JP2004086968A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Kazuhisa Takayama
高山 和久
Hiroshi Fuji
藤 寛
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Abstract

【課題】記録密度の向上の可能な磁気記録媒体、およびこれを用いた磁気記録装置ならびにそれを用いた磁気記録方法を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体1は、基板2上に、下地層3と、磁性層5とが順次形成されている。さらに磁性層5上に保護層6が形成されて構成されている。下地層3は、規則的な周期で繰り返される凹凸構造を有している。反応性イオンエッチングにより、下地層3をエッチングすることで、凸部分4を形成する。下地層3の凹凸構造により、下地層3と磁性層5とに形状異方性を与える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録密度の向上の可能な磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、広く用いられている情報記録技術の1つに磁気記録があり、近年の情報化社会の発展に伴い、記録密度の向上が求められている。
【0003】
こうした記録密度の向上を実現する方法として、例えば、特開2000−207723号公報に開示の光アシスト磁気記録が挙げられる。
【0004】
この方法では、厚さ0.635mmのガラス基板の上に、保護層となる第1の窒化炭素層と、磁性層(層厚100nm)と、保護層である第2の窒化炭素層(層厚20nm)と、潤滑層とが順次形成された磁気記録媒体が用いられる。磁性層には、非晶質で垂直磁気異方性を有するTeFeCoが用いられる。潤滑層には、パーフルオロポリオキリアルカン系潤滑剤が用いられる。
【0005】
このような磁気記録媒体(媒体)では、フェリ磁性体の補償温度が室温付近であり、記録再生を行なわない室温付近の温度では、保磁力は非常に大きいが、漏洩磁束はほとんどない。
【0006】
記録時には、まず光照射により媒体の記録領域を局所的に昇温させる。すると昇温した領域(直径0.1μm以下の微小領域)での保磁力は著しく低下する。そこでこの領域に、記録する情報に応じた外部磁場を磁気ヘッドから印加して、一定方向に磁化された記録単位(ビット)を形成する。
【0007】
一方で、昇温しない領域では、大きな保磁力のまま、磁区は安定に保たれる。そのためクロストークノイズが発生することはない。
【0008】
再生時には、光照射により媒体の再生領域を局所的に昇温させる。これにより、昇温した領域にのみに大きな磁化を発生させる。そしてこの磁化を読み取ることで、記憶された情報を再生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した光アシスト磁気記録において、媒体に形成するビットをより微小にすれば、さらに記録の高密度化を図れると考えられる。また、このようなビットに対して絞り込んだ光を照射すれば、再生時の分解能を上げることも可能となる。
【0010】
しかしながら、光照射される領域(面積)を小さくすることで、ビットを微小化すると、ビットの体積減少に比例して磁化エネルギーが減少する。
【0011】
磁化エネルギーの減少により、ビットは周囲の熱擾乱(熱エネルギー)に影響されやすくなる。そして、記録時には、磁化を一定方向に維持できなくなってしまう。
【0012】
磁化エネルギーは、おおよそ磁化と保磁力との積で表される。そこで、大きな磁化と保磁力とを示す磁性層を用いれば、ビットの微小化を実現できる。しかしながらこれだけでは限界があり、記録の高密度化を図る上で大きな障害がある。
【0013】
本発明の目的は、さらに高密度化した記録を実現できる磁気記録媒体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気記録媒体は、上記課題を解決するために、基板上に、規則的な周期で繰り返される凹凸構造を有する非自発磁化性の下地層が形成され、上記下地層上に、非晶質の自発磁化性の磁性層が形成されてなることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、下地層が凹凸構造を有することで、下地層と磁性層との間に形状異方性が生じ、これにより磁性層の保磁力は大きくなる。そしてこれに伴い、磁化エネルギーも大きくなる。磁化エネルギーが大きくなると、周囲の熱擾乱(熱エネルギー)に影響されにくくなるので、磁化を所望の方向へと強固に保つことができる。したがって、このような磁気記録媒体を用いて記録を行なえば、隣接するビット同士の境(ビットの縁)の明確なビットを形成できる。したがって、これによれば、高密度化した記録を好適に実現することができる。
【0016】
また本発明の磁気記録媒体は、上記下地層が、AlあるいはAlを含む合金よりなることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、下地層がAlあるいはAlを含む合金よりなることで、磁性層の保磁力をより大きくすることができる。
【0018】
また本発明の磁気記録媒体は、上記凹凸構造の凸部分が、100nm以下の間隔で下地層全面に繰り返されることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、上記凹凸構造の凸部分が、100nm以下の間隔で下地層全面に繰り返されることで、記録時に、均一な大きさを有するビットを形成することができる。
【0020】
また、本発明の磁気記録媒体は、上記磁性層が、少なくとも1種類の希土類金属元素と、少なくとも1種類の3d軌道に電子の完全に満たされていない遷移金属(3d遷移金属)元素とを含んだ合金(以下、希土類−3d遷移金属合金という)よりなることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、磁性層が希土類−3d遷移金属合金よりなることで、磁性層の保磁力をさらに大きくすることができる。
【0022】
また、希土類−3d遷移金属合金は、垂直磁気異方性を有する物質である。したがって、面内磁気記録方式よりも記録密度限界の高い、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体を実現することができる。
【0023】
また、希土類−3d遷移金属合金は、温度制御を容易に行なえる合金である。したがって、希土類−3d遷移金属合金からなる磁性層とすれば、記録領域の温度を容易に上げて記録を行なうことができる。また、記録領域の温度を容易に下げて、記録の困難な状態にすることもできる。したがって、このような磁気記録媒体を用いれば、安定した記録を実現できる。
【0024】
また、本発明の磁気記録媒体は、さらに、上記磁性層上に、窒素あるいは炭素の少なくとも一方を含む保護層が形成されていることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、磁気記録媒体に耐久性や耐摺動性を与えることができる。
【0026】
また、本発明の磁気記録媒体は、光を熱源として記録領域を局所的に加熱して磁気的に情報を記録する光アシスト磁気記録に用いられることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、磁気記録媒体が下地層に凹凸構造を有することで、磁気記録媒体を局所的に加熱した場合には、加熱された領域と、それ以外の領域とでは、熱伝導度に明確な差が生じる。そこで、本発明の磁気記録媒体を光アシスト磁気記録に用いれば、加熱された領域に、効率よく情報を記録することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態について、図1〜図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0029】
図1は、本実施の形態にかかる磁気記録媒体1の断面図である。磁気記録媒体1は、基板2上に、下地層3と、磁性層5とが順次形成されている。さらに本実施の形態では、磁性層5上に保護層6が形成されて構成されている。
【0030】
基板2は、形状、材質等が特に限定されるものではなく、通常、記録媒体に用いられるディスク状の基板を用いればよい。基板2としては、例えば、ガラス、セラミックス、硬質プラスチック等を材質とした円板を用いてもよい。あるいは、Al合金板表面上に、表面の平坦にするために、NiPやアルマイト等の硬質層を形成した円板を用いてもよい。
【0031】
下地層3は、磁性層5の下地となるものであり、後述するように、規則的な周期で繰り返される凹凸構造を有している。
【0032】
下地層3としては、非自発磁化性(自発磁化を有さない)を有する、例えばAl層が挙げられる。非自発磁化性とは、磁場を除くと、それに応じて、その物質のいかなる部分においても、磁化が消失する性質である。
【0033】
Al層は、例えば、DCマグネトロンスパッタリングにより、Arガス圧力が0.5Pa、投入電力が300Wの条件下で、厚さ3.7nmにて作製すればよい。
【0034】
以下に、下地層3に凹凸構造を形成する方法を具体的に述べる。なお、この方法は、半導体ICの製造などにおいて周知の方法である。また、形成する凹凸構造は非常に微細なため、電子ビームリソグラフィ法や、X線リソグラフィ法を用いることが最も好ましい。
【0035】
まず、下地層3となるAl層の上に、電子感知性レジストを塗布する。次に、マスクを介して上記Al層上に電子ビームを照射し、所望の露光パターン(パターン)を得る。このパターンは、露光された部分が、後述するエッチングの後に、下地層3の凹部分と一致するように作製されている。
【0036】
本実施の形態では、上記露光パターンは、一辺が50nmの正方形ドットが複数、磁気ヘッドの走査方向と、これと直交する方向へと、100nmの間隔で、格子状に配置されるパターンとなっている。図5(a)に示すのは、このパターンを上方からみたときの図である。
【0037】
最後に、反応性イオンエッチングにより、露光された部分の上記Al層をエッチングする。この結果、図2に示すような下地層3が形成される。同図に示すように、露光された部分が、図1に示す下地層3の凹部分7となる。そして、露光されなかった部分は、下地層3の凸部分4となり、これにより凹凸構造は形成される。図2では、凹凸構造の凸部分4が、100nmの間隔で下地層3全面に繰り返されている。
【0038】
このような下地層3上に、磁性層5が形成されている。磁性層5としては、非晶質の自発磁化性を有する、例えばTbFeCo合金層が挙げられる。
【0039】
TbFeCo合金層は、例えば、DCマグネトロンスパッタリングにより、Arガス圧力が0.4Pa、投入電力が300Wの条件下で、厚さ50nmにて作製すればよい。本実施の形態では、スパッタリングに際して、TbFeCo合金ターゲットを用いている。その組成比は、原子パーセンテージにして、Tb:Fe:Co=23.3:59.4:17.3に設定されている。
【0040】
さらに、この磁性層5上に、保護層6が形成されている。保護層6は、磁性層5を保護するために設けられている。
【0041】
保護層6としては、例えば、窒化炭素層が挙げられる。窒化炭素層は、例えば、DCマグネトロンスパッタリングにより、ArガスとNガスの混合ガス、ならびに炭素ターゲットを用いた反応性スパッタリングで、投入電力が300Wの条件下で、厚さ10nmにて作製すればよい。本実施の形態では、ArガスとNガスとの合計圧力は0.2Pa、流量比はAr:N=1:9に設定されている。
【0042】
このような構成の磁気記録媒体1と、下地層3に凹凸構造を有しない以外は磁気記録媒体1と同様の構成を有する磁気記録媒体Aを用いて、それぞれの媒体に磁界を印加したときの、磁化の磁界依存性を調べた。その結果を模式的に示したものが図3である。
【0043】
図3中、横軸は磁界を、縦軸は磁化を示している。実線で示すループは磁気記録媒体1を示し、破線で示すループは磁気記録媒体Aを示している。これらのループが横軸と交わる点(磁界)は、それぞれの磁気記録媒体の保磁力を示している。
【0044】
同図に示すように、磁気記録媒体1の保磁力は、磁気記録媒体Aの保磁力よりも大きくなっている。保磁力が大きくなると、大まかに磁化と保磁力との積で表される磁化エネルギーも大きくなる。したがって、磁気記録媒体1の磁化エネルギーも、磁気記録媒体Aの磁化エネルギーよりも大きくなる。
【0045】
以上の結果より、下地層が凹凸構造を有することで、下地層と磁性層との間に形状異方性が生じ、これにより磁性層の保磁力が大きくなる。また、これに伴い、磁化エネルギーも大きくなる。
【0046】
磁化エネルギーが大きくなると、周囲の熱擾乱(熱エネルギー)に影響されにくくなるので、磁化を所望の方向へと強固に保つことができる。したがって、下地層に凹凸構造を有する磁気記録媒体に外部磁場を印加して記録を行なえば、磁化が一定の方向へと強固に保たれた記録単位(ビット)を形成することができる。また、磁化が一定の方向へと強固に保たれることで、隣接するビット同士の境(ビットの縁)を明確にして、ビットを形成することができる。これによれば、高密度化した記録を好適に実現することができる。
【0047】
また、ビットの縁が明確でないと、隣接するビット同士の区別ができなくなり、再生の際にノイズが発生してしまう。しかしながら、下地層に凹凸構造を有する磁気記録媒体を用いれば、ビットの縁が明確であるので、隣接するビット同士の区別は容易であり、これによって好適な再生を行なうことができる。
【0048】
本実施の形態では、下地層3としてAl層を用いたが、これに限らず、例えばSi層やAg層を用いてもよい。
【0049】
ここで、下地層3がAl層よりなる上述の磁気記録媒体1と、下地層3がSi層よりなる以外は磁気記録媒体1と同様の構成を有する磁気記録媒体Bを用いて、それぞれの媒体に磁界を印加したときの、磁化の磁界依存性を調べた。その結果を模式的に示したのが図4である。
【0050】
図4中、横軸は磁界を、縦軸は磁化を示している。実線で示すループは磁気記録媒体1を示し、破線で示すループは磁気記録媒体Bを示している。これらのループが横軸と交わる点(磁界)が、それぞれの磁気記録媒体の保磁力を示している。
【0051】
同図に示すように、磁気記録媒体1の保磁力は、磁気記録媒体Bの保磁力よりも大きくなっている。この結果から、下地層3がAl層からなることで、磁性層の保磁力をより大きくすることができる。したがって、磁性層3としてはAl層を用いることが好ましい。
【0052】
なお、図示しないが、下地層3としてAlを含む合金からなる層を用いても、Al層を用いたときと同様の結果が得られる。
【0053】
また、本実施の形態では、下地層3、磁性層4および保護層6は、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて作製した。しかしながら、これに限らず、例えば、RFマグネトロンスパッタリング、対向ターゲット式スパッタリング、熱蒸着、分子ビーム堆積などの方法を用いてもよい。
【0054】
また、磁性層5は、TbFeCo合金層に限らず、例えば、GdFeCo合金層、HoFeCo合金層、DyFeCo合金層、ErFeCo合金層、TbCo合金層、TbFe合金層としてもよい。磁性層5が、このように少なくとも1種類の希土類遷移金属原子と、少なくとも1種類の3d軌道に電子の完全に満たされていない遷移金属(3d遷移金属)元素とを含んだ合金(希土類−3d遷移金属合金)よりなる層とすれば、磁性層5の保磁力をさらに大きくすることができるので好ましい。
【0055】
また、希土類−3d遷移金属合金は、垂直磁気異方性を有する物質である。したがって、この物質からなる磁性層とすれば、面内磁気記録方式よりも記録密度限界の高い、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体を実現できることができるので、好ましい。
【0056】
また、希土類−3d遷移金属合金は、温度制御を容易に行なえる合金である。したがって、希土類−3d遷移金属合金からなる磁性層とすれば、記録領域の温度を容易に上げて記録を行なうことができる。また、記録領域の温度を容易に下げて、記録の困難な状態にすることもできる。したがって、このような磁気記録媒体を用いれば、安定した記録を実現できる。
【0057】
また、露光パターンは、上述した図5(a)に示す正方形に限るものではなく、例えば、同図(b)の長方形、(c)の円形、(d)の楕円形としても、(a)の露光パターンと同様の効果が得られる。
【0058】
しかしながら、凹凸構造の形成のしやすさを考慮すると、パターンの形状が直線からなるように、図5(a)や図5(b)に示すような矩形とすることがより好ましい。さらに、記録の高密度化を考慮すると、図5(a)に示すような正方形とすることが最も好ましい。
【0059】
また、本実施の形態では、凹凸構造の凸部分が、100nmの間隔で下地層全面に繰り返されている構成である。しかしながら、この間隔は特に限定されるものではなく、磁気記録媒体の大きさなどによって適宜設定すればよい。しかしながら、より好適に高密度化した記録を実現するには、この間隔を極力小さくすることが好ましい。具体的には、100nm以下の間隔とすることが好ましい。これにより、記録時に、均一な大きさを有するビットを形成することができる。
【0060】
また、保護層6は、窒化炭素層に限られるものではなく、例えば、窒化アルミニウム層、窒化シリコン層、炭素層を用いてもよい。保護層6として、炭化窒素層など、炭素、あるいは窒素のいずれか一方を含む層を用いれば、磁気記録媒体に耐久性や耐摺動性を与えることができることができ、より好ましい。
【0061】
また、本実施の形態にかかる磁気記録媒体1は、下地層3に凹凸構造を有しているため、磁気記録媒体1を局所的に加熱した場合には、加熱された領域と、それ以外の領域とでは、熱伝導度に明確な差が生じる。このことから、磁気記録媒体1を、光を熱源として記録領域を局所的に加熱して磁気的に情報を記録する光アシスト磁気記録に用いることが好ましい。そうすれば、加熱された領域に、効率よく情報を記録することができる。
【0062】
以下に、磁気記録媒体1に記録を行なう磁気記録装置およびこれを用いた磁気記録方法について説明する。
【0063】
図6は、本実施の形態にかかる磁気記録装置を概略的に示している。磁気記録装置は、磁気記録媒体1に光を照射する光照射手段8と、磁気記録媒体1に磁界を印加する磁界印加手段10と、光の照射された領域に磁界を印加して情報を記録するように、磁気記録媒体1、光照射手段8、および磁界印加手段10を制御する制御手段(図示せず)を備えている。
【0064】
光照射手段8と磁界印加手段10とは、シールド9を介して隣接している。シールド9は、光照射手段8による熱的干渉、あるいは磁界印加手段10による磁気的干渉を防止するために設けられている。
【0065】
この磁気記録装置を用いて磁気記録媒体1に記録する方法について、以下に説明する。
【0066】
まず、制御手段を介して、光照射手段8から磁気記録媒体1の保護層6側へと光を照射する。これにより、磁気記録媒体1には、局所的に温度上昇した領域が生じる。この領域では、温度上昇により保磁力が低下する。一方、光の照射された領域以外では、保磁力は変化せず、磁区は安定に保たれる。
このとき、磁気記録媒体1の下地層3が凹凸構造を有しているため、光の照射された領域と、それ以外の領域とでは、熱伝導度に明確な差が生じる。そして光の照射された領域のみが、効率よく温度上昇する。
【0067】
次に、制御装置を介して、磁界印加手段10に、記録する情報に応じた磁気信号が送られる。磁界印加手段10は、温度上昇した領域に対して、磁気信号に応じた磁束を与える。この磁束は、磁気記録媒体1の保護層6側から与えられる。磁気記録媒体1に磁束が与えられることで、磁界は印加される。そしてこれにより、温度上昇した領域には一定方向に磁化された記録単位(ビット)が形成される。
【0068】
このとき、上述したように、光の照射された領域のみが、効率よく温度上昇しているので、この領域のみに効率よく磁界を印加することができる。これによれば、磁界の印加された領域と、それ以外の領域との境界は明確になるので、ビットの縁が明確になる。
【0069】
以上のように、本発明にかかる磁気記録媒体1を用いれば、ビットの縁を明確にして形成することができ、好適な記録を行なうことができる。
【0070】
磁界の印加された領域と、それ以外の領域との境界が明確でなく、その結果ジグザグな縁となったビットであると、隣接するビット同士の区別ができなくなってしまう。そして再生の際には、ビットの区別ができないためにノイズが発生してしまう。しかしながら、磁気記録媒体1を用いて形成されたビットは、縁が明確になっているので、隣接するビット同士の区別は容易となる。そのため再生の際には、ノイズを発生させることなく、効率よく再生を行なうことができる。また、本実施の形態にかかる磁気記録装置を用いれば、磁気記録媒体1に効率よく記録を行なうことができる。
【0071】
なお、磁気記録媒体1の再生には、例えば、磁気記録媒体に光を照射し、その反射光を信号として読み出す汎用の再生装置を用いればよい。また、再生方法については、従来公知の再生方法を用いればよい。
【0072】
【発明の効果】
本発明の磁気記録媒体は、以上のように、基板上に、規則的な周期で繰り返される凹凸構造を有する非自発磁化性の下地層が形成され、上記下地層上に、非晶質の自発磁化性の磁性層が形成されてなる構成である。
【0073】
それゆえ、下地層が凹凸構造を有することで、下地層と磁性層との間に形状異方性が生じ、これにより磁性層の保磁力は大きくなる。そしてこれに伴い、磁化エネルギーも大きくなる。磁気エネルギーが大きくなると、周囲の熱擾乱(熱エネルギー)に影響されにくくなるので、磁化を所望の方向へ強固に保つことができる。したがって、このような磁気記録媒体を用いて記録を行なえば、隣接するビット同士の境(ビットの縁)の明確なビットを形成することができる。したがって、これによれば、高密度化した記録を好適に実現することができるという効果を奏する。
【0074】
本発明の磁気記録媒体は、以上のように、上記下地層が、AlあるいはAlを含む合金よりなる構成である。
【0075】
それゆえ、下地層がAlあるいはAlを含む合金よりなることで、磁性層の保磁力をより大きくすることができるという効果を奏する。
【0076】
本発明の磁気記録媒体は、以上のように、上記凹凸構造の凸部分が、100nm以下の間隔で下地層全面に繰り返される構成である。
【0077】
それゆえ、上記凹凸構造の凸部分が、100nm以下の間隔で下地層全面に繰り返されることで、記録時に、均一な大きさを有するビットを形成することができるという効果を奏する。
【0078】
本発明の磁気記録媒体は、以上のように、上記磁性層が、少なくとも1種類の希土類金属元素と、少なくとも1種類の3d軌道に電子の完全に満たされていない遷移金属元素とを含んだ合金(以下、希土類−3d遷移金属合金という)よりなる構成である。
【0079】
それゆえ、磁性層が希土類−3d遷移金属合金よりなることで、磁性層の保磁力をさらに大きくすることができるという効果を奏する。
【0080】
また、希土類−3d遷移金属合金は、垂直磁気異方性を有する物質である。したがって、面内磁気記録方式よりも記録密度限界の高い、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体を実現することができるという効果を奏する。
【0081】
また、希土類−3d遷移金属合金は、温度制御を容易に行なえる合金である。したがって、希土類−3d遷移金属合金からなる磁性層とすれば、記録時には、記録領域の温度を容易に上げることができる。また、記録領域の温度を容易に下げて、記録の困難な状態にすることもできる。したがって、このような磁気記録媒体を用いれば、安定した記録を実現できるという効果を奏する。
【0082】
本発明の磁気記録媒体は、以上のように、さらに、上記磁性層上に、窒素あるいは炭素の少なくとも一方を含む保護層が形成されている構成である。
【0083】
それゆえ、磁気記録媒体に耐久性や耐摺動性を与えることができるという効果を奏する。
【0084】
本発明の磁気記録媒体は、以上のように、光を熱源として記録領域を局所的に加熱して磁気的に情報を記録する光アシスト磁気記録に用いられる構成である。
【0085】
それゆえ、磁気記録媒体が下地層に凹凸構造を有することで、磁気記録媒体を局所的に加熱した場合には、加熱された領域と、それ以外の領域とでは、熱伝導度に明確な差が生じる。そこで、本発明の磁気記録媒体を光アシスト磁気記録に用いれば、加熱された領域に、効率よく情報を記録することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる磁気記録媒体の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる、反応性イオンエッチング後の下地層を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる、下地層に凹凸構造を有する磁気記録媒体と、下地層に凹凸構造を有しない磁気記録媒体とを用いて、それぞれの媒体に磁界を印加したときの、磁化の磁界依存性を模式的に示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる、下地層がAl層である磁気記録媒体と、下地層がSi層である時期記録媒体とを用いて、それぞれの媒体に磁界を印加したときの、磁化の磁界依存性を模式的に示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる、露光パターンの形状を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる、磁気記録装置を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1    磁気記録媒体
2    基板
3    下地層
4    凸部分
5    磁性層
6    保護層
7    凹部分
8    光照射手段
9    シールド
10   磁界印加手段

Claims (6)

  1. 基板上に、規則的な周期で繰り返される凹凸構造を有する非自発磁化性の下地層が形成され、
    上記下地層上に、非晶質の自発磁化性の磁性層が形成されてなることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 上記下地層が、AlあるいはAlを含む合金よりなることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 上記凹凸構造の凸部分が、100nm以下の間隔で下地層全面に繰り返されることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 上記磁性層が、少なくとも1種類の希土類金属元素と、少なくとも1種類の3d軌道に電子の完全に満たされていない遷移金属元素とを含んだ合金よりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. さらに、上記磁性層上に、窒素あるいは炭素の少なくとも一方を含む保護層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 上記磁気記録媒体は、光を熱源として記録領域を局所的に加熱して磁気的に情報を記録する光アシスト磁気記録に用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
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