JP2004102154A - 電子写真用トナー及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境、安全性に配慮した電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】少なくとも定着用樹脂、着色剤を含む電子写真用トナーにおいて、着色剤として実質的にカーボンブラックを含まないチタン化合物、磁性酸化鉄を用いる。該チタン化合物が二酸化チタンと還元した酸化チタン、酸化チタンと金属チタンを混合して真空で加熱した酸化チタン又は酸化チタン鉄であり、チタン化合物の吸油量は800ml/100g以下、BET比表面積が100平方m以下である。トナーの示差走査熱量計のDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲内、外添加剤として二酸化チタンを用いた2成分磁気ブラシ現像法
【選択図】 図2
【解決手段】少なくとも定着用樹脂、着色剤を含む電子写真用トナーにおいて、着色剤として実質的にカーボンブラックを含まないチタン化合物、磁性酸化鉄を用いる。該チタン化合物が二酸化チタンと還元した酸化チタン、酸化チタンと金属チタンを混合して真空で加熱した酸化チタン又は酸化チタン鉄であり、チタン化合物の吸油量は800ml/100g以下、BET比表面積が100平方m以下である。トナーの示差走査熱量計のDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲内、外添加剤として二酸化チタンを用いた2成分磁気ブラシ現像法
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法、静電記録法等において形成された静電荷潜像を可視像化する電子写真用トナー及びそれを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記印刷もしくは記録法のうち、例えば電子写真法においては、光導電性感光体を帯電、露光し、感光体上に静電荷潜像を形成し、次いでこの静電荷潜像を樹脂をバインダーとして着色剤等を含有せしめた微粒子状トナーによって現像し、得られたトナー像を記録紙上に転写し定着して記録画像が得られる。
【0003】
このような静電像記録工程においては磁性キャリアを用いずトナーのみで帯電、搬送を行う一成分系トナーと、磁性キャリアを用いトナーと磁性キャリアを混合して使用する二成分系トナーがある。一成分系トナーは帯電付与、搬送能力をトナー中に持たせるためメンテナンスが容易であり小型、低速の装置に良く用いられている。一方、二成分系トナーは磁性キャリアを用いるものの帯電、印字の安定性、良好な定着性等の理由より大型、高速の装置に良く用いられている。
【0004】
近年、環境や生態系への配慮がこれまで以上に強く望まれ、トナーに使用される素材も吟味して使用される様になってきている。特に大型、高速の装置では相対的にトナーの使用量が多くなるため、安全性の要求レベルが厳しくなり、今まで以上に環境、安全性に配慮したトナーの開発が望まれていた。さらに高速化、定着エネルギーの低下等より、低温で定着できるトナーが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決しようとする課題は、電子写真用トナー及び画像形成装置において、より環境、安全性に配慮した電子写真用トナーならびにそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、少なくとも着色剤としてチタン化合物を用い、カーボンブラックを実質的に含有しない電子写真用トナーを提供すること、さらには該チタン化合物は、酸化チタン又は酸化チタン鉄であること、該トナーは2成分トナーであること、該トナーの外添剤として二酸化チタン(TiO2 )を含有すること、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲内にあるトナーを用いることで前記課題を解決するに至った。
【0007】
また少なくとも着色剤として磁性酸化鉄を用い、カーボンブラックを実質的に含有しない2成分電子写真用トナーを提供すること、該トナーの外添剤として二酸化チタン(TiO2 )を含有すること、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲回内にあるトナーを用いることで前記課題を解決するに至った。
【0008】
さらには静電荷保持部材と、その静電荷保持部材上に形成された静電荷潜像を電子写真用トナーを用いて顕像化する現像部と、顕像化したトナー像を記録媒体上に転写する転写部と、静電荷保持部材上に残留したトナー像を清掃する清掃部と、前記記録媒体上に転写したトナー像を定着する定着部とを備えた画像形成装置において、前述のトナーを用いること、該トナーは磁性キャリアを用いる2成分系のトナーであり、少なくとも複数の現像用磁気ロールを使用する現像部であって、その現像用磁気ロールが静電荷保持部材の進行方向と順方向に回転する現像用磁気ロールと逆方向に回転する現像用磁気ロールを有するセンターフィード方式の現像部であることで前記課題を解決するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
電子写真プロセスにおいて感光体上に形成された静電潜像を可視化するためには染料、顔料等に代表される着色剤をトナー中に配合することが必須であり、これにより静電潜像を可視化している。磁性キャリアを用いる2成分系黒色トナーにおいては、静電潜像を可視化するために着色剤としてカーボンブラックが多用されている。
【0010】
1成分系黒色トナーにおいてはトナーの搬送力を保持するために、トナー中に磁性材料を含有する磁性1成分系トナーと磁性材料を含有しない非磁性1成分系トナーに大別される。磁性1成分系黒色トナーにおいては搬送性と着色性の点から磁性酸化鉄を用いるのが一般的であり、カーボンブラックを併用する場合もある。非磁性1成分系黒色トナーでは、2成分系黒色トナー同様にカーボンブラックが多用されている。これはカーボンブラックの持つ優れた着色性、隠ぺい性、分散性、導電性などによるものが大きい。
【0011】
一方、高画質化の要求によりトナーはますます小粒径化の方向にあるが、トナーは非常に微粒子であり、装置からの排出等により空気中に拡散されやすく、人間が暴露される可能性を否定することはできないものである。従って、トナーの必須の構成物質である着色剤はより安全性の高い物質を選択する必要がでてきている。
【0012】
しかしながら、近年においてカーボンブラックの安全性に対する市場での評価が変化してきているのも事実である。IARC(International Agency for Research on Cancer) では、1996年4月12日付で3類(発癌性を決定するには証拠が不十分なもの)から2B(動物への発癌性が知られており、人間に対する発癌性の可能性のあるもの)へと変更した。これに対しこの変更は、ラットに対するカーボンブラックの吸入研究結果をもとにされたもので、人間や動物における同条件での証拠を欠いたものであるとの意見も報告されており、今後の経過を注意深く見守るものである。
【0013】
さらにカーボンブラック中には発癌性物質であるニトロピレンをごく微量に含むことが知られており、できるだけ含有量の少ないカーボンブラックを選定して使用しているのが実状である。
【0014】
我々はこの様な市場の安全性に対する要求に対し、カーボンブラックを含有しない黒色トナーを提供するために鋭意検討を重ねた結果、着色剤としてチタン化合物を使用するに至った。チタン化合物としては酸化数−1、0、2、3、4の化合物、チタンとAl、Cr、Fe、Mn、Mo、Vなどの合金、酸化チタン鉄、チタン鉄鉱、チタン酸塩、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、チタン酸バリウムなどが挙げられる。
【0015】
これらの物質の全てにおいて安全性が保証されるものではないが、カーボンブラックと比較し、比重が大きく(カーボンブラックの比重が1.8に対してTiOの比重は4.9)、また物質により弱い磁性を帯びるためマグネットローラに回収されやすいため、トナーの飛散がしにくいという特長がある。
【0016】
チタン化合物は所望の色調によって選択され、単独あるいは他の着色剤と混合して用いられる。黒色のトナーとする場合、2価の酸化チタン(TiO)や低次酸化チタン、酸化チタン鉄、チタン鉄鉱等を用いることができる。
【0017】
2価の酸化チタン(TiO)を用いる場合、二酸化チタン(TiO2 )を還元して得られた酸化チタン(TiO)であり、磁性がなくかつ吸油量が80ml/100g以下、好ましくは20ml/100g乃至60ml/100gであり、かつBET比表面積が100m2/g以下、好ましくは10m2/g乃至80m2/gである2価の酸化チタン(TiO)が好ましい。吸油量が大きく、かつBET比表面積が大きくなると定着性が損なわれるようになるためである。さらには2価の酸化チタンは抵抗値が0.1乃至1000(Ω・cm)であり、一次粒子径が0.03乃至0.5μmのものが好ましい。
【0018】
また、一般式Tin O2n−1で表される低次酸化チタンも使用可能である。この低次酸化チタンは二酸化チタンと金属チタンを混合し、真空中で加熱することによって得ることができる。一般式Tin O2n−1で表される低次酸化チタンは式中のnが大きくなるにつれて色調が青銅色、紫黒色、青黒色、灰色、白色と変化する特徴を有し、本発明においてはnが1から5までの黒色低次酸化チタンを使用することが好ましい。
【0019】
一方、磁性1成分トナーにおいては磁性酸化鉄がカーボンブラックに代わる着色剤として一般的に用いられている。この磁性酸化鉄は四三酸化鉄(Fe3O4)と呼ばれ黒色を有し、色相により他の着色剤と混合して使用でき、またγ−酸化鉄も用いることができる。しかしながら2成分トナーとして用いる場合、磁性酸化鉄の持つ磁力により磁性キャリアからの分離が困難になるという問題を有していた。
【0020】
磁性酸化鉄を2成分系トナーの着色剤として用いる場合には、現像部での現像性を上げる方法、磁性キャリアとトナーの分離を容易にする必要がある。例えばマグネットローラーを増やして現像領域を広げる、マグネットローラーの回転数を上げる等の現像機の現像能力を上げる方法が上げられる。また、トナー・現像剤側での改善としては、反転現像方式を用いる場合、キャリア抵抗を下げること、帯電量を下げること、トナー表面に外添剤を多く添加すること、外添剤の粒子径を大きくすることが有効である。
【0021】
そのなかで磁性キャリアとトナーの分離を容易にする方法としては、外添剤の粒子径を大きくして、キャリアとトナーの距離を実質的に離してやることで解決する事が可能である。このとき用いられる外添剤の一次粒子径は20nm以上のものが好ましく、さらに好ましくは30nm以上の外添剤がトナーとキャリアを容易に分離できる。この時、流動性、帯電性等を調整するために他の外添剤を併用することも可能である。
【0022】
さらに着色剤としてチタン化合物や磁性酸化鉄を用いるトナーの場合、帯電が蓄積され帯電量が上昇してしまう場合がある。これはカーボンブラックは良好な導電性のために、一定以上に電荷が蓄積された場合トナー表面に露出しているカーボンブラックを介して帯電を放出する機能により帯電の安定性を維持する効果と抵抗調整効果も持ち合わせているためである。しかし、チタン化合物や磁性酸化鉄を着色剤として用いた場合、導電性がカーボンブラックと比べて低いため、電荷を放出しずらく、抵抗値も高くなるため電荷を蓄積しやすい傾向にある。この場合トナー帯電量(Q/M)が上昇してしまい、反転現像を用いる場合は画像濃度が低くなり、印字品質の低いトナーとなってしまう。
【0023】
またトナー表面にはトナーの帯電性、流動性を付与するために、シリカによってトナー表面を覆うことが一般的であるが、このシリカは抵抗が非常に高く、帯電を放出する効果は期待できない。そこで電荷を放出する効果を持たせるために導電剤をトナー表面に添加する方法が知られている。しかし導電剤としてはカーボンブラックが一般的であり、トナー表面にカーボンブラックを添加すると遊離したカーボンブラックが多数発生し、本発明本来の目的を達成できない。さらにカーボンブラック以外に導電性を有する材料として金属粉や金属粉をドープした素材等も使用可能であるが、粒子径や粒子形状などにより流動性を付与することができない場合が多い。
【0024】
この一定以上電荷を蓄積するのを防止し、電荷を放出する効果を併せ持つ素材として外添剤に二酸化チタン(TiO2 )を用いることができる。この二酸化チタン(TiO2 )は導電剤として用いるには抵抗値が高いものの、シリカと比較すると低い抵抗値を持ち、トナー表面に二酸化チタン(TiO2 )を含有することで、チタン化合物を用いたトナーの場合、帯電上昇を抑え安定した印字を得る効果とトナー表面抵抗を下げる効果があり有効である。
【0025】
トナーの外添剤として二酸化チタン(TiO2 )を用いることは実用化されているが、カーボンブラックを使用しない黒色トナーとの組合せにおいて、着色剤としてチタン化合物、磁性酸化鉄を用いる場合、帯電の安定性に特に顕著な効果を有する。
【0026】
さらに外添剤として多用されるシリカは酸化ケイ素を構成物質とし、遊離ケイ素の問題より塵肺を起こすことが知られている。したがって、この点からも環境、安全に配慮したカーボンブラックを使用しない黒色トナーにおいて、二酸化チタン(TiO2 )を用いることは重要な意味をもつ。
【0027】
一方、昨今の環境に対する負荷を低減する目的のため、装置側からは定着機の熱容量を減らすことで、待機中のエネルギーを削減する省エネルギー化が進められ、実用化が開始されている。
【0028】
トナーにおいても低温で定着するトナーが要望されている。低温でトナーが定着するためには、少ない熱量でトナーが溶融し、用紙等記録媒体の中に浸透固化してアンカー効果を発揮し、引き剥がしに対する強度を得やすくすることが効果的である。
【0029】
従来、ワックスは高温オフセットを防止する素材としてトナー中に含有されてきたが、ワックスは温度に対する粘度の変化が敏感であり、所定の温度になると溶融して低粘度になるため定着温度における粘度を低くすることができ、トナーが用紙の内部へ浸透、固化しアンカー効果を引き起こしやすくなる。そのため低融点ワックスを含有すると低温で高い引き剥がし強度を得ることができる。
【0030】
このトナーの溶融温度は示差走査熱量計により測定することが可能であり、DSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲内にあることが好ましい。カーボンブラックを用いずチタン化合物や磁性酸化鉄を着色剤としたトナーの場合、顔料自体の着色性、隠ぺい性がカーボンブラックより劣るため、同じ黒色を出すためにはチタン化合物や磁性酸化鉄の含有量を多くする必要がある。
【0031】
その結果定着性は低下することになる。DSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の温度範囲内にすることで、トナーの溶融粘度を下げることができ、カーボンブラックを用いない欠点を補い、低温で定着することが可能となる。DSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50℃以下になると、保存中にトナーが溶融し凝集やすく、連続印刷によりトナーがキャリア表面に融着するスペント現象を起こしやすくなり好ましくない。
【0032】
逆にDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が120℃以上になると低温で溶融し顔料変更による定着性低下を改善し、低温で定着するという目的を達成できなくなる。したがってDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃、好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは50〜80℃の範囲内にすることが良い。またワックスの添加は用紙の擦りに関しても効果的である。
【0033】
近年、両面、多重、縮小編集などで印字された用紙は装置内を何度も通紙する事により画像は擦られることになる。そのため従来にも増して擦りに対する耐久性が求められている。この擦りについてはトナー中に含まれるワックスが効果的であり、トナー表面に染みだしトナー画像と用紙が擦れた場合でもワックスの滑剤の効果により相手方の用紙を汚しにくいという効果がある。
【0034】
この擦りに対する耐久性の効果は多量の印刷物を重ねて印刷する場合や自動用紙送り機構の付いた画像読取り装置等で使用するとき、名刺、カード等厚紙に印刷するときに顕著に現れ、印刷速度が低速から高速まで良好な結果が得られる。特に高速(300mm/S以上のプロセス速度)領域ではさらに顕著な効果が得られる。
【0035】
本発明の電子写真用トナーにおいては示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲内にあることにより、テープ剥離強度と擦り強度に対する効果を得ることができる。
【0036】
トナーのDSC測定はトナーを約5mg計量してDSCに載置し、1分間に50mlの窒素ガスを吹き込み、20℃から160℃の間を1分間あたり10℃の割合で昇温させ、次に160℃から20℃に急冷させ、前履歴を取った後、再度1分間あたり10℃の割合で昇温させ、その時のDSC吸収熱量曲線のピークを求めた。
【0037】
本発明においてワックスの分子量分布は高温でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により次の条件で測定される。
【0038】
(GPC測定条件)
装置 :ALC/GPC 150−C(ウォーターズ社)
分離カラム:GMH−HT60cm×1、GMH−HTL60cm×1(東ソー社製)
カラム温度:135℃
移動相 :o−ジクロロベンゼン
検出器 :示差屈折計
流速 :1.0ml/min
試料濃度 :0.15wt%
注入量 :400μl
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用し、Mark−Houwink−Sakuradaの式あるいは粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0039】
また、ワックスの結晶化度はX線回折法により次の条件で測定される。
【0040】
X線 :Cu−Kα線(グラファイトモノクロメータにより単色 化)
波長λ :1.5406Å
出力 :40kV、40mA
光学系 :反射法、スリットDS,SS=1°、RS=0.3mm
測定範囲 :2θ=10°〜35°
ステップ間隔:0.02°
走査速度 :2θ/θ連続スキャン1.00°/分
以上の条件で測定し、試料のX線回折プロファイルを3本の結晶ピークと非晶散乱に分離し、それらの面積から下式により結晶化度を算出する。
【0041】
結晶化度(%)=Ic/(Ic+Ia)×100
Ic:各結晶ピーク面積の和
Ia:各結晶ピーク面積の和+非晶散乱面積
本発明に使用されるワックス類には多くの種類があり、その機能に応じて使い分けられるが、天然ワックス、合成ワックスを使用でき、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、パラフィンワックス、カルナウバワックス等を使用できる。使用されるワックスのポリエチレン換算数平均分子量は、1000以下のワックスが好ましい。また、ワックスの含有量は定着樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部の範囲で使用され、他のワックス類と数種併用して使用することも可能である。
【0042】
本発明のトナーに使用される定着用樹脂としては、例えば、以下の樹脂が挙げられる。
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;さらにはポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クロマン−インデン樹脂、石油系樹脂が挙げられるが、好ましくはスチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂である。
【0043】
また、前記したポリエステル樹脂にスチレン〜アクリルをグラフト共重合させた低吸湿性の樹脂も使用できる。なお、スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていてもよく、混合樹脂でも構わない。低温で定着し高温オフセットを防止する為には、例えばスチレン〜(メタ)アクリル系樹脂の場合、高分子量重合体と低分子量重合体よりなり、前者はトナーの耐オフセット性、後者は定着強度の確保に有効である。両者の組成のバランスは低温定着性及び耐オフセット性を両立するために重要でありさらに保存性にも影響すると言われている。
【0044】
定着用樹脂の分子量分布はテトラヒドロフランに可溶な成分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定する事ができる。スチレン〜(メタ)アクリル系樹脂の場合、GPC測定で分子量が50万を超える高分子量重合体成分と分子量が2万以下の低分子量成分を20:80〜60:40の範囲になるような樹脂とすることで低温定着性及び耐オフセット性を達成することができる。
【0045】
また定着用樹脂とワックスとの相溶性を向上させるため、定着用樹脂を合成する際に合成の全部または一部の過程でワックスを共存させる共存重合法で作成してもよい。
【0046】
ワックスの存在下で共存重合法で定着樹脂を作成する方法においてビニル系共重合体としては、その構成単位として、スチレン系単量体及び/または(メタ)アクリル酸エステル単量体を含み、これ以外のビニル系単量体を含むことができる。
【0047】
本発明におけるワックスを共存させる共存重合を合成の全部又は一部の過程で行うことにより、該ワックスを均一に分散させたビニル系共重合体を少なくともその構成要素として得ることができる。なお、ビニル系共重合体は主として2個以上の重合可能な二重結合を有する単量体、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等の架橋剤で一部、架橋されていても良い。
【0048】
ビニル重合体の構成単位としてのスチレン系単量体の具体例としては、スチレンの他にオルトメチルスチレン、メタメチルスチレン、アルファメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等を挙げることができる。
【0049】
ビニル重合体の構成単位としてのアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルの他、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、ビスグリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、メタクリロキシエチルホスフェート等を挙げることができ、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチルなどが特に好ましく用いられる。
【0050】
ビニル重合体の構成単位としてのその他のビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸及びそのα−あるいはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体及びジエステル誘導体、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等を挙げることができる。
【0051】
環境、安全性に対し重要なことは樹脂には合成の過程で高分子化しきれなかったモノマー成分や有機溶剤、重合開始剤の残さが含まれることである。そのため、樹脂製造時にはできるだけ高温、減圧化で揮発成分を除去した樹脂を使用することが好ましい。さらにトナー製造工程において溶融混練する場合は、混練時に減圧化して揮発成分を除去することでも大きく改善できる。
【0052】
本発明のトナーには帯電制御剤をトナー粒子に配合(内部添加)、もしくは混合(外部添加)して用いることにより、トナーの帯電量を所望の値に制御することができる。
【0053】
トナーの正帯電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;これらの単独或いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン染料の如き帯電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0054】
トナーの負帯電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類がある。
【0055】
これらの帯電制御剤をトナーに内部添加する場合、定着用樹脂に対して0.1〜10wt%添加することが好ましい。帯電制御剤も構造により皮膚感作性をもつものがあるので、充分吟味して選定する必要がある。
【0056】
本発明のトナーでは、現像性、流動性、帯電安定性、耐久性向上のため、二酸化チタン(TiO2 )微粉末等を外部添加することが好ましい。
【0057】
本発明に用いられる二酸化チタン(TiO2 )微粉末等は、一次粒子径が20nm以上のものが好ましく、トナーに対して0.01〜10wt%の範囲で外部添加する。また、必要に応じてシリカを添加することもでき、微粉末表面を各種有機ケイ素化合物等の処理剤、あるいは種々の処理剤で疎水化、もしくは帯電性を制御して用いられる。処理剤の種類ならび粒子径により流動性、耐久性、保存安定性等が変るため目的に応じて選択される。
【0058】
さらに、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリ沸化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、中でもポリ沸化ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化アルミニウム粉末の如き流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。凝集防止剤、或いは例えば、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0059】
トナーの粒度は種々の方法により測定されるが、本発明ではコールターカウンターを用いて行った。アパーチャーは100μmのものを用い測定装置はコールターカウンターTA−II型(コールター社)を用い個数分布、体積分布を測定した。この時、測定試料は界面活性剤を加えた電解液中に測定トナーを加え超音波分散機で1分間分散させたものを50000個測定した。トナーの平均粒径は4〜10μmが好ましく、さらにトナー中に含まれる4μm以下の粒子割合を25%以下に抑えることが好ましい。
【0060】
本発明における電子写真用トナーを作製するには定着用樹脂、帯電制御剤、着色剤としての顔料または染料、磁性粉、さらに必要に応じて添加剤、ワックスを均一に分散した定着用樹脂を組合せてヘンシェルミキサー、スーパーミキサーの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダ、エクストルーダーの如き熱溶融混練機を用いて溶融混練して素材類を十分に混合せしめた後、冷却固化後微粉砕及び分級を行ってトナーを得る。
【0061】
この時の粉砕方法としては高速気流中にトナーを包含させ、衝突板にトナーを衝突させそのエネルギーで粉砕するジェットミル方式やトナー粒子同士を気流中で衝突させる粒子間衝突方式、更には高速に回転したローターと狭いギャップ間にトナーを供給し粉砕する機械式粉砕法等が使用できる。
【0062】
ジェットミル方式や粒子間方式は衝突エネルギーによってトナーを粉砕するため、粉砕したトナー粒子の形状は比較的尖っているが、機械式粉砕法を用いた場合、トナーはギャップ間で擦られながら粉砕され、かつこの時に発生する摩擦熱によりトナー表面は球形化され易い。粉砕・分級されたトナーは更に、必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサーの如き混合機によりトナーに付着混合せしめ、添加剤を外部添加したトナーを得ることができる。また、樹脂モノマーを反応させる際に着色剤、帯電制御剤、ワックス等を分散させ重合させるいわゆる重合法によってもトナーを得ることもできる。
【0063】
本発明に用い得るキャリアとしては、公知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト、マグネタイト、ガラスビーズ及び磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させた樹脂キャリアが使用可能であり、キャリア表面にコーティング層を設ける事が出来る。キャリアの帯電特性、電気抵抗値等はバインダー樹脂、帯電性微粒子、コーティング層によって制御できる。
【0064】
樹脂キャリアに用いられるバインダー樹脂はビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が例示できる。
【0065】
磁性キャリアとしてはマグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Zn、Mg、Cu等)を一種又は二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を使用できる。その形状は粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合は鉄等の強磁性微粒子を用いることが好ましい。
【0066】
また、化学的な安定性を考慮するとマグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトを用いることが好ましい。また、強磁性微粒子の種類及び含有量を選択する事により所望の磁化を有する樹脂キャリアを用いることができる。この時のキャリアの磁気特性は1000エルステッドにおける磁化の強さは30〜150emu/gが好ましい。
【0067】
このような樹脂キャリアは磁性体微粒子と絶縁性バインダー樹脂との溶融混練物をスプレードライヤーで噴霧して製造したり、磁性体微粒子の存在下に水性媒体中でモノマーないしプレポリマーを反応、硬化させ縮合型バインダー中に磁性体微粒子が分散された樹脂キャリアを製造できる。
【0068】
磁性キャリアの表面には正または負帯電性の微粒子または導電性微粒子を固着させたり、樹脂をコーティングして帯電性を制御できる。
【0069】
表面のコート材としてはシリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられ、さらに正または負帯電性の微粒子または導電性微粒子を含んでコーティングすることができる。
【0070】
本発明のトナーとキャリアとの混合比はトナー濃度として2〜10wt%が好ましい。
【0071】
本発明の電子写真用トナーを用いて、静電荷保持部材上に形成された静電荷潜像を顕像化し、顕像化したトナー像を記録媒体上に転写し、静電荷保持部材上に残留したトナー像を清掃すると共に、記録媒体上に転写したトナー像を定着して記録画像を得る静電像記録工程において、特に低温でも良好な定着性能を示し、擦りに対して強く、トナーの流動性、耐熱性、耐久性、保存安定性も良好で、安定した静電トナー像作製方法を提供することができる。
【0072】
本発明に使用される現像装置は静電荷保持部材の移動速度によって選択されるが、静電荷保持部材の移動速度の速い高速プリンタ等の場合は1本の現像磁気ロールの現像では必ずしも十分でなく、複数の現像磁気ロールを使用し、現像領域を増して現像時間を伸ばし現像することも行われる。複数の現像磁気ロールを使用した場合、1本の現像ロール方式と比較して高い現像能力が得られることにより、高面積画像印刷への対応や印刷品質が向上するばかりでなく、現像剤中のトナー含有量を低減ずる事ができ、かつ、現像ロール回転スピードを低減する事が可能であり、トナーの飛散、現像剤への負荷低減によるトナーによるキャリアスペントを防止し現像剤の長寿命化が更に可能となる。
【0073】
さらに複数の現像ロールを用いる現像方式において、静電荷保持部材の進行方向と順方向に現像ロールが回転する一方向現像は高い現像能力を有するが、背景のかぶりが出やすいことや画像先端部の欠け、磁気ブラシのはけ目が出やすい。
【0074】
一方、静電荷保持部材の進行方向と逆方向に現像ロールが回転する一方向現像は画像部後端の欠けはあるものの背景のかぶりは少なく、磁気ブラシのはけ目も出にくいので安定した画像が得られる。しかし、前記逆方向現像は静電荷保持部材と接する実効トナー量が少ないため現像能力は少ないことがある。これに対してセンターフィード方式は上記した順及び逆の現像ロールの両方を兼ね備えているため上記両現像法式の欠点を回避できる。センターフィード方式の現像装置は、例えば特公昭62−45552号公報により公知である。
【0075】
このような現像方式と本発明の電子写真用トナーを組合せて使用することにより、画像に優れ定着に要するエネルギーが小さく、熱ローラ定着方式を採用した場合に熱ローラの温度と圧力を低下させることが可能で、且つ、オフセット現象が発生し難く、トナーの流動性、耐熱性、耐久性、保存安定性が良好でトナーによるキャリアスペントによる現像剤寿命の低下、及びトナーによる感光体フィルミングによる感光体寿命の低下が起こりにくく安定した画像を作成することができる。
【0076】
図1は長尺紙を用いる画像形成装置の構成図である。図において符号1は用紙、2は帯電器、3は光源、4は本発明の電子写真用トナーを装填した現像機(現像部)、5は転写器(転写部)、6は感光体(静電荷保持部材)、7はクリーナー(清掃部)、8は加熱ロール(定着部)、9は加圧ロール(定着部)であり、図に示すような配置状態になっている。なお、画像形成の工程は従来と同様であるので、その説明は省略する。
【0077】
以下、本発明の実施例について説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
【0078】
(実施例1)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)85wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、酸化チタン(TiO2)(粒子径0.3μm、吸油量32ml/100g、BET比表面積25m2/g)10wt%及びポリプロピレンワックス(三洋化成工業社製 商品名ビスコール660P ポリエチレン換算分子量Mn1070、DSC吸熱ピーク141.2℃)4wt%の配合からなる原料をスーパーミキサーで予備混合し、二軸混練機で熱溶融混練後、冷却した後粉砕し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒径が9μmの粒子を得た。
【0079】
更に該粒子に疎水性シリカ(日本アエロジル社製 R974一次粒子径12nm)0.6%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例1のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.0μmであった。
【0080】
(実施例2)
外添剤として二酸化チタン(TiO2 )(日本アエロジル社製 商品名:T−805一次粒子径21nm)1.0wt%を使用したほかは実施例1と同様に作成し実施例2のトナーを得た。
【0081】
(実施例3)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)87wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、酸化チタン(TiO)(粒子径0.1μm、吸油量32ml/100g、BET比表面積40m2/g)8wt%及びポリエチレンワックス(ヤスハラケミカル社製商品名:ネオワックスALポリエチレン換算分子量Mn430、DSC吸熱ピーク98.4℃、140℃における溶融粘度8.5cp、結晶化度83%)4wt%を用いた以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0082】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2)(日本アエロジル社製 商品名:T−805 一次粒子径21nm)1.0wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例3のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.8μmであった。
【0083】
(実施例4)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)87wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、酸化チタン(TiO)(粒子径0.1μm、吸油量32ml/100g、BET比表面積40m2/g)8wt%及びパラフィンワックス(日本精蝋社製商品名:HNP−11ポリエチレン換算分子量Mn390、DSC吸熱ピーク60.9℃、70.6℃)1.5wt%及びポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製商品名:PW1000ポリエチレン換算分子量Mn820、DSC吸熱ピーク109.4℃、140℃における溶融粘度13.7cp、結晶化度90%)2.5wt%を用いた以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0084】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2)(チタン工業社製 商品名:STT−60J一次粒子径50nm)0.6wt%、疎水性シリカ(日本アエロジル社製商品名:R976一次粒子径7nm)0.3wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例4のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.7μmであった。
【0085】
(実施例5)
ポリエステル樹脂(Mw115320、Mn4300、酸価4.3mgKOH)83wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、メタチタン酸第一鉄(FeTiO3 )12wt%及びフィッシャートロピッシュワックス(サゾール社製 商品名SPRAY30 ポリエチレン換算分子量Mn520、DSC吸熱ピーク91.9℃、140℃における溶融粘度6.9cp、結晶化度90%)4wt%を用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0086】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2 )(日本アエロジル社製 商品名:T805一次粒子径21nm)1.0wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例5のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.2μmであった。
【0087】
(実施例6)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)83wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、メタチタン酸第一鉄(FeTiO3 )12wt%及びパラフィンワックス(日本精蝋社製商品名:HNP−11ポリエチレン換算分子量Mn390、DSC吸熱ピーク60.9℃、70.6℃)1.5wt%及びポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製商品名:PW1000ポリエチレン換算分子量Mn820、DSC吸熱ピーク109.4℃、140℃における溶融粘度13.7cp、結晶化度90%)2.5wt%を用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0088】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2 )(チタン工業社製 商品名:STT−60J一次粒子径50nm)0.6wt%、疎水性シリカ(日本アエロジル社製商品名:R976一次粒子径7nm)0.3wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例6のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.4μmであった。
【0089】
(実施例7)
ポリエステル樹脂(Mw115320、Mn4300、酸価4.mgKOH)80wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、四三酸化鉄(Fe3O4)(嵩密度0.65、粒子径0.18μm、BET比表面積9.7m2/g)15wt%及びポリプロピレンワックス(三洋化成工業社製 商品名ビスコール660P ポリエチレン換算分子量Mn1070、DSC吸熱ピーク141.2℃)4wt%を用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0090】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2 )(日本アエロジル社製 商品名:T−805 一次粒子径21nm)0.6wt%、疎水性シリカ(日本アエロジル社製 商品名:R976一次粒子径7nm)0.3wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例7のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.8μmであった。
【0091】
(実施例8)
ポリエステル樹脂(Mw115320、Mn4300、酸価4.3mgKOH)75wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、四三酸化鉄(Fe3 O4)(嵩密度0.65、粒子径0.18μm、BET比表面積9.7m2/g)20wt%及びポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製商品名:PW1000ポリエチレン換算分子量Mn820、DSC吸熱ピーク109.4℃、140℃における溶融粘度13.7cp、結晶化度90%)4wt%を用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0092】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2 )(日本アエロジル社製 商品名:T−805 一次粒子径21nm)1.0wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例8のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.6μmであった。
【0093】
(実施例9)
ポリエステル樹脂(Mw115320、Mn4300、酸価4.3mgKOH)75wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、四三酸化鉄(Fe3O4)(嵩密度0.65、粒子径0.18μm、BET比表面積9.7m2/g)20wt%及びフィッシャートロピッシュワックス(サゾール社製 商品名SPRAY30 ポリエチレン換算分子量Mn520、DSC吸熱ピーク91.9℃、140℃における溶融粘度6.9cp、結晶化度90%)4wt%用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0094】
さらに該粒子に疎水性シリカ(日本アエロジル社製 商品名:R976一次粒子径7nm)0.5wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例9のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.2μmであった。
【0095】
(実施例10)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)75wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、四三酸化鉄(Fe3O4)(嵩密度0.65、粒子径0.18μm、BET比表面積9.7m2/g)20wt%、青色顔料(クラリアントジャパン社製、TONER CYAN BG)0.2%及びパラフィンワックス(日本精蝋社製商品名:HNP−11ポリエチレン換算分子量Mn390、DSC吸熱ピーク60.9℃、70.6℃)1.5wt%及びフィッシャートロピッシュワックス(サゾール社製 商品名SPRAY30 ポリエチレン換算分子量Mn520、DSC吸熱ピーク91.9℃、140℃における溶融粘度6.9cp、結晶化度90%)2.5wt%を用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0096】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2)(日本アエロジル社製 商品名:T−805一次粒子径21nm)0.6wt%、疎水性シリカ(日本アエロジル社製商品名:R976一次粒子径7nm)0.3wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例10のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.9μmであった。
【0097】
(実施例11)
酸化チタン(TiO)の代わりに酸化チタン(Ti2 O3 )を使用した以外は実施例3と同様にして実施例11のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.9μmであった。
【0098】
(実施例12)
酸化チタン(TiO)の代わりに酸化チタン(Ti4 O7 )を使用した以外は実施例3と同様にして実施例12のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.2μmであった。
【0099】
(比較例)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)87wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、スーボンブラック(三菱化学社製 商品名:MA−100 粒子径22nm 吸油量100ml/100g BET比表面積114m2 /g)8wt%及びポリプロピレンワックス(三洋化成工業社製 商品名:ビスコール660P ポリエチレン換算分子量Mn1070 DSC吸熱ピーク141.2℃)4wt%を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.8μmであった。
【0100】
次に、前記実施例ならびに比較例のトナー3%とマグネタイトキャリア(平均粒径90μm、表面シリコーンコート)97%で現像剤を作成し下記の方法で印字し評価を行った。
【0101】
OPCを感光体として用いた電子写真方式のレーザビームプリンタにおいて、OPCの帯電電位−650V、残留電位−50V、現像バイアス電位−400V、現像部コントラスト電位350Vで、毎分60枚の印刷速度(印刷プロセス速度26.7cm/sec)で画像形成を行った。現像機には、現像用磁気ロールが静電荷保持部材の進行方向と順方向に回転する現像用磁気ロールと逆方向に回転する現像用磁気ロールを有するセンターフィード方式の現像装置を用い現像ギャップ(感光体と現像ロールスリーブ間の距離)を0.8mmとし、反転現像で画像を作製した。
【0102】
定着機は、アルミニウム製芯金をフッ素樹脂(テトラフルオロエチレン〜パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体:PFA)のチューブで薄く被覆し(厚さ40μm)、中心部にヒータランプを設置したものを熱ロールとし、アルミニウム製芯金にゴム硬度約30度のシリコーンゴム層(厚さ7mm)を設置し、最外層をPFAチューブで被覆したものをバックアップロールとし、定着条件は、プロセス速度26.7cm/sec、熱ロールとバックアップロールの外径60mm、押し付け荷重50kgf、両者の接触域(ニップ)の幅約7mmとした。
【0103】
(1)画像濃度
1インチ角のベタ黒画像の画像濃度を反射濃度計(マクベス社製RD−914)で測定した。
【0104】
(2)印字安定性
前記のレーザビームプリンタに適用し、各実施例、比較例について5万頁の連続印刷を行った。その時の1インチ角のベタ黒画像の画像濃度を反射濃度計(マクベス社製RD−914)で測定した。
【0105】
(3)非オフセット温度範囲
熱ロールの制御温度を変化させ、熱ロールの各表面温度での定着画像の白紙部の汚れからオフセットを評価した。なお、熱ロールには元来シリコーンオイルを含浸したノーメックスペーパ巻き取りタイプの清掃機を設置するが、オフセットを評価する場合には清掃機を取り外し、シリコーンオイルレスの状態で厚紙(厚さ約200μm)と薄紙(厚さ約100μm)に画像を記録し、前者で低温オフセット、後者で高温オフセットを評価した。
【0106】
(4)定着強度
前記定着機の熱ロールの表面温度を185℃に設定し、厚紙(厚さ約200μm)に記録された1インチ角のベタ黒画像とレーザビーム1オン4オフ間隔の線画について、それぞれテープ剥離試験と擦り試験を行い、画像の定着強度を評価した。
【0107】
テープ剥離試験は、ベタ黒画像にスコッチメンディングテープ810を貼り付け、テープ引き剥がし前後の画像濃度を反射濃度計(マクベス社製RD−914で測定し、下記式よりテープ剥離強度を求めた。
【0108】
テープ剥離強度(%)=テープ剥離後のベタ黒画像の反射濃度/テープ剥離前のベタ黒画像の反射濃度×100
擦り試験は、線画を200gfの荷重でワットマン濾紙44で擦り、濾紙の汚れ具合を白色度計で評価し、汚れた濾紙と汚れていない濾紙との光の反射率の比をハンター値(%)で求め、擦り強度(%)とした。
【0109】
図2と図3は、各実施例ならびに比較例の内容とトナーの印字変化と定着特性を示す図である。
【0110】
着色顔料としてカーボンブラックを用いずに酸化チタン(TiO)を用いた実施例1〜4において、画像濃度は1.2を超える値を示し充分潜像を可視化させる効果を確認することができた。また外添剤として二酸化チタン(TiO2 )を用いた実施例2及び実施例3においては5万頁印刷後の画像濃度の低下がほとんど見られなかった。
【0111】
外添剤として二酸化チタン(TiO2 )とシリカ(SiO2 )を併用して用いた実施例4においても5万頁印刷後の画像濃度の低下がほとんど見られなかった。さらに低融点のワックスを使用した実施例3及び実施例4においては低温側の非オフセット温度範囲が拡大し、テープ剥離強度、擦り強度を上昇させることができた。
【0112】
着色顔料としてカーボンブラックを用いずに酸化チタン鉄(FeTiO3)を用いた実施例5及び実施例6において、画像濃度は1.2を超える値を示し、充分潜像を可視化させる効果を確認することができた。実施例6において外添剤として二酸化チタン(TiO2 )とシリカ(SiO2 )を併用して用いたが、5万頁印刷後の画像濃度の低下がほとんど見られなかった。
【0113】
着色顔料としてカーボンブラックを用いずに磁性酸化鉄である四三酸化鉄を用いた実施例7〜10においても画像濃度は1.0を超える値を示し、充分潜像を可視化させる効果を確認することができた。また外添剤として二酸化チタン(TiO2 )を用いた実施例8においては5万頁印刷後の画像濃度の低下がほとんど見られなかった。
【0114】
外添剤として二酸化チタン(TiO2 )とシリカ(SiO2 )を併用して用いた実施例7及び実施例10においても5万頁印刷後の画像濃度の低下がほとんど見られなかった。
【0115】
さらに低融点のワックスを使用した実施例8〜実施例10においては低温側の非オフセット温度範囲が拡大し、テープ剥離強度、擦り強度を上昇させることができた。
【0116】
図2と図3に示すように、本発明においてチタン化合物、酸化チタン鉄を着色顔料として用いたトナーは、従来の比較例に匹敵する着色性、定着性、安定した印字を確保することができる。さらに磁性酸化鉄を着色剤として用いたトナーにおいても、高い定着性と安定した印字を確保することができる。
【0117】
【発明の効果】
本発明は前述のような構成になっており、着色性、定着性、安定性などにおいて従来にほぼ匹敵する特性を有し、さらにそれよりも環境、安全性に配慮した電子写真用トナーと画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】各実施例と比較例の内容を一覧して示す図である。
【図3】各実施例と比較例の内容を一覧して示す図である。
【符号の説明】
1:用紙、2:帯電器、3:光源、4:現像機、5:転写器、6:感光体、7:クリーナー、8:加熱ロール、9:加圧ロール
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法、静電記録法等において形成された静電荷潜像を可視像化する電子写真用トナー及びそれを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記印刷もしくは記録法のうち、例えば電子写真法においては、光導電性感光体を帯電、露光し、感光体上に静電荷潜像を形成し、次いでこの静電荷潜像を樹脂をバインダーとして着色剤等を含有せしめた微粒子状トナーによって現像し、得られたトナー像を記録紙上に転写し定着して記録画像が得られる。
【0003】
このような静電像記録工程においては磁性キャリアを用いずトナーのみで帯電、搬送を行う一成分系トナーと、磁性キャリアを用いトナーと磁性キャリアを混合して使用する二成分系トナーがある。一成分系トナーは帯電付与、搬送能力をトナー中に持たせるためメンテナンスが容易であり小型、低速の装置に良く用いられている。一方、二成分系トナーは磁性キャリアを用いるものの帯電、印字の安定性、良好な定着性等の理由より大型、高速の装置に良く用いられている。
【0004】
近年、環境や生態系への配慮がこれまで以上に強く望まれ、トナーに使用される素材も吟味して使用される様になってきている。特に大型、高速の装置では相対的にトナーの使用量が多くなるため、安全性の要求レベルが厳しくなり、今まで以上に環境、安全性に配慮したトナーの開発が望まれていた。さらに高速化、定着エネルギーの低下等より、低温で定着できるトナーが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決しようとする課題は、電子写真用トナー及び画像形成装置において、より環境、安全性に配慮した電子写真用トナーならびにそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、少なくとも着色剤としてチタン化合物を用い、カーボンブラックを実質的に含有しない電子写真用トナーを提供すること、さらには該チタン化合物は、酸化チタン又は酸化チタン鉄であること、該トナーは2成分トナーであること、該トナーの外添剤として二酸化チタン(TiO2 )を含有すること、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲内にあるトナーを用いることで前記課題を解決するに至った。
【0007】
また少なくとも着色剤として磁性酸化鉄を用い、カーボンブラックを実質的に含有しない2成分電子写真用トナーを提供すること、該トナーの外添剤として二酸化チタン(TiO2 )を含有すること、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲回内にあるトナーを用いることで前記課題を解決するに至った。
【0008】
さらには静電荷保持部材と、その静電荷保持部材上に形成された静電荷潜像を電子写真用トナーを用いて顕像化する現像部と、顕像化したトナー像を記録媒体上に転写する転写部と、静電荷保持部材上に残留したトナー像を清掃する清掃部と、前記記録媒体上に転写したトナー像を定着する定着部とを備えた画像形成装置において、前述のトナーを用いること、該トナーは磁性キャリアを用いる2成分系のトナーであり、少なくとも複数の現像用磁気ロールを使用する現像部であって、その現像用磁気ロールが静電荷保持部材の進行方向と順方向に回転する現像用磁気ロールと逆方向に回転する現像用磁気ロールを有するセンターフィード方式の現像部であることで前記課題を解決するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
電子写真プロセスにおいて感光体上に形成された静電潜像を可視化するためには染料、顔料等に代表される着色剤をトナー中に配合することが必須であり、これにより静電潜像を可視化している。磁性キャリアを用いる2成分系黒色トナーにおいては、静電潜像を可視化するために着色剤としてカーボンブラックが多用されている。
【0010】
1成分系黒色トナーにおいてはトナーの搬送力を保持するために、トナー中に磁性材料を含有する磁性1成分系トナーと磁性材料を含有しない非磁性1成分系トナーに大別される。磁性1成分系黒色トナーにおいては搬送性と着色性の点から磁性酸化鉄を用いるのが一般的であり、カーボンブラックを併用する場合もある。非磁性1成分系黒色トナーでは、2成分系黒色トナー同様にカーボンブラックが多用されている。これはカーボンブラックの持つ優れた着色性、隠ぺい性、分散性、導電性などによるものが大きい。
【0011】
一方、高画質化の要求によりトナーはますます小粒径化の方向にあるが、トナーは非常に微粒子であり、装置からの排出等により空気中に拡散されやすく、人間が暴露される可能性を否定することはできないものである。従って、トナーの必須の構成物質である着色剤はより安全性の高い物質を選択する必要がでてきている。
【0012】
しかしながら、近年においてカーボンブラックの安全性に対する市場での評価が変化してきているのも事実である。IARC(International Agency for Research on Cancer) では、1996年4月12日付で3類(発癌性を決定するには証拠が不十分なもの)から2B(動物への発癌性が知られており、人間に対する発癌性の可能性のあるもの)へと変更した。これに対しこの変更は、ラットに対するカーボンブラックの吸入研究結果をもとにされたもので、人間や動物における同条件での証拠を欠いたものであるとの意見も報告されており、今後の経過を注意深く見守るものである。
【0013】
さらにカーボンブラック中には発癌性物質であるニトロピレンをごく微量に含むことが知られており、できるだけ含有量の少ないカーボンブラックを選定して使用しているのが実状である。
【0014】
我々はこの様な市場の安全性に対する要求に対し、カーボンブラックを含有しない黒色トナーを提供するために鋭意検討を重ねた結果、着色剤としてチタン化合物を使用するに至った。チタン化合物としては酸化数−1、0、2、3、4の化合物、チタンとAl、Cr、Fe、Mn、Mo、Vなどの合金、酸化チタン鉄、チタン鉄鉱、チタン酸塩、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、チタン酸バリウムなどが挙げられる。
【0015】
これらの物質の全てにおいて安全性が保証されるものではないが、カーボンブラックと比較し、比重が大きく(カーボンブラックの比重が1.8に対してTiOの比重は4.9)、また物質により弱い磁性を帯びるためマグネットローラに回収されやすいため、トナーの飛散がしにくいという特長がある。
【0016】
チタン化合物は所望の色調によって選択され、単独あるいは他の着色剤と混合して用いられる。黒色のトナーとする場合、2価の酸化チタン(TiO)や低次酸化チタン、酸化チタン鉄、チタン鉄鉱等を用いることができる。
【0017】
2価の酸化チタン(TiO)を用いる場合、二酸化チタン(TiO2 )を還元して得られた酸化チタン(TiO)であり、磁性がなくかつ吸油量が80ml/100g以下、好ましくは20ml/100g乃至60ml/100gであり、かつBET比表面積が100m2/g以下、好ましくは10m2/g乃至80m2/gである2価の酸化チタン(TiO)が好ましい。吸油量が大きく、かつBET比表面積が大きくなると定着性が損なわれるようになるためである。さらには2価の酸化チタンは抵抗値が0.1乃至1000(Ω・cm)であり、一次粒子径が0.03乃至0.5μmのものが好ましい。
【0018】
また、一般式Tin O2n−1で表される低次酸化チタンも使用可能である。この低次酸化チタンは二酸化チタンと金属チタンを混合し、真空中で加熱することによって得ることができる。一般式Tin O2n−1で表される低次酸化チタンは式中のnが大きくなるにつれて色調が青銅色、紫黒色、青黒色、灰色、白色と変化する特徴を有し、本発明においてはnが1から5までの黒色低次酸化チタンを使用することが好ましい。
【0019】
一方、磁性1成分トナーにおいては磁性酸化鉄がカーボンブラックに代わる着色剤として一般的に用いられている。この磁性酸化鉄は四三酸化鉄(Fe3O4)と呼ばれ黒色を有し、色相により他の着色剤と混合して使用でき、またγ−酸化鉄も用いることができる。しかしながら2成分トナーとして用いる場合、磁性酸化鉄の持つ磁力により磁性キャリアからの分離が困難になるという問題を有していた。
【0020】
磁性酸化鉄を2成分系トナーの着色剤として用いる場合には、現像部での現像性を上げる方法、磁性キャリアとトナーの分離を容易にする必要がある。例えばマグネットローラーを増やして現像領域を広げる、マグネットローラーの回転数を上げる等の現像機の現像能力を上げる方法が上げられる。また、トナー・現像剤側での改善としては、反転現像方式を用いる場合、キャリア抵抗を下げること、帯電量を下げること、トナー表面に外添剤を多く添加すること、外添剤の粒子径を大きくすることが有効である。
【0021】
そのなかで磁性キャリアとトナーの分離を容易にする方法としては、外添剤の粒子径を大きくして、キャリアとトナーの距離を実質的に離してやることで解決する事が可能である。このとき用いられる外添剤の一次粒子径は20nm以上のものが好ましく、さらに好ましくは30nm以上の外添剤がトナーとキャリアを容易に分離できる。この時、流動性、帯電性等を調整するために他の外添剤を併用することも可能である。
【0022】
さらに着色剤としてチタン化合物や磁性酸化鉄を用いるトナーの場合、帯電が蓄積され帯電量が上昇してしまう場合がある。これはカーボンブラックは良好な導電性のために、一定以上に電荷が蓄積された場合トナー表面に露出しているカーボンブラックを介して帯電を放出する機能により帯電の安定性を維持する効果と抵抗調整効果も持ち合わせているためである。しかし、チタン化合物や磁性酸化鉄を着色剤として用いた場合、導電性がカーボンブラックと比べて低いため、電荷を放出しずらく、抵抗値も高くなるため電荷を蓄積しやすい傾向にある。この場合トナー帯電量(Q/M)が上昇してしまい、反転現像を用いる場合は画像濃度が低くなり、印字品質の低いトナーとなってしまう。
【0023】
またトナー表面にはトナーの帯電性、流動性を付与するために、シリカによってトナー表面を覆うことが一般的であるが、このシリカは抵抗が非常に高く、帯電を放出する効果は期待できない。そこで電荷を放出する効果を持たせるために導電剤をトナー表面に添加する方法が知られている。しかし導電剤としてはカーボンブラックが一般的であり、トナー表面にカーボンブラックを添加すると遊離したカーボンブラックが多数発生し、本発明本来の目的を達成できない。さらにカーボンブラック以外に導電性を有する材料として金属粉や金属粉をドープした素材等も使用可能であるが、粒子径や粒子形状などにより流動性を付与することができない場合が多い。
【0024】
この一定以上電荷を蓄積するのを防止し、電荷を放出する効果を併せ持つ素材として外添剤に二酸化チタン(TiO2 )を用いることができる。この二酸化チタン(TiO2 )は導電剤として用いるには抵抗値が高いものの、シリカと比較すると低い抵抗値を持ち、トナー表面に二酸化チタン(TiO2 )を含有することで、チタン化合物を用いたトナーの場合、帯電上昇を抑え安定した印字を得る効果とトナー表面抵抗を下げる効果があり有効である。
【0025】
トナーの外添剤として二酸化チタン(TiO2 )を用いることは実用化されているが、カーボンブラックを使用しない黒色トナーとの組合せにおいて、着色剤としてチタン化合物、磁性酸化鉄を用いる場合、帯電の安定性に特に顕著な効果を有する。
【0026】
さらに外添剤として多用されるシリカは酸化ケイ素を構成物質とし、遊離ケイ素の問題より塵肺を起こすことが知られている。したがって、この点からも環境、安全に配慮したカーボンブラックを使用しない黒色トナーにおいて、二酸化チタン(TiO2 )を用いることは重要な意味をもつ。
【0027】
一方、昨今の環境に対する負荷を低減する目的のため、装置側からは定着機の熱容量を減らすことで、待機中のエネルギーを削減する省エネルギー化が進められ、実用化が開始されている。
【0028】
トナーにおいても低温で定着するトナーが要望されている。低温でトナーが定着するためには、少ない熱量でトナーが溶融し、用紙等記録媒体の中に浸透固化してアンカー効果を発揮し、引き剥がしに対する強度を得やすくすることが効果的である。
【0029】
従来、ワックスは高温オフセットを防止する素材としてトナー中に含有されてきたが、ワックスは温度に対する粘度の変化が敏感であり、所定の温度になると溶融して低粘度になるため定着温度における粘度を低くすることができ、トナーが用紙の内部へ浸透、固化しアンカー効果を引き起こしやすくなる。そのため低融点ワックスを含有すると低温で高い引き剥がし強度を得ることができる。
【0030】
このトナーの溶融温度は示差走査熱量計により測定することが可能であり、DSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲内にあることが好ましい。カーボンブラックを用いずチタン化合物や磁性酸化鉄を着色剤としたトナーの場合、顔料自体の着色性、隠ぺい性がカーボンブラックより劣るため、同じ黒色を出すためにはチタン化合物や磁性酸化鉄の含有量を多くする必要がある。
【0031】
その結果定着性は低下することになる。DSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の温度範囲内にすることで、トナーの溶融粘度を下げることができ、カーボンブラックを用いない欠点を補い、低温で定着することが可能となる。DSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50℃以下になると、保存中にトナーが溶融し凝集やすく、連続印刷によりトナーがキャリア表面に融着するスペント現象を起こしやすくなり好ましくない。
【0032】
逆にDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が120℃以上になると低温で溶融し顔料変更による定着性低下を改善し、低温で定着するという目的を達成できなくなる。したがってDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃、好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは50〜80℃の範囲内にすることが良い。またワックスの添加は用紙の擦りに関しても効果的である。
【0033】
近年、両面、多重、縮小編集などで印字された用紙は装置内を何度も通紙する事により画像は擦られることになる。そのため従来にも増して擦りに対する耐久性が求められている。この擦りについてはトナー中に含まれるワックスが効果的であり、トナー表面に染みだしトナー画像と用紙が擦れた場合でもワックスの滑剤の効果により相手方の用紙を汚しにくいという効果がある。
【0034】
この擦りに対する耐久性の効果は多量の印刷物を重ねて印刷する場合や自動用紙送り機構の付いた画像読取り装置等で使用するとき、名刺、カード等厚紙に印刷するときに顕著に現れ、印刷速度が低速から高速まで良好な結果が得られる。特に高速(300mm/S以上のプロセス速度)領域ではさらに顕著な効果が得られる。
【0035】
本発明の電子写真用トナーにおいては示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲内にあることにより、テープ剥離強度と擦り強度に対する効果を得ることができる。
【0036】
トナーのDSC測定はトナーを約5mg計量してDSCに載置し、1分間に50mlの窒素ガスを吹き込み、20℃から160℃の間を1分間あたり10℃の割合で昇温させ、次に160℃から20℃に急冷させ、前履歴を取った後、再度1分間あたり10℃の割合で昇温させ、その時のDSC吸収熱量曲線のピークを求めた。
【0037】
本発明においてワックスの分子量分布は高温でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により次の条件で測定される。
【0038】
(GPC測定条件)
装置 :ALC/GPC 150−C(ウォーターズ社)
分離カラム:GMH−HT60cm×1、GMH−HTL60cm×1(東ソー社製)
カラム温度:135℃
移動相 :o−ジクロロベンゼン
検出器 :示差屈折計
流速 :1.0ml/min
試料濃度 :0.15wt%
注入量 :400μl
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用し、Mark−Houwink−Sakuradaの式あるいは粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0039】
また、ワックスの結晶化度はX線回折法により次の条件で測定される。
【0040】
X線 :Cu−Kα線(グラファイトモノクロメータにより単色 化)
波長λ :1.5406Å
出力 :40kV、40mA
光学系 :反射法、スリットDS,SS=1°、RS=0.3mm
測定範囲 :2θ=10°〜35°
ステップ間隔:0.02°
走査速度 :2θ/θ連続スキャン1.00°/分
以上の条件で測定し、試料のX線回折プロファイルを3本の結晶ピークと非晶散乱に分離し、それらの面積から下式により結晶化度を算出する。
【0041】
結晶化度(%)=Ic/(Ic+Ia)×100
Ic:各結晶ピーク面積の和
Ia:各結晶ピーク面積の和+非晶散乱面積
本発明に使用されるワックス類には多くの種類があり、その機能に応じて使い分けられるが、天然ワックス、合成ワックスを使用でき、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、パラフィンワックス、カルナウバワックス等を使用できる。使用されるワックスのポリエチレン換算数平均分子量は、1000以下のワックスが好ましい。また、ワックスの含有量は定着樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部の範囲で使用され、他のワックス類と数種併用して使用することも可能である。
【0042】
本発明のトナーに使用される定着用樹脂としては、例えば、以下の樹脂が挙げられる。
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;さらにはポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クロマン−インデン樹脂、石油系樹脂が挙げられるが、好ましくはスチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂である。
【0043】
また、前記したポリエステル樹脂にスチレン〜アクリルをグラフト共重合させた低吸湿性の樹脂も使用できる。なお、スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていてもよく、混合樹脂でも構わない。低温で定着し高温オフセットを防止する為には、例えばスチレン〜(メタ)アクリル系樹脂の場合、高分子量重合体と低分子量重合体よりなり、前者はトナーの耐オフセット性、後者は定着強度の確保に有効である。両者の組成のバランスは低温定着性及び耐オフセット性を両立するために重要でありさらに保存性にも影響すると言われている。
【0044】
定着用樹脂の分子量分布はテトラヒドロフランに可溶な成分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定する事ができる。スチレン〜(メタ)アクリル系樹脂の場合、GPC測定で分子量が50万を超える高分子量重合体成分と分子量が2万以下の低分子量成分を20:80〜60:40の範囲になるような樹脂とすることで低温定着性及び耐オフセット性を達成することができる。
【0045】
また定着用樹脂とワックスとの相溶性を向上させるため、定着用樹脂を合成する際に合成の全部または一部の過程でワックスを共存させる共存重合法で作成してもよい。
【0046】
ワックスの存在下で共存重合法で定着樹脂を作成する方法においてビニル系共重合体としては、その構成単位として、スチレン系単量体及び/または(メタ)アクリル酸エステル単量体を含み、これ以外のビニル系単量体を含むことができる。
【0047】
本発明におけるワックスを共存させる共存重合を合成の全部又は一部の過程で行うことにより、該ワックスを均一に分散させたビニル系共重合体を少なくともその構成要素として得ることができる。なお、ビニル系共重合体は主として2個以上の重合可能な二重結合を有する単量体、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等の架橋剤で一部、架橋されていても良い。
【0048】
ビニル重合体の構成単位としてのスチレン系単量体の具体例としては、スチレンの他にオルトメチルスチレン、メタメチルスチレン、アルファメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等を挙げることができる。
【0049】
ビニル重合体の構成単位としてのアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルの他、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、ビスグリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、メタクリロキシエチルホスフェート等を挙げることができ、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチルなどが特に好ましく用いられる。
【0050】
ビニル重合体の構成単位としてのその他のビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸及びそのα−あるいはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体及びジエステル誘導体、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等を挙げることができる。
【0051】
環境、安全性に対し重要なことは樹脂には合成の過程で高分子化しきれなかったモノマー成分や有機溶剤、重合開始剤の残さが含まれることである。そのため、樹脂製造時にはできるだけ高温、減圧化で揮発成分を除去した樹脂を使用することが好ましい。さらにトナー製造工程において溶融混練する場合は、混練時に減圧化して揮発成分を除去することでも大きく改善できる。
【0052】
本発明のトナーには帯電制御剤をトナー粒子に配合(内部添加)、もしくは混合(外部添加)して用いることにより、トナーの帯電量を所望の値に制御することができる。
【0053】
トナーの正帯電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;これらの単独或いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン染料の如き帯電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0054】
トナーの負帯電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類がある。
【0055】
これらの帯電制御剤をトナーに内部添加する場合、定着用樹脂に対して0.1〜10wt%添加することが好ましい。帯電制御剤も構造により皮膚感作性をもつものがあるので、充分吟味して選定する必要がある。
【0056】
本発明のトナーでは、現像性、流動性、帯電安定性、耐久性向上のため、二酸化チタン(TiO2 )微粉末等を外部添加することが好ましい。
【0057】
本発明に用いられる二酸化チタン(TiO2 )微粉末等は、一次粒子径が20nm以上のものが好ましく、トナーに対して0.01〜10wt%の範囲で外部添加する。また、必要に応じてシリカを添加することもでき、微粉末表面を各種有機ケイ素化合物等の処理剤、あるいは種々の処理剤で疎水化、もしくは帯電性を制御して用いられる。処理剤の種類ならび粒子径により流動性、耐久性、保存安定性等が変るため目的に応じて選択される。
【0058】
さらに、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリ沸化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、中でもポリ沸化ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化アルミニウム粉末の如き流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。凝集防止剤、或いは例えば、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0059】
トナーの粒度は種々の方法により測定されるが、本発明ではコールターカウンターを用いて行った。アパーチャーは100μmのものを用い測定装置はコールターカウンターTA−II型(コールター社)を用い個数分布、体積分布を測定した。この時、測定試料は界面活性剤を加えた電解液中に測定トナーを加え超音波分散機で1分間分散させたものを50000個測定した。トナーの平均粒径は4〜10μmが好ましく、さらにトナー中に含まれる4μm以下の粒子割合を25%以下に抑えることが好ましい。
【0060】
本発明における電子写真用トナーを作製するには定着用樹脂、帯電制御剤、着色剤としての顔料または染料、磁性粉、さらに必要に応じて添加剤、ワックスを均一に分散した定着用樹脂を組合せてヘンシェルミキサー、スーパーミキサーの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダ、エクストルーダーの如き熱溶融混練機を用いて溶融混練して素材類を十分に混合せしめた後、冷却固化後微粉砕及び分級を行ってトナーを得る。
【0061】
この時の粉砕方法としては高速気流中にトナーを包含させ、衝突板にトナーを衝突させそのエネルギーで粉砕するジェットミル方式やトナー粒子同士を気流中で衝突させる粒子間衝突方式、更には高速に回転したローターと狭いギャップ間にトナーを供給し粉砕する機械式粉砕法等が使用できる。
【0062】
ジェットミル方式や粒子間方式は衝突エネルギーによってトナーを粉砕するため、粉砕したトナー粒子の形状は比較的尖っているが、機械式粉砕法を用いた場合、トナーはギャップ間で擦られながら粉砕され、かつこの時に発生する摩擦熱によりトナー表面は球形化され易い。粉砕・分級されたトナーは更に、必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサーの如き混合機によりトナーに付着混合せしめ、添加剤を外部添加したトナーを得ることができる。また、樹脂モノマーを反応させる際に着色剤、帯電制御剤、ワックス等を分散させ重合させるいわゆる重合法によってもトナーを得ることもできる。
【0063】
本発明に用い得るキャリアとしては、公知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト、マグネタイト、ガラスビーズ及び磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させた樹脂キャリアが使用可能であり、キャリア表面にコーティング層を設ける事が出来る。キャリアの帯電特性、電気抵抗値等はバインダー樹脂、帯電性微粒子、コーティング層によって制御できる。
【0064】
樹脂キャリアに用いられるバインダー樹脂はビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が例示できる。
【0065】
磁性キャリアとしてはマグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Zn、Mg、Cu等)を一種又は二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を使用できる。その形状は粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合は鉄等の強磁性微粒子を用いることが好ましい。
【0066】
また、化学的な安定性を考慮するとマグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトを用いることが好ましい。また、強磁性微粒子の種類及び含有量を選択する事により所望の磁化を有する樹脂キャリアを用いることができる。この時のキャリアの磁気特性は1000エルステッドにおける磁化の強さは30〜150emu/gが好ましい。
【0067】
このような樹脂キャリアは磁性体微粒子と絶縁性バインダー樹脂との溶融混練物をスプレードライヤーで噴霧して製造したり、磁性体微粒子の存在下に水性媒体中でモノマーないしプレポリマーを反応、硬化させ縮合型バインダー中に磁性体微粒子が分散された樹脂キャリアを製造できる。
【0068】
磁性キャリアの表面には正または負帯電性の微粒子または導電性微粒子を固着させたり、樹脂をコーティングして帯電性を制御できる。
【0069】
表面のコート材としてはシリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられ、さらに正または負帯電性の微粒子または導電性微粒子を含んでコーティングすることができる。
【0070】
本発明のトナーとキャリアとの混合比はトナー濃度として2〜10wt%が好ましい。
【0071】
本発明の電子写真用トナーを用いて、静電荷保持部材上に形成された静電荷潜像を顕像化し、顕像化したトナー像を記録媒体上に転写し、静電荷保持部材上に残留したトナー像を清掃すると共に、記録媒体上に転写したトナー像を定着して記録画像を得る静電像記録工程において、特に低温でも良好な定着性能を示し、擦りに対して強く、トナーの流動性、耐熱性、耐久性、保存安定性も良好で、安定した静電トナー像作製方法を提供することができる。
【0072】
本発明に使用される現像装置は静電荷保持部材の移動速度によって選択されるが、静電荷保持部材の移動速度の速い高速プリンタ等の場合は1本の現像磁気ロールの現像では必ずしも十分でなく、複数の現像磁気ロールを使用し、現像領域を増して現像時間を伸ばし現像することも行われる。複数の現像磁気ロールを使用した場合、1本の現像ロール方式と比較して高い現像能力が得られることにより、高面積画像印刷への対応や印刷品質が向上するばかりでなく、現像剤中のトナー含有量を低減ずる事ができ、かつ、現像ロール回転スピードを低減する事が可能であり、トナーの飛散、現像剤への負荷低減によるトナーによるキャリアスペントを防止し現像剤の長寿命化が更に可能となる。
【0073】
さらに複数の現像ロールを用いる現像方式において、静電荷保持部材の進行方向と順方向に現像ロールが回転する一方向現像は高い現像能力を有するが、背景のかぶりが出やすいことや画像先端部の欠け、磁気ブラシのはけ目が出やすい。
【0074】
一方、静電荷保持部材の進行方向と逆方向に現像ロールが回転する一方向現像は画像部後端の欠けはあるものの背景のかぶりは少なく、磁気ブラシのはけ目も出にくいので安定した画像が得られる。しかし、前記逆方向現像は静電荷保持部材と接する実効トナー量が少ないため現像能力は少ないことがある。これに対してセンターフィード方式は上記した順及び逆の現像ロールの両方を兼ね備えているため上記両現像法式の欠点を回避できる。センターフィード方式の現像装置は、例えば特公昭62−45552号公報により公知である。
【0075】
このような現像方式と本発明の電子写真用トナーを組合せて使用することにより、画像に優れ定着に要するエネルギーが小さく、熱ローラ定着方式を採用した場合に熱ローラの温度と圧力を低下させることが可能で、且つ、オフセット現象が発生し難く、トナーの流動性、耐熱性、耐久性、保存安定性が良好でトナーによるキャリアスペントによる現像剤寿命の低下、及びトナーによる感光体フィルミングによる感光体寿命の低下が起こりにくく安定した画像を作成することができる。
【0076】
図1は長尺紙を用いる画像形成装置の構成図である。図において符号1は用紙、2は帯電器、3は光源、4は本発明の電子写真用トナーを装填した現像機(現像部)、5は転写器(転写部)、6は感光体(静電荷保持部材)、7はクリーナー(清掃部)、8は加熱ロール(定着部)、9は加圧ロール(定着部)であり、図に示すような配置状態になっている。なお、画像形成の工程は従来と同様であるので、その説明は省略する。
【0077】
以下、本発明の実施例について説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
【0078】
(実施例1)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)85wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、酸化チタン(TiO2)(粒子径0.3μm、吸油量32ml/100g、BET比表面積25m2/g)10wt%及びポリプロピレンワックス(三洋化成工業社製 商品名ビスコール660P ポリエチレン換算分子量Mn1070、DSC吸熱ピーク141.2℃)4wt%の配合からなる原料をスーパーミキサーで予備混合し、二軸混練機で熱溶融混練後、冷却した後粉砕し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒径が9μmの粒子を得た。
【0079】
更に該粒子に疎水性シリカ(日本アエロジル社製 R974一次粒子径12nm)0.6%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例1のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.0μmであった。
【0080】
(実施例2)
外添剤として二酸化チタン(TiO2 )(日本アエロジル社製 商品名:T−805一次粒子径21nm)1.0wt%を使用したほかは実施例1と同様に作成し実施例2のトナーを得た。
【0081】
(実施例3)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)87wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、酸化チタン(TiO)(粒子径0.1μm、吸油量32ml/100g、BET比表面積40m2/g)8wt%及びポリエチレンワックス(ヤスハラケミカル社製商品名:ネオワックスALポリエチレン換算分子量Mn430、DSC吸熱ピーク98.4℃、140℃における溶融粘度8.5cp、結晶化度83%)4wt%を用いた以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0082】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2)(日本アエロジル社製 商品名:T−805 一次粒子径21nm)1.0wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例3のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.8μmであった。
【0083】
(実施例4)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)87wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、酸化チタン(TiO)(粒子径0.1μm、吸油量32ml/100g、BET比表面積40m2/g)8wt%及びパラフィンワックス(日本精蝋社製商品名:HNP−11ポリエチレン換算分子量Mn390、DSC吸熱ピーク60.9℃、70.6℃)1.5wt%及びポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製商品名:PW1000ポリエチレン換算分子量Mn820、DSC吸熱ピーク109.4℃、140℃における溶融粘度13.7cp、結晶化度90%)2.5wt%を用いた以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0084】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2)(チタン工業社製 商品名:STT−60J一次粒子径50nm)0.6wt%、疎水性シリカ(日本アエロジル社製商品名:R976一次粒子径7nm)0.3wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例4のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.7μmであった。
【0085】
(実施例5)
ポリエステル樹脂(Mw115320、Mn4300、酸価4.3mgKOH)83wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、メタチタン酸第一鉄(FeTiO3 )12wt%及びフィッシャートロピッシュワックス(サゾール社製 商品名SPRAY30 ポリエチレン換算分子量Mn520、DSC吸熱ピーク91.9℃、140℃における溶融粘度6.9cp、結晶化度90%)4wt%を用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0086】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2 )(日本アエロジル社製 商品名:T805一次粒子径21nm)1.0wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例5のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.2μmであった。
【0087】
(実施例6)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)83wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、メタチタン酸第一鉄(FeTiO3 )12wt%及びパラフィンワックス(日本精蝋社製商品名:HNP−11ポリエチレン換算分子量Mn390、DSC吸熱ピーク60.9℃、70.6℃)1.5wt%及びポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製商品名:PW1000ポリエチレン換算分子量Mn820、DSC吸熱ピーク109.4℃、140℃における溶融粘度13.7cp、結晶化度90%)2.5wt%を用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0088】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2 )(チタン工業社製 商品名:STT−60J一次粒子径50nm)0.6wt%、疎水性シリカ(日本アエロジル社製商品名:R976一次粒子径7nm)0.3wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例6のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.4μmであった。
【0089】
(実施例7)
ポリエステル樹脂(Mw115320、Mn4300、酸価4.mgKOH)80wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、四三酸化鉄(Fe3O4)(嵩密度0.65、粒子径0.18μm、BET比表面積9.7m2/g)15wt%及びポリプロピレンワックス(三洋化成工業社製 商品名ビスコール660P ポリエチレン換算分子量Mn1070、DSC吸熱ピーク141.2℃)4wt%を用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0090】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2 )(日本アエロジル社製 商品名:T−805 一次粒子径21nm)0.6wt%、疎水性シリカ(日本アエロジル社製 商品名:R976一次粒子径7nm)0.3wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例7のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.8μmであった。
【0091】
(実施例8)
ポリエステル樹脂(Mw115320、Mn4300、酸価4.3mgKOH)75wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、四三酸化鉄(Fe3 O4)(嵩密度0.65、粒子径0.18μm、BET比表面積9.7m2/g)20wt%及びポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製商品名:PW1000ポリエチレン換算分子量Mn820、DSC吸熱ピーク109.4℃、140℃における溶融粘度13.7cp、結晶化度90%)4wt%を用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0092】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2 )(日本アエロジル社製 商品名:T−805 一次粒子径21nm)1.0wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例8のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.6μmであった。
【0093】
(実施例9)
ポリエステル樹脂(Mw115320、Mn4300、酸価4.3mgKOH)75wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、四三酸化鉄(Fe3O4)(嵩密度0.65、粒子径0.18μm、BET比表面積9.7m2/g)20wt%及びフィッシャートロピッシュワックス(サゾール社製 商品名SPRAY30 ポリエチレン換算分子量Mn520、DSC吸熱ピーク91.9℃、140℃における溶融粘度6.9cp、結晶化度90%)4wt%用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0094】
さらに該粒子に疎水性シリカ(日本アエロジル社製 商品名:R976一次粒子径7nm)0.5wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例9のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.2μmであった。
【0095】
(実施例10)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)75wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、四三酸化鉄(Fe3O4)(嵩密度0.65、粒子径0.18μm、BET比表面積9.7m2/g)20wt%、青色顔料(クラリアントジャパン社製、TONER CYAN BG)0.2%及びパラフィンワックス(日本精蝋社製商品名:HNP−11ポリエチレン換算分子量Mn390、DSC吸熱ピーク60.9℃、70.6℃)1.5wt%及びフィッシャートロピッシュワックス(サゾール社製 商品名SPRAY30 ポリエチレン換算分子量Mn520、DSC吸熱ピーク91.9℃、140℃における溶融粘度6.9cp、結晶化度90%)2.5wt%を用いて実施例1と同様にトナーを得た。
【0096】
さらに該粒子に二酸化チタン(TiO2)(日本アエロジル社製 商品名:T−805一次粒子径21nm)0.6wt%、疎水性シリカ(日本アエロジル社製商品名:R976一次粒子径7nm)0.3wt%を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ実施例10のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.9μmであった。
【0097】
(実施例11)
酸化チタン(TiO)の代わりに酸化チタン(Ti2 O3 )を使用した以外は実施例3と同様にして実施例11のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.9μmであった。
【0098】
(実施例12)
酸化チタン(TiO)の代わりに酸化チタン(Ti4 O7 )を使用した以外は実施例3と同様にして実施例12のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は9.2μmであった。
【0099】
(比較例)
スチレン−アクリル系共重合樹脂(三洋化成工業社製 商品名:ハイマーSB316 Mw238000、Mn3500)87wt%、帯電制御剤(保土谷化学工業社製 商品名:T−77)1wt%、スーボンブラック(三菱化学社製 商品名:MA−100 粒子径22nm 吸油量100ml/100g BET比表面積114m2 /g)8wt%及びポリプロピレンワックス(三洋化成工業社製 商品名:ビスコール660P ポリエチレン換算分子量Mn1070 DSC吸熱ピーク141.2℃)4wt%を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1のトナーを得た。なおこの時のトナーの平均粒径は8.8μmであった。
【0100】
次に、前記実施例ならびに比較例のトナー3%とマグネタイトキャリア(平均粒径90μm、表面シリコーンコート)97%で現像剤を作成し下記の方法で印字し評価を行った。
【0101】
OPCを感光体として用いた電子写真方式のレーザビームプリンタにおいて、OPCの帯電電位−650V、残留電位−50V、現像バイアス電位−400V、現像部コントラスト電位350Vで、毎分60枚の印刷速度(印刷プロセス速度26.7cm/sec)で画像形成を行った。現像機には、現像用磁気ロールが静電荷保持部材の進行方向と順方向に回転する現像用磁気ロールと逆方向に回転する現像用磁気ロールを有するセンターフィード方式の現像装置を用い現像ギャップ(感光体と現像ロールスリーブ間の距離)を0.8mmとし、反転現像で画像を作製した。
【0102】
定着機は、アルミニウム製芯金をフッ素樹脂(テトラフルオロエチレン〜パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体:PFA)のチューブで薄く被覆し(厚さ40μm)、中心部にヒータランプを設置したものを熱ロールとし、アルミニウム製芯金にゴム硬度約30度のシリコーンゴム層(厚さ7mm)を設置し、最外層をPFAチューブで被覆したものをバックアップロールとし、定着条件は、プロセス速度26.7cm/sec、熱ロールとバックアップロールの外径60mm、押し付け荷重50kgf、両者の接触域(ニップ)の幅約7mmとした。
【0103】
(1)画像濃度
1インチ角のベタ黒画像の画像濃度を反射濃度計(マクベス社製RD−914)で測定した。
【0104】
(2)印字安定性
前記のレーザビームプリンタに適用し、各実施例、比較例について5万頁の連続印刷を行った。その時の1インチ角のベタ黒画像の画像濃度を反射濃度計(マクベス社製RD−914)で測定した。
【0105】
(3)非オフセット温度範囲
熱ロールの制御温度を変化させ、熱ロールの各表面温度での定着画像の白紙部の汚れからオフセットを評価した。なお、熱ロールには元来シリコーンオイルを含浸したノーメックスペーパ巻き取りタイプの清掃機を設置するが、オフセットを評価する場合には清掃機を取り外し、シリコーンオイルレスの状態で厚紙(厚さ約200μm)と薄紙(厚さ約100μm)に画像を記録し、前者で低温オフセット、後者で高温オフセットを評価した。
【0106】
(4)定着強度
前記定着機の熱ロールの表面温度を185℃に設定し、厚紙(厚さ約200μm)に記録された1インチ角のベタ黒画像とレーザビーム1オン4オフ間隔の線画について、それぞれテープ剥離試験と擦り試験を行い、画像の定着強度を評価した。
【0107】
テープ剥離試験は、ベタ黒画像にスコッチメンディングテープ810を貼り付け、テープ引き剥がし前後の画像濃度を反射濃度計(マクベス社製RD−914で測定し、下記式よりテープ剥離強度を求めた。
【0108】
テープ剥離強度(%)=テープ剥離後のベタ黒画像の反射濃度/テープ剥離前のベタ黒画像の反射濃度×100
擦り試験は、線画を200gfの荷重でワットマン濾紙44で擦り、濾紙の汚れ具合を白色度計で評価し、汚れた濾紙と汚れていない濾紙との光の反射率の比をハンター値(%)で求め、擦り強度(%)とした。
【0109】
図2と図3は、各実施例ならびに比較例の内容とトナーの印字変化と定着特性を示す図である。
【0110】
着色顔料としてカーボンブラックを用いずに酸化チタン(TiO)を用いた実施例1〜4において、画像濃度は1.2を超える値を示し充分潜像を可視化させる効果を確認することができた。また外添剤として二酸化チタン(TiO2 )を用いた実施例2及び実施例3においては5万頁印刷後の画像濃度の低下がほとんど見られなかった。
【0111】
外添剤として二酸化チタン(TiO2 )とシリカ(SiO2 )を併用して用いた実施例4においても5万頁印刷後の画像濃度の低下がほとんど見られなかった。さらに低融点のワックスを使用した実施例3及び実施例4においては低温側の非オフセット温度範囲が拡大し、テープ剥離強度、擦り強度を上昇させることができた。
【0112】
着色顔料としてカーボンブラックを用いずに酸化チタン鉄(FeTiO3)を用いた実施例5及び実施例6において、画像濃度は1.2を超える値を示し、充分潜像を可視化させる効果を確認することができた。実施例6において外添剤として二酸化チタン(TiO2 )とシリカ(SiO2 )を併用して用いたが、5万頁印刷後の画像濃度の低下がほとんど見られなかった。
【0113】
着色顔料としてカーボンブラックを用いずに磁性酸化鉄である四三酸化鉄を用いた実施例7〜10においても画像濃度は1.0を超える値を示し、充分潜像を可視化させる効果を確認することができた。また外添剤として二酸化チタン(TiO2 )を用いた実施例8においては5万頁印刷後の画像濃度の低下がほとんど見られなかった。
【0114】
外添剤として二酸化チタン(TiO2 )とシリカ(SiO2 )を併用して用いた実施例7及び実施例10においても5万頁印刷後の画像濃度の低下がほとんど見られなかった。
【0115】
さらに低融点のワックスを使用した実施例8〜実施例10においては低温側の非オフセット温度範囲が拡大し、テープ剥離強度、擦り強度を上昇させることができた。
【0116】
図2と図3に示すように、本発明においてチタン化合物、酸化チタン鉄を着色顔料として用いたトナーは、従来の比較例に匹敵する着色性、定着性、安定した印字を確保することができる。さらに磁性酸化鉄を着色剤として用いたトナーにおいても、高い定着性と安定した印字を確保することができる。
【0117】
【発明の効果】
本発明は前述のような構成になっており、着色性、定着性、安定性などにおいて従来にほぼ匹敵する特性を有し、さらにそれよりも環境、安全性に配慮した電子写真用トナーと画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】各実施例と比較例の内容を一覧して示す図である。
【図3】各実施例と比較例の内容を一覧して示す図である。
【符号の説明】
1:用紙、2:帯電器、3:光源、4:現像機、5:転写器、6:感光体、7:クリーナー、8:加熱ロール、9:加圧ロール
Claims (11)
- 少なくとも定着用樹脂と着色剤を含む電子写真用トナーにおいて、前記着色剤としてカーボンブラックを含まないチタン化合物を用いることを特徴とする黒色の電子写真用トナー。
- 請求項1記載の電子写真用トナーにおいて、前記チタン化合物が酸化チタンまたは酸化チタン鉄であることを特徴とする電子写真用トナー。
- 請求項1記載の電子写真用トナーにおいて、前記チタン化合物の吸油量が80ml/100g以下であり、かつBET比表面積が100m2/g以下であることを特徴とする電子写真用トナー。
- 請求項3記載の電子写真用トナーにおいて、前記チタン化合物は二酸化チタンを還元して得られた酸化チタンであることを特徴とする電子写真用トナー。
- 請求項2記載の電子写真用トナーにおいて、前記酸化チタンは二酸化チタンと金属チタンを混合し真空中で加熱することによって得られた酸化チタンであることを特徴とする電子写真用トナー。
- 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項記載の電子写真用トナーにおいて、そのトナーは磁性キャリアを用いる2成分系のトナーであることを特徴とする電子写真用トナー。
- 少なくとも定着用樹脂と着色剤を含む電子写真用トナーにおいて、前記着色剤としてカーボンブラックを含まない磁性酸化鉄を用いることを特徴とする黒色の2成分系電子写真用トナー。
- 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1項記載の電子写真用トナーにおいて、そのトナーの外添剤として二酸化チタンを含有することを特徴とする電子写真用トナー。
- 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1項記載の電子写真用トナーにおいて、そのトナーは示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の昇温時の吸収熱量曲線の吸収ピークの最大値が50〜120℃の範囲内にあることを特徴とする電子写真用トナー。
- 静電荷保持部材と、その静電荷保持部材上に形成された静電荷潜像を電子写真用トナーを用いて顕像化する現像部と、顕像化したトナー像を記録媒体上に転写する転写部と、静電荷保持部材上に残留したトナー像を清掃する清掃部と、前記記録媒体上に転写したトナー像を定着する定着部とを備えた画像形成装置において、前記電子写真用トナーが請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1項記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項10記載の画像形成装置において、前記現像部の現像用磁気ロールが、静電荷保持部材の進行方向と順方向に回転する現像用磁気ロールと逆方向に回転する現像用磁気ロールを有するセンターフィード方式の現像用磁気ロールであることを特徴とする画像形成装置。
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