JP2002045428A - カテーテル用薄肉ptfeチューブ及びその製造方法並びにカテーテルチューブ - Google Patents

カテーテル用薄肉ptfeチューブ及びその製造方法並びにカテーテルチューブ

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JP2002045428A
JP2002045428A JP2000235260A JP2000235260A JP2002045428A JP 2002045428 A JP2002045428 A JP 2002045428A JP 2000235260 A JP2000235260 A JP 2000235260A JP 2000235260 A JP2000235260 A JP 2000235260A JP 2002045428 A JP2002045428 A JP 2002045428A
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ptfe
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敏晴 後藤
Yoshihisa Kato
善久 加藤
Hideyuki Suzuki
秀幸 鈴木
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    • A61L29/00Materials for catheters, medical tubing, cannulae, or endoscopes or for coating catheters
    • A61L29/04Macromolecular materials
    • A61L29/041Macromolecular materials obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉でかつ成形性及び機械的強度に優れた新
規なカテーテル用薄肉PTFEチューブ及びその製造方
法並びにこのカテーテル用薄肉PTFEチューブを用い
た新規なカテーテルチューブの提供。 【解決手段】 分子量1×107 以上,固形分濃度5〜
70%のPTFE水分散液をディップコーティング方式
によって芯線上に塗布して厚さ60μm以下のPTFE
膜を形成した後、このPTFE膜をチューブ状に固形化
してからその芯線を引き抜く。これによって、薄肉でか
つ成形性及び機械的強度に優れたカテーテル用薄肉PT
FEチューブを容易に製作することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病院等の医療機関
において用いられるカテーテルチューブに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般にカテーテルチューブと称されるチ
ューブ状の医療器具は、従来の手術のように生体を大き
く切開することなく必要な治療等を施すことが可能であ
り、また、患者や医師に対する負担も軽いことから、病
院等の医療機関においては欠くことができない医療器具
の一つとなっている。
【0003】このようなカテーテルチューブは、一般に
血管を介して生体内の所定の位置に挿入されて使用され
るようになっているため、細い抹消血管に対しても確実
に挿入できるような細径チューブであって、かつ複雑に
分岐、曲折した血管に対しても選択的に挿入できるよう
な優れた操作性を発揮し、さらに挿入後の薬液等をスム
ーズに注入できるような優れた潤滑性等が要求される。
【0004】このような要求を満足する従来のカテーテ
ルチューブ1としては、図2に示すように、例えばPT
FE(ポリテトラフルオロエチレン)等の潤滑性に優れ
た樹脂からなる内層チューブ2をベースとし、その内層
チューブ2の外周に金属線や繊維等の線材からなる補強
層3を備え、さらにその補強層3の外周に外層樹脂4を
備えた多層構造のものが多用されている。
【0005】すなわち、この内層チューブ2をPTFE
から形成することで優れた潤滑性を確保できると共に、
その外周に補強層3を備えることで挿入時における内層
チューブ1の屈曲や潰れを防止し、さらに外層樹脂4を
設けることで押込力や回転力等といった挿入に際して必
要なトルク伝達性を発揮できるような構造となってい
る。
【0006】また、最近ではその外層樹脂4の硬さや補
強層3の強度を手元側から挿入先端側に亘って多段階に
変化させることによってより複雑な操作を容易に達成で
きるようなものや、細い抹消血管等に対しても充分に挿
入し、薬液等を確実に注入できるような薄肉・細径のカ
テーテルチューブも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
複雑な構造を有する従来のカテーテルチューブにあって
は、先ず、内層チューブ2を形成してからその上に補強
層3及び外層樹脂4を順次被覆形成して得られるように
なっているため、高品質のカテーテルチューブを製作す
るには、このベースとなる内層チューブ2の成形性及び
機械的な強度が重要となる。
【0008】しかしながら、従来この内層チューブ(P
TFEチューブ)2にあっては、PTFEパウダーを芯
線上に押出し被覆して形成する方法、またはPTFEテ
ープを芯線上に巻き付けた後に焼成する方法等によって
得られるようになっているため、例えば、肉厚が60μ
m以下の薄肉になってしまうとその内層チューブ2の成
形性及び機械的強度が著しく悪化してしまうといった問
題点があった。
【0009】すなわち、カテーテルチューブの細径化,
あるいはその外径を増やすことなくその内腔を増大する
ためには、この内層チューブ2の薄肉化を図る必要があ
るが、PTFEパウダーを芯線上に押出し被覆する方法
では、その肉厚が60μm以下の極薄となると成形性が
著しく悪化し、また、PTFEテープを芯線上に巻き付
ける方法では、十分に薄肉のPTFEテープ自体を製作
することが困難であった。
【0010】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、薄
肉でかつ成形性及び機械的強度に優れた新規なカテーテ
ル用薄肉PTFEチューブ及びその製造方法並びにこの
カテーテル用薄肉PTFEチューブを用いた新規なカテ
ーテルチューブを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、請求項1に示すように分子量1×107
上,固形分濃度5〜70%のPTFE水分散液をディッ
プコーティング方式によって芯線上に被覆して形成され
るチューブ体であって、肉厚が60μm以下であること
を特徴とするカテーテル用薄肉PTFEチューブ、又は
請求項2に示すように分子量1×107 以上,固形分濃
度5〜70%のPTFE水分散液をディップコーティン
グ方式によって芯線上に被覆して形成されるチューブ体
であって、その表面がアルカリ金属により表面処理され
ると共に、肉厚が60μm以下であることを特徴とする
カテーテル用薄肉PTFEチューブである。
【0012】また、このようなカテーテル用薄肉PTF
Eチューブの製造方法としては、請求項5に示すよう
に、分子量1×107 以上,固形分濃度5〜70%のP
TFE水分散液をディップコーティング方式によって芯
線上に塗布して厚さ60μm以下のPTFE膜を形成し
た後、このPTFE膜をチューブ状に固形化してからそ
の芯線を引き抜いて作製するか、あるいは、請求項6に
示すように 分子量1×107 以上,固形分濃度5〜7
0%のPTFE水分散液をディップコーティング方式に
よって芯線上に塗布して厚さ60μm以下のPTFE膜
を形成した後、このPTFE膜をチューブ状に固形化す
ると共にその表面をアルカリ金属溶液によって表面処理
してからその芯線を引き抜いて作製するようにしたもの
である。
【0013】すなわち、本発明は従来用いられていたP
TFEパウダーを押出し被覆する方法やPTFEテープ
を芯線上に巻き付けるような方法とは全く異なり、PT
FE水分散液を用い、これをディップコーティング方式
によって芯線上に塗布して得るようにしたものであるこ
とから、例えば肉厚が60μm以下の薄肉であっても優
れた成形性及び機械的強度を有する内層チューブを容易
かつ確実に得ることができる。
【0014】そして、請求項3及び4に示すように、こ
のようなカテーテル用薄肉PTFEチューブを内層チュ
ーブとして用い、その外周に外層樹脂を直接或いは、金
属線材等からなる補強層を介して被覆することで潤滑性
や操作性等を全く犠牲にすることなく、十分に薄肉・細
径で高品質なカテーテルチューブを容易に得ることがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0016】図1は、本発明に係るカテーテルチューブ
1の実施の一形態を示した拡大断面図であり、図中2
は、このカテーテルチューブ1の内層チューブを構成す
るカテーテル用薄肉PTFEチューブ(以下、PTFE
チューブ2と称す)、3はこのPTFEチューブ2の外
周に亘って形成される補強層、4はさらにこの補強層3
の外周に被覆形成される外層樹脂である。
【0017】このPTFEチューブ2は、潤滑性に優れ
たPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)から形成さ
れており、その肉厚は60μm以下の極薄肉状態となっ
ている。また、このPTFEチューブ2上に被覆形成さ
れる補強層3は、円筒状に織り込まれた金属線や円筒状
に織り込まれた編組、あるいは螺旋状に配置された線材
等から形成されており、例えば、ステンレス鋼,Ti−
Ni合金線やPt等の耐食性金属やアラミド,ポリイミ
ド等の硬質の樹脂あるいはこれらの組み合わせたものが
用いられる。さらに、外層樹脂4としては、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレン共重合
体、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリ
塩化ビニル、シリコーン等から構成されている。
【0018】そして、このような構成をした本発明に係
るカテーテルチューブ1の製造方法としては、先ず、P
TFEチューブ2の原料となるPTFE水分散液と芯線
を用意し、このPTFE水分散液をディップコーティン
グ方式によって芯線上に均一に塗布してPTFE膜を形
成した後、これを電気炉等で所定温度下で所定時間加熱
・固形化して厚さ60μm以下のPTFEチューブ2を
形成する。
【0019】ここで、このPTFE水分散液とは、分子
量1×107 以上で、かつ平均粒径が0.4μm以下の
PTFEのファインパウダーを固形分濃度5〜70%の
割合で界面活性剤により水に分散させたものである。す
なわち、分子量1×107 以下のものを用いると、後述
するように得られたPTFEチューブ2の膜厚が安定せ
ず、機械的強度が著しく劣ってしまうからである。ま
た、平均粒径が0.4μmを超えるものを用いると、P
TFEの分散性が悪いため、塗料として不安定になるか
らである。さらに、このファインパウダーの固形分濃度
を5%未満とすると、ディップコートで完全な膜として
形成されず強度が弱くなるからであり、反対に70%を
超えると水に安定して分散せず成型後の膜の外観が悪く
なるからである。尚、界面活性剤としては特に限定され
るものではないが、ポリオキシエチレン・アルキルフェ
ニルエーテル等のハイドロカーボン系のノニオン界面活
性剤などが適している。
【0020】また、芯線としては、上述するように伸線
によって外径が縮径可能で、かつPTFEに対して不活
性なものであれば特に限定されるものでなく、例えば、
銅線,銀メッキ銅線,すずメッキ銅線、金メッキ銅線等
が適している。
【0021】また、本発明に用いるディップコーティン
グ方式とは、芯線をPTFE水分散液中に浸して一定速
度で垂直方向に引き上げることにより、芯線の外周をP
TFE水分散液で均一にコーティングする方法であり、
このディップコーティングを同一に芯線に対して複数回
行うことでその膜厚を自由にコントロールすることがで
きる。例えば、一回のディップコーティングによって厚
さ約10μm程度のPTFE膜が得られると仮定する
と、肉厚約30μmのPTFEチューブ2を得るために
は、少なくとも3回程度同様な操作をすることによって
所望の肉厚のPTFEチューブ2を容易に得ることがで
きる。
【0022】また、このPTFE膜の加熱温度及び加熱
時間としては、膜厚等に応じて異なってくることから特
に限定するものではないが、例えば、320〜400
℃、5〜300秒程度が一般的な範囲と考えられる。
【0023】そして、このようにして得られた本発明の
PTFEチューブ2にあっては、上述したように、例え
ば60μm以下の十分に薄肉であるにも拘わらず、優れ
た成形性及び機械的強度を発揮することができる。
【0024】次に、このPTFEチューブ2を内層チュ
ーブとしてさらにその上に従来公知の方法によって補強
層3を形成すると共に、その補強層3上に外層樹脂4を
被覆することで薄肉で高品質のカテーテルチューブ1を
容易に得ることができる。すなわち、上述したように従
来方法では、PTFEチューブ2自体の薄肉化が困難で
あるためカテーテルチューブ1自体の薄肉・細径化が困
難であったが、本発明はディップコーティング方式を採
用することにより十分に薄肉で成形性及び機械的強度に
優れたPTFEチューブ2を容易に得ることが可能とな
るため、十分に薄肉・細径なカテーテルチューブ1を容
易に得ることができる。
【0025】尚、このPTFEチューブ2を用いてカテ
ーテルチューブ1を製造するにあたっては、予めそのP
TFEチューブ2の表面をアルカリ金属溶液、例えば、
アンモニア,テトラヒドロフラン,ナフタレンあるいは
これらの混合溶液を溶媒としたもので表面処理するよう
にしても良い。すなわち、アルカリ金属溶液によって表
面処理することによって、PTFEのフッ素原子を引き
抜いてPTFE表面の表面エネルギーを大きくするとい
った効果を得ることができるからである。また、PTF
Eチューブ2上に補強層3を形成した後、外層樹脂4を
被覆する前において、この補強層3をPTFEチューブ
2側に固定することを目的として、さらにもう一度この
PTFEチューブ2を補強層3と共にPTFE水分散液
でディップコーティングするようにしても良い。
【0026】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明する。
【0027】(実施例1)φ0.6mmの銀メッキ銅線
上に、固形分濃度60%,分子量1.5×107,平均
粒径0.3μmのPTFE水分散液をディップコーティ
ング方式でコーティングし、これを炉温380℃の電気
炉で5分間加熱して固形化して厚さ10μmのPTFE
膜を形成した後、その銀メッキ銅線を引き抜いて本発明
に係る厚さ10μmのPTFEチューブを作製した。
【0028】(実施例2)実施例1で得られたPTFE
チューブの外周に断面形状が20×100μmのステン
レス(SUS304 )製平角線を編組して補強層を形成
し、その上に外層樹脂としてナイロン12を厚さ70μ
mで押出し被覆した後、これを1mの長さに切断すると
共に、芯線を引き抜いて本発明に係る多層構造のカテー
テルチューブを作製した。
【0029】(実施例3)実施例2で得られたカテーテ
ルチューブの片端の外層樹脂を長さ2cmに亘って除去
すると共に、露出した補強層をその片端から1cmに亘
って除去した後、この部分に先端部外層樹脂としてナイ
ロン樹脂層を形成して実際に適用可能な肉厚200μm
のカテーテルチューブを得た。
【0030】(実施例4)実施例1で得られた厚さ10
μmのPTFEチューブを実施例1と同様な方法でさら
にもう一度PTFE水分散液コーティングを行い、厚さ
20μmのPTFEチューブを作製した。
【0031】(実施例5)PTFE水分散液として固形
分濃度30%,分子量1.5×107 のPTFE水分散
液を用いた他は実施例1と同じ方法により厚さ5μmの
PTFEチューブを作製した。
【0032】(実施例6)実施例2においてナイロン1
2の押出前に補強層を固定するために固形分濃度30
%,分子量1.5×107 ,平均粒径0.3μmのPT
FE水分散液をさらにディップコーティング方式でコー
ティングし、この外周に外層樹脂としてナイロン12を
押し出して厚さ70μmの被膜を形成した後、これを1
mの長さに亘って切断すると共に、芯線を引き抜いてカ
テーテルチューブを作製した。
【0033】(比較例1)分子量3×106 のPTFE
水分散液を用いた他は、実施例1と同様な方法によって
厚さ10μmのPTFEチューブを作製した。
【0034】(比較例2)φ0.6mmの銀メッキ銅線
上に380℃でPTFEパウダーをラム押出しを行い、
厚さ70μmのPTFE膜を形成した後、その銀メッキ
銅線を引き抜いて厚さ70μmのPTFEチューブを作
製した。
【0035】(比較例3)比較例1で得られたPTFE
チューブの外周に断面形状が20×100μmの平角線
を用いて編組4を形成し、外層樹脂としてナイロンを押
出した後、1mの長さに切断し、芯線を引き抜いて肉厚
200μmのカテーテルチューブを作製した。
【0036】(比較例4)比較例2のPTFEチューブ
を用いた他は実施例3と同様な方法でカテーテルチュー
ブを作製した。
【0037】〈実験1〉実施例1と比較例1で得られそ
れぞれのPTFEチューブの機械的強度を引っ張り試験
によって比較したところ、以下の表1に示すように、本
発明に係る実施例1と、本発明の範囲外である分子量3
×106 のPTFE水分散液を用いた比較例1のPTF
Eチューブはそれぞれ同じ製法及び肉厚にも拘わらず、
実施例1のPTFEチューブは比較例1のそれに比べて
約4倍の値を示し、優れた機械的強度を発揮した。
【0038】
【表1】
【0039】〈実験2〉実施例1,4,5及び比較例2
の膜厚をマイクロメータにより測定した。この結果、以
下の表2に示すように、本発明に係る実施例1,4,5
の膜厚はそれぞれ10±5μm,20±5μm,10±
2μmであり、いずれも安定した膜厚が得られた。これ
に対し、本発明の範囲外である比較例2では70μm以
下のチューブの作製を試みたが膜厚が安定せず100〜
50μmの範囲でバラツキが生じた。
【0040】
【表2】
【0041】〈実験3〉実施例3と比較例4に示すそれ
ぞれカテーテルチューブの作業性を比較した。この結
果、本発明に係る実施例3においては問題なく作製する
ことができたが、本発明の範囲外である比較例4の作製
においては、補強層作製及び補強層除去を行う際にPT
FEチューブが破けるなどの問題が頻繁に生じ、作業性
が著しく悪化してしまった。
【0042】〈実験4〉実施例3と比較例3で得られた
それぞれのカテーテルチューブの血管への押込み易さを
評価した。評価方法としては、図3に示すように、先ず
それぞれのチューブ1を15cmの長さに亘って切り取
り、その両端末を固定チャック5,5によって固定す
る。尚、固定チャック5,5間の距離は10cmとし
た。次に、それぞれのチューブ1の長手方向に平行にチ
ューブ圧縮力を加えてチューブ1を曲げ、チャック5,
5間の距離が8cmになった際の荷重を測定した。
【0043】この結果、以下の表3に示すように、本発
明に係る実施例3の荷重は5.40gであったのに対
し、本発明の範囲外である比較例3のそれは3.0gと
いう値であった。従って、チューブの肉厚が同じもので
も実施例3の方がPTFE層が薄いため、硬いナイロン
樹脂のボリュームを大きくすることができるため、押込
み性に優れている。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、従来用い
られていたPTFEパウダーを押出し被覆する方法やP
TFEテープを芯線上に巻き付けるような方法とは全く
異なり、PTFE水分散液を用い、これをディップコー
ティング方式によって芯線上に塗布して得るようにした
ものであることから、例えば肉厚が60μm以下の薄肉
で優れた成形性及び機械的強度を有するカテーテル用薄
肉PTFEチューブを容易に得ることができる。
【0046】この結果、このようなカテーテル用薄肉P
TFEチューブを内層チューブとして用い、その外周に
外層樹脂を直接或いは、金属線材等からなる補強層を介
して被覆することで潤滑性や操作性等を全く犠牲にする
ことなく、十分に薄肉・細径で高品質なカテーテルチュ
ーブを容易に得ることができる等といった優れた効果を
発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカテーテルチューブの実施の一形
態を示す拡大断面図である。
【図2】従来のカテーテルチューブの一例を示す拡大断
面図である。
【図3】カテーテルチューブの押込力を評価する方法を
示す概念図である。
【符号の説明】
1 カテーテルチューブ 2 内層チューブ(PTFEチューブ) 3 補強層 4 外層樹脂 5 固定チャック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/30 B32B 27/30 D F16L 11/08 F16L 11/08 B // B29K 27:18 B29K 27:18 B29L 23:00 B29L 23:00 (72)発明者 鈴木 秀幸 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社総合技術研究所内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA15 BA34 CB03 CC07 CC18 DB21 EA14 4F100 AB01C AK01B AK18A AK48 BA03 BA10A BA10B BA25A DA11 DD31 DG01C EH172 EH462 EJ682 GB66 JA07A JK01C YY00A 4F205 AA17 AC05 AD15 AD16 AG03 AG08 AH63 GA08 GB01 GB02 GB11 GB22 GC01 GF24 GN29 GW31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量1×107 以上,固形分濃度5〜
    70%のPTFE水分散液をディップコーティング方式
    によって芯線上に被覆して形成されるチューブ体であっ
    て、肉厚が60μm以下であることを特徴とするカテー
    テル用薄肉PTFEチューブ。
  2. 【請求項2】 分子量1×107 以上,固形分濃度5〜
    70%のPTFE水分散液をディップコーティング方式
    によって芯線上に被覆して形成されるチューブ体であっ
    て、その表面がアルカリ金属により表面処理されると共
    に、肉厚が60μm以下であることを特徴とするカテー
    テル用薄肉PTFEチューブ。
  3. 【請求項3】 内層チューブの外周に外層樹脂を被覆し
    たカテーテルチューブにおいて、上記内層チューブが上
    記請求項1又は2記載のいずれかのカテーテル用薄肉P
    TFEチューブからなることを特徴とするカテーテルチ
    ューブ。
  4. 【請求項4】 上記内層チューブと外層樹脂との間に金
    属又は繊維の線材からなる補強層を備えたことを特徴と
    する請求項3に記載のカテーテルチューブ。
  5. 【請求項5】 分子量1×107 以上,固形分濃度5〜
    70%のPTFE水分散液をディップコーティング方式
    によって芯線上に塗布して厚さ60μm以下のPTFE
    膜を形成した後、このPTFE膜をチューブ状に固形化
    してからその芯線を引き抜いて作製するようにしたこと
    を特徴とするカテーテル用薄肉PTFEチューブの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 分子量1×107 以上,固形分濃度5〜
    70%のPTFE水分散液をディップコーティング方式
    によって芯線上に塗布して厚さ60μm以下のPTFE
    膜を形成した後、このPTFE膜をチューブ状に固形化
    すると共にその表面をアルカリ金属溶液によって表面処
    理してからその芯線を引き抜いて作製するようにしたこ
    とを特徴とするカテーテル用薄肉PTFEチューブの製
    造方法。
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