JP4771757B2 - 高選択的な1,2−ジクロリド化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
イオン反応機構のみを経由させる塩素付加反応の方法の一つに、溶媒に極性溶媒を用いる方法がある(例えば非特許文献1参照)。しかし、極性溶媒はコストが比較的高く、反応生成物の分離も困難となるため、大量製造に適さなかった。その他の方法に、アルケンをラジカル禁止剤存在下、塩素と反応させる方法がある。例えば、非極性溶媒中、酸素(ラジカル禁止剤)存在下でアルケンへの塩素の付加反応を行わせる方法がある(非特許文献2参照)。この方法により選択的にvic−ジクロリド化合物が生成すると記載されている。しかし、この方法は、基質の転化率を10%未満に抑えることによって目的のvic−ジクロリド化合物を得る方法である。さらに、酸素から過酸などを用いるので爆発性化合物が生成する恐れがあり、安全性に問題があった。
その他に、アルケン部に塩素を含有する化合物への塩素の付加反応が報告されている(非特許文献3参照)。この反応は、特にラジカル禁止剤存在下で反応を行った場合、アルケンへの塩素の付加反応よりも、アルケン上の水素の置換反応が優先的に進行してしまう傾向にあるため、vic−ジクロリド化合物を選択的に合成することは困難であった(例えば特許文献1、非特許文献3参照)。また、含窒素化合物存在下、ブタジエンへの塩素付加反応が報告されている(特許文献2参照)。しかし、この方法は、特定の溶剤(ブタン、ペンタン等)を、少なくともブタジエンの体積に対し2.5倍以上使用する必要があるため、コスト的に不利であった。さらに、ブタジエンに1,2付加した1,2−ジクロロ−3−ブテン以外に1,4付加した1,4−ジクロロブテンが生成するため、1,2−ジクロリド化合物を選択的に合成することは難しかった。また、ホモアリルエーテル構造を有する化合物の塩素化は、無機化合物(塩化銅)の添加による収率の改善を試みているが、ほとんど効果は無く、改良が望まれていた(例えば特許文献3参照)。
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(II)で表される化合物を、フェノール系化合物及び/又はアミン系化合物の塩素化反応促進剤の存在下、塩素と反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される化合物の製造方法、
(2)前記Yが−COCClF 2 であることを特徴とする(1)に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法、
(3)前記R 3 が水素原子であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法、
(4)前記R 3 及びR 4 が水素原子であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法、
(5)前記R 1 が炭素数1〜5の無置換のアルキル基であり、前記R 2 が水素原子であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法、および、
(6)前記塩素化反応促進剤が、フェノール、ヒドロキノン、カテコール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ペンタエリスリトール テトラキス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、ジフェニルアミン、α−ナフチルフェニルアミン、ピリミジン、イミダゾール又はピリジンであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法
を提供するものである。
本発明において、「塩素化反応促進剤」とは、塩素のアルケンへの付加反応における副反応(多塩素化反応、分解反応等)を抑制できる有機化合物を意味する。この副反応を抑制できる化合物であれば特に制限なく用いることが可能であるが、特に反応系内で発生したラジカルを捕捉できる化合物(ラジカル禁止剤)を用いることが有効である。
まず、本発明の製造方法により得られる、一般式(I)で表されるvic−ジクロロ化合物について詳しく述べる。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素原子数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素原子数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチルが挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素原子数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。)、
1H NMR(300MHz,溶媒:CDCl3)0.96(3H,t,J=7.40Hz)、1.50(2H,m)、1.75(1H,brs)、2.15(1H,m)、2.30(m,1H)、3.58(m,1H)、5.12(1H,m)、5.15(1H,m)、5.78−5.89(1H,m)
1H NMR(300MHz,溶媒:CDCl3) 0.96(3H,t,J=7.35Hz)、1.72(2H,dt,J=14.1Hz)、2.42(2H,m)、5.00−5.16(3H,m)、5.70−5.79(1H,m)
19F NMR(282.4MHz,CDCl3) −64.3(2F,s)
以下に化合物(I−9)の化合物データを示す。
1H NMR(300MHz,溶媒:CDCl3)0.97(3H,t,J=7.5Hz)、1.74−1.85(2H,m)、1.91−2.00(1H,m)、2.19−2.21(1H,m)、2.39−2.45(1H,m)、3.64−3.70(1H,m)、3.80−3.85(1H,m)、4.05−4.10(1H,m)、5.15−5.36(1H,m)
19F NMR(282.4MHz,溶媒:CDCl3)−64.6,−64.8(2F,brs)
フェノールを4.7mmol(0.44g)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行ったところ、ガスクロマトグラフィー分析により、化合物(I−9)が110mmol(生成率93%)で生成していることが分かった。
α−ナフチルフェニルアミン0.59mmol(0.13g)、ピリジン1.18mmol(0.093g)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行ったところ、ガスクロマトグラフィー分析により、化合物(I−9)が106mmol(生成率90%)で生成していることが分かった。
ペンタエリスリトール テトラキス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)を添加しなかった以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果、化合物(I−9)以外に、化合物(I−9)にさらに一原子の塩素が置換した化合物Bが生成していることがガスクロマトグラフィーより分かった(ガスクロマトグラフィー面積比率 化合物(I−9):化合物B=59.4:16.3)。化合物B以外にも様々なピークが観測された。カラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=100:1)で生成後、蒸留することにより、化合物(I−9)が65.6mmol(18.6g、収率56%、純度93%)で得られた。
Claims (6)
- 下記一般式(II)で表される化合物を、フェノール系化合物及び/又はアミン系化合物の塩素化反応促進剤の存在下、塩素と反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
- 前記Yが−COCClF 2 であることを特徴とする請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。
- 前記R 3 が水素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。
- 前記R 3 及びR 4 が水素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。
- 前記R 1 が炭素数1〜5の無置換のアルキル基であり、前記R 2 が水素原子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。
- 前記塩素化反応促進剤が、フェノール、ヒドロキノン、カテコール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ペンタエリスリトール テトラキス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、ジフェニルアミン、α−ナフチルフェニルアミン、ピリミジン、イミダゾール又はピリジンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。
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