JP2007262165A - アゾメチン類の製造方法 - Google Patents

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桂三 木村
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Abstract

【課題】有用なアゾメチン色素の温和、簡便な条件で高収率な製造法を提供する。
【解決手段】色素原料となるカプラー骨格βと、p−ニトロソ−N置換化合物Cをマイクロウェーブ加熱方式で反応させるアゾメチン化合物Aの製造法。例えば、下式の反応により製造される。
Figure 2007262165

【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット印刷方式や感熱転写方式や印刷などの画像形成材料、光記録素子および光学フイルム材料等として有用なアゾメチン色素の製造法に関するものであり、更に詳細には温和、簡便な条件で、かつ高収率でアゾメチン色素類を製造する方法に関する。
アゾメチン色素は色調がイエロー、レッド、マゼンタ、ブルーおよびシアンと多岐に亙るため特に減色法による画像形成用色素として広く用いられている。また特に5,5−縮環型複素環化合物とp−ジアルキルアミノアニリンの酸化カップリングで形成されるアゾメチン色素は色相がシャープで、色再現性に優れる特徴を有する。従来アゾメチン色素は活性メチレン類やフェノール類とN,N−ジアルキル−p−フェニレンジアミン類との含水溶媒系或いは水と有機溶媒の2相系での酸化カップリング反応により形成されることが知られていた(例えば特許文献1、非特許文献1)。これらの反応系ではN,N−ジアルキル−p−フェニレンジアミン類の酸化物が加水分解を受けるため非効率であることから、非水溶媒系とする改良法も提示されたが、原料の分解を回避するには分割添加を要するなど製造を考慮すると操作が煩雑であった(例えば特許文献2)。また前述のN,N−ジアルキル−p−フェニレンジアミン類に代えて、p−ジアルキルアミノニトロソベンゼンを用いる脱水縮合反応も知られていたが(例えば特許文献3)、これらは何れも操作が煩雑であったり、収率が不十分であったりすることから改良が望まれた。
一方、近年マイクロウエーブにて加熱することにより合成反応の収率、選択性を向上させる報告がなされている。例えば炭素-炭素結合反応の鈴木カップリング(例えば非特許文献2)、薗頭カップリング(例えば非特許文献3)、求核置換反応(例えば非特許文献4)などとともに脱水反応(例えば特許文献4、非特許文献5)の例も知られていたが、本発明のような化合物の脱水縮合反応の報告例はなかった。
特開昭60−32851号公報 特開平4−126772号公報 特開平4−178646号公報 米国特許第4,370,495号明細書 ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ,第79巻,2919頁(1957年発行) アンゲバンテ・ヘミー・インターナショナル・エディション・イン・イングリッシュ,第42巻,1407頁(2003年発行) ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,第66巻,4165頁(2001年発行) テトラヘドロン・レターズ,第39巻,2471頁(1998年発行) ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ、パーキン・トランザクション,第1巻,358頁(2001年発行)
本発明の目的はインクジェット印刷方式や感熱転写方式や印刷などの画像形成材料、光記録素子および光学フイルム材料等として有用なアゾメチン色素の温和、簡便な条件で高収率な製造法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、下記手段により本発明の上記目的が達成されることを見出した。
(1)下記一般式(II)で表される化合物と下記一般式(III)で表される化合物をマイクロウエーブ加熱方式で反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
Figure 2007262165
一般式(I)〜(III)中、 Z21は=Oまたは=N−R27を表し、R21、R22、R23、R24およびR27は各々独立に水素原子または置換基を表し、n21は0または1を表す。ここで、Z21、R21〜R24のいずれか少なくとも2つの基が互いに結合して環を形成してもよい。Ar31は2価の芳香族基または複素環基を表し、R31およびR32は各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表す。
(2)前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(I−1)または一般式(I−2)で表される化合物であり、前記一般式(II)で表される化合物が下記一般式(II−1)または(II−2)で表される化合物であり、かつ前記一般式(III)で表される化合物が下記一般式(III−1)で表されることを特徴とする(1)に記載の製造方法。
Figure 2007262165
一般式(I−1)、(I−2)、(II−1)、(II−2)および(III−1)中、A1およびA2は一方が窒素原子、他方が−C(R214)=を表し、XおよびYは各々独立に窒素原子または=C(R315)−を表し、R211、R214、R221、R222、R223、R311、R312およびR315は各々独立に水素原子または置換基を表し、R313およびR314は各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表す。
(3)前記の反応温度が、100℃以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記の反応の反応時間が、30分以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)前記反応において、脱水縮合剤が共存することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によりインクジェット印刷方式や感熱転写方式や印刷などの画像形成材料、光記録素子および光学フイルム材料等として有用なアゾメチン色素の温和、簡便な条件で高収率な製造法を提供することができる。
<本発明における基>
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
化合物の説明に入る前に本発明における基に関して詳細に説明する。
本明細書において脂肪族基はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。アルキル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜18であることが更に好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アルケニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。アルキニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分は下記アリール基と同様である。
置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基および置換アラルキル基の置換基又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換又は無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換又は無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換又は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換又は無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換又は無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換又は無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換又は無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換又は無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、
アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換又は無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換又は無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換又は無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)等が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニルの各基が挙げられる。
置換アラルキル基のアリール部分の置換基としては、下記置換アリール基の置換基が挙げられる。
本明細書において芳香族基は、アリール基および置換アリール基を意味する。またこれらの芳香族基は脂肪族環、他の芳香族環または複素環が縮合していてもよい。芳香族基の炭素原子数は6〜40が好ましく、6〜30が更に好ましく、6〜20が更に好ましい。中でもアリール基としては置換基を有してもよいフェニル基またはナフチル基であることが好ましく、置換基を有してもよいフェニル基が特に好ましい。
置換アリール基の置換基としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基および置換アラルキル基の置換基又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」として挙げたものが挙げられる。
本明細書において、複素環基は環構成原子として、ヘテロ原子を少なくとも1つ含むものであり、飽和、不飽和のいずれであってもよく、また芳香環であっても、さらに他の環と縮合環を形成しても、置換基を有していてもよい。また、環員数は4〜8員環が好ましい。
本発明においては、芳香5員または6員の飽和または不飽和複素環を含むことが好ましい。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環のヘテロ原子としてはB、N、O、S、SeおよびTeが含まれる。ヘテロ原子としてはN、OおよびSが好ましい。複素環は炭素原子が遊離の原子価(一価)を有する(複素環基は炭素原子において結合する)ことが好ましい。好ましい複素環基の炭素原子数は1〜40であり、より好ましくは1〜30であり、更に好ましくは1〜20である。飽和複素環としては、ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,3−ジオキソラン環および1,3−チアゾリジン環が含まれる。不飽和複素環としては、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびキノリン環が含まれる。複素環基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基および置換アラルキル基の置換基又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」として挙げたものが挙げられる。
次に一般式(I)〜(III)で表される化合物について説明する。
一般式(I)〜(III)において、Z21は=Oまたは=N−R27を表し、R27は水素原子または置換基を表す。R27における置換基としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基および置換アラルキル基の置換基又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」として挙げたものが挙げられる。R27として、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、イミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、アシル基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、イミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、アシル基であり、更に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アミノ基、イミノ基、アシルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、アシル基であり、更に好ましくはアルケニル基、アミノ基、イミノ基、アシルアミノ基である。
21、R22、R23およびR24は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基および置換アラルキル基の置換基又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」として挙げたものが挙げられる。
21、R22、R23およびR24として好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、イミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、イミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、イミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基である。
21は0または1を表す。本発明においてはn21が0である場合が好ましい。
ここで、Z21、R21〜R24のいずれか少なくとも2つの基が互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(I)、(II)において、
1)Z21が=N−R27であり、かつ少なくともZ21とR21が互いに結合して環を形成する場合、
2)Z21が=Oであり、R21とR24が互いに結合して環を形成する場合が好ましく、
さらに好ましくは
3)上記1)であって、かつ後述する一般式(I−1)、(I−2)、(II−1)、(II−2)で表される化合物となる場合、
4)上記2)であって、n21が1である場合が好ましく、
中でも上記3)である場合がさらに好ましい。
Ar31は2価の芳香族基または複素環基を表し、これらは先に述べた芳香族基または複素環基から2つの水素原子が結合手に置き換わった2価の基であり、好ましくは1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル(ピリジン環の5位に−N(R31)(R32)が置換した構造と、ピリジン環の2位に−N(R31)(R32)が置換した構造の2種)であり、最も好ましくは1,4−フェニレンである。Ar31−N(R31)(R32)の−Ar31−上に置換基を有してもよく、該置換基としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基および置換アラルキル基の置換基又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」として挙げたものが挙げられる。このような置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、より好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数2〜3のアシルアミノ基、炭素数1〜4のアミノカルボニルアミノ基、炭素数1〜3のアルキルスルホニルアミノ基であり、最も好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数2〜3のアシルアミノ基、炭素数1〜3のアミノカルボニルアミノ基、炭素数1〜3のアルキルスルホニルアミノ基である。
31およびR32は各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表し、好ましくは水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、炭素数6〜15のアリール基であり、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。
一般式(I)における=N−Ar31−N(R31)(R32)以外の部分は一般式(I)のアゾメチン色素を完成させるのに必要なカプラー部分から導かれるものである。このカプラー化合物としては例えばフェノール類、ナフトール類等や5−ピラゾロン類、1H−ピラゾロ[1,5−a]ベンズイミダゾール類、1H−ピラゾロ[5,1−c]−1,2,4−トリアゾール類、1H−ピラゾロ[2,3−b]−1,2,4−トリアゾール類、1H−1,2,4−トリアゾール類、2,4−ジフェニルイミダゾール類、ピラゾロピリミジンー7−オン類、ピラゾロピリミジンー5−オン類、ピラゾロキナゾロン類、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−7−オン類、イミダゾピラゾール類、ピラゾロピリミジンジオン類などの活性水素を有する複素環化合物、更にアシルアセトニトリル類やアシルアセトアニリド類、ジアシルメタン類、マロンジアニリド類、β、γ―不飽和ニトリル類などの活性メチレン化合物等が挙げられる。
本発明においては、前記一般式(I)で表される化合物が前記一般式(I−1)または一般式(I−2)で表される化合物であり、前記一般式(II)で表される化合物が前記一般式(II−1)または(II−2)で表される化合物であり、かつ前記一般式(III)で表される化合物が前記一般式(III−1)で表される化合物である場合が好ましい。
次に一般式(I―1)、(I―2)、(II―1)、(II―2)および(III―1)で表される化合物について説明する。
1およびA2は一方が窒素原子、他方が−C(R214)=を表し、R214は水素原子または置換基を表す。該置換基としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基および置換アラルキル基の置換基又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」として挙げたものが挙げられる。
好ましいR214は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、イミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アリールオキシカルボニル基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜60のアルキル基、炭素数1〜60のアルケニル基、炭素数6〜60のアリール基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜60のアルキル基および炭素数6〜60のアリール基である。
好ましいA1、A2の組み合わせはA1が窒素原子となる場合である。
XおよびYは各々独立に、窒素原子または=C(R315)−を表し、R315は水素原子または置換基を表す。該置換基としては、「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基および置換アラルキル基の置換基又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」として挙げたものが挙げられる。
好ましいXおよびYは、どちらか一方が窒素原子となる場合または両方が=C(R315)−で表される場合であり、より好ましくはどちらか一方が窒素原子となる場合または両方が=C(R315)−で表され、かつ、XのR315が水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基またはアルキルスルホニルアミノ基でYのR315が水素原子、アルキル基である場合であり、更に好ましくは両方が=C(R315)−で表され、かつ、XのR315が水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基またはアルキルスルホニルアミノ基でYのR315が水素原子またはR314と環を形成するアルキル基である場合であり、更に好ましくは両方が=C(R315)−で表され、かつ、XのR315が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアシルアミノ基、炭素数1〜3のアミノカルボニルアミノ基または炭素数1〜3のアルキルスルホニルアミノ基でYのR315が水素原子またはR314と環を形成するアルキル基である場合であり、更に好ましくは両方が=C(R315)−で表され、かつ、XのR315が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアシルアミノ基、炭素数1〜3のアミノカルボニルアミノ基または炭素数1〜3のアルキルスルホニルアミノ基でYのR315が水素原子である場合である。
211は前述のR21と同義であり、好ましい範囲も同一である。より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基であり、更に好ましくは水素原子、塩素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基または炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基または炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、また更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜8のフェニル基である。
221およびR222として好ましくはハメットの置換基定数σp値(以下、単にσp値という)が0.20以上1.0以下の電子吸引性基であり、更に好ましくはσp値が0.30以上0.80以下の電子吸引性基である。ハメット則およびσp値については例えばJ.A.Dean編「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域増刊」,122号,96〜103頁,1979年(南江堂)、Chemical Reviews,91巻,165〜195頁,1991年に詳しい。本発明ではR221およびR222としてこれらの成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれる限り包含されることは勿論である。R221およびR222として更に好ましくはアシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルキルオキシ基、ハロゲン化アルキルチオ基、ハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp値0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基および複素環基であり、更に好ましくはアルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、アリールスルホニル基、カルバモイル基およびハロゲン化アルキル基であり、最も好ましくはR221がシアノ基、R222がアルコキシカルボニル基である。
223として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基であり、更に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基であり、更に好ましくはアルキル基およびアリール基である。
Xが窒素原子の場合の好ましいR311は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基またはアルキルスルホニルアミノ基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアシルアミノ基、炭素数1〜3のアミノカルボニルアミノ基または炭素数1〜3のアルキルスルホニルアミノ基であり、一方、Xが炭素原子の場合の好ましいR311は水素原子である。また好ましいR312は水素原子またはR314と環を形成するアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
313およびR314として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基および炭素数6〜20のアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、および炭素数6〜10のアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。また、他の置換基と環を形成するのも好ましい。
次に本発明の一般式(I)〜(III)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(一般式(I)の化合物)
Figure 2007262165
Figure 2007262165
Figure 2007262165
Figure 2007262165
Figure 2007262165
(一般式(II)の化合物)
Figure 2007262165
Figure 2007262165
Figure 2007262165
Figure 2007262165
Figure 2007262165
(一般式(III)の化合物)
Figure 2007262165
Figure 2007262165
Figure 2007262165
次に製造方法について説明する。
本反応に用いるマイクロウエーブの加熱方式とは、電磁波による電磁場に振動により熱を発生する加熱方式をいい、マイクロウエーブの電磁波発生装置は、通常の家庭用の電子レンジでも可能であるが、実験室的には温度制御とタイマーを装備した合成反応用の専用機器を用いるのが好ましい。機器の例としては例えばバイオタージ(株)の並列合成装置型の機器であるイニシエーター等がある。また製造を考慮したバッチ式、或いは循環式の反応釜が提案されている。例えば、オーストラリアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー,第48巻,1665頁(1995年発行)、オーストラリアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー,第48巻,1665ページ(1995年発行)、シンサシス,1578頁(2002年発行)に記載されている。
反応温度は0〜300℃、好ましくは50〜250℃、更に好ましくは100〜220℃が好ましく、更に好ましくは130〜200℃の範囲が好ましい。また反応の途中で反応温度を変える事も好ましく、好ましくは前半50〜200℃、更に好ましくは80〜170℃、更に好ましくは100〜150℃であり、後半100〜280℃、更に好ましくは130〜250℃、更に好ましくは150〜220℃である。また、反応温度によって異なるが、反応時間は10秒〜3時間が好ましく、より好ましくは1分〜1時間、更に好ましくは2分〜30分、更に好ましくは4分〜15分である。
反応に用いる原料の比率は、一般式(II)で表される化合物1モルに対して、好ましい一般式(III)で表される化合物の量は0.1〜5モルであり、更に好ましくは0.8〜3モルであり、更に好ましくは0.9〜2モルであり、更に好ましくは1.0〜1.8モルであり、更に好ましくは1.0〜1.5モルである。また、脱水縮合剤が共存することも好ましく、その量は一般式(II)で表される化合物1gに対して、好ましくは0.01〜20gであり、更に好ましくは0.05〜10gであり、更に好ましくは0.1〜3gであり、更に好ましくは0.2〜1.5gである。
反応は無溶媒、溶媒共存下どちらで行うこともできる。溶媒共存下の場合に用いる溶媒としては例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、フェノール)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、カルボン酸系溶媒(例えば酢酸、プロピオン酸)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)を単独或いは混合して用いる。好ましくはアミド系溶媒、スルホン系溶媒、ウレイド系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、ピリジン系溶媒、エステル系溶媒、カルボン酸系溶媒、ニトリル系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒、ウレイド系溶媒、アルコール系溶媒、カルボン酸系溶媒、ニトリル系溶媒であり、更に好ましくはN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、酢酸、アセトニトリルであり、更に好ましくはN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、酢酸、アセトニトリルであり、最も好ましくはイソプロピルアルコールである。またアルコール系溶媒と他の溶媒の混合系も好ましい。また、無溶媒にて行うことも好ましい。
反応には少なくとも1種の脱水縮合剤が共存することも好ましい。好ましい脱水縮合剤としては無機(例えば無水硫酸、5酸化2リン等の酸無水物、塩化チオニル、オキシ塩化リン等の酸塩化物等)、有機(例えば無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物、塩化アセチル等の酸ハライド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のジイミド等)の脱水縮合剤およびモレキュラーシーブズ等の吸収剤や無水硫酸ナトリウム等の結晶溶媒として水を取り込む無機化合物が挙げられる。この中で更に好ましくはモレキュラーシーブズおよび無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウムであり、更に好ましくはモレキュラーシーブズの3Åおよび無水硫酸マグネシウムであり、最も好ましくはモレキュラーシーブズの3Åである。脱水縮合剤は最初から共存させることが好ましく、また反応の途中で添加することも好ましい。
本発明の色素原料となるカプラー骨格、すなわち一般式(II)で表される化合物は例えば、特開昭60−186567号、同63−145281号、同64−48862号、同64−48863号、特開平5−88318号、同5−313324号、同8−109172号の各公報およびその引用特許を参考にして合成することができる。また、本発明のもう一方の原料となる一般式(III)で表される化合物は例えば特開平11−12251号公報およびその引用特許を参考にして合成することができる。
以下に本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(例示化合物(A−1)の合成)
下記スキームに従い、例示化合物(A−1)を合成した。
Figure 2007262165
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−1)2.61g、例示化合物(C−4)2.54g、イソプロピルアルコール10mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて170℃にて4分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−1)4.70gを得た(収率99%)。
このもののマススペクトルを測定したところM+=473であった。
NMR(CDCl3):δ=8.39(d、J=9.3Hz,2H)、7.3−7.7(m、4H),6,78(d、J=9.3Hz、2H)、3.82(t、J=7.0Hz,2H)、3.53(t、J=7.8Hz、2H)、3.25(qq、J=6.6Hz,6.6Hz、1H)、2.70(t、J=7.0Hz,2H)、1.3−1.8(m、4H),1.47(d、J=6.6Hz、6H)、1.00(t、J=7.2Hz,3H)
実施例2(例示化合物(A−1)の合成)
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−1)2.61g、例示化合物(C−4)2.54g、1−メチルー2−ピロリドン10mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて150℃にて10分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−1)4.55gを得た(収率96%)。
実施例3(例示化合物(A−1)の合成)
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−1)2.61g、例示化合物(C−4)2.54g、モレキュラーシーブズ3Å(和光純薬工業(株)製)1.0g、1−メチルー2−ピロリドン10mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて150℃にて10分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して濾過した濾液を抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−1)4.65gを得た(収率98%)。
実施例4(例示化合物(A−13)の合成)
下記スキームに従い、例示化合物(A−13)を合成した。
Figure 2007262165
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−13)3.09g、例示化合物(C−11)2.40g、ジエチレングリコール10mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて200℃にて5分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−13)4.28gを得た(収率84%)。
実施例5(例示化合物(A−13)の合成)
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−13)3.09g、例示化合物(C−11)2.40g、モレキュラーシーブズ3Å(和光純薬工業(株)製)1.0g、ジエチレングリコール10mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて200℃にて5分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して濾過した濾液を抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−13)4.58gを得た(収率90%)。このもののマススペクトルを測定したところM+=508であった。
実施例6(例示化合物(A−18)の合成)
下記スキームに従い、例示化合物(A−18)を合成した。
Figure 2007262165
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−18)5.52g、例示化合物(C−1)3.14g、アセトニトリル3ml、t−ブタノール3mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて150℃にて20分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−18)7.04gを得た(収率86%)。このもののマススペクトルを測定したところM+=818であった。
実施例7(例示化合物(A−21)の合成)
下記スキームに従い、例示化合物(A−21)を合成した。
Figure 2007262165
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−21)6.43g、例示化合物(C−2)2.29g、イソプロパノール8mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて160℃にて15分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−21)6.58gを得た(収率79%)。このもののマススペクトルを測定したところM+=832であった。
実施例8(例示化合物(A−32)の合成)
下記スキームに従い、例示化合物(A−32)を合成した。
Figure 2007262165
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−32)8.58g、例示化合物(C−1)3.14g、酢酸0.5ml、アセトニトリル4.5mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて180℃にて5分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−32)8.90gを得た(収率79%)。
実施例10(例示化合物(A−41)の合成)
下記スキームに従い、例示化合物(A−41)を合成した。
Figure 2007262165
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−41)2.28g、例示化合物(C−13)3.81g、エチレングリコールモノエチルエーテル10mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて200℃にて7分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−41)5.28gを得た(収率87%)。このもののマススペクトルを測定したところM+=604であった。
実施例11(例示化合物(A−1)の合成)
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−1)2.61g、例示化合物(C−4)2.54g、1−メチルー2−ピロリドン10mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて130℃にて5分加熱した後、更に160℃で5分加熱した。その後このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−1)4.69gを得た(収率99%)。
実施例12(例示化合物(A−1)の合成)
試験管(専用反応容器)に例示化合物(B−1)2.61g、例示化合物(C−4)2.54g、1−メチル−2−ピロリドン10mlを入れ、バイオタージ(株)マイクロウエーブ反応装置(機器名:イニシエーター)を用いて150℃にて5分加熱した後、モレキュラーシーブズ3Å(和光純薬工業(株)製)1.0gを添加して更に150℃にて5分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル300mlと飽和食塩水300mlを添加して濾過した濾液を抽出し、得られた酢酸エチル層を水250mlと飽和食塩水50mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−1)4.69gを得た(収率99%)。
比較例1(例示化合物(A−1)の合成)
オートクレーブに例示化合物(B−1)26.1g、例示化合物(C−4)25.4g、イソプロピルアルコール100mlを入れ、170℃にて4分加熱した後、このものを室温まで冷却し、酢酸エチル1000mlと飽和食塩水1000mlを添加して抽出し、得られた酢酸エチル層を水800mlと飽和食塩水200mlからなる混合溶液で4回洗浄した。こうして得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して目的の例示化合物(A−1)1.90gを得た(収率4%)。このもののマススペクトルを測定したところM+=473であった。この反応では原料の例示化合物(B−1)が残存した一方で、例示化合物(C−4)は殆ど消費され、黄色の副生成物をはじめとする種々の副生成物が観察された。






























Claims (5)

  1. 下記一般式(II)で表される化合物と下記一般式(III)で表される化合物をマイクロウエーブ加熱方式で反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
    Figure 2007262165
    一般式(I)〜(III)中、 Z21は=Oまたは=N−R27を表し、R21、R22、R23、R24およびR27は各々独立に水素原子または置換基を表し、n21は0または1を表す。ここで、Z21、R21〜R24のいずれか少なくとも2つの基が互いに結合して環を形成してもよい。Ar31は2価の芳香族基または複素環基を表し、R31およびR32は各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表す。
  2. 前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(I−1)または一般式(I−2)で表される化合物であり、前記一般式(II)で表される化合物が下記一般式(II−1)または(II−2)で表される化合物であり、かつ前記一般式(III)で表される化合物が下記一般式(III−1)で表されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
    Figure 2007262165
    一般式(I−1)、(I−2)、(II−1)、(II−2)および(III−1)中、A1およびA2は一方が窒素原子、他方が−C(R214)=を表し、XおよびYは各々独立に窒素原子または=C(R315)−を表し、R211、R214、R221、R222、R223、R311、R312およびR315は各々独立に水素原子または置換基を表し、R313およびR314は各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表す。
  3. 前記の反応温度が、100℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記の反応の反応時間が、30分以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記反応において、脱水縮合剤が共存することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
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