JP2005289982A - 1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法 - Google Patents

1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法 Download PDF

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潔 竹内
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Abstract

【課題】入手の容易な原料から、短工程かつ温和な反応条件で高収率に、2位がそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基で、かつ3位がアルコキシカルボニルメチル基である1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(III)で表される化合物と下記一般式(IV)で表される化合物とを酸の存在下に反応させて下記一般式(II)で表される化合物を合成した後、該一般式(II)で表される化合物を塩基存在下に閉環反応させる、下記一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法。
【化1】
Figure 2005289982

(一般式(I)〜(IV)において、R1はそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき、複数のR2はそれぞれ同じでも異なってもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R3およびR4は各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法に関するものであり、特に、ハロゲン化銀写真感光材料用イエローカプラー、およびその合成中間体、並びに色素、染料、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用な1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法に関するものである。
2位が置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基で3位がアルコキシカルボニルメチル基である1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物はハロゲン化銀写真感光材料のイエローカプラーおよびその合成中間体、あるいは色素、染料、医薬品、農薬、電子材料等の合成中間体として有用である。これらの化合物の合成方法としては、これまで2−アミノベンゼンスルホンアミド化合物とβ,β−ジアルコキシアクリル酸エステルもしくはイミダート化合物を反応させる方法が知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。しかしながら、これらの方法では収率が低いという問題点があった。また、2−アミノベンゼンスルホンアミド化合物とオルトエステル化合物を反応させる方法も知られているが、3位がアルコキシカルボニルメチル基である1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の例についてはなかった(特許文献3、非特許文献1、非特許文献2参照)。
米国特許第3,841,880号明細書 特開2003−286272号公報 特開2003−286273号公報 ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.),6巻,122頁(1963年) ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),51巻,1967頁(1986年)
従って、本発明の目的は、入手容易な原料から、短工程かつ温和な反応条件で高収率に2位がそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基で、かつ3位がアルコキシカルボニルメチル基である1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討した結果、下記の手段で前記課題が解決されることを見出した。(1)下記一般式(III)で表される化合物と下記一般式(IV)で表される化合物とを酸の存在下に反応させて下記一般式(II)で表される化合物を合成した後、該一般式(II)で表される化合物を塩基の存在下に閉環反応させることを特徴とする、下記一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法。
Figure 2005289982
(式中、R1はそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R3は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。)
Figure 2005289982
(式中、R1はそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R3は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R4は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。)
Figure 2005289982
(式中、R1はそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 2005289982
(式中、R3は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R4は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R4は互いに同じであっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。)
(2)前記一般式(I)、一般式(II)および一般式(IV)で表される化合物において、R3が炭素数1以上4以下の無置換のアルキル基であることを特徴とする(1)に記載の製造方法。
(3)前記一般式(II)および一般式(IV)で表される化合物において、R4が炭素数1以上4以下の無置換のアルキル基であることを特徴とする(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記一般式(I)、一般式(II)および一般式(IV)で表される化合物において、R3およびR4がともにエチル基であることを特徴とする(1)に記載の製造方法。
本発明によれば、入手容易な原料から、短工程かつ温和な反応条件で高収率に2位がそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基で、かつ3位がアルコキシカルボニルメチル基である1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物を製造することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(I)で表される化合物を詳細に説明する。
式中、R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R2で表される置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が挙げられる。
なお、上述の置換基はさらに置換基で置換されていてもよく、該置換基としては上述の基が挙げられる。
以下にR2で表される置換基の例を更に説明する。
これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルが挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。)、
アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル))、やトリシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、
アルキルまたはアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキルまたはアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリールまたはヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
R2は、好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アシル基、アシルオキシ基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基である。
nは0以上4以下の整数を表わすが、好ましくは、0以上3以下の整数、さらに好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である。
一般式(I)において、R1は、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。ここで、置換アルキル基や置換アリール基における置換基の例としては、前記R2の置換基が挙げられる。
R1の総炭素数は、アルキル基の場合、1以上60以下が好ましく、1以上50以下がより好ましく、1以上40以下がさらに好ましい。一方、アリール基の場合、6以上60以下が好ましく、6以上50以下がより好ましく、6以上40以下がさらに好ましい。
R1は、好ましくは置換もしくは無置換のアルキル基であり、無置換のアルキル基またはアルコキシ基が置換したアルキル基がより好ましく、オクタデシル基または3−ブトキシプロピル基がさらに好ましい。
一般式(I)において、R3は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。置換アルキル基における置換基としては、前述のR2で挙げた基が挙げられる。
R3は、好ましくは炭素数1以上30以下(好ましくは炭素数1以上20以下、さらに好ましくは炭素数1以上10以下)の置換もしくは無置換のアルキル基で、より好ましくは無置換のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1以上4以下の無置換のアルキル基であり、エチル基が最も好ましい。
次に、本発明の一般式(II)で表される化合物を詳細に説明する。
一般式(II)において、R1、R2、R3およびnは一般式(I)において述べたものと同じものを表し、好ましい範囲も同様である。一般式(II)において、R4は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R4は、好ましくは炭素数1以上30以下(好ましくは炭素数1以上20以下、さらに好ましくは炭素数1以上10以下)の置換もしくは無置換のアルキル基で、より好ましくは無置換のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1以上4以下の無置換のアルキル基であり、エチル基が最も好ましい。
なお、一般式(II)で表される化合物の−N=C(OR4)−CH2−結合のメチレン基上の水素原子が1,2,4−ベンゾチアジアジン−1,1−ジオキシド環上の4位の窒素原子上に移動して、−NH−C(OR4)=CH−結合となった互変異性体も本発明に含まれる。本明細書に記載された化学構造式は便宜上これらの互変異性体の一つを記載したものであり、いずれの互変異性体も本発明に包含される。
次に、本発明の一般式(III)で表される化合物を詳細に説明する。
一般式(III)において、R1、R2、nは一般式(I)において述べたものと同じものを表し、好ましい範囲も同様である。
次に、本発明の一般式(IV)で表される化合物を詳細に説明する。
一般式(IV)において、R3は一般式(I)において述べたものと同じものを表し、好ましい範囲も同様である。R4は一般式(II)において述べたものと同じものを表し、好ましい範囲も同様である。なお、一般式(IV)において、複数存在するR4は、互いに同一であっても異なってもよく、複数のR4が互いに結合して環を形成してもよい。本発明においては、同一分子中のR4は、いずれも同じものが好ましい。
一般式(I)で表される化合物には、置換基の種類に応じて1個または2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、これらの不斉炭素に基づく任意の光学異性体またはジアステレオ異性体はいずれも本発明の範囲に包含される。また、純粋な形態の異性体のほか、それらの任意の混合物、ラセミ体なども本発明の範囲に包含される。本発明の上記化合物が1個または2個以上の二重結合を含む場合には、これらの二重結合に基づく任意の幾何異性体も本発明の範囲に包含される。
本発明において、一般式(I)で表される化合物のうち、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、活性メチレン部の水素原子(基R3−O−C(=O)−が置換した炭素原子上の水素原子)が1,2,4−ベンゾチアジアジン−1,1−ジオン環中のC=N部の窒素原子(該環の4位の窒素原子)上に移動した互変異性体(エナミンフォーム)も本発明に包含される。本明細書に記載された化学構造式は便宜上これらの互変異性体の一つを記載したものであり、いずれの互変異性体も本発明に包含される。
Figure 2005289982
Figure 2005289982
Figure 2005289982
Figure 2005289982
Figure 2005289982
Figure 2005289982
以下に一般式(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005289982
Figure 2005289982
Figure 2005289982
Figure 2005289982
以下に、一般式(IV)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005289982
Figure 2005289982
なお、以降の説明において、上記の例示化合物を引用する場合、それぞれの例示化合物に付された括弧書きの番号(X)を用いて、「例示化合物(X)」と表示する。
以下に、本発明の製造方法を説明する。
本発明の、前記一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法は、前記一般式(III)で表される化合物と前記一般式(IV)で表される化合物とを酸存在下に反応させて、前記一般式(II)で表される化合物を合成した後、該一般式(II)で表される化合物を塩基の存在下に閉環反応させる方法である。
なお、本発明においては、一旦生成する前記一般式(II)で表される中間体を単離せずに、1ポットで引き続き反応を行うことにより、前記一般式(I)で表される化合物を製造してもよいし、前記一般式(II)で表される中間体を一旦単離あるいは抽出、濃縮等の操作により反応混合物として得てから、さらに、該中間体あるいは反応混合物を閉環反応に付して前記一般式(I)で表される化合物を製造してもよい。
本発明で使用される一般式(III)で表される化合物および一般式(IV)で表される化合物は、既知の種々の方法によって合成できる。
一般式(III)で表される化合物は、最も一般的にはオルトニトロベンゼンスルホニルクロライド類とアミン類を反応させた後、ニトロ基を還元することにより、容易に合成できる。
一般式(IV)で表される化合物は、最も一般的にはイミダート類をアルコールの存在下で反応させることにより容易に合成できる。
一般式(IV)で表される化合物は、加水分解を受けてマロン酸ジエステルとアルコールに容易に分解しやすい性質を有している。一般式(IV)で表される化合物は、本発明の製造方法において使用する直前に製造および精製しても良いし、あらかじめ製造したものを保存して使用しても良い。保存方法としては、そのまま保存しても良いし、分解を抑制する施策を用いて保存しても良い。分解を抑制する施策としては、分解反応を遅くするために低温で保存すること、水分の混入を防ぐために密閉すること、分解反応を抑制する化合物(分解抑制化合物)を共存させることなどが挙げられる。これらを組み合わせて行なうこともできる。
分解抑制化合物としては、モレキュラーシーブス、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの脱水剤、トリエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの塩基性化合物などが挙げられる。
一般式(IV)で表される化合物を本発明の製造方法を含む合成反応に用いる場合において、分解抑制化合物が目的とする合成反応および/または、それ以降の反応に悪影響を与えてしまうことがある。このような場合、分解抑制化合物をあらかじめ取り除いてから使用することが望ましい。一般式(IV)で表される化合物と均一に混合する分解抑制化合物を用いた場合、分離操作は容易でないため、容易に取り除くことができる分解抑制化合物を用いることが好ましい。例えば、一般式(IV)で表される化合物と混合せず、濾過操作によって取り除くことができるものが好ましい。目的とする合成反応および/または、それ以降の反応に悪影響を及ぼさない場合には、分解抑制化合物を含んだまま使用しても良いし、上記と同様に分解抑制化合物を取り除く操作を行なっても良い。
分解抑制化合物として好ましくは硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウムである。特に好ましくは酢酸ナトリウムである。
本発明の製造方法において、一般式(IV)で表される化合物は、上記のいずれの保存方法で保存したものでも用いることができる。
本発明の製造方法においては、一般式(III)で表される化合物の合成段階から一般式(I)で表される化合物自身を合成する工程を、途中の中間体を単離することなく、または/および、単に反応液を抽出、濃縮等の操作で得た反応混合物を使用して、製造することもできる。
具体的には、一般式(III)で表される化合物を合成するための出発原料のオルトニトロベンゼンスルホニルクロライド類とアミン類を反応させた後、単離せずにニトロ基を還元し、生成した一般式(III)で表されるアニリン化合物を単離することなく引き続き一般式(IV)で表される化合物と反応させ、一旦できる一般式(II)で表される中間体を単離せずに、1ポット(同一反応釜)で引き続き反応を行って一般式(I)で表される化合物を製造してもよいし、一般式(II)で表される中間体を一旦単離あるいは抽出、濃縮等の操作により反応混合物を得てから、さらに、この得られた中間体あるいは反応混合物を閉環反応させて一般式(I)で表される化合物を製造してもよい。生産性向上および製造コスト低減のためには、これらの反応工程を全て1ポットで行うのが好ましい。
本発明で使用する一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物とは、一般に一般式(III)で表わされる化合物:一般式(IV)で表わされる化合物が、モル比で10:1〜1:100のモル比で使用され、好ましくは10:1〜1:10のモル比で使用され、さらに好ましくは5:1〜1:5のモル比で使用され、特に好ましくは1:1〜1:3のモル比で使用される。
本発明の製造方法における反応は、無溶媒で反応を行ってもよいが、好ましくは適当な溶媒に溶解または分散して行ってもよい。本発明の反応に用いることのできる溶媒としては、例えば水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、イソプロパノール)、塩素系溶媒(例えばジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン)、アミド系溶媒(例えば、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド)、ウレイド系溶媒(例えば1,3―ジメチル−2―イミダゾリジノン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン)、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)、リン酸アミド系溶媒(例えば、ヘキサメチルホスホリックトリアミド)、炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)が挙げられる。
これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量としては、一般式(III)で表される化合物の1質量部当たり、もしくは一般式(II)で表される中間体1質量部当たり、好ましくは0.1 〜1000質量部、より好ましくは0.5〜100質量部、さらに好ましくは1〜50質量部の割合で使用される。
一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物との反応においては、芳香族系溶媒を用いることが好ましく、トルエン、キシレンがより好ましい。また一般式(II)で表される中間体から一般式(I)で表される化合物を合成する段階においても、芳香族系溶媒が好ましく、トルエン、キシレンがより好ましい。
一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物との反応において使用される酸としては、無機酸類(塩化水素、臭化水素、沃化水素、硫酸、炭酸等)、有機カルボン酸類(酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸等)、有機スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等)等が挙げられる。より好ましい酸は、硫酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸であり、基質によって選択される。
一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物との反応において、一般式(III)で表される化合物と酸のモル比は、一般に一般式(III)で表わされる化合物:酸が、モル比で1:0.001〜1:100のモル比で使用され、好ましくは1:0.001〜1:50のモル比で使用され、さらに好ましくは1:0.001〜1:10のモル比で使用され、特に好ましくは1:0.001〜1:3のモル比で使用される。
一般式(II)で表される中間体から一般式(I)で表される化合物を合成する反応において使用する塩基は、有機塩基(トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等)、金属水素化物(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、金属アルコキサイド(ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、t−ブトキシカリウム、t−ブトキシナトリウム等)、金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等)、炭酸塩基(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、カルボン酸塩基(酢酸ナトリウム等)等を挙げることができる。
より好ましい塩基は1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DBU)、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、t−ブトキシカリウム、t−ブトキシナトリウムであり、基質により選択される。
一般式(II)で表される化合物を塩基の存在下で閉環する反応において、一般式(II)で表される化合物と塩基のモル比は、一般に一般式(II)で表わされる化合物:塩基が、モル比で1:0.001〜1:100のモル比で使用され、好ましくは1:0.01〜1:50のモル比で使用され、さらに好ましくは1:0.01〜1:10のモル比で使用され、特に好ましくは1:0.01〜1:3のモル比で使用される。
一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物との反応において、反応温度としては特に制限はないが、0℃から300℃の範囲で実施可能であり、好ましくは10℃から250℃の範囲で実施でき、さらに好ましくは20℃から200℃の範囲で実施でき、基質により選択される。
また、一般式(II)で表される中間体から一般式(I)で表される化合物を合成する工程において、反応温度は特に制限はないが、0℃から300℃の範囲で実施可能であり、好ましくは10℃から250℃の範囲で実施でき、さらに好ましくは20℃から200℃の範囲で実施でき、基質により選択される。
一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物との反応において、反応時間としては、1分から50時間の範囲で実施可能であり、好ましくは1分から20時間の範囲で実施でき、さらに好ましくは1分から5時間の範囲で実施でき、基質により選択される。
また、一般式(II)で表される中間体から一般式(I)で表される化合物を合成する反応において、反応時間としては、10分から50時間の範囲で実施可能であり、好ましくは10分から20時間の範囲で実施でき、さらに好ましくは10分から10時間の範囲で実施でき、基質により選択される。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、各実施例において収率とは、それぞれ一般式(III)で表される化合物又はその前駆体(ニトロ化合物)からの総収率である。
実施例1
<例示化合物(8)の合成>
例示化合物(8)は、以下に示す通りに合成した。
Figure 2005289982
化合物(A−1)10.0g(23.6ミリモル)、3,3,3−トリエトキシプロピオン酸エチル(A−0)6.63g(28.3ミリモル)およびp−トルエンスルホン酸1水和物0.045g(0.24ミリモル)にトルエン20mlを加え、加熱還流を30分行った。t−ブトキシナトリウム0.226g(2.4ミリモル)を添加した後、加熱還流を5時間行った。反応液を冷却して室温とした後、希塩酸を加えて中和し、酢酸エチルを30ml加えた。有機溶媒層を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。メタノールにて晶析して目的の例示化合物(8)を11.4gを得た。
収率92.5%。m.p.80〜81℃。
1H−NMR(300MHz、CDCl
11.72(s、1H)、7.78(d、1H)、7.58(t、1H)、7.19(t、1H)、7.10(d、1H)、4.61(s、1H)、4.20(q、2H)、3.77(t、2H)、1.86〜1.71(m、2H)、1.40〜1.20(m、33H)、0.90(t、3H):(エナミンフォーム)
実施例2
<例示化合物(8)の合成>
例示化合物(8)は、以下に示す通り合成した。
Figure 2005289982
オクタデシルアミン30g(0.111モル)、トリエチルアミン15.8ml(0.113モル)にキシレン150mlを加え、30℃に加熱した。この溶液にオルトニトロベンゼンスルホニルクロライド(S−1)24.7g(0.111モル)を分割添加すると発熱により50℃まで達した。60℃で2時間撹拌した後、温水で2回洗浄して化合物(S−2)を含むトルエン溶液を得た。この溶液を500mlのオートクレーブに移し、エタノール30ml、Ra−Ni(ラニーニッケル触媒)5gを加えた。水素ガスを50kg/cm充填し80℃で2時間撹拌を行った。理論量の水素圧が消費されたのを確認し、触媒を減圧濾過により除去した。この溶液に含まれるエタノールを減圧下で留去した。この残渣に、3,3,3−トリエトキシプロピオン酸エチル(A−0)31.2g(0.133モル)およびp−トルエンスルホン酸1水和物0.212g(1.11ミリモル)を加え、加熱還流を30分行った。t−ブトキシナトリウム1.07g(11.1ミリモル)を添加した後、加熱還流を5時間行った。反応液を冷却して室温とした後、希塩酸を加えて中和し、酢酸エチルを150ml加えた。有機溶媒層を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。メタノール180mlにて晶析して目的の例示化合物(8)51.4gを得た。
収率88.6%。
実施例3
<例示化合物(10)の合成>
例示化合物(10)は、以下に示す通り合成した。
Figure 2005289982
化合物(B−1)10.0g(22.4ミリモル)、3,3,3−トリエトキシプロピオン酸エチル(A−0)6.30g(26.9ミリモル)およびp−トルエンスルホン酸1水和物0.043g(0.224ミリモル)にトルエン20mlを加え、加熱還流を30分行った。t−ブトキシナトリウム0.215g(2.24ミリモル)を添加した後、加熱還流を5時間行った。反応液を冷却して室温とした後、希塩酸を加え中和し、酢酸エチルを20ml加えた。有機溶媒層を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。メタノールにて晶析して目的の例示化合物(10)10.4gを得た。
収率85.2%。m.p.76〜77℃。
1H−NMR(300MHz、CDCl
11.82(s、1H)、7.77(d、1H)、7.56(t、1H)、7.22〜7.05(m、4H)、6.73(d、1H)、4.80(s、1H)、4.20(q、2H)、4.10〜3.98(m、4H)、2.38〜2.26(m、2H)、1.87(q、2H)、1.60(q、2H)、1.39(s、6H)、1.30(t、3H)、1.26(s、6H)、0.65(q、6H):(エナミンフォーム)
実施例4
<例示化合物(6)の合成>
例示化合物(6)は、下記に示す通り合成した。
Figure 2005289982
3−ブトキシプロピルアミン181.2g(1.38モル)、トリエチルアミン198.2ml(1.42モル)、トルエン840mlの溶液に氷冷撹拌下、オルトニトロベンゼンスルホニルクロライド(S−1)300.0g(1.35モル)を少量づつ添加した。反応系の温度を40℃まで昇温し、さらに1時間撹拌した。塩酸50ml、水750mlを加えて分液し、有機層を重曹水750mlで洗浄し、化合物(S−3)の反応液を得た。
8.5gの10%Pd/C、水50mlの混合物に上記化合物(S−3)の反応液およびトルエン100mlを添加し、40℃にて80%抱水ヒドラジン165g、水50mlを1時間かけて滴下し、さらに45℃にて1時間撹拌した。セライト濾過してトルエン350ml、イソプロパノール500ml、水1.5リットルで洗浄した後分液し、有機層を水500mlで2度洗浄し、化合物(C−1)の反応液を得た。減圧濃縮して溶媒800mlを留去した後、トルエン400ml、3,3,3−トリエトキシプロピオン酸エチル(A−0)379.6g(1.62モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物2.6g(0.0137モル)を添加し、85℃で30分間撹拌した。さらに90%ナトリウムエトキシド13.8gを加え、120℃で4時間加熱撹拌した。冷却後、塩酸25ml、水500mlを加えて分液し、さらにp−トルエンスルホン酸1水和物50g、水500mlを加えて洗浄した。減圧濃縮して溶媒を留去した後、メタノール600ml、水30mlを加えて晶析し、さらにメタノール100ml、水110mlを滴下して0℃まで冷却した。吸引濾過してメタノール−水で洗浄し、目的の例示化合物(6)454.6gを得た。
収率88.0%。m.p.52〜53℃。
1H−NMR(300MHz、CDCl
11.81(s、1H)、7.77(d、1H)、7.56(t、1H)、7.16(t、1H)、7.08(d、1H)、4.80(s、1H)、4.20(q、2H)、3.92(t、2H)、3.47(t、2H)、3.38(t、2H)、2.10〜2.00(m、2H)、1.62〜1.51(m、2H)、1.50〜1.25(m、5H)、0.93(t、3H):(エナミンフォーム)
実施例5
<例示化合物(7)、(9)および(12)の合成>
例示化合物(7)および(9)も、対応する原料を変更することによって、実施例1に記載の方法で、また例示化合物(12)も対応する原料を変更することによって、実施例4に記載の方法で、それぞれ同様に収率よく得ることができた。
実施例6
<例示化合物(6)の合成:分解抑制化合物を用いて保存した化合物(A−0)を用いた合成>
実施例4で行なった例示化合物(6)の合成において、(A−0)は分解抑制化合物として酢酸ナトリウムを併用して保存したものを用いて合成を行なった。
(A−0)を合成した際、酢酸ナトリウムを(A−0)に対して5質量%添加し、室温で1ヶ月間保存した。保存後に(A−0)は分解していないことをガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーやNMRによって確認した。酢酸ナトリウムを濾過して取り除いた保存後の(A−0)を用いたこと以外は実施例4と全く同様にして反応を行なったところ、収率86%で例示化合物(6)が得られた。

Claims (4)

  1. 下記一般式(III)で表される化合物と下記一般式(IV)で表される化合物とを酸の存在下に反応させて下記一般式(II)で表される化合物を合成した後、該一般式(II)で表される化合物を塩基の存在下に閉環反応させることを特徴とする、下記一般式(I)で表される1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法。
    Figure 2005289982
    (式中、R1はそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R3は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。)
    Figure 2005289982
    (式中、R1はそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R3は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R4は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。)
    Figure 2005289982
    (式中、R1はそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。)
    Figure 2005289982
    (式中、R3は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R4は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R4は互いに同じであっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。)
  2. 前記一般式(I)、一般式(II)および一般式(IV)で表される化合物において、R3が炭素数1以上4以下の無置換のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記一般式(II)および一般式(IV)で表される化合物において、R4が炭素数1以上4以下の無置換のアルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記一般式(I)、一般式(II)および一般式(IV)で表される化合物において、R3およびR4がともにエチル基であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。

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