JP2004089191A - 脂質測定試薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エステラーゼと界面活性剤とを含む試薬中においてエステラーゼ活性が著しく低下する現象が認められたことにより、エステラーゼ活性低下の問題を解消した脂質測定試薬を提供すること。
【解決手段】 エステラーゼと界面活性剤を含む試薬においてエステラーゼ活性が著しく低下する原因が、界面活性剤の酸化により生成された酸化物質にあることを見出し、これに基づき、界面活性剤の酸化により生成された酸化物質の作用および/またはその生成を抑制すること、あるいは酸化され難い界面活性剤を選択して用いることにより界面活性剤を含む脂質測定試薬中のエステラーゼの安定性低下を防止できることを見出して本発明を達成した。エステラーゼと界面活性剤とを含有する組成物において抗酸化剤(例えば、BHT、α−トコフェロール、β−チオジグリコール、およびメチオニンからなる群から選ばれる少なくとも1)をその有効量含有させることからなる。

Description

 本発明は、エステラーゼを含有する脂質測定試薬に関する。さらに詳しくは、臨床化学の分野において用いられる中性脂肪測定試薬、総コレステロール測定試薬、高密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬、低密度リポタンパク質コレステロール測定試薬に関する。
 エステラーゼは加水分解酵素のうちエステルを加水分解する酵素の総称であり、EC3.1群に分類され、リパーゼ、コレステロールエステラーゼなどがある。リパーゼはグリセロールエステルヒドロラーゼとも呼ばれ、グリセロールエステルを加水分解し、脂肪酸を遊離する酵素群であり、膵リパーゼ、リポプロテインリパーゼ(LPL)、肝性トリアシルグリセロールリパーゼ(HTGL)、ホスホリパーゼ、糖脂質分解リパーゼ、スフィンゴ脂質分解リパーゼ、およびホルモン感受性リパーゼなど、その基質特異性や局在の異なるものが数多く知られている。
 生体試料中の特定成分を分析する臨床検査分野においては、エステラーゼは、検体中の脂質成分、例えば中性脂質、コレステロール、リン脂質、糖脂質、およびスフィンゴ脂質など、並びにリポ蛋白質の定量に広く用いられている。
 臨床検査分野において用いる試薬は、測定値の正確性および精密性が求められる。正確な分析を妨げる要因の1つとして、生体試料の濁りが問題となっている。試料中の濁りの主な原因は、リポ蛋白質の一種類であるカイロミクロンや超低比重リポ蛋白質であることが多い。これらのリポ蛋白質は非極性の脂質である中性脂肪の含有率が高いため、水溶液中で濁りやすいという性質を有している。その影響を回避することを目的として、これらのリポ蛋白質を可溶化するためにリパーゼを試薬に添加する方法が開示されている(特許文献1)。試料の濁りの影響を回避する方法としては、この他に種々の界面活性剤により、濁りの原因となっているリポ蛋白質を可溶化する技術が開示されている(特許文献2〜4)。リパーゼを反応成分に使用するリポ蛋白質や脂質成分の測定等には、リパーゼを添加する方法は適用できないため、界面活性剤を添加する方法が用いられる。
 一方、正確な分析を妨げる別の要因として、試薬の安定性が問題となっている。臨床検査に用いられる多くの試薬は、液状あるいは凍結乾燥した状態で供給されている。凍結乾燥試薬は使用するとき、一定の溶解液で溶解される。測定後の残余試薬は冷所に保存され、次の測定に使用される。したがって、供給されるまでの期間、また保存期間中の試薬の安定性および液状製品の安定性、並びに液状製品の使用時の安定性は十分確保されていなくてはならない。
 しかし、一般的にエステラーゼなどの酵素は不安定であることが知られている。現状では、液状製品および乾燥製剤の溶解後の使用期限の短縮や安定化物質の添加などによりこの問題に対応している。例えば、エステラーゼを試薬として用いるとき、その安定化効果を期待して界面活性剤を用いることがある。また、エステラーゼは脂質と反応する場として界面(水と油とが接触する場所)が必要と考えられているため、このような場を創出してリパーゼの酵素活性を増強するめに、エステラーゼを含む試薬中に界面活性剤を添加することが多い。
特開平09−288111号公報 特開昭59−162454号公報 特開昭61−95247号公報 特開2001−188065号公報
 かかる現状において、エステラーゼと界面活性剤とを含む試薬中においてエステラーゼ活性が著しく低下する現象が認められた。本発明の目的は、エステラーゼ活性低下の問題を解消した脂質測定試薬を提供することにある。
 本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、エステラーゼと界面活性剤を含む試薬においてエステラーゼ活性が著しく低下する原因が、界面活性剤の酸化により生成された酸化物質にあることを見出した。これに基づき、界面活性剤の酸化により生成された酸化物質の作用および/またはその生成を抑制すること、あるいは酸化され難い界面活性剤を選択して用いることにより界面活性剤を含む脂質測定試薬中のエステラーゼの安定性低下を防止できることを見出して本発明を達成した。
 すなわち本発明は、
1.エステラーゼ、界面活性剤及び抗酸化剤を含有する脂質測定試薬、
2.前記エステラーゼがリパーゼ、コレステロールエステラーゼから選択される1以上の酵素である前項1に記載の脂質測定試薬、
3.前記リパーゼがリポプロテインリパーゼ、ホスホリパーゼ、膵リパーゼ、肝性トリアシルグリセロールリパーゼ、糖脂質分解リパーゼ、スフィンゴ脂質分解リパーゼ及びホルモン感受性リパーゼから選択される1以上のリパーゼである前項2に記載の脂質測定試薬、
4.前記界面活性剤が非イオン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤から選択される1以上の界面活性剤である前項1に記載の脂質測定試薬、
5.前記界面活性剤がポリオキシエチレン系界面活性剤である前項1に記載の脂質測定試薬、
6.前記界面活性剤がポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルから選択される前項5に記載の脂質測定試薬、
7.抗酸化剤が、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、α−トコフェロール、β−チオジグリコール、メチオニン、ビタミンC、ユビキノール、尿酸、ビリルビン、グルタチオン、ピロロキノリンキノン、カロチノイド、プロブコール、ポリフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、チオタウリン、没食子酸、トランスフェリン及びフィチン酸から選択される、1以上の物質である前項1に記載の脂質測定試薬、
8.抗酸化剤の濃度が、1〜100mMである前項1に記載の脂質測定試薬、
9.抗酸化剤の濃度が、1〜10mMである前項1に記載の脂質測定試薬、
10.前記脂質測定試薬が中性脂肪測定試薬である前項1に記載の脂質測定試薬、
11.前記中性脂肪測定試薬が、検体と第1試薬を反応させた後、第2試薬を反応させることによって検体中の中性脂肪を定量する中性脂肪測定試薬であり、
第1試薬はATP、グルコース−6−リン酸脱水素酵素およびグリセロールキナーゼを含有し、第2試薬はエステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤、グルコース、NAD(P)およびADP依存ヘキソキナーゼを含有する前項10に記載の脂質測定試薬、
12.前記脂質測定試薬が総コレステロール測定試薬である前項1に記載の脂質測定試薬、
13.前記総コレステロール測定試薬が、検体と第1試薬を反応させた後、第2試薬を反応させることによって検体中の総コレステロールを定量する総コレステロール測定試薬であり、
第1試薬はエステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤およびNAD(P)を含有し、
第2試薬はコレステロール脱水素酵素を含有する前項12に記載の脂質測定試薬、
14.前記脂質測定試薬が高密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬である前項1に記載の脂質測定試薬、
15.前記高密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬が、検体と第1試薬を反応させた後、第2試薬を反応させることによって検体中の高密度リポ蛋白質コレステロールを定量する高密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬であり、
第1試薬はNAD(P)を含有し、
第2試薬はエステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤およびコレステロール脱水素酵素を含有する前項14に記載の脂質測定試薬、
16.前記脂質測定試薬が低密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬である前項1に記載の脂質測定試薬、
17.前記低密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬が、検体と第1試薬を反応させた後、第2試薬を反応させることによって検体中の低密度リポ蛋白質コレステロールを定量する低密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬であり、
第1試薬はエステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤、NAD(P)、LDL反応阻害剤を含有し、
第2試薬はコレステロール脱水素酵素を含有する前項16に記載の脂質測定試薬、
18.エステラーゼ、界面活性剤及び抗酸化剤を含有する脂質測定試薬であって、界面活性剤が酸化をうける条件下で酸化物質を実質的に生じない界面活性剤であることを特徴とする脂質測定試薬、
19.前記界面活性剤が高純度のポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル、またはポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルから選択される1以上の界面活性剤である前項18に記載の脂質測定試薬、
からなる。
 以下、本発明に係る脂質測定試薬についてさらに詳しく説明するが、これらの説明は例示であり、説明のためのものに過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
 本発明は、エステラーゼと界面活性剤とを含有する脂質測定試薬におけるエステラーゼの安定性低下が、当該界面活性剤の酸化により生成された酸化物質によることを見出したことに基づいて達成されたものである。本発明において酸化物質とは、過酸化物、例えば過酸化水素など、酸素フリーラジカル、およびスーパーオキシドアニオンなどを含む。
 一般に界面活性剤は酸化され易いことが知られているが、界面活性剤には酸化され易いものと酸化され難いものがあり、必ずしも全ての界面活性剤が酸化され易いとはいえない。また、酵素が酸化物質により失活され易いことが知られているが、酵素の種類によっても酸化物質による影響を受け易いものと受け難いものがある。さらに界面活性剤には酵素や蛋白質の安定性を保持する作用を有するものもあることから、界面活性剤を含む溶液中でエステラーゼの安定性が低下する原因が界面活性剤の酸化により生成された酸化物質であることは、当業者であっても容易に想到し得るものではなく、本発明において初めて見出されたものである。
 また、界面活性剤に限らず、エステラーゼを含有する脂質測定試薬中に含まれる物質であって、酸化物質を生成し得る物質は、エステラーゼの安定性に影響を及ぼすものと考えられる。しかし、本発明においてはこのような場合でもエステラーゼの安定性を向上させることができる。
 抗酸化剤は酸化物質の作用および/またはその生成を抑制する活性を有する化合物であり、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene)(BHT)、α−トコフェロール、β−チオジグリコール、メチオニン、ビタミンC(アスコルビン酸)、ユビキノール、尿酸、ビリルビン、グルタチオン、ピロロキノリンキノン(PQQ)、カロチノイド(β−カロチン、リコピンなど)、プロブコール、ポリフェノール〔フラボノイド類(カテキン、ルチン、ケルセチンなど)など〕、ブチルヒドロキシアニソール〔BHA;ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)の類似物〕、チオタウリン、没食子酸、トランスフェリン、またはフィチン酸などの抗酸化剤を例示できるがこれらに限定されず、生成される酸化物質の作用および/またはその生成を抑制できる化合物であればよい。さらに、これら化合物は、エステラーゼの失活や活性阻害などの作用をもたないものが好ましい。好ましくは、ブチルヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene)(BHT)、α−トコフェロール、β−チオジグリコール、またはメチオニンが用いられる。当該化合物は、例えば界面活性剤とエステラーゼとを含む組成物に被検化合物を添加して数日間保存後にリパーゼ活性が保持されているものを選択することにより得ることができる(実施例4参照)。
 酸化物質の作用および/またはその生成を抑制するためには、上記化合物、例えば上記抗酸化剤、の1種または2種以上を組み合せて使用することができる。その使用量は、用いる化合物の種類や酸化物質の作用および/またはその生成を抑制する活性、並びに、酸化物質を生成し得る物質、例えば界面活性剤、の種類や濃度、によって適宜変更を加えることが可能であり、簡単な実験的繰り返しにより決定できる。例えば、トリトンX−100(Rohm&Haas社)が終濃度0.5重量/容量%〔%(W/V)〕になるように調製されたリパーゼ含有組成物においては、BHT、α−トコフェロール、β−チオジグリコール、またはメチオニンが、それぞれ終濃度1mM〜10mM、0.01重量/容量%〜0.1重量/容量%、1mM〜100mM、または1mM〜100mMになるように添加されていることが好適である。
 酸化物質の作用および/またはその生成の抑制は、抗酸化剤などの化合物の使用以外に、酸化酵素を用いてその酵素反応を利用することによっても可能である。酸化酵素としては、グルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ、NADHペルオキシダーゼ、ホスホリパーゼ・A2−グルタチオンペルオキシダーゼ共役系、アルキルハイドロペルオキシドレダクターゼ、NADHオキシダーゼなどが例示できる。
 本発明が適用される界面活性剤は、非イオン性界面活性剤として、オクチルグルコシド、ペプチルチオグルコシド、デカノイル−N−メチルグルカミド、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンへプタメチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル(トリトンXシリーズ)、ポリオキシエチレン2級アルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールエステル(Tweenシリーズ)などが、陰イオン性界面活性剤として、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシル−N−サルコシン酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウムなどが、陽イオン性界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルアンモニウムブロミド、ドデシルピリジニウムクロリドなどが、両イオン性界面活性剤として、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸(CHAPS)、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CHAPSO)、パルミトイルリゾレシチン、ドデシル−N−ベタイン、ドデシル−β−アラニンなどが例示できるがこれらに限定されない。
 界面活性剤の中には、酸化を受ける条件下においても酸化物質が実質的に生成されないものがある。このような酸化され難い界面活性剤を選択して用いることも、本発明に係る安定化方法の範囲に含まれる。ここで、界面活性剤が酸化を受ける条件とは、当該界面活性剤の酸化反応が開始し進行する条件をいい、例えば透光性の非密閉容器中で光または熱の影響を長期間、例えば数日間以上受けるといった条件、または透光性の密閉容器中で酸素置換後に露光条件下で撹拌するといった条件が挙げられる。酸化物質が実質的に生成されないとは、例えば、生成された過酸化水素様物質が、リパーゼ活性に影響しない程度に少ないことを意味する。具体的には例えば上記条件下で酸化されたときに生成された過酸化水素様物質が約5μM以下であることを示す。かかる酸化され難い界面活性剤としては、ノニオンNS−210(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)や高純度のトリトンX−100(ポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル、Sigma社製、T−9284)が例示できるが、これらに限定されない。酸化され難い界面活性剤の選別は、例えば界面活性剤の水溶液を遮光せずに例えば室温で保存し、生成される酸化物質を定量することにより実施可能である(実施例2参照)。また、透光性の密閉容器中で酸素置換後に露光条件下で撹拌することにより強制的に酸化させて、生成される酸化物質を定量することによっても選別可能である(実施例3参照)。本発明において単にトリトンX−100というときは、高純度のトリトンX−100(Sigma社製、T−9284)ではなく、酸化を受ける条件下で過酸化水素様物質を生成し得るものをいう。
 本発明において用いられる界面活性剤の濃度は、液状時における終濃度が10重量/容量%〜0.001重量/容量%となるように添加されていることが好適で、より好ましくは5重量/容量%〜0.005重量/容量%で用いる。また、これら界面活性剤は単独で使用してもよく、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。好ましくは、酵素、例えばリパーゼの失活や活性阻害などの作用をもたない界面活性剤を選択して用いる。
 本発明が適用されるエステラーゼは、リパーゼ、コレステロールエステラーゼが例示される。リパーゼは、リポプロテインリパーゼ(LPL)、ホスホリパーゼ、膵リパーゼ、肝性トリアシルグリセロールリパーゼ(HTGL)、糖脂質分解リパーゼ、スフィンゴ脂質分解リパーゼ、およびホルモン感受性リパーゼなどのいずれであってもよいが、好ましくはLPLである。また、リパーゼは、動物由来、ヒト血漿由来、または遺伝子工学的手法で調製されたもののいずれであってもよく、その由来、調製方法、および存在状態により限定されない。リパーゼの濃度は、その酵素活性が目的とする活性値に調整されていればよく、特に限定されない。
 液状において、エステラーゼを含有する脂質測定試薬には、通常、緩衝液が使用される。その種類は、pH4〜9の範囲に緩衝能をもつ緩衝剤を適宜選択して用いる。例えば、MES、HEPES、MOPS、BIS−TRIS、TRIS、MOPSO、またはADAなどから1種若しくは2種以上が選択され用いられる。また、適当な防腐剤を添加してもよい。防腐剤としては、アジ化ナトリウム、シプロフロキサシン、プロピオン酸若しくは安息香酸ナトリウムなどの中から1種若しくは2種以上が選択して用いられる。また、必要に応じて食塩などの塩や、アミノ酸、糖などの一般的な安定化剤などを含ませることもある。
 かくして得られたエステラーゼを含有する脂質測定試薬は、従来使用されているエステラーゼを含有する脂質測定試薬と比較して安定性が高く有用である。より具体的には、例えば、10mM〜1000mMの緩衝液に、0.01重量/容量%〜10重量/容量%の界面活性剤、例えばトリトンX−100を加え、抗酸化剤、例えばBHTを1mM〜10mM添加する。防腐剤を添加した後、溶液のpHを6〜7付近に調整して母液を調製する。この母液に目的とする濃度または活性量のエステラーゼを溶解し、エステラーゼ含有溶液を調製する。その溶液を適当な孔径のフィルターでろ過することもある。このようにして調製されたエステラーゼ溶液は、そのまま液状試薬としてあるいは凍結乾燥処理して乾燥製剤試薬として製剤化され使用に提供される。上記具体例は、本発明に係る組成物の一例を示すものであり、本発明はこの例に限定されるものではない。
 エステラーゼを含有する脂質測定試薬は、検体中の脂質成分、例えば中性脂質、コレステロール、リン脂質、糖脂質、およびスフィンゴ脂質など、並びにリポプロテインを定量する試薬として広く用いることが可能である。かくして本発明においては、上記脂質測定試薬を充填した1個またはそれ以上の容器を含んでなる試薬キットを提供可能である。本脂質測定試薬または本試薬キットは、製品での安定性や保存期間中の安定性が優れているため、測定試薬として最も重要な測定値の正確性や精密性が確保されている。
 具体的な脂質測定試薬としては、
ATP、グルコース−6−リン酸脱水素酵素およびグリセロールキナーゼを含有する第1試薬と、エステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤、グルコース、NAD(P)およびADP依存ヘキソキナーゼを含有する第2試薬とからなる中性脂肪測定試薬、エステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤およびNAD(P)を含有する第1試薬と、コレステロール脱水素酵素を含有する第2試薬とからなる総コレステロール測定試薬、NAD(P)を含有する第1試薬と、エステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤およびコレステロール脱水素酵素を含有する第2試薬とからなる高密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬、エステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤、NAD(P)およびLDL反応阻害剤を含有する第1試薬と、コレステロール脱水素酵素を含有する第2試薬とからなる低密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬を挙げることができる。
 なお、LDL反応阻害剤としては、エステラーゼとLDLとの反応を阻害するものであればよく、硫酸カリクスアレン、ショ糖、ウシ血清アルブミン、カリクスアレン類、ポリアニオン、ポリエチレングリコール又はポリアニオンと二価のカチオンとの組合せを挙げることができる。ポリアニオン、ポリエチレングリコールとしてデキストラン硫酸、ヘパリンなどの硫酸多糖類、リンタングステン酸およびその塩、を挙げることができ、二価のカチオンの例としてMg++、Mn++、Ca++、Ni++などが挙げられる。
 また、カリクスアレン類としては、フェノールを基本骨格とし、フェノールの4〜8分子をメチレン基で環状に重合させた環状オリゴマーである。カリクスアレン類としては、カリクス(4)アレン〔Calix(4)arene〕、カリクス(6)アレン、カリクス(8)アレン、硫酸カリクス(4)アレン、硫酸カリクス(6)アレン、硫酸カリクス(8)アレン、酢酸カリクス(4)アレン、酢酸カリクス(6)アレン、酢酸カリクス(8)アレン、カルボキシカリクス(4)アレン、カルボキシカリクス(6)アレン、カルボキシカリクス(8)アレン、カリクス(4)アレンアミン、カリクス(6)アレンアミン、カリクス(8)アレンアミンなどが挙げられる。
 非イオン系界面活性剤トリトンX−100を添加したときのリポプロテインリパーゼの安定性を、遮光状態完全密閉容器に保存したトリトンX−100とポリエチレン容器中に保存して卓上放置したトリトンX−100について比較した。
 MES 50mM、シュウ酸 100mM、グルコース 80mM、β−NADP 6.0mM、アジ化ナトリウム 0.1%、ADP依存性ヘキソキナーゼ 10.0U/mL、およびリポプロテインリパーゼ 1500U/mLからなる水溶液(pH6.5)にトリトンX−100(Rohm&Haas社)を無添加または0.5%(W/V)添加した中性脂質測定試薬の第2試薬(以下、サンプルと呼ぶ)を調製し、37℃の条件下で6日間保存した後にリパーゼ活性を測定した。
 まず、上記サンプルをMES 50mM、0.1%BSAからなる水溶液(pH6.5)で10倍希釈した調製液10μlに下記組成のリパーゼ活性測定用第一試薬300μlを添加し、37℃で5分間反応させた。次いで、下記組成のリパーゼ活性測定用第二試薬50μlを添加し、その2分後より、主波長340nm/副波長600nmにおける吸光度変化量を測定することによりリパーゼ活性を測定した。
 リパーゼ活性測定用第一試薬(pH7.5)
────────────────────────────────
Bicine                  50.0mM
HEPES                   23.3mM
塩化カリウム                 100.0mM
塩化マグネシウム・6HO            8.1mM
グルコース                   27.0mM
トリトンX−100              0.208%
ATP・2Na                  2.7mM
β−NADP(酸化型)              1.9mM
グリセロールキナーゼ               2.3U/mL
グルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH)  4.3U/mL
ADP依存性ヘキソキナーゼ            2.7U/mL
────────────────────────────────
 リパーゼ活性測定用第二試薬
──────────────────────────────
ハイレベルチェック・リピッド   9.0mLの精製水にて溶解
(製造販売元 国際試薬株式会社)
──────────────────────────────
 結果は、上記溶液を2〜8℃で保存したときのリパーゼ活性を100%としたときの残存活性として表し、表1に示した。完全密閉容器中で保存したトリトンX−100を添加したときは、無添加のときよりリポプロテインリパーゼの安定性が増した。このことから、界面活性剤そのものにはリポプロテインリパーゼの安定化効果があることが明らかである。しかし、ポリエチレン容器中で卓上放置したトリトンX−100を用いたときは、放置期間が長いもの程リポプロテインリパーゼの安定性が低下することが判明した。
(リポプロテインリパーゼの安定性への界面活性剤の効果:37℃保存)
Figure 2004089191
 種々の界面活性剤を添加したときのリポプロテインリパーゼの安定性を測定した。種々の界面活性剤を用いて、サンプルを実施例1と同様の方法で調製し、30℃の条件下で6日間保存した後に、リポプロテインリパーゼの残存活性を実施例1と同様に求め、リポプロテインリパーゼの安定性を比較した。
 また、用いた各界面活性剤の5%(W/V)水溶液中の過酸化水素様物質を定量した。過酸化水素様物質の定量は細菌由来ペルオキシダーゼを用いた酵素比色法により実施した。まず、サンプル20μlに、下記組成の第一試薬200μlを添加して37℃で5分間反応させた。次いで、波長600nmにおける吸光度を測定した。その後、下記組成の第二試薬50μlを添加してさらに37℃で5分間反応させ、波長600nmにおける吸光度を測定した。第二試薬の添加前と添加後の吸光度差から過酸化水素様物質を定量した。
 第一試薬(pH7.0)
───────────────────────
BES               939mg
Bis−Tris          320mg
HDAOS              24mg
牛血清アルブミン(BSA)     200mg
───────────────────────
              合計  100mL
 ここで、HDAOSはN−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン・ナトリウム塩である。
 第二試薬(pH7.0)
───────────────────────
BES             375.6mg
Bis−Tris        128.0mg
4−アミノアンチピリン     130.4mg
BSA              80.0mg
ペルオキシダーゼ         1500U
───────────────────────
            合計     40mL
 このとき、30%の過酸化水素(H)を精製水で適宜希釈して標準液として用いた。
 結果は表2に示した。同じ界面活性剤でも相対的に過酸化水素様物質が多く含まれているものを添加したときの方が、リポプロテインリパーゼの安定性が低下した。同じ界面活性剤でも、保存状況や保存期間が違うために過酸化水素様物質の含量が異なっていた。リポプロテインリパーゼの残存活性と用いた界面活性剤中に含まれる過酸化水素様物質の量との間には、逆相関が認められた。
(リポプロテインリパーゼの安定性低下と界面活性剤水溶液中の過酸化水素様物質との関連)
Figure 2004089191
 実施例1の結果と実施例2の結果より、界面活性剤水溶液中の過酸化水素様物質がリポプロテインリパーゼの失活に関連していることが示唆された。すなわち、界面活性剤の酸化により生成された酸化物質がリポプロテインリパーゼを失活させるものと考えられる。
 界面活性剤を含む溶液中でのリポプロテインリパーゼの失活が界面活性剤の酸化により生成された酸化物質によるものであることを確認するために、強制的に酸化せしめた界面活性剤のリパーゼ安定性に対する影響を検討した。
 界面活性剤を強制的に酸化するために、トリトンX−100(Rohm&Haas社)、高純度のトリトンX−100(Sigma社製、T−9284)、またはノニオンNS−210の10%(W/V)水溶液をそれぞれ調製し、ガラス製の三角フラスコに移した後、酸素ガスにて置換し、密栓後、露光条件下でスターラーによる撹拌を行った。強制酸化を行わない界面活性剤水溶液は、調製して三角フラスコに移した後、アルゴンガス置換し、密栓後、遮光下で保存した。強制酸化した界面活性剤または強制酸化しないものを用いて実施例1と同様にサンプルを調製し、37℃の条件下で6日間保存後に、リポプロテインリパーゼ残存活性を実施例1と同様に求め、リポプロテインリパーゼの安定性を比較した。また、各界面活性剤の10%(W/V)水溶液中の過酸化水素様物質を実施例2と同じ方法で定量した。
 表3に示したように、界面活性剤の酸化により過酸化水素様物質が生成されること、また酸化されて過酸化水素様物質が増加した界面活性剤を用いるとリポプロテインリパーゼの安定性が著しく低下することが判明した。また、ノニオンNS−210および高純度のトリトンX−100は、強制酸化しても過酸化水素様物質の生成量が少ないため、リポプロテインリパーゼの安定性に影響しないことが明らかになった。
 この結果から、界面活性剤の酸化により生成される酸化物質がリポプロテインリパーゼの安定性を低下せしめること、また酸化を受ける条件下でも酸化物質を生成しない界面活性剤を用いることによりリポプロテインリパーゼの安定性を保持できることが分かった。
(界面活性剤の酸化によるリポプロテインリパーゼの安定性の低下)
Figure 2004089191
 界面活性剤を含有する溶液中でのリポプロテインリパーゼの安定性低下に対する各種化合物の効果を検討した。界面活性剤としてトリトンX−100(Rohm&Hass社)を0.5%(W/V)で用い、実施例1と同様に調製したサンプルに各種化合物を添加して37℃の条件下で6日間保存後に、リポプロテインリパーゼ残存活性を実施例1と同様の方法で求め、リポプロテインリパーゼの安定性を比較した。
 抗酸化剤ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、α−トコフェロール、β−チオジグリコール、またはメチオニンを添加することにより、界面活性剤を含有する溶液中でのリポプロテインリパーゼの安定化効果が認められた。
(抗酸化剤添加によるリポプロテインリパーゼの安定性の向上:37℃保存)
Figure 2004089191
 以上の結果より、エステラーゼの安定性の向上が確認された中性脂質測定試薬及び総コレステロール測定試薬の組成を以下に示す。
中性脂質測定試薬の第1試薬はHEPES 50mM、塩化マグネシウム 10mM、ノニオンA−10R 3.5%、トライトンX−100 1.2%、ホスホエノールピルビン酸 3mM、ATP 3mM、G6PDH 4U/mL、ピルビン酸キナーゼ 3U/mL、グリセロールキナーゼ1.5U/mLからなる溶液(pH8.0)
第2試薬はMES 50mM、シュウ酸 100mM、グルコース 80mM、β−NADP 6.0mM、アジ化ナトリウム 0.1%、ADP依存ヘキソキナーゼ 10U/ML、リポプロテインリパーゼ 1500U/ML、トリトンX−100(Rohm&Hass社)0.5(W/V)%、BHT 5mM(pH6.5)から構成される。
 また、総コレステロール測定試薬の第1試薬はPIPES 25mM、二塩化ヒドラジニウム 100mM、ノニオンA−10R 3%、トライトンX−100 4%、コール酸ナトリウム 20mM、β−NAD 6mM、コレステロールエステラーゼ 2.5U/mL、BHT 5mMを含む溶液(pH7.0)、第2試薬はTAPSHEPES 50mM、コール酸ナトリウム 5mM、コレステロール脱水素酵素 14U/mL(pH8.5)から構成される。
また組成を以下の表に示す。
Figure 2004089191
Figure 2004089191
 以上説示したように、本発明に係る脂質測定試薬は、長期間保存可能かつ正確性を有する臨床検査用試薬組成物の提供を可能とするため、極めて有用である。

Claims (19)

  1.  エステラーゼ、界面活性剤及び抗酸化剤を含有する脂質測定試薬。
  2.  前記エステラーゼがリパーゼ、コレステロールエステラーゼから選択される1以上の酵素である請求項1に記載の脂質測定試薬。
  3.  前記リパーゼが、リポプロテインリパーゼ、ホスホリパーゼ、膵リパーゼ、肝性トリアシルグリセロールリパーゼ、糖脂質分解リパーゼ、スフィンゴ脂質分解リパーゼ及びホルモン感受性リパーゼから選択される1以上のリパーゼである請求項2に記載の脂質測定試薬。
  4.  前記界面活性剤が非イオン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤から選択される1以上の界面活性剤である請求項1に記載の脂質測定試薬。
  5.  前記界面活性剤がポリオキシエチレン系界面活性剤である請求項1に記載の脂質測定試薬。
  6.  前記界面活性剤がポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルから選択される請求項5に記載の脂質測定試薬。
  7.  抗酸化剤が、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、α−トコフェロール、β−チオジグリコール、メチオニン、ビタミンC、ユビキノール、尿酸、ビリルビン、グルタチオン、ピロロキノリンキノン、カロチノイド、プロブコール、ポリフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、チオタウリン、没食子酸、トランスフェリン及びフィチン酸から選択される、1以上の物質である請求項1に記載の脂質測定試薬。
  8.  抗酸化剤の濃度が、1〜100mMである請求項1に記載の脂質測定試薬。
  9.  抗酸化剤の濃度が、1〜10mMである請求項1に記載の脂質測定試薬。
  10.  前記脂質測定試薬が中性脂肪測定試薬である請求項1に記載の脂質測定試薬。
  11.  前記中性脂肪測定試薬が、検体と第1試薬を反応させた後、第2試薬を反応させることによって検体中の中性脂肪を定量する中性脂肪測定試薬であり、
    第1試薬はATP、グルコース−6−リン酸脱水素酵素およびグリセロールキナーゼを含有し、第2試薬はエステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤、グルコース、NAD(P)およびADP依存ヘキソキナーゼを含有する請求項10に記載の脂質測定試薬。
  12.  前記脂質測定試薬が総コレステロール測定試薬である請求項1に記載の脂質測定試薬。
  13.  前記総コレステロール測定試薬が、検体と第1試薬を反応させた後、第2試薬を反応させることによって検体中の総コレステロールを定量する総コレステロール測定試薬であり、
    第1試薬はエステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤およびNAD(P)を含有し、
    第2試薬はコレステロール脱水素酵素を含有する請求項12に記載の脂質測定試薬。
  14.  前記脂質測定試薬が高密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬である請求項1に記載の脂質測定試薬。
  15.  前記高密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬が、検体と第1試薬を反応させた後、第2試薬を反応させることによって検体中の高密度リポ蛋白質コレステロールを定量する高密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬であり、
    第1試薬はNAD(P)を含有し、
    第2試薬はエステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤およびコレステロール脱水素酵素を含有する請求項14に記載の脂質測定試薬。
  16.  前記脂質測定試薬が低密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬である請求項1に記載の脂質測定試薬。
  17.  前記低密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬が、検体と第1試薬を反応させた後、第2試薬を反応させることによって検体中の低密度リポ蛋白質コレステロールを定量する低密度リポ蛋白質コレステロール測定試薬であり、
    第1試薬はエステラーゼ、界面活性剤、抗酸化剤、NAD(P)、LDL反応阻害剤を含有し、
    第2試薬はコレステロール脱水素酵素を含有する請求項16に記載の脂質測定試薬。
  18.  エステラーゼ、界面活性剤及び抗酸化剤を含有する脂質測定試薬であって、界面活性剤が酸化をうける条件下で酸化物質を実質的に生じない界面活性剤であることを特徴とする脂質測定試薬。
  19.  前記界面活性剤が高純度のポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル、またはポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルから選択される1以上の界面活性剤である請求項18に記載の脂質測定試薬。
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