで、第1の標準色空間のデバイスデ
ータと第2の標準色空間のデバイスデータとの対応関係
は、請求項2に記載したように求めることが望ましい。
即ち、まず、第1の標準色空間のデバイスデータから第
1及び第2表色系と異なる第3表色系の色情報への第1
対応関係、及び第2の標準色空間のデバイスデータから
第3表色系の色情報への第2対応関係を求める。なお、
ここでの第1及び第2対応関係としては、例えば関数で
も良いし、ルックアップテーブルでも良い。また、第3
表色系としては、例えばL* * * 色空間やXYZ色
空間等の一般的に用いられる色空間(測色空間)を採用
することができる。
【0027】次に、第2対応関係の逆解として、第3表
色系の色情報から第2の標準色空間のデバイスデータへ
の逆対応関係を求める。例えば、sRGB空間(=測色
空間と一意的に対応付けられる標準的なRGBデバイス
空間)とL* * * 空間との対応関係のように正方マ
トリクスで表せる場合は、逆対応関係は逆行列として単
純に求められるが、印刷のCMYKデバイス空間のよう
に測色空間との対応関係が単純なマトリクスで表現でき
ない場合は、第2対応関係から逐次的に逆解を得ること
で逆対応関係を求める。
【0028】ここで、第1の標準色空間のデバイスデー
タを上記第1対応関係に適用することで、該第1の標準
色空間のデバイスデータに対応する第3表色系の色情報
を得ることができる。また、この得られた第3表色系の
色情報を上記逆対応関係に適用することで、該第3表色
系の色情報に対応する第2の標準色空間のデバイスデー
タを得ることができる。この得られた第2の標準色空間
のデバイスデータは、上記第1の標準色空間のデバイス
データに対応付けられる。
【0029】次に、第1対応関係によって第1の標準色
空間のデバイスデータに対応付けられた第3表色系の色
情報を逆対応関係に適用することで、該第1の標準色空
間のデバイスデータに対応する第2の標準色空間のデバ
イスデータを得て、第1の標準色空間のデバイスデータ
から第2の標準色空間のデバイスデータへの対応関係を
求めていく。
【0030】この対応関係は第1の標準色空間のデバイ
スデータから第2の標準色空間のデバイスデータへの直
接的な対応を表すものであるので、該対応関係を用いる
ことで、従来のように測色空間への写像を一度介する変
換を行うことなく、第1の標準色空間のデバイスデータ
を第2の標準色空間のデバイスデータに変換することが
できる。また、このような直接的な対応を表す対応関係
を用いて第1の標準色空間のデバイスデータを第2の標
準色空間のデバイスデータに変換することで、変換時に
従来のように測色空間でのデータの圧縮、拡張、切り捨
てといった処理が行われないので、色の再現精度を良好
に維持することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る色変換方法の実施形態を説明する。
【0032】図1には、本実施形態の色変換方法に基づ
く色変換処理を実行する画像処理装置10の概略構成図
を示す。図1に示すように、この画像処理装置10に
は、図示しないCPU、ROM、RAM等を含んで構成
されたマイクロコンピュータ(マイコン)12と、画像
ソースデータ等のデータを記憶したハードディスク14
と、オペレータがデータやコマンド等を入力するための
キーボード16と、画像やメッセージ等を表示するディ
スプレイ18とが設けられている。マイコン12には、
フロッピーディスクドライブ(FDD)20が設けられ
ており、このFDD20にフロッピーディスク22を装
填して、後述する処理プログラムや色変換処理後の画像
データを該フロッピーディスク22に記録可能とされて
いる。なお、FDD20に代えてLANインターフェイ
スボードを画像処理装置10に装備してネットワーク環
境を構築し、該ネットワークに接続された他の画像処理
装置、サーバ、プリンタ等と信号の授受を行っても良
い。
【0033】但し、図1のハードディスク14には、後
述するKデータ決定処理で用いられる、再現する色の彩
度C* に応じて変化する第1の重み係数の情報が、彩度
*に対応付けられて予め記憶されている。また、再現
する色の明度L* に応じて変化する第2の重み係数の情
報も、明度L* に対応付けられて予め記憶されている。
なお、第1の重み係数は図7(A)に示すように、再現
する色の彩度C* が0のとき(グレーのとき)値が最大
で、彩度C* の絶対値が大きくなるにしたがって値が小
さくなるよう(例えばガウシアン分布となるよう)設定
されており、第2の重み係数は図7(B)に示すように
色の明度L* が低いほど値が大きくなるよう設定されて
いる。
【0034】次に、本実施形態の色変換処理を、図2の
フローチャートに沿って説明する。ここでは、請求項1
に記載した第1表色系によるデバイスデータとして、R
GB表色系の特定機種のディスプレイで表される画像デ
ータ(RGBデータ)を、第2表色系によるデバイスデ
ータとして、CMYK表色系の特定機種のカラープリン
タで表される画像データ(CMYKデータ)を、それぞ
れ採用し、RGB表色系の特定デバイス空間のRGBデ
ータ(以下、変換元デバイスデータと称する)を、CM
YK表色系の特定デバイス空間のCMYKデータ(以
下、変換先デバイスデータと称する)に変換する処理を
説明する。
【0035】オペレータがキーボード16によって変換
処理対象とするRGB表色系の特定デバイス空間のRG
Bデータ、例えばカラー画像を指定し、所定の操作で色
変換処理の開始を指示すると、マイコン12によって図
2の制御ルーチンが実行される。
【0036】図2のステップ100では上記指定された
RGBデータ、即ち変換元デバイスデータをハードディ
スク14から読み出し、次のステップ102では変換元
のRGB表色系の標準色空間(sRGB空間)のデバイ
スデータと変換先のCMYK表色系の標準色空間(以
下、便宜上sCMYK空間と称する)のデバイスデータ
との間の対応関係が既に求められているか否かを判定す
る。ここで、対応関係が未だ求められていない場合の
み、ステップ104へ進み、後述する標準色空間のデバ
イスデータ間の対応関係の導出処理(図4)を実行し
て、sRGB空間のデバイスデータとsCMYK空間の
デバイスデータとの対応関係を導出する。
【0037】次のステップ106では、RGB表色系に
おける変換元デバイスデータとsRGB空間のデバイス
データとの対応関係が既に求められているか否かを判定
する。ここで、対応関係が未だ求められていない場合の
み、ステップ108へ進み、RGB表色系における変換
元デバイスデータとsRGB空間のデバイスデータとの
対応関係を、以下のようにして導出する。なお、ここで
は、近似的な特性を持ったデバイス空間間の写像になる
ため、簡易な行列式や最尤法を用いて簡単に変換するこ
とが可能である。
【0038】例えば、(x,y,z)を目標とするsR
GB空間のデバイスデータ、(R,G,B)を変換元デ
バイスデータとし、xについて着目すると、xと(R,
G,B)とで以下のような線形関係が成立するものとみ
なせる。なお、以下のx1 ,x2 ・・・xn は、xの各
階調(例えば0〜255の256階調)に相当する値と
する。
【0039】 x1 =a0 +a1 *R1 +a2 *G1 +a3 *B1 +・・・ x2 =a0 +a1 *R2 +a2 *G2 +a3 *B2 +・・・ ・ ・ ・ ・ xn =a0 +a1 *Rn +a2 *Gn +a3 *Bn +・・・ ここで、行列Y、X、Aを以下のように定める。
【0040】
【数1】 このとき、行列Y、X、Aにおいて、Y=X・Aが成立
する。
【0041】ここで、行列Aを最適化した場合の誤差e
の確率過程が正規分布に従うとすると、以下の式(1)
が成立する。
【0042】 e=‖Y−X・A‖2 =(Y−X・A)t *(Y−X・A) ・・・(1) 誤差の最小化問題を適用して以下の式(2)を導出す
る。
【0043】 ∂e/∂A=∂(‖Y−X・A‖2 )/∂A =−2Xt (Y−X・A)=0 ・・・(2) これにより、A=(Xt ・X)-1・Xt ・Yとなり、係
数Aが求められる。よって、xと(R,G,B)との線
形関係が求められる。また、y、zについても同様に、
(R,G,B)との線形関係を求めることができる。
【0044】このようにして、RGB表色系による変換
元デバイスデータ(R,G,B)とsRGB空間のデバ
イスデータ(x,y,z)との対応関係を導出する。
【0045】次のステップ110では、CMYK表色系
における変換先デバイスデータとsCMYK空間のデバ
イスデータとの対応関係が既に求められているか否かを
判定する。ここで、対応関係が未だ求められていない場
合のみ、ステップ112へ進み、CMYK表色系におけ
る変換先デバイスデータとsCMYK空間のデバイスデ
ータとの対応関係を、前述したステップ108の処理と
同様の手順で導出する。
【0046】この時点で、変換元のRGB表色系のsR
GB空間のデバイスデータと変換先のCMYK表色系の
sCMYK空間のデバイスデータとの間の対応関係、R
GB表色系における変換元デバイスデータとsRGB空
間のデバイスデータとの対応関係、及びCMYK表色系
における変換先デバイスデータとsCMYK空間のデバ
イスデータとの対応関係が求められることとなる。
【0047】次のステップ114では、RGB表色系に
おける変換元デバイスデータとsRGB空間のデバイス
データとの対応関係を用いて、変換元である画像データ
(特定デバイス空間のRGBデータ)を、同じRGB表
色系の標準色空間(sRGB空間)のデバイスデータに
変換する。ここでは、上記のように予め求められた行列
式を用いて、簡単な行列演算により変換が実行される。
【0048】次のステップ116では、変換元のRGB
表色系のsRGB空間のデバイスデータと変換先のCM
YK表色系のsCMYK空間のデバイスデータとの間の
対応関係を用いて、上記ステップ114の変換で得られ
たsRGB空間のデバイスデータを、変換先の表色系の
sCMYK空間のデバイスデータに変換する。
【0049】そして、次のステップ118では、CMY
K表色系における変換先デバイスデータとsCMYK空
間のデバイスデータとの対応関係を用いて、上記ステッ
プ116の変換で得られたsCMYK空間のデバイスデ
ータを、同じCMYK表色系による変換先デバイスデー
タに変換する。
【0050】さらに、次のステップ120では、変換後
の画像データ(変換先デバイスデータ)をハードディス
ク14に記憶すると共に、FDD20に装填されたフロ
ッピーディスク22に該変換後の画像データを記録す
る。これにより、該フロッピーディスク22を介して図
示しないカラープリンタに、変換後の画像データを入力
し、カラー画像を印刷することが可能となる。なお、画
像処理装置10をローカルエリアネットワーク(LA
N)等のネットワークに接続して、該ネットワークに接
続された印刷装置や他の画像処理装置に、変換後のCM
YKデータを転送しても良い。
【0051】以上説明した画像データの色変換処理によ
り、処理対象のRGB表色系の特定デバイス空間のデバ
イスデータをsRGB空間のデバイスデータに容易に変
換し、予め求めた標準色空間のデバイスデータ間の対応
関係を用いて、該変換で得られたsRGB空間のデバイ
スデータをsCMYK空間のデバイスデータに容易に変
換し、そして、該変換で得られたsCMYK空間のデバ
イスデータをCMYK表色系の特定デバイス空間のデバ
イスデータに容易に変換することにより、処理対象のR
GB表色系の特定デバイス空間のデバイスデータをCM
YK表色系の特定デバイス空間のデバイスデータに容易
に変換することができる。
【0052】このような色変換処理では、図3に示すよ
うに、RGB表色系のさまざまなデバイス空間のデバイ
スデータを、CMYK表色系のさまざまなデバイス空間
のデバイスデータに容易に変換することが可能となり、
変換元及び変換先のデバイス空間を選択する際の選択自
由度を高く維持する(変換のオープン性を保持する)こ
とができる。
【0053】(ステップ104の標準色空間のデバイス
データ間の対応関係導出処理)以下、図2のステップ1
04で実行される標準色空間のデバイスデータ間の対応
関係の導出処理を図4のフローチャートに沿って説明す
る。
【0054】図4のステップ140では、RGBデータ
から所定の測色空間の色情報(以下、測色値と称する)
への第1対応関係を以下のようにして求める。ここで
は、測色値として、XYZ色空間のXYZデータを用い
た例を説明するが、測色値としては、L* * * 表色
系で表されるL* * * データを採用しても良い。
【0055】sRGB空間により測色的に定義された標
準空間では、以下の式(3)の行列式によってRGBデ
ータと測色値XYZとを一義的に対応させることができ
る。従って、一般的に測色的に定義された標準空間であ
るディスプレイのRGBデバイス空間の各データは測色
値XYZに対応させることができる。
【0056】
【数2】 この式(3)を用いてRGBデバイスデータの全てをX
YZデータに変換する。具体的には、RGBデバイス空
間においてR軸、G軸、B軸に平行な方向に所定間隔で
連続して位置する下記の点(格子点)に対応するRGB
データについて、それぞれ上記式(3)よりXYZデー
タを計算する。上記格子点は、RGBデバイス空間をG
軸方向に投影した場合、図10(A)に示すRBの二次
元座標系で白丸に相当する点であり、GBの二次元座標
系及びRGの二次元座標系でも同様に分布する。
【0057】次のステップ142では、CMYKデータ
からXYZデータへの対応関係を求める。上記ステップ
140ではRGBデータを測色的に示したが、CMYK
データ、即ち印刷の再現特性を測色的に示すものとし
て、ノイゲバウア式で知られる加法的な線形結合式(以
下の式(4))が挙げられる。なお、簡潔に記すため、
CMYのインキのみを使用した場合について記してい
る。
【0058】
【数3】 ノイゲバウア式とは、CMYKの離散的に連続な網点面
積率の変化に対し、再現される色を簡単な線形結合式で
表したものであり、上記モデル式は、CMYのみ使用し
た場合に出現する可能性のある全てのかけ合わせ色につ
いて平均的出現頻度(確率)を求め該平均的出現頻度に
より各色の強度を重み付けて加算することにより、CM
YKデータ(ここではK=0)をXYZデータへ対応付
けることを表している。なお、上記式(4)において
[Wx ,Wy ,Wz ,Cx ,Cy ,Cz ・・・]は各出
現色成分の測色値を、[c,m,y,cm,・・・]は
各色成分の出現頻度(確率)を、それぞれ示している。
【0059】上記式(4)を用いてCMYデバイスデー
タの全てをXYZデータに変換する。具体的には、ステ
ップ140と同様に、K=0としたCMYKデバイス空
間においてC軸、M軸、Y軸の各々に沿って所定間隔で
連続して位置する点(格子点)に対応するCMYデータ
について、それぞれ上記式(4)よりXYZデータを計
算することで、CMYデータからXYZデータへの第2
対応関係を求める。
【0060】なお、CMYKデータからXYZデータへ
の対応関係は、上記のような加法的な線形結合式以外
に、多項式やその他の補間方法を利用して記述すること
ができ、上記のような加法的な線形結合式を用いること
に限定されるものではない。
【0061】次のステップ144では、後述するKデー
タの拘束及び逆対応関係の導出処理のサブルーチンを実
行する。ここでは、測色値に応じた所定条件でKデータ
を拘束した上で測色値からCMYKデータへの逆対応関
係を求める。即ち、Kデータが拘束されているので、後
述するニュートン逐次近似法等を利用して、第2対応関
係から逐次的に逆解を求めることで、測色値に対応する
CMYKデータを得る。
【0062】次のステップ146では、ステップ140
で求めた第1対応関係とステップ144で求めた逆対応
関係とから、以下のようにして、RGBデータからCM
YKデータへの順対応関係を求める。
【0063】例えば、測色値としてXYZデータを用い
る場合、RGBデータからXYZデータへの第1対応関
係を表す関数をFとし、CMYKデータからXYZデー
タへの第2対応関係を表す関数をGとすると、以下の式
(5)、式(6)によりデータ間の関係が表される。
【0064】 (X,Y,Z)=F(R,G,B) ・・・(5) (X,Y,Z)=G(C,M,Y,K) ・・・(6) ここで、以下の式(7)より明らかなように、関数Fの
出力値としてのXYZデータを逆対応関係(逆関数
G’)に入力することで、関数Fの入力値としてのRG
Bデータに対応するCMYKデータが得られる。
【0065】 (C,M,Y,K)=G’(X,Y,Z)=G’(F(R,G,B)) ・・・(7) 本実施形態では、デバイス空間における階調の連続性を
損なわないように写像するため、図10(B)に示すR
GBデバイス空間において無彩色に対応するR=G=B
となるグレー軸80を基準とし、該グレー軸80に略平
行な方向に沿って、各格子点に対応するRGBデータに
ついて順に、上記式(7)に従って、ステップ140で
求めた第1対応関係より、対応するXYZデータを得
て、ステップ144で求めた逆対応関係より、前記得ら
れたXYZデータに対応するCMYKデータを得る。こ
のようにして各格子点に対応するRGBデータについ
て、RGBデータからCMYKデータへの順対応関係を
求めていく。
【0066】ところで、図11には、RGBデータでG
データを所定値に固定した場合のRBデータ(Rデータ
×Bデータ)に対するCMYKデータの対応関係の一例
を示している。この図11に示すようにCMYKデータ
の何れかが、濃度100%超の領域又は濃度0%未満の
領域に対応する(即ち、再現域をはみ出す)場合が有
る。
【0067】このような場合、本ステップ146で順対
応関係を求める段階では、再現域をはみ出したCMYK
データを該再現域内の値に近似する処理(以下、クリッ
プ処理と称する)を行うことなく、順対応関係を求めて
いく。このことの利点を以下に説明する。
【0068】図12にはRGBデバイス空間でGデータ
を所定値に固定した場合のRデータ、Bデータの2次元
座標系を示す。この図12で点Aに相当するRGBデー
タをCMYKデータに変換するケースを考える。このと
き、点Aに対応するCMYKデータは、図2のステップ
116にてRGBデバイス空間で点Aの近傍にある8つ
の格子点(以下、点Aの関係格子点と称する、図12で
は点22、24、26、28で示される)の変換後のC
MYKデータから補間計算により求められる。
【0069】図13(A)には、点Aの関係格子点のう
ち再現域をはみ出している格子点についてクリップ処理
を行わない場合の点Aに対応するCMYKデータA1を
示しており、図13(B)には、点Aの関係格子点のう
ち再現域をはみ出している格子点についてクリップ処理
を行った場合の点Aに対応するCMYKデータA2を示
している。
【0070】これら図13(A)、(B)を比較すれば
明らかなように、クリップ処理を行うと、点Aの関係格
子点に対応するCMYKデータ(図13(A)、(B)
の白丸)間の差が小さくなってしまう。このため、点A
のように再現域の境界(濃度100%)付近のRGBデ
ータに対応するCMYKデータを補間計算により算出す
る際に、算出対象データのレンジが狭くなり、分解能が
低下してしまう。
【0071】本実施形態では、順対応関係を求める段階
(図4のステップ146)ではクリップ処理を行わず、
順対応関係を用いてsRGB空間のRGBデータをsC
MYK空間のCMYKデータに変換するときに(図2の
ステップ116で)、関係格子点の変換後のCMYKデ
ータからの補間によりCMYKデータを求めるので、再
現域の境界付近に対応するCMYKデータについての分
解能の低下を回避することができる。
【0072】なお、図13(A)に示すように、点Aに
対応するCMYKデータA1は、再現域内の値として得
られたが、再現域をはみ出した格子点に相当する又は極
めて近いRGBデータをCMYKデータに変換すると、
再現域外の値が得られる場合がある。この場合、再現域
外の値は、所定の規則で、例えば、CMYKデバイス空
間において該再現域外の値から最も近い再現域境界上の
CMYKデータに近似する。
【0073】(ステップ144のKデータの拘束及び逆
対応関係の導出処理)以下、図4のステップ144にお
けるKデータの拘束及び逆対応関係の導出処理を説明す
る。Kデータには所定量の均等なCMYデータで表され
るグレー成分と等価的に置き換えられる性質がある。実
際に、上記グレー成分を、該グレー成分と等価的に置換
可能なKデータに積極的に置換するGCR(Gray Compo
nent Replace)といわれる処理も知られている。以下、
CMYデータで表せるグレー成分をKデータに置換する
処理をK版置換と称する。
【0074】以下、K版置換について説明する。K版置
換を行うことのメリットとして、以下の3点が挙げられ
る。
【0075】・グレーなどの無彩色を安定的に再現する
ことができる。
【0076】・インキ総量を削減でき、インキのコスト
を削減することができる。
【0077】・インキ総量の削減により印刷後の乾燥、
保管の面で安定化が図れる。
【0078】一方、K版置換を行うことのデメリットと
して、以下の2点が挙げられる。
【0079】・彩度が高い色(高彩度色)を再現したと
きに色の濁りが発生するおそれがある。
【0080】・全体のインキ膜圧が減少し、光沢感が低
下するおそれがある。
【0081】図4のステップ144では、図5のサブル
ーチンを実行する。図5のステップ160では、図4の
ステップ140で求めた第1対応関係において対応先と
なったXYZデータの中から1つのXYZデータを選択
する。次のステップ162では図6のKデータの決定処
理のサブルーチンを実行する。
【0082】まず、図6のステップ180ではKデータ
を「0」に初期設定し、次のステップ182では、以下
のようなニュートン逐次近似法を利用して、Kデータを
拘束した状態で(最初はKデータ=0)、図4のステッ
プ142で求めた第2対応関係(=CMYKデータから
XYZデータへの対応関係)を用いて、上記選択したX
YZデータに対応するCMYKデータを求める。
【0083】CMYKデータからXYZデータへの順方
向の写像関数をGとする場合、以下の式(8)のように
関係を記述できる。
【0084】
【数4】 ここで、Kデータが「0」に固定された条件下でのCの
変化量ΔC、Mの変化量ΔM、Yの変化量ΔYに対する
測色値増分Gdev は以下の式(9)で表される。
【0085】
【数5】 ここで、任意のXYZデータXp 、Yp 、Zp に対応す
るCMYKデータを求めようとするとき、CMYKデー
タの初期値としてC0 、M0 、Y0 (但しK=0)を与
えると、CMYKデータに微小な変化ΔCΔMΔYが生
じた後の新たなCMYKデータC1 、M1 、Y1 とXY
ZデータXp 、Yp 、Zp との関係は以下の式(10)
で表される。
【0086】
【数6】 これにより、CMYKデータCn+1 、Mn+1 、Yn+1
XYZデータXp 、Y p 、Zp との関係は漸化式的に以
下の式(11)で表される。
【0087】
【数7】 CMYKデータが真値に近づくほど、CMYKデータC
n 、Mn 、Yn からCMYKデータCn+1 、Mn+1 、Y
n+1 への変化量は微小になる。
【0088】従って、CMYKデータの変化量が微小に
なり、以下の式(12)で示す収束条件が成立した時点
でCMYKデータの計算を打ち切れば、CMYKデータ
の真値の近似解を得ることができる。なお、εは収束し
たとみなすための予め定めた微小な値である。 |(Cn ,Mn ,Yn )−(Cn+1 ,Mn+1 ,Yn+1 )|<ε ・・(12) ところで、CMYKデータの各色データは、対応する色
を印刷装置で再現する際に必要なインキ量に相関する。
このため、次のステップ184では以下の式(13)よ
り、CMYKデータの各色データの和としてインキ総量
INKsum を算出する。
【0089】 INKsum =Σ(Cデータ,Mデータ,Yデータ,Kデータ)・・(13) 通常は、Kデータが大きくなるほど、該Kデータによる
CMYデータの置換量が増えてインキ総量INKsum
少なくなる。しかしながら、実際は、印刷装置において
先に印刷されたインキの上に加刷されるインキの転写バ
ランスとして知られるトラッピング等の物理的な特性に
起因して、図8のKデータ−インキ総量特性のグラフに
示すように、Kデータ増加に伴いインキ総量が単調に減
少しなくなる部分、即ちインキ総量の変化が逆転する部
分(矢印Q部)が存在する。
【0090】このため、次のステップ186ではインキ
総量の増減単調性(図8のグラフの傾きの変化量)を表
す以下の式(14)の値を算出し、次のステップ188
では、上記算出した値が所定値以上になったか否かによ
り、インキ総量の増減単調性が有るか否かを判定する。
【0091】 ∂2 S(X,Y,Z,(K))/∂K2 ・・・(14) なお、S(X,Y,Z,(K))は、XYZデータに対
応するインキ総量を求める関数を表す。
【0092】但し、第1回目は増減単調性が有るか否か
を判定できないので、増減単調性が有るものとみなし、
ステップ190へ進む。ステップ190ではKデータを
予め定めた所定の増分Kt だけ増加させて、ステップ1
82へ戻り、増分Kt だけ増加させたKデータの条件下
で、上記選択したXYZデータと等色なCMYKデータ
を逐次近似で求め、求めたCMYKデータに対応するイ
ンキ総量を算出し(ステップ184)、インキ総量の増
減単調性を表す値の算出(ステップ186)及び増減単
調性の有無の判定(ステップ188)を再度行う。
【0093】このようにして、ステップ188でインキ
総量の増減単調性が無いと判定されるまで、Kデータを
増分Kt だけ増加させながら、ステップ182〜190
の処理を繰り返す。
【0094】ステップ188でインキ総量の増減単調性
が無いと判定されると、ステップ192へ進み、上記X
YZデータで表される色の彩度に対応する第1の重み係
数及び該色の明度に対応する第2の重み係数をハードデ
ィスク14から読み出す。この時点(インキ総量の増減
単調性が無くなった時点)のKデータは図8のグラフで
矢印Q部に相当するKデータであり、このKデータを用
いてCMYデータを置換することでインキ総量INK
sum を最も少なく抑えることができる。
【0095】そこで、次のステップ194では、インキ
総量の増減単調性が無くなった時点のKデータに対し第
1の重み係数及び第2の重み係数で重み付けを行うこと
により、Kデータ(K版置換量)を決定する。
【0096】第1の重み係数は図7(A)に示すように
XYZデータで表される色の彩度C * が0のとき(グレ
ーのとき)値が最大で、彩度C* の絶対値が大きくなる
にしたがって値が小さくなり、第2の重み係数は図7
(B)に示すように色の明度L * が低いほど値が大きく
なる。従って、彩度が高い色については、第1の重み係
数が小さくなるので、Kデータは小さい値に決定され
る。このため、彩度が高い色の再現時の濁り発生を回避
することができる。また、明度及び彩度が低い色につい
ては第1及び第2の重み係数が大きくなるので、Kデー
タは大きい値に決定される。このため、該明度及び彩度
が低い色を安定的に再現できる。このように測色値に相
当する色の明度及び彩度に応じてKデータを適正に決定
することができる。
【0097】なお、図8のグラフでインキ総量の増減単
調性が無くなる点(矢印Q部)が予めわかっている場合
は、図6のKデータの決定処理でステップ180〜19
0の処理を省略し、ステップ192にてXYZデータで
表される色の彩度に対応する第1の重み係数及び該色の
明度に対応する第2の重み係数を読み出し、次のステッ
プ194で、インキ総量の増減単調性が無くなった時点
の既知のKデータに対し第1の重み係数及び第2の重み
係数で重み付けを行うことにより、Kデータ(K版置換
量)を決定すれば良い。
【0098】以上のようにして図5のステップ162に
おいて、上記ステップ160で選択したXYZデータに
対応するKデータを決定した後、次のステップ164で
は、Kデータを決定された値に拘束した上で、上記XY
Zデータに対応するCMYKデータを導出する。
【0099】以後、上述した図5のステップ160〜1
64の処理を、第1対応関係において対応先となった全
てのXYZデータについて1つずつ順に実行していく。
そして、全てのXYZデータについてステップ160〜
164の処理が完了すると、図5のサブルーチンを終了
する。このとき、第1対応関係において対応先となった
各XYZデータに対応するCMYKデータが得られてい
る。
【0100】以上説明したステップ144のKデータの
拘束及び逆対応関係の導出処理を実行することにより、
Kデータを適切に拘束した上でXYZデータからCMY
Kデータへの逆対応関係を一意的に求めることができ
る。
【0101】上記ステップ144の処理を含む図4の対
応関係導出処理によって、RGBデータからCMYKデ
ータへの順対応関係が求められるが、この順対応関係は
sRGB空間のデバイスデータからsCMYK空間のデ
バイスデータへの直接的な対応を表すものである。この
ため、該順対応関係を用いることで、従来のように測色
空間への写像を一度介する変換を行うことなく、sRG
B空間のデバイスデータをsCMYK空間のデバイスデ
ータに変換することができ、従来のように変換時に測色
空間でのデータの圧縮、拡張、切り捨てといった処理は
行われない。
【0102】従って、図2のステップ116において上
記順対応関係を用いて、sRGB空間のデバイスデータ
をsCMYK空間のデバイスデータに変換することによ
り、良好な色の再現精度を得ることができる。
【0103】なお、本実施形態に係る画像処理装置は、
図1のようにスタンドアローン型のコンピュータに限ら
ず、ネットワークに接続されたコンピュータであっても
良い。また、画像処理装置をネットワークに接続された
コンピュータにより構成した場合、変換前のRGBデー
タや変換後のCMYKデータを、該コンピュータにネッ
トワークを介して接続されたファイルサーバで管理され
た記憶装置に記憶しても良い。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、第1表色系の特定デバイス空間のデバイス
データを、第2表色系の特定デバイス空間のデバイスデ
ータに容易に変換することができ、変換元及び変換先の
デバイス空間を選択する際の選択自由度を高く維持する
ことができる。
【0105】また、請求項2記載の発明によれば、従来
のように測色空間でのデータの圧縮、拡張、切り捨てと
いった処理を回避できるので、色の再現精度を良好に維
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施形態における画像処理装置の概略構
成図である。
【図2】色変換処理の主ルーチンを示す流れ図である。
【図3】色変換処理の全体的な流れを示す図である。
【図4】標準色空間のデバイスデータ間の対応関係の導
出処理のサブルーチンを示す流れ図である。
【図5】Kデータの拘束及び逆対応関係の導出処理のサ
ブルーチンを示す流れ図である。
【図6】Kデータの決定処理のサブルーチンを示す流れ
図である。
【図7】(A)は彩度に対しガウシアン分布を示す重み
関数を示すグラフであり、(B)は明度が低いほど値が
大きくなる重み関数を示すグラフである。
【図8】Kデータ−インキ総量特性を表すグラフであ
る。
【図9】任意のCMYで表した色から分離した中性(グ
レー)成分をK版で置換する処理を示す図である。
【図10】(A)はRGBデバイス空間に設定された格
子点を説明するための図であり、(B)はRGBデバイ
ス空間におけるグレー軸を示す図である。
【図11】RGBデータでGデータを所定値に固定した
場合のRBデータとCMYKデータとの対応を表すグラ
フである。
【図12】RGBデバイス空間でGデータを所定値に固
定した場合のRBの2次元座標系における格子点及び変
換対象点を示す図である。
【図13】(A)はCMYKデバイス空間の再現域をは
み出した格子点に対するクリップ処理を行わない場合の
変換対象点に対応するCMYKデータA1を示す図であ
り、(B)はCMYKデバイス空間の再現域をはみ出し
た格子点に対するクリップ処理を行った場合の変換対象
点に対応するCMYKデータA2を示す図である。
【図14】本発明に係る色変換方法の全体的な流れを示
す図である。
【符号の説明】
10 画像処理装置 12 マイクロコンピュータ 14 ハードディスク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1表色系によるデバイスデータを、前
    記第1表色系と異なる第2表色系によるデバイスデータ
    に変換する色変換方法であって、 前記第1表色系を特徴的に示す第1の標準色空間を予め
    定めると共に、前記第2表色系を特徴的に示す第2の標
    準色空間を予め定め、 前記第1の標準色空間のデバイスデータと前記第2の標
    準色空間のデバイスデータとの対応関係を予め求め、 前記第1表色系の特定デバイス空間のデバイスデータを
    前記第1の標準色空間のデバイスデータに変換し、 前記対応関係に基づいて、前記変換で得られた第1の標
    準色空間のデバイスデータを前記第2の標準色空間のデ
    バイスデータに変換し、 該変換で得られた第2の標準色空間のデバイスデータを
    前記第2表色系の特定デバイス空間のデバイスデータに
    変換する、 色変換方法。
  2. 【請求項2】 前記対応関係は、 前記第1の標準色空間のデバイスデータから前記第1及
    び第2表色系と異なる第3表色系の色情報への第1対応
    関係、及び前記第2の標準色空間のデバイスデータから
    前記第3表色系の色情報への第2対応関係を求め、前記
    第2対応関係に基づいて前記第3表色系の色情報から前
    記第2の標準色空間のデバイスデータへの逆対応関係を
    求め、前記第1対応関係及び逆対応関係に基づいて求め
    ることを特徴とする請求項1記載の色変換方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7733526B2 (en) 2005-10-12 2010-06-08 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for converting input color space into CMYK color space
US7864371B2 (en) 2007-03-07 2011-01-04 Ricoh Company, Ltd. Image processing apparatus, image processing method, and computer product
US7982910B2 (en) 2006-04-10 2011-07-19 Mitsubishi Electric Corporation Image processing apparatus, image processing method, image output apparatus, and image processing system

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