JP4861005B2 - リパーゼ活性測定用組成物および活性測定法 - Google Patents

リパーゼ活性測定用組成物および活性測定法 Download PDF

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Description

本発明は臨床検査薬分野における非膵臓由来リパーゼ(肝性リパーゼ、又はリポプロテインリパーゼ等)の活性測定用組成物および活性測定方法に関する。
肝性リパーゼ(以下、HTGLと略す)やリポプロテインリパーゼ(以下、LPLと略す)は、肝疾患の診断やリポプロテインの脂質代謝において重要な酵素である。これらのリパーゼは肝臓や各種臓器・血管壁の酸性糖タンパクに結合して存在して生体中で機能している。これらのリパーゼはヘパリンを静脈注射又は透析中のヘパリンの使用等により血中に出現するがその活性はかなり低い。
従来より血中のHTGLやLPL活性測定系において、その基質としてトリオレイン等のトリグリセリドが用いられてきた。該トリグリセリドはアラビアゴムやポリビニルアルコール等と強制撹拌させることにより緩衝液中に乳化分散したいわゆるエマルジョンの形態で使用されてきた。この基質を用いてリパーゼ活性を測定する際はリパーゼ反応により生成した脂肪酸をアルカリ滴定により定量することにより行われてきた。このリパーゼ基質からリパーゼ反応で遊離される脂肪酸を酵素法により測定する試みもなされてきたが、トリグリセリド基質はエマルジョンに起因する強い濁度のために酵素共役系を用いて分光学的方法により該リパーゼ活性を測定することは不可能であった。またエマルジョン基質は保存により相分離を起こしやすい欠点があり、再現性良く該リパーゼ活性を測定することは困難であった。特にHTGLやLPLは活性が低いために実務上は放射性化合物で標識したトリグリセリドが基質に用いられ、反応終了後リパーゼ反応で生成される遊離脂肪酸と基質であるトリグリセリドとを分離した後、遊離脂肪酸の放射活性を測定することでリパーゼ活性が測定されてきた(非特許文献1)が、放射性化合物の取り扱い操作には制約が多く日常の臨床検査には不向きであった。
こうしたトリグリセリド基質を用いる方法の課題解決を目的としてジグリセリドを基質に用いる方法が開発されてきている(特許文献1、特許文献2)。これらの特許文献にはリパーゼの基質としては主に1,2−ジグリセリドが使用されている。
また、前述のように血液検体中のHTGLやLPLの酵素活性を測定するのは困難であるため、近年モノクロナル抗体を用いて免疫学的手法によりリパーゼの蛋白量を測定する方法が臨床検査の分野で行われるようになってきているが(非特許文献2)、免疫学的手法はリパーゼの蛋白量を定量するものであり、リパーゼの機能としての酵素活性を表すものではないという欠点がある。こうした状況下、HTGLやLPLの酵素活性を正確、且つ高感度、さらに簡便に測定する技術開発が望まれていた。
さらにまた、LPLはHTGLよりさらに測定困難で、前記のジグリセリドを基質に用いる方法においても、LPLを感度よく正確に測定することはできなかった。
特開昭59−91898号公報 特開昭63−245672号公報 J.Clin.Invest, 1986,78巻、6号、1523〜1528ページ 臨床病理第52巻補冊/臨床化学第33巻補冊3号、2004年、220ページ
本発明は、簡便かつ正確にHTGL及びLPLの酵素活性を測定するための組成物を提供することを課題とする。さらには、簡便かつ正確なリパーゼ活性測定用試薬、リパーゼ活性測定用キット、及びリパーゼ活性測定方法を提供することも課題とする。具体的には臨床検査薬分野における従来の組成物よりも優れた感度及び簡便性を有する組成物を提供すること、及び該組成物を用いたリパーゼ活性測定方法を提供することを課題とする。また、本発明は、検体中、特に血液検体中のHTGLとLPLに高感度且つ特異性の高いリパーゼ活性測定用組成物、試薬、キットを提供すること、及び該組成物を用いた簡便且つ精度の高いリパーゼ活性の測定方法を提供することを課題とする。さらにまた、本発明は、検体中のHTGLとLPLとを分別して特異的に測定することができるリパーゼ活性測定方法を提供することも課題とする。
本発明者は、まずヒトへヘパリンを静脈注射した後採血し遠心分離を行い得られた血清をヘパリンセファロースカラムにかけて吸着させた。吸着されたHTGLとLPLを塩化ナトリウムの濃度を変化させてHTGL(0.8M塩化ナトリウム画分)とLPL(1.6M塩化ナトリウム)とに分離した。これらの酵素を非イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドを基質にしてリパーゼ活性を測定したところHTGLのみが良好に測定されたが、LPLは非イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドを基質にし、これに特異的な活性化作用を有するヒト血清由来のアポリポ蛋白CIIを添加した条件下でも全くリパーゼ活性を示さないことを見出した。すなわち非イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドにはたとえ活性化剤である血清またはアポリポ蛋白CIIを添加したとしてもLPL活性を感度良く活性測定することは不可能である。LPL活性を精度良く測定するという課題を解決するためにジグリセリドを溶解する界面活性剤に着目し鋭意検討した結果、ジグリセリドを陽イオン性残基と陰イオン性残基の両方の官能基をもつ両性界面活性剤に溶解した基質を用い特異的な活性化作用を有するアポリポ蛋白CII共存下でLPLの活性が良好に発現することを見出し、安定して正確なLPL活性を測定することできる本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のような構成から成る。
[1]少なくとも両イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドを基質として用いることを特徴とするリパーゼ活性測定用組成物。
[2]少なくとも両イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドを基質として用いアポリポ蛋白CIIを含有することを特徴とするリパーゼ活性測定用組成物。
[3]アポリポ蛋白CIIがヒトまたは動物血清由来である前記[2]記載のリパーゼ活性測定用組成物。
[4]アポリポ蛋白CIIがヒト又は動物血清由来のアルブミン、グロブリンを実質的に含有しないものである前記[2]記載のリパーゼ活性測定用組成物。
[5]両イオン性界面活性剤が酢酸ベタイン型である前記[1]又は[2]記載のリパーゼ活性測定用組成物
[6]少なくとも前記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物、モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、還元型NAD、ホスフォエノールピルビン酸、ピルビン酸キナーゼ、及びラクテートデヒドロゲナーゼを含有するリパーゼ活性測定用組成物。
[7]少なくとも前記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物、モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、酸化型NAD又は酸化型NADP、グルコース、ADP−ヘキソキナーゼ、及びグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを含有するリパーゼ活性測定用組成物。
[8]少なくとも前記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物、モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、グリセロ−3−リン酸オキシダーゼ、及びペルオキシダーゼと過酸化水素発色試薬を含有するリパーゼ活性測定用組成物。
[9]試薬1と試薬2との組合せキットとして用いる前記[14]〜[16]のいずれかに記載のリパーゼ活性測定用組成物。
[10]試薬1及び/又は試薬2が液状である、前記[9]記載のリパーゼ活性測定用組成物。
[11]モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、還元型NAD、ホスフォエノールピルビン酸、ピルビン酸キナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、及び緩衝液を含有する試薬1と、還元型NADと緩衝液を含有する試薬2とからなるリパーゼ活性測定用キットであって、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物を試薬1及び/又は試薬2に含有するリパーゼ活性測定用キット。
[12]モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、グルコース、ADP−ヘキソキナーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、及び緩衝剤を含有する試薬1と、酸化型NAD又は酸化型NADPと緩衝剤を含有する試薬2とからなるリパーゼ活性測定用キットであって、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物を試薬1及び/又は試薬2に含有するリパーゼ活性測定用キット。
[13]モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、グリセロ−3−リン酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、色原体、及び緩衝剤を含有する試薬1と、カップラーと緩衝剤とを含有する試薬2とからなるリパーゼ活性測定用キットであって、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物を試薬1及び/又は試薬2に含有するリパーゼ活性測定用キット。
[14]少なくとも両イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドを基質に用いてリパーゼ反応により生成されるモノグリセリドを酵素的に測定するリパーゼ活性測定方法。
[15]少なくとも両イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドを基質としアポリポ蛋白CIIを含有する試薬を用いてリパーゼ反応により生成されるモノグリセリドを酵素的に測定するリパーゼ活性測定方法。
[16]アポリポ蛋白CIIがヒト又は動物血清由来である前記[15]記載のリパーゼ活性測定方法。
[17]アポリポ蛋白CIIがヒト又は動物血清由来のアルブミン、グロブリンを実質的に含有しないものである前記[15]記載のリパーゼ活性測定方法。
[18]両イオン性界面活性剤が酢酸ベタイン型である前記[14]又は[15]記載のリパーゼ活性測定方法
[19]前記[6]に記載のリパーゼ活性測定用組成物を用いた、リパーゼ反応でジグリセリドから遊離されるモノグリセリドをモノグリセリドリパーゼの作用によりグリセロールに変換し、これをATP存在下にグリセロールキナーゼによりADPに変換し、次いでホスフォエノールピルビン酸存在下にピルビン酸キナーゼでピルビン酸に変換し、更に還元型NAD存在下にラクテートデヒドロゲナーゼを作用させ、還元型NADの340nm付近の波長における吸光度の減少速度を測定するリパーゼ活性測定方法。
[20]前記[7]に記載のリパーゼ活性測定用組成物を用いた、リパーゼ反応でジグリセリドから遊離されるモノグリセリドをモノグリセリドリパーゼの作用によりグリセロールに変換し、これをATP存在下にグリセロールキナーゼによりADPに変換し、次いでグルコース存在下にADP−へキソキナーゼでグルコース−6−リン酸に変換し、更に酸化型NAD又はNADP存在下にグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを作用させ、還元型NAD又は還元型NADPの340nm付近の波長における吸光度の増加速度を測定するリパーゼ活性測定方法。
[21]前記[8]に記載のリパーゼ活性測定用組成物を用いた、リパーゼ反応でジグリセリドから遊離されるモノグリセリドをモノグリセリドリパーゼの作用によりグリセロールに変換し、これをATP存在下にグリセロールキナーゼによりグリセロール−3−リン酸に変換し、次いでグリセロール−3−リン酸オキシダーゼを作用させ過酸化水素に変換し、更に過酸化水素発色色素存在下にペルオキシダーゼを作用させ発色反応を行い、540〜700nm付近の波長における吸光度の増加速度を測定するリパーゼ活性測定方法。
[22]アポリポ蛋白CIIと両イオン性界面活性剤を含有するリパーゼ活性測定試薬を用いて得られるリパーゼ活性値からアポリポ蛋白を含有せず両イオン性界面活性剤を含有するリパーゼ活性測定試薬を用いて得られるリパーゼ活性値を差し引いて算出することを特徴とするリポプロテインリパーゼの活性測定方法。
[23]アポリポ蛋白CIIと両イオン性界面活性剤を含有するリパーゼ活性測定試薬を用いて得られるリパーゼ活性値からアポリポ蛋白を含有せず非イオン性界面活性剤を含有するリパーゼ活性測定試薬を用いて得られるリパーゼ活性値を差し引いて算出することを特徴とするリポプロテインリパーゼの活性測定方法。
取り扱いが簡便であり再現性及び正確性に優れたリパーゼ活性測定試薬、リパーゼ活性測定用組成物を提供することが可能になる。また、再現性よく、正確性に優れたHTGLとLPLのリパーゼ活性を測定することが可能になる。さらに、本発明によると、特に測定困難であるLPLのリパーゼ活性を正確に測定することが可能になり、また、LPLを特異的に測定することも可能になる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のリパーゼ活性測定用組成物、リパーゼ活性測定試薬、リパーゼ活性測定用キット、及びリパーゼ活性測定方法はヘパリン投与後の活性の低い検体中のHTGLやLPL活性を正確且つ簡便に行うために有用である。
本発明のリパーゼ活性測定用組成物は、両性界面活性剤に溶解したジグリセリド基質を用いてLPLの活性を測定することを特徴とする。またリパーゼ特異性を高めるために反応液中にヒトあるいは動物血清由来のアポリポ蛋白CIIを含有することを特徴とする。
本発明のリパーゼ活性測定方法は、この基質にLPLあるいはHTGLが作用して遊離するモノグリセリドを酵素的に検出することを特徴とする。
本発明に用いることができるリパーゼの基質は、例えば、1,2−ジオレオルグリセリルコリン、1−パルミトイル−2−オレイルグリセリルコリン、卵黄由来精製レシチン、又は大豆由来精製レシチン等のリン脂質を予め調製し、これらのリン脂質にホスフォリパーゼCを作用して得ることができるが、レシチン等のリン脂質にホスフォリパーゼCを反応させることによって得られる1,2−ジグリセリドが好ましい例として挙げられる。また、該1,2−ジグリセリドを、非イオン界面活性剤存在下でアルカリ処理を施して一部1,3−ジグリセリドに変換させたジグリセリド(1、2−ジグリセリドと1,3−ジグリセリドの混合物)も本発明のリパーゼ反応の基質として用いることができる。
ジグリセリドを構成する高級脂肪酸残基としての脂肪酸としては炭素数12以上の高級脂肪酸であればよく、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和高級脂肪酸やパルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和高級脂肪酸が挙げられる。これらの高級脂肪酸は1種類だけでもよく2種類の異なる高級脂肪酸の組み合わせであってもよいが、不飽和高級脂肪酸を含有するジグリセリドが基質として調製した際の溶液の澄明度が高くより好ましい。特に好ましいジグリセリドとしては1,2−ジオレイルグリセロール、1−パルミトイル−2−オレイルグリセロールを挙げることができる。これらのジグリセリドを得るには1,2−ジオレオルグリセリルコリン、1−パルミトイル−2−オレイルグリセリルコリン、卵黄由来精製レシチン、大豆由来精製レシチン等のリン脂質を予め調製し、これらのリン脂質にホスフォリパーゼCを作用させて調製すればよい。
本発明に用いることができるHTGL活性測定用の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤や陽イオン性の基と陰イオン性の基を有する両イオン性界面活性剤を使用することができる。
本発明において、HTGL活性を測定するための非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(POE)高級アルコールエーテル、POE第2級アルコールエトキシレート、POEアルキルフェニルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル等から選択することができるが、溶解性、安定性の面でPOEアルキルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤が好ましい。POEアルキルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤としては、例えば、POEノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
HTGL活性を測定するための両イオン性界面活性剤としては、アシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]―2−ヒドロキシルー1−プロパンスルフォネートや3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]―1−プロパンスルフォネート(CHAPS)等を使用することができるが基質の溶解性、安定性の面からはアシルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましい。
非イオン性界面活性剤および両イオン性界面活性剤の使用濃度は、HTGL活性を最大に発現させ且つ阻害しない濃度範囲、具体的には、ジグリセリドに対して1.5倍モル比以上であればよい。基質溶解の点では2.5倍モル以上が好ましく、3倍モル以上がより好ましく、4倍モル以上がさらに好ましく、5倍モル以上が特に好ましい。実作業の観点からの具体的な下限値としては、0.08%(重量%)以上が好ましく、0.10%以上がより好ましく、0.15%以上がさらに好ましく、0.20%以上が特に好ましい。また、実作業の観点からの具体的な上限値としては、2%(重量%)以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.5%以下がさらに好ましく、0.3%以下が特に好ましい。好適な範囲の一例としては、0.15%〜2%、特に0.2〜0.3%が挙げられる。
本発明において、LPL活性を測定する際に非イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドは活性発現が極めて弱いために不都合である。両イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドがLPL活性測定用基質としては好ましい。
使用する両イオン性界面活性剤としては、アシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]―2−ヒドロキシルー1−プロパンスルフォネートや3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]―1−プロパンスルフォネート(CHAPS)等を使用することができるが基質の溶解性、安定性の面からはアシルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましい。
両イオン性界面活性剤の使用濃度は、LPL活性を最大に発現させ且つ阻害しない濃度範囲、具体的には、ジグリセリドに対して1.5倍モル比以上であればよい。基質溶解の点では2.5倍モル以上が好ましく、3倍モル以上がより好ましく、4倍モル以上がさらに好ましく、5倍モル以上が特に好ましい。実作業の観点からの具体的な下限値としては、0.08%(重量%)以上が好ましく、0.10%以上がより好ましく、0.15%以上がさらに好ましく、0.20%以上が特に好ましい。また、実作業の観点からの具体的な上限値としては、2%(重量%)以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.5%以下がさらに好ましく、0.3%以下が特に好ましい。好適な範囲の一例としては、0.15%〜2%、特に0.2〜0.3%が挙げられる。
ジグリセリドの両イオン性界面活性剤に対する溶解性を上げるために陰イオン性界面活性剤を添加してもよい。陰イオン性界面活性剤としてはコール酸塩、デオキシコール酸塩、N-アシルアミノ酸塩を使用することができるが特にN-アシルアミノ酸塩が特に好ましい。試薬に添加する濃度は0.1〜1%、好ましくは0.2〜0.6%特に好ましくは0.3〜0.5%である。
HTGL活性測定、LPL活性測定に用いる上記のジグリセリド濃度は0.1〜2mMの範囲で使用できるが、好ましくは0.2〜0.8mM特に好ましくは0.3〜0.7mMである。
LPL活性を測定する際には、特異的な活性化作用を有するアポリポ蛋白CIIを活性測定試薬中に添加した方がLPL活性を正確に測定することができる。このアポリポ蛋白CIIを含有するヒトあるいは動物の血清そのものも使用することができるが、後述するリパーゼ反応の生成物であるモノグリセリドを酵素反応を共役させる場合には検出系に悪影響を及ぼす場合があるためできるだけ精製したアポリポ蛋白を使用することが好ましい。血清中の蛋白成分としてはアルブミン、グロブリンが主成分であり少なくともこれらの蛋白とアポリポ蛋白CIIとを分離し、分離精製したアポリポ蛋白CIIを反応に供することが好ましい。
ジグリセリドを基質にした際のリパーゼ反応の生成物は、遊離脂肪酸とモノグリセリドである。遊離脂肪酸もしくはモノグリセリドを酵素反応を共役させて分光学的手法でこれらの生成速度を測定することによりリパーゼ活性を測定することができるが、遊離脂肪酸は血中に存在しており特にヘパリン静注後又は透析後の血清中では高濃度になる。このためモノグリセリドを酵素法により測定する方が好ましい。該モノグリセリドを定量する際は、関与する共役酵素を用いた酵素法を用いて測定するのが好ましい。
リパーゼ活性測定用試薬中に両イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドを添加し更にアポリポプロテインCIIを添加した反応液では検体中にHTGL、LPL両方が混在している場合両方の活性共に測定される。反応系にアポリポ蛋白CIIに添加しない場合においてはLPL活性は殆ど活性を発現しない。従ってアポリポ蛋白CIIを添加して調製した試薬で測定したリパーゼ活性からアポリポ蛋白CII無添加の試薬を用いて測定したリパーゼ活性を差し引くことによりLPL活性だけを測定することができる。もうひとつの方法は非イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドを使用した活性測定用試薬で特異的にHTGLを測定し上記のHTGL、LPL活性からHTGL活性を差し引いてもよい。
モノグリセリドを酵素法により定量する方法として下記反応式に示す3つの方法がある。
下記反応式中MGLPはモノグリセリドリパーゼ、GKはグリセロールキナーゼ、ATPはアデノシン−3−リン酸、ADPはアデノシン−2−リン酸、PEPはホスフォエノールピルビン酸、PKはピルビン酸キナーゼ、NADHは還元型βジホスフォピリジンヌクレオチド、NADは酸化型βジホスフォピリジンヌクレオチド、ADP−HKはADP依存性のヘキソキナーゼ、G6PDHはグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼである。GPOはグリセロ−3−リン酸オキシダーゼ、PODはペルオキシダーゼ、4−AAは4−アミノアンチピリン、TOOSはエチル−N−(2−ヒドロオキシ−3−スルフォプロピル)−m−トルイジンナトリウムである。
Figure 0004861005
Figure 0004861005
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まず反応式1の場合について述べる。
本発明で用いるモノグリセリドリパーゼとしては、ジグリセリドに作用せずモノグリセリドに特異的に作用する酵素であれば特に起源は問わないが、安定供給の点で微生物由来酵素が好ましい。中でもバチルス属由来酵素が好ましい。リパーゼ反応における共役酵素として使用する濃度の下限値としては、0.5U/ml以上が好ましく、0.6U/ml以上がより好ましく、0.7U/ml以上がさらに好ましく、0.72U/ml以上が特に好ましく、0.74U/ml以上が大変に好ましい。上限値としては、5U/ml程度あれば充分であり、3U/ml以下が好ましく、1.13U/ml以下がより好ましく、1U/ml以下がさらに好ましく、0.8U/ml以下が特に好ましく、0.78U/ml以下が大変に好ましく、0.76U/ml以下が特に大変に好ましい。最も好ましいのは0.75U/ml付近である。
本発明で用いるグリセロキナーゼは特にその起源は問わないが安定性に優れた酵素の使用が好ましい。中でもフラボバクテリウム属由来酵素が好ましい。膵臓由来リパーゼ反応における共役酵素として使用する濃度は、下限値としては0.1U/ml以上が好ましく、0.15U/ml以上がより好ましく、0.18U/ml以上がさらに好ましく、0.2U/ml以上が特に好ましい。また、上限値としては2U/ml程度あれば充分であり、1U/ml以下が好ましく、0.5U/ml以下がより好ましく、0.3U/ml以下がさらに好ましく、0.22U/ml以下が特に好ましい。最も好ましいのは0.2U/ml付近である。
本発明で用いるピルビン酸キナーゼは、臨床検査試薬の原料として汎用される動物筋肉由来酵素を使用することができる。膵臓由来リパーゼ反応における共役酵素としてのピルビン酸キナーゼは0.5〜10U/ml程度あればよく、1〜2U/mlの範囲が好ましく、0.8〜1.2U/mlの範囲が特に好ましい。最も好ましいのは1U/ml付近である。ピルビン酸キナーゼの基質である、本発明で用いるホスフォエノールピルビン酸は0.3〜2mMの範囲、好ましくは0.3〜0.4mM、或いは0.48〜0.52mMで使用することができるが好ましくは0.5mM付近である。
本発明で用いるラクテートデヒドロゲナーゼは、その起源は特に問わないが安定性に優れたトリ心臓由来酵素の使用がより好ましい。膵臓由来リパーゼ反応における共役酵素としての本酵素は0.15〜1.5U/ml程度あればよく、好ましくは0.3〜0.4U/ml、或いは0.28〜0.32U/mlの範囲が挙げられる。好ましくは0.3U/ml付近である。
ラクテートデヒドロゲナーゼの基質である、本発明で用いる還元型NADは0.2〜0.4 mMの範囲が好ましく、0.2〜0.35mMの範囲がさらに好ましく、0.28〜0.32mMの範囲が特に好ましい。好ましくは0.3mM付近である。0.3〜0.4 mMの範囲が好ましい態様もある。
グリセロキナーゼおよびピルビン酸キナーゼの活性化剤であるマグネシウムイオンを、本発明の組成物にさらに添加した組成物も大変に好ましい。該マグネシウムイオンは1.5〜4mMの範囲、好ましくは1.8〜2.2mMの範囲で使用することができるが、特に好ましくは2mM付近である。マグネシウムイオンは塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム等の塩を使用することができるが中でも硫酸マグネシウムが特に好ましい。
リパーゼ反応のpHを一定に保つために緩衝液を使用することは大変に好ましい。HTGL、LPL共に活性の最適pHは7.7〜8.3であり、このpH範囲に緩衝能のある緩衝液、例えばトリス−塩酸、POPSO、HEPPSO,EPPS,Tricine、Bicine、TAPS,CHES等のグッドの緩衝液を使用することができるが、中でも、試薬ブランクが低いTricine、Bicineがより好ましく、トリスー塩酸緩衝液が特に好ましい。使用する濃度の下限値としては、50mM以上が好ましく、100mM以上がより好ましく、150mM以上が更に好ましく、180mM以上が特に好ましい。また上限値としては、500mM以下が好ましく、300mM以下がより好ましく、250mM以下が更に好ましく、220mM以下が特に好ましい。200mM付近が最も好ましい。
次に反応式2について述べる。
反応式2を用いるリパーゼの測定試薬組成の中で緩衝液、モノグリセリドリパーゼ、グリセロールキナーゼおよびATPは前記反応式1の内容と同一である。グリセロールキナーゼの生成物のひとつであるADPはグルコース存在下ADP依存性へキソキナーゼ(ADP-HK)によりグルコース−6−リン酸に変換できる。
ADP-HKは特にその起源は問わないが、安定供給の点で微生物由来が好ましい。中でも保存安定性に優れたパイロコッカス属やサーモコッカス属等の高度好温菌由来酵素が特に好ましい。
ADP-HKの基質であるグルコースは2〜50mMの範囲で使用することができるが中でも10〜30mM特に15〜25mMが特に好ましい。リパーゼ反応の共役酵素としての本酵素の濃度は0.2〜3U/mlの範囲で使用できるが0.4〜1U/mlが特に好ましい。
本酵素の生成物であるグルコース−6−リン酸は酸化型NADまたはNADP存在下でグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼによって還元型NADまたはNADPに変換できる。グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼは特にその起源は問わないが安定供給の点で微生物由来酵素が好ましい。なかでもロイコノストック属由来酵素が特に好ましい。リパーゼ反応の共役酵素としての本酵素の濃度は0.2〜3U/mlの範囲で使用できるが0.4〜1U/mlが特に好ましい。
次に反応式3について述べる。
反応式3を用いるリパーゼの測定試薬組成の中で緩衝液、モノグリセリドリパーゼ、グリセロールキナーゼおよびATPは前記反応式1の内容と同一である。グリセロールキナーゼの生成物のひとつであるグリセロール−3−リン酸はこれを特異的に酸化するグリセロ−3−リン酸オキシダーゼにより過酸化水素に変換することができる。
グリセロ−3−リン酸オキシダーゼは特にその起源は問わないが、安定供給の点で微生物由来が好ましい。中でも乳酸菌由来酵素が特に好ましい。膵臓由来リパーゼ反応の共役酵素としての本酵素の濃度は2〜50U/mlの範囲で使用できるが5〜20U/mlが特に好ましい。
グリセロ−3−リン酸オキシダーゼ反応で生成される過酸化水素はペルオキシダーゼとトリンダー試薬の色原体とカップラーとの酸化縮合により色素を生成する。
トリンダー型試薬の色原体としては、フェノール誘導体、アニリン誘導体、トルイジン誘導体等が使用可能であり、具体例としてN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、2,4−ジクロロフェノール、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAOS)、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメチルアニリン(MAPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン(TOOS)、N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン(ADPS)、N−エチル−N−スルホプロピルアニリン(ALPS)、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン(DAPS)、N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン(HDAPS )、N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン(TOPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニシジン(ADOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン(ALOS)、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(HDAOS)、N−スルホプロピル−アニリン(HALPS)(以上同人化学研究所社製)等が挙げられる。
膵臓由来リパーゼ活性測定試薬中での濃度は0.02〜0.5%の範囲で使用することができるが0.05〜0.1%の範囲が特に好ましい。
カップラーとしては4−アミノアンチピリン若しくは3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)等のカップラーを使用することができる。膵臓由来リパーゼ活性測定試薬中での濃度は0.02〜0.5%の範囲で使用することができるが0.05〜0.1%の範囲が特に好ましい。
また過酸化水素はパーオキシダーゼ存在下ロイコ型試薬を用いて発色することができる。この試薬の具体例としては、o−ジアニシジン、o−トリジン、3,3−ジアミノベンジジン、3,3,5,5−テトラメチルベンジジン;以上同人化学研究所社製、N-(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4−ビス(ジメチルアミノ)ビフェニルアミン(DA64)、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン(DA67);以上和光純薬社製等が挙げられる。
本発明で使用するペルオキシダーゼはその起源は特に問わないが、既に安定供給されている西洋わさび大根由来の酵素が特に好ましい。リパーゼ反応の共役酵素としては2〜50U/mlの範囲で使用できるが5〜20U/mlが特に好ましい。
また過酸化水素は蛍光法、化学発光を利用した分析法、アルコールから生じたアルデヒドを定量する方法、又は電極法でも定量することができる。蛍光法には、酸化によって蛍光を発する化合物、例えばホモバニリン酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、チラミン、パラクレゾール、ジアセチルフルオレスシン誘導体等を、化学発光法には、触媒としてルミノール、ルシゲニン、イソルミノール、ピロガロール等を用いることが出来る。カタラーゼ等を用いてアルコールからアルデヒドを生成せしめて、生じたアルデヒドを定量する方法としては、ハンチ反応を用いる方法や、MBTHとの縮合反応により発色させる方法、若しくはアルデヒドデヒドロゲナーゼを用いる方法等が挙げられる。
また過酸化水素を電極を用いて測定する場合、電極には、過酸化水素との間で電子を授受する事の出来る材料である限り特に制限されないが、例えば白金、金若しくは銀等が挙げられ電極測定方法としてはアンペロメトリー、ポテンショメトリー、クーロメトリー等の、公知の方法を用いることが出来、さらにオキシダーゼまたは基質と電極との間の反応に電子伝達体を介在させ、得られる酸化、還元電流或いはその電気量を測定しても良い。電子伝達体としては電子伝達機能を有する任意の物質が使用可能であり、例えばフェロセン誘導体、キノン誘導体等の物質が挙げられる。またオキシダーゼ反応により生成する過酸化水素と電極の間に電子伝達体を介在させ得られる酸化、還元電流またはその電気量を測定しても良い。
本発明のリパーゼ活性測定用組成物は、全てを含有する1つの試薬として用いてもよいが、試薬1(R1)と試薬2(R2)の2つに分けて使用することが好ましい。
その場合、両イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリド、あるいは両イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリドとアポリポ蛋白CIIとは、試薬1に加えること、試薬2に加えること、試薬1と試薬2との両方に加えることが可能であるが、試薬1あるいは試薬2の何れか一方に加える方が経済上好ましい。
反応式3の場合、R1としては、例えば、ATP、パーオキシダーゼ、TODB、グリセロキナーゼ、グリセロリン酸オキシダーゼ、非イオン性界面活性剤あるいは両イオン性界面活性剤に溶解したジグリセリド、マグネシウムイオンなどを含有する試薬が好ましく、さらにカルシウムイオン、アンモニウムイオン、グッドのpH緩衝液等を含有してもよい。R2としては、例えばpH緩衝液、4アミノアンチピリン、アポリポ蛋白CIIなどを含有させる。R1,R2共に必要に応じて防腐剤や酵素の安定化剤などを含有させてもいい。
血清等の生体成分中には遊離のグリセロールが存在することがあり正誤差を生じる危険性が考えられるため検体中の遊離のグリセロールを消去することが好ましい。消去する方法は反応式1、2と反応式3とでは異なる。
反応式1、2を利用する場合R1に遊離のグリセロールを消去する目的でグリセロールに作用する酸化酵素(グリセロールオキシダーゼ)を添加し遊離のグリセロールをアルデヒドに変換することで遊離のグリセロールの影響を回避することができる。この際にはグリセロールキナーゼ、ATPのどちらかまたは両方をR2に添加すればよい。該グリセロールオキシダーゼとしては、アスペルギルス属、ノイロスポラ属、ペニシリウム属由来のグリセロールオキシダーゼ等の公知のグリセロールオキシダーゼを使用することができる(アグリカルチャル・バイオロジカル・ケミストリー 44巻、2号、399〜406頁、1980年を参照)。
反応式3を利用する場合のグリセロールは、グリセロキナーゼ、グリセロ−3−リン酸オキシダーゼ、カタラーゼあるいはパーオキシダーゼとフェノール誘導体、アニリン誘導体、トルイジン誘導体等のトリンダー試薬の色原体とを含有する試薬1(R1)に被験液を添加し予め加温することでこの成分を消去することができる。トリンダー型試薬の色原体としては、反応式3で説明した色原体が挙げられる。
試薬2(R2)は4アミノアンチピリン若しくは3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)等のカップラーからなる成分で構成される。R1とR2が混合されると同時にグリセロ−3−リン酸オキシダーゼ反応で生成される過酸化水素はトリンダー試薬の色原体とカップラーとの酸化縮合により色素を生成する。この色素の吸光度を分光学的に測定することができる。
反応式1、2および反応式3を使用してリパーゼ活性測定試薬を調製する際には必要に応じて酵素の安定化剤、例えばシュクロース、マンニトール、ソルビトール、マルトース、ラクトース、サイクロデキストリン、トレハロース等の糖類、EDTA等のキレート剤を適宜添加してもよい。添加する糖類の濃度は1〜20%の範囲で使用できるが好ましくは3〜15%特に好ましくは4〜8%である。キレート剤を使用する場合にはその濃度範囲は0.02mM〜1mMであり、好ましくは0.05mM〜0.5mM、特に好ましくは0.1〜0.3mMである。更に各種の防腐剤、例えばアジ化ナトリウムの0.01〜10%、好適には0.05〜1%を適宜添加してもよい。
さらに必要に応じて、3つ以上の試薬に分割して使用することも可能である。
また、これらのリパーゼ活性測定方法は、正確さや再現性に優れている。具体的には、反応式1の場合にはリパーゼ反応でジグリセリドから遊離されるモノグリセリドをモノグリセリドリパーゼの作用によりグリセロールに変換し、これをATP存在下にグリセロールキナーゼによりADPに変換し、次いでホスフォエノールピルビン酸存在下にピルビン酸キナーゼでピルビン酸に変換し、更に還元型NAD存在下にラクテートデヒドロゲナーゼを作用させ還元型NADの吸光度の減少速度を測定する、リパーゼ活性の測定方法である。
還元型NADの吸光度を測定する際の波長としては、試料中の膵臓由来リパーゼ活性を正確に測定できる波長であれば何を用いてもよい(ある1波長でもよいし、ある範囲の波長の積算でもよい)が、例えば、300〜400nmから選択することが好ましく、320〜360nmから選択することがより好ましく、330〜350nmから選択することがさらに好ましく、340nm付近を選択することが大変に好ましい。340nm付近とは例えば、340nmに設定し、その誤差範囲が10nm以下であることが好適な例として挙げられ、その誤差範囲が5nm以下であることがより好適な例として挙げられ、その誤差範囲が3nm以下であることがさらに好適な例として挙げられ、その誤差範囲が1nm以下であることが大変に好適な例として挙げられる。
反応式2の場合にはリパーゼ反応でジグリセリドから遊離されるモノグリセリドをモノグリセリドリパーゼの作用によりグリセロールに変換し、これをATP存在下にグリセロールキナーゼによりADPに変換し、次いでグルコース存在下にADP依存性へキソキナーゼでグルコース−6−リン酸に変換し、更に酸化型NADまたは酸化型NADP存在下にグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを作用させ還元型NADまたは還元型NADPの吸光度の増加速度を測定する、リパーゼ活性の測定方法である。
還元型NADの吸光度を測定する際の波長としては、試料中の膵臓由来リパーゼ活性を正確に測定できる波長であれば何を用いてもよい(ある1波長でもよいし、ある範囲の波長の積算でもよい)が、例えば、300〜400nmから選択することが好ましく、320〜360nmから選択することがより好ましく、330〜350nmから選択することがさらに好ましく、340nm付近を選択することが大変に好ましい。340nm付近とは例えば、340nmに設定し、その誤差範囲が10nm以下であることが好適な例として挙げられ、その誤差範囲が5nm以下であることがより好適な例として挙げられ、その誤差範囲が3nm以下であることがさらに好適な例として挙げられ、その誤差範囲が1nm以下であることが大変に好適な例として挙げられる。
反応式3の場合にはリパーゼ反応でジグリセリドから遊離されるモノグリセリドをモノグリセリドリパーゼの作用によりグリセロールに変換し、次いでこれをATP存在下にグリセロールキナーゼによりグリセロール−3−リン酸に変換し、次いで生成される過酸化水素をペルオキシダーゼとトリンダー試薬、カップラー試薬とにより可視部の波長をもつキノン色素に変換できる。波長は使用するトリンダー試薬によって異なるが540〜700nm付近の波長を選択すればよい。生成される色素の増加速度をレート法によって測定してもよく、または一定時間反応を行った後ラウリル硫酸ナトリウムのような酵素変性剤で反応を停止した後540〜700nm付近の波長でその吸光度を測定してもよい。
[実施例]
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。
HTGL、LPLの分離精製
5mlのヘパリンセファロースカラムを準備し、精製水で十分洗浄を行った。ヘパリンナトリウム溶液(1000単位/ml)をヒト体重Kgあたり30単位を静脈注射し15分後採血した血液を遠心分離(3000回転、10分)した血漿10mlに0.3Mになるよう塩化ナトリウム粉末を添加溶解した。本血漿を上記のカラムに通し酵素を吸着させた。
0.3M塩化ナトリウム液でカラムを洗浄した後、0.8M塩化ナトリウムを含む10mMPIPES-NaOH緩衝液(pH7.0)でHTGLを溶出した。次いで1.6M塩化ナトリウムを含む10mMPIPES-NaOH緩衝液(pH7.0)でLPLを溶出した。各画分を分子量30Kの限外濾過膜を用いて酵素を濃縮し、以下に示す試験に供した。
HTGL、LPL活性に及ぼす界面活性剤の影響
実施例1で得たHTGL画分とLPL画分を用い、ジグリセリドを溶解する界面活性剤の種類(表1記載)を変えて実施例3に示したリパーゼ活性測定用組成の試薬(LPL活性を測定する際にはブタ血清由来の精製アポリポ蛋白CIIを添加)を用いてリパーゼ活性を測定した結果を表1に示した。HTGL、LPL活性共に界面活性剤としてCHAPSを用いたときの活性を100%として各々相対活性で表したものであるが、この結果からわかるようにHTGLは非イオン性界面活性剤または両イオン性界面活性剤に溶解した基質を用いても同じリパーゼ活性を示したが、LPL活性は非イオン性界面活性剤を使用した反応液組成では全く活性が発現しなかった。LPL活性は両イオン性界面活性剤を使用したときに活性を発現した。
Figure 0004861005
HTGL活性測定用試薬の調製方法およびHTGL活性測定方法
[実施例3−1]HTGL、LPL活性測定用基質ジグリセリドの調製
ジオレイルレシチン(日本精化社製)1.5gを10mlのクロロホルムに溶解した。400UnitのホスフォリパーゼC(旭化成ファーマ社製)を溶解した5mlの0.5M PIPES−NaOH緩衝液(pH7.5)を加え37℃で攪拌しながら加水分解反応を行った。2時間後、溶媒層と水層とを分離し溶媒層を集め、予めクロロホルムに懸濁して調製した湿式のシリカゲルカラム(3ml)にチャージし、クロロホルムで展開して、標題のジグリセリド画分を得た。
[実施例3−2]HTGL活性測定用基質溶液の調製
実施例3−1で得たジグリセリドのクロロホルム溶液を一定量とり、減圧下で溶媒を完全に溜去した。3.5mMのジオレインになるように2.5mMのMES-NaOH緩衝液、pH5.5を含有した3%POE−ノニルフェニルエーテルまたは2.5mMのMES-NaOH緩衝液、pH5.5を含有した1.8%ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインを加え、37℃で1時間加温しながら攪拌して標題の基質溶液を得た。本基質溶液は冷蔵(約4℃)で保存した。
[実施例3−3]反応式1を共役酵素系とした例
(1)HTGL活性測定用組成物の調製
標題のHTGL活性測定用組成物として、試薬1(R1)と試薬2(R2)からなる試薬を調製した。
1)試薬1(R1)の調製
100mM トリスー塩酸緩衝液(pH8.6)、前記3−2に示したHTGL活性測定用基質(0.3mM)、3mM硫酸マグネシウム、アデノシン−3−リン酸3mM、モノグリセリドリパーゼ(旭化成ファーマ社製)1125U/L、グリセロールキナーゼ(旭化成ファーマ社製)300U/L、ADP
アデノシン−3−リン酸3mM、ホスフォエノールピルビン酸1.5mM、ピルビン酸キナーゼ(オリエンタル酵母社製)3000U/L、ラクテートデヒドロゲナーゼ(オリエンタル酵母社製)600U/Lから構成される試薬を調製した。
2)試薬2(R2)の調製
10mM トリスー塩酸緩衝液(pH8.6)、1mM還元型NADで構成される試薬を調製した。
(2)HTGL活性測定
(1)に示した組成の試薬1(R1)800マイクロリットルに実施例1で得たHTGL検体30マイクロリットルを加え37℃で5分経過した後、2)に記載した試薬2(R2)400マイクロリットルを添加し37℃で反応を行い340nmにおける吸光度(Abs)の減少を連続的に測定した。
R2添加後3分から5分の吸光度減少量から次式によりHTGL活性を求めた結果、158U/Lであった。
HTGL活性(U/L)=340nmにおける1分間あたりの吸光度変化x1/6.3x1230/30x1000
[実施例3−4]反応式2を共役酵素系とした例
(1)HTGL活性測定用組成物の調製
標題のHTGL活性測定用組成物として、試薬1(R1)と試薬2(R2)からなる試薬を調製した。
1)試薬1(R1)の調製
100mM トリスー塩酸緩衝液(pH8.6)、前記3−2に示したHTGL活性測定用基質(0.3mM)、3mM硫酸マグネシウム、アデノシン−3−リン酸3mM、グルコース3mM、モノグリセリドリパーゼ(旭化成ファーマ社製)1125U/L、グリセロールキナーゼ(旭化成ファーマ社製)300U/L、ADP依存性ヘキソキナーゼ(旭化成ファーマ社製)300U/L、グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ300U/L(東洋紡社製)、から構成される試薬を調製した。
2)試薬2(R2)の調製
10mM トリスー塩酸緩衝液(pH7.2)、1mM酸化型NADPで構成される試薬を調製した。
(2)HTGL活性測定
1)に示した組成の試薬1(R1)800マイクロリットルに実施例1で得たHTGL検体30マイクロリットルを加え37℃で5分経過した後、2)に記載した試薬2(R2)400マイクロリットルを添加し37℃で反応を行い340nmにおける吸光度(Abs)の増加を連続的に測定した。
R2添加後3分から5分の吸光度増加量から次式によりHTGL活性を求めた結果、156U/Lであった。
HTGL活性(U/L)=340nmにおける1分間あたりの吸光度変化x1/6.3x1230/30x1000
[実施例3−5]反応式3を共役酵素系とした例
(1)LPL活性測定用組成物の調製
標題のLPL活性測定用組成物として、試薬1(R1)と試薬2(R2)からなる試薬を調製した。
1)試薬1(R1)の調製
100mM トリスー塩酸緩衝液(pH8.6),3.5mMのジオレインになるように2.5mMのMES-NaOH緩衝液、pH5.5を含有した1.8%ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインを加え、37℃で1時間加温しながら攪拌して調製した基質、3mM硫酸マグネシウム、アデノシン−3−リン酸3mM、モノグリセリドリパーゼ(旭化成ファーマ社製)1125U/L、グリセロールキナーゼ(旭化成ファーマ社製)300U/L、グリセロリン酸オキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)15U/ml、ペルオキシダーゼ(シグマ社)1500U/L、0.2%TOOSから構成される試薬を調製した。
2)試薬2(R2)の調製
10mM トリス塩酸緩衝液(pH8.6)、0.1mg/mlのヒト血清由来の精製したアポリポ蛋白CII、0.2%4−アミノアンチピリンで構成される試薬を調製した。
(2)LPL活性測定
前記3)に示した組成の試薬1(R1)800マイクロリットルに実施例1で得たLPL検体50マイクロリットルを加え、37℃で3分間反応を行った後、前記4)に記載した組成の試薬2(R2)400マイクロリットルを添加し37℃で正確に5分間発色反応を行い0.5%SDS(ラウリル硫酸ナトリウム)500マイクロリットルを添加し反応を止めた後、550nmにおける吸光度を測定した結果、86U/Lであった。活性は次の計算式により算出した。
LPL活性(U/L)=550nmにおける1分間あたりの吸光度変化x1/16.5x1750/50x1000
アポリポ蛋白CIIの製造方法
ブタの血清50mlにエチルアルコール150mlをゆっくり攪拌しながら添加した。血清中のアルブミン、グロブリン等の蛋白成分は沈殿した。遠心分離(3000回転、10分間)して生じた沈殿物は除去し、上清液145mlを得た。この溶液に430mlのアセトンを加え生じた沈殿物を3000回転、10分間遠心分離して回収し、これに15mlの精製水を加えて溶解した。4℃で5mMトリスー塩酸緩衝液(pH7.2)500mlに対して透析を行いアポリポ蛋白CIIを含有する溶液を得た。この溶液をマイナス20℃に保存し、実施例3に記載したLPL活性測定用組成物の原料に供した。
HTGLとLPLの分別活性測定方法
実施例3―4に示したHTGL活性測定用試薬(アポリポ蛋白CII無添加の反応試薬を使用)、及び実施例3−4に示したHTGL活性測定用試薬の試薬2に実施例4で製造したアポリポ蛋白CIIを添加してLPL活性測定用試薬を用いて実施例1に記載したヘパリン投与後の血清検体を用いてHTGLとLPL活性を測定した。具体的にはR1800マイクロリットルに実施例1で得たHTGL検体30マイクロリットルを加え37℃で5分経過した後、R2 400マイクロリットルを添加し37℃で反応を行い340nmにおける吸光度(Abs)の増加を連続的に測定した。
R2添加後3分から5分の吸光度増加量から次式によりHTGL活性を求めた。
アポCII添加した反応液を使用したときのリパーゼ活性は252U/L、アポCII無添加の反応液を使用したときのHTGL活性は165U/Lであった。活性値の差はLPL活性であり87U/Lであった。
本発明のリパーゼ活性測定用組成物は、正確なリパーゼ活性を測定することができ、血中のリパーゼ活性の診断薬用として好適である。

Claims (20)

  1. 少なくとも3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]−1−プロパンスルフォネート(CHAPS)又はラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインとジグリセリドとを含有するリポプロテインリパーゼ活性測定用基質組成物。
  2. リポプロテインリパーゼがヒト由来である請求項1に記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用基質組成物。
  3. 少なくとも3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]−1−プロパンスルフォネート(CHAPS)又はラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインとジグリセリド及びアポリポ蛋白CIIを含有するリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物。
  4. リポプロテインリパーゼがヒト由来である請求項3に記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物。
  5. アポリポ蛋白CIIがヒト又は動物血清由来である請求項3又は4に記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物。
  6. モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、還元型NAD、ホスフォエノールピルビン酸、ピルビン酸キナーゼ、及びラクテートデヒドロゲナーゼを含有する請求項3〜5のいずれかに記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物。
  7. モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、酸化型NAD又は酸化型NADP、グルコース、ADP−ヘキソキナーゼ、及びグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを含有する請求項3〜5のいずれかに記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物。
  8. モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、グリセロ−3−リン酸オキシダーゼ、及びペルオキシダーゼと過酸化水素発色試薬を含有する請求項3〜5のいずれかに記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物。
  9. モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、還元型NAD、ホスフォエノールピルビン酸、ピルビン酸キナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、及び緩衝液を含有する試薬1と、還元型NADと緩衝液を含有する試薬2とからなるリポプロテインリパーゼ活性測定用キットであって、請求項3〜5のいずれかに記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物を試薬1及び/又は試薬2に含有するリポプロテインリパーゼ活性測定用キット。
  10. モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、グルコース、ADP−ヘキソキナーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、及び緩衝剤を含有する試薬1と、酸化型NAD又は酸化型NADPと緩衝剤を含有する試薬2とからなるリポプロテインリパーゼ活性測定用キットであって、請求項3〜5のいずれかに記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物を試薬1及び/又は試薬2に含有するリポプロテインリパーゼ活性測定用キット。
  11. モノグリセリドリパーゼ、ATP、グリセロキナーゼ、グリセロ−3−リン酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、色原体、及び緩衝剤を含有する試薬1と、カップラーと緩衝剤とを含有する試薬2とからなるリポプロテインリパーゼ活性測定用キットであって、請求項3〜5のいずれかに記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物を試薬1及び/又は試薬2に含有するリポプロテインリパーゼ活性測定用キット。
  12. 少なくとも3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]−1−プロパンスルフォネート(CHAPS)又はラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインとジグリセリドを含有する基質を用いてリパーゼ反応により生成されるモノグリセリドを酵素的に測定するリポプロテインリパーゼ活性測定方法。
  13. リポプロテインリパーゼがヒト由来である請求項12に記載のリポプロテインリパーゼ活性測定方法。
  14. 少なくとも3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]−1−プロパンスルフォネート(CHAPS)又はラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインとジグリセリドを含有する基質にさらにアポリポ蛋白CIIを含有する試薬を用いてリパーゼ反応により生成されるモノグリセリドを酵素的に測定する請求項12又は13に記載のリポプロテインリパーゼ活性測定方法。
  15. アポリポ蛋白CIIがヒト又は動物血清由来である請求項14に記載のリポプロテインリパーゼ活性測定方法。
  16. 請求項に記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物を用いた、リパーゼ反応でジグリセリドから遊離されるモノグリセリドをモノグリセリドリパーゼの作用によりグリセロールに変換し、これをATP存在下にグリセロールキナーゼによりADPに変換し、次いでホスフォエノールピルビン酸存在下にピルビン酸キナーゼでピルビン酸に変換し、更に還元型NAD存在下にラクテートデヒドロゲナーゼを作用させ、還元型NADの340nm付近の波長における吸光度の減少速度を測定するリポプロテインリパーゼ活性測定方法。
  17. 請求項に記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物を用いた、リパーゼ反応でジグリセリドから遊離されるモノグリセリドをモノグリセリドリパーゼの作用によりグリセロールに変換し、これをATP存在下にグリセロールキナーゼによりADPに変換し、次いでグルコース存在下にADP−へキソキナーゼでグルコース−6−リン酸に変換し、更に酸化型NAD又はNADP存在下にグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを作用させ、還元型NAD又は還元型NADPの340nm付近の波長における吸光度の増加速度を測定するリポプロテインリパーゼ活性測定方法。
  18. 請求項に記載のリポプロテインリパーゼ活性測定用組成物を用いた、リパーゼ反応でジグリセリドから遊離されるモノグリセリドをモノグリセリドリパーゼの作用によりグリセロールに変換し、これをATP存在下にグリセロールキナーゼによりグリセロール−3−リン酸に変換し、次いでグリセロール−3−リン酸オキシダーゼを作用させ過酸化水素に変換し、更に過酸化水素発色色素存在下にペルオキシダーゼを作用させ発色反応を行い、540〜700nm付近の波長における吸光度の増加速度を測定するリポプロテインリパーゼ活性測定方法。
  19. 3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]−1−プロパンスルフォネート(CHAPS)又はラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインとジグリセリド及びアポリポ蛋白CIIを含有するリパーゼ活性測定試薬を用いて得られるリパーゼ活性値から、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]−1−プロパンスルフォネート(CHAPS)又はラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインとジグリセリドを含有しアポリポ蛋白を含有しないリパーゼ活性測定試薬を用いて得られるリパーゼ活性値を差し引いて算出することを特徴とするリポプロテインリパーゼの活性測定方法。
  20. 3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]−1−プロパンスルフォネート(CHAPS)又はラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインとジグリセリド及びアポリポ蛋白CIIを含有するリパーゼ活性測定試薬を用いて得られるリパーゼ活性値から、非イオン性界面活性剤とジグリセリドを含有しアポリポ蛋白を含有しないリパーゼ活性測定試薬を用いて得られるリパーゼ活性値を差し引いて算出することを特徴とするリポプロテインリパーゼの活性測定方法。
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