JPH05234069A - 薄膜磁気ディスク - Google Patents

薄膜磁気ディスク

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JPH05234069A
JPH05234069A JP3509692A JP3509692A JPH05234069A JP H05234069 A JPH05234069 A JP H05234069A JP 3509692 A JP3509692 A JP 3509692A JP 3509692 A JP3509692 A JP 3509692A JP H05234069 A JPH05234069 A JP H05234069A
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magnetic
film
disk
thin film
ray diffraction
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JP3509692A
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Satoshi Kanda
智 神田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面に方向性凹凸加工(テクスチャ加工)を
した磁気ディスクで、最良の磁気特性(磁気異方性)を
得るための中間膜面及び磁性膜面の凹凸加工の程度を定
量的に求める。 【構成】 ディスクの中間膜と磁性膜は円周方向に加工
溝を付けた基板(硬質下地膜)上にエピタキシャル成長
により順に成膜され、これら膜上に基板と同様な加工溝
が形成される。中間膜及び磁性膜の結晶配向面の角度分
布(ばらつき)は、X線回折極図形の回折強度半値幅
(角度)で定量的に測定される。円周方向の加工溝のた
め、結晶配向面角度分布は、円周方向で狭く半径方向で
広く、極図形のX線回折強度半値幅の角度分布でみて、
円周方向で5°以内、半径方向で円周方向の2〜5倍
(図1)とするように加工溝を付与するとき、最良の磁
気特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な磁気特性を有す
る薄膜磁気ディスクに係り、特に、磁気異方性を持ち記
録・再生の際に高い出力特性を示す薄膜磁気ディスクに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスクの分野では、高記録
密度化に伴ない、古くからの磁性粉をバインダーと呼ば
れる樹脂とともに基板上に塗布した塗布型磁気ディスク
に代わって、スパッタやメッキ等の方法により連続した
磁性体の薄膜を基板上に形成する薄膜磁気ディスクが主
流になりつつある。
【0003】薄膜磁気ディスクの磁性膜は、ディスクの
面内方向の磁化により情報を記録するため、結晶の磁気
容易軸方向をディスク面内に並べる必要がある。このた
め通常は磁性膜を成膜する前に、中間膜と呼ばれる非磁
性の金属膜を成膜してその表面をある結晶面に揃えてお
く。するとその後で成膜される磁性膜が、中間膜の揃え
られた結晶面の上にエピタキシャル成長を起こし、面内
方向に一様な磁気容易軸結晶面を持つ磁性膜が得られ
る。
【0004】さらに磁気ディスクでは、記録が面内の円
周方向の磁化により行なわれるので、面内でも円周方向
に磁化が向き易くなっていることが好ましい。これは特
に高記録密度用の高保磁力を有する磁気ディスクに有効
となる。円周方向に磁化容易軸を持たせる方法の1つと
して、米国特許第4735840号明細書に挙げられて
いるテクスチャ加工を利用するものがある。テクスチャ
加工は、本来、ディスク静止時に、共に鏡面加工をされ
たヘッドとディスクの表面が粘着を起こしディスクを再
スタートさせる際に障害となることがないようにするた
め、あらかじめディスク表面に無数の細かい溝をつけ面
粗さを悪くしたものであって、このテクスチャ加工によ
りヘッドとディスク面との粘着を防止することができ
る。テクスチャ加工は通常、ディスクを回転させながら
砥粒の埋め込まれた加工用テープをディスク表面に押し
つける等の方法により行なわれるので、主に円周方向の
溝がつき易い。このテクスチャの上に磁性膜をエピタキ
シャル成長により成膜するとテクスチャ加工痕が磁性膜
にも同一形状で残るため、円周方向に磁化容易方向が与
えられ、円周方向に磁化が向き易くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、磁気
ディスク記録媒体の製造方法において、下地層にテクス
チャ加工等を施すことにより、その上にスパッタ等で被
着されるコバルト/ニッケルのような金属磁性薄膜に対
し円周方向(磁気ディスク回転方向)に磁気異方性を付
与するものであるが、この磁気異方性の付与の仕方につ
いては定性的に述べられているだけであって、テクスチ
ャ加工等の手段をどの程度施し、それをどのように定量
的に評価し、またそれによってどの程度磁気異方性を持
たせるとよいかという点については、何も配慮されてい
なかった。
【0006】本発明者は、色々研究した結果、良好な磁
気記録再生特性を有する薄膜磁気ディスクを得るための
テクスチャ付与の状態等を定量的に評価する方法を見出
すと共に、その評価法によって、これまでにはなかった
特性値の面構造をもった磁性薄膜を有する磁気ディスク
記録媒体を得たものである。
【0007】従って、本発明の目的は、磁気記録再生特
性の優れた薄膜磁気ディスクを作成するためのテクスチ
ャ付与の状態を定量的に評価する指針を与えると共に、
その指針によって、良好な磁気記録再生特性を示す新規
な構成の薄膜磁気ディスクを得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、基板上に順に金属中間膜及び金属磁性薄
膜を形成した薄膜磁気ディスクにおいて、前記金属磁性
薄膜を構成する結晶の磁気容易軸を磁気ディスク面内に
向けたときの、X線回折極図形による前記金属磁性薄膜
の結晶配向面の円周方向のX線回折強度の半値幅が5°
以内の角度に分布するように構成する。
【0009】また、この場合、前記のように結晶の磁気
容易軸を磁気ディスク面内に向けたときの、X線回折極
図形による前記金属磁性薄膜の半径方向の結晶配向面の
X線回折強度の半値幅の分布角度が円周方向のX線回折
強度の半値幅の分布角度の2〜5倍となるように構成す
る。
【0010】また、前記のように金属磁性薄膜の磁気容
易軸がディスクの面内を向いてエピタキシャル成長する
ために、X線回折極図形による金属中間膜の結晶配向面
の円周方向のX線回折強度の半値幅が角度5°以内に分
布し、X線回折極図形によるこの金属中間膜の結晶配向
面の半径方向のX線回折強度の半値幅の分布角度が円周
方向のX線回折強度の半値幅の2〜5倍となるように構
成する。
【0011】具体的な構成として、金属磁性薄膜は、C
o−Cr−X1(ここで、X1は、Ti,V,Ni,N
b,Mo,Ta,W,Ptのうちの少なくとも1種類以
上の元素)、もしくはCo−Ni−X2(ここで、X
2は、Ti,Zr,Pt,Pのうちの少なくとも1種類
以上の元素)のhcp構造(hexagonal closed packin
g:六方稠密充填構造)を有するもので、その結晶の磁
気容易軸をディスクの面内方向に向けたときの結晶配向
面が(110)面であるようにする。
【0012】また、前記金属中間膜は、CrもしくはC
r−X3(ここで、X3は、Si,Ti,Agのうちの少
なくとも1種類以上の元素)の合金のbcc構造(body
centered cubic :体心立方構造)を有するもので、磁
性薄膜結晶の磁気容易軸がディスクの面内を向いてエピ
タキシャル成長するための中間膜の結晶配向面は(10
0)面であるように構成する。
【0013】ここで、極図形測定におけるX線強度の半
値幅とは、X線をある角度θで試料に入射しブラッグ反
射の回折X線を得た状態から、試料を微少角度傾け、X
線回折強度が元のブラッグ反射での強度の半分となった
ときの試料が傾いた角度である。
【0014】
【作用】上記構成に基づく作用を説明する。
【0015】前述のように、磁気異方性を磁気ディスク
の円周方向に付与する一般的な定性的な方法としてテク
スチャ加工法があることは知られているが、本発明で
は、このテクスチャ加工法等のように磁性膜面形状方向
性を付与することによって、磁気特性(磁気異方性)を
付与する場合に、薄膜磁気ディスクの磁気特性を定量的
に評価する指針を提供すると共に、この評価法によっ
て、良好な磁気特性(磁気異方性)を与える中間膜ない
し磁性膜の定量的な数値範囲を見出したものである。こ
の磁気特性(磁気異方性)の定量的な評価法としては、
成膜された中間膜及び磁性膜(磁性薄膜)の結晶配向面
のディスク円周方向及び半径方向における角度的ばらつ
きの測定結果をみるのが合理的である。ある結晶配向面
の角度分布の一般的な測定方法として、X線回折強度の
極図形を用いる方法があるが、本発明では、磁気ディス
クの中間膜及び磁性膜のディスク円周方向及び半径方向
における結晶配向面のばらつきを測定評価するためこの
極図形による方法が用いられる。
【0016】円周方向にテクスチャが付与された基板な
いし中間膜を用いると、その上にエピキシャル成長する
中間膜ないし磁性膜にも同様に円周方向に同形状のテク
スチャが形成される。このためディスクの半径方向では
膜面がテクスチャ加工溝の部分でさえぎられ磁性体の結
晶が膜面に垂直に成長できず傾いたり歪が生じたりする
ので、結晶配向面が必ずしも膜面に平行とはならず不揃
いとなりばらつくようになる。この結果、半径方向の磁
気特性は比較的低いものとなる。これに対し、ディスク
の円周方向では加工溝が少ないため、結晶成長も揃い易
くばらつきが少ない結果、良好な磁気特性が得られる。
以上により、磁気異方性が生じる。
【0017】また、上記説明から明らかなように、円周
方向にテクスチャの付与された磁性膜を有する磁気ディ
スクでは、結晶配向面の角度分布が円周方向で小さく半
径方向で大きくなる。これをX線回折法の極図形で見る
と、X線回折強度の半値幅の角度分布は、円周方向で角
度が狭く、半径方向で角度が広いものとなる。
【0018】本発明によれば、磁性膜及び中間膜のX線
回折極図形による、結晶配向面の円周方向におけるX線
回折強度の半値幅を5°以内の角度とし、かつ、半径方
向におけるX線回折強度の半値幅の角度分布を円周方向
におけるX線回折強度の半値幅の角度分布の2〜5倍と
したことによって、磁気特性(磁気異方性)を最適なも
のとし、従来の薄膜磁気ディスクに比べて、記録再生出
力特性を向上することができる(図5,図6参照)。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面により説明す
る。
【0020】まず、本発明による磁性膜とその作成法及
び評価法の原理について説明する。前述のように、基板
にテクスチャ加工をすることにより、その基板上で成膜
が行なわれたときの結晶成長が異なってくる。テクスチ
ャ加工は通常ディスクを回転させながら行なわれるの
で、加工溝は主に円周方向に沿ってつけられる。
【0021】図2に、テクスチャ加工11された硬質下
地膜の付いたディスク10の模式図を示す。このときの
ディスクの半径方向の断面図を図3に示す。図3中、1
はアルミ基板、2は硬質下地膜、11はテクスチャ加工
溝である。この基板上に中間膜と磁性膜をエピタキシャ
ル成長により成膜すると図4のようになる。図4で、3
は中間膜、4は磁性膜である。中間膜3及び磁性膜4に
は、共に硬質下地膜2のテクスチャ加工溝11に対応し
たテクスチャ加工溝が形成される。膜3及び膜4のテク
スチャ加工の溝11の部分では、結晶が垂直に成長でき
ずディスクの半径方向に傾いたり歪が生じたりする。こ
のためディスクの半径方向には面全体として配向結晶面
が揃いにくくなり、磁気特性が比較的悪いものとなる。
他方円周方向では、加工溝が少ないため結晶成長面も揃
い易く結晶も溝により寸断されることも少ないため、良
好な磁気特性が得られる。以上のような理由により、円
周方向と半径方向とに磁気異方性が生ずる。
【0022】しかしながら、磁気ディスクが良好な磁気
特性を得るためには、このテクスチャによる磁気異方性
についてもさらに制限が必要である。本発明では、磁気
異方性のような磁気特性の良し悪しを極図形における回
折X線強度の半値幅の角度を測定することで評価するよ
うにする。このような評価法を用いたのは、極図形にお
ける回折X線強度の半値幅の角度が結晶成長方位のばら
つき従って磁気特性と密接な関係を持っていると考えら
れるからである。例えば、テクスチャ加工溝11のふち
の部分では半径方向における結晶成長方位の乱れやばら
つきが著しく、磁気特性(磁気異方性)は低下するが、
このときこの部分での回折(反射)X線の散乱が大きく
なり、結果として半値幅(角度)は広がる。つまり、テ
クスチャ加工が強く行なわれる程結晶成長方位がばらつ
き、極図形における回折X線の半値幅が増大することに
なる。
【0023】そこで、良好な磁気特性を得るための条件
として、まず円周方向については、結晶成長方位が揃っ
ていることが必要である。円周方向にはテクスチャ加工
による結晶成長への悪影響が少ないので、円周方向の結
晶成長方位が悪いということは成膜条件そのものが悪い
ということになる。スパッタリングで成膜する場合は成
膜ガス圧,基板加熱温度等のチェックと条件の適正化、
メッキの場合は電流,イオン濃度等のチェックと条件の
適正化が必要である。本発明によれば、良好な磁気特性
を得るためには、X線回折の極図形における円周方向の
回折X線強度の半値幅が5°以内になるように結晶成長
方位がそろっていることが必要であることが見出され
た。
【0024】良好な磁気特性を有する磁気ディスクを得
るためには、さらに半径方向の結晶成長方位についての
条件が必要である。上述のように、テクスチャ加工を行
なうと、半径方向の結晶成長方位にばらつきが生じる。
良好な磁気特性及び電磁変換特性を円周方向に得るため
には、半径方向の結晶成長方位のばらつきが円周方向に
比べて2倍以上になっているほどの異方性があることが
必要である。またテクスチャ加工をやりすぎてディスク
表面が非常に荒れた状態で成膜をすると、半径方向ばか
りでなく円周方向での一様な結晶成長をも妨げることに
なったり、ディスク上でのヘッドの浮上特性を損なうこ
とになるので、半径方向の結晶成長方向のばらつきは円
周方向に比べて5倍以内に抑える必要がある。
【0025】次に、上記原理に基づく本発明の具体的な
実施例について説明する。
【0026】本実施例では、図3に示すように、直径
5.25インチ,厚さ1.2mmの磁気ディスク用アル
ミニウム基板11にNi−Pの硬質下地膜2をメッキに
より成膜した。この基板1をスピンドルに取り付け回転
させながら、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだテープをロ
ーラーで基板に押しつけてテクスチャ加工を行なった。
砥粒は0.5〜5.0μmのものを用い、テクスチャに
よる面粗さを変化させたものを数種類作った。これらの
基板上に、図4に示すように、DCマグネトロンスパッ
タリングにより、順に、中間膜3と、磁性膜4と、保護
膜としてのカーボン膜(図示せず)とを成膜した。下地
膜2は、膜厚を10〜20μmとした。中間膜3はクロ
ムを用い、膜厚を10〜300nmとした。磁性膜4は
コバルト・クロム・タンタル合金を用い、膜厚は20〜
100nmとした。保護膜(カーボン膜)は、膜厚を1
0〜40nmとした。スパッタ装置は連続搬送成膜方式
のものを用い、基板を搬送させながらスパッタ前室のヒ
ーターで150℃〜250℃に加熱した後、中間膜3,
磁性膜4,保護膜を連続成膜した。スパッタガスにはア
ルゴンを用い、4×10‐4〜1×10‐2Torrのガ
ス圧の下でスパッタリングを行なった。こうして成膜さ
れた磁気ディスクについて、X線回折装置を用いて極図
形を測定した。クロム中間膜についてはbcc構造の2
00反射を測定し、磁性膜についてはhcp構造の11
0反射についての極図形を測定した。コバルト・クロム
・タンタル磁性膜の結晶磁気異方性はc軸方向すなわち
〈001〉方向に向いている。ディスク表面にこのc軸
に平行な(110)面の結晶が成長すれば、c軸が面内
方向を向くので、面内で良好な磁気特性が得られる。種
々のテクスチャ加工や膜厚を変化させたディスクの極図
形のうち、中間膜の200極及び磁性膜の110極の円
周方向の回折強度の半値幅が角度5°以下で、かつ半径
方向の回折強度の半値幅が円周方向の2〜5倍である極
図形をもつ磁気ディスクの場合に、磁気記録方向(磁化
方向)である円周方向の磁気特性が良好だった。図1に
これらの磁気特性が良好だったディスクのX線回折極図
形の一例を示す。また、図5に一例として、このコバル
ト・クロム・タンタル磁性膜における110極の半径方
向の回折強度の半値幅が円周方向の2〜5倍であるディ
スク(実施例)と、1〜2倍であるディスク(比較例)
の出力と分解能の測定値を比較したグラフを示す。ま
た、図6に、クロム中間膜における200極の半径方向
のX線回折強度の半値幅が円周方向の2〜5倍であるデ
ィスク(実施例)と、1〜2倍であるディスク(比較
例)の出力と分解能の測定値を比較したグラフを示す。
なお、図5及び図6中、分解能は、最大リードライト周
波数による出力と最小リードライト周波数による出力の
比を%で示したものである。磁性膜とクロム中間膜いず
れの場合においても、円周方向の半値幅に対しての半径
方向の半値幅が2〜5倍になっているディスクの方が、
1〜2倍のディスクよりも良好な電磁変換特性を示して
いる。また同時に測定したS/N比やオーバーライト
(重ね書き)についても、磁性膜とクロム中間膜のいず
れも、円周方向の極図形半値幅に対して半径方向のX線
回折強度の極図形半値幅が2〜5倍になっているディス
クの方が1〜2倍のディスクよりも良好な特性を示し
た。
【0027】さらにこれらの良好な電磁変換特性を示し
た薄膜磁気ディスク装置を試作し、特性を評価したとこ
ろ、磁気ディスク単板での評価と同様のすぐれた特性を
示した。図7(a)は、本実施例の薄膜磁気ディスクを
搭載した磁気ディスク装置の一例の平面図、図7(b)
は、図7(a)のA−A線断面図である。21は、薄膜
磁気ディスク、22はディスク駆動部、23は磁気ヘッ
ド、24は磁気ヘッド駆動手段、25は記録再生信号処
理系、26は制御手段である。
【0028】一方、磁性膜やクロム膜の、半径方向のX
線回折強度の極図形半値幅が円周方向のX線回折強度の
極図形半値幅の5倍を越えた試作ディスクは、テクスチ
ャ加工によりディスク表面が荒れすぎており、ヘッドを
浮上させて電磁変換特性を測定しようとしたところ、ヘ
ッド浮上高さ0.1μm以下の低浮上を満足させること
ができなかった。従って、高記録密度のために必要なヘ
ッドの低浮上高さを満足するには、磁性膜やクロム中間
膜の円周方向のX線回折強度の極図形半値幅に対して半
径方向のX線回折強度の極図形半値幅を5倍以下におさ
える必要がある。
【0029】スパッタリング成膜法におけるアルゴンの
ガス圧は、円周方向の回折X線強度の極図形半値幅を低
く抑えるため、1ミリTorr以下例えば0.7ミリT
orrとすることもできる。なお、0.4mTorr以
下では放電が不安定となり、スパッタ成膜をすることが
できなかった。
【0030】以上クロム中間膜上にコバルト・クロム・
タンタル合金の磁性膜を形成した磁気ディスクについて
の実施例について述べたが、中間膜と磁性膜について
は、磁性膜としてCo−Cr−X1(ここで、X1はT
i,V,Ni,Nb,Mo,Ta,W,Ptのうちの少
なくとも1種類以上の元素)もしくは、Co−Ni−X
2(ここで、X2はTi,Zr,Pt,Pのうちの少なく
とも1種類以上の元素)のhcp構造を有するもので、
その結晶軸をディスクの面内方向に向けたときの結晶配
向面が(110)面であるものを用い、また、中間膜と
して、CrもしくはCr−X3(ここで、X3はSi,T
i,Agのうちの少なくとも1種類以上の元素)合金の
bcc構造を有するもので、磁性膜結晶の磁気容易軸が
ディスクの面内を向いてエピタキシャル成長するため、
中間膜の結晶配向面が(100)面であるものを用いて
も、上記実施例に述べたのと同様の良好な結果が得られ
た。
【0031】以上の実施例では、円周方向に磁気異方性
を付与する方法として、テクスチャ加工について述べた
が、例えば下地膜に化学的エッチング法により凹凸をつ
けるなど、他の方法により円周方向に磁気異方性を付与
することもできる。
【0032】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明は、
磁気ディスクの磁気特性(磁気異方性)を評価するの
に、磁性薄膜と中間膜のX線回折極図形における結晶配
向面のX線回折強度の半値幅を測定するようにしたの
で、磁気特性を定量的に評価する指針を与えることがで
きる。
【0033】また、この評価法によって、磁気ディスク
の磁性膜と中間膜の極図形における円周方向のX線回折
強度の半値幅を5°以内の角度とし、かつ半径方向にお
けるX線回折強度の極図形半値幅を円周方向のX線回折
強度の極図形半値幅の2〜5倍にしたので、良好な磁気
特性を有し、優れた電磁変換特性を持ち、高密度記録可
能な磁気ディスクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜磁気ディスクの磁性膜と中間膜に
ついてのX線回折極図形の一例を示す図である。
【図2】テクスチャ加工をした硬質下地膜付きディスク
の模式図である。
【図3】図2のディスクの半径方向の断面図である。
【図4】図3のディスク上に中間膜及び磁性膜を成膜し
たときの断面図である。
【図5】特定の磁性膜を有する磁気ディスクの出力特性
及び分解能特性の測定値を示す図である。
【図6】特定の中間膜を有する磁気ディスクの出力特性
及び分解能特性の測定値を示す図である。
【図7】本発明の薄膜磁気ディスクを搭載した磁気ディ
スク装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 アルミ基板 2 硬質下地膜 3 中間膜 4 磁性膜(磁性薄膜) 10 ディスク 11 テクスチャ加工(テクスチャ加工溝) 21 薄膜磁気ディスク 22 磁気ディスク駆動部 23 磁気ヘッド 24 磁気ヘッド駆動手段 25 記録再生信号処理系 26 制御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に順に金属中間膜及び金属磁性薄
    膜を形成した薄膜磁気ディスクにおいて、前記金属磁性
    薄膜を構成する結晶の磁気容易軸を磁気ディスク面内に
    向けたときの、X線回折極図形による前記金属磁性薄膜
    の結晶配向面の円周方向のX線回折強度の半値幅が5°
    以内の角度に分布するように構成したことを特徴とする
    薄膜磁気ディスク。
JP3509692A 1992-02-21 1992-02-21 薄膜磁気ディスク Pending JPH05234069A (ja)

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