JP2004047052A - 情報記録媒体 - Google Patents

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Koji Matsumoto
松本 幸治
Takeshi Morikawa
森河 剛
Hiroyasu Kawano
川野 浩康
Keiji Shono
庄野 敬二
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Abstract

【課題】この発明は、情報記録媒体に関し、記録層の磁区クラスタを小さくして、記録分解能を向上させることを課題とする。
【解決手段】基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成した情報記録媒体であって、前記下地層が、非磁性かつ導電性の微粒子と非磁性体材料とからなり、前記微粒子がマトリックス構造に形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、情報記録媒体に関し、特に、基板上に微粒子が形成された下地層を有する情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来の光磁気記録媒体では、一般的に窒化シリコン(SiN)などの連続下地層を基板上に形成し、その上に磁性を有する記録層を形成している。相変化の光記録媒体では、この下地層として(ZnS)SiOなどが用いられている。しかし、これらの下地層は微細な凹凸のない連続構造であり、このような構造のままではさらなる高分解能化は難しい。
また、下地層に、ケイ素系縮合物のコロイド粒子分散液の塗膜を用いた光磁気記録媒体が、特許文献1に記載されている。これは、3nm〜10nm程度のコロイド粒子径を持つ微粒子を含有する塗膜を記録層の下に形成することにより基板の熱上昇を防止して、C/N比を向上させたものである。
【0003】
一方、磁気記録媒体においても媒体の記録分解能の向上が要望されており、磁性層の保磁力の向上や信号対ノイズ比(S/N)の向上を目的として、磁性層の下地層に、Ruを20at%以上含有する非磁性金属膜や、酸化物や窒化物を含む非磁性金属膜を形成することが、特許文献2に記載されている。
【0004】
また、高分子フィルムの上に、下地層構成材料の酸化物微粒子(たとえば直径13nmのTiO)からなる下塗り層を塗布して、高密度記録時の耐久性とC/Nの向上を図った磁気記録媒体が、特許文献3に記載されている。
さらに、下地層を空間的に分離して、その上に磁性層を形成し、磁性層の磁性粒子を磁気的に十分分離された状態で配置することにより、ノイズの低減と超高密度記録化を実現する磁気記録媒体が、特許文献4に記載されている。
【0005】
また、高耐蝕性と磁気光学効果(高S/N,低ノイズ)等を目的として基板上に、希土類鉄ガーネット微粒子粉末とバインダーからなる磁性層を設けた光磁気記録媒体が、特許文献5に記載されている。ここで、微粒子の平均粒子径は3nm〜100nm程度とされており、特に3nmよりも小さいものでは、熱撹乱のため超常磁性となることが記載されている。
【0006】
ところで、特に光磁気記録媒体では、さらに高密度に情報を記録をするために、記録層自体の記録分解能を向上させる必要がある。この記録分解能を向上させるためには、記録層の記録の最小単位である磁区クラスタをできるだけ小さくすることが必要である。
また、記録層の磁区クラスタの大きさは、記録層の下に形成される下地層の凹凸の大きさ、すなわち下地層を構成する粒子の大きさ(以下、グレインと呼ぶ)に関係している。下地層のグレインが大きい場合、記録層の磁区クラスタは大きくなり、高分解能化することはできない。
【0007】
前記したように従来の光磁気記録媒体や磁気記録媒体では、下地層に微粒子を含むものや、磁気記録層自体に微粒子を含むものが提案されているが、いずれもその微粒子粒径は10nm程度以上であり、さらなる高分解能化をすることは困難である。現在、記録層の磁区クラスタは少なくとも50nm程度の大きさであり、この大きさをさらに小さくするためには、下地層のグレインを小さくする必要があるが、従来のようなスパッタリング法による下地層の形成では限界がある。
【0008】
一方、下地層を設けずに基板上に直接形成した記録層自体を高分解能化することも考えられる。この場合は記録層を構成する粒子を微粒子化する必要があるが、これは、次の点で問題が多い。
たとえば、
(a)記録層が磁性体の場合、微粒子化すると、超常磁性となりやすく、磁化が不安定になり、記録再生特性が劣化する。
(b)記録層にFePt微粒子を用いた場合、500℃という高い温度の熱処理が必要となり、高温に耐えられる高価な基板を用いる必要がある。
(c)記録層自体に金属微粒子を分散させる場合、その粒子間に磁気的な相互作用が働き、微粒子の凝集体が生じやすく、位置によって磁気特性にばらつきが出るという問題がある。
【0009】
また、記録層の磁性粒子を空間的に分離して高密度化を図ろうとする磁気記録媒体では、ノイズを低下させることができても、高密度化のために磁性粒子を小さくしたとすると、常磁性化することにより大きな保磁力を維持できない可能性が高い。したがって記録層としては、大きな保磁力を保つためには、空間的に分離されていないことが好ましく、高分解能化のためには磁区クラスタはできるだけ小さいことが好ましい。
【特許文献1】
特開昭62−47847号公報
【特許文献2】
特開2001−291230号公報
【特許文献3】
特開昭63−197021号公報
【特許文献4】
特開平10−241939号公報
【特許文献5】
特開平3−159915号公報
【0010】
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、非磁性かつ導電性の微粒子がマトリックス構造に形成された下地層を記録層の下に形成して、記録層の磁区クラスタを小さくし、情報記録媒体の超高密度記録を実現することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成した情報記録媒体であって、前記下地層が、非磁性かつ導電性の微粒子と非磁性体材料とからなり、前記微粒子がマトリックス構造に形成されていることを特徴とする情報記録媒体を提供するものである。
これによれば、記録層の磁区クラスタを小さくできるので、記録分解能を向上させることができる。
【0012】
また、前記微粒子は、Pt原子を含み粒径が3nm以下のアモルファス微粒子を用いることができる。ここで、前記微粒子の一部は下地層の表面に露出し、下地層の表面に微小な凹凸を形成する。
非磁性体材料は、誘電体を用いることができる。
【0013】
また、この発明は、基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成した情報記録媒体の形成方法であって、下地層の形成が、有機金属と金属錯体とを含む溶媒を基板上に塗布する工程と、前記塗布後に、所定の温度で乾燥させて、マトリックス構造の非磁性かつ導電性の微粒子を非磁性体にその周囲を覆われるように形成する乾燥工程からなることを特徴とする情報記録媒体の形成方法を提供するものである。
【0014】
さらに、前記下地層の形成工程に、前記乾燥工程の後、下地層の表面に露出した非磁性体の部分を選択的にドライエッチングする工程をさらに含めてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の下地層は、非磁性かつ導電性の微粒子および非磁性体を構成することのできる材料を含んだ溶液を基板上に塗布し、さらに乾燥させることにより形成される。この溶液は、有機金属および金属錯体を、所定の溶媒に溶解したものを用いることができる。ここで、前記有機金属として、カルボニル基、アルデヒド基およびケトン基のうちいずれかを含む金属化合物、前記金属錯体として、酢酸塩、硫酸塩および硝酸塩のうちいずれかの材料、前記溶媒として、エチレングリコール,アルコール,水のいずれかを用いることができる。
【0016】
たとえば、有機金属としては、Cr(CO),Fe(CO),Ni(CO)などを用いることができる。ここで、COは、その構造中にカルボニル基を有する有機基を意味する。
金属錯体としては、アセテート(酢酸塩)、硫酸塩、硝酸塩などが用いられるが、例えば酢酸塩では、Fe(CHCOO),Co(CHCOO),Ni(CHCOO),Cr(CHCOO)などを用いることができる。
【0017】
さらに、貴金属を含めたアセチルアセトナト錯体を用いることもできる。たとえば、Pt(acac),Pd(acac),Ir(acac)などがある。ここでacacとは、CHCOCHCOCHを意味する。
溶媒としては、エチレングリコール(HOCHCHOH)や、ROHアルコール(例えば、CHOH:メタノール、COH:エタノール、COH:プロパノール)や水などが用いられる。
【0018】
上記有機錯体は、溶媒中で以下のように分解されると考えられる。
酢酸塩とアルコールの組み合わせでは、
n+(CHCOO+nROH→M(OH)+nCHCOOR
酢酸塩と水の組み合わせでは、
n+(CHCOO+nHO→M(OH)+nCHCOOHとなる。
式中のMは、中心金属を意味する。
上記式中のM(OH)で表される水酸化物は、溶液中の有機金属と反応することで、たとえば(−M−O−M’−O−M−)、(式中のM’は有機金属中の金属を意味する)のような微粒子の前駆体と未反応物を含む混合物となると考えられる。
この混合物を所定の温度で乾燥させることで、マトリックス構造の微粒子と、その周囲を覆う非磁性体材料からなる下地層を形成できる。ここで、非磁性体材料は、前駆体や未反応物の混合物であると考えられる。また乾燥は、少なくともこの混合物が残る温度である必要がある。この温度は使用する材料によっても異なるが、300〜500℃が好ましく、この温度で1〜3時間程度乾燥を行うことが好ましい。
なお、非磁性材料は、エッチングにより除去してもよい。
また、記録層としては、Co/Pt人工格子薄膜、Tb20Fe60Co20,CoCrPt等を用いることができる。さらに、一般的な情報記録媒体では、記録層の上にSiN,SiOなどの保護膜が形成される。
【0019】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。以下の実施例では、情報記録媒体として光磁気記録媒体(光磁気ディスク)を取り上げて説明するが、これに限るものではない。
【0020】
<実施例1>
図1に、実施例1の光磁気記録媒体の断面構成図を示す。
実施例1の媒体は、基板1上に、下地層2と記録層3をこの順に形成したものであり、通常記録層3の上には保護層が形成されている。図1(b)は、媒体の実際の断面の様子を模式的に示した図である。
【0021】
基板1としては、通常光磁気ディスクに用いられているような材料、たとえばポリカーボネート、ガラス基板、ガラス基板とフォトポリマーを組み合わせたものなどを用いることができる。
下地層2は、非磁性かつ導電性の微粒子22と非磁性体(誘電体)材料21とから構成され、前記微粒子がその周囲を非磁性体に覆われ、かつマトリックス構造に形成されている。いわゆる非磁性マトリックスとなっている。
非磁性かつ導電性の微粒子22としては、アモルファス微粒子を用い、非磁性体材料21としては、誘電体材料を用いることができる。アモルファス微粒子22としては、ここでは、アモルファスFePt微粒子を用いる。誘電体材料21としては、エチレングリコール溶液を用いる。
アモルファス微粒子は、前記したような有機金属と金属錯体とを含む有機溶媒を原料として供給される。
誘電体材料21は、アモルファス微粒子がマトリックス構造に形成されるように、この微粒子の周囲に形成される。誘電体材料21は、前記した有機溶剤を所定の温度で乾燥させた後に残存する微粒子以外の部分であり、有機金属,金属錯体およびこれらの縮合中間体の混合物であると考えられる。
【0022】
実施例1の媒体は、次のようにして形成した。
下地層2は、次のような材料の溶液Aを基板1上にスピンコート法により塗布し(図2(a))、所定条件での乾燥(図2(b))を行うことにより形成した。溶液Aとは、有機金属である鉄カルボニル微粒子(Fe(CO))11と、金属錯体であるPtアセチルアセトネート(Pt(acac))12とを、有機溶媒であるエチレングリコール13に溶かしたものである。ここでは、10gの(Fe(CO))と、10gの(Pt(acac))とを、100ccのエチレングリコールに溶かしたものを用いるものとする。
【0023】
スピンコートによる塗布は、基板1を2500rpmの回転速度で回転して行う。その後、この塗布基板を150℃程度に加熱した状態で、2時間程度乾燥させる。この乾燥により、図2(b)のようにアモルファスFePt微粒子22の周囲を誘電体21が覆っている固化状態の非磁性マトリックスとして、下地層2が形成される。すなわち、下地層2は、図2(b)に示すように、その表面に微小な凹凸が形成された薄膜として形成される。また、微粒子22の一部が、下地層の表面に露出した構造で、一定周期を持って形成される。
【0024】
この実施例1で形成した下地層2の膜厚は4nm程度であり、マトリックスに含まれるアモルファスFePt微粒子の粒径は3nm程度であった。
【0025】
このように形成された下地層2の上に、マグネトロンスパッタ法により、記録層3として、Co/Pt人工格子薄膜を形成した。人工格子薄膜は、0.5nm程度の膜厚のCo膜とPt膜を交互に積層して形成した。Co膜とPt膜の積層周期は1nmとし、記録膜全体の膜厚は10nmとした。
記録層3は、図2(b)に示したような下地層2の微粒子の凸部の上に成長し、下地層2の凹凸の形状が反映された表面形状を有した磁区クラスタが形成される。記録層3は、空間的に分離されたクラスタではなく、連続平面的に形成された膜として形成され、磁区クラスタによりある特定の周期の磁気的ポテンシャルを持つものである。
記録層3は、垂直方向に磁化容易軸を持つ磁性膜を用いることができ、他の磁性材料を用いてもよい。
【0026】
さらに、図1には図示していないが、記録層3の上に、膜厚30nm程度の保護膜を形成した。保護膜としては、SiN膜を用いた。
以上の工程により、この発明の実施例1の光磁気記録媒体が形成される。この実施例1のCo/Pt膜からなる記録層3の保磁力Hcを測定すると、5kOeであった。これは従来のものと比べて、約2倍の値である。
【0027】
この実施例1の媒体を、振動試料型磁力計を用いて交流消磁を行い、磁気力顕微鏡で記録層3の磁区クラスタの大きさを観察すると、9nm程度であった。したがって、従来の光磁気記録媒体の記録層の磁区クラスタが50nm程度であったのに対して、約1/5の大きさとなっているので、記録の最小単位をより小さくでき、線記録密度を向上させることができると言える。すなわち、この実施例1によれば、十分な保磁力を維持したまま、記録層の磁区クラスタを小さくすることができるので、高分解能記録が可能となる。
【0028】
<実施例2>
実施例1では、図2(b)に示した乾燥した後の下地層2の上に、記録層3を形成したが、記録層3を形成する前に、下地層2のドライエッチングを行ってもよい。これにより、磁区クラスタをより小さくすることができる。
【0029】
下地層2は、図2(b)に示すように、アモルファスFePt微粒子22と、誘電体21の部分から構成されるが、実施例2では、微粒子22の間の誘電体21の部分をエッチングして表面の凹凸をより明確に形成する。たとえば、微粒子22の形成領域の高さが4nm程度であるのに対し、誘電体21の部分の高さを3nm程度となるまでエッチングし、その高低差を1nm程度とする。
【0030】
図3に、実施例2のエッチング後の媒体表面の概略断面図を示す。
ドライエッチングは、次のようにして行えばよい。
図2(b)の構造の媒体を、エッチングチャンバにセットし、6×10−5Pa程度まで真空引きした後、Arガスをチャンバ内に導入し、真空度を1Pa程度とした。そして、RF投入電力を300Wとして、約1分間、Arガスによる下地層2のエッチングを行った。
これにより、図3に示したように、微粒子22と誘電体21の部分の高低差が約1nmの下地層2が形成された。
【0031】
このようにして形成された図3の下地層2の上に、実施例1と同様の方法でCo/Pt記録膜を形成し、さらに保護層を形成して媒体を製作した。この場合、記録層の保磁力Hcは約6kOeとなり、実施例1よりもわずかに向上した。これは、エッチングにより表面の凹凸をよって明確に形成したことによって、記録層の磁壁抗磁力が増大したためと考えられる。
【0032】
また、実施例1と同様にして記録層3の磁区クラスタの大きさを観察すると、約6nmとなっており、微粒子1個分のサイズ(=3nm)だけ小さくなっていることがわかった。すなわち、表面の凹凸がより明確となった下地層2の上に記録層が成長したために、より小さな磁区クラスタが形成されたと言うことができる。したがって、実施例2のようなドライエッチング工程を追加することにより、より高分解能記録が可能となる。
【0033】
<実施例3>
ここでは、下地層2を、物理的なドライプロセスで形成する場合について説明する。これによれば、実施例1および2のような塗布、乾燥という工程の代わりに、ドライ工程のみを用いるだけで同様の構造を持った下地層2が形成でき、製造工程を簡略化できる。
【0034】
図4に、この発明の実施例3の媒体の各層の形成工程図を示す。
(工程1:Pt−SiO膜の形成)
まず、基板1上に、スパッタリングにより、Pt−SiO膜を形成した。ここでは、一般的なRFスパッタ装置を用い、そのカソードに、ターゲットPt90%(SiO)10%を配置し、投入電力500W、Arガス圧0.5Paの条件のもとで、ターゲットと対向する位置に基板を配置して、スパッタリングを行う。
【0035】
基板1上には、5nm程度のPt−SiO膜が形成された。このとき、Pt粒子31のサイズは約4nmであり、Pt粒子31は非磁性かつ導電性の微粒子である。また非磁性のSiO膜32は、各Pt粒子31の間を取り囲むように形成され、Pt−SiO膜は、いわゆるグラニュラ膜構造の非磁性マトリックスとして形成されている。図4(a)は、このPt−SiO膜形成後の断面図を示したものである。
【0036】
(工程2:RFアルゴンエッチング)
次に、真空を破ることなく連続的に、Pt−SiO膜の表面に対してRFアルゴンエッチングをした。ここでRF投入電力を300Wとして、チャンバ内圧力を1Paとした。このエッチングにより、SiO膜32の部分がエッチングされ、図4(b)に示すように、Pt粒子31とSiO膜32の高低差が1nm程度となる。すなわち、これにより実施例2と同様な凹凸表面を持つ下地層2が形成されたことになる。
【0037】
(工程3:記録層の形成)
図4(b)により形成された下地層の上に、記録層3を形成した。記録層3は、実施例1と同様にDCマグネトロンスパッタ装置を用いて、スパッタリングにより形成すればよい。
記録層3としては、実施例1のようなCo/Pt膜の他に、希土類遷移金属アモルファス合金膜を用いてもよい。ここでは、室温で保磁力がほぼ無限大となるTb20Fe60Co20を用いた。
ここで、Arスパッタガス圧を0.5Pa、投入電力を1kwとした。この場合も図4(c)に示すような下地層の凹凸を反映した表面形状を持つ記録層33が形成された。
このような実施例3の記録層3の保磁力Hcを測定すると、12kOeであった。一方、下地層2を形成せずに、従来のように基板上に直接Tb20Fe60Co20を形成した場合の保磁力Hcは7.5kOeであった。すなわち、実施例3のように下地層2の上に形成した記録層の場合、従来のものに比べて、保磁力は5kOe程度改善されたことになる。
【0038】
(工程4:保護膜の形成)
次に、図4(b)に示すように、記録膜33の上に、保護膜34としてのSiNを形成した。この保護膜は、Siターゲットを用いて、ArガスとNガスの反応性スパッタリングにより形成できる。SiN膜の膜厚はたとえば40nm程度とすればよい。
以上の工程により、実施例3の光磁気記録媒体が形成できるが、実施例1と同様の方法でこの記録膜の磁区クラスタを観察すると、そのサイズは約8nmであり、実施例1等と同様に、十分小さな磁区クラスタを形成することができた。
【0039】
<実施例4>
ここでは、有機溶媒の他の実施例を示す。
実施例1では、塗布する溶液として、Fe(CO)とPt(acac)を用いたがこれに限るものではない。たとえば、次のような溶液を用いることができる。
(1)Pt(acac)を、エチレングリコールに溶解させた溶液
(2)酢酸クロムCr(CHCOO)を、無水エタノールに溶解させた溶液
【0040】
(1)の場合、粒径2.5nm程度のPt微粒子が、マトリックスの中に分散固化された下地層が形成される。
また、(2)の場合、粒径2.8nm程度のCr微粒子が、マトリックスの中に分散固化された下地層が形成される。
【0041】
(1)の溶液としては、たとえば、10gのPt(acac)を、300ccのエチレングリコールに溶解させたものを用いる。そして、オイルバスの温度を40℃に設定して、この溶液をロータリエバポレータで1kPaまで減圧しながら5時間程度放置し、アルコール分を蒸発させる。このとき、40cc程度の溶液となった。
【0042】
この後、200℃で1時間程度加熱すると、結晶化していないアモルファス状態のPt微粒子が溶液中に均一かつ密な状態で観測できた。この溶液を用いて下地層を形成する場合は、ガラス基板上に、この溶液をスピンコートした後、50℃で1時間程度、加熱乾燥させる。
これにより、Pt微粒子が均一に分散固化されたマトリックス構造の下地層2が形成される。この構造も図2(b)に示すような非磁性の誘電体の中に微粒子が分散して形成されたグラニュラ膜構造となっていた。
【0043】
そして、実施例2に示したように、誘電体部分を選択的にドライエッチング(投入電力500W、Arガス圧5Pa)した後、この下地層2の上に記録層3を形成した。たとえば、Tb20Fe70Co10をスパッタリング法により、膜厚40nm程度製膜する。
【0044】
さらに、保護膜としてのSiNを、スパッタリング法により、膜厚30nm程度製膜すると、媒体が完成される。この完成された媒体の保磁力Hcを測定すると、14kOeであった。このような下地層を設けずに、基板上に記録層を直接形成した場合の保磁力Hcは高々8kOeであるのと比べると、この発明の媒体の保磁力は非常に高い数値を示している。このように保磁力が増大したのは、下地層2を形成することによるピンニングサイトの増加に伴う磁壁抗磁力の増加によるものと考えられる。
【0045】
一方、(2)の溶液としては、たとえば、20gの酢酸クロムを、200ccの無水エタノールに溶解させたものを用いる。ここで、Crn+(CHCOO+nCOH→Cr(OH)+nCHCOOC(n=2or3)という反応により、酢酸クロムは常温でも溶ける。
【0046】
この溶液を40℃から60℃程度で加熱して撹拌していると、Cr微粒子が溶液中に均一かつ密な状態で観測できる。溶液が20cc程度となったところで、撹拌を中止した後、前記した(1)の溶液から下地層を形成し、かつ記録層(Tb20Fe70Co10)、保護層(SiN)を形成したのと同様な方法で、(2)の溶液を用いて媒体を形成した。この(2)の溶液を用いて形成した媒体も、保磁力Hcは14.6kOeという高い数値を示した。
以上のことから、(1)の溶液および(2)の溶液のどちらを用いても、下地層を形成せずに基板上に記録層を直接形成した媒体よりも高い保磁力Hcを持つ媒体を形成することができた。
【0047】
一般に、記録層の磁区クラスタの大きさは、保磁力Hcと飽和磁力Msの積(Ms・Hc)に反比例することが知られている。したがって、飽和磁化Msが一定値であるとすると、保磁力Hcが大きくなるほど、磁区クラスタの大きさは小さくなるので、記録分解能を向上させることができる。
【0048】
なお、この発明のように、記録層の下に、微粒子が分散固化された下地層を形成した構成は、実施例に示したような光磁気記録媒体(MO)の他に、磁気記録媒体(FD,HDD,磁気テープ)でも適用可能であり、磁区クラスタの縮小、保磁力の向上によっていずれの媒体でも、記録分解能を向上させることができる。
【0049】
<実施例5>
図5は、本発明の磁気記録媒体を磁気記録装置にて使用する実施例の概略を示す図である。スピンドル51により本発明に係わる記録媒体52を所定の回転速度で回転させる。記録媒体52の表面に形成された記録膜68に対して、レーザダイオード53からレーザ光を照射する。レーザ光はコリメートレンズ54により平行光とされ、ビームスプリッタ55を通過し、光学ヘッドスライダ58に搭載された対物レンズ56により集光され、記録膜68に焦点を結ぶように制御される。レーザダイオード53は、レーザ駆動回路63によりパルス変調され高レベルの光出力と低レベルの光出力が可能となっている。
【0050】
情報の記録は、光変調記録でも磁界変調記録のどちらでも行うことができる。光変調記録の場合は、次のように行う。レーザ光は記録するべき情報に従ってレーザ駆動回路63によりパルス状に変調されて、記録膜68に照射される。そして、記録用に制御されたレーザ光の照射により記録膜68の表面に形成したレーザスポットの近辺には記録用コイル59により、図面上、上向き方向で、所定の大きさの直流磁界を印可することにより上向きの磁界に対応した情報を記録できる。また、下向き方向の磁界を印可することにより下向きの磁界の情報を記録できる。なお、上向きの磁界に対応した情報を記録する場合には、あらかじめ記録膜の磁化方向を下向きにそろえておく必要あり、下向きの磁界に対応した情報を記録する場合には、あらかじめ記録膜の磁化方向を上向きにそろえておく必要がある。
【0051】
磁界変調記録の場合は、次のように行う。この場合、記録用コイル59を記録膜68に近接させることで、交番磁界であっても記録用コイル59をから十分な大きさの磁界を発生することができる。なお、記録用コイル59は、記録用コイル駆動回路67により制御される。磁界変調記録を行う場合は、レーザはDC発光、あるいは媒体上に一定の温度を保つようにパルス発光を行い、記録すべき情報に従って磁界を上向き、下向きに変える。レーザをDC発光させた場合に温度分布が半径方向に広がる場合は、レーザをパルス発光させて温度分布が半径方向に広がらないようにする。
【0052】
また、記録膜で反射した光はビームスプリッタ55により、図中右側へ光路を変更され光検出器64により電気信号に変換されフォーカス信号検出回路65にて、フォーカス方向が検出される。フォーカス信号検出回路65にて検出されたフォーカス方向によってフォーカス用コイル駆動回路66が制御され、フォーカス用コイル57にフォーカス電流が流れ、対物レンズ56を図中上下に動作させて、レーザスポットが記録膜68に集光するよう制御される。
一方、再生時においては、磁気ヘッドスライダ61に搭載された磁気再生素子60により磁区の上下方向を検出し、再生素子駆動検出回路62により、高密度に記録された情報を良好なCNRをもって再生できる。
【0053】
本発明の実施例5に係る記録媒体の構成は次の通りである。基板の上に、軟磁性膜、下地層、記録層、保護層、及び潤滑層が形成されている。ここで、軟磁性膜は、記録する最に印加する磁界を集中させる為に形成した。次にこの記録媒体の作製方法を説明する。
【0054】
基板には、フラットなガラス基板を用い、ディスク径2.5インチとした。軟磁性膜にはCoZrNb膜を用いた。CoZrNb層の膜厚は100nmであり、飽和磁束密度は10kGaussである。また、磁化容易軸は膜面内で半径方向にあり、その保磁力Hceは1Oe、困難軸は膜面内でディスクの周方向にあり、その保磁力Hchは0.5Oeで異方性磁界Hkは20Oeである。次に下地層としてPt−SiOを形成した。膜厚は5nmとして、組成はPt80%(SiO)20%とした。実施例3では、このような下地層を形成した後、エッチングを施したがここでは行わなかった。製膜条件については後述する。
【0055】
次に記録層としてTbFeCo膜を形成した。組成はTb19Fe65Co16として、膜厚は20nmとした。保磁力は8kOeであり、保護膜には、SiNを3nm、Crを1nm、Cを1nm形成した。これらの層は、通常のマグネトロンスパッタ法で形成した。また、各層はそれぞれの材料のターゲットを用いて、スパッタガスにはArを用いた。なお、Pt−SiOの形成は、Pt−SiOターゲットを用い、Arガスよって形成した。SiNの形成は、Siターゲットを用い、ArとNの混合ガスで反応性スパッタによって形成した。このようにして作製した記録媒体の表面に潤滑材を塗布した。潤滑材としては、フッ素系樹脂を用いて、スピンコート法によって塗布した。この潤滑材の膜厚は1nm以下である。
【0056】
まず、記録層TbFeCo膜の温度に対する保磁力Hcと飽和磁化Msの変化を調べた。図6に示すように室温での保磁力Hcは約8kOeであり、飽和磁化Msは約120emu/cmであった。キュリー温度はおおむね280℃であった。この程度の温度であれば、レーザを照射することで到達することができ、キュリー温度付近まで昇温して外部から磁界を印加することで、その磁界に対応した方向に記録層の磁化を変調して記録することができる。また、この記録層の磁化は室温で120emu/cm程度あるので、この磁束を通常の磁気抵抗素子なので、磁束センサによって再生することができる。
【0057】
まず、原理実験を確認する為に、小さな空芯コイルを浮上スライダに形成して、空芯部分から光を入射させた。光を照射することで、記録媒体の保磁力は低下するので、その状態で空芯コイルに電流を流して磁界を発生させる。この磁界は、記録したい磁区のサイズに合わせて磁束の方向を上向きと下向きに変える。磁束検出するために、磁気ヘッドを用いた。磁気ヘッドはスライダに磁気抵抗素子が取り付けられたものである。
【0058】
図7にレーザ記録パワーに対するCNRの変化を示す。ここで、記録磁界は400エルステッドとした。また、記録したマークのサイズは50nmである。使用した磁気再生ヘッドの再生コア幅は0.2μm、シールドギャップ長は0.09μmである。記録用レーザの波長は405nm、対物レンズのNAは0.85である。
【0059】
図7で示すようにレーザ記録パワーを15mWにすることで、再生特性はほぼ飽和している。磁気再生することで、このような微小なマークでも再生可能となり、熱磁気記録したものを光で再生するよりは、再生特性が非常に改善されていることが分かる。
【0060】
<実施例6>
図8は、光学系と記録用コイルと磁気再生素子を一体化したヘッドの実施形態を示す。光学系は、導波路タイプを使用した。コイルは、この光の開口部より後ろ側に形成した。これは、媒体が高速に回転していると、実際に温度が上昇する箇所はスポット位置より後ろ側にずれるからである。再生素子は、光の開口部と記録用コイルの間に形成した。
【0061】
図8(A)で示すとおり、スライダ61の端に記録再生部60が形成される。図8(B)は図8(A)図中のB矢視方向から見たスライダ面(媒体に対向する面)から見た図である。基板61にはAlTiCを用いた。この図は、一枚のウエーハから切り出した図を示している。まず、光シールド部分603に使用するAuを蒸着する。この膜厚は100nmである。レジストとエッチングプロセスで、光シールド部603の下部面を形成する。その上に光開口部6022に対応する部分と外部の不要な部分をレジストでマスクしてAuを蒸着した。その後、リフトオフと開口部のレジスト除去により光開口部6022と光シールド部分603を形成した。このようにして形成した光開口部6022の大きさは図中の幅方向が100nm,高さ方向が60nmで、光シールド部603は導波路602に対して50nm厚である。
【0062】
この上に一度、アルミナをスパッタ法で形成して、平面になるように研磨して平坦層601を形成した。その上に厚み200nmのパーマロイ(第1のシールド層604)を形成した後、レジストプロセスでパターニングしながら磁気抵抗素子605を形成した。その上にFeCoを200nm形成した(第2のシールド層606)。さらに1μmのレジストを形成してその上にコイル607およびライト磁極608を形成した。ライト磁極608のサイズは、幅=100nm、高さ=50nmとした。
【0063】
図8(C)は図8(A)図中のC矢視方向から見た図であり、試作したヘッドの側面図を示す。図8(B)図では表し難かったコイル607を示している。ここで、第2のシールド層606とライト磁極608は上下方向(図8(C)では、紙面手前から奥)にFeCoでつながっており、磁路に空隙はない。
【0064】
このようにして試作したヘッドで記録再生特性を調べた。図9にレーザ記録パワーに対するCNRの変化を示す。測定したマーク長は50nmである。ここでは、記録媒体として、実施例5で用いたものを利用している。また、再生素子に流すセンス電流Isは3mAとした。これらは、通常の磁気記録に用いられる値程度である。このように光ヘッド部と磁気ヘッドを一体にしたヘッドを用いることによっても良好な記録再生特性を実現することができる。
【0065】
<実施例7>
実施例5では、基板/CoZrNb/下地層/TbFeCo/保護膜という構成を用いた。そこで、下地層としてPt−SiOを形成していたが、そこでは、エッチングの処理を施していなかった。これは、製膜条件を新たに検討したことによる。一般には、Pt−SiOは一般的なスパッタ条件で製膜した後、エッチングを施すことで、SiOがエッチングされやすく、結果的に表面にPtが出て、表面の凹凸を形成している。
【0066】
しかし、製膜条件を新たに検討したところ、製膜ガス圧を高くしたり、製膜レートを遅くすることでPt−SiO層の表面に微細に凹凸を形成することが可能であった。例えば、通常ではPt80%(SiO)20%組成のターゲットを0.5Pa、0.5kWでスパッタしていたが、これを4.8Pa,0.5kWでスパッタしたところ、その上に形成したTbFeCo膜の磁気クラスタは8nm程度まで小さくできた。従来のスパッタ条件でエッチングしないものの磁気クラスタは30nm以上の大きさであった。
【0067】
そこで、このような下地層の製膜条件に対する磁気クラスタサイズを調べた。その一例を図10に示す。このように、ガス圧を高くして、ターゲットへの投入電力を小さくすることでPt−SiOの表面に周期の小さな凹凸が形成されて、TbFeCoの磁気クラスタサイズを小さくすることが可能である。
【0068】
ここでは、Pt−SiOを用いたが、白金族である、Ru−SiO、Rh−SiO、Pd−SiO、Os−SiO、Ir−SiOでも同様な傾向があった。具体的には、これらのターゲットを5Pa、0.4kWで製膜して、その上にTbFeCo膜を形成したところ、その磁気クラスタサイズは次のような大きさであった。Ru−SiO=4.3nm、Rh−SiO=5.6nm、Pd−SiO=7.6nm、Os−SiO=5.1nm、Ir−SiO=6.2nm。この時の組成は、白金族80%(SiO)20%とした。
【0069】
<実施例8>
実施例6で試作した一体型ヘッドを用いて実施例7の中間層を用いた媒体の記録再生特性を調べた。ここでは、記録層としてCoCrPt−SiOを用いた。組成は(Co70Cr10Pt2082−(SiO18で、下地層には白金族70%(SiO)30%を用いた。媒体の構成は次の通りとした。基板/CoZrNb(100nm)/下地層(5nm)/CoCrPt−SiO(11nm)/DLC(5nm)。CoCrPt−SiO記録層の保磁力は下地層によって若干異なるが、7〜8kOeで、飽和磁化の値は350emu/cc程度あった。下地層の貴金属の種類に対する、マーク長=50nmでのCNRを測定した。どの下地層に対してもレーザパワーは14mWとして、記録コイルに流す電流は24mAとした。その結果、CNRは次のように良好な値を示した。
【0070】
【表1】
Figure 2004047052
【0071】
いずれにおいても、良好なCNRを得ることができた。また、白金以外の貴金属として、Au−SiO、Ag−SiOの下地層を用いた場合にも同様に、マーク長50nmでのCNRは48dB以上の良好な値を示した。ところが、Fe−SiO、Cr−SiOといった、遷移金属とSiOを混ぜた場合には、マーク長50nmにおけるCNRは20dB以下と非常に小さな値であった。この特性は、レーザ光のパワーや記録コイルに流す電流を変えても、下地層に白金族や貴金属を用いた媒体のような特性はでなかった。
【0072】
(付記1) 基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成した情報記録媒体であって、前記下地層が、非磁性かつ導電性の微粒子と非磁性体材料とからなり、前記微粒子がマトリックス構造に形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
(付記2) 前記微粒子が、Pt原子を含み粒径が3nm以下のアモルファス微粒子であることを特徴とする付記1の情報記録媒体。
(付記3) 前記微粒子の一部が下地層の表面に露出し、下地層の表面に微小な凹凸を形成していることを特徴とする付記2の情報記録媒体。
(付記4) 基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成した情報記録媒体の形成方法であって、下地層の形成が、有機金属と金属錯体とを含む溶媒を基板上に塗布する工程と、前記塗布後に、所定の温度で乾燥させて、マトリックス構造の非磁性かつ導電性の微粒子を非磁性体にその周囲を覆われるように形成する乾燥工程からなることを特徴とする情報記録媒体の形成方法。
(付記5) 前記下地層の形成工程が、前記乾燥工程の後、下地層の表面に露出した非磁性体の部分を選択的にドライエッチングする工程をさらに備えたことを特徴とする付記4の情報記録媒体の形成方法。
(付記6) 前記有機金属が、カルボニル基、アルデヒド基およびケトン基のうちいずれかを含む金属化合物であり、前記金属錯体が、酢酸塩、硫酸塩および硝酸塩のうちいずれかの材料からなり、前記溶媒が、エチレングリコールまたはアルコールのいずれかであることを特徴とする付記4の情報記録媒体の形成方法。
(付記7) 基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成し、前記下地層が、非磁性かつ導電性の微粒子と非磁性体材料とからなり、前記微粒子がマトリックス構造に形成した情報記録媒体に、光と磁界を印加して情報の記録を行い、前記情報記録媒体からの磁束を検出して磁気再生を行うことを特徴とする情報記録再生方法。
(付記8) 基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成し、前記下地層が、非磁性かつ導電性の微粒子と非磁性体材料とからなり、前記微粒子がマトリックス構造に形成した情報記録媒体に、光と磁界を印加して情報の記録を行う記録部と、前記情報記録媒体からの磁束を検出して再生を行う磁気再生部とを有することを特徴とする情報記録再生装置。
(付記9) 前記光を照射して情報記録媒体を加熱する素子と、前記磁界を印加する素子と、前記磁束を検出する素子が、一つのスライダに搭載されていることを特徴とする付記8記載の情報記録再生装置。
【0073】
【発明の効果】
この発明によれば、基板上に非磁性かつ導電性の微粒子と非磁性体とからなるマトリックス構造の下地層を形成しているので、下地層の上に形成する記録層の磁区クラスタを小さくすることができ、記録分解能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の記録媒体の断面構造図である。
【図2】この発明の実施例1の下地層の形成工程図である。
【図3】この発明の実施例2のエッチング後の下地層の構成の説明図である。
【図4】この発明の実施例3の記録媒体の各層の形成工程図である。
【図5】この発明の磁気記録装置の概略を示す図である。
【図6】この発明の磁気記録媒体の保磁力と飽和磁化の温度変化を説明する図である。
【図7】この発明の磁気記録媒体のレーザ記録パワーに対するCNR特性を示す図である。
【図8】この発明の磁気記録装置に用いられる一体型ヘッドを示す図である。
【図9】この発明の磁気記録媒体のレーザ記録パワーに対するCNR特性を示す図である。
【図10】この発明の下地層の製膜条件に対する磁気クラスタサイズを示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 下地層
3 記録層
11 鉄カルボニル
12 Ptアセチルアセトネート
13 エチレングリコール
21 誘電体
22 微粒子
31 Pt粒子
32 SiO
33 記録層
34 保護層

Claims (5)

  1. 基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成した情報記録媒体であって、前記下地層が、非磁性かつ導電性の微粒子と非磁性体材料とからなり、前記微粒子がマトリックス構造に形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成した情報記録媒体の形成方法であって、下地層の形成が、有機金属と金属錯体とを含む溶媒を基板上に塗布する工程と、前記塗布後に、所定の温度で乾燥させて、マトリックス構造の非磁性かつ導電性の微粒子を非磁性体にその周囲を覆われるように形成する乾燥工程からなることを特徴とする情報記録媒体の形成方法。
  3. 前記有機金属が、カルボニル基、アルデヒド基およびケトン基のうちいずれかを含む金属化合物であり、前記金属錯体が、酢酸塩、硫酸塩および硝酸塩のうちいずれかの材料からなり、前記溶媒が、エチレングリコールまたはアルコールのいずれかであることを特徴とする請求項2の情報記録媒体の形成方法。
  4. 基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成し、前記下地層が、非磁性かつ導電性の微粒子と非磁性体材料とからなり、前記微粒子がマトリックス構造に形成した情報記録媒体に、光と磁界を印加して情報の記録を行い、前記情報記録媒体からの磁束を検出して磁気再生を行うことを特徴とする情報記録再生方法。
  5. 基板上に、少なくとも下地層、記録層をこの順に形成し、前記下地層が、非磁性かつ導電性の微粒子と非磁性体材料とからなり、前記微粒子がマトリックス構造に形成した情報記録媒体に、光と磁界を印加して情報の記録を行う記録部と、前記情報記録媒体からの磁束を検出して再生を行う磁気再生部とを有することを特徴とする情報記録再生装置。
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