JP4267944B2 - 3−アミノ−5−ピラゾロン化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は3−アミノ−5−ピラゾロン化合物の製造方法に関するものであり、さらに詳細には写真用カプラー、写真用添加剤、染料、医薬および農薬などとして、あるいはこれらの中間体として有用な、4位に置換基を有する3−アミノ−5−ピラゾロン化合物の製造法、特に2−シアノ−2−(1−ピラゾリル)酢酸エステル化合物を用いた製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
4位に置換基を有する3−アミノ−5−ピラゾロン化合物は、写真用カプラー、写真用添加剤、医薬および農薬などとして、あるいはこれらの中間体として有用であり、このなかでも特に、マゼンタ色像形成2当量カプラーは、減色法カラー写真のマゼンタカプラーとして特に有用であり(例えば、特許文献1参照。)、その製造法は盛んに研究されてきた。
特に、3−アミノ−4−ピラゾリル−5−ピラゾロン化合物の従来の製造方法は4位に置換基を有さない3−アミノー5−ピラゾロン化合物を合成し、この4位をハロゲン化した後にピラゾール置換する方法である。このため、3位のアミノ基の保護、脱保護が必要であり、工程数が長く、更に上記のピラゾールによる置換反応が低収率である(例えば、特許文献2および3参照。)ことから、さらなる改善が求められていた。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第4,367,282号
【特許文献2】
特開昭62−70363号公報
【特許文献3】
特開2002−338548号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、写真用カプラー、写真用添加剤、医薬および農薬などとして、あるいはこれらの中間体として有用な、4位に置換基を有する3−アミノ−5−ピラゾロン化合物の安価、簡便で高収率な製造方法、特に2−シアノ−2−(1−ピラゾリル)酢酸エステル化合物を用いた製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者(ら)は、鋭意検討の結果、以下の手段により上記目的が達成されることを見出した。すなわち、
【0006】
<1> 下記一般式(II)で表される化合物と、下記一般式(III)で表される化合物をTaCl 5 またはVCl 3 の存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(IV)で表される化合物の製造方法。
【0007】
【化7】
(一般式(II)中、R21は置換もしくは無置換のピラゾール環基または置換もしくは無置換のイミダゾール環基を表し、R22は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。一般式(III)中、R31は水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。一般式(IV)中、R21は一般式(II)と同義であり、R31は一般式(III)と同義である。)
【0009】
<2> 前記一般式(IV)で表される化合物が下記一般式(VI)で表される化合物であることを特徴とする上記<1>に記載の製造方法。
【0010】
【化8】
(一般式(VI)において、R11はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、シリルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはホスフィノ基を表し、R31は水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、n11は0〜3の整数を表す。)
【0011】
<3> 前記一般式(III)で表される化合物が、下記一般式(VII)で表される化合物であり、前記一般式(IV)または一般式(VI)で表される化合物が下記一般式(VIII)であることを特徴とする、上記<1>または<2>に記載の製造方法。
【0012】
【化9】
(一般式(VII)および一般式(VIII)において、R11 はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、シリルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはホスフィノ基を表し、R71はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シリル基、ヒドロキシル基、シリルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはホスフィノ基を表し、n11は0〜3の整数を表し、n71は0〜5の整数を表す。n11が2以上のとき複数のR11は同一でも異なってもよく、また、n71が2以上のとき複数のR71は同一でも異なってもよい。)
<4> 前記R 31 が2,4,6−トリクロロフェニル基または2,5−ジクロロフェニル基であることを特徴とする、上記<1>または<2>に記載の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
1.本発明における基の説明
1)脂肪族基
本発明の脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。
【0014】
(アルキル基、置換アルキル基)
アルキル基は直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、また環を形成(即ち、シクロアルキル基である)していてもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜18であることが更に好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。
【0015】
(アルケニル基、置換アルケニル基)
アルケニル基は直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、また環を形成(即ち、シクロアルケニル基である)していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルケニル基もアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。
【0016】
(アルキニル基、置換アルキニル基)
アルキニル基は直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、また環を形成(即ち、シクロアルキニル基である)していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は上記アルキニル基と同様である。
【0017】
(アラルキル基および置換アラルキル基)
アラルキル基は置換アルキル基に属するものであり、特に断らない限り、本発明においても置換アルキル基に含まれる。しかしながら、置換アルキル基のなかでも特に好ましいもの等として、アラルキル基、置換アラルキル基を使用することがある。
このような場合、以下の意味で使用する。
アラルキル基および置換アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分は下記アリール基と同様である。
【0018】
(置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基における置換基)
置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例を以下に挙げる。
ハロゲン原子:例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子。
アルキル基:直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を1個取り去った1価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。
以下に説明する置換基の中のアルキル部(例えばアルキルチオ基のアルキル部)もこのような概念のアルキル部を表す。
【0019】
アルケニル基:直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を1個取り去った1価の基である。例えば、2−シクロペンテンー1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を1個持つビシクロアルケンの水素原子を1個取り去った1価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。
【0020】
アルキニル基:好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル。
アリール基:好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル。
ヘテロ環基:好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル。
【0021】
シアノ基
ヒドロキシル基
ニトロ基
カルボキシル基
アルコキシ基:好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ。
アリールオキシ基:好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ。
シリルオキシ基:好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ。
ヘテロ環オキシ基:好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ。
【0022】
アシルオキシ基:好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ。
カルバモイルオキシ基:好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、カルバモイルオキシ、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ。
【0023】
アルコシキカルボニルオキシ基:好ましくは、総炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルオキシカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ。
アリールオキシカルボニルオキシ基:好ましくは、総炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ。
【0024】
アミノ基:好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基およびジアリールアミノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチルーアニリノ、ジフェニルアミノ。
アシルアミノ基:好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えばホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ。
【0025】
アミノカルボニルアミノ基:好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ。
アルコキシカルボニルアミノ基:好ましくは総炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルメトキシカルボニルアミノ。
【0026】
アリールオキシカルボニルアミノ基:好ましくは、総炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ。
スルファモイルアミノ基:好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えばスルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ。
【0027】
アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基:好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ。
メルカプト基
アルキルチオ基:好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ。
アリールチオ基:好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ。
【0028】
ヘテロ環チオ基:好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ。
スルファモイル基:好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル。
スルホ基
【0029】
アルキルまたはアリールスルフィニル基:好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル。
アルキルまたはアリールスルホニル基:好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル。
アシル基:好ましくはホルミル基、総炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、総炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、総炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル。
【0030】
アリールオキシカルボニル基:好ましくは総炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル。
アルコキシカルボニル基:好ましくは、総炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル。
カルバモイル基:好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル。
【0031】
アリールまたはヘテロ環アゾ基:好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ。
イミド基:好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド。
ホスフィノ基:好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ。
【0032】
ホスフィニル基:好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル。
ホスフィニルオキシ基:好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフェニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ。
【0033】
ホスフィニルアミノ基:好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ。
シリル基:好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル。
【0034】
(更に置換されてもよい基)
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としてはアルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニルが挙げられる。
【0035】
置換アラルキル基のアリール部分の置換基の例は、下記置換アリール基の置換基の例と同様である。
【0036】
2)芳香族基
本明細書における芳香族基は、アリール基および置換アリール基を意味する。
また、これらの芳香族基は脂肪族環、他の芳香族環または複素環が縮合していてもよい。芳香族基の炭素原子数は6〜40が好ましく、6〜30が更に好ましく、6〜20が更に好ましい。またその中でもアリール基としては置換基を有してもよいフェニル基またはナフチル基であることが好ましく、置換基を有してもよいフェニル基が特に好ましい。
【0037】
置換アリール基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。置換アリール基の置換基の例としては、先に置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例として挙げたものと同様である。
【0038】
3)複素環基
本明細書における複素環基は、5員または6員の飽和または不飽和複素環を含むことが好ましい。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
複素環のヘテロ原子の例にはB、N、O、S、SeおよびTeが含まれる。ヘテロ原子としてはN、OおよびSが好ましい。複素環は炭素原子数が遊離の原子価(1価)を有する(複素環基は炭素原子において結合する)ことが好ましい。好ましい複素環基の炭素原子数は1〜40であり、より好ましくは1〜30であり、更に好ましくは1〜20である。
飽和複素環の例には、ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,3−ジオキソラン環および1,3−チアゾリジン環が含まれる。不飽和複素環の例には、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環およびプリン環が含まれる。複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、先に置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例として挙げたものと同様である。
【0039】
2.一般式(I)〜(VIII)で表される化合物
次に、本発明で使用される一般式(I)〜(VIII)で表される化合物について説明する。
1)一般式(I)で表される化合物
【化10】
上記一般式(I)において、R11はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、シリルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはホスフィノ基を表す。
好ましいR11 はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シリルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基であり、更により好ましくはハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシ基である。
また、更に好ましいR11はフッ素原子、塩素原子、無置換のアルキル基および無置換のアルコキシ基であり、更に好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、最も好ましいR11はメチルである。
【0040】
R12は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、これらは前記の1で説明したのと同義である。好ましいR12はアルキル基およびアリール基であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基および炭素数6〜8のアリール基であり、更に好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、フェニル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、メトキシフェニル、トリルおよびキシリルであり、最も好ましいR12はメチル、エチル、フェニルおよびp−トリルである。
【0041】
n11は0〜3の整数を表し、好ましくは0〜2であり、更に好ましくは0〜1であり、最も好ましいn11は0である。ここで、n11が2以上のとき複数のR11は同一でも異なってもよい。
なお、一般式(I)で表される化合物は、以下に説明する一般式(II)で表される化合物の好ましい化合物である。
【0042】
2)一般式(II)で表される化合物
一般式(II)において、R21 は置換もしくは無置換のピラゾール環基または置換もしくは無置換のイミダゾール環基を表す。
一般式(II)におけるCN基が結合した炭素原子と結合する原子が、炭素原子または窒素原子である。本発明においては、CN基が結合した炭素原子と結合する原子が、窒素原子であるものがさらに好ましい。
R 21 はピラゾール環基が最も好ましい。
【0043】
最も好ましいR21は下記一般式(IX)で表される場合である。
【0044】
【化11】
【0045】
一般式(IX)において、R11およびn11は一般式(I)におけるものと同義であり、好ましい範囲も同一である。なお、*を有する窒素原子が、一般式(II)におけるCN基が結合した炭素原子に結合するものである。
【0046】
R22として表される脂肪族基、芳香族基および複素環基は一般式(I)におけるR12と同義であり、好ましい範囲も同一である。
【0047】
3)一般式(III)で表される化合物
一般式(III)において、R31は水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、脂肪族基、芳香族基および複素環基は前述の1で述べたものと同義である。好ましいR31は水素原子、脂肪族基および芳香族基であり、より好ましくは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜10の置換または無置換のアルキル基、炭素数6〜12の置換おまたは無置換のアリール基であり、最も好ましいR31は下記一般式(X)で表される。
【0048】
【化12】
【0049】
一般式(X)において、R71およびn71は以下の一般式(VII)の説明におけるものと同義であり、好ましい範囲も同一である。
【0050】
一般式(III)で表される化合物のうち、好ましい化合物は前記一般式(VII)で表すことができる。
該一般式(VII)において、R71は置換基を表し、置換基とは前述の置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基として示したものと同義である。
好ましいR71はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シリル基、ヒドロキシル基、シリルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基およびホスフィノ基であり、より好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シリル基、シリルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基であり、更により好ましくはハロゲン原子、アルキル基およびアルコキシ基である。
また、更に好ましいR71はフッ素原子、塩素原子、無置換のアルキル基および無置換のアルコキシ基であり、更に好ましいR71は塩素原子、メチルおよびメトキシであり、最も好ましいR71は塩素原子である。
【0051】
n71は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜3であり、より好ましくは1〜3であり、更に好ましくは2〜3である。さらに、好ましいR71とn71の組み合わせは、具体的には2,4,6−トリクロロおよび2,5−ジクロロである。最も好ましくは2,4,6−トリクロロである。ここで、n71が2以上のとき複数のR71は同一でも異なってもよい。
【0052】
4)一般式(IV)で表される化合物
前記一般式(IV)において、R21およびR31は前記の一般式(III)と同義であり、好ましい範囲も同一である。
一般式(IV)で表される化合物のうち、好ましい化合物は前記一般式(VI)で表すことができ、該一般式(VI)におけるR11およびn11は一般式(I)と同義であり、好ましい範囲も同一である。該一般式(VI)におけるR31は一般式(IV)と同義であり、好ましい範囲も同一である。
【0053】
一般式(VI)で表される化合物のうち、さらに好ましい化合物は前記一般式(VIII)で表すことができる。該一般式(VIII)におけるR11およびn11は一般式(VI)と同義であり、好ましい範囲も同一である。該一般式(VIII)におけるR71およびn71は前記一般式(VII)の説明におけるものと同義であり、好ましい範囲も同一である。
【0059】
本発明は、TaCl 5 またはVCl 3 の存在下で反応を行なうものであり、これらの化合物は結晶水等の中性物質を結晶中に含んでいてもよい。
【0060】
3.一般式(I)〜(IV)、(VI)〜(VIII)で表される化合物の具体例
次に本発明の一般式(I)〜(IV)、(VI)〜(VIII)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
1)一般式(I)または(II)で表される化合物
【0061】
【化13】
【0062】
【化14】
【0063】
【化15】
【0064】
【化16】
【0065】
【化17】
【0066】
【化18】
【0067】
【化19】
【0070】
2)一般式(III)または(VII)で表される化合物
【0071】
【化22】
【0072】
【化23】
【0073】
【化24】
【0074】
【化25】
【0075】
【化26】
【0076】
【化27】
【0077】
【化28】
【0078】
3)一般式(IV)、(VI)または(VIII)で表される化合物
【0079】
【化29】
【0080】
【化30】
【0081】
【化31】
【0082】
【化32】
【0083】
【化33】
【0092】
4.製造方法
次に本発明の製造方法について説明する。一般式(IV)で表される化合物を製造するには、一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される化合物とを反応させることを特徴とする。このときTaCl 5 またはVCl 3 の少なくとも1種を反応系内に共存させる。
以下、本発明の製造方法についてより具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
【0093】
一般式(II)および一般式(III)を反応溶媒に入れ、室温で攪拌しながら、TaCl 5 またはVCl 3 を添加後、加熱還流する。還流後、室温まで冷却し、反応液を氷水中に攪拌しながら投入し、析出する結晶を濾過する。得られた結晶はそのままでも使用することができる。さらに、該結晶を単独溶媒又は混合溶媒にて再結晶操作を加えることができる。これにより、一般式(IV)の化合物を得ることができる。
【0094】
前記反応溶媒として、例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセロール)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えばヘキサン)、芳香族炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)、アミン系溶媒(例えばトリエチルアミン、ピロリジン、ピリジン)を単独あるいは混合して用いる。
【0095】
これらのうち好ましい反応溶媒はスルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミン系溶媒であり、更に好ましくはスルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミン系溶媒であり、更に好ましくはスルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、アミン系溶媒である。
【0096】
前記反応温度は、−30〜200℃が好ましく、より好ましくは0〜150℃、更に好ましくは20〜130℃の温度範囲にて、好ましくは5分〜10時間、より好ましくは30分〜3時間の反応時間の範囲にて行う。また、20〜50℃にて30分から2時間反応を行った後、反応温度を上げて80〜130℃にて30分〜2時間反応を行うのも好ましい。
【0097】
使用する前記反応溶媒量としては、撹拌不能等の工程操作上の問題点を引き起こさなければ、工業的スケールによって変わりうるもので特に限定されるものではないが、経済性、反応性向上の観点から、一般式(II)で表わされる化合物の1質量部当たり、0.1〜1000倍量、好ましくは0.5〜100倍量、更に好ましくは1〜10倍量である。
【0098】
更に、一般式(II)、一般式(III)およびTaCl 5 またはVCl 3 を混合して反応を行った後、塩基を添加して反応を続けることも好ましい。このとき、使用する塩基としては有機(例えばトリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、ピリジン、ナトリウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド)、無機の塩基(例えば水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム)が好ましい。なお、有機の塩基で溶媒として使用できるものは、これのみを単独に反応溶媒として使用してもよく、また、前述の反応溶媒と併用して反応溶媒としても構わない。
【0099】
反応に使用する化合物の好ましいモル比は、一般式(II)で表される化合物1モルに対して、一般式(III)で表される化合物が好ましくは0.5〜2モル、より好ましくは0.8〜1.1モル、TaCl 5 またはVCl 3 が好ましくは0.0001〜2モル、より好ましくは0.0001〜0.2モル、更に好ましくは0.0001〜0.05モル、反応の途中で添加する塩基が好ましくは0.1〜4モル、より好ましくは0.1〜1モルである。
【0100】
一般式(IV)で表される化合物が遊離アミンとして不安定である場合は、該化合物を無機酸または有機酸の塩として製造、保存することも好ましい。一般式(IV)で表される化合物を造塩する無機、有機の酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、シュウ酸の塩とすることが好ましく、硫酸、塩酸およびナフタレン−1,5−ジスルホン酸の塩として造塩することが最も好ましい。
【0101】
得られた結晶はそのまま用いることもできるが、さらに、再結晶等により精製することができる。再結晶では、反応溶媒と同じ溶媒を使用することもできるが、種々の単独または混合溶媒を適宜選択して再結晶操作を行うことができる。
【0102】
本発明の前記一般式(IV)の原料となる、一般式(II)の好ましい化合物である一般式(I)は、公知の方法により製造できる。
本発明の化合物である一般式(I)は、特に制限されないが、例示すれば、ピラゾールを溶媒(例えば、アセトニトリル等)中で、塩基(例えば、ナトリウム−t−ブトキシド等)の存在下、2−ハロゲン化シアノ酢酸エステルと反応させ、中間体(例えば、1−ピラゾリルアセトニトリル)をまず合成し、次にトルエン、水素化ナトリウムの混合液に(例えば、1−ピラゾリルアセトニトリル)と炭酸ジメチルを添加することによって合成する方法等を採用することができる。
得られた化合物は、1H−NMR分析法により目的物(例えば、2−シアノ−2−(1−ピラゾリル)酢酸エステル化合物)であることが確認される。
【0103】
本発明の2−シアノ−2−(1−ピラゾリル)酢酸エステル化合物は、前記一般式(IV)の合成原料として用いることができる。
また、本発明の一般式(I)の化合物は、それ自体として、又は中間体として、写真用カプラー、写真用添加剤、染料、医薬および農薬などの各種の用途に広く用いられる。
【0104】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0105】
(実施例1)
下記反応式に基づき、例示化合物(P−2)を合成した。
【0106】
【化41】
【0107】
3つ口フラスコに化合物(E−1)19.8g、化合物(H−2)21.1g、ピリジン100mlを入れ、室温で攪拌しながらここへTaCl 5 35.8gを加え、4時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、反応液を氷500gにあけて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。得られた結晶をメタノール500mlとクロロホルム500mlの混合溶媒に加えて、2時間加熱還流し、還流後、濾過して得られた濾液を残量150mlになるまでロータリーエバポレーターで濃縮し、析出した結晶を吸引濾過して、乾燥し、目的の例示化合物(P−2)26.5gを得た(収率77%)。得られた結晶は、下記1H−NMRにより目的の化合物であることを確認した。
【0108】
1H−NMRスペクトルデータ(内部標準:TMS)
1H−NMR(DMSO−d6):δ=10.15(1H),8.12(1H),7.82(2H),7.62(1H),6.79(2H),6.39(1H)
【0109】
(実施例2)
下記反応式に基づき、例示化合物(P−3)を合成した。
【0110】
【化42】
【0111】
3つ口フラスコに化合物(E−1)19.8g、化合物(H−3)17.6g、α―ピコリン100mlを入れ、室温で攪拌しながらここへTaCl 5 17.9gを加え、4時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、反応液を氷500gにあけて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。得られた結晶をメタノール500mlとクロロホルム500mlの混合溶媒に加えて、2時間加熱還流し、還流後、濾過して得られた濾液を残量150mlになるまでロータリーエバポレーターで濃縮し、析出した結晶を吸引濾過して、乾燥し、目的の例示化合物(P−3)22.2gを得た(収率72%)。得られた結晶は、実施例1と同様に1H−NMRにより目的の化合物であることを確認した。
【0112】
(実施例3)
下記反応式に基づき、例示化合物(P−21)を合成した。
【0113】
【化43】
【0114】
3つ口フラスコに化合物(E−31)19.8g、化合物(H−2)21.1g、α―ピコリン100mlを入れ、室温で攪拌しながらここへVCl 3 1.57gを加え、3時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、反応液を氷500gにあけて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。得られた結晶をメタノール500mlとクロロホルム500mlの混合溶媒に加えて、2時間加熱還流し、還流後、濾過して得られた濾液を残量150mlになるまでロータリーエバポレーターで濃縮し、析出した結晶を吸引濾過して、乾燥し、目的の例示化合物(P−21)24.5gを得た(収率71%)。得られた結晶は、下記1H−NMRにより目的の化合物であることを確認した。
【0115】
(参考例1)
下記反応式に基づき、前記実施例で使用した例示化合物(E−1)を合成した。
【0116】
【化44】
【0117】
1)化合物(1)の合成
3つ口フラスコにピラゾール74.3g、アセトニトリル400mlを入れ、氷冷下にて攪拌しながらここへナトリウム−t−ブトキシド95.1gを15分かけて添加した。そのまま30分攪拌した後、ここへクロロアセトニトリル74.9gを30分かけて滴下し、そのまま2時間攪拌し、更に氷浴をはずして2時間攪拌した。ここへ酢酸エチル500ml、水250mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を250mlの飽和食塩水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。このものをロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた残留物を減圧蒸留して目的の化合物(1)を90.1g得た(収率85%)。得られた結晶は、下記1H−NMRにより目的の化合物であることを確認した。
【0118】
1H−NMRスペクトルデータ(内部標準:TMS)
1H−NMR(CDCl3):δ=7.60(1H),7.53(1H)、6.38(1H),5.10(2H)
【0119】
2)例示化合物(E−1)の合成
3つ口フラスコに油性水素化ナトリウム(60%純度)26.0g、トルエン260mlを入れ、攪拌しながらここへ前記で得られた化合物(1)34.8gと炭酸ジメチル82.2mlの混合物を2時間かけて滴下した。このとき内温を16〜35℃に保った。滴下終了後、内温40℃にて1時間、内温50℃にて1時間、さらに内温65℃にて4時間それぞれ加熱攪拌した。このものを20℃まで冷却して結晶を析出させ、吸引濾過した。得られた結晶をメタノール100mlに懸濁して、氷冷下攪拌しながらここへ酢酸60mlを添加した。このものをロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた残留物に酢酸エチル500mlと水500mlを加えて抽出し、得られた酢酸エチル層を飽和食塩水30mlと水300mlの混合溶液で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。こうして得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(E−1)41.9gを得た(収率78%)。得られた結晶は、下記1H−NMRにより目的の化合物であることを確認した。
【0120】
1H−NMRスペクトルデータ(内部標準:TMS)
1H−NMR(CDCl3):δ=7.67(1H),7.64(1H),6.44(1H)、6.02(1H)、3,90(3H)
【0121】
(参考例2)
下記反応式に基づき、例示化合物(P−2)の合成を試みた。
【0122】
【化45】
【0123】
3つ口フラスコに化合物(E−1)19.8g、化合物(H−2)21.1g、ピリジン100mlを入れ、10時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、反応液をメタノールで500倍に希釈し、その希釈液について高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)にて下記条件で測定したところ、目的物の(P−2)および化合物(2)の生成は認められなかった。
【0124】
<HPLC条件>
カラム:TSK−gel、ODS−80TM(TOSOH社製)
溶離液:A液:水1リットル+PIC B−7(Waters社製)25ml(1本)+酢酸5ml
B液:メタノール950ml+水50ml+PIC B−7
(Waters社製)25ml(1本)+酢酸5ml
タイムプログラム:0〜5分:B液の濃度=30%(V%)
その後32分までかけてB液の濃度=100%(V%)とする
検出波長:254nm
流量:1ml/min
【0125】
(参考例3)
参考例2と同様に、例示化合物(P−2)の合成を次の手順で試みた。
3つ口フラスコに化合物(E−1)19.8g、化合物(H−2)21.1g、グリセロール100mlを入れ、内温150℃にて20時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却し、反応液を氷600gにあけて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。得られた結晶をメタノール500mlとクロロホルム500mlの混合溶媒に加えて、2時間加熱還流し、還流後、濾過して得られた濾液を残量100mlになるまでロータリーエバポレーターで濃縮し、析出した結晶を吸引濾過して、乾燥したところ、化合物(2)を14.5g得た(収率42%)。また反応終了後の反応液0.1mlを取り、参考例2と同じ条件で高速液体クロマトグラフィーを測定したが、目的の例示化合物(P−2)は検出できなかった。
【0126】
【発明の効果】
本発明により、写真用カプラー、写真用添加剤、医薬および農薬などとして、あるいはこれらの中間体として有用な、4位に置換基を有する3−アミノ−5−ピラゾロン化合物を安価、簡便で高収率な製造方法およびその合成原料として有用な2−シアノ−2−(1−ピラゾリル)酢酸エステル化合物を提供することができる。
Claims (4)
- 前記一般式(III)で表される化合物が、下記一般式(VII)で表される化合物であり、前記一般式(IV)または一般式(VI)で表される化合物が下記一般式(VIII)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記R 31 が2,4,6−トリクロロフェニル基または2,5−ジクロロフェニル基であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
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