JP2007334355A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カラー原稿を2色で印刷可能な画像形成装置において、多色から2色への変換基準をユーザの嗜好に応じて柔軟に調整することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置は、多色のカラー画像データを入力する入力部と、入力した多色のカラー画像データを少なくとも2色の指示色に変換する色変換テーブルを具備する指示色変換部と、色変換テーブルを作成すると共に、作成に用いるパラメータを変更可能に設定するパラメータ設定部と、パラメータを変更する操作部と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像形成装置および画像形成方法に係り、特に、カラー印刷可能な画像形成装置および画像形成方法に関する。
従来から、カラー複合機(カラーMFP:Multi-Function Peripheral)等の画像形成装置では、読み取ったカラー原稿を2色カラー、例えば赤色と黒色、で印刷する機能を有しているものがある。
これらのカラー複合機では、カラー原稿に対して有彩色と無彩色の判定を行い、有彩色と判定された領域は例えば赤色で印刷し、無彩色と判定された領域は黒色で印刷している。
カラー画像データから2色カラーデータへの変換は、マトリクス演算やルックアップテーブルを用いた色変換処理に基づくものが多い。従来、2色カラーへの変換に際して、色濁りが生じるという問題が指摘されている。例えば、有彩色を赤色に変換する場合、有彩色の色の種類によっては必ずしも純粋な(彩度の高い)赤色に変換されず、濁った赤色に変換される場合があるという問題である。
この色濁りの問題を解決するため、例えば、特許文献1には、色変換処理だけでなく、墨入れ処理(inking processing)においても2色変換を行う技術が開示されている。
特開2004−356853号公報
しかしながら、従来の画像形成装置が有する2色印刷機能は、無彩色と有彩色との識別基準が固定的であり、ユーザが所望する結果と異なる2色印刷結果となることがあった。
例えば、無彩色に近い写真を含む雑誌等の原稿を印刷するとき、写真が黒色の印刷となることを期待した場合であっても、写真の一部に赤色が混在する場合がある。また、原稿に暗い赤色が含まれているようなとき、ユーザがこの暗い赤色を赤色で印刷したいと望んだ場合でも、結果的には黒色で印刷されてしまうといったこともある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、カラー原稿を2色で印刷可能な画像形成装置および画像形成方法において、多色から2色への変換基準をユーザの嗜好に応じて柔軟に調整することができる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、多色のカラー画像データを入力する入力部と、入力した前記多色のカラー画像データを少なくとも2色の指示色に変換する色変換テーブルを具備する指示色変換部と、前記色変換テーブルを作成すると共に、作成に用いるパラメータを変更可能に設定するパラメータ設定部と、前記パラメータを変更する操作部と、を備えたことを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成方法は、多色のカラー画像データを入力する入力ステップと、入力した前記多色のカラー画像データを少なくとも2色の指示色に変換する色変換テーブルを具備する指示色変換ステップと、前記色変換テーブルを作成すると共に、作成に用いるパラメータを変更可能に設定するパラメータ設定ステップと、前記パラメータを操作部の操作によって変更する操作ステップと、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置および画像形成方法によれば、カラー原稿を2色で印刷可能な画像形成装置および画像形成方法において、多色から2色への変換基準をユーザの嗜好に応じて柔軟に調整することができる。
本発明に係る画像形成装置および画像形成方法の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
(1)画像形成装置の構成
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1のシステム構成例を示す図である。
画像形成装置1は、カラー原稿を読み取って、3原色のR,G,B(加法混色の原色)で表される第1のカラー画像データとして入力するスキャナ部10(入力部)、入力した第1のカラー画像データを色変換処理や墨入れ処理によって印刷色である第2のカラーデータ、例えばY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、ブラック(K)、に変換する指示色変換部20、指示色変換部20の色変換処理で用いられる色変換テーブルを作成すると共に、作成に用いるパラメータを変更可能に設定するパラメータ設定部60、およびパラメータを変更する操作パネル70(操作部)を備えている。パラメータ設定部60は、画像形成装置1の全体の制御を行う制御部(図示せず)の一部として構成しても良い。
また、画像形成装置1は、指示色変換部20から出力される第2のカラー画像データに対して階調補正を行うγ補正処理部30、さらに印刷用のスクリーントーン処理等を行う階調処理部40、および記録紙等に印刷を行うプリント部50を備えて構成されている。
このうち、指示色変換部20は、色変換部21、フィルタ処理部22、および墨入れ処理部33をその内部に備えている。
色変換部21は、スキャナ部10から入力される3原色R,G,Bを色変換テーブル(ルックアップテーブル)等によって3印刷色Y,M,C等(減法混色の原色)に色変換する。
フィルタ処理部22は、色変換された画像データに対して強調処理やスムージング処理等の空間フィルタリング処理を行っている。
また、墨入れ処理部33では、3印刷色Y,M,C等からさらにブラック(K)を加えた4印刷色Y,M,C,K等に変換する処理を行っている。この変換も変換テーブル等を用いて実現できる。
色変換部21で用いられる色変換テーブルは、所定数の3次元格子点をもつ3次元ルックアップテーブルとして構成されている。入力されるR,G,Bの値によって定まる3次元格子点(入力格子点)には、このR,G,Bが入力されたときに出力すべきC,M,Yの値(以下、この出力すべきC、M,Yの値を、便宜上出力格子点の値という場合がある)が格納されている。
通常、読み取った多色のカラー原稿を多色のカラー原稿として印刷する場合には色再現性が重視される。この場合、入力格子点のR,G,Bの値に対して色再現性のあるC,M,Yの値が出力格子点に格納されている。
一方、読み取った多色のカラー原稿を、例えば2色の指示された色に変換し2色で印刷する場合には、上記の通常用いられるルックアップテーブルとは異なった2色変換用ルックアップテーブルが用いられる。
以下、本実施形態に係る2色変換処理用のルックアップテーブルの作成処理、およびこのルックアップテーブルを用いた2色変換処理について詳細に説明する。
(2)2色変換処理用のルックアップテーブルの作成処理(第1の実施形態)
上述したように、入力した多色のカラーデータから2色に変換するには、2色用色変換テーブル(ルックアップテーブル)を用いる。この2色用色変換テーブルは、入力格子点に対応する出力格子点に2つの色、例えば黒色(無彩色)と赤色(有彩色)に対応するC、M、Yの値が格納されるものである。
図2は、第1の実施形態に係る2色用色変換テーブル(ルックアップテーブル)の作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1の実施形態では、2色用色変換テーブル(以下、単に色変換テーブルと呼ぶ場合がある)の入力格子点を無彩色の領域と有彩色の領域とに識別し、無彩色の領域の色を第1の指示色、例えば黒色に変換し、有彩色の領域の色を第2の指示色、例えば赤色に変換する色変換手テーブルを作成する。
ステップST1では、色変換用テーブルの入力格子点のR,G,Bの値から彩度Spを算出する。彩度Spは、例えば次の(式1)を用いて算出する。
[数1]
Sp=(R−G)+(G−B) (式1)
次に、ステップST2にて、2色識別の境界の変更が有るか否かを判定する。2色識別の境界の変更は、ユーザが操作パネル70を操作して設定するものであり、この設定状態をパラメータ設定部60がモニタし、2色識別の境界の変更の有無を判定する。
図3は、操作パネル70の表示例を示す図である。操作パネル70は、例えば液晶ディスプレイとタッチパネルを重ねて構成されるものである。液晶ディスプレイには、「赤部分を広く」や「黒部分を広く」の表示がなされており、これらの表示の下に「赤拡大ボタン」103や「黒拡大ボタン」104が設けられている。
また、「赤拡大ボタン」103と「黒拡大ボタン」104との間には、例えば中央位置を挟んで左右に3段階(赤方向に「−1」、「−2」、「−3」の3段階、および黒方向に「+1」、「+2」、「+3」の3段階)の離散的な境界変更のSTEPを示すインジケータ102が設けられている。
初期状態(デフォルト状態)では、2色識別の境界の変更が無い状態(即ちSTEPが「0」)に設定されており、この場合インジケータは中央位置が点灯するように表示される。
一方、ユーザが「赤拡大ボタン」103や「黒拡大ボタン」104を押下すると、その都度インジケータの表示は赤方向、或いは黒方向に1STEPずつ移動する。その後、「設定」ボタン105を押下すると、2色識別の境界の変更が確定する。
パラメータ設定部(制御部)60では、このSTEPの値をモニタし、「0」の場合は2色識別の境界の変更が無いと判定し、「0」以外の場合には2色識別の境界の変更が有りと判定する。
なお、確定したSTEPの値は、「キャンセル」ボタン106の押下によってキャンセルし、再度設定し直すことが可能である。また、「デフォルト」ボタンの押下によって変更設定されたSTEPの値を「0」に戻すことも可能である。
ステップST2にて、2色識別の境界の変更が無いと判定された場合には、ステップST3へ進む。ステップST3では、有彩色と無彩色とを判定する閾値Tth1をデフォルトの閾値Tth10に設定する。
次に、ステップST4において、(式1)で算出された彩度Spと閾値Tth1とを比較判定することにより、対象とする入力格子点が無彩色であるのか有彩色であるのかを判定する。
彩度Spが閾値Tth1よりも大きい場合には、その入力格子点は有彩色と判定される(ステップST4のNO)。この場合、ステップST5にて、色変換部21のルックアップテーブルの出力格子点のC,M,Y値を赤色(レッド)となるように設定する。例えば、C=0、M=Yと設定する。この設定値は、例えば予め適宜のROM等に記憶させておき、有彩色と判定された場合にはROMに記憶された値をルックアップテーブルの出力格子点の値として設定すればよい。
この結果、有彩色と判定された入力格子点に対応する出力格子点には、赤色(レッド)が設定されることになる。
一方、彩度Spが閾値Tth1よりも小さい場合には、対象とする入力格子点は無彩色と判定される(ステップST4のYES)。この場合、ステップST6にて、色変換部21のルックアップテーブルの出力格子点のC,M,Y値を黒色(ブラック)となるように設定する。例えば、C=M=Yと設定する。
この結果、無彩色と判定された入力格子点に対応する出力格子点には、黒色(ブラック)が設定されることになる。
この処理を総ての入力格子点に対して行うことで、2色変換用のルックアップテーブルが作成される。
このルックアップテーブルは、2色識別の境界の変更が無い場合のものであり、デフォルト値に設定された閾値に基づいて入力格子点が有彩色と無彩色とに区分され、有彩色の入力格子点に対応する出力格子点には赤色が、また、無彩色の入力格子点に対応する出力格子点には黒色のデータが格納されたルックアップテーブルが生成される。このルックアップテーブルを色変換処理に用いることによって、多色のカラー画像が赤色と黒色との2色画像に変換される。
他方、ユーザが操作パネル70の「赤拡大ボタン」103や「黒拡大ボタン」104を操作し、STEPの値を「0」以外(中央位置以外)に設定した場合には、2色識別の境界の変更が有りと判定され(ステップST2のYES)、ステップST7へ進む。
ステップST7では、有彩色と無彩色の判定に用いる閾値Tth1をデフォルト値Tth10と異なる値に設定する。具体的には、ユーザが操作パネル70を操作して設定したSTEPの値を用いて次の(式2)で算出される新たな閾値Tth1に設定する。
[数2]
Tth1=Tth10+A・STEP (式2)
ここで、STEPの値は、「0」以外の値であり、例えば「+1」〜「+3」、或いは「−1」〜「−3」の値である。また、AはSTEPの値に重みをつける適宜の係数である。
(式2)によって算出される閾値Tth1は、ユーザが操作パネル70から設定するSTEPの値によって変更可能な値である。この閾値Tth1が有彩色と無彩色との判定(ステップST4)に用いられ、有彩色の領域と無彩色の領域の境界が変更可能となる。この結果、赤色と黒色の2色の境界も変更することができる。
図2に示した処理をルックアップテーブルの格子点の数だけ繰り返すことで、2色変換用のルックアップテーブルが作成できる。このテーブルの出力格子点の値は、操作パネル7の「赤拡大ボタン」103や「黒拡大ボタン」104によって変更可能である。
第1の実施形態に係る2色変換処理用のルックアップテーブルの作成処理によれば、ユーザの要望や嗜好に応じて2色の領域の境界を変更することが可能なルックアップテーブルを、簡便な操作で作成することが可能である。
(3)2色変換処理
図4は、2色用色変換テーブル及び墨入れ処理用の変換テーブルを用いた2色変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
色変換部21に入力されるR,G,B値は、例えば0〜255の多値データである。この多値に1対1に対応する2色用色変換テーブルは256×256×256の3次元テーブルとなり、記憶容量が膨大となる。
このため、2色用色変換テーブルの格子点の数を入力される多値の数よりも小さく設定して2色用色変換テーブルの記憶容量を低減する一方、格子点の中間の値のR,G,B値が入力されたときには、補間処理によって対応するC,M,Y値を算出する形態がしばしば採用されている。
この形態の場合、有彩色を赤色に変換するように出力格子点のC,M,Y値を、C=0、M=Yと設定したとしても、補間処理の後ではこれらの値が完全には保持されないことになる。例えば、シアン(C)の値が完全にはゼロにならない場合が起こりうる。この場合補間処理後の赤色は純粋な赤色ではなく、多少シアンがかった赤色となる。しかも、入力されるR,G,B値によって補間処理後の値は多少変動するため、微妙に異なった色合いの赤色が出力され、完全な2色変換は実現できなくなる可能性がある。
無彩色を黒色に変換する場合でも同様の事象が発生し、補間処理後の黒色は純粋な黒色となるわけでない。
そこで、本実施形態に係る2色変換処理では、補間処理の後の墨入れ処理において2色変換用の変換テーブルを用いることでこの問題を解決している。
図5は、この墨入れ処理に用いられる2色変換用の変換テーブルの作成方法の一例を示す図である。
まず、ステップST61において、墨入れ処理の変換テーブルの入力格子点のC,M、Yの値から、最大値max(C,M,Y)と最小値min(C,M,Y)を算出する。
次に、ステップST62において、最大値と最小値との差分(max(C,M,Y) −min(C,M,Y))と所定の閾値Tth2との比較判定を行う。
色変換処理による2色変換において赤色に変換される場合には、補正処理後であっても、C≒0、M≒Y>0、となるため、最小値はゼロの近傍であり、最大値はゼロより相当量大きな値となる。即ち、最大値と最小値との差分は比較的大きな値となる。そこで、ステップST63の判定において閾値Tth2よりも大きいと判定された場合には、ステップST63へ進む。
ステップST63では、墨入れ処理の変換テーブルの出力格子点の値が純粋な赤色となるように設定する。具体的には、例えば、C=K=0、M=Y=αと設定する。この結果、墨入れ処理後においては、シアン(C),或いはブラック(K)が混入することのない純粋な赤色(M=Y)に変換することができる。
一方、色変換処理による2色変換において黒色に変換される場合には、補正処理後であっても、C≒M≒Yとなり、3つの値がほぼ同じ値をとるため最大値と最小値との差分は小さな値となる。そこで、ステップST62の判定において閾値Tth2よりも小さいと判定された場合には、ステップST64へ進む。
ステップST64では、墨入れ処理の変換テーブルの出力格子点の値が黒色となるように設定する。具体的には、例えば、C=M=Y=0、K=βと設定する。この結果、墨入れ処理後においては、C,M,Yが混入することのない黒色(K)に変換される。なお、αやβは、赤色や黒色の濃度を夫々設定する値である。
以上の処理を墨入れ処理の変換テーブルの総ての入力格子点に対して行い、墨入れ処理における2色変換用の変換テーブルを作成する。
図4に戻って、2色変換処理の流れを説明する。
まず、ステップST51にて、多色の画像データを入力する。入力した画像データは、画素毎に多色から2色に変換される。
対象とする画素が2色用色変換テーブルの入力格子点において、無彩色の領域に該当する場合は(ステップST52のYES)、2色用色変換テーブルによってブラック(C=M=Y)に変換される。2色用変換テーブルが、無彩色の入力格子点に対してはブラック(C=M=Y)に変換されるように作成されているためである。
一方、対象画素が、2色用色変換テーブルの入力格子点において、有彩色の領域に該当する場合は(ステップST52のN0)、2色用色変換テーブルによってレッド(C=0、M=Y)に変換される。
その後、2色用色変換テーブルの出力格子点の値に対して補間処理(ステップST55、ステップST56)が行われる。
補間処理の結果、C,M,Y値は、純粋なレッドやブラックと若干ずれた値となりうる。そこで、さらに墨入れ処理の変換テーブルによって再度純粋なレッドやブラックに変換する。
即ち、対象画素のC,M、Y値が、(max(C,M,Y)− min(C,M,Y)<Tth2、に該当する場合には墨入れ処理の変換テーブルによって、純粋なブラック(C=M=Y=0、K=β)に再変換する。
一方、対象画素のC,M、Y値が、(max(C,M,Y)− min(C,M,Y)<Tth2、に該当しない場合には、墨入れ処理の変換テーブルによって、純粋なレッド(C=K=0、M=Y=α)に再変換する。
このように、色変換処理の後に補間処理を行う形態であっても、シアン色等が混入することのない純粋な赤色と純粋な黒色に変換できる
また、上記の2色変換処理に用いられる2色用色変換テーブルは、図2のフローチャートに基づいて作成されるものである。従って、この2色用色変換テーブルを用いることでユーザの要望や嗜好が反映された2色変換処理が実現される。
(4)2色変換処理用のルックアップテーブルの作成処理(第2の実施形態)
2色の境界の設定をより細かく設定したい場合がある。例えば原稿の濃度(或いは明度)に応じて、明るい領域はより赤色の領域が広くなうように、また、暗い領域はより黒色の領域が広くなるように2色変換したいという場合がある。
第2の実施形態は、濃度に応じて2色の境界設定の変更が可能な、2色変換処理用のルックアップテーブルの作成処理の形態である。
図6は、原稿中の濃度を高濃度、中濃度、低濃度の濃度区分に分類し、濃度区分に応じて2色の境界を変更することができる操作パネル70aの表示例を示す図である。濃度区分を示すインジケータ108a、108b、108cに各々対応して、「赤拡大ボタン」103a、103b、103cや「黒拡大ボタン」104a、104b、104cが設けられている。またこれらのボタンの間には、境界の移動のSTEPを表示するインジケータ102a、102b、102cが夫々設けられている。
図7乃至図9は、第2の実施形態に係る2色変換処理用のルックアップテーブルの作成処理の一例をしめすフローチャートである。
まず、ステップST21(図7)にて、色変換用のルックアップテーブルの入力格子点R,G,Bの値から彩度Spおよび濃度Dpを算出する。彩度Spは第1の実施形態と同様に(式1)に基づいて算出する。一方、濃度Dpは、例えば、次の(式3)によって算出する。
[数3]
Dp=255−(R+G+B)/3 (式3)
ここで、R,G,Bの各値はそれぞれ0〜255の範囲の値である。
次に、ステップST22およびステップST29によって、濃度Dpを高濃度、中濃度、低濃度の濃度区分に分類する。この濃度の分類は、適宜の閾値D1、D2(D1>D2)を用いて行う。即ち、Dp>D1の場合は高濃度(ステップST22のYES)、D2<Dp≦D1の場合は中濃度(ステップST29のYES)、それ以外の場合は低濃度(ステップST29のNO)と分類する。
高濃度に分類された場合にはステップST23に進む。ステップST23からステップST28までの処理は基本的には第1の実施形態(図2)と同様の処理であるため、細部の説明は省略する。但し、有彩色と無彩色とを判定する閾値は高濃度用の閾値Tthαである。また、ステップST28で用いられるSTEPの値は、操作パネル70aの高濃度用の「赤拡大ボタン」103a或いは「黒拡大ボタン」104aで設定される値である。
中濃度に分類された場合には、図8のステップST31へ進む。ステップST31からステップST36までの処理は、高濃度の処理と同様のものである。但し、有彩色と無彩色とを判定する閾値は中濃度用の閾値Tthβである。また、ステップST36で用いられるSTEPの値は、操作パネル70aの中濃度用の「赤拡大ボタン」103b或いは「黒拡大ボタン」104bで設定される値である。
同様にして、低濃度に分類された場合には、図9のステップST41からステップST46の処理を行う。但し、有彩色と無彩色とを判定する閾値は低濃度用の閾値Tthγであり、ステップST46で用いられるSTEPの値は、操作パネル70aの低濃度用の「赤拡大ボタン」103c或いは「黒拡大ボタン」104cで設定される値である。
図7乃至図9の処理をルックアップテーブルの全格子点に対して行うことで、濃度区分に対応して設定された2色の境界設定に応じたルックアップテーブルを生成することができる。
第2の実施形態によれば、ユーザによる2色境界の変更を、濃度区分に応じて細かく設定することが可能となる。
(5)その他の実施形態
ここまでの説明では、2色変換される色として赤色と黒色を例として説明したが、2色の色はこの赤色と黒色に限定されるものではなく、任意の2色に変換することができる。2色変換処理において、最終的な2色の値は墨入れ処理の変換テーブルによって決定されるが、墨入れ処理の変換テーブルの出力格子点に設定するC,M,Y,K値の組み合わせによって任意の2色に変換することができる。例えば、Y=K=0、C=Mとなるように出力格子点の値を設定することにより、有彩色を青色に変換することができる。
また、M=K=0、C=Yとなるように出力格子点の値を設定することにより、無彩色を緑色に変換することができる。
図10は、青色と緑色の2色に変換する実施形態における操作パネル70bの表示例を示したものである。この場合、「赤部分を広く」の表示が「青部分を広く」の表示となっており、「黒部分を広く」の表示が「緑部分を広く」の表示となっている。これらの表示の下に「青拡大ボタン」108や「緑拡大ボタン」109が設けられている。また、これらのボタンの間には第1の実施形態と同様のインジケータ110が設けられている。
図11は、カラー表示部107を付加した操作パネル70cの形態を例示する図である。カラー表示部107は、変換される2色に対応した表示器であり、ユーザの設定によって変更されるインジケータ102の位置に応じて、相対的な長さや面積の比率が変更されるように構成されている。このカラー表示部107によって、ユーザはより直感的に操作することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、カラー原稿を2色で印刷可能な画像形成装置において、多色から2色への変換基準をユーザの要望や嗜好に応じて柔軟に調整することができる。
なお、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成例を示す図。 本発明の第1の実施形態に係る画像形成方法(2色用色変換テーブルの作成処理)の一例を示すフローチャート。 操作パネルの第1の表示例を示す図。 本発明の実施形態に係る2色変換処理の一例を示すフローチャート。 墨入れ処理に用いる変換テーブルの作成処理の一例を示す図。 操作パネルの第2の表示例を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る画像形成方法(2色用色変換テーブルの作成処理)の一例を示す第1のフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る画像形成方法(2色用色変換テーブルの作成処理)の一例を示す第2のフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る画像形成方法(2色用色変換テーブルの作成処理)の一例を示す第3のフローチャート。 操作パネルの第3の表示例を示す図。 操作パネルの第4の表示例を示す図。
符号の説明
1 画像形成装置
10 スキャナ部(入力部)
20 指示色変換部
21 色変換部
22 フィルタ処理部
23 墨入れ処理部
60 パラメータ設定部
70 操作パネル(操作部)

Claims (20)

  1. 多色のカラー画像データを入力する入力部と、
    入力した前記多色のカラー画像データを少なくとも2色の指示色に変換する色変換テーブルを具備する指示色変換部と、
    前記色変換テーブルを作成すると共に、作成に用いるパラメータを変更可能に設定するパラメータ設定部と、
    前記パラメータを変更する操作部と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記パラメータ設定部は、
    前記色変換テーブルの入力格子点の色を無彩色と有彩色とに識別し、
    前記無彩色に識別された入力格子点に対応する出力格子点の色を第1の指示色に設定し、
    前記有彩色に識別された入力格子点に対応する出力格子点の色を第2の指示色に設定して前記色変換テーブルを作成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記パラメータ設定部が変更可能に設定するパラメータは、前記無彩色と前記有彩色との識別に用いる閾値である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の指示色は無彩色であり、前記第2の指示色は任意の有彩色である、ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記操作部は、前記第1の指示色の領域と前記第2の指示色の領域の境界を変更可能に構成され、
    前記パラメータ設定部は、前記操作部において設定された領域の境界に基づいて前記無彩色と前記有彩色との領域とを識別する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 前記操作部は、
    前記第1の指示色と前記第2の指示色とに対応する色を、前記領域の境界の変更と共にカラー表示するカラー表示部を備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記パラメータ設定部は、
    前記色変換テーブルの入力格子点の色の濃度を複数の濃度区分に分類し、
    前記複数の濃度区分毎に前記操作部の操作によって設定される閾値に基づいて有彩色と無彩色とを識別する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  8. 前記指示色変換部は、
    色変換テーブルを用いて加法混色の原色から減法混色の原色に変換した後、補間処理を行う色変換部と、
    前記減法混色の原色を、黒色と減法混色の原色との混合に変換する墨入れ処理部と、を備え、
    前記カラー画像データを第1の指示色と第2の指示色に変換する場合は、
    前記色変換部は、前記カラー画像データを無彩色と有彩色の2色の画像データに変換し、
    前記墨入れ処理部は、前記2色の画像データのうち、無彩色の領域を第1の指示色に変換し、有彩色の領域を第2の指示色に変換する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1の指示色および前記第2の指示色は、互いに異なる任意の有彩色である、ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 多色のカラー画像データを入力する入力手段と、
    入力した前記多色のカラー画像データを少なくとも2色の指示色に変換する色変換テーブルを具備する指示色変換手段と、
    前記色変換テーブルを作成すると共に、作成に用いるパラメータを変更可能に設定するパラメータ設定手段と、
    前記パラメータを変更する操作手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記パラメータ設定手段は、
    前記色変換テーブルの入力格子点の色を無彩色と有彩色とに識別し、
    前記無彩色に識別された入力格子点に対応する出力格子点の色を第1の指示色に設定し、
    前記有彩色に識別された入力格子点に対応する出力格子点の色を第2の指示色に設定して前記色変換テーブルを作成する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 多色のカラー画像データを入力する入力ステップと、
    入力した前記多色のカラー画像データを少なくとも2色の指示色に変換する色変換テーブルを具備する指示色変換ステップと、
    前記色変換テーブルを作成すると共に、作成に用いるパラメータを変更可能に設定するパラメータ設定ステップと、
    前記パラメータを操作部の操作によって変更する操作ステップと、
    を備えたことを特徴とする画像形成方法。
  13. 前記パラメータ設定ステップは、
    前記色変換テーブルの入力格子点の色を無彩色と有彩色とに識別し、
    前記無彩色に識別された入力格子点に対応する出力格子点の色を第1の指示色に設定し、
    前記有彩色に識別された入力格子点に対応する出力格子点の色を第2の指示色に設定して前記色変換テーブルを作成する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
  14. 前記パラメータ設定ステップで設定する前記パラメータは、前記無彩色と前記有彩色との識別に用いる閾値である、
    ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
  15. 前記第1の指示色は無彩色であり、前記第2の指示色は任意の有彩色である、ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
  16. 前記操作ステップは、前記第1の指示色の領域と前記第2の指示色の領域の境界を変更し、
    前記パラメータ設定ステップは、前記操作ステップにおいて変更された領域の境界に基づいて前記無彩色と前記有彩色との領域とを識別する、
    ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
  17. 前記操作ステップは、
    前記第1の指示色と前記第2の指示色とに対応する色を、前記領域の境界の変更と共にカラー表示するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
  18. 前記パラメータ設定ステップは、
    前記色変換テーブルの入力格子点の色の濃度を複数の濃度区分に分類し、
    前記複数の濃度区分毎に前記操作部の操作によって設定される閾値に基づいて有彩色と無彩色とを識別する、
    ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
  19. 前記指示色変換ステップは、
    色変換テーブルを用いて加法混色の原色から減法混色の原色に変換した後、補間処理を行う色変換ステップと、
    前記減法混色の原色を、黒色と減法混色の原色との混合に変換する墨入れ処理ステップと、を備え、
    前記カラー画像データを第1の指示色と第2の指示色に変換する場合は、
    前記色変換ステップは、前記カラー画像データを無彩色と有彩色の2色の画像データに変換し、
    前記墨入れ処理ステップは、前記2色の画像データのうち、無彩色の領域を第1の指示色に変換し、有彩色の領域を第2の指示色に変換する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
  20. 前記第1の指示色および前記第2の指示色は、互いに異なる任意の有彩色である、ことを特徴とする請求項19に記載の画像形成方法。
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