JP5789362B2 - 5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、以下の合成スキームに示すように、オルトギ酸トリエチルとマロノニトリルとを反応して、2−エトキシメチレン−マロノニトリルを中間体として合成し、次いで、ヒドラジン誘導体を反応させることにより、5−アミノピラゾール誘導体を合成することが開示されている。
また、特許文献1が開示する方法は目的物の合成に(i)過剰量の原料を要する、(ii)反応に高温を要する、(iii)反応時間が長い、(iv)過剰量の触媒が必要である、等の製造コスト面での課題が残されている。
すなわち、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
下記工程(a)から工程(c)を順に行うことを特徴とする、5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
(a)下記一般式(1)で表される化合物又はその塩と、下記一般式(2)で表される化合物とをpHを8〜12に維持した状態で反応させて、下記一般式(3)で表される中間体を誘導する工程
(b)前記中間体と下記一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体とを反応させて、一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体又はその塩を得る工程
(c)前記工程(b)で得られた前記一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体を含む反応液に対して、加熱処理を行う工程
式中、R1は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、アリール基又は複素環基を表し、
R2は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又はアリール基を表し、
R3は、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表し、
R4は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、
LGは、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、アリールアミノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキルチオ基又はアリールチオ基を表す。
〔2〕
下記工程(a)から工程(c)を順に行うことを特徴とする、5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
(a)下記一般式(1)で表される化合物又はその塩と、下記一般式(2)で表される化合物とをpHを8〜12に維持した状態で反応させて、下記一般式(3)で表される中間体を誘導する工程
(b)前記中間体と下記一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体とを反応させて、一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体又はその塩を得る工程
(c)前記工程(b)で得られた前記一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体を含む反応液に、酸無水物、酸塩化物、アルデヒド基を有する化合物、ケトン基を有する化合物、及びエステル基を有する化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を添加する工程
式中、R 1 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、アリール基又は複素環基を表し、
R 2 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又はアリール基を表し、
R 3 は、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表し、R 4 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、LGは、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、アリールアミノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキルチオ基又はアリールチオ基を表す。
〔3〕
前記一種以上の化合物が、無水酢酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、アセトン、メチルエチルケトン、塩化アセチル、塩化チオニル及びアセトアルデヒドからなる群から選択されることを特徴とする〔2〕に記載の一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
〔4〕
前記LGがアミノ基であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
〔5〕
R1は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアリール基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアリール基を表し、R3は、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表し、R4は、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基又は複素環基を表すことを特徴とする、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
〔6〕
前記(a)工程において、pHを9〜10.5に維持した状態で反応を行うことを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
〔7〕
前記工程(a)を30〜80℃で行うことを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
〔8〕
前記工程(a)を気体の気流下で行うことを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
〔9〕
前記工程(b)を気体の気流下で行うことを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
〔10〕
前記工程(a)で得た反応液について中間体(3)の単離操作をすることなく、また、該反応液を移液することもなく、工程(b)まで一貫して行うことを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
〔11〕
前記工程(b)で得られた前記一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体に対して造塩工程を実施することを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体の塩の製造方法。
〔12〕
前記造塩工程が、無機酸又は有機酸を用いるものであることを特徴とする〔11〕に記載の5−アミノピラゾール誘導体の塩の製造方法。
なお、本発明は上記〔1〕〜〔12〕に関するものであるが、その他の事項についても参考のために記載した。
[1]下記工程(a)及び工程(b)を順に行うことを特徴とする、5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
(a)下記一般式(1)で表される化合物又はその塩と、下記一般式(2)で表される化合物とを反応させて、下記一般式(3)で表される中間体を誘導する工程
(b)前記中間体と下記一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体とを反応させて、一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体又はその塩を得る工程
R2は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又はアリール基を表し、
R3は、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表し、
R4は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、
LGは、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、アリールアミノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキルチオ基又はアリールチオ基を表す。
R3は、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表し、
R4は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又は複素環基を表す。
複素環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族の複素環基であり、単環構造であっても、2つ以上の環が縮合した多環構造であってもよい。また、上記複素環基としては、N、O、S原子のいずれかを少なくとも含む複素環基が好ましい。例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、1,3,5−トリアジル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基等が挙げられる。
アルキルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
複素環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換の複素環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルキルオキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
複素環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換の複素環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合している複素環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又は複素環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換の複素環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
(a)下記一般式(1)で表される化合物(以下、単に、化合物(1)とも言う)又はその塩と、下記一般式(2)で表される化合物とを反応させて、下記一般式(3)で表される中間体(以下、単に、中間体(3)とも言う)を誘導する工程
(b)前記中間体と下記一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体(以下、単に、ヒドラジン誘導体(4)とも言う)とを反応させて、一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体(以下、単に、化合物(5)とも言う)又はその塩を得る工程
R2は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又はアリール基を表し、
R3は、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表し、
R4は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、
LGは、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、アリールアミノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基、アリールチオ基を表す。
R1、R2としての炭素数1〜10のアルケニル基の具体例としては、上記置換基Aのアルケニル基の例示物の内、炭素数が1〜10のものを好適に挙げることができる。
R1、R2、R4としてのアリール基の具体例としては、上記置換基Aのアリール基の例示物を好適に挙げることができる。
R3、LGとしてのアリールオキシ基の具体例としては、上記置換基Aのアリールオキシ基の例示物を好適に挙げることができる。
R1、R4としての複素環基としては、上記置換基Aの複素環基の例示物を好適に挙げることができる。
LGとしてのアリールアミノ基としては、上記置換基Aのアリールアミノ基の例示物を好適に挙げることができる。
LGとしてのハロゲン原子としては、上記置換基Aのハロゲン原子の例示物を好適に挙げることができる。
LGとしての炭素数1〜10のアリールチオ基としては、上記置換基Aのアリールチオ基の例示物を好適に挙げることができる。
より具体的には、R1は、例えば、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基又は複素環基(例えば、ピリジン環基、ピリミジン環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、ベンズイミダゾール環基、チアゾール環基、チアジアゾール環基、イソチアゾール環基、トリアジン環基、キノリン環基など)が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t-ブチル基、フェニル基、ピリジン環基、ピリミジン環基、ベンゾチアゾール環基、チアゾール環基、イソチアゾール環基、トリアジン環基であることが更に好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、水素原子、メチル基又はフェニル基であることが最も好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
より具体的には、R2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基又はフェニル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
より具体的には、R3は、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t-ブトキシ基、フェノキシ基又はアミノ基であることがより好ましく、メトキシ基、エトキシ基、i−プロピルオキシ基又はアミノ基であることが更に好ましく、メトキシ基、エトキシ基又はi−プロピルオキシ基であることが最も好ましい。
より具体例には、R4は、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、複素環基(例えば、ピリジン環基、ピリミジン環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、ベンズイミダゾール環基、チアゾール環基、チアジアゾール環基、イソチアゾール環基、トリアジン環基など)が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t-ブチル基、フェニル基、ピリジン環基、ピリミジン環基、ベンゾチアゾール環基、チアゾール環基、イソチアゾール環基、トリアジン環基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が最も好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
このような酸としては、有機酸及び無機酸を挙げることができ、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、シュウ酸、マレイン酸、安息香酸、フタル酸等を挙げることができ、酢酸又は塩酸がより好ましい。よって、一般式(1)で表される化合物の塩としては、一般式(1)で表される化合物の酢酸塩又は塩酸塩を好適に挙げることができる。
このような酸としては、有機酸及び無機酸を挙げることができ、具体例としては、酢酸、燐酸、塩酸、硫酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、安息香酸又はフタル酸が好ましく、塩酸、硫酸又はシュウ酸がより好ましく、塩酸又は硫酸が更に好ましい。
工程(a)は、一般式(1)で表される化合物又はその塩と、下記一般式(2)で表される化合物とを反応させて、下記一般式(3)で表される中間体を誘導する工程である。
このような溶媒としては例えば、アルコール(炭素数1〜10)、酢酸エステル(炭素数2〜10)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、アセトン、アセトニトリル、芳香族炭化水素(炭素数6〜20)を用いることが出来る。このうち、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、アセトン、アセトニトリル、トルエン、o−,m−,p−キシレン(又はこれらの混合物)が好ましく、メタノール、イソプロパノール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、トルエンがより好ましく、メタノール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンが最も好ましい。また、上記溶媒の二種以上を任意の組成比で混合した混合溶媒を用いても良い。
工程(a)における反応時間としては、5分〜6時間が好ましく、30分〜4時間が更に好ましい、30分から3時間が最も好ましい。
pHが高いほど反応の進行が促進されるが、その一方で、化合物(3)は非常に活性の高い化合物であり、pHが高すぎると副反応が起こる、例えば求電子的な部位が求核攻撃を受ける可能性がある。その為、反応開始時から終了時までpHを好ましい範囲に維持することが有効である。水酸化カリウムやナトリウムメトキシド等の強塩基を用いる際には、少量にて反応液を高pH域に調整できるが、このような点を注意する必要がある。場合によっては必要量を一括に添加せずに、pH値の推移に応じて該塩基を分割添加していくことで、好ましいpH域を維持すると良い。
無機塩基及び有機塩基としては、一般的に入手可能なものを用いることが出来る。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ピリジン等が挙げられ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ナトリウムメトキシド、炭酸ナトリウムがより好ましく、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)が最も好ましい。また、これらは任意の溶媒に溶解したものを用いても良い。更に、これらの塩基を任意の種類・組成比で併用してもよい、又は混合したものを用いても良い。
工程(a)における反応は、上記塩基を反応前に添加したとしても、反応の進行に伴ってpHが変化し得る反応であるため、反応期間におけるpHの上記範囲内への維持は、緩衝溶液の使用が好ましい。目標とするpHが、低めの領域(例えば、9.5以下)であるならば、緩衝液(例えば、トリエチルアミンと酢酸との緩衝液)を使用することが可能である。また、高めの領域(9.5以上)であるならば、好ましくは継続的に、又は所定時間毎に反応液のpHを計測し、その値に応じた塩基を反応液に添加することによりpHを維持することが出来る。
工程(a)における反応の終了は、一定量の反応液を採取し、NMR測定により一般式(1)で表される化合物又はその塩の残存率を算出することによって(NMRによる反応追跡とも言う)確認でき、同時に反応に要する時間を知ることもできる。
更に該窒素化合物による副反応(原料や中間体への求核付加反応等)を抑制する効果もあり、結果として原料の使用量を最小限に抑えることが出来る。したがって、高反応率・高収率及び低コストをより実現可能な製造方法となる。
あるいは、工程(a)を加熱還流下で行うことにより、上記した気体の気流下で行うことと同様の効果が得られる。更には、気体の気流下かつ加熱還流下で行うことでより良好な効果を得ることが出来る。
気体としては、窒素,アルゴン等の不活性ガスを好適に使用することができるが、不活性ガス以外にも、空気などの他の気体も同様に用いることができる。なお、本明細書において、「気体の気流下」とは、気体を用いて反応液をバブリングする形態を含むものであり、同様の効果が得られる。
以上のような反応促進効果及び副反応防止効果によって、反応時間をより短縮でき、原料の使用量をより低減できる。
気流の流速は、特に限定されないが、50ml/min〜150ml/minであることが好ましく、90ml/min〜130ml/minであることがより好ましい。
これにより、工程(a)は、最終的に得られる5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造コストの低減に寄与するものである。
また、一般式(3)で表される中間体を高効率で得ることができるため、工程(a)の反応液には、高純度で中間体が含有されることになる。よって、この反応液をそのまま、後述する工程(b)に供しても、目的の5−アミノピラゾール誘導体を高効率で製造できる。
すなわち、本発明の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法においては、工程(a)で得た反応液について中間体(3)の単離操作をすることなく、また、該反応液を移液することもなく、工程(b)まで一貫して行うことも好ましい。
工程(b)は、上記一般式(3)で表される中間体と上記一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体とを反応させて、上記一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体又はその塩を得る工程である。
ここで、5−アミノピラゾール誘導体又はその塩とは、5−アミノピラゾール誘導体、5−アミノピラゾール誘導体の塩、又は、これらの混合物を意味する。
例えば水、アルコール(炭素数1〜10)、アセトニトリル、酢酸エステル(炭素数2〜10)、芳香族炭化水素(炭素数6〜20)、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、o−,m−,p−キシレン(又はこれらの混合物)、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、アセトン、N−メチルピロリドンが好ましく、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、アセトン、N−メチルピロリドンがより好ましく、水、メタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、トルエンが更に好ましい。また、これらを任意の二種以上の組み合わせ及び組成比で混合した混合溶剤を用いても良い。
工程(b)における反応時間としては、5分〜8時間が好ましく、15分〜5時間がより好ましく、30分〜3時間が更に好ましい。
気体としては、窒素,アルゴン等の不活性ガスを好適に使用することができるが、不活性ガス以外にも、空気などの他の気体も同様に用いることができる。上記工程(a)と同様、工程(b)においても、「気体の気流下」とは、気体を用いて反応液をバブリングする形態を含むものであり、同様の効果が得られる。
以上のような反応促進効果及び副反応防止効果によって、反応時間をより短縮でき、原料の使用量をより低減できる。
気流の流速は、特に限定されないが、50ml/min〜150ml/minであることが好ましく、90ml/min〜130ml/minであることがより好ましい。
残存したヒドラジン誘導体(4)を含む化合物(5)又はその塩を、その後、他の反応に使用する場合に、ヒドラジン誘導体(4)の活性の高さ(求核性・還元性)から、副反応が起こりうる。更に、環境有害性、安全性の観点からも、化合物(5)中に、ヒドラジン誘導体(4)が可能な限り残存していないことがより好ましい。したがって、工程(b)の終了後において、上記の副生物及びヒドラジン誘導体(4)を、目的物である化合物(5)より、分離・除去することが、より好ましい。
前述の窒素気流の使用は、これらの残存の抑制・低減にも効果的である。
更に、加熱時間は、30分〜20時間が好ましく、1〜10時間がより好ましく、2〜5時間が最も好ましい。
「加熱法」は、工程(b)の反応終了後、気流(例えば、窒素気流)下、液を攪拌しながら加熱することが好ましい。気流の流量は0.5〜300ml/minが好ましく、10〜200ml/minがより好ましく、50ml〜150ml/minが最も好ましい。
また、「加熱法」は、減圧下で行うことも出来る。減圧により、上述の窒素化合物(副生物)及び未反応のヒドラジン誘導体(4)の除去を、上記の気流下における加熱法と同様に促進できる。
減圧度は、0(真空)〜0.101MPaが好ましく、0〜0.080MPaがより好ましく、0〜0.067MPaが最も好ましい。また、温度は、20〜250℃が好ましく、30〜150℃がより好ましく、40〜100℃が最も好ましい。
これらの化合物は、上記窒素化合物やヒドラジン誘導体により求核攻撃を受け易い化合物であるため、上述の窒素化合物(副生物)又は未反応のヒドラジン誘導体(4)と反応して、窒素化合物やヒドラジン誘導体(4)を不活性化(副反応防止)したり、変換(精製により目的物から除去し易い化合物へと変換する)させたりすることが出来る。
酸無水物は、炭素数1〜30のものが好ましく、炭素数1〜20のものがより好ましく、炭素数1〜10のものが最も好ましい。酸無水物は、混合酸無水物でも良い。
酸塩化物は、炭素数1〜25のものが好ましく、炭素数1〜10のものがより好ましく、炭素数1〜5のものが最も好ましい。
アルデヒド基を有する化合物は、炭素数1〜20のものが好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜5のものが最も好ましい。
ケトン基を有する化合物は、炭素数1〜30のものが好ましく、炭素数1〜15のものがより好ましく、炭素数1〜8のものが最も好ましい。
エステル基を有する化合物は、炭素数1〜30のものが好ましく、炭素数1〜20のものがより好ましく、炭素数1〜10のものが最も好ましい。
これらの化合物は更に任意の置換基により置換されていてもよい。
用いる添加化合物の量は、副生する窒素化合物及び未反応のヒドラジン誘導体(4)の量に合わせればよい。好ましくは、化合物(1)に対して0.01〜20モル当量、より好ましくは0.1〜10モル当量、最も好ましくは1〜3モル当量である。
上記添加化合物を反応液に添加する際の温度は0〜100℃が好ましく、10〜80℃がより好ましく、20〜50℃が最も好ましい。
また、上記添加化合物を反応液に添加した後の反応温度は、0〜150℃が好ましく、10〜100℃がより好ましく、20〜60℃が最も好ましい。該添加化合物は反応活性が高い為、急な反応進行による温度上昇・反応液の突沸等を防ぐ観点から、添加時及び反応時における温度を、反応溶媒の沸点を充分に下回る温度に設定しておくことが望ましい。
「添加法」における添加化合物の添加後の反応時間は、0.5分〜5時間が好ましく、15分〜3時間が好ましく、30分〜2時間が最も好ましい。後に詳述する、化合物(5)に対する造塩工程(塩への変換)は、上記添加法の後に行うことが好ましい。
また、上記「加熱法」と「添加法」は連続して行ってもよく、間に別の操作を挟んでも良い。また、任意の順番で行ってよい。
更に、前記(b)工程で得られた反応液は、後述するように、前記一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の純度が高いことから、精製することなく、そのまま、次の反応に供することも可能である。
但し、実施例1〜18及び45は、参考例に読み替えるものとする。
なお、下記実験において、pH測定は、パーソナルpHメーター PH71(横河電機株式会社製)を用いて行った。
また、高速液体クロマトグラフィー及びイオンクロマトグラフィーの各測定は、下記装置を用いることにより実施した。
・高速液体クロマトグラフィー(HPLC):SHIMADZU社製C−R7Aplus CHROMATOPAC、検出器:同SPD−6AV、カラム:東ソー社製TSK‐GEL ODS−80Ts
・イオンクロマトグラフィー:東ソー社製 IC−2001型IC
・真空ポンプ:ULVAC KIKO社製 MDA−015
ホルムアミジン酢酸塩(下記化合物(1−1))の8.42g(0.079mol,1.0モル当量)及びシアノ酢酸メチル(下記化合物(2−1))の9.52g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.2モル当量)を、メタノール10ml中にて攪拌し、次いで、窒素気流下(123ml/min)、水酸化カリウム0.14g(同0.030モル当量)を添加した。この時のpHは10.5(13℃)であった。その後加温し、加熱還流下、攪拌した(工程(a))。1H−NMR(CD3OD)測定にて反応追跡を行い、(得られた各成分の積分比より、)中間体(下記化合物(3−1))への変換率を算出した。加熱前(13℃)、還流開始時、還流2、3、4、5時間後(以上約65℃)における反応率(conv.)及びpHを求めた(値を表1に示す)。
ホルムアミジン酢酸塩(下記化合物(1−1))の8.42g(0.079mol,1.0モル当量)及びシアノ酢酸メチル(下記化合物(2−1))の9.52g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.2モル当量)を、メタノール10ml中にて攪拌し、次いで、窒素気流下(123ml/min)、水酸化カリウム0.16g(同0.040モル当量)を添加した。この時のpHは10.3(15℃)であった。その後加温し、加熱還流下攪拌した(工程(a))。pH低下に対応して、水酸化カリウムの追添加を実施した。1H−NMR(CD3OD)測定にて反応追跡を行い、(得られた各成分の積分比より、)中間体(下記化合物(3−1))への変換率を算出した。加熱前(15℃)、還流開始時、還流1、2、3、4時間後(以上約65℃)における変換率(conv.)、塩基添加量、塩基添加前後のpHを求めた(値を表2に示す)。
ホルムアミジン酢酸塩(下記化合物(1−1))の8.42g(0.079mol,1.0モル当量)及びシアノ酢酸メチル(下記化合物(2−1))の9.52g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.2モル当量)を、メタノール5.0ml中にて攪拌し、次いで、窒素気流下(123ml/min)、トリエチルアミン9.8g(0.095mol,同1.2モル当量)を添加した。この時のpHは10.5(17℃)であった。その後加温し、加熱還流下攪拌した(工程(a))。1H−NMR(CD3OD)測定にて反応追跡を行い、(得られた各成分の積分比より、)中間体(下記化合物(3−1))への変換率を算出した。加熱前(17℃)、還流開始時、還流0.5、1、1.5時間後(以上約65℃)における変換率(conv.)及びpHを求めた(値を表3に示す)。
得られた中間体の1H−NMR測定データ(化学シフト値)は、上記実施例1の結果と同様である。
ホルムアミジン酢酸塩(下記化合物(1−1))の45.0g(0.42mol;1.0モル当量)をメタノール160ml中(内温)50℃で攪拌し、ナトリウムメトキシド(28質量%)メタノール溶液を滴下し、pHを9.7に調整した。その後、窒素気流下(123ml/min)、シアノ酢酸メチル(下記化合物(2−1))の50.9g(0.51mol;1.2モル当量)を滴下し、加熱還流下、攪拌した。1H−NMR(CD3OD)測定にて反応追跡を行い、(得られた各成分の積分比より、)中間体(下記化合物(3−1))への変換率を算出した。上記ナトリウムメトキシドメタノール溶液は合計82.4g(1.0モル当量)使用した。加熱前(17℃)、還流開始時、還流0.5、1、1.5時間後(以上約65℃)における変換率(conv.)、塩基添加量、塩基添加前後のpHを求めた(値を表4に示す)。
得られた中間体の1H−NMR測定データ(化学シフト値)の結果は、上記実施例1の結果と同様である。
ホルムアミジン酢酸塩(下記化合物(1−1))の5.0g(0.047mol;1.0モル当量)及びシアノ酢酸イソプロピル(下記化合物(2−2))の7.40g(0.057mol;1.2モル当量)を20℃下、2‐プロパノール47ml中にて混合し、窒素気流下(123ml/min)、トリエチルアミン9.7g(0.094;2.0モル当量)滴下した。この時のpHは10.5(17℃)であった。その後、(内温)65℃まで加温し、同温にて攪拌した。1H−NMR(CD3OD)測定にて反応追跡を行い、加温から1.5時間後(pHは約7.5)において、(得られた各成分の積分比より、)中間体(下記化合物(3−2))への反応率(化合物(1−1)基準の反応率)を算出した。
特許文献1に記載の方法を参考に、上記化合物(3−1)に対応する中間体を合成した。すなわち、シアノ酢酸メチル10.3g(0.10モル,1.0モル当量)、オルトギ酸トリメチル20.0g(0.18モル,シアノ酢酸メチルに対して1.8モル当量)そして無水酢酸20.9g(0.21モル,同2.0モル当量)を混合し、次いで内温が100℃になるまで加熱し、同温度にて7時間攪拌した(ディーンスターク管を用いて反応中に生成する酢酸メチル及び酢酸等を反応液から除去しながら行った)。反応液の1H−NMR(300MHz,CDCl3)測定にて反応追跡を行った。
一方、比較例1については、中間体を得ることはできたものの、その反応効率は低かった。また、比較例1の反応液は酢酸を含有することから、次の反応に供する場合、酢酸を除去する工程を別途設ける必要があり、5−アミノピラゾール誘導体の製造コストを押し上げる要因になる。
ホルムアミジン酢酸塩(上記化合物(1−1))の8.4g(0.079mol;1.0モル当量)をメタノール50ml中に添加し(内温)20℃で攪拌した。次にトリエチルアミン16.4g(0.16mol,2.0モル当量)を滴下し、50℃まで昇温し完全に溶解させた。更に酢酸を4.7g(0.076mol,0.96モル当量)滴下しpHを設定値8.0−8.5に調整した(実測値8.4;50℃)。その後、窒素気流下(123ml/min)、シアノ酢酸メチル(上記化合物(2−1))の9.5g(0.095mol;1.2モル当量)を滴下し、50℃下攪拌した。1H−NMR(CD3OD)にて反応追跡を行い、中間体(上記化合物(3−1))への変換率(化合物(1−1)基準の反応率)、化合物(1−1)の残存率、及び、化合物(2−1)の残存率を算出した(値を表5に示す)。
上記の本発明における反応スキームのように、ホルムアミジン酢酸塩(上記化合物(1−1))の8.4g(0.079mol;1.0モル当量)をメタノール50ml中に添加し(内温)50℃で攪拌した。次にナトリウムメトキシド(28質量%)メタノール溶液を滴下し、pHを表5に記載の目標範囲(50℃)に調整した。その後、窒素気流下(123ml/min)で、シアノ酢酸メチル(上記化合物(2−1))の9.5g(0.095mol;1.2モル当量)を滴下し、加熱還流下攪拌した。シアノ酢酸メチルの添加後より、pH測定を継続して(少なくとも15〜30分おきに)行い、ナトリウムメトキシド(28質量%)メタノール溶液を滴下し、pHを目標値の範囲(約65℃)に保った。1H−NMR(CD3OD)にて反応追跡を行い、中間体(上記化合物(3−1))への変換率(化合物(1−1)基準の反応率)、化合物(1−1)の残存率、及び、化合物(2−1)の残存率を算出した。
実施例6−5〜6−7についても、上記実施例6−4と同様に反応温度を調整するとともに、pHに関して、表5に記載の(設定温度下)目標範囲となるように、ナトリウムメトキシドメタノール溶液を添加した。
また、pHが高くなりすぎると、原料又は目的物の分解物と思われる成分が生成することから、反応率が低下した。よってpHは10.5以下であることが好ましいことが分かった。
ホルムアミジン酢酸塩(下記化合物(1−1))の8.42g(0.079mol;1.0モル当量)及びシアノ酢酸メチル(下記化合物(2−1))の9.52g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.2モル当量)を、メタノール20ml中にて攪拌し、次いで、窒素気流下(123ml/min)、トリエチルアミン16.4g(0.16mol,同2.0当量)を添加した。この時のpHは10.6であった(17℃)。その後加温し、加熱還流下攪拌した(工程(a))。1H−NMR(CD3OD)測定にて反応追跡を行い、(得られた各成分の積分比より)中間体(下記化合物(3−1))への変換率(化合物(1−1)基準の反応率)を算出した(値を表6に示す)。
より詳細には、実施例7−1と実施例7−2とを比較すると、コスト削減を目的に、化合物(2−1)の使用量を抑えても、化合物(3−1)への変換率は満足の行くものとなった。
実施例7−3は、実施例7−2の条件に加熱還流を適用したものであるが、これにより、実施例7−2と比較して、反応時間が短縮されるとともに、化合物(3−1)への変換率も向上した。
実施例7−4は、実施例7−3の条件に、更に、窒素気流の条件を付加したものであるが、これにより、実施例7−3と比較して、更に反応時間が短縮した。
12mLのメタノールに、上記実施例で得られた中間体としての3−アミノ−2−シアノ−アクリル酸メチル5.0g(0.040mol;1.0モル当量)を溶解させ、次いで、モノメチルヒドラジン2.6g(0.056mol;中間体に対して1.4モル当量)を添加し、65℃で1時間攪拌した(工程(b))。なお、この攪拌は、気体の気流下では行っていない。反応液のHPLC測定を行ったところ、得られた化合物(5)のHPLCにおける面積は90%、また、化合物(5)の異性体である化合物(5’)のHPLCにおける面積は0%であった。なお、実施例8は、下記反応スキームにおいて、Xがアミノ基、R1が水素原子、R3がメトキシ基、R4がメチル基である場合に対応する。
化合物(3)の種類、溶媒の種類及び量、化合物(4)の中間体に対するモル当量を表7のように変更した以外は実施例8と同様にして、実施例9〜15,比較例2〜5の5−アミノピラゾール誘導体をそれぞれ合成した。
20mLの2−プロパノールに、3−アミノ−2−シアノ−アクリル酸メチル(下記化合物(3−1))の5.0g(0.040mol;1.0モル当量)を溶解させ、次いで、モノメチルヒドラジン2.1g(0.044mol;化合物(3−1)に対して1.05モル当量)を添加し、窒素気流下(123ml/min)、65℃で3時間攪拌した(工程(b))。反応液のHPLC測定を行ったところ、得られた下記化合物(5−1)のHPLCにおける面積は94%、また、化合物(5−1)の異性体である化合物(5−1’)(上記化合物(5’)において、R1が水素原子、R3がメトキシ基、R4がメチル基である化合物)のHPLCにおける面積は0%であった。その後、40℃まで降温し、濃硫酸4.5g(0.044mol;1.1モル当量)を50℃以下にて滴下する(pHを1以下にする)。そして、10℃以下(pHは1以下)に冷却後1時間攪拌し、濾過にて化合物(5−1)の硫酸塩を含む白色結晶10.3gを得た。HPLCによる定量分析により、化合物(5−1)の硫酸塩の収率は82%であると分かった。1H−NMR測定データ(化学シフト値)の結果は以下の通りである。
得られた化合物(5−1)の塩酸塩の1H−NMR測定データ(化学シフト値)の結果は以下の通りである。
得られた化合物(5−1)のシュウ酸塩の1H−NMR測定データ(化学シフト値)の結果は以下の通りである。
1L三つ口フラスコにホルムアミジン酢酸塩(上記化合物(1−1))68.5g(0.64mol;1.0モル当量)及びシアノ酢酸メチル(上記化合物(2−1))の80.7g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.25モル当量)を、メタノール50.1ml中にて攪拌し、次いで、窒素気流下(123ml/min)、トリエチルアミン79.9g(0.77mol;同1.2モル当量)を添加した。この時のpHは10.5(17℃)であった。その後、内温65℃になるまで加温し、3時間、加熱還流下、攪拌した(工程(a))。この時のpHは約7.5であった。
続いて、該反応液の内温を30〜40℃に合わせ、窒素気流下(123ml/min)、モノメチルヒドラジン(上記化合物(4−1))の30.3g(0.64mol;同1.0モル当量)を滴下後、内温50℃にて攪拌した。2時間後、反応の完結を確認した(工程(b))。その後、内温20〜30℃に降温した。次いで、内温20〜30℃で、濃硫酸162.0g(同2.4モル当量)を滴下し、上記5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩(淡黄白色結晶)の析出を確認した。内温0〜10℃にて1時間攪拌後、125mmヌッチェを用いて、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩を含む黄白色結晶を173.7g濾取した。HPLCによる定量分析により、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩の収率は77%であった。また、得られた結晶中、HPLCによる定量分析により5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩が72.4質量%、ヨウ素滴定により上記化合物(4−1)の硫酸塩が2.1質量%、またイオンクロマトグラフィーによる定量により硫酸アンモニウムが20質量%含まれていることが分かった。
実施例18と同様に、工程(a)及び工程(b)を行った。
工程(b)の後(反応完結後)に窒素気流下(123ml/min)、反応液を2時間,65℃下で加熱攪拌した。次いで、内温20〜30℃まで降温し、濃硫酸162.0g(ホルムアミジン酢酸塩に対して2.4モル当量)を滴下し、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩(淡黄白色結晶)の析出を確認した(反応液pH<0.5)。内温20〜30℃にて1時間攪拌後、125mmヌッチェを用いて、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩を含む黄白色結晶を139.6g濾取した。HPLCによる定量分析により、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩の収率は79%であった。また、得られた結晶中、HPLCによる定量分析により5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩が92.4質量%、ヨウ素滴定により上記化合物(4−1)の硫酸塩が0.29質量%、またイオンクロマトグラフィーによる定量により硫酸アンモニウムが0.65質量%含まれていることが分かった。
工程(b)の反応完結後の「内温65℃における2時間の加熱」に代えて、内温50℃で、更に1時間攪拌(窒素流量60ml/min)を継続した以外は、実施例19と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後の「内温65℃における2時間の加熱」に代えて、内温50℃で、更に2時間攪拌(窒素流量160ml/min)を継続した以外は、実施例19と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後の「内温65℃における2時間の加熱」に代えて、内温80℃に昇温後、1時間攪拌(窒素流量60ml/min)を行った以外は、実施例19と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後の「内温65℃における2時間の加熱」に代えて、内温80℃に昇温後、2時間攪拌(窒素流量160ml/min)を行うこと以外は、実施例19と同様に操作を行った。
実施例18と同様にして、工程(a)を実施した。
次に該反応液の内温を30〜40℃に合わせ、イソプロパノールを100ml注入し、窒素気流下(123ml/min)、モノメチルヒドラジン(上記化合物(4−1))の30.3g(0.64mol;1.0モル当量)を滴下後、内温50℃にて攪拌した。2時間後、反応の完結を確認した(工程(b))。その後、内温20〜30℃に降温し、無水酢酸67.9g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.0モル当量)を滴下し、その後20℃にて30分攪拌した。続いて内温20〜30℃で、濃硫酸162.0g(同2.4モル当量)を滴下し、上記5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩(淡黄白色結晶)の析出を確認した。1時間同温にて攪拌後、125mmヌッチェを用いて、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩を含む黄白色結晶を141.4g濾取した。HPLCによる定量分析により、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩の収率は80%であった。また、得られた結晶中、HPLCによる定量分析により5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩が93.2質量%、ヨウ素滴定により上記化合物(4−1)の硫酸塩が0.43質量%、またイオンクロマトグラフィーによる定量により硫酸アンモニウムが0.26質量%含まれていることが分かった。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、無水酢酸33.9g(ホルムアミジン酢酸塩に対して0.50モル当量)を滴下し、10℃で30分反応させた以外は、実施例24と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、無水酢酸135.7g(ホルムアミジン酢酸塩に対して2.0モル当量)を滴下し、50℃で2時間反応させる以外、実施例24と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、無水コハク酸32.3g(ホルムアミジン酢酸塩に対して0.50モル当量)を添加し、10℃で30分反応させた以外、実施例24と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、無水コハク酸64.5g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.0モル当量)を添加し、60℃で1時間反応させた以外、実施例24と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、塩化アセチル25.3g(ホルムアミジン酢酸塩に対して0.50モル当量)を0〜5℃にて滴下し、10℃で30分反応させた以外、実施例24と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、塩化アセチル50.6g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.0モル当量)を滴下し、50℃で2時間反応させた以外、実施例24と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、アセトン47.3ml(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.0モル当量)を滴下し、20℃で30分間反応させた以外、実施例24と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、アセトン205.7ml(ホルムアミジン酢酸塩に対して4.4モル当量)を滴下し、20℃で30分間反応させた以外、実施例24と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、アセトン308.3ml(ホルムアミジン酢酸塩に対して6.5モル当量)を滴下し、50℃で2時間反応させた以外、実施例24と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、メチルエチルケトン46.5g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.0モル当量)滴下し、20℃で15分間反応させた以外、実施例24と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、無水酢酸67.9gの滴下に代えて、メチルエチルケトン302.1g(ホルムアミジン酢酸塩に対して6.5モル当量)滴下し、50℃で2時間反応させる以外、実施例24と同様に操作を行った。
実施例18と同様に、工程(a)及び工程(b)を行った。
その後、内温20〜30℃に降温し、アセトン205.7ml(ホルムアミジン酢酸塩に対して4.4モル当量)滴下し、20℃で15分間反応させた。次いで、内温を50℃まで昇温し、窒素気流下(流量60ml/min)1時間攪拌した。以降、実施例18と同様の手順に従い、内温20〜30℃まで降温し、濃硫酸を滴下して、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩の結晶を得た。
実施例18と同様に、工程(a)及び工程(b)を行った。
その後、内温20〜30℃に降温し、アセトン205.7ml(ホルムアミジン酢酸塩に対して4.4モル当量)滴下し、50℃で2時間反応させた。次いで、内温を65℃まで昇温し、窒素気流下(流量123ml/min)2時間攪拌した。以降、実施例18と同様の手順に従い、内温20〜30℃まで降温し、濃硫酸を滴下して、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩の結晶を得た。
工程(a)及び工程(b)を、実施例24と同様にして行った。
工程(b)の反応完結後(すなわち、モノメチルヒドラジンによる反応の完結後)に、内温20〜30℃に降温し、アセトン308.3ml(ホルムアミジン酢酸塩に対して6.5モル当量)を滴下、そのまま30分攪拌した。次いで、無水酢酸67.9g(同1.0モル当量)を滴下し、その後20℃にて30分攪拌した。そして、内温20〜30℃で、濃硫酸162.0g(同2.4モル当量)を滴下し、上記5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩(淡黄白色結晶)の析出を確認した。1時間同温にて攪拌後、125mmヌッチェを用いて、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩を含む黄白色結晶を137.5g濾取した。HPLCによる定量分析により、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩の収率は80%であった。また、得られた結晶中、HPLCによる定量分析により5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩が95.1質量%、ヨウ素滴定により上記化合物(4−1)の硫酸塩が0.24質量%、またイオンクロマトグラフィーによる定量により硫酸アンモニウムが0.20質量%含まれていることが分かった。
工程(b)の反応完結後に、アセトン205.7ml(ホルムアミジン酢酸塩に対して4.5モル当量)を滴下して30分攪拌した後に、無水酢酸67.9g(同1.0モル当量)を滴下後、10℃で15分攪拌し、その後に濃硫酸を滴下した以外、実施例38と同様に操作を行った。
工程(b)の反応完結後に、アセトン308.3ml(ホルムアミジン酢酸塩に対して6.5モル当量)を滴下して30分攪拌した後に、無水酢酸67.9g(同1.0モル当量)を滴下後、55℃で2時間攪拌し、その後に濃硫酸を滴下した以外、実施例38と同様に操作を行った。
実施例18〜40に関し、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の塩を濾過により濾取する際の、母液の脱液性(所要時間・脱液の様子)を以下の基準に従い、目視にて評価した。B〜AAAであれば、製造適性が充分にある脱液性である。
AA:極めて良好な脱液性
A:良好な脱液性
B:製造にて操作する上で問題のない充分な脱液性
C:脱液性不足
工程(a)において、ホルムアミジン酢酸塩の代わりにアセトアミジン塩酸塩60.5g(0.64モル)を用いた以外、実施例38と同様に操作を行った。結果として、5−アミノピラゾール誘導体(5−2)の硫酸塩を含む黄白色結晶を136.3g濾取した。HPLCによる定量分析により、5−アミノピラゾール誘導体(5−2)の硫酸塩の収率は76%であった。1H−NMR測定データ(化学シフト値)の結果は以下の通りである。
工程(a)において、ホルムアミジン酢酸塩の代わりにベンズアミジン塩酸塩101.0g(0.64モル)を用いた以外、実施例38と同様に操作を行った。結果として、5−アミノピラゾール誘導体(5−3)の硫酸塩を含む黄白色結晶を162.3g濾取した。HPLCによる定量分析により、5−アミノピラゾール誘導体(5−3)の硫酸塩の収率は71%であった。1H−NMR測定データ(化学シフト値)の結果は以下の通りである。
2L三つ口フラスコにホルムアミジン酢酸塩(上記化合物(1−1))215.0g(2.0mol;1.0モル当量)及びシアノ酢酸メチル(上記化合物(2−1))の253.2g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.25モル当量)を、メタノール157.2ml中にて攪拌し、次いで、窒素気流下(123ml/min)内温を50℃まで昇温後、トリエチルアミン250.8g(2.4mol;同1.2モル当量)を添加した。この時のpHは10.4(21℃)であった。その後、内温65℃になるまで加温し、3時間、加熱還流下、攪拌した(工程(a))。この時のpHは約7.5であった。
続いて、該反応液の内温を30〜40℃に合わせ、イソプロパノールを627.4ml注入し、窒素気流下(123ml/min)、フェニルヒドラジン(下記化合物(4−2))265.3g(2.4mol;同1.2モル当量)を内温35〜45℃にて滴下後、昇温して内温50〜60℃にて攪拌した。3時間後、反応の完結を確認した(工程(b))。その後、内温を1時間かけて10〜20℃に降温した。次いで、内温10〜15℃にて1時間攪拌後、180mmヌッチェを用いて、5−アミノピラゾール誘導体(5−4)(白色結晶)を271.5g濾取した。HPLCによる定量分析により、5−アミノピラゾール誘導体(5−4)の収率は62%であった。1H−NMR測定データ(化学シフト値)の結果は以下の通りである。
200mL三つ口フラスコにホルムアミジン酢酸塩(上記化合物(1−1))8.0g(0.075mol;1.0モル当量)及びシアノ酢酸メチル(上記化合物(2−1))の9.4g(ホルムアミジン酢酸塩に対して1.25モル当量)を、メタノール5.85ml中にて攪拌し、次いで、窒素気流下(123ml/min)内温を50℃まで昇温後、トリエチルアミン9.3g(同1.2モル当量)を添加した。この時のpHは10.5(21℃)であった。その後、内温65℃になるまで加温し、3時間、加熱還流下、攪拌した(工程(a))。この時のpHは約7.5であった。
続いて、該反応液の内温を30〜40℃に合わせ、イソプロパノールを23.3ml注入し、窒素気流下(123ml/min)、フェニルヒドラジン(下記化合物(4−2))9.9g(同1.2モル当量)を内温35〜45℃にて滴下後、昇温して内温50〜60℃にて攪拌した。3時間後、反応の完結を確認した(工程(b))。その後、内温を40〜50℃に降温した。アセトン12.0ml(ホルムアミジン酢酸塩に対して2.2モル当量)を滴下、そのまま30分攪拌した。次いで、無水酢酸7.9g(同1.0モル当量)を滴下し、その後20℃にて30分攪拌した。そして、内温20〜30℃で、濃硫酸18.9g(同2.4モル当量)を滴下し、1時間同温にて攪拌後、90mmヌッチェを用いて、5−アミノピラゾール誘導体(5−4)の硫酸塩を含む白色結晶を16.9g濾取した。HPLCによる定量分析により、5−アミノピラゾール誘導体(5−4)の硫酸塩の収率は71%であった。1H−NMR測定データ(化学シフト値)の結果は以下の通りである。
実施例18と同様に、工程(a)及び工程(b)を行った。
その後、窒素気流を止めて、2−プロパノール315mlを注入し、攪拌しながら内温55℃まで昇温後、真空ポンプにて減圧(0.055MPa)し、1時間留去した。液体留分は150gだった。その後、20℃まで降温し、上記で留去した分と同量の2−プロパノール150gを加えた。
次いで、内温20〜30℃で、濃硫酸162.0g(同2.4モル当量)を滴下し、上記5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩(淡黄白色結晶)の析出を確認した。内温0〜10℃にて1時間攪拌後、125mmヌッチェを用いて、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩を含む黄白色結晶を173.7g濾取した。HPLCによる定量分析により、5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩の収率は74%であった。また、得られた結晶中、HPLCによる定量分析により5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩が91.4質量%、ヨウ素滴定により上記化合物(4−1)の硫酸塩が1.58質量%、またイオンクロマトグラフィーによる定量により硫酸アンモニウムが1.40質量%含まれていることが分かった。
工程(b)の後、窒素気流を止めて、2−プロパノール315mlを注入し、攪拌しながら内温65℃まで昇温後、真空ポンプにて減圧(0.067MPa)し、1時間留去した以外は、実施例45と同様に操作を行った。
5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩の収率は75%であった。また、得られた結晶中、HPLCによる定量分析により5−アミノピラゾール誘導体(5−1)の硫酸塩が91.8質量%、ヨウ素滴定により上記化合物(4−1)の硫酸塩が1.42質量%、またイオンクロマトグラフィーによる定量により硫酸アンモニウムが1.35質量%含まれていることが分かった。
Claims (12)
- 下記工程(a)から工程(c)を順に行うことを特徴とする、5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
(a)下記一般式(1)で表される化合物又はその塩と、下記一般式(2)で表される化合物とをpHを8〜12に維持した状態で反応させて、下記一般式(3)で表される中間体を誘導する工程
(b)前記中間体と下記一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体とを反応させて、一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体又はその塩を得る工程
(c)前記工程(b)で得られた前記一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体を含む反応液に対して、加熱処理を行う工程
式中、R1は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、アリール基又は複素環基を表し、
R2は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又はアリール基を表し、
R3は、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表し、R4は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、LGは、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、アリールアミノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキルチオ基又はアリールチオ基を表す。 - 下記工程(a)から工程(c)を順に行うことを特徴とする、5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
(a)下記一般式(1)で表される化合物又はその塩と、下記一般式(2)で表される化合物とをpHを8〜12に維持した状態で反応させて、下記一般式(3)で表される中間体を誘導する工程
(b)前記中間体と下記一般式(4)で表されるヒドラジン誘導体とを反応させて、一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体又はその塩を得る工程
(c)前記工程(b)で得られた前記一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体を含む反応液に、酸無水物、酸塩化物、アルデヒド基を有する化合物、ケトン基を有する化合物、及びエステル基を有する化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を添加する工程
式中、R 1 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、アリール基又は複素環基を表し、
R 2 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又はアリール基を表し、
R 3 は、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表し、R 4 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、LGは、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、アリールアミノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキルチオ基又はアリールチオ基を表す。 - 前記一種以上の化合物が、無水酢酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、アセトン、メチルエチルケトン、塩化アセチル、塩化チオニル及びアセトアルデヒドからなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
- 前記LGがアミノ基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
- R1は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアリール基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアリール基を表し、R3は、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表し、R4は、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基又は複素環基を表すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
- 前記(a)工程において、pHを9〜10.5に維持した状態で反応を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
- 前記工程(a)を30〜80℃で行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
- 前記工程(a)を気体の気流下で行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
- 前記工程(b)を気体の気流下で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
- 前記工程(a)で得た反応液について中間体(3)の単離操作をすることなく、また、該反応液を移液することもなく、工程(b)まで一貫して行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の5−アミノピラゾール誘導体又はその塩の製造方法。
- 前記工程(b)で得られた前記一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体に対して造塩工程を実施することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の一般式(5)で表される5−アミノピラゾール誘導体の塩の製造方法。
- 前記造塩工程が、無機酸又は有機酸を用いるものであることを特徴とする請求項11に記載の5−アミノピラゾール誘導体の塩の製造方法。
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