JP2004097278A - 医療用管状体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の医療用管状体と同じ外径寸法と力学的強度および内腔の潤滑性を有しながら、更に広い内径をもつ医療用管状体およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】マンドレルの外周に、潤滑性樹脂層20となるフッ素樹脂分散液から成る第1塗布膜を形成する第1塗布膜形成工程と、第1塗布膜の外周に、耐熱性樹脂22となる液状ポリマーから成る第2塗布膜を形成する第2塗布膜形成工程と、第1塗布膜および第2塗布膜を、前記第1塗布膜の皮膜形成温度以上の温度で加熱し、前記第1塗布膜と前記第2塗布膜との接触界面が密着された複合チューブを形成する加熱工程と、前記マンドレルを引き抜くマンドレル除去工程と、を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】マンドレルの外周に、潤滑性樹脂層20となるフッ素樹脂分散液から成る第1塗布膜を形成する第1塗布膜形成工程と、第1塗布膜の外周に、耐熱性樹脂22となる液状ポリマーから成る第2塗布膜を形成する第2塗布膜形成工程と、第1塗布膜および第2塗布膜を、前記第1塗布膜の皮膜形成温度以上の温度で加熱し、前記第1塗布膜と前記第2塗布膜との接触界面が密着された複合チューブを形成する加熱工程と、前記マンドレルを引き抜くマンドレル除去工程と、を有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用管状体および医療用管状体の製造法に係り、さらに詳しくは、内層の潤滑性に優れたフッ素樹脂層を持ち、且つ肉薄で、しかも強度などの機械的物性に優れた医療用管状体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用管状体は、血管等に挿入して使用される医療用具であり、例えば血管造影用カテーテルまたは経皮的冠動脈形成術(PTCA)用ガイディングカテーテル、脳外科用マイクロカテーテル等がある。
【0003】
例えば経皮的冠動脈形成術では、体外から冠動脈口まで医療用管状体を挿入させ、管に造影剤を注入して冠動脈血管造影を行ったり、ガイドワイヤーやバルーンカテーテルなどの医療用具を医療用管状体の内腔を通して患部に運び治療を行う。
【0004】
このような医療用管状体は、細い生体管路を通して体内の目的部位まで挿入する操作を行うため、なるべく外径が小さく、操作中に内腔が潰れない為の強度と、押し込みや回転といった挿入に際しての強度とトルク性が必要とされる。また、その内腔を薬剤や細径の医療用具が行き来するため、その内径はできるだけ広いことが要求される。このため、医療用管状体は、必然的に肉薄である必要がある。また内面を行き来する医療用具との摩擦を考慮し内層の潤滑性が良いことも要求される。
【0005】
これらの目的で使用される医療用管状体は、管状体部と、この管状体部の手元側に操作および接合目的に形成された部分とから構成されている。この医療用管状体の内層には、潤滑性に優れた樹脂が用いられ、更に補強目的でその内層チューブの外周に金属線若しくは非金属線のワイヤーを螺旋状に編組した層が設けられ、更にその補強層の外層には、電線被覆の要領で編組管状体を合成樹脂と一緒に押出成形した層が形成されている。
【0006】
従来、潤滑性が要求される内層樹脂にはフッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、PTFEと略する)が用いられ、螺旋状編組にはステンレス線の編組、外層には機械的強度に優れたポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンエラストマー等が用いられている。
【0007】
上記の目的の為にはできるだけ薄肉であることが望ましいが、薄肉にするとカテーテル強度が必然的に弱くなる。そこでカテーテル(医療用管状体)の強度にあまり寄与しないPTFE層の薄肉化が計られているが、従来のPTFEパウダーを押し出し成形する方法では、その成型の困難性から、いまだ薄い物でも30〜40μmの膜厚みがある。また、カテーテル強度を上げるためPTFE層と編組および樹脂の密着性能が必要であるが、PTFEは表面エネルギーが小さくそのままでは密着性能が出ないため、あらかじめ表面をアルカリ金属溶液によって表面処理することで、PTFEのフッ素原子を引き抜いてPTFE表面の表面エネルギーを大きくする必要がある。しかし、この方法は危険性が高く、取扱いが難しいアルカリ金属溶液を使用し、その効果の維持するための保管に注意が必要など問題がある。
【0008】
なお、フッ素樹脂分散液を単独でマンドレルの外周面に塗布および加熱して、医療用フッ素樹脂チューブを製造し、その外周に別の補強層または樹脂層を形成する方法は、たとえば特開2000−316977号公報および特開2002−45428号公報に示すように知られている。
【0009】
しかしながら、従来の方法では、フッ素樹脂分散液を単独でマンドレルの外周面に塗布および加熱して、フッ素樹脂チューブを形成した後に、そのフッ素樹脂チューブの外周に他の樹脂層または補強層を形成する方法であったため、やはり、フッ素樹脂チューブとの密着性に難点を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決することを目的とする。すなわち、本発明の目的は、従来の医療用管状体と同じ外径寸法と力学的強度および内腔の潤滑性を有しながら、更に広い内径をもつ医療用管状体およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る医療用管状体は、
マンドレルの外周に、潤滑性樹脂層となるフッ素樹脂分散液から成る第1塗布膜を形成する第1塗布膜形成工程と、
前記第1塗布膜の外周に、耐熱性樹脂となる液状ポリマーから成る第2塗布膜を形成する第2塗布膜形成工程と、
前記第1塗布膜および第2塗布膜を、前記第1塗布膜の皮膜形成温度以上の温度で加熱し、前記第1塗布膜と前記第2塗布膜との接触界面が密着された複合チューブを形成する加熱工程と、
前記マンドレルを引き抜くマンドレル除去工程と、を有する。
【0012】
本発明において、第1塗布膜および第2塗布膜の形成方法としては、塗布法であれば特に限定されず、スプレーコート法、ディップ(浸漬)法などが上げられるが、均一に薄膜に塗布できる手段としてはディップ法が好ましい。
【0013】
本発明の方法は、従来用いられていたPTFEパウダーを押出し被覆する方法とは異なり、フッ素樹脂(好ましくはPTFE)分散液を用いて第1塗布膜を形成し、その上に耐熱性液状高分子を更に塗布して第2塗布膜を形成して、これらを加熱して一体化したものである。例えば1μm程度のPTFE層と3μm程度の耐熱性高分子を一体化して、最内層にフッ素樹脂による潤滑性を持ち、且つ強度的にも優れ、加工性の良い極端に薄い潤滑層を持つ医療用管状体を作製することができる。
【0014】
接着が困難なフッ素樹脂から成る第1塗布膜と、耐熱性樹脂から成る第2塗布膜との接触界面が良好に密着する理由は、必ずしも明らかではないが、これらの塗布膜を一体的に加熱処理することで、界面に微小な凹凸が形成され、アンカー効果により密着するものと考えられる。
【0015】
また、本発明では、潤滑層の外面がフッ素樹脂ではないため、編組および外層との密着性を改良するために必要であった、フッ素樹脂のための表面処理は必要とせず、外層との十分な密着力を容易に得ることができる。
【0016】
好ましくは、前記第1塗布膜の厚みが、0.1〜28μm、さらに好ましくは、0.5〜10μmである。第1塗布膜の厚みが小さすぎると、潤滑性樹脂層としての機能が低下する傾向にあり、厚みが大きすぎると、第1塗布膜を浸漬法により形成する際に浸漬回数が多くなって製造上問題があると共に、肉厚になるために内径を大きくすることが困難になる傾向にある。
【0017】
また、第2塗布膜の厚みは、好ましくは、0.5〜50μm、さらに好ましくは、1〜5μmである。第2塗布膜の厚みが小さすぎると、第1塗布膜に対する密着力が低下する傾向にあり、厚みが大きすぎると、第2塗布膜を浸漬法により形成することが困難になると共に、内径を大きくすることが困難になる傾向にある。
【0018】
好ましくは、前記第2塗布膜が、前記第1塗布膜の皮膜形成温度よりも高い耐熱性を有し、前記第2塗布膜の耐熱温度以上の温度で加熱する。この加熱処理により、一般に接合が困難であると言われているフッ素樹脂層を耐熱性樹脂に対して良好に接合することが可能になる。なお、第2塗布膜として、耐熱性樹脂を選択したのは、この加熱処理により、第2塗布膜の劣化を防止するためである。
【0019】
第1塗布膜を構成するフッ素樹脂分散液としては、特に限定されないが、好ましくは、PTFE分散液などのフッ素樹脂分散液が好ましい。これらのフッ素樹脂分散液は、平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1〜0.5μmのフッ素樹脂粒子を、分散媒中に分散させたものである。分散媒としては、水であっても有機溶剤であっても良く、界面活性剤、粘度調整剤などを含んでも良い。分散媒100重量部に対するフッ素樹脂の重量比は、好ましくは、5〜60重量部、さらに好ましくは30〜50重量部である。
【0020】
第2塗布膜を構成する耐熱性樹脂となる液状ポリマーとしては、特に限定されないが、好ましくはポリイミド、ポリアミドイミドなどの液状ポリマーが好ましい。たとえば第1塗布膜として、PTFE分散液を用いる場合には、被膜形成温度として320℃以上の高温が必要となることから、第2塗布膜としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、有機ポリシロキサンなどの液状ポリマーが好ましい。また、このようなポリマーを選択することで、加熱処理による第1塗布膜との接合が良好になる。
【0021】
好ましくは、前記加熱工程の後で、前記マンドレル除去工程前に、前記複合チューブの外周に、補強材を組み込む補強工程と、前記補強材の外周を、外側ポリマー層で被覆する工程と、をさらに有する。金属線若しくは非金属線のワイヤーを螺旋状に編組するなどの方法による補強材は、医療用管状体の回転トルク伝達性、耐圧性、弾性、耐キンク性を付与する層として設けられることがある。特に、本発明の医療用管状体をガイディングカテーテルなどとして用いる場合には、補強材で補強することが好ましく、それにより、従来より肉薄で且つ強度の優れた医療用管状体を作製できる。なお、補強材は、埋め込み用ポリマー層で埋め込まれることが好ましい。埋め込み用ポリマー層としては、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの樹脂が例示される。
【0022】
また、更に機械的強度や柔軟性などを付与する目的で、埋め込み用ポリマー層の外層側に、外側ポリマー層を形成しても良い。それより内層に使用する耐熱性高分子と同じまたは似た樹脂で、補強部材の外側から被覆し、この時点で加熱することにより、更に潤滑性樹脂層と耐熱性樹脂層、耐熱性樹脂層と補強材層、あるいは補強材層と外側ポリマー層との密着および一体化を促進することができ、更に強度を得ることができる。
【0023】
この外側ポリマー層は、液状樹脂をスプレーやディップ(浸漬)で塗布する方法でも、押出しで被覆する方法でもどちらでも良いが、均一な薄肉で強度を出す目的にはディップで塗布する方法が好ましい。
【0024】
本発明において、補強材としては、特に限定されないが、ステンレス(SUS)、タングステン(W)、チタン(Ti)、その他の金属の線材(帯状、繊維状含む)、カーボンファイバー、ザイロン(PBO繊維)、ガラス繊維などの無機または有機繊維、あるいはこれらの組合せなどが例示される。
【0025】
好ましくは、前記外側ポリマー層は、長手方向に沿って途中から先端に向けてステップ状または徐々に柔軟性が向上する構造(材質含む)である。医療用管状体においては、先端側では、柔軟であることが要求され、同時に、基端側では、押し込み力や回転トルクなどを伝達できる程度に強度が要求されるため、上記のような構造が好ましい。医療用管状体の柔軟性を長手方向に沿って向上させるには、たとえば外側ポリマー層の樹脂硬度を長手方向に徐々に下げたり、補強材の編組密度を徐々に下げたり、外径を徐々に細くしたりすればよい。その他の手段としては、別材質の外側ポリマーを接合させたり、硬度の異なる2種類のポリマーの2軸押出しなどが例示される。
【0026】
本発明に係る医療用管状体は、上記のいずれかに記載の方法により製造される。本発明における医療用管状体としては、特に限定されないが、好ましくはガイディングカテーテルであるが、それ以外にも、脳外科用マイクロカテーテルなどの用途に用いることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明に一実施形態に係る医療用管状体の製造方法を用いて製造されるガイディングカテーテルの概略側面図、図2(A)は図1のII−II線に沿う要部断面図、図2(B)は従来例を示す比較例に係る医療用管状体の要部断面図である。
【0028】
図1に示す医療用管状体としてのガイディングカテーテル2は、たとえば心臓血管内の狭窄部を拡張するための治療用に用いられるPTCAバルーンカテーテルを、心臓の血管近くにまで案内するためのものである。このガイディングカテーテル2は、医療用管状体としてのカテーテル本体4と、そのカテーテル本体4の基部にストレインスリーブ8を介して接続してあるハブ6と、カテーテル本体4の先端部に接続してあるソフトチップ10とを有する。
【0029】
ハブ6は、患者の体外に位置し、そこから、たとえばガイドワイヤを用いてPTCAバルーンカテーテルをカテーテル本体4のルーメン内に挿入する部分である。ソフトチップ10は、柔軟性を有する部分であり、患者の体腔内部に位置し、その先端開口から、たとえばガイドワイヤに沿ってバルーンカテーテルが押し出されるようになっている。
【0030】
カテーテル本体4は、基部4aと先端部4bとで構成される。基部4aは、長手方向に沿って柔軟性が変化しない部分であり、先端部4bは、基部4aよりも柔軟な部分であり、予め所定形状に屈曲形成してあっても良い。
【0031】
基部4aの軸方向長さL1は、たとえば300〜1000mmであり、先端部4bの長さL2は、たとえば10〜500mmであり、ソフトチップ10の長さL3は、たとえば1〜100mmである。そして、基部4aの長さL1と先端部4bの長さL2とソフトチップ10の長さL3とを足したカテーテル本体4の有効長さL0は、たとえば400〜1200mmである。カテーテル本体4の外径は、通常1〜4mmである。または、カテーテル本体4の内部に軸方向に沿って形成してあるルーメン12の内径は、たとえば0.5〜3.8mmである。
【0032】
本実施形態では、カテーテル本体4の断面構造を、図2(A)に示すように構成してある。図2(A)に示すように、カテーテル本体4の最内周面には、潤滑性樹脂層20が形成してあり、その外周に、耐熱性樹脂層22が形成してある。耐熱性樹脂層22の外周には、補強用ブレード層24が形成してあり、その補強用ブレード層24を内部に埋め込むように、埋め込み用ポリマー層26が形成してあり、その外周に、外側ポリマー層28が形成してある。
【0033】
潤滑性樹脂層20は、フッ素樹脂で構成される。本実施形態では、後述するように、潤滑性樹脂層20は、フッ素樹脂分散液の第1塗布膜を、耐熱性樹脂層22を構成する液状ポリマーから成る第2塗布膜と共に加熱されることにより形成される。
【0034】
フッ素樹脂としては、たとえばテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニルフルオライド(PVF)、非晶性フッ素樹脂などが例示される。なかでも、潤滑性および耐久性に優れたPTFEが好ましい。
【0035】
耐熱性樹脂層22としては、フッ素樹脂と相互浸入し密着するものであって、フッ素樹脂分散液が膜形成に必様な温度、即ち加熱温度での耐熱性があれば特に限定されず、たとえばポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド酸、芳香族ポリアミド、ポリウレタン(PU)、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリパラキシリレン、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルニトリル(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、有機ポリシロキサン(シリコンゴム)、6フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン共重合体(FKM)、PTC樹脂、ケトン・レジン(KT)、ポリアミノビスマレイド、ポリサルホン(PS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ジアリルフタレート樹脂などが例示される。
【0036】
例えば、潤滑性樹脂層20としてPTFEを使用する場合には、その被膜形成温度に320°C以上の高温が必要であることから、耐熱性樹脂層22としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、有機ポリシロキサンなどが好ましい。
【0037】
補強用ブレード層24は、たとえば金属線若しくは非金属線のワイヤーを螺旋状に編組した層である。金属線としては、ステンレス(SUS)、タングステン(W)、チタン(Ti)、その他金属から成る線材が例示され、非金属線としては、カーボンファイバー、ザイロン(PBO繊維)、ガラス繊維などが例示される。埋め込み用ポリマー層26としては、たとえば芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなど硬質の樹脂あるいはこれらを組み合わせたものなどが用いられる。
【0038】
外側ポリマー層28としては、特に限定されないが、機械的強度に優れたポリアミド、ポリイミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコーン、塩化ビニル等で構成されている。外側ポリマー層28を設けることで、更に機械的強度や柔軟性などを付与することができる。また、それより内層に使用する耐熱性高分子と同じまたは似た樹脂で、埋め込み用ポリマー層26の外側から被覆し、この時点で加熱することにより、更に潤滑性樹脂層20と耐熱性樹脂層22、耐熱性樹脂層22と埋め込み用ポリマー層26、あるいは埋め込み用ポリマー層26と外側ポリマー層28との密着および一体化を促進することができ、更に強度を得ることができる。
【0039】
潤滑性樹脂層20の厚みは、好ましくは0.1〜40μm、さらに好ましくは、0.5〜10μmである。また、耐熱性樹脂層22の厚みは、好ましくは、0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜5μmである。補強用ブレード層24の厚みは、好ましくは1〜200μm、さらに好ましくは10〜40μmである。埋め込み用ポリマー層26の厚みは、補強用ブレード層24の厚みを含んだ厚みであり、その厚みと略同等の厚みを持つ。また、外側ポリマー層28の厚みは、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。また埋め込みポリマー層としては、耐熱性樹脂層で用いられるポリマーが使用される。
【0040】
次に、図2(A)に示すカテーテル本体(医療用管状体)4の製造方法について詳細に説明する。
【0041】
まず、ルーメン12の内径に相当する外径を持つマンドレルを準備する。マンドレルとしては、伸線によって外径が縮径可能で、加熱温度での耐熱性があれば特に限定されないが、例えば銅線、銀メッキ銅線、などが適している。
【0042】
次に、このマンドレルの外周に、潤滑性樹脂層20となるフッ素樹脂分散液から成る第1塗布膜を形成する。第1塗布膜の形成方法としては、スプレーコート法、ディップ(浸漬)法などが上げられるが、均一に薄膜に塗布できる手段としてはディップ法が好ましい。塗布回数は、特に限定されず、第1塗布膜の厚みが所定の厚みとなるように調節される。第1塗布膜の厚みは、好ましくは0.1〜28μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。
【0043】
ここで、このフッ素樹脂分散液とは、粒径10ミクロン以下のパウダーを界面活性剤により溶剤に分散させたものである。
【0044】
次に、このフッ素樹脂分散液から成る第1塗布膜を、その上に別の膜の塗布が可能な程度に乾燥させる。乾燥温度は、たとえば50〜200°Cであり、乾燥時間は、たとえば1〜60分である。その乾燥温度は、フッ素樹脂が溶解する温度以下であることが必要である。
【0045】
その後、第1塗布膜の上に、耐熱性樹脂層22となる液状ポリマーから成る第2塗布膜を形成する。第2塗布膜の形成方法としては、第1塗布膜の形成方法と同じである。塗布回数は、特に限定されず、第2塗布膜の厚みが所定の厚みとなるように調節される。第2塗布膜の厚みは、好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜5μmである。
【0046】
その後、マンドレルの外周に形成してある第1塗布膜と第2塗布膜とを、電気炉等で所定温度で所定時間加熱する。加熱温度は、第1塗布膜の皮膜形成温度以上の温度であり、好ましくは、液状ポリマーの耐熱温度以上の温度である。具体的には、第1塗布膜を構成するフッ素樹脂がPTFEであり、液状ポリマーを構成する耐熱樹脂がポリイミドである場合には、PTFEの被膜形成温度が250〜400°Cであり、ポリイミドの耐熱温度が250〜400°Cであることから、加熱温度は、好ましくは250〜400°Cである。加熱温度が低すぎると、第1塗布膜と第2塗布膜との密着性が低下する傾向にあり、高すぎると、膜質が劣化する。加熱時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜30分である。
【0047】
このような加熱処理の結果、第1塗布膜と第2塗布膜との接触界面が密着された複合チューブ(図2(A)に示す潤滑性樹脂層20と耐熱性樹脂層22)が形成される。
【0048】
次に、この複合チューブの外周に、たとえば断面横幅0.05〜0.3mmで断面縦幅0.01〜0.05mmの断面矩形金属線材を螺旋状に巻き付け、補強用ブレード層24を形成する。その後、巻き付けられた補強用ブレード層24の外周から、埋め込み用ポリマー層26を形成するためのポリマー溶液を塗布し、加熱することにより、埋め込み用ポリマー層26の内部にブレード層24を埋め込む。ポリマー溶液としては、たとえばポリアミドイミド(PAI)溶液が用いられるが、このPAI溶液を、補強用ブレード層24の長手方向に沿って段階的にポリウレタン(PU)溶液などに換えることで、長手方向に沿って硬度(柔軟性)傾斜(変化)を付けることができる。
【0049】
この埋め込み用ポリマー層26を形成するための加熱温度は、潤滑性樹脂層20および耐熱性樹脂層22から成る複合チューブを形成するための加熱温度よりも、低くても高くても良いが、好ましくは、150〜300°Cであることが好ましい。
【0050】
次に、この埋め込み用ポリマー層26の外周に、外側ポリマー層28を形成する。外側ポリマー層28は、液状樹脂をスプレーやディップで塗布する方法でも、押出しで被覆する方法でもどちらでも良いが、均一な薄肉で強度を出す目的にはディップで塗布する方法が好ましい。外側ポリマー層28は、たとえばポリアミド樹脂で構成される。
【0051】
最後に、チューブの両端部の一部を切除し、そこからマンドレルを引き抜くことにより、図2(A)に示すカテーテル本体4が得られる。
【0052】
本実施形態では、カテーテル本体4の最内層は、潤滑性に優れたフッ素樹脂から成る潤滑性樹脂層で構成してあり、その肉厚は0.1〜28μmと極肉薄状態となっている。更に、この層20と耐熱性樹脂層22とが物理的に相互浸入して、密着状態となっている。これらの層の界面には、凹凸によるアンカー効果などが作用していると考えられる。実際、フッ素樹脂が完全に被膜形成した後に液状ポリマーを塗布してもフッ素樹脂の表面エネルギーの低さが原因して強固な密着を得ることはできない。
【0053】
また、本実施形態では、潤滑樹脂層20の外面がフッ素樹脂ではなく、耐熱樹脂層22であるため、ブレード層24および埋め込み用ポリマー層26との十分な密着力を容易に得ることができる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0056】
実施例1
マンドレル棒となる外径φ1.95mmの銅線上に、PTFE分散液を塗布し、その銅線にPI溶液を塗布および焼成することによりPTFE肉厚1μm、PI肉厚5μmの一体化した内側に潤滑性のある合計肉厚6μmの複合チューブを作製した。焼成温度は、340°Cであり、焼成時間は、5分であった。
【0057】
次に、その複合チューブ上に、0.020×0.120mmの矩形断面のステンレス平板16本からなる集合線を螺旋巻きすることによりブレード層を設けた。
【0058】
次に、そのブレード層を設けたチューブ上に、PAI溶液を3回繰り返し塗布し、その後に焼成することによりブレード層埋め込み複合チューブを作製した。ここにおいてステンレス平板から成る集合線はPAI溶液を3回繰り返し塗布して焼成することにより埋められた。
【0059】
また、このPAI溶液を段階的にPU溶液に換えることにより、硬度傾斜を付けたブレード層埋め込み複合チューブを得た。
【0060】
次に、このようにして得られたブレード層埋め込み複合チューブの上に、PA溶液を29μmの厚さになるように塗布し被覆することにより、外径φ2.10mmの内層PTFE複合カテーテルチューブを得た。
【0061】
最後に、両端部の内層PTFE複合カテーテルチューブの一部を切除し、それからマンドレル棒の銅線を引き抜くことにより、実施例1の内層PTFE複合カテーテルチューブを得た。
【0062】
実施例2
マンドレル棒となる外径φ0.54mmの銅線上に、PTFE分散液を塗布し、その銅線にPI溶液を塗布および焼成することによりPTFE肉厚1μm、PI肉厚5μmの一体化した内側に潤滑性のある合計肉厚6μmの複合チューブを作製した。焼成温度と焼成時間は、実施例1と同様であった。
【0063】
次に、その複合チューブ上に、0.010×0.100mmの断面矩形のステンレス平板1本からなる線を螺旋巻きすることによりコイル補強層を設けた。
【0064】
次に、そのコイル層を設けたチューブ上に、PAI溶液を塗布および焼成することによりコイル層埋め込み複合チューブを作製した。ここにおいてステンレス平板から成るコイル層はPAI溶液を塗布して焼成することにより埋められた。
【0065】
次に、このようにして得られたコイル層埋め込み複合チューブの上に、PU溶液を40μmの厚さになるように塗布して被覆することにより、外径φ0.65mmの内層PTFE複合マイクロカテーテルチューブを作製した。
【0066】
最後に、両端部の内層PTFE複合マイクロカテーテルチューブを切除し、それからマンドレル棒の銅線を引き抜くことにより、実施例2の内層PTFE複合マイクロカテーテルチューブを得た。
【0067】
実施例3
マンドレル棒となる外径φ1.95mmの銅線上に、PTFE分散液を塗布し、その銅線にPI溶液を塗布および焼成することによりPTFE肉厚1μm、PI肉厚5μmの一体化した内側に潤滑性のある肉厚6μmの複合チューブを作製した。焼成温度と焼成時間は、実施例1と同様であった。
【0068】
次に、両端部の内層PTFE複合チューブを切除し、それからマンドレル棒の銅線を引き抜くことにより、実施例3の内層PTFE複合チューブを得た。
【0069】
比較例1
マンドレル棒となる外径φ1.80mmの銀メッキ銅線上に、PTFEを繰り返し塗布し、焼き付け、焼結することにより、図2(B)に示すように、PTFE肉厚が40μmのPTFEチューブ30を作製した。焼き付け温度は、340°Cであった。
【0070】
次に、そのチューブ30上に0.020×0.120mmの断面矩形のステンレス平板16本からなる集合線を螺旋巻きすることによりブレード層32を設けた。
【0071】
次に、このようにして得られたブレード層付きPTFEチューブの上に、押し出し機によりポリアミド(PA)層34を110μm厚さとなるように押し出し被覆することにより、外径φ2.10mmの内層PTFE複合カテーテルチューブを得た。
【0072】
最後に、両端部の内層PTFE複合カテーテルチューブを切除し、それからマンドレル棒の銀メッキ銅線を引き抜くことにより、比較例1の内層PTFE複合カテーテルチューブを得た。
【0073】
比較例2
マンドレル棒となる外径φ0.54mmの銀メッキ銅線上にPTFEを繰り返し塗布し、焼き付け、焼結することにより、PTFE肉厚が40μmのPTFEチューブを作製した。焼き付け温度は比較例1と同じである。
次に、そのPTFEチューブをテトラエッチ処理した。
【0074】
次に、そのチューブ上に0.010×0.100mmの矩形断面のステンレス平板1本からなる線を螺旋巻きすることによりコイル層を設けた。
【0075】
次に、このようにして得られたブレード層付きPTFEチューブの上に、押し出し機によりPAを65μm厚さとなるように押し出し被覆することにより、外径φ0.77mmの内層PTFE複合カテーテルチューブを得た。
【0076】
最後に、両端部の内層PTFE複合マイクロカテーテルチューブを切除し、それからマンドレル棒の銀メッキ銅線を引き抜くことにより、比較例2の内層PTFE複合マイクロカテーテルチューブを得た。
【0077】
比較例3
マンドレル棒となる外径φ1.80mmの銀メッキ銅線上に、PTFEを繰り返し塗布し、焼き付け、焼結することにより、PTFE肉厚が40μmのPTFEチューブを作製した。焼き付け温度は比較例1と同じである。
【0078】
次に、両端部のPTFEチューブを切除し、それからマンドレル棒の銀メッキ銅線を引き抜くことにより、比較例3のPTFEチューブを得た。
【0079】
特性試験方法および評価
次に、このようにして得られた実施例1〜3および比較例1〜3のチューブについて特性試験を行った。
まず、チューブのルーメンにおける潤滑性を調べた。潤滑性を評価するために、チューブのルーメンに、ルーメンの内径より1mm小さいポリアミド製の円形断面のロッドを通し、その挿通に要する抵抗を調べた。比較例3のPTFEチューブ内腔の潤滑性と変わらないものを○、より抵抗のあるものを×とした。結果を表1に示す。
【0080】
次に、極薄肉のPTFE複合カテーテルチューブ(片肉100μm以下)が出来るものを○、出来ないものを×で示した。結果を表1に示す。
【0081】
次に、実施例および比較例に係るチューブについて、フォースゲージにより、押し速度40mm/分でチューブを0.5mm押しつぶしたときにかかる荷重を測定した。結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
表1からわかるように、実施例1〜3および比較例1〜3のチューブは、いずれも内層がPTFEなので潤滑性は良好である。
また、比較例2ではエッチング処理を行っているので、比較例1の場合よりも薄肉成形ができるが、これらの比較例では、共に、これ以上押出で薄肉成形すると、偏肉を起こしてしまい、場所によってチューブの特性(圧壊強度など)にばらつきが出てしまう。
【0084】
これらに対して、実施例1および2の内層PTFE複合カテーテルチューブはいずれも極薄肉成形ができ、且つ圧壊強度が強い。実施例1は、外径2.10mm、内径1.95mm、片肉75μmと極薄のものであるが、従来技術である比較例1の外径2.10mm、内径1.80、片肉150μmのものより、圧壊強度が強いものが作製できることが確認できた。
【0085】
また、比較例2において扱いにくいテトラエッチ処理を行ったものは圧壊強度が行わないものより強いが、実施例2はテトラエッチ処理なしで、比較例2より圧壊強度が強いことが確認できた。
【0086】
さらに、比較例3のPTFEチューブは、これ以上の薄肉成形(40μm)はできなかったのに対して、実施例3では、6μmはもちろん、6μm以下の薄肉成形も可能であった。
【0087】
比較例3に係るPTFEチューブは弱く脆いが、実施例における内層PTFE複合チューブはPTFEと接しているポリマーの性質を持ち、堅く強いチューブが出来ることが確認できた。
【0088】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、製造するときには押し出し成形で製造するよりも極薄肉の強いPTFEチューブが容易に且つ安全に成形でき、そして製造により得られたものは内径が広く且つ潤滑性に優れ、しかも外径が細く、更に操作性が優れたものであり、工業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に一実施形態に係る医療用管状体の製造方法を用いて製造されるガイディングカテーテルの概略側面図である。
【図2】図2(A)は図1のII−II線に沿う要部断面図、図2(B)は従来例を示す比較例に係る医療用管状体の腰部断面図である。
【符号の説明】
2… ガイディングカテーテル
4… カテーテル本体
12… ルーメン
20… 潤滑性樹脂層
22… 耐熱性樹脂層
24… 補強用ブレード層
26… 埋め込み用ポリマー層
28… 外側ポリマー層
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用管状体および医療用管状体の製造法に係り、さらに詳しくは、内層の潤滑性に優れたフッ素樹脂層を持ち、且つ肉薄で、しかも強度などの機械的物性に優れた医療用管状体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用管状体は、血管等に挿入して使用される医療用具であり、例えば血管造影用カテーテルまたは経皮的冠動脈形成術(PTCA)用ガイディングカテーテル、脳外科用マイクロカテーテル等がある。
【0003】
例えば経皮的冠動脈形成術では、体外から冠動脈口まで医療用管状体を挿入させ、管に造影剤を注入して冠動脈血管造影を行ったり、ガイドワイヤーやバルーンカテーテルなどの医療用具を医療用管状体の内腔を通して患部に運び治療を行う。
【0004】
このような医療用管状体は、細い生体管路を通して体内の目的部位まで挿入する操作を行うため、なるべく外径が小さく、操作中に内腔が潰れない為の強度と、押し込みや回転といった挿入に際しての強度とトルク性が必要とされる。また、その内腔を薬剤や細径の医療用具が行き来するため、その内径はできるだけ広いことが要求される。このため、医療用管状体は、必然的に肉薄である必要がある。また内面を行き来する医療用具との摩擦を考慮し内層の潤滑性が良いことも要求される。
【0005】
これらの目的で使用される医療用管状体は、管状体部と、この管状体部の手元側に操作および接合目的に形成された部分とから構成されている。この医療用管状体の内層には、潤滑性に優れた樹脂が用いられ、更に補強目的でその内層チューブの外周に金属線若しくは非金属線のワイヤーを螺旋状に編組した層が設けられ、更にその補強層の外層には、電線被覆の要領で編組管状体を合成樹脂と一緒に押出成形した層が形成されている。
【0006】
従来、潤滑性が要求される内層樹脂にはフッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、PTFEと略する)が用いられ、螺旋状編組にはステンレス線の編組、外層には機械的強度に優れたポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンエラストマー等が用いられている。
【0007】
上記の目的の為にはできるだけ薄肉であることが望ましいが、薄肉にするとカテーテル強度が必然的に弱くなる。そこでカテーテル(医療用管状体)の強度にあまり寄与しないPTFE層の薄肉化が計られているが、従来のPTFEパウダーを押し出し成形する方法では、その成型の困難性から、いまだ薄い物でも30〜40μmの膜厚みがある。また、カテーテル強度を上げるためPTFE層と編組および樹脂の密着性能が必要であるが、PTFEは表面エネルギーが小さくそのままでは密着性能が出ないため、あらかじめ表面をアルカリ金属溶液によって表面処理することで、PTFEのフッ素原子を引き抜いてPTFE表面の表面エネルギーを大きくする必要がある。しかし、この方法は危険性が高く、取扱いが難しいアルカリ金属溶液を使用し、その効果の維持するための保管に注意が必要など問題がある。
【0008】
なお、フッ素樹脂分散液を単独でマンドレルの外周面に塗布および加熱して、医療用フッ素樹脂チューブを製造し、その外周に別の補強層または樹脂層を形成する方法は、たとえば特開2000−316977号公報および特開2002−45428号公報に示すように知られている。
【0009】
しかしながら、従来の方法では、フッ素樹脂分散液を単独でマンドレルの外周面に塗布および加熱して、フッ素樹脂チューブを形成した後に、そのフッ素樹脂チューブの外周に他の樹脂層または補強層を形成する方法であったため、やはり、フッ素樹脂チューブとの密着性に難点を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決することを目的とする。すなわち、本発明の目的は、従来の医療用管状体と同じ外径寸法と力学的強度および内腔の潤滑性を有しながら、更に広い内径をもつ医療用管状体およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る医療用管状体は、
マンドレルの外周に、潤滑性樹脂層となるフッ素樹脂分散液から成る第1塗布膜を形成する第1塗布膜形成工程と、
前記第1塗布膜の外周に、耐熱性樹脂となる液状ポリマーから成る第2塗布膜を形成する第2塗布膜形成工程と、
前記第1塗布膜および第2塗布膜を、前記第1塗布膜の皮膜形成温度以上の温度で加熱し、前記第1塗布膜と前記第2塗布膜との接触界面が密着された複合チューブを形成する加熱工程と、
前記マンドレルを引き抜くマンドレル除去工程と、を有する。
【0012】
本発明において、第1塗布膜および第2塗布膜の形成方法としては、塗布法であれば特に限定されず、スプレーコート法、ディップ(浸漬)法などが上げられるが、均一に薄膜に塗布できる手段としてはディップ法が好ましい。
【0013】
本発明の方法は、従来用いられていたPTFEパウダーを押出し被覆する方法とは異なり、フッ素樹脂(好ましくはPTFE)分散液を用いて第1塗布膜を形成し、その上に耐熱性液状高分子を更に塗布して第2塗布膜を形成して、これらを加熱して一体化したものである。例えば1μm程度のPTFE層と3μm程度の耐熱性高分子を一体化して、最内層にフッ素樹脂による潤滑性を持ち、且つ強度的にも優れ、加工性の良い極端に薄い潤滑層を持つ医療用管状体を作製することができる。
【0014】
接着が困難なフッ素樹脂から成る第1塗布膜と、耐熱性樹脂から成る第2塗布膜との接触界面が良好に密着する理由は、必ずしも明らかではないが、これらの塗布膜を一体的に加熱処理することで、界面に微小な凹凸が形成され、アンカー効果により密着するものと考えられる。
【0015】
また、本発明では、潤滑層の外面がフッ素樹脂ではないため、編組および外層との密着性を改良するために必要であった、フッ素樹脂のための表面処理は必要とせず、外層との十分な密着力を容易に得ることができる。
【0016】
好ましくは、前記第1塗布膜の厚みが、0.1〜28μm、さらに好ましくは、0.5〜10μmである。第1塗布膜の厚みが小さすぎると、潤滑性樹脂層としての機能が低下する傾向にあり、厚みが大きすぎると、第1塗布膜を浸漬法により形成する際に浸漬回数が多くなって製造上問題があると共に、肉厚になるために内径を大きくすることが困難になる傾向にある。
【0017】
また、第2塗布膜の厚みは、好ましくは、0.5〜50μm、さらに好ましくは、1〜5μmである。第2塗布膜の厚みが小さすぎると、第1塗布膜に対する密着力が低下する傾向にあり、厚みが大きすぎると、第2塗布膜を浸漬法により形成することが困難になると共に、内径を大きくすることが困難になる傾向にある。
【0018】
好ましくは、前記第2塗布膜が、前記第1塗布膜の皮膜形成温度よりも高い耐熱性を有し、前記第2塗布膜の耐熱温度以上の温度で加熱する。この加熱処理により、一般に接合が困難であると言われているフッ素樹脂層を耐熱性樹脂に対して良好に接合することが可能になる。なお、第2塗布膜として、耐熱性樹脂を選択したのは、この加熱処理により、第2塗布膜の劣化を防止するためである。
【0019】
第1塗布膜を構成するフッ素樹脂分散液としては、特に限定されないが、好ましくは、PTFE分散液などのフッ素樹脂分散液が好ましい。これらのフッ素樹脂分散液は、平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1〜0.5μmのフッ素樹脂粒子を、分散媒中に分散させたものである。分散媒としては、水であっても有機溶剤であっても良く、界面活性剤、粘度調整剤などを含んでも良い。分散媒100重量部に対するフッ素樹脂の重量比は、好ましくは、5〜60重量部、さらに好ましくは30〜50重量部である。
【0020】
第2塗布膜を構成する耐熱性樹脂となる液状ポリマーとしては、特に限定されないが、好ましくはポリイミド、ポリアミドイミドなどの液状ポリマーが好ましい。たとえば第1塗布膜として、PTFE分散液を用いる場合には、被膜形成温度として320℃以上の高温が必要となることから、第2塗布膜としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、有機ポリシロキサンなどの液状ポリマーが好ましい。また、このようなポリマーを選択することで、加熱処理による第1塗布膜との接合が良好になる。
【0021】
好ましくは、前記加熱工程の後で、前記マンドレル除去工程前に、前記複合チューブの外周に、補強材を組み込む補強工程と、前記補強材の外周を、外側ポリマー層で被覆する工程と、をさらに有する。金属線若しくは非金属線のワイヤーを螺旋状に編組するなどの方法による補強材は、医療用管状体の回転トルク伝達性、耐圧性、弾性、耐キンク性を付与する層として設けられることがある。特に、本発明の医療用管状体をガイディングカテーテルなどとして用いる場合には、補強材で補強することが好ましく、それにより、従来より肉薄で且つ強度の優れた医療用管状体を作製できる。なお、補強材は、埋め込み用ポリマー層で埋め込まれることが好ましい。埋め込み用ポリマー層としては、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの樹脂が例示される。
【0022】
また、更に機械的強度や柔軟性などを付与する目的で、埋め込み用ポリマー層の外層側に、外側ポリマー層を形成しても良い。それより内層に使用する耐熱性高分子と同じまたは似た樹脂で、補強部材の外側から被覆し、この時点で加熱することにより、更に潤滑性樹脂層と耐熱性樹脂層、耐熱性樹脂層と補強材層、あるいは補強材層と外側ポリマー層との密着および一体化を促進することができ、更に強度を得ることができる。
【0023】
この外側ポリマー層は、液状樹脂をスプレーやディップ(浸漬)で塗布する方法でも、押出しで被覆する方法でもどちらでも良いが、均一な薄肉で強度を出す目的にはディップで塗布する方法が好ましい。
【0024】
本発明において、補強材としては、特に限定されないが、ステンレス(SUS)、タングステン(W)、チタン(Ti)、その他の金属の線材(帯状、繊維状含む)、カーボンファイバー、ザイロン(PBO繊維)、ガラス繊維などの無機または有機繊維、あるいはこれらの組合せなどが例示される。
【0025】
好ましくは、前記外側ポリマー層は、長手方向に沿って途中から先端に向けてステップ状または徐々に柔軟性が向上する構造(材質含む)である。医療用管状体においては、先端側では、柔軟であることが要求され、同時に、基端側では、押し込み力や回転トルクなどを伝達できる程度に強度が要求されるため、上記のような構造が好ましい。医療用管状体の柔軟性を長手方向に沿って向上させるには、たとえば外側ポリマー層の樹脂硬度を長手方向に徐々に下げたり、補強材の編組密度を徐々に下げたり、外径を徐々に細くしたりすればよい。その他の手段としては、別材質の外側ポリマーを接合させたり、硬度の異なる2種類のポリマーの2軸押出しなどが例示される。
【0026】
本発明に係る医療用管状体は、上記のいずれかに記載の方法により製造される。本発明における医療用管状体としては、特に限定されないが、好ましくはガイディングカテーテルであるが、それ以外にも、脳外科用マイクロカテーテルなどの用途に用いることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明に一実施形態に係る医療用管状体の製造方法を用いて製造されるガイディングカテーテルの概略側面図、図2(A)は図1のII−II線に沿う要部断面図、図2(B)は従来例を示す比較例に係る医療用管状体の要部断面図である。
【0028】
図1に示す医療用管状体としてのガイディングカテーテル2は、たとえば心臓血管内の狭窄部を拡張するための治療用に用いられるPTCAバルーンカテーテルを、心臓の血管近くにまで案内するためのものである。このガイディングカテーテル2は、医療用管状体としてのカテーテル本体4と、そのカテーテル本体4の基部にストレインスリーブ8を介して接続してあるハブ6と、カテーテル本体4の先端部に接続してあるソフトチップ10とを有する。
【0029】
ハブ6は、患者の体外に位置し、そこから、たとえばガイドワイヤを用いてPTCAバルーンカテーテルをカテーテル本体4のルーメン内に挿入する部分である。ソフトチップ10は、柔軟性を有する部分であり、患者の体腔内部に位置し、その先端開口から、たとえばガイドワイヤに沿ってバルーンカテーテルが押し出されるようになっている。
【0030】
カテーテル本体4は、基部4aと先端部4bとで構成される。基部4aは、長手方向に沿って柔軟性が変化しない部分であり、先端部4bは、基部4aよりも柔軟な部分であり、予め所定形状に屈曲形成してあっても良い。
【0031】
基部4aの軸方向長さL1は、たとえば300〜1000mmであり、先端部4bの長さL2は、たとえば10〜500mmであり、ソフトチップ10の長さL3は、たとえば1〜100mmである。そして、基部4aの長さL1と先端部4bの長さL2とソフトチップ10の長さL3とを足したカテーテル本体4の有効長さL0は、たとえば400〜1200mmである。カテーテル本体4の外径は、通常1〜4mmである。または、カテーテル本体4の内部に軸方向に沿って形成してあるルーメン12の内径は、たとえば0.5〜3.8mmである。
【0032】
本実施形態では、カテーテル本体4の断面構造を、図2(A)に示すように構成してある。図2(A)に示すように、カテーテル本体4の最内周面には、潤滑性樹脂層20が形成してあり、その外周に、耐熱性樹脂層22が形成してある。耐熱性樹脂層22の外周には、補強用ブレード層24が形成してあり、その補強用ブレード層24を内部に埋め込むように、埋め込み用ポリマー層26が形成してあり、その外周に、外側ポリマー層28が形成してある。
【0033】
潤滑性樹脂層20は、フッ素樹脂で構成される。本実施形態では、後述するように、潤滑性樹脂層20は、フッ素樹脂分散液の第1塗布膜を、耐熱性樹脂層22を構成する液状ポリマーから成る第2塗布膜と共に加熱されることにより形成される。
【0034】
フッ素樹脂としては、たとえばテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニルフルオライド(PVF)、非晶性フッ素樹脂などが例示される。なかでも、潤滑性および耐久性に優れたPTFEが好ましい。
【0035】
耐熱性樹脂層22としては、フッ素樹脂と相互浸入し密着するものであって、フッ素樹脂分散液が膜形成に必様な温度、即ち加熱温度での耐熱性があれば特に限定されず、たとえばポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド酸、芳香族ポリアミド、ポリウレタン(PU)、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリパラキシリレン、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルニトリル(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、有機ポリシロキサン(シリコンゴム)、6フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン共重合体(FKM)、PTC樹脂、ケトン・レジン(KT)、ポリアミノビスマレイド、ポリサルホン(PS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ジアリルフタレート樹脂などが例示される。
【0036】
例えば、潤滑性樹脂層20としてPTFEを使用する場合には、その被膜形成温度に320°C以上の高温が必要であることから、耐熱性樹脂層22としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、有機ポリシロキサンなどが好ましい。
【0037】
補強用ブレード層24は、たとえば金属線若しくは非金属線のワイヤーを螺旋状に編組した層である。金属線としては、ステンレス(SUS)、タングステン(W)、チタン(Ti)、その他金属から成る線材が例示され、非金属線としては、カーボンファイバー、ザイロン(PBO繊維)、ガラス繊維などが例示される。埋め込み用ポリマー層26としては、たとえば芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなど硬質の樹脂あるいはこれらを組み合わせたものなどが用いられる。
【0038】
外側ポリマー層28としては、特に限定されないが、機械的強度に優れたポリアミド、ポリイミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコーン、塩化ビニル等で構成されている。外側ポリマー層28を設けることで、更に機械的強度や柔軟性などを付与することができる。また、それより内層に使用する耐熱性高分子と同じまたは似た樹脂で、埋め込み用ポリマー層26の外側から被覆し、この時点で加熱することにより、更に潤滑性樹脂層20と耐熱性樹脂層22、耐熱性樹脂層22と埋め込み用ポリマー層26、あるいは埋め込み用ポリマー層26と外側ポリマー層28との密着および一体化を促進することができ、更に強度を得ることができる。
【0039】
潤滑性樹脂層20の厚みは、好ましくは0.1〜40μm、さらに好ましくは、0.5〜10μmである。また、耐熱性樹脂層22の厚みは、好ましくは、0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜5μmである。補強用ブレード層24の厚みは、好ましくは1〜200μm、さらに好ましくは10〜40μmである。埋め込み用ポリマー層26の厚みは、補強用ブレード層24の厚みを含んだ厚みであり、その厚みと略同等の厚みを持つ。また、外側ポリマー層28の厚みは、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。また埋め込みポリマー層としては、耐熱性樹脂層で用いられるポリマーが使用される。
【0040】
次に、図2(A)に示すカテーテル本体(医療用管状体)4の製造方法について詳細に説明する。
【0041】
まず、ルーメン12の内径に相当する外径を持つマンドレルを準備する。マンドレルとしては、伸線によって外径が縮径可能で、加熱温度での耐熱性があれば特に限定されないが、例えば銅線、銀メッキ銅線、などが適している。
【0042】
次に、このマンドレルの外周に、潤滑性樹脂層20となるフッ素樹脂分散液から成る第1塗布膜を形成する。第1塗布膜の形成方法としては、スプレーコート法、ディップ(浸漬)法などが上げられるが、均一に薄膜に塗布できる手段としてはディップ法が好ましい。塗布回数は、特に限定されず、第1塗布膜の厚みが所定の厚みとなるように調節される。第1塗布膜の厚みは、好ましくは0.1〜28μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。
【0043】
ここで、このフッ素樹脂分散液とは、粒径10ミクロン以下のパウダーを界面活性剤により溶剤に分散させたものである。
【0044】
次に、このフッ素樹脂分散液から成る第1塗布膜を、その上に別の膜の塗布が可能な程度に乾燥させる。乾燥温度は、たとえば50〜200°Cであり、乾燥時間は、たとえば1〜60分である。その乾燥温度は、フッ素樹脂が溶解する温度以下であることが必要である。
【0045】
その後、第1塗布膜の上に、耐熱性樹脂層22となる液状ポリマーから成る第2塗布膜を形成する。第2塗布膜の形成方法としては、第1塗布膜の形成方法と同じである。塗布回数は、特に限定されず、第2塗布膜の厚みが所定の厚みとなるように調節される。第2塗布膜の厚みは、好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜5μmである。
【0046】
その後、マンドレルの外周に形成してある第1塗布膜と第2塗布膜とを、電気炉等で所定温度で所定時間加熱する。加熱温度は、第1塗布膜の皮膜形成温度以上の温度であり、好ましくは、液状ポリマーの耐熱温度以上の温度である。具体的には、第1塗布膜を構成するフッ素樹脂がPTFEであり、液状ポリマーを構成する耐熱樹脂がポリイミドである場合には、PTFEの被膜形成温度が250〜400°Cであり、ポリイミドの耐熱温度が250〜400°Cであることから、加熱温度は、好ましくは250〜400°Cである。加熱温度が低すぎると、第1塗布膜と第2塗布膜との密着性が低下する傾向にあり、高すぎると、膜質が劣化する。加熱時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜30分である。
【0047】
このような加熱処理の結果、第1塗布膜と第2塗布膜との接触界面が密着された複合チューブ(図2(A)に示す潤滑性樹脂層20と耐熱性樹脂層22)が形成される。
【0048】
次に、この複合チューブの外周に、たとえば断面横幅0.05〜0.3mmで断面縦幅0.01〜0.05mmの断面矩形金属線材を螺旋状に巻き付け、補強用ブレード層24を形成する。その後、巻き付けられた補強用ブレード層24の外周から、埋め込み用ポリマー層26を形成するためのポリマー溶液を塗布し、加熱することにより、埋め込み用ポリマー層26の内部にブレード層24を埋め込む。ポリマー溶液としては、たとえばポリアミドイミド(PAI)溶液が用いられるが、このPAI溶液を、補強用ブレード層24の長手方向に沿って段階的にポリウレタン(PU)溶液などに換えることで、長手方向に沿って硬度(柔軟性)傾斜(変化)を付けることができる。
【0049】
この埋め込み用ポリマー層26を形成するための加熱温度は、潤滑性樹脂層20および耐熱性樹脂層22から成る複合チューブを形成するための加熱温度よりも、低くても高くても良いが、好ましくは、150〜300°Cであることが好ましい。
【0050】
次に、この埋め込み用ポリマー層26の外周に、外側ポリマー層28を形成する。外側ポリマー層28は、液状樹脂をスプレーやディップで塗布する方法でも、押出しで被覆する方法でもどちらでも良いが、均一な薄肉で強度を出す目的にはディップで塗布する方法が好ましい。外側ポリマー層28は、たとえばポリアミド樹脂で構成される。
【0051】
最後に、チューブの両端部の一部を切除し、そこからマンドレルを引き抜くことにより、図2(A)に示すカテーテル本体4が得られる。
【0052】
本実施形態では、カテーテル本体4の最内層は、潤滑性に優れたフッ素樹脂から成る潤滑性樹脂層で構成してあり、その肉厚は0.1〜28μmと極肉薄状態となっている。更に、この層20と耐熱性樹脂層22とが物理的に相互浸入して、密着状態となっている。これらの層の界面には、凹凸によるアンカー効果などが作用していると考えられる。実際、フッ素樹脂が完全に被膜形成した後に液状ポリマーを塗布してもフッ素樹脂の表面エネルギーの低さが原因して強固な密着を得ることはできない。
【0053】
また、本実施形態では、潤滑樹脂層20の外面がフッ素樹脂ではなく、耐熱樹脂層22であるため、ブレード層24および埋め込み用ポリマー層26との十分な密着力を容易に得ることができる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0056】
実施例1
マンドレル棒となる外径φ1.95mmの銅線上に、PTFE分散液を塗布し、その銅線にPI溶液を塗布および焼成することによりPTFE肉厚1μm、PI肉厚5μmの一体化した内側に潤滑性のある合計肉厚6μmの複合チューブを作製した。焼成温度は、340°Cであり、焼成時間は、5分であった。
【0057】
次に、その複合チューブ上に、0.020×0.120mmの矩形断面のステンレス平板16本からなる集合線を螺旋巻きすることによりブレード層を設けた。
【0058】
次に、そのブレード層を設けたチューブ上に、PAI溶液を3回繰り返し塗布し、その後に焼成することによりブレード層埋め込み複合チューブを作製した。ここにおいてステンレス平板から成る集合線はPAI溶液を3回繰り返し塗布して焼成することにより埋められた。
【0059】
また、このPAI溶液を段階的にPU溶液に換えることにより、硬度傾斜を付けたブレード層埋め込み複合チューブを得た。
【0060】
次に、このようにして得られたブレード層埋め込み複合チューブの上に、PA溶液を29μmの厚さになるように塗布し被覆することにより、外径φ2.10mmの内層PTFE複合カテーテルチューブを得た。
【0061】
最後に、両端部の内層PTFE複合カテーテルチューブの一部を切除し、それからマンドレル棒の銅線を引き抜くことにより、実施例1の内層PTFE複合カテーテルチューブを得た。
【0062】
実施例2
マンドレル棒となる外径φ0.54mmの銅線上に、PTFE分散液を塗布し、その銅線にPI溶液を塗布および焼成することによりPTFE肉厚1μm、PI肉厚5μmの一体化した内側に潤滑性のある合計肉厚6μmの複合チューブを作製した。焼成温度と焼成時間は、実施例1と同様であった。
【0063】
次に、その複合チューブ上に、0.010×0.100mmの断面矩形のステンレス平板1本からなる線を螺旋巻きすることによりコイル補強層を設けた。
【0064】
次に、そのコイル層を設けたチューブ上に、PAI溶液を塗布および焼成することによりコイル層埋め込み複合チューブを作製した。ここにおいてステンレス平板から成るコイル層はPAI溶液を塗布して焼成することにより埋められた。
【0065】
次に、このようにして得られたコイル層埋め込み複合チューブの上に、PU溶液を40μmの厚さになるように塗布して被覆することにより、外径φ0.65mmの内層PTFE複合マイクロカテーテルチューブを作製した。
【0066】
最後に、両端部の内層PTFE複合マイクロカテーテルチューブを切除し、それからマンドレル棒の銅線を引き抜くことにより、実施例2の内層PTFE複合マイクロカテーテルチューブを得た。
【0067】
実施例3
マンドレル棒となる外径φ1.95mmの銅線上に、PTFE分散液を塗布し、その銅線にPI溶液を塗布および焼成することによりPTFE肉厚1μm、PI肉厚5μmの一体化した内側に潤滑性のある肉厚6μmの複合チューブを作製した。焼成温度と焼成時間は、実施例1と同様であった。
【0068】
次に、両端部の内層PTFE複合チューブを切除し、それからマンドレル棒の銅線を引き抜くことにより、実施例3の内層PTFE複合チューブを得た。
【0069】
比較例1
マンドレル棒となる外径φ1.80mmの銀メッキ銅線上に、PTFEを繰り返し塗布し、焼き付け、焼結することにより、図2(B)に示すように、PTFE肉厚が40μmのPTFEチューブ30を作製した。焼き付け温度は、340°Cであった。
【0070】
次に、そのチューブ30上に0.020×0.120mmの断面矩形のステンレス平板16本からなる集合線を螺旋巻きすることによりブレード層32を設けた。
【0071】
次に、このようにして得られたブレード層付きPTFEチューブの上に、押し出し機によりポリアミド(PA)層34を110μm厚さとなるように押し出し被覆することにより、外径φ2.10mmの内層PTFE複合カテーテルチューブを得た。
【0072】
最後に、両端部の内層PTFE複合カテーテルチューブを切除し、それからマンドレル棒の銀メッキ銅線を引き抜くことにより、比較例1の内層PTFE複合カテーテルチューブを得た。
【0073】
比較例2
マンドレル棒となる外径φ0.54mmの銀メッキ銅線上にPTFEを繰り返し塗布し、焼き付け、焼結することにより、PTFE肉厚が40μmのPTFEチューブを作製した。焼き付け温度は比較例1と同じである。
次に、そのPTFEチューブをテトラエッチ処理した。
【0074】
次に、そのチューブ上に0.010×0.100mmの矩形断面のステンレス平板1本からなる線を螺旋巻きすることによりコイル層を設けた。
【0075】
次に、このようにして得られたブレード層付きPTFEチューブの上に、押し出し機によりPAを65μm厚さとなるように押し出し被覆することにより、外径φ0.77mmの内層PTFE複合カテーテルチューブを得た。
【0076】
最後に、両端部の内層PTFE複合マイクロカテーテルチューブを切除し、それからマンドレル棒の銀メッキ銅線を引き抜くことにより、比較例2の内層PTFE複合マイクロカテーテルチューブを得た。
【0077】
比較例3
マンドレル棒となる外径φ1.80mmの銀メッキ銅線上に、PTFEを繰り返し塗布し、焼き付け、焼結することにより、PTFE肉厚が40μmのPTFEチューブを作製した。焼き付け温度は比較例1と同じである。
【0078】
次に、両端部のPTFEチューブを切除し、それからマンドレル棒の銀メッキ銅線を引き抜くことにより、比較例3のPTFEチューブを得た。
【0079】
特性試験方法および評価
次に、このようにして得られた実施例1〜3および比較例1〜3のチューブについて特性試験を行った。
まず、チューブのルーメンにおける潤滑性を調べた。潤滑性を評価するために、チューブのルーメンに、ルーメンの内径より1mm小さいポリアミド製の円形断面のロッドを通し、その挿通に要する抵抗を調べた。比較例3のPTFEチューブ内腔の潤滑性と変わらないものを○、より抵抗のあるものを×とした。結果を表1に示す。
【0080】
次に、極薄肉のPTFE複合カテーテルチューブ(片肉100μm以下)が出来るものを○、出来ないものを×で示した。結果を表1に示す。
【0081】
次に、実施例および比較例に係るチューブについて、フォースゲージにより、押し速度40mm/分でチューブを0.5mm押しつぶしたときにかかる荷重を測定した。結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
表1からわかるように、実施例1〜3および比較例1〜3のチューブは、いずれも内層がPTFEなので潤滑性は良好である。
また、比較例2ではエッチング処理を行っているので、比較例1の場合よりも薄肉成形ができるが、これらの比較例では、共に、これ以上押出で薄肉成形すると、偏肉を起こしてしまい、場所によってチューブの特性(圧壊強度など)にばらつきが出てしまう。
【0084】
これらに対して、実施例1および2の内層PTFE複合カテーテルチューブはいずれも極薄肉成形ができ、且つ圧壊強度が強い。実施例1は、外径2.10mm、内径1.95mm、片肉75μmと極薄のものであるが、従来技術である比較例1の外径2.10mm、内径1.80、片肉150μmのものより、圧壊強度が強いものが作製できることが確認できた。
【0085】
また、比較例2において扱いにくいテトラエッチ処理を行ったものは圧壊強度が行わないものより強いが、実施例2はテトラエッチ処理なしで、比較例2より圧壊強度が強いことが確認できた。
【0086】
さらに、比較例3のPTFEチューブは、これ以上の薄肉成形(40μm)はできなかったのに対して、実施例3では、6μmはもちろん、6μm以下の薄肉成形も可能であった。
【0087】
比較例3に係るPTFEチューブは弱く脆いが、実施例における内層PTFE複合チューブはPTFEと接しているポリマーの性質を持ち、堅く強いチューブが出来ることが確認できた。
【0088】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、製造するときには押し出し成形で製造するよりも極薄肉の強いPTFEチューブが容易に且つ安全に成形でき、そして製造により得られたものは内径が広く且つ潤滑性に優れ、しかも外径が細く、更に操作性が優れたものであり、工業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に一実施形態に係る医療用管状体の製造方法を用いて製造されるガイディングカテーテルの概略側面図である。
【図2】図2(A)は図1のII−II線に沿う要部断面図、図2(B)は従来例を示す比較例に係る医療用管状体の腰部断面図である。
【符号の説明】
2… ガイディングカテーテル
4… カテーテル本体
12… ルーメン
20… 潤滑性樹脂層
22… 耐熱性樹脂層
24… 補強用ブレード層
26… 埋め込み用ポリマー層
28… 外側ポリマー層
Claims (5)
- マンドレルの外周に、潤滑性樹脂層となるフッ素樹脂分散液から成る第1塗布膜を形成する第1塗布膜形成工程と、
前記第1塗布膜の外周に、耐熱性樹脂となる液状ポリマーから成る第2塗布膜を形成する第2塗布膜形成工程と、
前記第1塗布膜および第2塗布膜を、前記第1塗布膜の皮膜形成温度以上の温度で加熱し、前記第1塗布膜と前記第2塗布膜との接触界面が密着された複合チューブを形成する加熱工程と、
前記マンドレルを引き抜くマンドレル除去工程と、を有する医療用管状体の製造方法。 - 前記第2塗布膜が、前記第1塗布膜の皮膜形成温度よりも高い耐熱性を有し、前記第2塗布膜の耐熱温度以上の温度で加熱する請求項1または2に記載の医療用管状体の製造方法。
- 前記加熱工程の後で、前記マンドレル除去工程前に、前記複合チューブの外周に、補強材を組み込む補強工程と、前記補強材の外周を、外側ポリマー層で被覆する工程と、をさらに有する請求項1〜2のいずれかに記載の医療用管状体の製造方法。
- 前記外側ポリマー層は、長手方向に沿って途中から先端に向けてステップ状または徐々に柔軟性が向上する構造である請求項3に記載の医療用管状体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造される医療用管状体。
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