JP2600099B2 - 微細表面形状創成法及び磁気潜像形成装置 - Google Patents

微細表面形状創成法及び磁気潜像形成装置

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JP2600099B2
JP2600099B2 JP5080201A JP8020193A JP2600099B2 JP 2600099 B2 JP2600099 B2 JP 2600099B2 JP 5080201 A JP5080201 A JP 5080201A JP 8020193 A JP8020193 A JP 8020193A JP 2600099 B2 JP2600099 B2 JP 2600099B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面荒さ試験片の製
作、各種ホログラフィック光学素子の製作、光ディスク
等の原盤製作、マイクロマシニング、回折格子の製作に
使用する微細表面形状創成法及び磁気潜像形成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】表面粗さ試験片等においては微細表面形
状が必要である。近年、知られている微細表面形状の製
作法には、物理化学的な方法として、半導体製造プロセ
ス技術の一つである光あるいは電子ビーム描画等を応用
し、各種レジスト材を露光・エッチング加工するか、S
i等の化学エッチングに対する異方性を利用して特定の
断面形状を得る方法、また、機械的な方法として超精密
加工技術を応用し銅、アルミニム等の軟質金属を加工す
る方法等がある。これら従来の方法は何れも除去加工で
あり、微細表面形状を作成する技術として有望ではあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
ビーム描画や電子ビーム描画等のLSI製造に用いられ
る半導体微細加工技術は、二次元平面的なパターンニン
グに向くが、レジスト材内部での光ビームの多重反射に
よる干渉の影響、電子ビームの後方散乱の問題等によ
り、レジスト材の露光時間・エネルギの制御、エッチン
グ条件等が複雑になり断面形状の制御については自由度
も低く困難となる。さらに大面積の描画には時間が掛か
り、描画装置も高い機械精度及び熱的安定性が要求され
大掛かりなものとなる。超精密切削等の機械加工法では
工具刃(ダイヤモンド製)の先端半径が制作できる微細
表面形状の断面波形の空間周波数を決めることになる
が、その先端半径は加工性及び耐磨耗性から実用的には
10μm程度で、微細な表面形状の形成には向かない。
このようなことから、上記従来の技術は形成される断面
形状の自由度、高精度、大面積化という点では、まだ十
分とはいえない。磁気流体を用いて磁区観察のために磁
気潜像を可視化する技術は、ビッター法(「磁性流体−
基礎と応用−」,p3, 日刊工業新聞社(1988)参照)と
して古くより知られ、最近では磁気テープ等の検査、V
TRの画像調整(「磁性流体」,機能材料,10月号,
p54(1981)参照) に用いられている。また、回折格子を
作成するために磁性流体を用いて微細な凹凸を形成する
マグネティック・リソグラフィ技術(「マグネティック
リソグラフィを用いた回折格子の製作」,日本応用磁気
学会誌,Vol,13, 参照)(格子作成法(特開平1−30
8918):「磁性流体を用いた回折格子の作成法」参
照)が研究されている。この発明に関連する磁性流体を
硬化させる技術としては、磁性流体中に光硬化型或いは
熱硬化型の樹脂を混合したもの、分散溶媒を低粘度の光
硬化型或いは熱硬化型の樹脂にしたもの等が知られてお
り(光硬化性磁性流体(特開昭63−150302)、
(特開昭63−175402)及び(特開昭63−23
9904)参照)(熱硬化性磁性流体(特開昭63−1
85006)参照)、これらは鉄材等の微小な傷検出の
ために開発された。ビッター法は、希釈された磁性コロ
イドを磁性体に薄く塗布すると漏洩磁界強度の変化率が
最も大きい磁壁近傍に磁性粒子が集まる性質と、磁性粒
子が黒色で光を吸収する性質を利用して磁壁の形を可視
化し磁区観察する技術である。また、マグネティック・
リソグラフィは、磁性体として規定された単一周期の磁
気潜像が記録された磁性媒体を用い、上記ビッター法の
原理に基づき、磁気潜像の周期波長に比べて十分に小さ
い磁気微粒子からなる比較的高濃度な磁性流体を薄く塗
布して、媒体表面に微細で周期的な反射・吸収構造や凹
凸構造等の光学的性質を生じさせ回折格子を作成する技
術である。しかしながら、これら公知技術では、形成さ
れる磁性微粒子が堆積するか否かだけを問題としてお
り、その際形成される微細な凹凸の断面形状を制御する
ことはできなかった。それで、この断面形状の制御を可
能にする技術の開発が望まれているのである。
【0004】これに対して本願発明者等は先に、上記の
除去加工法とは異なり磁気潜像が記録された磁性媒体に
磁性流体を塗布することで、媒体からの制御された漏洩
磁界強度に応じて磁性流体中の磁性微粒子を吸引・堆積
させて規定された断面形状をもつ微細な凹凸を物体表面
に短時間で大面積にわたり創成する加工法を提案した
(平成4年特許出願第266553号明細書、図面参
照)。この発明は短時間で大面積にわたり規定された広
い空間周波数の断面波形をもつ微細表面形状を大掛かり
な装置を必要とせず創成することを可能としたものであ
る。しかし、この新たに提案された発明では、磁気ヘッ
ドを用いて物体表面に形成された磁性媒体に磁気潜像を
記録する場合、磁気潜像が微細化すると磁気ヘッドと記
録媒体間の空隙はヘッドギャップ程度(1μm前後)と
なり、記録媒体表面に付着した塵等によりこの空隙が僅
かに変化するだけで媒体を磁化するのに必要なヘッドか
らの書き込み磁界強度が不足し、正確な磁気潜像は記録
できなくなる場合もある。また、接触状態に近いため広
い面積にわたり磁性媒体に傷を付けずに記録することが
困難な場合もある。さらに二次元的な磁気潜像の描画を
行う場合、磁気潜像が微細になると磁気ヘッドのトラッ
ク幅もヘッドギャップと同等程度の数μmと小さくしな
ければならず、そのような磁気ヘッドの製作は困難であ
る。この発明は上記の如き事情に鑑みてなされたもので
あって微細な凹凸の断面形状の制御が可能で、アナログ
的な磁気潜像を非接触で書き込むことができる微細表面
形状創成法及び磁気潜像形成装置を提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明の微細表面形状創成法は、磁気潜像を形成すべき
磁気記録媒体に磁界を印加した状態で前記磁気記録媒体
の磁界内の記録書込み位置に書込み光を照射して前記記
録書込み位置に温度分布を形成し、前記記録書込み位置
をキューリ温度または補償温度以上に加熱することによ
って、前記記録書込み位置に前記磁気記録媒体の厚さ方
向に保磁力の分布を形成し、この過程を磁気潜像形成領
域の全域にわたって繰返して磁気潜像を形成する磁気潜
像形成過程と、次に前記磁気記録媒体の前記磁気潜像形
成領域に磁性流体を塗布して現像する現像過程とを含む
ことを特徴としている。また、この発明の磁気潜像形成
装置は、磁気記録媒体の記録面に対向して位置可能で記
録面に面内記録する磁極を有する磁気ヘッドと、磁極に
よって形成される水平磁場内において記録面に書込み光
を照射する光照射装置とを備えることを特徴としてい
る。
【0006】
【作用】磁性媒体に記録したい方向・強さの外部磁界を
印加すると同時に光を照射し媒体の温度をキュリー点近
傍まで上昇させ磁気記録媒体の保持力Hを室温における
保持力HcからHiまで下げる。その後Hi以上Hc以
下の外部磁界強度(Hd:Hi≦Hd<Hc)を印加し
たまま磁気記録媒体を冷却することで磁気潜像を非接触
で2次元的に書き込む。
【0007】
【実施例】図1にはこの発明の微細表面形状創成法にお
いて使用する磁気潜像形成装置1が示されている。すな
わち磁気潜像形成装置1は磁気ヘッド2を有する。磁気
ヘッド2はリング状のコア3と、コア3に巻かれたコイ
ル4とを備え、下端に間隙5を置いて対向する磁極6
a、6bを形成している。また、磁気ヘッド2には回転
軸9が取り付けられていて、磁気ヘッド2は回転軸9の
回りに回転可能である。回転軸9の方向は磁気潜像を形
成すべき磁気記録媒体7の膜面8に垂直である。磁極6
a、6bは磁気記録媒体7の膜面8の直上にあって、膜
面8に平行な平面内に対向して位置しており、従って磁
極6a、6bが形成する磁界の漏洩磁界は磁気記録媒体
7内に面内磁界を形成し、磁気記録媒体7の記録書込み
位置10及びその周囲に面内記録が可能である。
【0008】一方、磁気ヘッド2には光照射装置11が
付属している。光照射装置11はレーザー発生装置12
及び光学素子13を備えている。光照射装置11はレー
ザ光を記録書込み位置10に結像させる。この光照射装
置11は記録書込み位置10を照射して、材料の温度を
キューリ点の近傍或いは補償温度の近傍まで加熱する能
力を有することが必要である。磁気記録媒体7はテーブ
ル14上に取り付けられる。テーブル14は回転軸9に
垂直な面内で二次元方向に移動可能であり、その結果と
して磁極6a,6b及び光照射装置11のビーム15は
磁気記録媒体7の膜面8上を二次元的に走査する。
【0009】磁気記録媒体7を構成する磁気記録材料の
一例としては光磁気記録材料を使用することができ、そ
のような光磁気記録材料としては、MnBi(低温
相),MnBi(高温相), MnCuBi, PtC
o, Y3 Ga1.1 Fe3.912, TbFeO3
GdIG, GdCo, GdFe, TbFe, G
dTbFe等を使用することができる。
【0010】次に、このように構成された磁気潜像形成
装置1を使用して磁気潜像の書き込み及び微細表面形状
の創成について説明する。まず微細形状を創製する物体
20の表面に蒸着、スパッタリング法或いは無電解メッ
キ法等で記録用の磁気記録媒体7を形成する(図2
a)。この記録媒体7に光照射装置11により光を照射
し磁気記録媒体7の温度をキュリー温度近傍或いは補償
温度以上まで上昇させることで記録媒体7の室温での保
磁力(Hc)を低下させる(図4)。このとき、図3、
図5に示すように、照射された光の強度分布(図5参
照)、または照射点(記録書き込み位置10の中心)を
中心とした熱拡散による温度分布(図3参照)に対応し
た形で、記録媒体7内部での保磁力は(0≦Hi≦H
c)分布を持つことになる。次に外部から磁界(Hd)
を印加しながら記録媒体7の載せられたテーブル14を
移動させると光が当たらなくなったところから順次冷却
されていき、一度光が照射されていて記録媒体7の面内
及び厚さ方向でHi≦Hdの条件を満たした領域だけが
外部磁界の方向にそろい磁気潜像は書き込まれる。この
時に記録媒体7として、面内方向に磁化容易軸を持つ面
内磁化膜を用い、磁気ヘッド2により媒体面とその移動
方向に平行な外部磁界(Hd)を印加し、照射する光強
度(I)または印加する外部磁界強度(Hd)を形成す
る断面波形に応じてアナログ的に変調すると記録媒体7
の厚さ方向で媒体の保磁力(Hi)が印加外部磁界(H
d)より低くなっている深さ(h)まで磁化され、この
深さ(h)は光強度(I)または外部磁界強度(Hd)
に依存して変化し、その結果、図6に示すように磁気潜
像による漏洩磁界分布(H(x))もアナログ的に変化
する形で書き込まれる。また、印加する外部磁界強度を
一定としてホログラフィ等の二次元平面的な光の強度分
布(光画像)を固定された記録媒体に一定時間照射、加
熱し上記原理で一度に二次元平面的な磁気潜像を書き込
むこともできる(図2b)。また、磁気記録を目的とし
て光を用いて磁性媒体を加熱し磁気潜像を書き込む方法
は、光磁気メモリとして知られている(「薄膜技術ハン
ドブック」,p752〜757,(1986年)参
照)。
【0011】磁気潜像の記録媒体への書き込みは、熱磁
気書き込みの原理から整理すると以下4通りの方法があ
る。すなわち、 (1)外部印加磁界強度(Hd)を一定にして、照射光
強度(I)を製作する断面波形に応じて強度変調し書き
込む方法(図7参照)。 (ただしこの場合、照射光に空間的な強度分布を持たせ
れば図11に示すような特定の断面波形の線状パターン
の描画やホログラフィックなパターンの書き込みができ
る。) (2)照射光強度(I)を一定にして、外部印加磁界
(Hd)を製作する断面波形に応じて強度変調し書き込
む方法(図8参照)。 (3)照射光強度(I)を一定にして、製作する断面波
形に応じて強度変調された外部交流磁界(Hd)を印加
することにより書き込む方法(図9参照)。(この場合
の交流磁界(Hd)は、断面波形に応じて強度変化する
磁界に一定強度、周波数の交流磁界を電気的或いは磁気
的に加算したものである。) (4)外部印加交流磁界(Hd)を一定にして、照射光
強度(I)を製作する断面波形に応じて強度変調し書き
込む方法。 光照射による加熱点を中心とした熱拡散により記録媒体
に温度分布が生じ、これに応じた形で記録媒体厚さ方向
に保磁力(Hi)は分布を持つことになる。このとき媒
体内部の保磁力(Hi)が外部印加磁界(Hd)以下に
なる領域だけが外部印加磁界の方向に磁化され、光照射
による加熱点が記録媒体に対して相対的に移動すること
で媒体が冷却されて書き込み状態は保持されることにな
る。これが、上述(1)〜(4)の書き込み方法の基本
原理である。また、これらの方法は記録媒体を一様方向
に磁化しておいてから書き込みをおこなう。(1),
(2)の方法では、媒体断面内で加熱点を中心としHd
>Hiとなる半円弧領域内が外部印加磁界の方向に磁化
され、照射光或いは印加磁場の変調強度に応じてこの半
円弧の半径が変化しアナログ的な記録がおこなわれる。
ただし、これらの場合外部印加磁界(Hd)の方向は変
化しないので記録媒体の移動にともなう記録領域の境界
は、この半円弧を重ねた包絡線の形となり、高い空間周
波数成分を含む断面波形の書き込みが行えない(図7,
8参照)。これに対して、(3),(4)の方法では外
部印加磁界が交流磁界のため一度書き込まれた領域を再
び逆方向に磁化する事ができるので、図9,10に示す
ように照射した光スポット径以下の高い空間周波数成分
を含む短波長の断面波形の書き込みが行える。
【0012】次に磁気記録媒体7の表面に磁性流体16
を塗布し現像し、乾燥・固定化する(図2c)。ここで
用いる磁性流体16は、直径5nm〜10nm程度の磁
性を持つ超微粒子を界面活性材でコートし、揮発性の溶
媒中に分散させたものである。このような磁性流体につ
いては雑誌「機能材料」(1981年10月号第49頁
以下)に示されている。
【0013】磁性流体16中の磁性超微粒子と磁気記録
媒体7の漏洩磁界の間には、その強度分布に応じた吸引
力が働き媒体表面に吸引・堆積するが、図12(a)に
示すように、この吸引力は漏洩磁界の極性に無関係なの
で、このまま現像すると得られる断面形状は図12
(b)に示すように漏洩磁界分布の絶対値を取った形と
なる。そこで、記録媒体の保磁力(Hc)以下の直流磁
界を磁気記録媒体7の表面に平行に印加し、漏洩磁界に
図12(c)に示すように、バイアス(DCバイアス磁
界)を与えることで磁界分布に対し図12(d)に示す
ように正確な形状の現像を行う。尚、上記現像中に印加
するバイアス磁界の方向を逆にすると、図13に示すよ
うに形成される表面形状の凹凸は反転させることがで
き、雄・雌両方の型を作れる。その後、磁性流体16中
の溶媒を蒸発・乾燥させて微細表面形状を創成する。ま
た、完全に固定化するには光硬化型または熱硬化型の樹
脂等をバインダーとして磁性流体中に加え形状形成後に
硬化させるか、図2(d)に示すように離型材として金
等を離型剤17として蒸着しNi等の硬質金属18で電
鋳するかエポキシ等の樹脂で固めた後、剥離することで
形状の転写を行う。
【0014】(実験例)記録媒体は残留磁束密度(Br)=2
500 Gauss 、保磁力(Hc)=1.45KOeの面内磁化膜、磁性流
体はマグネタイト系の磁気微粒子をパラフィン系の溶媒
に分散された飽和磁化(Ms)= 500 Gauss 、粘度(η)=3
0cPsのものを用いた。磁気潜像は、記録媒体を34mm/ses
で一定走行させ、アナログ記録し、表面形状が一例とし
て単一周期、単一形状のものを製作した。
【0015】磁気潜像の現像は、先の磁性流体を様々な
濃度に希釈し、供給する磁性微粒子の量は磁性流体をス
ピンナーで塗布することによりコントロールし、その後
デシケータ内で乾燥・固定化した。現像中に様々な方向
・強さの直流バイアス磁界を印加した。
【0016】図14、図15は、創成された表面形状の
各種断面波形のAFM(原子間力顕微鏡)で観察し比較
した例である。図14は、方形波信号を飽和(デジタ
ル)記録し、無バイアス磁界中で現像した従来のマグネ
ティックリソグラフィによる方法で、図15はアナログ
記録することで断面形状の制御を行い、媒体面に平行な
バイアス磁界中で現像した本発明による実験例である。
(形状周期:10μm程度)形状制御をしていない図1
4の場合は、凹凸の記録波長の変化に対して断面形状は
一定でなく、短波長側では記録信号が方形波にもかかわ
らず磁性微粒子は半アーク状に集まり、長波長側では富
士山型の双峰形状となる。これに対し図15の場合、媒
体表面での磁界分布を制御すると、記録波長に関係なく
記録波形とほぼ同じ円弧、正弦波、三角波状の断面形状
が得られた。
【0017】図16は正弦波、三角波、方形波(形状周
期:80μm)の各種断面形状について現像時のバイア
ス磁界の方向が与える影響を触針式の表面荒さ計で測定
した結果である。垂直方向よりも水平方向にバイアス磁
界を加える方が断面形状の制御性は明らかに良い。
【0018】
【発明の効果】このようにこの発明は、従来の除去加工
法とは異なり規定された断面形状をもつ微細表面形状を
物体表面に形成する新しい加工法を提供するもので、磁
性媒体に磁気潜像を記録し磁性流体を塗布することで、
媒体からの漏洩磁界の強弱に応じて、流体中の超微粒子
磁性体が吸引・堆積され微細な凹凸を形成することを利
用するものである。パターン描画の際の記録信号の電気
的制御によりアナログ的な記録が可能で断面形状の制御
性が高い。磁気記録の原理により高速のパターン描画が
行えるので、妨振対策も比較的簡単で高精度の描画がで
き、装置構成も小型・簡素になる。現像は、ケミカルな
反応を必要とせず磁力線に対する超微粒子の物理的吸引
・堆積によるので、現像行程・条件は単純で描画パター
ンに対する忠実度・再現性が高い。光の照射により磁気
記録媒体の温度をキューリ温度近傍または補償温度近傍
まで加熱状態で書込みをするので書込み磁界強度は小さ
くてよく、書込みヘッドと磁気記録媒体との間のギャッ
プを大きくすることができ、非接触を保ち得る。
【0019】こうして、この発明によれば、短時間で大
面積にわたり規定された広い空間周波数の断面波形をも
つ微細表面形状を大掛かりな装置を必要とせず創成する
技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の磁気潜像書込み装置を示す構成説明
図。
【図2】この発明による微細加工法の行程を示す説明
図。
【図3】書込み位置の温度分布を示す説明図。
【図4】磁気記録媒体の保持力と温度との関係を示すグ
ラフ。
【図5】磁気記録媒体の記録領域の温度分布の一例を示
す説明図。
【図6】磁気記録媒体の記録領域の磁界強度分布を示す
説明図。
【図7】照射強度の時間変化と外部印加磁界強度の時間
変化と磁気潜像のパターンの関係の一例を示す説明図。
【図8】光照射強度の時間変化と外部印加磁界強度の時
間変化と磁気潜像のパターンの関係の他の例を示す説明
図。
【図9】光照射強度の時間変化と外部印加磁界強度の時
間変化と磁気潜像のパターンの関係の他の例を示す説明
図。
【図10】光照射強度の時間変化と外部印加磁界強度の
時間変化と磁気潜像のパターンの関係の他の例を示す説
明図。
【図11】光照射強度の時間変化と外部印加磁界強度の
時間変化と磁気潜像のパターンの関係の他の例を示す説
明図。
【図12】断面形状の制御とバイアス磁界の原理を示す
説明図。
【図13】従来の方法による形状創成例を示す説明図。
【図14】この発明による形状創成波形を示す説明図。
【図15】この発明による形状創成波形を示す説明図。
【図16】現像時のバイアス磁界の方向と各種断面形状
創成例を示す説明図。
【符号の説明】
1 磁気潜像形成装置 2 磁気ヘッド 3 コア 4 コイル 5 間隙 6a,6b 磁極 7 磁気記録媒体 8 膜面 9 回転軸 10 記録書込み位置 11 光照射装置 12 レーザー発生装置 13 光学素子 14 テーブル 15 ビーム 16 磁性流体 17 離型剤 18 硬質金属 20 物体

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気潜像を形成すべき磁気記録媒体に磁
    界を印加した状態で前記磁気記録媒体の磁界内の記録書
    込み位置に書込み光を照射して前記記録書込み位置に温
    度分布を形成し、前記記録書込み位置をキューリ温度ま
    たは補償温度以上に加熱することによって、前記記録書
    込み位置に前記磁気記録媒体の厚さ方向に保磁力の分布
    を形成し、この過程を磁気潜像形成領域の全域にわたっ
    て繰返して磁気潜像を形成する磁気潜像形成過程と、次
    に前記磁気記録媒体の前記磁気潜像形成領域に磁性流体
    を塗布して現像する現像過程とを含むことを特徴とする
    微細表面形状創成法。
  2. 【請求項2】 前記磁気記録媒体は面内方向に磁化容易
    軸をもつ磁気記録媒体であることを特徴とする請求項1
    記載の微細表面形状創成法。
  3. 【請求項3】 前記磁気記録媒体に印加する磁界の強度
    または照射する光の密度はアナログ量であることを特徴
    とする請求項1記載の微細表面形状創成法。
  4. 【請求項4】 磁気記録媒体の記録面に対向して位置す
    ることが可能で前記記録面に面内記録する磁極を有する
    磁気ヘッドと、前記磁極によって形成される水平磁場内
    において前記記録面に書込み光を照射する光照射装置と
    を備え前記記録面の厚さ方向に保持力の分布を形成す
    ことを特徴とする磁気潜像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記磁気ヘッドまたは前記光照射装置と
    前記磁気記録媒体とを前記水平磁場の方向に相対変位さ
    せるテーブルを備えることを特徴とする請求項4記載の
    磁気潜像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記磁気ヘッドの磁極は前記水平磁場に
    平行な面内で回転可能であることを特徴とする請求項4
    記載の磁気潜像形成装置。
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