JP2004277330A - 5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその製造方法 - Google Patents

5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004277330A
JP2004277330A JP2003070178A JP2003070178A JP2004277330A JP 2004277330 A JP2004277330 A JP 2004277330A JP 2003070178 A JP2003070178 A JP 2003070178A JP 2003070178 A JP2003070178 A JP 2003070178A JP 2004277330 A JP2004277330 A JP 2004277330A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
carbon atoms
anion
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003070178A
Other languages
English (en)
Inventor
Keizo Kimura
桂三 木村
Kazuyoshi Yamakawa
一義 山川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2003070178A priority Critical patent/JP2004277330A/ja
Publication of JP2004277330A publication Critical patent/JP2004277330A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、写真用添加剤、医薬および農薬などとして、あるいはこれらの中間体として有用な1位および4位に置換基を有する、5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその安価、簡便で高収率な製造方法を提供することにある。
【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物、および下記一般式(II)で表される化合物と下記一般式(III)で表される化合物を反応させて前記一般式(I)の化合物の製造方法。。
【化1】
Figure 2004277330

【化2】
Figure 2004277330

(一般式(I)〜(III)中、R11は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、R12はハロゲン原子または複素環基を表す。R21は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその製造法に関するものであり、さらに詳しくは写真用添加剤、染料、医薬および農薬などとして、あるいはこれらの中間体として有用な1位および4位に置換基を有する5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アミノ基とヒドロキシ基が置換したピラゾール化合物、例えばそのケト−エノールの互変異性体としての3−アミノ−5−ピラゾロン(ケト体)、は写真用添加剤、医薬および農薬などとして、あるいはこれらの中間体として有用である(例えば、特許文献1〜3参照)。このため、新たなアミノ基とヒドロキシ基が置換したピラゾール化合物の開発並びにその安価で簡便な製造法の開発が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第4,367,282号
【特許文献2】
特開昭62−70363号公報
【特許文献3】
特開2002−338548号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、写真用添加剤、医薬および農薬などとして、あるいはこれらの中間体として有用な1位および4位に置換基を有する、5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその安価、簡便で高収率な製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討の結果、以下の化合物および製造方法により、上記目的が達成されることを見出した。すなわち、
<1>下記一般式(I)で表される化合物。
【0006】
【化4】
Figure 2004277330
【0007】
一般式(I)中、R11は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、R12はハロゲン原子または複素環基を表す。
<2> 下記一般式(II)で表される化合物と、下記一般式(III)で表される化合物を反応させることを特徴とする、前記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
【0008】
【化5】
Figure 2004277330
【0009】
一般式(II)中、 R12はハロゲン原子または複素環基を表し、R21は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。一般式(III)中、R11は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。
<3> 上記<2>において下記一般式(IV)で表される化合物の少なくとも1種の存在下で反応させることを特徴とする上記<2>に記載の製造方法。
【0010】
【化6】
Figure 2004277330
【0011】
一般式(IV)中、A41は有機基または無機の酸根を表し、M42は水素、炭素、窒素、酸素、17族および18族以外の元素を表し、n41およびn42は各々独立に1以上の整数を表す。n41が2以上のとき複数のA41は同一でも異なってもよく、またn42が2以上のとき複数のM42は同一でも異なってもよい。
以上、上記<1>〜<3>により、達成された。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】
1.本発明における基の説明
1)脂肪族基
本発明の脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。
【0014】
(アルキル基、置換アルキル基)
アルキル基は直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、また環を形成(即ち、シクロアルキル基である)していてもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜18であることが更に好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。
【0015】
(アルケニル基、置換アルケニル基)
アルケニル基は直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、また環を形成(即ち、シクロアルケニル基である)していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルケニル基もアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。
【0016】
(アルキニル基、置換アルキニル基)
アルキニル基は直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、また環を形成(即ち、シクロアルキニル基である)していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は上記アルキニル基と同様である。
【0017】
(アラルキル基および置換アラルキル基)
アラルキル基は置換アルキル基に属するものであり、特に断らない限り、本発明においても置換アルキル基に含まれる。しかしながら、置換アルキル基のなかでも特に好ましいもの等として、アラルキル基、置換アラルキル基を使用することがある。
このような場合、以下の意味で使用する。
アラルキル基および置換アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分は下記アリール基と同様である。
【0018】
(置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基における置換基)
置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例を以下に挙げる。
ハロゲン原子:例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子。
アルキル基:直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を1個取り去った1価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。
以下に説明する置換基の中のアルキル部(例えばアルキルチオ基のアルキル部)もこのような概念のアルキル部を表す。
【0019】
アルケニル基:直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を1個取り去った1価の基である。例えば、2−シクロペンテンー1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を1個持つビシクロアルケンの水素原子を1個取り去った1価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。
【0020】
アルキニル基:好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル。
アリール基:好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル。
ヘテロ環基:好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル。
【0021】
シアノ基
ヒドロキシル基
ニトロ基
カルボキシル基
アルコキシ基:好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ。
アリールオキシ基:好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ。
シリルオキシ基:好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ。
ヘテロ環オキシ基:好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ。
【0022】
アシルオキシ基:好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ。
カルバモイルオキシ基:好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、カルバモイルオキシ、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ。
【0023】
アルコシキカルボニルオキシ基:好ましくは、総炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルオキシカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ。
アリールオキシカルボニルオキシ基:好ましくは、総炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ。
【0024】
アミノ基:好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基およびジアリールアミノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチルーアニリノ、ジフェニルアミノ。
アシルアミノ基:好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えばホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ。
【0025】
アミノカルボニルアミノ基:好ましくは、総炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ。
アルコキシカルボニルアミノ基:好ましくは総炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルメトキシカルボニルアミノ。
【0026】
アリールオキシカルボニルアミノ基:好ましくは、総炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ。
スルファモイルアミノ基:好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えばスルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ。
【0027】
アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基:好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ。
メルカプト基
アルキルチオ基:好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ。
アリールチオ基:好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ。
【0028】
ヘテロ環チオ基:好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ。
スルファモイル基:好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル。
スルホ基
【0029】
アルキルまたはアリールスルフィニル基:好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル。
アルキルまたはアリールスルホニル基:好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル。
アシル基:好ましくはホルミル基、総炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、総炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル。
【0030】
アリールオキシカルボニル基:好ましくは総炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル。
アルコキシカルボニル基:好ましくは、総炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル。
カルバモイル基:好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル。
【0031】
アリールまたはヘテロ環アゾ基:好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ。
イミド基:好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド。
ホスフィノ基:好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ。
【0032】
ホスフィニル基:好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル。
ホスフィニルオキシ基:好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフェニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ。
【0033】
ホスフィニルアミノ基:好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ。
シリル基:好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル。
【0034】
(更に置換されてもよい基)
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としてはアルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニルが挙げられる。
【0035】
置換アラルキル基のアリール部分の置換基の例は、下記置換アリール基の置換基の例と同様である。
【0036】
2)芳香族基
本明細書における芳香族基は、アリール基および置換アリール基を意味する。またこれらの芳香族基は脂肪族環、他の芳香族環または複素環が縮合していてもよい。芳香族基の炭素原子数は6〜40が好ましく、6〜30が更に好ましく、6〜20が更に好ましい。またその中でもアリール基としては置換基を有してもよいフェニル基またはナフチル基であることが好ましく、置換基を有してもよいフェニル基が特に好ましい。
【0037】
置換アリール基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。置換アリール基の置換基の例としては、先に置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例として挙げたものと同様である。
【0038】
3)複素環基
本明細書における複素環基は、5員または6員の飽和または不飽和複素環を含むことが好ましい。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環のヘテロ原子の例にはB、N、O、S、SeおよびTeが含まれる。ヘテロ原子としてはN、OおよびSが好ましい。複素環は炭素原子数が遊離の原子価(1価)を有する(複素環基は炭素原子において結合する)ことが好ましい。好ましい複素環基の炭素原子数は1〜40であり、より好ましくは1〜30であり、更に好ましくは1〜20である。飽和複素環の例には、ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,3−ジオキソラン環および1,3−チアゾリジン環が含まれる。不飽和複素環の例には、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環およびプリン環が含まれる。複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、先に置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例として挙げたものと同様である。
【0039】
2.一般式(I)〜(IV)で表される化合物の説明
次に、本発明で使用される前記一般式(I)〜(IV)で表される化合物について説明する。
1)一般式(I)で表される化合物の説明
前記一般式(I)において、 R11は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、これらは前述の1において述べたものと同義である。好ましいR11は置換および無置換の炭素数1〜8、より好ましくは1〜5のアルキル基および炭素数6〜8のアリール基であり、より好ましくは無置換またはハロゲン、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アシル基およびホスフィノ基を有する炭素数1〜5のアルキル基および炭素数6〜8のアリール基であり、更に好ましくは無置換またはハロゲン、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシル基およびメルカプト基を有するメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルおよびフェニルであり、最も好ましいR11はメチル、エチル、フェニル、ジクロロフェニルおよびトリクロロフェニルである。
【0040】
12はハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、沃素原子、フッ素原子)または複素環基を表し、複素環基は前述の1で述べたものと同義である。好ましいR12はハロゲン原子、ヘテロ原子として1つまたはそれ以上のN、O、Sの何れかからなる複素環基であり、より好ましくは塩素原子、一般式(I)におけるピラゾール環の4位(R12が結合する炭素原子)に結合する原子が窒素原子である含窒素複素環基であり、更に好ましくは該含窒素複素環基が5員環の複素環基であり、更に好ましくは5員環の芳香族含窒素複素環基(好ましくは、環構成窒素原子を2〜3個有する)であり、更に好ましくは複素環基の複素環がピラゾール、イミダゾール、1,2,4−トリアゾールである複素環基である。
【0041】
2)一般式(II)、(III)で表される化合物の説明
前記一般式(II)において、R12は一般式(I)と同義であり、好ましい範囲も同一である。R21は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、これらは前述の1で述べたものと同義である。好ましいR21はアルキル基およびアリール基であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基および炭素数6〜8のアリール基であり、更に好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、フェニル、クロロフェニル、 ジクロロフェニル、メトキシフェニル、トリルおよびキシリルであり、最も好ましいR21はメチル、エチル、フェニルおよびp−トリルである。
【0042】
一般式(III)においてR11は一般式(I)と同義であり、好ましい範囲も同一である。
【0043】
3)一般式(IV)で表される化合物の説明
一般式(IV)において、A41で表される有機基の酸根とは、有機酸のアニオン(また本明細書では、アニオン性基または基とも称す)である。有機の酸根としては、炭素原子を1つ以上(好ましくは炭素原子が1〜30)有する1価または2価以上のアニオン性基を表し、例えば、アルコキシアニオン(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜15、更に好ましくは炭素数1〜6であり、例えばメトキシアニオン、エトキシアニオン、イソプロポキシアニオン、t−ブトキシアニオン、シクロヘキシルオキシアニオン、ドデカオキシアニオン、ベンジルオキシアニオン、2−ペンテン−4−オン−2−オキシアニオン)、炭酸アニオン、シュウ酸アニオン、アルキルカルボン酸アニオン(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜15、更に好ましくは炭素数2〜7であり、例えばアセトキシアニオン、プロピオニルオキシアニオン、ピバロイルオキシアニオン、デカノイルオキシアニオン、フェニルアセチルオキシアニオン、トリフルオロメチルカルボキシアニオン)、アリールカルボン酸アニオン(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜15、更に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばベンゾイルオキシアニオン、4−メトキシベンゾイルオキシアニオン、3−ニトロベンゾイルオキシアニオン)、アルキルスルホン酸アニオン(好ましくは炭素数1〜30、更に好ましくは炭素数1〜15、更に好ましくは炭素数1〜6であり、例えばメタンスルホニルオキシアニオン、エタンスルホニルオキシアニオン、プロパンスルホニルオキシアニオン、デカンスルホニルオキシアニオン、トリフルオロメタンスルホニルオキシアニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシアニオン)、アリールスルホン酸アニオン(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばベンンゼンスルホニルオキシアニオン、4−メチルベンゼンスルホニルオキシアニオン、3−ニトロベンゼンスルホニルオキシアニオン、ナフタレン−1,5−ジスルホニルオキシアニオン、4−メトキシベンゼンスルホニルオキシアニオン)である。
【0044】
無機の酸根とは炭素原子を有しない1価または2価以上の酸が解離して生成するアニオン(また本明細書では、アニオン性基または基とも称す)である。例えば、硫酸アニオン、硝酸アニオン、リン酸アニオン、およびハロゲンアニオン(例えばフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素、ヨウ素アニオン)である。更に水素アニオンも含まれる。
【0045】
好ましいA41はアルコキシアニオン、炭酸アニオン、シュウ酸アニオン、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオンおよびハロゲンアニオンであり、より好ましくはアルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオンおよびハロゲンアニオンであり、更に好ましくはアルキルカルボン酸アニオン、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオンおよびハロゲンアニオンであり、更に好ましくはアセトキシアニオン、トリフルオロメチルカルボキシアニオン、トリクロロメチルカルボキシアニオン、メタンスルホニルオキシアニオン、トリフルオロメタンスルホニルオキシアニオン、トリクロロメタンスルホニルオキシアニオン、p−トルエンスルホニルオキシアニオン、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオンであり、更に好ましくはアセトキシアニオン、メタンスルホニルオキシアニオン、フッ素アニオンおよび塩素アニオンである。
【0046】
42は水素、炭素、窒素、酸素、17族および18族以外の元素を表し、好ましいM42は第3周期から第7周期の元素であり、更に好ましくは第3周期から第6周期の元素であり、より好ましくは第4周期から第6周期の元素である。第4周期から第6周期の元素のうち、更に好ましくは1族で1価の元素、2族で2価の元素、3族で3価の元素、4族で3価または4価の元素、5族で3〜5価の元素、6族で3〜6価の元素、7族で4〜7価の元素、8族で3〜6価の元素、9族で2〜4価の元素、10族で3〜4価の元素、11族で1〜3価の元素、12族で2価の元素、13族で3価の元素、14族で4価の元素、15族で3価の元素および16族で4価の元素である。またこれらのうち更に好ましくは第6周期の元素で1族で1価の元素、2族で2価の元素、3族で3価の元素、4族で3価または4価の元素、5族で3〜5価の元素、6族で3〜6価の元素、7族で4〜7価の元素、8族で3〜6価の元素、9族で2〜4価の元素、10族で3〜4価の元素、11族で1〜3価の元素、12族で2価の元素、13族で3価の元素、14族で4価の元素、15族で3価の元素および16族で4価の元素である。また最も好ましいM42は第6周期の3族(ランタノイド系元素)で3価のものである。
【0047】
41およびn42は各々独立に1以上の整数を表す。n41、n42が2以上の場合、各々の複数のA41およびM42はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0048】
一般式(IV)で表される化合物は結晶水等の中性物質を結晶中に含んでいてもよい。
【0049】
3.一般式(I)〜(IV)で表される化合物の具体例
次に本発明の一般式(I)〜(IV)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
1)一般式(I)で表される化合物
【0051】
【化7】
Figure 2004277330
【0052】
【化8】
Figure 2004277330
【0053】
【化9】
Figure 2004277330
【0054】
【化10】
Figure 2004277330
【0055】
【化11】
Figure 2004277330
【0056】
【化12】
Figure 2004277330
【0057】
2)一般式(II)で表される化合物
【0058】
【化13】
Figure 2004277330
【0059】
【化14】
Figure 2004277330
【0060】
【化15】
Figure 2004277330
【0061】
【化16】
Figure 2004277330
【0062】
【化17】
Figure 2004277330
【0063】
【化18】
Figure 2004277330
【0064】
【化19】
Figure 2004277330
【0065】
【化20】
Figure 2004277330
【0066】
【化21】
Figure 2004277330
【0067】
3)一般式(III)で表される化合物
【0068】
【化22】
Figure 2004277330
【0069】
【化23】
Figure 2004277330
【0070】
【化24】
Figure 2004277330
【0071】
【化25】
Figure 2004277330
【0072】
【化26】
Figure 2004277330
【0073】
【化27】
Figure 2004277330
【0074】
【化28】
Figure 2004277330
【0075】
4)一般式(IV)で表される化合物
【0076】
【化29】
Figure 2004277330
【0077】
【化30】
Figure 2004277330
【0078】
【化31】
Figure 2004277330
【0079】
【化32】
Figure 2004277330
【0080】
【化33】
Figure 2004277330
【0081】
4.製造方法
次に本発明の製造方法について説明する。
一般式(I)で表される化合物を製造するには、一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される化合物とを反応させる。このとき一般式(IV)で表される化合物の少なくとも1種が反応系内に共存することが好ましい。
【0082】
反応溶媒として例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセロール)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えばヘキサン)、芳香族炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)、アミン系溶媒(例えばトリエチルアミン、ピロリジン、ピリジン、ピコリン)を単独あるいは混合して用いる。これらのうち好ましい反応溶媒はスルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミン系溶媒であり、より好ましくはスルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミン系溶媒であり、更に好ましくはスルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、アミン系溶媒である。
【0083】
使用する前記反応溶媒量としては、撹拌不能等の工程操作上の問題点を引き起こさなければ、工業的スケールによって変わりうるもので特に限定されるものではないが、経済性、反応性向上の観点から、一般式(II)で表される化合物の1質量部当たり0.1〜1000倍量、好ましくは0.5〜100倍量、更に好ましくは1〜10倍量である。
【0084】
反応温度は好ましくは−30〜200℃、より好ましくは0〜150℃、更に好ましくは20〜130℃の温度範囲にて、好ましくは5分〜10時間、より好ましくは30分〜3時間の反応時間の範囲にて行う。また、20〜50℃にて30分から2時間反応を行った後、反応温度を上げて80〜130℃にて30分〜2時間反応を行うのも好ましい。
【0085】
一般式(II)、一般式(III)および一般式(IV)で表される化合物を混合して反応を行った後、更に塩基を添加して反応を続けることも好ましい。このとき使用する塩基としては有機(例えばトリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、ピリジン、ナトリウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド)、無機の塩基(例えば水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム)が好ましい。なお、有機の塩基で溶媒として使用できるものは、これのみを単独に反応溶媒として使用しても良く、また、前述の反応溶媒と併用して反応溶媒としても構わない。
【0086】
反応に使用する化合物の好ましいモル比は、一般式(II)で表される化合物1モルに対して、一般式(III)で表される化合物が好ましくは0.5〜2モル、より好ましくは0.8〜1.1モル、一般式(IV)で表される化合物が好ましくは0.0001〜2モル、より好ましくは0.0001〜0.2モル、更に好ましくは0.0001〜0.05モル、反応の途中で添加する塩基が好ましくは0.1〜4モル、より好ましくは0.1〜1モルである。
【0087】
一般式(I)で表される化合物が遊離アミンとして不安定である場合は、該化合物を無機酸または有機酸の塩として製造、保存することも好ましい。一般式(I)で表される化合物を造塩する無機、有機の酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、シュウ酸の塩とすることが好ましく、硫酸、塩酸およびナフタレン−1,5−ジスルホン酸の塩として造塩することが最も好ましい。
【0088】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0089】
(実施例1)
下記反応式に基づき、例示化合物(P−2)を合成した。
【0090】
【化34】
Figure 2004277330
【0091】
3つ口フラスコに化合物(E−1)19.8g、化合物(H−2)21.1g、ピリジン100mlを入れ、室温で攪拌しながらここへLaCl・7HOを3.7g加え、3時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、反応液を氷600gにあけて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。得られた結晶をメタノール500mlとクロロホルム500mlの混合溶媒に加えて、2時間加熱還流した後、濾過して得られた濾液を残量100mlになるまでロータリーエバポレーターで濃縮し、析出した結晶を吸引濾過して、乾燥し、目的の例示化合物(P−2)29.6gを得た(収率86%)。得られた結晶は、下記H−NMRにより目的の化合物であることを確認した。
【0092】
H−NMRスペクトルデータ(内部標準:TMS)
H−NMR(DMSO−d):δ=9.0−11.3(1H),7.99(1H),7.88(2H),7.65(1H),6.40(1H),6.00(2H)
【0093】
(評価)
特開平5−113643号の実施例2において、試料201の第三層で使用されている(III−6)の代わりに、得られた前記化合物(P−2)を等モル使用した以外は、特開平5−113643号の実施例2に記載の方法で試料を作製した。その画像堅牢性改良効果を確認した結果、該試料の画像堅牢性が改良されることを確認した。
【0094】
(実施例2)
下記反応式に基づき、例示化合物(P−3)を合成した。
【0095】
【化35】
Figure 2004277330
【0096】
3つ口フラスコに化合物(E−1)19.8g、化合物(H−3)17.6g、ピリジン100mlを入れ、室温で攪拌しながらここへ化合物GdCl・6HOを3.71g加え、3時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、反応液を氷500gにあけて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。得られた結晶をメタノール500mlとクロロホルム500mlの混合溶媒に加えて、2時間加熱還流した後、濾過して得られた濾液を残量100mlになるまでロータリーエバポレーターで濃縮し、析出した結晶を吸引濾過して、乾燥し、目的の例示化合物(P−3)25.0gを得た(収率81%)。
【0097】
(評価)
特開平5−113643号の実施例2において、試料201の第三層で使用されている(III−6)の代わりに、得られた前記化合物(P−3)を等モル使用した以外は、特開平5−113643号の実施例2に記載の方法で試料を作製した。その画像堅牢性改良効果を確認した結果、該試料の画像堅牢性が改良されることを確認した。
【0098】
(実施例3)
下記反応式に基づき、例示化合物(P−21)を合成した。
【0099】
【化36】
Figure 2004277330
【0100】
3つ口フラスコに化合物(E−31)19.8g、化合物(H−2)21.1g、α―ピコリン100mlを入れ、室温で攪拌しながらここへ化合物PrCl・6HOを1.77g加え、3時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、反応液を氷500gにあけて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。得られた結晶をメタノール500mlとクロロホルム500mlの混合溶媒に加えて、2時間加熱還流した後、濾過して得られた濾液を残量100mlになるまでロータリーエバポレーターで濃縮し、析出した結晶を吸引濾過して、乾燥し、目的の例示化合物(P−21)26.9gを得た(収率78%)。得られた結晶は、H−NMRにより目的の化合物であることを確認した。
【0101】
(評価)
特開平5−113643号の実施例2において、試料201の第三層で使用されている(III−6)の代わりに、得られた前記化合物(P−21)を等モル使用した以外は、特開平5−113643号の実施例2に記載の方法で試料を作製した。その画像堅牢性改良効果を確認した結果、該試料の画像堅牢性が改良されることを確認した。
【0102】
(参考例1)
下記反応式に基づき、例示化合物(E−1)を合成した。
【0103】
【化37】
Figure 2004277330
【0104】
1)化合物(1)の合成
3つ口フラスコにピラゾール74.3g、アセトニトリル400mlを入れ、氷冷下にて攪拌しながらここへナトリウム−t−ブトキシド95.1gを15分かけて添加した。そのまま30分攪拌した後、ここへクロロアセトニトリル74.9gを30分かけて滴下し、そのまま2時間攪拌し、更に氷浴をはずして2時間攪拌した。ここへ酢酸エチル500ml、水250mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を250mlの飽和食塩水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。このものをロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた残留物を減圧蒸留して目的の化合物(1)を90.1g得た(収率85%)。得られた結晶は、下記H−NMRにより目的の化合物であることを確認した。
【0105】
H−NMRスペクトルデータ(内部標準:TMS)
H−NMR(CDCl):δ=7.60(1H),7.53(1H)、6.38(1H),5.10(2H)
【0106】
2)例示化合物(E−1)の合成
3つ口フラスコに油性水素化ナトリウム(60%純度)26.0g、トルエン260mlを入れ、攪拌しながらここへ前記で得られた化合物(1)34.8gと炭酸ジメチル82.2mlの混合物を2時間かけて滴下した。このとき内温を16〜35℃に保った。滴下終了後、内温40℃にて1時間、内温50℃にて1時間、さらに内温65℃にて4時間それぞれ加熱攪拌した。このものを20℃まで冷却して結晶を析出させ、吸引濾過した。得られた結晶をメタノール100mlに懸濁して、氷冷下攪拌しながらここへ酢酸60mlを添加した。このものをロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた残留物に酢酸エチル500mlと水500mlを加えて抽出し、得られた酢酸エチル層を飽和食塩水30mlと水300mlの混合溶液で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。こうして得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的の例示化合物(E−1)41.9gを得た(収率78%)。得られた結晶は、下記H−NMRにより目的の化合物であることを確認した。
【0107】
H−NMRスペクトルデータ(内部標準:TMS)
H−NMR(CDCl):δ=7.67(1H),7.64(1H),6.44(1H)、6.02(1H)、3,90(3H)
【0108】
(参考例2)
下記反応式に基づき、例示化合物(P−2)の合成を試みた。
【0109】
【化38】
Figure 2004277330
【0110】
3つ口フラスコに化合物(E−1)19.8g、化合物(H−2)21.1g、ピリジン100mlを入れ、10時間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、反応液をメタノールで500倍に希釈し、高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)にて下記条件で測定したところ、目的物の(P−2)の生成は認められなかった。
【0111】
Figure 2004277330
【0112】
(参考例3)
参考例2と同様に、例示化合物(P−2)の合成を次の手順で試みた。
3つ口フラスコに化合物(E−1)19.8g、化合物(H−2)21.1g、グリセロール100mlを入れ、内温150℃にて20時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却し、氷600gにあけて攪拌し、析出した結晶を吸引濾過した。得られた結晶をメタノール500mlとクロロホルム500mlの混合溶媒に加えて、2時間加熱還流した後、濾過して得られた濾液を残量100mlになるまでロータリーエバポレーターで濃縮し、析出した結晶を吸引濾過して、乾燥し、目的の例示化合物(P−2)14.5gを得た(収率42%)。
【0113】
【発明の効果】
本発明により、4位に置換基を有する5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物を安価、簡便で高効率に製造することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物。
    Figure 2004277330
    (一般式(I)中、R11は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、R12はハロゲン原子または複素環基を表す。)
  2. 下記一般式(II)で表される化合物と、下記一般式(III)で表される化合物を反応させることを特徴とする、前記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
    Figure 2004277330
    (一般式(II)中、 R12はハロゲン原子または複素環基を表し、R21は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。一般式(III)中、R11は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。)
  3. 請求項2において下記一般式(IV)で表される化合物の少なくとも1種の存在下で反応させることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
    Figure 2004277330
    (一般式(IV)中、A41は有機基または無機の酸根を表し、M42は水素、炭素、窒素、酸素、17族および18族以外の元素を表し、n41およびn42は各々独立に1以上の整数を表す。n41が2以上のとき複数のA41は同一でも異なってもよく、またn42が2以上のとき複数のM42は同一でも異なってもよい。)
JP2003070178A 2003-03-14 2003-03-14 5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその製造方法 Pending JP2004277330A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003070178A JP2004277330A (ja) 2003-03-14 2003-03-14 5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003070178A JP2004277330A (ja) 2003-03-14 2003-03-14 5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004277330A true JP2004277330A (ja) 2004-10-07

Family

ID=33286995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003070178A Pending JP2004277330A (ja) 2003-03-14 2003-03-14 5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004277330A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4864623B2 (ja) δ−アミノペンタジエン酸エステル誘導体の製造方法
JP4267944B2 (ja) 3−アミノ−5−ピラゾロン化合物の製造方法
JP4074771B2 (ja) ジシアノメチリデン化合物及びヘテロ環化合物の合成方法
JP4500509B2 (ja) アゾ化合物の製造方法
JP4115730B2 (ja) 1,2,4−ベンゾチアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法
JP2004277330A (ja) 5−アミノ−3−ヒドロキシピラゾール化合物およびその製造方法
JP4521267B2 (ja) アミド化合物の製造方法
EP1659124B1 (en) Pyrrolotriazole compound
EP1671958B1 (en) Method of producing amide compound
JPWO2019058885A1 (ja) 化合物の製造方法、および、化合物
JP4253159B2 (ja) アシルアミノフェノール類の製造方法
JP2004123572A (ja) エチニル基を有する無水フタル酸化合物およびその製造方法
JP2007262165A (ja) アゾメチン類の製造方法
JP2006117624A (ja) アミド化合物の製造方法
JP4527933B2 (ja) ピロロトリアゾール化合物の製造方法、ピロロトリアゾール化合物及びハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP4261728B2 (ja) アシルアミノハイドロキノン類の製造方法
JP2005289982A (ja) 1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法
US8729302B2 (en) Method of producing acid halide and acid halide
JP2004123574A (ja) エーテル化合物の製造方法
JP2004210707A (ja) 2−アミノ−4−t−ブチルチオフェノール類および2−アルキルチオ−5−t−ブチルアニリン類の製造方法、並びに該製造方法で得られる化合物
JP2005200375A (ja) チオフェン化合物の製造方法
JP2004035415A (ja) 1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法
JP2004123552A (ja) 1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド化合物の製造方法
JP2004123550A (ja) アルコキシカルボニルイミダゾール類の製造方法および2,4,5−トリアルコキシカルボニルイミダゾール類
JP2004262824A (ja) 2−メチルベンゾオキサゾール化合物の精製方法