JP2004123552A - 1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法 - Google Patents
1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】入手の容易な原料から、短工程で収率良く、1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(II)で表される化合物と下記一般式(III)で表される炭酸エステルを塩基存在下で反応させてなる、下記一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法。
【化1】
【化2】
【化3】
前記式中、R1は置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R3は置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。Xは水素原子または置換基を表す。
【選択図】 なし
【解決手段】下記一般式(II)で表される化合物と下記一般式(III)で表される炭酸エステルを塩基存在下で反応させてなる、下記一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法。
【化1】
【化2】
【化3】
前記式中、R1は置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R3は置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。Xは水素原子または置換基を表す。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料に用いるイエローカプラーまたはその中間体として、また色素、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用な1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2位が置換もしくは無置換のアルキル基もしくはアリール基で3位が置換もしくは無置換のアルキル基である1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物は米国特許第3,841,880号(特許文献1)に記載のようにハロゲン化銀写真感光材料のイエローカプラーおよびその中間体、あるいは色素、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用である。前記米国特許第3,841,880号では2−アミノベンゼンスルホンアミド化合物とβ,β−ジアルコキシアクリル酸エステルを反応させる方法が開示されている。しかしながらこの方法では原料のβ,β−ジアルコキシアクリル酸エステルが高価でありその入手性にも問題があった。またJ.Chin.Chem.Soc.,45,805(1998)(非特許文献1)に記載のように2位(もしくは4位)が水素の1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物をアルキル化する方法も知られているが、この方法では2位アルキル体と4位アルキル体の混合物となる欠点があった。さらに、J.Med.Chem.,6,122(1963)(非特許文献2)、J.Org.Chem.,51,1967(1986)(非特許文献3)、Tetrahedron,39,2073(1983)(非特許文献4)では2−アミノベンゼンスルホンアミド化合物とオルトエステル化合物を反応させる方法が開示されている。しかしながらこの反応では原料のオルトエステルが、官能基(例えばアルコキシカルボニル基)を有する場合、合成が困難で収率も低いという問題があった。またHuaxue Shiji,21,235(1999)(非特許文献5)に記載のように2−アミノベンゼンスルホンアミド化合物をアシル化剤でアシル化した後オキシ塩化リンで環化させる方法は、工程数が長く、またアシル部分に官能基を有する場合には環化工程の収率が低いという問題があった。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第3,841,880号明細書(特に、2欄20行〜6欄48行)
【非特許文献1】
J.Chin.Chem.Soc.,45,805(1998)
【非特許文献2】
J.Med.Chem.,6,122(1963)
【非特許文献3】
J.Org.Chem.,51,1967(1986)
【非特許文献4】
Tetrahedron,39,2073(1983)
【非特許文献5】
Huaxue Shiji,21,235(1999)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ハロゲン化銀写真感光材料のイエローカプラーまたはその中間体として、また色素、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用な1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物を、入手の容易な原料から、短工程で収率良く製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法によって達成された。
1.下記一般式(II)で表される化合物と下記一般式(III)で表される炭酸エステルを塩基存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法。
【0006】
【化5】
【0007】
式中、R1は置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R3は置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。Xは水素原子または置換基を表す。
【0008】
【化6】
【0009】
式中、R1、R2、n及びXは一般式(I)で表される化合物のR1、R2、n及びXと同義である。
【0010】
【化7】
【0011】
式中、R3は一般式(I)で表される化合物のR3と同義である。
2.前記1項に記載されている塩基が下記一般式(IV)で表されるアルカリ金属アルコキシドであることを特徴とする、一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法。
一般式(IV)
【0012】
【化8】
【0013】
式中、Mはアルカリ金属を表す。R3は一般式(I)で表される化合物のR3と同義である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(I)で表される化合物を詳細に説明する。
【0015】
【化9】
【0016】
式中、R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R2で表わされる置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基等を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基等を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が挙げられる。複数のR2同士が結合して形成する環の例としては、脂環、芳香環またはヘテロ環等が挙げられる。
【0017】
なお、上述の置換基はさらに置換基で置換されていてもよく、該置換基としては上述の基が挙げられる。
【0018】
以下にR2で表わされる置換基の例を更に説明する。
これらの置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基{直鎖、分岐もしくは環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表わす。アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、シクロアルキル基[好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルが挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基も挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。]なども包含する。}、
【0019】
アルケニル基{直鎖、分岐もしくは環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表わす。アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基[好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)やトリシクロアルケニル基等の多環構造の基も挙げられる。好ましくは単環のシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。]なども包含する。}、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
【0020】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族性もしくは非芳香族性、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族性のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、イミダゾール−1−イル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
【0021】
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
【0022】
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
【0023】
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)、モノアシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−(n−オクチルオキシ)フェニルカルボニルアミノ)、ジアシルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基及び/又は炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基を有するジアシルアミノ基、例えば、ホルミルアセチルアミノ、アセチルベンゾイルアミノ、アセチルピバロイルアミノ、ラウロイルプロピオニルアミノ、ベンゾイルピバロイルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、
【0024】
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシ)フェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
【0025】
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ、1−メチルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、
【0026】
アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
【0027】
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
【0028】
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
【0029】
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の官能基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニルが挙げられる。
【0030】
一般式(I)においてR1は、置換もしくは無置換の、アルキル基もしくはアリール基を表す。R1が有しても良い置換基の例としては前記R2の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0031】
好ましくはR1は、置換もしくは無置換のアルキル基である。R1の総炭素数はアルキル基の場合12以上60以下が好ましく、16以上50以下がより好ましく、18以上40以下がさらに好ましい。またアリール基の場合6以上60以下が好ましく、16以上50以下がより好ましく、18以上40以下がさらに好ましい。
【0032】
一般式(I)において、R3は置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。R3が有しても良い置換基の例としては前記R2の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0033】
好ましくは、R3は、置換もしくは無置換のアルキル基である。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが含まれる。これらアルキル基が有しても良い置換基の例としては前記R2の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0034】
一般式(I)において、Xは水素原子または置換基を表す。Xで表わされる置換基の例としては、前記R2の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環基が好ましく、水素原子、アリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロ環基(好ましくは、結合位が窒素原子であるヘテロ環基で、更に好ましくは該ヘテロ環基が、5員環のヘテロ環基である)が更に好ましい。なお、収率の観点からは、Xが水素原子であることが好ましい。
【0035】
次に本発明の一般式(II)で表される化合物を詳細に説明する。
【0036】
【化10】
【0037】
一般式(II)において、R1、R2、n及びXは一般式(I)において述べたものと同じものを表し、好ましい範囲も同様である。
【0038】
次に本発明の一般式(III)で表される化合物を詳細に説明する。
【0039】
【化11】
【0040】
一般式(III)において、R3は一般式(I)において述べたものと同じものを表し、好ましい範囲も同様である。
【0041】
次に、本発明では一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される炭酸エステルを塩基存在下で反応させる。
塩基としては、有機塩基(トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等)、金属水素化物(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシカリウム、t−ブトキシナトリウム等)、金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等)、炭酸塩基(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、カルボン酸塩基(酢酸ナトリウム等)等を挙げることができる。
これらのうち、好ましくは、アルカリ金属アルコキシドであり、更に好ましくは、下記一般式(IV)で表される化合物である。
【0042】
【化12】
【0043】
一般式(IV)において、R3は一般式(I)において述べたものと同じものを表し、好ましい範囲も同様である。Mはアルカリ金属で、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムで、さらに好ましくはナトリウムである。
【0044】
本発明で使用する塩基の量は、塩基の種類にもよるが、一般式(II)で表される化合物1モルに対して、0.8モル以上(さらに好ましくは0.8〜10モル)が好ましく、より好ましくは0.8〜5モル、更に好ましくは0.85〜2モルである。
塩基の使用量は、上記より更に好ましくは0.90〜1.5モルであり、0.95〜1.2モルが最も好ましい。
また、塩基は、一般式(II)で表される化合物の水素原子を解離させるのに必要である。
【0045】
本発明において一般式(I)で表される化合物のうち、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお活性メチレン部の水素原子が、活性メチレン部に結合したC=N部の窒素上に移動した互変異性体も本発明に含まれるものである。
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】
【化18】
【0052】
本発明において一般式(II)で表される化合物のうち、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
【化19】
【0054】
【化20】
【0055】
【化21】
【0056】
【化22】
【0057】
【化23】
【0058】
【化24】
【0059】
上記一般式(I)、(II)で挙げた具体例において、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基(−C6H5)をそれぞれ表す。
【0060】
本発明の反応においては、無溶媒で反応を行ってもよいが、好ましくは適当な溶媒に溶解または分散して行ってもよい。本発明の反応に用いることのできる溶媒としては、例えば水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、イソプロパノール)、塩素系溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、 N,N−ジメチルアセトアミド)、ウレイド系溶媒(例えば1,3―ジメチル−2―イミダゾリジノン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン)、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)、リン酸アミド系溶媒(例えば、ヘキサメチルホスホリックトリアミド)、炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)が挙げられる。
【0061】
これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量としては、一般式(II)で表される化合物の1質量部当たり、好ましくは0.1 〜1000質量部、より好ましくは0.5〜100質量部、さらに好ましくは1〜50質量部の割合で使用される。
【0062】
一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される化合物との反応においては、副生するアルコールを留去しながら行うのが好ましい。
本発明において、一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される化合物の量比(モル比)に特に制限はないが、好ましくは一般式(II)で表される化合物に対して一般式(III)で表される化合物を1〜10倍モルの量で用いる。
【0063】
本反応の反応温度としては特に制限はないが、通常−50℃から300℃の範囲であり、好ましくは−10℃から250℃の範囲であり、さらに好ましくは0℃から200℃の範囲である。
本発明において、反応圧力に特に制限はなく、通常常圧で行うことができる。
【0064】
本反応の反応時間としては特に制限はないが、通常1分から100時間の範囲であり、好ましくは10分から50時間の範囲であり、さらに好ましくは30分から10時間の範囲である。
本発明方法で得られる化合物は、例えば例示化合物(I−11)〜(I−15)などのように一般式(I)の基Xがカップリング離脱基である場合は、この化合物自体が色素形成カプラーであり、特にハロゲン化銀写真感光材料のイエローカプラーである。あるいは、一般式(I)の基Xが水素原子である場合は、例えば置換反応によりこの水素原子の位置にカップリング離脱基を導入し、該化合物をイエローカプラー等の色素形成カプラーに誘導することができる。
【0065】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0066】
(実施例) 例示化合物(I−9)の合成
化合物(II−9)2.35g(5.0mmol)、炭酸ジメチル0.90g(10.0mmol)、キシレン10mLの混合溶液にナトリウムメトキシド0.27g(5.0mmol)を加え、外温100℃で副生するメタノールを留去しながら3時間加熱した。このとき、化合物(I−9)はHPLC面積%(検出波長:254nm)で18%に達した。放冷後、酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により、0.27gの例示化合物(I−9)を得た。収率50%。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS)δ:11.72(s、1H)、7.80(d、1H)、7.61(dd、1H)、7.15(m、2H)、7.05(m、2H)、6.71(d、1H)、4.78(s、1H)、4.15(t、2H)、4.10(t、2H)、3.72(s、3H)、2.27(tt、2H)、1.88(q、2H)、1.65(q、2H)、1.40(s、6H)、1.30(s、6H)、0.67(t、3H)、0.63(t、3H)(エナミンフォーム)
【0067】
(参考例)中間体の例示化合物(II−9)の合成
対応する2−アミノベンゼンスルホンアミド体89.3gと酢酸12.0gを、オルト酢酸トリメチル76.4mL中で、副生するメタノールを留去しながら還流下5時間加熱撹拌した。放冷後、ヘキサンを加えて再結晶操作を行い、例示化合物(II−9)を白色結晶で得た。(80.5%)。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS)δ:7.90(d、1H)、7.68(dd、1H)、7.55(d、1H)、7.48(dd、1H)、7.20(s、1H),7.18(d、1H)、6.72(d、1H)、4.14(t、2H),4.05(t、2H)、2.55(s、3H)、2.35(tt、2H)、1.88(q、2H)、1.65(q、2H)、1.45(s、6H)、1.25(s、6H)、0.67(t、3H)、0.63(t、3H)
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、入手の容易な原料から、短工程で収率良く、1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物を製造する方法を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料に用いるイエローカプラーまたはその中間体として、また色素、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用な1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2位が置換もしくは無置換のアルキル基もしくはアリール基で3位が置換もしくは無置換のアルキル基である1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物は米国特許第3,841,880号(特許文献1)に記載のようにハロゲン化銀写真感光材料のイエローカプラーおよびその中間体、あるいは色素、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用である。前記米国特許第3,841,880号では2−アミノベンゼンスルホンアミド化合物とβ,β−ジアルコキシアクリル酸エステルを反応させる方法が開示されている。しかしながらこの方法では原料のβ,β−ジアルコキシアクリル酸エステルが高価でありその入手性にも問題があった。またJ.Chin.Chem.Soc.,45,805(1998)(非特許文献1)に記載のように2位(もしくは4位)が水素の1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物をアルキル化する方法も知られているが、この方法では2位アルキル体と4位アルキル体の混合物となる欠点があった。さらに、J.Med.Chem.,6,122(1963)(非特許文献2)、J.Org.Chem.,51,1967(1986)(非特許文献3)、Tetrahedron,39,2073(1983)(非特許文献4)では2−アミノベンゼンスルホンアミド化合物とオルトエステル化合物を反応させる方法が開示されている。しかしながらこの反応では原料のオルトエステルが、官能基(例えばアルコキシカルボニル基)を有する場合、合成が困難で収率も低いという問題があった。またHuaxue Shiji,21,235(1999)(非特許文献5)に記載のように2−アミノベンゼンスルホンアミド化合物をアシル化剤でアシル化した後オキシ塩化リンで環化させる方法は、工程数が長く、またアシル部分に官能基を有する場合には環化工程の収率が低いという問題があった。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第3,841,880号明細書(特に、2欄20行〜6欄48行)
【非特許文献1】
J.Chin.Chem.Soc.,45,805(1998)
【非特許文献2】
J.Med.Chem.,6,122(1963)
【非特許文献3】
J.Org.Chem.,51,1967(1986)
【非特許文献4】
Tetrahedron,39,2073(1983)
【非特許文献5】
Huaxue Shiji,21,235(1999)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ハロゲン化銀写真感光材料のイエローカプラーまたはその中間体として、また色素、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用な1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物を、入手の容易な原料から、短工程で収率良く製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法によって達成された。
1.下記一般式(II)で表される化合物と下記一般式(III)で表される炭酸エステルを塩基存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法。
【0006】
【化5】
【0007】
式中、R1は置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R3は置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。Xは水素原子または置換基を表す。
【0008】
【化6】
【0009】
式中、R1、R2、n及びXは一般式(I)で表される化合物のR1、R2、n及びXと同義である。
【0010】
【化7】
【0011】
式中、R3は一般式(I)で表される化合物のR3と同義である。
2.前記1項に記載されている塩基が下記一般式(IV)で表されるアルカリ金属アルコキシドであることを特徴とする、一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法。
一般式(IV)
【0012】
【化8】
【0013】
式中、Mはアルカリ金属を表す。R3は一般式(I)で表される化合物のR3と同義である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(I)で表される化合物を詳細に説明する。
【0015】
【化9】
【0016】
式中、R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R2で表わされる置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基等を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基等を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が挙げられる。複数のR2同士が結合して形成する環の例としては、脂環、芳香環またはヘテロ環等が挙げられる。
【0017】
なお、上述の置換基はさらに置換基で置換されていてもよく、該置換基としては上述の基が挙げられる。
【0018】
以下にR2で表わされる置換基の例を更に説明する。
これらの置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基{直鎖、分岐もしくは環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表わす。アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、シクロアルキル基[好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルが挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基も挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。]なども包含する。}、
【0019】
アルケニル基{直鎖、分岐もしくは環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表わす。アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基[好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)やトリシクロアルケニル基等の多環構造の基も挙げられる。好ましくは単環のシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。]なども包含する。}、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
【0020】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族性もしくは非芳香族性、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族性のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、イミダゾール−1−イル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
【0021】
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
【0022】
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
【0023】
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)、モノアシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−(n−オクチルオキシ)フェニルカルボニルアミノ)、ジアシルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基及び/又は炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基を有するジアシルアミノ基、例えば、ホルミルアセチルアミノ、アセチルベンゾイルアミノ、アセチルピバロイルアミノ、ラウロイルプロピオニルアミノ、ベンゾイルピバロイルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、
【0024】
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシ)フェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
【0025】
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ、1−メチルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、
【0026】
アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
【0027】
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
【0028】
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
【0029】
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の官能基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニルが挙げられる。
【0030】
一般式(I)においてR1は、置換もしくは無置換の、アルキル基もしくはアリール基を表す。R1が有しても良い置換基の例としては前記R2の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0031】
好ましくはR1は、置換もしくは無置換のアルキル基である。R1の総炭素数はアルキル基の場合12以上60以下が好ましく、16以上50以下がより好ましく、18以上40以下がさらに好ましい。またアリール基の場合6以上60以下が好ましく、16以上50以下がより好ましく、18以上40以下がさらに好ましい。
【0032】
一般式(I)において、R3は置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。R3が有しても良い置換基の例としては前記R2の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0033】
好ましくは、R3は、置換もしくは無置換のアルキル基である。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが含まれる。これらアルキル基が有しても良い置換基の例としては前記R2の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0034】
一般式(I)において、Xは水素原子または置換基を表す。Xで表わされる置換基の例としては、前記R2の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環基が好ましく、水素原子、アリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロ環基(好ましくは、結合位が窒素原子であるヘテロ環基で、更に好ましくは該ヘテロ環基が、5員環のヘテロ環基である)が更に好ましい。なお、収率の観点からは、Xが水素原子であることが好ましい。
【0035】
次に本発明の一般式(II)で表される化合物を詳細に説明する。
【0036】
【化10】
【0037】
一般式(II)において、R1、R2、n及びXは一般式(I)において述べたものと同じものを表し、好ましい範囲も同様である。
【0038】
次に本発明の一般式(III)で表される化合物を詳細に説明する。
【0039】
【化11】
【0040】
一般式(III)において、R3は一般式(I)において述べたものと同じものを表し、好ましい範囲も同様である。
【0041】
次に、本発明では一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される炭酸エステルを塩基存在下で反応させる。
塩基としては、有機塩基(トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等)、金属水素化物(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシカリウム、t−ブトキシナトリウム等)、金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等)、炭酸塩基(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、カルボン酸塩基(酢酸ナトリウム等)等を挙げることができる。
これらのうち、好ましくは、アルカリ金属アルコキシドであり、更に好ましくは、下記一般式(IV)で表される化合物である。
【0042】
【化12】
【0043】
一般式(IV)において、R3は一般式(I)において述べたものと同じものを表し、好ましい範囲も同様である。Mはアルカリ金属で、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムで、さらに好ましくはナトリウムである。
【0044】
本発明で使用する塩基の量は、塩基の種類にもよるが、一般式(II)で表される化合物1モルに対して、0.8モル以上(さらに好ましくは0.8〜10モル)が好ましく、より好ましくは0.8〜5モル、更に好ましくは0.85〜2モルである。
塩基の使用量は、上記より更に好ましくは0.90〜1.5モルであり、0.95〜1.2モルが最も好ましい。
また、塩基は、一般式(II)で表される化合物の水素原子を解離させるのに必要である。
【0045】
本発明において一般式(I)で表される化合物のうち、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお活性メチレン部の水素原子が、活性メチレン部に結合したC=N部の窒素上に移動した互変異性体も本発明に含まれるものである。
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】
【化18】
【0052】
本発明において一般式(II)で表される化合物のうち、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
【化19】
【0054】
【化20】
【0055】
【化21】
【0056】
【化22】
【0057】
【化23】
【0058】
【化24】
【0059】
上記一般式(I)、(II)で挙げた具体例において、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基(−C6H5)をそれぞれ表す。
【0060】
本発明の反応においては、無溶媒で反応を行ってもよいが、好ましくは適当な溶媒に溶解または分散して行ってもよい。本発明の反応に用いることのできる溶媒としては、例えば水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、イソプロパノール)、塩素系溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、 N,N−ジメチルアセトアミド)、ウレイド系溶媒(例えば1,3―ジメチル−2―イミダゾリジノン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン)、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)、リン酸アミド系溶媒(例えば、ヘキサメチルホスホリックトリアミド)、炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)が挙げられる。
【0061】
これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量としては、一般式(II)で表される化合物の1質量部当たり、好ましくは0.1 〜1000質量部、より好ましくは0.5〜100質量部、さらに好ましくは1〜50質量部の割合で使用される。
【0062】
一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される化合物との反応においては、副生するアルコールを留去しながら行うのが好ましい。
本発明において、一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される化合物の量比(モル比)に特に制限はないが、好ましくは一般式(II)で表される化合物に対して一般式(III)で表される化合物を1〜10倍モルの量で用いる。
【0063】
本反応の反応温度としては特に制限はないが、通常−50℃から300℃の範囲であり、好ましくは−10℃から250℃の範囲であり、さらに好ましくは0℃から200℃の範囲である。
本発明において、反応圧力に特に制限はなく、通常常圧で行うことができる。
【0064】
本反応の反応時間としては特に制限はないが、通常1分から100時間の範囲であり、好ましくは10分から50時間の範囲であり、さらに好ましくは30分から10時間の範囲である。
本発明方法で得られる化合物は、例えば例示化合物(I−11)〜(I−15)などのように一般式(I)の基Xがカップリング離脱基である場合は、この化合物自体が色素形成カプラーであり、特にハロゲン化銀写真感光材料のイエローカプラーである。あるいは、一般式(I)の基Xが水素原子である場合は、例えば置換反応によりこの水素原子の位置にカップリング離脱基を導入し、該化合物をイエローカプラー等の色素形成カプラーに誘導することができる。
【0065】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0066】
(実施例) 例示化合物(I−9)の合成
化合物(II−9)2.35g(5.0mmol)、炭酸ジメチル0.90g(10.0mmol)、キシレン10mLの混合溶液にナトリウムメトキシド0.27g(5.0mmol)を加え、外温100℃で副生するメタノールを留去しながら3時間加熱した。このとき、化合物(I−9)はHPLC面積%(検出波長:254nm)で18%に達した。放冷後、酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により、0.27gの例示化合物(I−9)を得た。収率50%。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS)δ:11.72(s、1H)、7.80(d、1H)、7.61(dd、1H)、7.15(m、2H)、7.05(m、2H)、6.71(d、1H)、4.78(s、1H)、4.15(t、2H)、4.10(t、2H)、3.72(s、3H)、2.27(tt、2H)、1.88(q、2H)、1.65(q、2H)、1.40(s、6H)、1.30(s、6H)、0.67(t、3H)、0.63(t、3H)(エナミンフォーム)
【0067】
(参考例)中間体の例示化合物(II−9)の合成
対応する2−アミノベンゼンスルホンアミド体89.3gと酢酸12.0gを、オルト酢酸トリメチル76.4mL中で、副生するメタノールを留去しながら還流下5時間加熱撹拌した。放冷後、ヘキサンを加えて再結晶操作を行い、例示化合物(II−9)を白色結晶で得た。(80.5%)。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS)δ:7.90(d、1H)、7.68(dd、1H)、7.55(d、1H)、7.48(dd、1H)、7.20(s、1H),7.18(d、1H)、6.72(d、1H)、4.14(t、2H),4.05(t、2H)、2.55(s、3H)、2.35(tt、2H)、1.88(q、2H)、1.65(q、2H)、1.45(s、6H)、1.25(s、6H)、0.67(t、3H)、0.63(t、3H)
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、入手の容易な原料から、短工程で収率良く、1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物を製造する方法を提供できる。
Claims (2)
- 下記一般式(II)で表される化合物と下記一般式(III)で表される炭酸エステルを塩基存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法。
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