JP2543164B2 - 複層管状物の製造方法 - Google Patents
複層管状物の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は複層管状物の製造方法に関するものである。
<従来の技術> ポリイミド樹脂は優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特
性などを有しているために、その管状物は種々の用途が
期待されている。
性などを有しているために、その管状物は種々の用途が
期待されている。
ポリイミド管状物は例えば、モーター等の回転によっ
て発生する駆動力を伝達するためのベルトとしてカセッ
トテープやカードディスペンサーなどに使用できるもの
である。
て発生する駆動力を伝達するためのベルトとしてカセッ
トテープやカードディスペンサーなどに使用できるもの
である。
これらの用途に使用されているポリイミド管状物は、
一般に一種類のポリイミド樹脂からなる単層のものが用
いられているが、ベルトとしては機械的強度や耐熱性は
優れているものの弾性率が高く、また表面硬度も高いの
で、取り付けるプーリーとのスリップ現象防止の点では
充分に満足できないものである。
一般に一種類のポリイミド樹脂からなる単層のものが用
いられているが、ベルトとしては機械的強度や耐熱性は
優れているものの弾性率が高く、また表面硬度も高いの
で、取り付けるプーリーとのスリップ現象防止の点では
充分に満足できないものである。
<発明が解決しようとする課題> 上記のように、管状物を前記用途に用いる場合の必要
特性としては加熱サイクルに対する寸法安定性や耐久性
の他、適度な表面硬度や弾性率が重要視される。
特性としては加熱サイクルに対する寸法安定性や耐久性
の他、適度な表面硬度や弾性率が重要視される。
ポリイミド管状物は弾性率や表面硬度が高いので、プ
ーリーとベルトとの間でスリップ現象が生じやすく、よ
ってベルトに大きな張力をかけたり、複雑な駆動機構を
設ける必要が生じる。
ーリーとベルトとの間でスリップ現象が生じやすく、よ
ってベルトに大きな張力をかけたり、複雑な駆動機構を
設ける必要が生じる。
<課題を解決するための手段> 従って、本発明は上記問題点を有さず、ポリイミド樹
脂本来の優れた耐熱性や機械的特性を充分に発揮し寸法
安定性にも優れる管状物、特に小型プーリーに取り付け
てもスリップを起こすことがなく充分に駆動力を伝達で
き、且つ耐久性にも優れたベルトとして利用できる複層
の管状物を提供することを目的とするものである。
脂本来の優れた耐熱性や機械的特性を充分に発揮し寸法
安定性にも優れる管状物、特に小型プーリーに取り付け
てもスリップを起こすことがなく充分に駆動力を伝達で
き、且つ耐久性にも優れたベルトとして利用できる複層
の管状物を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明の複層管状物の製造方法は、シリンダー
の内周面に、(a)ポリアミド酸溶液を均一な厚みで塗
布する工程と、(b)エラストマーを均一な厚みで塗布
する工程と、(c)加熱により溶媒の除去を行なう工程
とを順次行なうと共に、(b)工程にて形成されるエラ
ストマー層が最終的に得られる複層管状物の最内層部に
位置することを特徴とするものである。
の内周面に、(a)ポリアミド酸溶液を均一な厚みで塗
布する工程と、(b)エラストマーを均一な厚みで塗布
する工程と、(c)加熱により溶媒の除去を行なう工程
とを順次行なうと共に、(b)工程にて形成されるエラ
ストマー層が最終的に得られる複層管状物の最内層部に
位置することを特徴とするものである。
本発明の製造方法に用いるシリンダーは、通常、内径
が約1〜50cmの金属、例えば加熱サイクルに対して寸法
変化が小さく、しかも耐久性のあるステンレス、鉄など
やガラス、フッ素樹脂などからなる耐熱性のシリンダー
(所望により内周面にシリコーン樹脂溶液、フッ素樹脂
溶液などの塗布による離型処理を施す)が採用される。
が約1〜50cmの金属、例えば加熱サイクルに対して寸法
変化が小さく、しかも耐久性のあるステンレス、鉄など
やガラス、フッ素樹脂などからなる耐熱性のシリンダー
(所望により内周面にシリコーン樹脂溶液、フッ素樹脂
溶液などの塗布による離型処理を施す)が採用される。
本発明の製造方法では、まず上記シリンダーの内周面
にポリアミド酸溶液を塗布し、最後にエラストマーが塗
布される。
にポリアミド酸溶液を塗布し、最後にエラストマーが塗
布される。
シリンダー内周面への塗布は特に限定されるものでは
なく、例えば塗布するポリアミド酸溶液もしくはエラス
トマー中にシリンダーを浸漬して引き上げてデッピング
したり、シリンダーの片端部付近に塗布するポリアミド
酸溶液もしくはエラストマーを供給し、次いで弾丸状な
いし球状の走行体を走行させて均一に塗布することがで
きる。
なく、例えば塗布するポリアミド酸溶液もしくはエラス
トマー中にシリンダーを浸漬して引き上げてデッピング
したり、シリンダーの片端部付近に塗布するポリアミド
酸溶液もしくはエラストマーを供給し、次いで弾丸状な
いし球状の走行体を走行させて均一に塗布することがで
きる。
(a)工程にて塗布するポリアミド酸溶液は、例えば芳
香族テトラカルボン酸二無水物(またはその誘導体)と
芳香族ジアミンとの略等モル混合物を有機極性溶媒中で
反応させることによって得られるものであり、溶液状態
にて用いられる。
香族テトラカルボン酸二無水物(またはその誘導体)と
芳香族ジアミンとの略等モル混合物を有機極性溶媒中で
反応させることによって得られるものであり、溶液状態
にて用いられる。
このような芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例
としては、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、2,2′−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物などが挙げられ
る。
としては、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、2,2′−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物などが挙げられ
る。
一方、芳香族ジアミンの具体例としては、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、パラフ
ェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンチジ
ン、3,3′−ジメトキシベンチジン、4,4′−ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンな
どが挙げられる。
アミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、パラフ
ェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンチジ
ン、3,3′−ジメトキシベンチジン、4,4′−ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンな
どが挙げられる。
さらに、有機極性溶媒の具体例としては、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルアセトアミド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメ
チレンホスホルトリアミドなどが挙げられる。これらの
有機極性溶媒にはクレゾール、フェノール、キシレノー
ルなどのフェノール類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン
などの炭化水素類などを混合することもできる。
−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルアセトアミド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメ
チレンホスホルトリアミドなどが挙げられる。これらの
有機極性溶媒にはクレゾール、フェノール、キシレノー
ルなどのフェノール類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン
などの炭化水素類などを混合することもできる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを
溶媒中で反応させてポリアミド酸溶液を得る際の溶媒中
でのモノマー濃度は、種々の条件に応じて設定される。
しかし、通常5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%で
あり、通常80℃以下、好ましくは5〜50℃の範囲で約2
〜10時間反応させる。
溶媒中で反応させてポリアミド酸溶液を得る際の溶媒中
でのモノマー濃度は、種々の条件に応じて設定される。
しかし、通常5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%で
あり、通常80℃以下、好ましくは5〜50℃の範囲で約2
〜10時間反応させる。
このようにして得られるポリアミド酸溶液は反応の進
行と共に溶液粘度が上昇した状態で得られるが、本発明
においては固有粘度が0.5以上(30℃、N−メチル−2
−ピロリドン中)のポリアミド酸溶液を用いることが好
ましい。即ち、固有粘度を0.5以上のポリアミド酸溶液
を用いることにより、得られる管状物は熱劣化に対する
信頼性が特に優れたものとなるからである。
行と共に溶液粘度が上昇した状態で得られるが、本発明
においては固有粘度が0.5以上(30℃、N−メチル−2
−ピロリドン中)のポリアミド酸溶液を用いることが好
ましい。即ち、固有粘度を0.5以上のポリアミド酸溶液
を用いることにより、得られる管状物は熱劣化に対する
信頼性が特に優れたものとなるからである。
一方、(b)工程にて用いるエラストマーとしては未
硬化状態で流動性を有するものや、高温下で流動するも
の、流動性を発揮するように溶剤に溶解もしくは分散さ
せたものが使用できる。
硬化状態で流動性を有するものや、高温下で流動するも
の、流動性を発揮するように溶剤に溶解もしくは分散さ
せたものが使用できる。
このようなエラストマーとしては未硬化のシリコーン
ゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどの熱可塑性のエラ
ストマーが挙げられる。このようなエラストマーのゴム
硬度はASTM D2240−64Tに基づいてショアAを30〜99、
好ましくは70〜95の範囲とすると、ベルトとして用いる
際にプーリーとのなじみがよく、スリップ現象が防止で
きて好ましい。また、適度な表面硬度や弾性率を有する
ので、耐久性に優れたものとなる。これらの値が大きす
ぎるとスリップ防止効果が小さく、また小さすぎると摩
擦による損傷や摩耗が発生するのである。
ゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどの熱可塑性のエラ
ストマーが挙げられる。このようなエラストマーのゴム
硬度はASTM D2240−64Tに基づいてショアAを30〜99、
好ましくは70〜95の範囲とすると、ベルトとして用いる
際にプーリーとのなじみがよく、スリップ現象が防止で
きて好ましい。また、適度な表面硬度や弾性率を有する
ので、耐久性に優れたものとなる。これらの値が大きす
ぎるとスリップ防止効果が小さく、また小さすぎると摩
擦による損傷や摩耗が発生するのである。
上記ポリアミド酸溶液またはエラストマーを塗布する
際の粘度は、塗布厚、シリンダー内径、溶液温度などに
応じて設定できるが、通常約0.1〜10000ポイズ(塗布工
程の温度、B型粘度計による)である。
際の粘度は、塗布厚、シリンダー内径、溶液温度などに
応じて設定できるが、通常約0.1〜10000ポイズ(塗布工
程の温度、B型粘度計による)である。
本発明においては、(a)工程および(b)工程の塗
布順や各工程での塗布回数は制限されず、また、(c)
工程の加熱、脱溶剤化は上記各工程の終了後に行なって
もよい。但し、(a)工程でポリアミド酸溶液を塗布し
た場合、(c)工程での加熱では脱溶剤化と共にイミド
転化も同時に起こる。この際、加熱時の溶媒の蒸発、イ
ミド転化時の閉環水などの蒸発によってボイドが形成さ
れる恐れがあるので、約80℃の温度で約20〜60分間加熱
して溶媒を除去し、次いで約250〜350℃の温度で約20〜
60分間加熱して閉環水などを蒸発させると共にイミド転
化させる方法を採用することが好ましい。
布順や各工程での塗布回数は制限されず、また、(c)
工程の加熱、脱溶剤化は上記各工程の終了後に行なって
もよい。但し、(a)工程でポリアミド酸溶液を塗布し
た場合、(c)工程での加熱では脱溶剤化と共にイミド
転化も同時に起こる。この際、加熱時の溶媒の蒸発、イ
ミド転化時の閉環水などの蒸発によってボイドが形成さ
れる恐れがあるので、約80℃の温度で約20〜60分間加熱
して溶媒を除去し、次いで約250〜350℃の温度で約20〜
60分間加熱して閉環水などを蒸発させると共にイミド転
化させる方法を採用することが好ましい。
本発明において(a)工程および(b)工程での塗布
作業は、前述のように走行体を内面に走行させることに
よって均一に塗布できるが、本発明の製造方法では
(c)工程である加熱、脱溶剤化工程を必ず(a)工程
または(b)工程終了後に行なう必要がなく、少なくと
も最終工程に(c)工程を行なえばよく、各工程の組み
合せは自由に行ない得るものである。また、(a)工程
または(b)工程を複数回行なうことによって多層構造
の管状物を得ることができる。
作業は、前述のように走行体を内面に走行させることに
よって均一に塗布できるが、本発明の製造方法では
(c)工程である加熱、脱溶剤化工程を必ず(a)工程
または(b)工程終了後に行なう必要がなく、少なくと
も最終工程に(c)工程を行なえばよく、各工程の組み
合せは自由に行ない得るものである。また、(a)工程
または(b)工程を複数回行なうことによって多層構造
の管状物を得ることができる。
また、複層管状物の各層間に大きな結着力が必要な場
合には、第1層形成後その内面に公知の手段にて凹凸を
形成させたり、プライマー処理を施こすことによって第
2層との投錨性を向上させることもできる。さらに、結
晶性シリカやセラミック粉末などの絶縁粉末、染料、カ
ーボンブラック、カーボングラファイト、銀粉、金粉、
ニッケル粉、パラジウム粉などの各種粉末、チクソトロ
ピー剤、ガラスファイバー、不織布、紙などの配合材を
各層内に添加、配合することによって各種特性を発揮す
る複層管状物とすることもできる。
合には、第1層形成後その内面に公知の手段にて凹凸を
形成させたり、プライマー処理を施こすことによって第
2層との投錨性を向上させることもできる。さらに、結
晶性シリカやセラミック粉末などの絶縁粉末、染料、カ
ーボンブラック、カーボングラファイト、銀粉、金粉、
ニッケル粉、パラジウム粉などの各種粉末、チクソトロ
ピー剤、ガラスファイバー、不織布、紙などの配合材を
各層内に添加、配合することによって各種特性を発揮す
る複層管状物とすることもできる。
このようにしてシリンダーの内周面には複層管状物が
形成されるので、該シリンダーから管状物を剥離するこ
とによって目的物を得ることができる。
形成されるので、該シリンダーから管状物を剥離するこ
とによって目的物を得ることができる。
得られた複層管状物は、通常、全体厚を10〜150μ
m、各層の厚みを5〜145μmの範囲、好ましくはそれ
ぞれ12〜130μm、10〜120μmとなるように塗布溶液を
調製する。
m、各層の厚みを5〜145μmの範囲、好ましくはそれ
ぞれ12〜130μm、10〜120μmとなるように塗布溶液を
調製する。
<発明の効果> 以上のように、本発明の複層管状物の製造方法によれ
ば、得られる管状物はシームレスであって管状物外面に
は接着部段差はなく、また、エラストマー層を有するの
で層間にかかる機械的応力によっても層間剥離が起こら
ないように各層同士のなじみが良好である。また、本発
明の製造方法にて得られる管状物は、ポリイミド樹脂よ
りも表面硬度が小さいエラストマー層を有するので、プ
ーリーとなじみが良好でスリップ現象が起こらず、耐久
性の良いベルト、特に駆動力伝達用ベルトとして好適で
ある。さらに、本発明にて得られる複層管状物は弾性体
であるエラストマー層を有しているので制振効果に優れ
ており、駆動機構内に発生する振動が外部に、また外部
にて発生する振動が駆動機構に伝達されることを防止で
き、精密機器、音響機器の分野にも広く応用できるもの
である。
ば、得られる管状物はシームレスであって管状物外面に
は接着部段差はなく、また、エラストマー層を有するの
で層間にかかる機械的応力によっても層間剥離が起こら
ないように各層同士のなじみが良好である。また、本発
明の製造方法にて得られる管状物は、ポリイミド樹脂よ
りも表面硬度が小さいエラストマー層を有するので、プ
ーリーとなじみが良好でスリップ現象が起こらず、耐久
性の良いベルト、特に駆動力伝達用ベルトとして好適で
ある。さらに、本発明にて得られる複層管状物は弾性体
であるエラストマー層を有しているので制振効果に優れ
ており、駆動機構内に発生する振動が外部に、また外部
にて発生する振動が駆動機構に伝達されることを防止で
き、精密機器、音響機器の分野にも広く応用できるもの
である。
<実施例> 以下に本発明の実施例を示し、さらに詳細に説明す
る。
る。
実施例1 ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテルの略等モルを、N−メチル−2−ピロリドン
中(モノマー濃度20重量%)にて温度20℃で5時間反応
させて溶液粘度30000ポイズ(50℃、B型粘度計)、固
有粘度2.8(30℃、ウベローデ型粘度計)のポリアミド
酸溶液を得た。さらに、50℃に加温して溶液粘度を3000
ポイズに調整した。
ルエーテルの略等モルを、N−メチル−2−ピロリドン
中(モノマー濃度20重量%)にて温度20℃で5時間反応
させて溶液粘度30000ポイズ(50℃、B型粘度計)、固
有粘度2.8(30℃、ウベローデ型粘度計)のポリアミド
酸溶液を得た。さらに、50℃に加温して溶液粘度を3000
ポイズに調整した。
次に、この溶液(温度50℃に維持)中に内径60mm、肉
厚3mm、長さ80cmのガラス管(内面をシリコーン樹脂に
て離型処理したもの)を浸漬してポリアミド酸溶液を充
填して引き上げた。
厚3mm、長さ80cmのガラス管(内面をシリコーン樹脂に
て離型処理したもの)を浸漬してポリアミド酸溶液を充
填して引き上げた。
その後、ガラス管内に外径58.5mmの弾丸状走行体を走
行させ、ポリアミド酸溶液を均一な厚みに塗布した。
行させ、ポリアミド酸溶液を均一な厚みに塗布した。
次いで、これを150℃で60分間および300℃で60分間加
熱し、溶媒の除去、閉環水の除去、イミド転化を行って
室温まで冷却した。
熱し、溶媒の除去、閉環水の除去、イミド転化を行って
室温まで冷却した。
次に、トルエンとメチルエチルケトンの1:4混合液
と、ポリエステル系ポリウレタンからなる粘度250ポイ
ズ(50℃、B型粘度計)の溶液(固形分濃度20重量%)
中に上記ポリイミド樹脂層が形成されたガラス管を浸漬
して、管内部にポリウレタン溶液を充填し、引き上げ
た。その後、外径59.7mmの弾丸状走行体を走行させ、ポ
リウレタン溶液を均一な厚みで塗布し、これを50℃で20
分間および120℃で20分間加熱し、溶媒の除去を行な
い、実施例1と同様の操作にて複層管状物をガラス管か
ら剥離した。
と、ポリエステル系ポリウレタンからなる粘度250ポイ
ズ(50℃、B型粘度計)の溶液(固形分濃度20重量%)
中に上記ポリイミド樹脂層が形成されたガラス管を浸漬
して、管内部にポリウレタン溶液を充填し、引き上げ
た。その後、外径59.7mmの弾丸状走行体を走行させ、ポ
リウレタン溶液を均一な厚みで塗布し、これを50℃で20
分間および120℃で20分間加熱し、溶媒の除去を行な
い、実施例1と同様の操作にて複層管状物をガラス管か
ら剥離した。
この複層管状物は外径60mm、長さ75cmであり、外層に
ポリイミド樹脂層、内層にポリウレタンゴム層(ショア
A硬度75)を有するものであった。なお、複層管状物の
全厚は85μm、外層厚は75μm、内層厚は10μmであ
り、塗布むらがなく、各層の厚みは均一であった。
ポリイミド樹脂層、内層にポリウレタンゴム層(ショア
A硬度75)を有するものであった。なお、複層管状物の
全厚は85μm、外層厚は75μm、内層厚は10μmであ
り、塗布むらがなく、各層の厚みは均一であった。
得られた管状物を幅6mmに切断してベルト状の管状物
とし、直径10mmのプーリー間に100gの張力を作用させ、
プーリーにポリウレタンゴム層面が接触するようにして
3000rpmで駆動回転させた。
とし、直径10mmのプーリー間に100gの張力を作用させ、
プーリーにポリウレタンゴム層面が接触するようにして
3000rpmで駆動回転させた。
その結果、駆動回数が1×1010回に達してもベルトは
破断せず、プーリー間とのスリップ現象も観察されなか
った。
破断せず、プーリー間とのスリップ現象も観察されなか
った。
実施例2 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルの等モルを、N
−メチル−2−ピロリドン中(モノマー濃度20重量%)
にて温度20℃で5時間反応させて溶液粘度35000ポイズ
(50℃、B型粘度計)、固有粘度2.5(30℃、ウベロー
デ型粘度計)のポリアミド酸溶液を得た。次にこの溶液
100重量部に対してN−メチル−2−ピロリドンを33重
量部添加し、さらに50℃に加温して溶液粘度が3000ポイ
ズのポリアミド酸溶液を調製した。
と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルの等モルを、N
−メチル−2−ピロリドン中(モノマー濃度20重量%)
にて温度20℃で5時間反応させて溶液粘度35000ポイズ
(50℃、B型粘度計)、固有粘度2.5(30℃、ウベロー
デ型粘度計)のポリアミド酸溶液を得た。次にこの溶液
100重量部に対してN−メチル−2−ピロリドンを33重
量部添加し、さらに50℃に加温して溶液粘度が3000ポイ
ズのポリアミド酸溶液を調製した。
一方、主剤と硬化剤を10:1で混合した付加型RTVシリ
コーンゴム(東芝シリコーンゴム(株)製、TSE3431H)
を内径50mm、肉厚3mm、長さ50cmのガラス管(内面をフ
ッ素樹脂にて離型処理したもの)の端部に供給し、次い
で供給側から外径49.9mmの弾丸状走行体を上記ガラス管
の内周面に沿って走行させ、均一に塗布した。塗布後、
これを100℃で60分間加熱して硬化させ、ガラス管内周
面に形成されたシリコーンゴム管状物の内周面をさらに
サンドブラスト処理した。
コーンゴム(東芝シリコーンゴム(株)製、TSE3431H)
を内径50mm、肉厚3mm、長さ50cmのガラス管(内面をフ
ッ素樹脂にて離型処理したもの)の端部に供給し、次い
で供給側から外径49.9mmの弾丸状走行体を上記ガラス管
の内周面に沿って走行させ、均一に塗布した。塗布後、
これを100℃で60分間加熱して硬化させ、ガラス管内周
面に形成されたシリコーンゴム管状物の内周面をさらに
サンドブラスト処理した。
シリコーンゴム管状物が形成されたガラス管に前記に
て調製したポリアミド酸溶液を充填し、引き上げた。
て調製したポリアミド酸溶液を充填し、引き上げた。
その後、外径48.8mmの弾丸状走行体を走行させ、ポリ
アミド酸溶液を均一な厚みで塗布し、次いで、これを15
0℃で60分間および300℃で60分間加熱し、溶媒の除去、
閉環水の除去、イミド転化を行って室温まで冷却した。
アミド酸溶液を均一な厚みで塗布し、次いで、これを15
0℃で60分間および300℃で60分間加熱し、溶媒の除去、
閉環水の除去、イミド転化を行って室温まで冷却した。
さらに、管状物の内周面をサンドブラスト処理して粗
面化したのち、上記にて用いた付加型RTVシリコーンゴ
ム(東芝シリコーンゴム(株)製、TSE3431H)をガラス
管端部から管状物の内面に供給し、次いで供給側から外
径48.7mmの弾丸状走行体を上記ガラス管の内周面に沿っ
て走行させ、均一に塗布した。塗布後、これを100℃で6
0分間加熱して硬化させた。
面化したのち、上記にて用いた付加型RTVシリコーンゴ
ム(東芝シリコーンゴム(株)製、TSE3431H)をガラス
管端部から管状物の内面に供給し、次いで供給側から外
径48.7mmの弾丸状走行体を上記ガラス管の内周面に沿っ
て走行させ、均一に塗布した。塗布後、これを100℃で6
0分間加熱して硬化させた。
最後に、ガラス管両端開口部に栓をし、予めガラス管
開口部付近に設けられた小貫通孔から空気を圧送するこ
とにより、得られた複層管状物をガラス管から剥離し
た。
開口部付近に設けられた小貫通孔から空気を圧送するこ
とにより、得られた複層管状物をガラス管から剥離し
た。
この複層管状物は外径50mm、長さ45cmであり、外層に
ポリウレタンゴム層(ショアA硬度75)層、中層にポリ
イミド樹脂層、内層にポリウレタンゴム層(ショアA硬
度75)の三層構造を有するものであった。なお、複層管
状物の全厚は140μm、外層厚は45μm、中層厚は50μ
m、内層厚は45μmであり、塗布むらがなく、各層の厚
みは均一であった。
ポリウレタンゴム層(ショアA硬度75)層、中層にポリ
イミド樹脂層、内層にポリウレタンゴム層(ショアA硬
度75)の三層構造を有するものであった。なお、複層管
状物の全厚は140μm、外層厚は45μm、中層厚は50μ
m、内層厚は45μmであり、塗布むらがなく、各層の厚
みは均一であった。
得られた管状物を幅6mmに切断してベルト状の管状物
とし、直径10mmのプーリー間に100gの張力を作用させ、
プーリーにポリウレタンゴム層面が接触するようにして
3000rpmで駆動回転させた。
とし、直径10mmのプーリー間に100gの張力を作用させ、
プーリーにポリウレタンゴム層面が接触するようにして
3000rpmで駆動回転させた。
その結果、駆動回数が1×1010回に達してもベルトは
破断せず、プーリー間とのスリップ現象も観察されなか
った。
破断せず、プーリー間とのスリップ現象も観察されなか
った。
比較例 実施例2においてポリイミド層形成に用いたと同じポ
リアミド酸溶液中に実施例2と同じガラス管を浸漬し、
ポリアミド酸溶液を充填供給して引き上げた。
リアミド酸溶液中に実施例2と同じガラス管を浸漬し、
ポリアミド酸溶液を充填供給して引き上げた。
その後、ガラス管内に外径47.8mmの弾丸状走行体で走
行させ、ポリアミド酸溶液を均一な厚みで塗布した。
行させ、ポリアミド酸溶液を均一な厚みで塗布した。
次いで、これを150℃で60分間および300℃で60分間加
熱し、溶媒の除去、閉環水の除去、イミド転化を行ない
室温まで冷却した。
熱し、溶媒の除去、閉環水の除去、イミド転化を行ない
室温まで冷却した。
形成されたポリイミド管状物を実施例2と同様の操作
にて剥離し、100μm厚のポリイミド単層の管状物を得
た。
にて剥離し、100μm厚のポリイミド単層の管状物を得
た。
この管状物を実施例と同様に切断してベルト状の管状
物とし、同様の試験を行なったところ、1×102回の駆
動のころからスリップ現象を起こした。
物とし、同様の試験を行なったところ、1×102回の駆
動のころからスリップ現象を起こした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 9:00 23:24
Claims (2)
- 【請求項1】シリンダーの内周面に、(a)ポリアミド
酸溶液を均一な厚みで塗布する工程と、(b)エラスト
マーを均一な厚みで塗布する工程と、(c)加熱により
溶媒の除去を行なう工程とを順次行なうと共に、(b)
工程にて形成されるエラストマー層が最終的に得られる
複層管状物の最内層部に位置することを特徴とする複層
管状物の製造方法。 - 【請求項2】上記(a)の工程または(b)の工程に引
続き、さらに同種もしくは複数種のポリアミド酸溶液を
繰り返し塗布する工程を付加する請求項(1)記載の複
層管状物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63310946A JP2543164B2 (ja) | 1988-12-08 | 1988-12-08 | 複層管状物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63310946A JP2543164B2 (ja) | 1988-12-08 | 1988-12-08 | 複層管状物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02157070A JPH02157070A (ja) | 1990-06-15 |
JP2543164B2 true JP2543164B2 (ja) | 1996-10-16 |
Family
ID=18011293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63310946A Expired - Fee Related JP2543164B2 (ja) | 1988-12-08 | 1988-12-08 | 複層管状物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2543164B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004097278A (ja) * | 2002-09-05 | 2004-04-02 | Japan Lifeline Co Ltd | 医療用管状体およびその製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6015454B2 (ja) * | 1980-10-29 | 1985-04-19 | 北辰工業株式会社 | 薄肉エンドレスベルトの製造法 |
JPS62157110A (ja) * | 1985-12-27 | 1987-07-13 | Daicel Chem Ind Ltd | シ−ムレスベルト |
-
1988
- 1988-12-08 JP JP63310946A patent/JP2543164B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02157070A (ja) | 1990-06-15 |
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