JP2005304329A - ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性の測定法 - Google Patents

ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性の測定法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性測定において、放射性基質を用いることなく、安全でかつ操作が簡便であり、生体成分の影響を受けることのない測定方法を提供すること。
【解決手段】 試料中のホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性の測定方法であって、コリンエステラーゼ阻害剤の存在下にγ−チオブチロラクトンと該試料とを混合して反応させ、生成する4−メルカプト酪酸を測定することによるものである方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性を測定する方法、ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性測定用試薬、その試薬を利用するホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性測定用キットに関する。
高ホモシステイン血症は、心筋梗塞や動脈硬化性疾患の危険因子として知られているが、その詳細なメカニズムについては、ホモシステインの酸化ストレス説、NO機能減弱説、小胞体ストレス説等があるものの、いまだ明確になっていない。これら諸説のひとつとしてホモシステインチオラクトン(以下、HTL)説がある。
蛋白質新生過程において、ある種のアミノアシルtRNAは、他のアミノ酸と間違えてホモシステインを取り込むことが知られている。取り込まれたホモシステインは新生蛋白質に取り込まれることはないが、この間違いを正す過程で、環化したHTLが生成する。HTLは生理的条件下で細胞膜を自由に拡散・通過し細胞外へと漏出する。また、HTLは化学的に反応性が高く、蛋白質のアミノ基をアシル化する。事実、HTLはリシン酸化酵素を失活させること、LDL中のアポ蛋白Bを修飾することが報告されており、HTLが、ホモシステインが示す細胞毒性の本質であると考える研究者もいる。一方で、HTLを血清に添加すると短時間にホモシステインへと変換されることから、血清中にはHTL加水分解酵素が存在し、これがHTLを分解することにより生体を保護していると考えられていた。
Jakubowskiらが、このHTL加水分解酵素をヒト血清HDL画分から精製し、そのN末端の配列を決定したところ、パラオキソネース(以下、PON)という既知の酵素との同一性が確認された。また、PON欠損マウス血清では、HTL加水分解活性は検出されなかったことからも、HTL加水分解酵素とPONの同一性が確認された(非特許文献1参照)。
PONはカルシウムイオン依存性の酵素であり、この酵素の作用機構は完全には解明されていない。本酵素は当初、農薬のパラチオンの代謝産物であるパラオキソンを加水分解するものとして発見されたが、この酵素は同時に、フェニルアセテートの様な他の基質を加水分解する。PONの生理的基質は不明であるが、血清リポ蛋白質の酸化変性に対して防御的に働くと考えられている。事実、PONはHDLの構成要素であり、酸化されたリン脂質やコレステロールヒドロペルオキシドを加水分解することが明らかになり、この酵素と動脈硬化性疾患との関連に注目が集まった。またPON遺伝子は、少なくとも3つの関係する遺伝子、PON1、PON2、PON3から成ることが示された。ヒトやいくつかの動物種(マウス、イヌ、トリ)においては、見かけ上パラオキソンを加水分解できないPON2をコードする配列が発見された。また、ヒトにおいてはPON3をコードする配列もある。PON1の192位のグルタミン/アルギニン多型の疫学研究では、酵素活性の高いアルギニン型は心筋梗塞患者に多く見られるとの報告もあるが、PONの遺伝子多型と動脈硬化性疾患との関連には、否定的な報告も多く、不明のままである。
上記のように、PONとHTL加水分解酵素は同一酵素であるにもかかわらず、本酵素の生体内における正当な評価が行われてきたとは言い難い。即ち、PON活性測定に使用される基質パラオキソンは、本酵素の生理的基質とは考えにくい。また、見かけ上パラオキソンを加水分解できないPON2や詳細が不明なPON3が存在した場合、パラオキソンを基質とするPON活性測定では正確な評価ができない可能性がある。最近ウサギ血清からPON3が精製された。ウサギPON3は血清のHDL画分に含まれる分子量40KDaの蛋白質であった。PON1に比してPON3は、パラオキソン加水分解活性はないが、ラクトンを加水分解する。さらに、LDL酸化に対してより防御的に働くことが報告された(非特許文献2参照)。またその後、PON1も、様々なラクトンを加水分解することが報告された(非特許文献3参照)。故に、本酵素活性を測定するにことにおいて、非生理的な基質パラオキソンを用いるのではなく、より生理的基質と思われるHTLを用いて測定することは、本酵素の生体内における正確な役割を見出し、強いては本酵素と動脈硬化性疾患との関連がより明らかになる可能性を導くと思われる。
従来、HTL加水分解酵素活性は、放射性同位元素である[35S]で標識したHTLを用いて測定していた。しかしながら、この測定法では、使用者および使用施設が限定され、また安全性あるいは放射性試薬の廃棄等に問題があり、さらに反応生成物であるホモシステインと未分解のHTLを分離するために薄層クロマトグラフィーのような煩雑な操作が必要となるなど、一般の検査法として利用するには困難な問題が存在した。
また最近、HPLCを用いる測定方法が開発されたが、この方法も1テストを行うのに多くの時間を費やすなど、一般の検査法として利用するには困難な問題が存在する。
その他、放射性同位元素を用いない方法として、HTLを基質とし、これにPONを作用させ、生成するホモシステインを測ることによりHTL加水分解酵素活性を測定する方法(上記非特許文献3参照)、詳しくは、PONによりHTLから生成するホモシステインのチオール基とDTNB(5,5‘−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸))との置換を通して、遊離する2−ニトロ−メルカプト安息香酸の黄色の呈色を追跡する方法が報告されている。しかしながらこの報告は、精製された酵素を用いた報告であり、そこにおいてはヒト血清や体液成分の影響については全く考慮されていない。
一方、ヒト血清PON1については、パラオキソン、酢酸フェニル、2−クマロン、ジヒドロクマリン、ホモゲンチジン酸ラクトン、γ−ブチロラクトンとその誘導体、α−アンゲリコラクトン、オキサビシクロオクテノン類、β−ヒドロキシブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のδ−ラクトン類、ε−カプロラクトン、γ−チオブチロラクトン、ホモシステインチオラクトン、N−アセチルホモシステインチオラクトン、プロピレンカーボネート、4−(1−プロペニルオキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン等、多くのラクトン及びチオラクトンを加水分解することが知られている(上記非特許文献3参照)。
The Journal of Biological Chemistry Vol. 275, No. 6, 3957-3962, 2000 The Journal of Biological Chemistry Vol. 275, No. 43, 33435-33442, 2000 Drug Metabolism and Disposition Vol. 28, No. 11, 1335-1342, 2000
上記背景において本発明は、HTL加水分解酵素活性測定において、放射性基質を用いることなく、安全でかつ操作が簡便であり、生体成分の影響を受けることのない測定方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題の達成に向けた研究において、以下に実施例の部で記載するように、生体試料、例えば血清・血漿試料を用いたHTLの加水分解は、その成分、特に血清アルブミンによる影響を受けることを見出し、HTLを基質として用いる測定法をヒト血清や体液成分のための一般の検査法として利用するのは困難であることを見出した。アルブミンのエステラーゼ活性に関する報告は多数あるが、否定的な報告として、コリンエステラーゼ活性測定におけるアルブミンの影響は、市販のアルブミンに不純物として含まれるコリンエステラーゼが原因というものがある(Pharmaceutical Research Vol. 18, No. 10, 1435-1439)。その文献を参考に検討した結果、HTL加水分解酵素活性測定におけるアルブミンの影響は、コリンエステラーゼの混入ではなく、アルブミンのエステラーゼ様活性によるものと判明した。アルブミンのエステラーゼ様活性の阻害に関して、遊離脂肪酸の添加、界面活性剤の添加等、様々な報告があるが、測定対象とする酵素や基質によってその効果が異なるというように、アルブミンのエステラーゼ様活性に高度に特異的な阻害剤ではない。このため、アルブミンのエステラーゼ様活性を特異的に阻害しようとすれば、阻害剤の検索等に多大な時間と労力を費やすこととなる。
また、HTLは中性付近の溶液では自己分解が速く、これを用いたHTL加水分解酵素活性測定においては、試薬ブランクが高くなり、精密さ並びに使用液の安定性に影響を及ぼし得るという問題があった。
本発明者は、血清等の生体試料中のホモシステインチオラクトン加水分解酵素の活性測定に伴う上記問題を解決するため研究を行った結果、HTL加水分解酵素活性測定において、γ−チオブチロラクトン(以下TBL)を基質として用いることで、上記課題を解決できることを見いだした。即ち、TBLを基質として用いるHTL加水分解酵素活性測定は、アルブミンの影響を受けないこと(実施例参照)、基質が安定であり測定時の試薬ブランクが低いこと(実施例参照)、使用液の保存期間が長いこと、TBLには光学異性体が存在しないため、特異性が一定であり且つ安価であること、という利点を見いだした。
しかしながら、同時に、HTL加水分解酵素活性測定において、HTLの代わりにTBLを基質として用いることで、コリンエステラーゼの影響を受けるようになること、即ち、コリンエステラーゼがTBLを加水分解することも見いだした(実施例参照)。更に、コリンエステラーゼの影響を回避するために複数のコリンエステラーゼ阻害剤を用いた検討により、本発明者は、コリンエステラーゼ阻害剤はコリンエステラーゼに特異的に作用し、HTL加水分解酵素に影響を及ぼさないことを見いだした(実施例参照)。加えて、コリンエステラーゼ阻害剤存在下で、TBLを基質として用いるHTL加水分解酵素活性と、HTLを基質として用いるHTL加水分解酵素活性とが、それらのカルシウム依存性活性において強く相関すること、即ち、TBLを基質として用いるHTL加水分解酵素活性測定法は、高度に特異的なHTL加水分解酵素活性測定法であることを見いだした。
こうして本発明は、TBLを基質として用い且つコリンエステラーゼ阻害剤存在下で反応を行わせることで、放射性基質を用いない安全且つ操作が簡便な、しかも生体成分(アルブミン)の影響を受けることのない、より精密でより特異的なHTL加水分解酵素活性測定ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、試料中のホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性の測定方法であって、コリンエステラーゼ阻害剤の存在下にγ−チオブチロラクトンと該試料とを混合して反応させ、生成する4−メルカプト酪酸を測定することによるものである方法を提供する。
更に本発明は、上記測定方法であって、2価の陽イオンの存在下に該反応を行うことを特徴とするものをも提供する。ここにおいて、2価の陽イオンとして、例えば、Ca2+、Ni2+及びFe2+を、例えば、0.1〜10mMの濃度で使用することができる。
上記測定方法において、コリンエステラーゼ阻害剤として、例えば、フィゾスチグミン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、4−ブロモベンゼンボロニックアシッド又はその塩等を使用することができる。ここにおいて、フィゾスチグミン又はその塩は例えば10μM〜10mM、ネオスチグミン又はその塩は例えば10μM〜10mM、4−ブロモベンゼンボロニックアシッド又はその塩は例えば10μM〜1mMで使用することができる。
本発明はまた、上記測定方法であって、生成する4−メルカプト酪酸をチオール基検出試薬により測定するものである方法をも提供する。ここにおいて、チオール検出試薬としては、例えば、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドロール、2,2’−ジチオジピリジン、4,4’−ジチオジピリジン、2,2’−ジチオビス(5−ニトロピリジン)又は6,6’−ジチオビスニコチン酸等を使用することができる。
本発明は更に、γ−チオブチロラクトンおよびコリンエステラーゼ阻害剤を含有してなる、ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性測定用試薬をも提供する。
上記試薬において、コリンエステラーゼ阻害剤としては、例えば、フィゾスチグミン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、4−ブロモベンゼンボロニックアシッド又はその塩等を使用することができる。また該試薬は、チオール基検出試薬を更に含有するものであってよい。チオール検出試薬としては、例えば、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドロール、2,2’−ジチオジピリジン、4,4’−ジチオジピリジン、2,2’−ジチオビス(5−ニトロピリジン)又は6,6’−ジチオビスニコチン酸等を使用することができる。
本発明はまた、上記試薬の何れかを含む、ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性測定用試薬キットをも提供する。そのようなキットは、例えば、γ−チオブチロラクトン及びコリンエステラーゼ阻害剤を個別に収容した容器を含んでなるもの、これに加えてチオール基検出試薬を個別に収容した容器を含んでなるもの、γ−チオブチロラクトンとコリンエステラーゼ阻害剤との、又は更にチオール基検出試薬との混合物を、複数の容器に又は複数の区分された領域を有する容器に収容してなるもの、γ−チオブチロラクトンとコリンエステラーゼ阻害剤とを、又は更にチオール基検出試薬を含浸させた試験片を含んでなるものであってよい。
上記構成になる本発明は、放射性基質を用いることなく、日常の検査に安全、迅速、特異的且つ簡便な、ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性測定手段を提供する。また本発明は、特に、血液、血漿、血清その他生体より採取した試料中のホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性の測定に有用性が高く、HTL加水分解酵素活性の変化に基づく疾患の診断、病状の進行が把握を可能にする。
(本発明の測定方法の特徴)
本発明のHTL加水分解酵素活性の測定方法の第1の特徴は、基質としてHTLの代わりにTBLを用い、これをHTL加水分解酵素含有試料と反応させ、HTL加水分解酵素により分解されて生じた4−メルカプト酪酸を測定することによって、HTL加水分解酵素活性を測定することにある。本発明の第2の特徴は、TBLと試料中のHTL加水分解酵素との反応をコリンエステラーゼ阻害剤の存在下に行うことにある。また本発明の第3の特徴は、反応により生じた4−メルカプト酪酸を、これにSH検出試薬を作用させることによってその呈色の変化に基づいて測定することにある。本発明によれば、放射性基質を用いることがないため、安全、迅速、特異的、簡便に測定することができる。
以下、HTL加水分解酵素活性の測定用試薬、その試薬を用いる測定方法、及びHTL加水分解酵素活性の測定用キットについて、順次説明する。
(HTL加水分解酵素活性測定用試薬)
本発明のHTL加水分解酵素活性測定用試薬は、HTL加水分解酵素の基質を含む。基質としてはTBLを使用する。基質は通常、液体の形態で提供される。基質は、反応溶液中の終濃度を5〜100mM、より好ましくは10〜50mMの範囲とすることができる濃度で提供される。
また、HTL加水分解酵素活性測定用試薬は、好適には、溶液の状態で提供される。HTL加水分解酵素の反応溶液のpHは約6〜9、好ましくはpH7〜8であり、HTL加水分解酵素活性測定用試薬は、目的とする試料の性質に応じて、反応液がこのpH範囲に入るように、必要なら緩衝剤を含有することができる。
本発明のHTL加水分解酵素活性測定用試薬において、HTL加水分解酵素の基質は、水、又はpH2〜9の緩衝液(例えば、HEPES緩衝液、クエン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液、MOPS緩衝液、PIPES緩衝液、グッド緩衝液等)に溶解することができる。
本発明のHTL加水分解酵素活性測定用試薬において、SH検出試薬は、pH2〜9の緩衝液(例えば、HEPES緩衝液、クエン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液、MOPS緩衝液、PIPES緩衝液、グッド緩衝液等)に溶解することができる。pHは、好ましくは6〜8である。
本発明のHTL加水分解酵素活性測定用試薬において、SH検出試薬は、SH基と反応して定量的に呈色の変化(可視部または紫外部)を生ずるものであればいずれでもよく、特に限定されない。例えば、DTNB(5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸))、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドロール、2,2’−ジチオジピリジン、4,4’−ジチオジピリジン、2,2’−ジチオビス(5−ニトロピリジン)、6,6’−ジチオビスニコチン酸等が使用できる。SH検出試薬は、反応溶液中の終濃度で0.1〜10mM、より好ましくは0.5〜2mMの範囲で使用することができる。
本発明のHTL加水分解酵素活性測定用試薬において、コリンエステラーゼの阻害剤は、コリンエステラーゼを特異的に阻害する化合物であればいずれでもよく、例えば、フィゾスチグミンやその塩(例:硫酸フィゾスチグミン)、ネオスチグミンやその塩(例:臭化ネオスチグミン)、4−ブロモベンゼンボロニックアシッドやその塩、テトラエチルピロホスフェイト、トリオルソクレシルホスフェイト、オクタメチルピロホスホールテトラミド、テトラモノイソプロピルピロホスホールテトラミド、ホスフォリンやその塩(例:ヨード化ホスフォリン)、エドロフォニウムやその塩(例:臭化エドロフォニウム)、エトプロパジンやその塩(例:塩酸エトプロパジン)、フルオスチグミン、テトラゾリンやその塩(例:塩酸テトラゾリン)、テトラゾロンやその塩(例:塩酸テトラゾロン)、グラミン、デゾキシペガニンやその塩(例:塩酸デゾキシペガニン)等が使用でき、好ましくは、フィゾスチグミンやその塩、ネオスチグミンやその塩、4−ブロモベンゼンボロニックアシッドやその塩を使用することができる。コリンエステラーゼ阻害剤の使用濃度は、試料中のコリンエステラーゼを有効に阻害できる濃度であればよく、適宜設定することができる。フィゾスチグミンやその塩又は臭化ネオスチグミンやその塩の場合、例えば10μM〜10mMとすることができ、20〜5mMとするのがより好ましい。4−ブロモベンゼンボロニックアシッドやその塩の場合は、例えば10μM〜1mMとすることができ、20μM〜100μMとするのがより好ましい。
HTL加水分解酵素活性は、Ni2+、Fe2+、Ca2+等の2価陽イオンの存在により活性が高まることが知られており(前記非特許文献1)、本発明のHTL加水分解酵素活性測定用試薬にも2価陽イオンを共存させることが好ましい。2価陽イオンとしては、Ni2+、Fe2+、Ca2+等が挙げられる。これらのうち特に好ましいのは、Ca2+である。2価陽イオンは反応溶液中の終濃度で0.1〜10mM、より好ましくは0.5〜5mMの範囲で使用することができる。
本発明のHTL加水分解酵素活性測定用試薬は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、胆汁酸塩並びに胆汁酸塩誘導体等が用いられるが、これらに限定されない。界面活性剤は1種のみ用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また同種の界面活性剤を2以上用いてもよい。
本発明の測定方法において、アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等)、アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸リチウム等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、4-n-オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、アルキルナフタレンスルホン酸塩(例えば、2-ナフタレンスルホン酸ナトリウム等)、アルキルスルホコハク酸塩(例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えば、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等)、アルキルリン酸塩(例えば、アルキルリン酸カリウム等)、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等)、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等)、アルキルスルホン酸塩(例えば、オクタンスルホン酸ナトリウム、ノナンスルホン酸ナトリウム、デカンスルホン酸ナトリウム、トリデカンスルホン酸ナトリウム等)、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(例えば、β-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等)、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルからなる群から選択された、少なくとも一つのアニオン性界面活性剤であることが好ましい。
本発明の測定方法において、非イオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等)、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル等、)、ポリオキシエチレン誘導体(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物等)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリラウレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンジステアレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジステアレート等)、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミドからなる群から選択された少なくとも一つの非イオン性界面活性剤が好ましい。
本発明の測定方法において、胆汁酸塩並びに胆汁酸塩誘導体としてはコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ケノデオキシコール酸ナトリウム、デヒドロコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、タウロリトコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、タウロケノデオキシコール酸ナトリウム、タウロウルソデオキシコール酸ナトリウム、タウロデヒドロコール酸ナトリウム、3−[(3−クロラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホン酸(CHAPS)、3−[(3−クロラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CHAPSO)、N,N−ビス(3−D−グルコナミドプロピル)コラミド(BIGCHAP)、N,N−ビス(3−D−グルコナミドプロピル)デオキシコラミド(デオキシ−BIGCHAP)から選択された少なくとも一つの胆汁酸塩並びに胆汁酸塩誘導体が好ましい。
さらに、本発明のHTL加水分解酵素活性測定用試薬には、上記の他に、緩衝剤、安定化剤、活性化剤、賦形剤、防腐剤等の酵素の活性測定に一般に用いられているものを含んでもよい。
(本発明によるHTL加水分解酵素活性の測定)
本発明において、コリンエステラーゼ阻害剤の存在下にHTL加水分解酵素によるTBLの加水分解で生じた4−メルカプト酪酸は、HPLCその他適宜の方法で測定することができる。それらのうち、本発明における好ましい一方法は、反応で生じた4−メルカプト酪酸に、SH基検出試薬を作用させることによってその呈色の変化を測定し、4−メルカプト酪酸の量を定性的あるいは定量的に測定する方法である。反応液中のSH基検出試薬の濃度は、SH基の検出に通常用いる適宜の濃度、例えば、0.1〜10mM、又は0.5〜5mMとすればよい。
HTL加水分解酵素活性を測定する試料としては、ヒト又は動物の血液、血清、尿もしくは羊水等の体液、そして、ヒト又は動物の細胞、臓器もしくは細胞及び臓器の抽出液等が用いられる。HTL加水分解酵素精製品及び血清等HTL加水分解酵素を含む被検試料は、pH6〜9の緩衝液(例えば、HEPES緩衝液、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、MOPS緩衝液、PIPES緩衝液、グッド緩衝液等)で適宜希釈して、20〜40℃に保持して、測定反応に使用する。これら緩衝液には、適切な塩濃度となるように、NaCl、KCl等を添加してもよい。
4−メルカプト酪酸と、SH基検出試薬の反応による呈色の変化の測定には、使用する試薬に適した波長の吸光度を測定すればよい。測定は、エンド法でもレート法でも行えるが、エンド法の場合には、基質のみ除いた測定試薬と試料とを反応させて、試料中に存在する蛋白質等に含まれる遊離SH基がSH基検出試薬と反応して呈色した吸光度を差し引いてHTL加水分解酵素活性を求める必要がある。レート法の場合には、呈色の変化が定量的に行われている時間内に吸光度の測定を行えば良い。また、HTL加水分解酵素活性の算出は、SH基検出試薬の呈色の分子吸光係数より算出するか、遊離のSH基を有する物質を標準物質としてその一定量の標準物質の呈色の吸光度を測定することにより算出して行う。
また、本発明によるHTL加水分解酵素活性測定は、用手法でも自動分析装置を用いても行うことができる。HTL加水分解酵素により生成した、遊離のSH基を有する4−メルカプト酪酸と、SH基検出試薬の反応による呈色の変化をこれにより測定する。例えば、SH基検出試薬としてDTNBを用いた場合、波長400〜500nmにおける吸光度変化を検出し、単位時間当たりの吸光度変化量を求める(いわゆるレートアッセイ法)ことで、精度良くHTL加水分解酵素活性を求めることができる。
具体的な測定方法を以下に述べる。まず、適切な緩衝液に溶解したSH基検出溶液〔例えば、SH基検出試薬、0.1mMの硫酸フィゾスチグミン、5mMのCaCl2を含む0.2MのMOPS緩衝液(pH7.2)〕と、基質溶液とを準備する。ヒトプール血清あるいはヒト血清の適量をSH基検出溶液と混合した後、これに基質溶液を加えて反応させる。反応温度は20〜40℃、好ましくは37℃である。基質溶液添加後、適切な時間(例えば、2分目から4分目にかけて)、吸光度を測定し、単位時間当たりの吸光度変化量を求め、SH検出試薬の分子吸光係数から、HTL加水分解酵素活性値を求めることができる。
また、レート法により自動測定する場合には、まず、上記SH基検出溶液、基質溶液を準備する。例えば、H−7170型自動分析装置(日立製作所)を用いて、測定のパラメーターに従って、測定する。ヒトプール血清あるいはヒト血清とSH基検出溶液とを混合し、一定時間後、基質溶液を混合して反応を開始する。このときの吸光度変化(タイムコース)をモニターし、反応開始後2分目から4分目にかけての単位時間(1分間)当たりの吸光度の変化量を求める。試料から得られる単位時間当たりの吸光度変の変化量(ΔES)と、試料の代わりに精製水を加えて得られた単位時間当たりの吸光度の変化量(ΔEB)、及び反応溶液、測定主波長におけるSH基検出試薬の分子吸光係数(ε1)並びに測定副波長におけるSH基検出試薬の分子吸光係数(ε2)から、下記式により、各試料のHTL加水分解酵素活性値を算出する。
Figure 2005304329

(HTL加水分解酵素活性測定キット)
本発明のHTL加水分解酵素活性測定キットは、基質、SH基検出試薬、2価陽イオン、コリンエステラーゼ阻害剤、必要に応じて、その他の添加剤が添加された上記HTL加水分解酵素活性測定用試薬を含む。キットは、例えば、TBL、コリンエステラーゼ阻害剤、SH基検出用試薬の各々、又はこれらの混合物よりなるHTL加水分解酵素活性測定用試薬を含むアンプル又はバイアルの形態や、HTL加水分解酵素活性測定用試薬がウェルに一定量注入された形態、あるいはHTL加水分解酵素活性測定用試薬を含む容器と測定用のウェルとを含む形態であり得る。これらの形態のキットに付属HTL加水分解酵素活性測定用試薬に血清試料等を添加することにより、HTL加水分解活性が測定される。
また、本発明のHTL加水分解酵素活性測定キットは、基質であるTBL、コリンエステラーゼ阻害剤、所望によりSH基検出試薬及び2価陽イオン、必要に応じて、その他の添加剤が添加された上記HTL加水分解酵素活性測定用試薬を含浸させたろ紙等の試験片であり得る。この場合、試薬溶液に浸漬後、乾燥した試験片を用いることが出来る。これを血清等に浸すことにより、定性的にHTL加水分解酵素活性が確認できる。またSH基検出試薬は、別に添付された容器から加水分解反応後の試験片に滴下するようにしたものであってもよい。これらの試験片タイプのキットによっても、比色表を用いておよその活性を知ることができる。従って、キットには、このような比較表も含むことができる。
さらに、本発明のキットは、基質と、SH基検出試薬を含有する溶液とがそれぞれ、独立した容器に充填され、使用に際して混合されるようにされていてもよい。この場合、基質は水、緩衝液あるいはアルコール(メタノール、エタノール等)、ジオキサン等の溶媒に溶解されていてもよく、基質を溶解するための溶液及び/又は溶媒が別途独立した容器に含まれてもよい。またSH基検出試薬も同様に、水、緩衝液あるいはアルコール(メタノール、エタノール等)、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン等の溶媒に溶解されていてもよく、SH基検出試薬を溶解するための溶液及び/又は溶媒が別途独立した容器に含まれてもよい。どのような形態を選択するかは、操作性、使用量等を考慮して適宜決定すればよい。なお本発明は、上記のとおり、TBLがアルブミンのエステラーゼ様活性の基質とはならず、コリンエステラーゼの基質になるという新たな知見によって完成したものであり、該知見は本発明の本質を形成する。従って、本発明におけるTBLの代わりに、アルブミンのエステラーゼ様活性の基質とはならずコリンエステラーゼの基質となるTBL類似の化合物を基質としてホモシステインチオラクトン加水分解酵素の活性を測定する方法も、本発明の均等の範囲に属するものと、本発明者は思料する。
以下、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではない。
(リポ蛋白画分の調製)
ヒト血漿(ヘパリン血漿)約240mlをKBrで比重d=1.063に調製し、遠心分離して、カイロミクロン、VLDL、及びLDLを含む画分を得た。残りの画分約200mlをKBrで比重d=1.21に調製し、遠心分離して、HDLを含む画分を得た。カイロミクロン、VLDL、及びLDLを含む画分、HDLを含む画分、並びにヒト血漿(ヘパリン血漿)を0.1mMのCaCl2を含む0.1MのHEPES緩衝液(pH7.6)で透析し、試料とした。
(ヒトアルブミン溶液の調製)
ヒトアルブミン(シグマ社製A−1887)、ヒトアルブミン(シグマ社製A−3782)、ヒトアルブミン(フルカ社製05418)、ヒトアルブミン(カルバイオケム社製126654)、ヒトアルブミン(シグマ社製A−1653)、を精製水に溶解し、5%ヒトアルブミン(以下、HSA)溶液を調製した。
(ヒトコリンエステラーゼ溶液の調製)
ヒトブチリルコリンエステラーゼ(ベーリンガ−社製348643)を2.0U/mLとなるように精製水で溶解し、調製した。
(血清の調製)
リピッドセーラムII(栄研化学社製)を3mLの精製水で溶解した。
デタミナー標準HDL−C・LDL−C測定用(協和メデックス社製)を1mLの精製水で溶解した。
ベネジェクトII真空採血管プレイン(テルモ社製)を用いて、ヒト血清5mLを得た。
(実施例1:HTLの加水分解に対する酵素活性の測定)
精製水並びに上記試料ついて、HTLに対する加水分解酵素活性を測定した。
以下の溶液、
試薬1(A):SH基検出溶液;0.5mMのCaCl2、1.0mMのDTNBを含む0.2MのMOPS緩衝液(pH7.8)
試薬1(B):SH基検出溶液;2mMのEDTA、1.0mMのDTNBを含む0.2MのMOPS緩衝液(pH7.8)
試薬1(C):SH基検出溶液;0.5mMのCaCl2、0.1mMの硫酸フィゾスチグミン、1.0mMのDTNBを含む0.2MのMOPS緩衝液(pH7.8)
試薬1(D):SH基検出溶液;0.5mMのCaCl2、0.1mMの臭化ネオスチグミン、1.0mMのDTNBを含む0.2MのMOPS緩衝液(pH7.8)
試薬2:基質溶液;125mMのDL−HTL(東京化成社製)を含む水溶液を調製した。
HTLに対する加水分解酵素活性の測定には、H−7170型自動分析装置(日立製作所)を使用した。測定時のパラメーターは、以下の通りである。
Figure 2005304329

上記パラメーターに従って、精製水並びに試料15ulと試薬1(A)又は1(B)又は1(C)又は1(D)200ulとを分注して混合し、一定の恒温時間(37℃、5分間)の後、試薬2を50ul添加、混合して、反応を開始した。このときの吸光度変化(タイムコース)を図1にならびに図2に示す。血清、血漿、アルブミン並びにHDLを含む画分と試薬1(A)又は1(C)又は1(D)の混合液に、試薬2を添加すると、HTLの加水分解により生成した、遊離のSH基を有するDL−ホモシステインとSH基検出試薬の反応に由来する、吸光度の上昇が確認された。
図2から明らかなように、カルシウムイオンがEDTAによりブロックされている場合、吸光度の上昇が抑制されている。このことは、HTLの加水分解反応に関し本酵素がカルシウムイオン依存性であることを示している。精製水を試料とした、いわゆる試薬ブランクは、基質添加時から経時的に吸光度の上昇が観察された。これは基質HTLの自己分解速度が速いこと、即ち基質HTLが反応溶液中で不安定であることを示している。
各試料のHTL加水分解酵素活性値は、基質(試薬2)添加後2分目から4分目にかけての単位時間(1分間)当たりの吸光度の変化量(ΔE)と5−チオ−2−ニトロ安息香酸の波長480nmにおける分子吸光係数ε=2509と波長546nmにおける分子吸光係数ε=78を用いて算出した。
Figure 2005304329

HTL加水分解酵素活性はHDL画分に局在していた。また、コリンエステラーゼ阻害剤存在下において、HTL加水分解酵素活性に変動がないこと、及び精製ヒトコリンエステラーゼによってHTLは加水分解されないことが確認された。さらに、基質HTLについてHSAが呈した加水分解活性は、カルシウム非依存性であることから、HSA自身によるものと考えられる。
(実施例2:TBLに対する加水分解酵素活性の測定)
上記試料並びに調製前血清ついて、TBLに対する加水分解酵素活性を測定した。
以下の溶液、
試薬1(A):SH基検出溶液;0.5mMのCaCl2、1.0mMのDTNBを含む0.2MのMOPS緩衝液(pH7.2)
試薬1(B):SH基検出溶液;2mMのEDTA、1.0mMのDTNBを含む0.2MのMOPS緩衝液(pH7.2)
試薬1(C):SH基検出溶液;0.5mMのCaCl2、0.1mMのフィゾスチグミン硫酸、1.0mMのDTNBを含む0.2MのMOPS緩衝液(pH7.2)
試薬1(D):SH基検出溶液;0.5mMのCaCl2、0.1mMの臭化ネオスチグミン、1.0mMのDTNBを含む0.2MのMOPS緩衝液(pH7.2)
試薬2:基質溶液;125mMのTBL(アルドリッチ社製)を含む水溶液を調製した。
TBLに対する加水分解酵素活性の測定には、H−7170型自動分析装置(日立製作所)を使用した。測定時のパラメーターは、以下の通りである。
Figure 2005304329

上記パラメーターに従って、試料15ulと試薬1(A)又は1(B)又は1(C)又は1(D)200ulとを分注して混合し、一定の恒温時間(37℃、5分間)の後、試薬2を50ul添加、混合して、反応を開始した。このときの吸光度変化(タイムコース)を図3にならびに図4に示す。血清、血漿、コリンエステラーゼ並びにHDLを含む画分と試薬1(A)の混合液に試薬2を添加すると、HTL加水分解酵素により生成した、遊離のSH基を有する4−メルカプト酪酸とSH基検出試薬の反応に由来する、吸光度の上昇が確認された。
図4から明らかなように、カルシウムイオンが存在しない場合、吸光度の上昇が抑制されている。このことは、TBLの加水分解反応に関し本酵素がカルシウムイオン依存性であることを示唆している。精製水を試料とした、いわゆる試薬ブランクは、基質添加時からの吸光度の上昇がほとんど観察されなかった。これは基質としたTBLの自己分解速度遅いこと、即ち基質TBLが反応溶液中で安定であることを示唆している。
TBLに対する各試料のHTL加水分解酵素の活性値は、基質(試薬2)添加後2分目から4分目にかけての単位時間(1分間)当たりの吸光度の変化量(ΔE)と5−チオ−2−ニトロ安息香酸の波長480nmにおける分子吸光係数ε=2509と波長546nmにおける分子吸光係数ε=78を用いて算出した。
Figure 2005304329

TBLに対する加水分解酵素活性はHDL画分に局在していた。また、コリンエステラーゼ阻害剤存在下において、TBLに対する加水分解酵素活性が大きく変動すること、精製ヒトコリンエステラーゼはTBLに対する加水分解酵素活性を有することから、TBLはコリンエステラーゼの基質となることが確認された。また、HSA5種類のなかでA−1653のみTBLに対する加水分解酵素活性が観察された。A−1653にみられるTBL加水分解酵素活性はコリンエステラーゼ阻害剤により消失することから、コリンエステラーゼの混入が原因と考えられた。
(実施例3:コリンエステラーゼ活性の測定)
上記試料並びに調製前血清ついて、コリンエステラーゼ活性を測定した。コリンエステラーゼ活性の測定には、ネスコートChE V−2(アズウェル社製)を用い、添付文章に従って操作を行った。
Figure 2005304329

ヒト血漿、ヒトコリンエステラーゼ、ヒト血清、HSA A−1653にコリンエステラーゼ活性が観察された。
カルシウム存在下におけるHTLに対する加水分解酵素活性(図においてHTLaseと記す)の測定結果(Y)とコリンエステラーゼ阻害剤不在下におけるTBLに対する加水分解酵素活性(図においてTBLase記す)の測定結果(X)との相関を図5に示した。回帰直線はY=0.33X−40.4、相関係数はR=0.949であった。
HTL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性(Y)(すなわち、カルシウムイオンにより増強される活性部分であり、目的とする正味のHTL加水分解活性に対応する部分である。)とコリンエステラーゼ阻害剤不在下におけるTBL加水分解酵素活性の測定結果(X)との相関を図6に示した。回帰直線はY=0.161X−4、相関係数はR=0.987であった。
HTL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性(Y)とTBL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性(X)との相関を図7に示した。回帰直線はY=0.182X+15.6、相関係数はR=0.997であった。
HTL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性(Y)とコリンエステラーゼ阻害剤存在下におけるTBL加水分解酵素活性の測定結果(X)との相関を図8に示した。回帰直線はY=0.177X+16.8、相関係数はR=0.997であった。
このように、コリンエステラーゼ阻害剤存在下におけるTBL加水分解酵素活性とHTL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性の相関関係は(図8)、TBL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性とHTL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性の相関関係(図7)と同等であることから、コリンエステラーゼ阻害剤存在下におけるTBL加水分解酵素活性は、正味のHTL加水分解酵素活性を強く反映している。
本発明のHTL加水分解酵素活性測定法によれば、放射性標識基質を用いることなく、試料中のHTL加水分解酵素活性を測定することが可能となるので、日常の検査に安全、迅速、簡便な測定方法として充分利用できる。また、本発明のHTL加水分解酵素活性測定法は、従来の方法より測定時間が短縮されること、自動分析装置に応用できる等の利点を有するため、従来の方法に比べて、より正確、かつ迅速な測定が可能であることから、疾患の検定、予後の経過を短時間で診断できるようになる。従って、本発明は、極めて有用性が高い、HTL加水分解酵素活性測定法を提供する。
試薬1(A)を用いた場合の、試料中のHTL加水分解酵素活性を測定した時のタイムコースを示した図である。 試薬1(A)、1(B)、1(C)、1(D)を用いた場合の、HDL画分中のHTL加水分解酵素活性を測定した時のタイムコースを示した図である。 試薬1(A)を用いた場合の、試料中のTBL加水分解酵素活性を測定した時のタイムコースを示した図である。 試薬1(A)、1(B)、1(C)、1(D)を用いた場合の、HDL画分中のTBL加水分解酵素活性を測定した時のタイムコースを示した図である。 カルシウム存在下におけるHTL加水分解酵素活性とコリンエステラーゼ阻害剤不在下におけるTBL加水分解酵素活性との相関を示した図である。 HTL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性とコリンエステラーゼ阻害剤不在下におけるTBL加水分解酵素活性との相関を示した図である。 HTL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性とTBL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性との相関を示した図である。 HTL加水分解酵素活性のカルシウム依存性活性とコリンエステラーゼ阻害剤存在下におけるTBL加水分解酵素活性(本発明の測定方法)との相関を示した図である

Claims (13)

  1. 試料中のホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性の測定方法であって、コリンエステラーゼ阻害剤の存在下にγ−チオブチロラクトンと該試料とを混合して反応させ、生成する4−メルカプト酪酸を測定することによるものである方法。
  2. 2価の陽イオンの存在下に該反応を行うことを特徴とする、請求項1の方法。
  3. 2価の陽イオンが、Ca2+、Ni2+及びFe2+よりなる群より選ばれるものである、請求項1又は2の方法。
  4. 2価の陽イオンの濃度が、0.1〜10mMである、請求項1ないし3の何れかの方法。
  5. コリンエステラーゼ阻害剤が、フィゾスチグミン及びその塩、ネオスチグミン及びその塩並びに4−ブロモベンゼンボロニックアシッド及びその塩よりなる群より選ばれるものである、請求項1ないし4の何れかの方法。
  6. フィゾスチグミン又はその塩の濃度が10μM〜10mM、ネオスチグミン又はその塩の濃度が10μM〜10mM、又は4−ブロモベンゼンボロニックアシッド又はその塩の濃度が10μM〜1mMである、請求項5の方法。
  7. 生成する4−メルカプト酪酸をチオール基検出試薬と反応させることにより測定するものである、請求項1ないし6の何れかの方法。
  8. チオール基検出試薬が、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドロール、2,2’−ジチオジピリジン、4,4’−ジチオジピリジン、2,2’−ジチオビス(5−ニトロピリジン)及び6,6’−ジチオビスニコチン酸よりなる群より選ばれるものである、請求項7の方法。
  9. γ−チオブチロラクトン及びコリンエステラーゼ阻害剤を含有してなる、ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性測定用試薬。
  10. チオール基検出試薬を更に含有するものである、請求項9の試薬。
  11. γ−チオブチロラクトン及びコリンエステラーゼ阻害剤を、又は更にチオール基検出試薬を、それぞれ個別に収容した容器を含んでなる、ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性測定用キット。
  12. γ−チオブチロラクトンとコリンエステラーゼ阻害剤との、又は更にチオール基検出試薬との混合物を、複数の個別の容器に又は複数の区画を有する容器に収容してなる、ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性測定用キット。
  13. γ−チオブチロラクトンとコリンエステラーゼ阻害剤とを、又は更にチオール基検出試薬とを含浸させた試験片を含んでなる、ホモシステインチオラクトン加水分解酵素活性測定用キット。
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