JPH07307020A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH07307020A
JPH07307020A JP9677994A JP9677994A JPH07307020A JP H07307020 A JPH07307020 A JP H07307020A JP 9677994 A JP9677994 A JP 9677994A JP 9677994 A JP9677994 A JP 9677994A JP H07307020 A JPH07307020 A JP H07307020A
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JP9677994A
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English (en)
Inventor
Masaaki Futamoto
正昭 二本
Yoshiyuki Hirayama
義幸 平山
Takanobu Takayama
孝信 高山
Nobuyuki Inaba
信幸 稲葉
Tomoo Yamamoto
朋生 山本
Atsushi Nakamura
敦 中村
Yukio Honda
幸雄 本多
Yuzuru Hosoe
譲 細江
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度磁気記録に適するように改良された面
内磁気記録媒体を提供する。 【構成】 非磁性のベース基板101上に(100)配
向したNaCl型結晶構造を有する第1下地層102を
形成し、この表面にミクロな起伏103を設けた後、b
cc構造を有する第2下地層104を設け、その上にC
o基合金からなるhcp構造を有する磁性膜105を形
成する。 【効果】 磁性膜に磁気異方性を与えて記録分解能を改
善すると同時に耐摺動特性を改良することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に係り、特
に磁性膜の結晶粒の結晶学的配向性、粒径、あるいは面
内の磁気異方性が高密度磁気記録に適するように改良さ
れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【0003】
【従来の技術】高密度磁気記録を実現するために、連続
磁性膜を磁気記録媒体に用いる研究開発が進められてい
る。これらの磁気記録媒体は、高分子フィルム、NiP
膜を被覆したアルミニウム、ガラスなどの非磁性材料よ
りなる基板上に、強磁性金属のCoやCo合金からなる
薄膜を、高周波スパッタリング法、イオンビームスパッ
タ法、真空蒸着法、電気メッキ法、あるいは化学メッキ
法などで成膜して形成されている。このようにして作成
された磁気記録媒体において、磁性膜の結晶構造と磁気
特性との間には密接な関係があり、磁気記録の記録密度
や再生出力を伸ばすために磁性膜の改良が種々試みられ
ている。
【0004】面内磁気異方性を有する磁性膜の微細構造
を改良し記録再生特性を向上させるために、基板と磁性
膜の間に下地層を設ける方法が検討されており、例え
ば、特開昭62−257617号公報にはCo−Pt系
磁性膜の下地層としてW,Mo,Nb,Vのいずれかの
膜を用いる方法が、特開昭62−257618号公報に
は下地層としてV−Cr,Fe−Cr合金材料を用いる
方法が、特開昭63−106917号公報にはCo,N
i,Cr及びPtからなる磁性膜の下地層としてCr,
Ho,Ti,Ta等の非磁性材料の膜を形成する方法
が、特開昭63−187414号公報にはCo−Pt−
Cr磁性膜の下地層としてCr又はCr−V合金が有効
であることが記載されている。
【0005】Cr又はCr合金を下地層として、スパッ
タ法等で基板上に形成すると、(100)もしくは(1
10)配向膜が得られる。(100)配向膜上にCo合
金磁性膜を形成すると磁化容易軸は基板と並行になり、
一方、(110)配向膜上に形成すると磁化容易軸は基
板表面から約30度傾いてはいるがほぼ基板と並行にな
る。面内磁気記録媒体としては、磁化容易軸が基板と平
行である方が望ましく下地としては(100)配向膜を
得る方がより望ましいことが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】基板としてNiPをメ
ッキしたアルミニウム基板(NiP/Al基板)を用い
て、Cr等の体心立方構造(以下、bcc構造という)
を有する下地層を形成すると(100)配向膜が得られ
やすいが、ガラス、カーボン、Siなどの非磁性基板を
用いると(110)配向膜が得られやすくなってしま
う。
【0007】本発明は、ガラスなどの一般の非磁性基板
を用いても容易に下地のbcc構造膜が(100)配向
し、面内磁気記録媒体としてより望ましい磁気特性を有
する磁性膜の形成を可能とすると同時に、磁性膜を構成
する結晶粒の大きさや形状あるいは結晶歪などを制御す
ることにより結晶粒子間の磁気的相互作用の平均距離を
短縮したり磁性膜に磁気異方性等を与えることにより、
高密度磁気記録に適した媒体構造を提供することを目的
とする。さらに加えて磁気ヘッドと組み合わせた場合、
磁気ヘッドの耐摺動信頼性を確保することも目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明においては、非磁
性基板上に(100)配向のNaCl型結晶構造を有し
表面に起伏が設けられた第1の下地層が形成され、その
上に体心立方構造を有する第2の下地層が形成され、さ
らにその上に六方最密構造を有するCo基合金からなる
磁性膜が形成されている磁気記録媒体によって前記目的
を達成する。
【0009】第1の下地層に使用するNaCl型結晶構
造を有する材料としては、MgO,CaO,TiO,V
O,MnO,CoO,NiOのいずれかもしくはこれら
の材料を主成分とする混晶、あるいはLiCl,NaC
l,KClのいずれかもしくはこれらの材料を主成分と
する混晶、あるいはLiF,あるいはTiC,ZrC,
HfC,NbC,TaCのいずれかもしくはこれらの材
料を主成分とする混晶が適当である。第1の下地層の膜
厚は10nm以上100μm以下が望ましく、特に10
nm以上1μm以下が好適である。膜厚が10nm以下
になるとベース基板のbcc構造を有する膜の成長に及
ぼす影響を遮断し難くなり、100μm以上になると、
膜形成に要する時間が長くなり、さらに配向膜の結晶粒
の粗大化などの望ましくない効果が生ずる。
【0010】第2の下地層は(100)配向した非磁性
膜が好ましく、bcc構造を有する材料としては、C
r,V,Nb,Moもしくはこれらの元素を主成分とす
る合金が利用可能である。第2の下地層の膜厚は1μm
以下が望ましく、スパッタ法などの成膜法で形成するこ
とを考慮すると、経済的かつ実用的には200nm以下
がさらに望ましい。bcc構造膜の膜厚が1μmを超え
ると、結晶粒の大きさや表面の起伏が大きくなり、その
上に形成される磁性膜の磁性粒子の大きさが大きくなり
すぎてしまう。
【0011】六方最密構造(以下、hcp構造という)
を有するCo基合金磁性膜としては、Coをベースとし
て、Cr,Ni,Fe,V,Ti,Zr,Hf,Mo,
W,Ta,Re,Ru,Rh,Ir,Pt,Pd,A
u,Ag,Cu,B,Al,C,Si,P,Nのうち少
なくとも1つの元素を含んだ合金膜を用いることができ
る。例えば、Co−Cr,Co−Ni,Co−Fe,C
o−V,Co−Mo,Co−Ta,Co−Re,Co−
Pt,Co−Pd等の2元系合金、あるいはこれらの2
元系合金に第3元素を加えたCo−Cr−Ta,Co−
Cr−Pt,Co−Cr−Mo,Co−Cr−W,Co
−Cr−Re,Co−Ni−Zr,Co−Pt−Ta,
Co−Pt−B等の3元系合金、又は第4元素を加えた
Co−Cr−Ta−B,Co−Cr−Ta−Si,Co
−Cr−Ta−C,Co−Cr−Ta−P,Co−Cr
−Ta−N,Co−Cr−Pt−B等である。
【0012】以上の合金以外にも、Coの比率が最大で
しかも結晶構造がhcpとなるならCo基合金磁性膜と
して用いることができる。磁性膜は単層に限らず、多層
膜あるいは膜厚方向に組成傾斜を持たせた膜でもよい。
膜厚は、保磁力を確保するために2nm以上100nm
以下が望ましく、5nm以上50nm以下とすると保磁
力が最適で良好な記録再生特性が得られるので特に望ま
しい。また、磁性膜は(11−20)配向していること
が好ましい。
【0013】磁気記録媒体は円板状の外形を有するディ
スクとすることができ、第1の下地層の表面を機械研磨
などの方法により加工して、グレーティングあるいはテ
ックスチャと呼ばれる起伏を形成することができる。起
伏の谷から頂部までの高さ、すなわち起伏の高さは2n
m以上1μm以下、ピッチは1nm以上500nm以下
とするのが望ましい。
【0014】グレーティングもしくはテックスチャの方
向は、円板の周方向又は半径方向に揃えるのが有利であ
る。この場合、グレーティングもしくはテックスチャは
全周連続している必要性は必ずしもなく、断続していて
も良い。起伏は同心円状のものの他に、円板の周方向に
沿う綾目状のもの、円板の周方向に沿う不規則な線状の
もの、円板表面で2次元的に不規則に分布した微小突起
状又は微小穴状のものとしてもよい。
【0015】綾目状の起伏は、起伏の方向が全体として
は同心円方向であるが、同心円に対してわずかに交差す
る2方向の起伏からなるものであり、同心円状の研磨の
中心と記録媒体の中心とをわずかにずらせながら機械的
研磨を行うことによって形成することができる。綾目状
の起伏は、記録トラック方向と起伏方向が同一ではない
ため、同心円状の起伏に比べて記録に対する影響が少な
い。微小突状の起伏は、例えば第1の下地層上にホトリ
ソグラフィー法によって所望のパターンのホトレジスト
膜を形成し、それをマスクとしたエッチング等の方法に
よって形成することができる。また、微小穴状の起伏
は、例えば集束イオンビームの照射によって形成するこ
とができる。
【0016】円板上の磁気ディスクの半径位置に応じ
て、起伏のピッチや高さを変えることもできる。例え
ば、内周側には高さの大きい起伏を設け、外周側には高
さの小さい起伏を設ければ、内周側を装置の起動や停止
時に磁気ヘッドが磁気ディスクに接触する摺動専用領域
として用い、外周側を記録再生専用領域として使うこと
もできる。この場合、内周側は磁気ヘッドと磁気ディス
クが粘着しないように対摺動性を考慮してピッチを大き
めに起伏を高めに設定すると有効である。
【0017】
【作用】基板温度など適当な成膜条件を設定すれば、非
磁性基板上に形成されるNaCl型結晶構造を有する第
1の下地層は{100}面が発達する傾向があり、(1
00)配向膜が得られる。その上にbcc構造を有する
第2の下地層を形成すると、エピタキシャル成長により
(100)面が基板と平行な配向膜が得られる。この第
2の下地層上にhcp構造を有するCo基合金磁性膜を
形成すると、磁性膜はエピタキシャル成長により(11
−20)面が基板と平行な配向膜が得られる。この場
合、磁性膜の磁化容易軸である[0001]軸は基板と
平行になり、bcc(100)配向膜の上に形成すると
[0001]も基板に対して一定の方向を向くように制
御できる。
【0018】第1下地層を形成した後でこの表面を研
磨、研削、あるいはエッチングすることにより形成する
グレーティング又はテックスチャ等の起伏を、円板状の
ディスク基板の周方向にそって同心円状あるいはスパイ
ラル状に形成しておけば、bcc(100)配向膜を構
成する結晶粒の形態や結晶歪が円板の周方向に異方性を
持ち、これを反映して磁性膜にも周方向に異方性が付与
され、磁気記録媒体として望ましい性質を有することに
なる。
【0019】また第1下地表面に不規則な起伏を設けて
おけば、bcc構造を有する第2下地層の結晶核生成の
サイトが増えることになり、結晶粒の微細化ができ、そ
の上に形成する磁性膜の結晶粒も微細化できる。この上
に保護膜及び潤滑膜を形成することにより、磁気記録媒
体が得られる。第1下地層の上に形成する起伏の高さ、
すなわちグレーティングもしくはテックスチャの深さ
は、その上に形成されるbcc結晶構造を有する下地層
の個々の結晶粒の大きさと関係があり、成膜条件が同じ
場合、深さが小さくかつ起伏のピッチが小さいほど小さ
な結晶粒が形成される。この上に形成される磁性膜を構
成するhcp構造を有する材料の結晶粒の望ましい大き
さの範囲は2nm以上100nm以下である。結晶粒の
大きさが2nm未満であると磁化方向が熱によってゆら
ぎを起こし、100nmを超えると1つの結晶粒の中に
複数の磁化領域ができてしまう。
【0020】このような磁性膜を形成するためには、起
伏の高さすなわちグレーティングもしくはテックスチャ
の深さも2nm以上1μm以下、ピッチは1nm以上5
00nm以下であるのが望ましい。ピッチが1nm未
満、もしくは深さが2nm未満になると平坦状表面と同
様になり、結晶粒微細化やディスクの周方向に望ましい
結晶歪が入り難くなり、ピッチが500nmを超えると
磁性膜のディスク周方向に磁気的な異方性が入り難くな
る。
【0021】起伏の高さ、すなわちグレーティングもし
くはテックスチャの深さが1μmを超えると、磁気ヘッ
ドの浮上性が悪くなり、また、磁気記録を行う領域に高
い起伏が存在すると磁気記録再生時のS/Nが低下する
という問題も生ずる。実用的には起伏の高さは1μm以
下が望ましい。第1下地表面に起伏を設けると、この起
伏が磁気記録媒体表面まで伝わり、磁気ヘッドと組み合
わせて磁気記録装置を構成した場合、起伏があるために
磁気ヘッドと粘着が起こりにくいなど、対摺動性が改善
される効果も生ずる。
【0022】また、円板状の磁気記録媒体の所定の半径
領域に高さとピッチが大きい起伏を設け、他の領域には
微細な起伏を設けるかあるいは平坦状にする場合、磁気
ヘッドが媒体表面と接触する領域を高さとピッチが大き
い起伏の部分に限定すると、耐摺動特性をさらに改善す
ることもできる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 〔実施例1〕直径1.8インチの石英ガラス基板を用い
て、図1に示す構造を有する磁気記録媒体を以下の手順
で作製した。
【0024】高周波スパッタ法で基板101を400〜
450℃の高温度に保ってNaCl構造を有するLiF
膜102を100nmの厚さ形成した。膜の形成後、不
活性ガス雰囲気に保った電気炉中で熱処理した。X線回
折法でLiF膜を調べた結果、LiF膜は、(100)
面が基板とほぼ平行になった配向多結晶膜であることが
分かった。走査型電子顕微鏡でLiF膜の微細構造を調
べたところ、粒子径50〜100nmの結晶粒からなっ
ており、さらに表面には30〜50nmの起伏が存在す
ることが確認された。表面を機械研磨して同心円状のテ
ックスチャを形成した。テックスチャ起伏103の高さ
は平均10nm,ピッチは平均200nmであった。
【0025】高周波マグネトロンスパッタ法によって、
bcc結晶構造を有する厚さ50nmのCr膜104、
厚さ30nmのhcp結晶構造を有するCo−Cr−P
t膜105を形成した。磁性膜用にはCo−20at%
Cr−8at%Ptターゲットを用いた。Cr膜形成時
の基板温度は300゜C、Co−Cr−Pt磁性膜形成
時の基板温度は280゜Cとした。スパッタのArガス
は圧力10mTorr、スパッタパワーは6W/cm2
とした。さらに、保護膜106としてカーボン膜を10
nm,潤滑膜を5nmの厚さ形成し、磁気記録媒体を作
製した。
【0026】X線回折で膜構造を調べ、Cr膜は(10
0)配向を、Co−Cr−Pt膜は(11−20)配向
をした多結晶膜であることを確認した。円板状の磁気デ
ィスクの周方向と半径方向で測定した保磁力を比べる
と、周方向で測定した保磁力の方が25%大きくなって
おり、磁気ディスクの周方向に磁気的な異方性がついて
いることが確認された。
【0027】上記と同様の条件で、Crの代わりにV,
Nb,Mo,Cr−5at%Ti,Cr−2at%Z
r,Cr−20at%V,Cr−1at%Bを用いた磁
気記録媒体を作製した。bcc構造を有する下地層、h
cp構造を有する磁性膜ともに上記と類似の組織が実現
されていることをX線回折法によって確認した。また、
いずれの場合も周方向で測定した保磁力の方が10%以
上大きくなっており、磁気ディスクの周方向に磁気的な
異方性がついていることが確認された。
【0028】比較例1として、石英ガラス基板上に直接
Cr膜、Co−Cr−Pt磁性膜、C保護膜及び潤滑膜
を上記と同様な条件で形成した磁気記録媒体を作製し
た。X線回折による分析の結果、Cr膜は(100)と
(110)の2種類が混ざった配向を示し、磁性膜の磁
化容易軸は基板と平行な結晶粒と磁化容易軸が基板から
約30度傾いた結晶粒が混在しており、磁化容易軸の方
向は基板の面内で不規則に分布していることが分かっ
た。
【0029】比較例2として、石英ガラス基板上にLi
F膜を100nmの厚さ形成したのち、表面にディスク
周方向に起伏を設けないで直接Cr膜、Co−Cr−P
t磁性膜、C保護膜及び潤滑膜を上記と同様な条件で形
成した磁気記録媒体を作製した。X線回折による分析の
結果、Cr膜は(100)配向を示したが、この試料で
は磁気ディスクの周方向には磁気的な異方性がついてい
ないことが確認された。
【0030】これらの磁気記録媒体の記録再生特性の評
価を薄膜磁気ヘッドを用いて行なった。磁気ヘッドトラ
ック幅は4μm,ギャップ長さは0.2μm、測定時の
磁気ヘッドと磁気記録媒体の距離は0.06μm、相対
速度は12m/sとした。評価項目として、記録密度特
性を選んだ。記録密度特性は低周波の再生出力の半分に
なる出力半減記録密度(D50)を測定した。
【0031】また、磁気ディスクの対摺動性をコンタク
ト・スタート・ストップ(CSS)方式で測定した。こ
の方式は、磁気ディスクを回転させて磁気ヘッドを摺動
浮上させ、ついで回転を停止させる動作を繰返し、摺動
摩擦力が急増するか磁気ディスク表面に傷がつくまでの
回数を測定するものであり、回数が多いほど対摺動性が
優れていることになる。ここでは、比較例1に対する相
対値として表示した。
【0032】
【表1】
【0033】本発明の磁気記録媒体は、比較例に比べ記
録密度特性と対摺動特性が改善されており、高密度磁気
記録媒体として望ましい特性を有することが確認され
た。また、NaCl型結晶構造を有する材料として、L
iFのかわりにLiCl,NaCl,KCl,MgO,
CaO,TiO,VO,MnO,CoO,NiO,Ti
C,ZrC,HfC,NbC,TaCのそれぞれの材料
からなる(100)配向膜を用いた磁気記録媒体を作製
して同様の測定を行った。その結果、いずれの(10
0)優先配向膜を用いた場合も、表面に磁気ディスクの
周方向に微細な起伏を設けることにより、上記LiF配
向膜と同様に高密度磁気記録媒体として望ましい特性を
有することがわかった。
【0034】〔実施例2〕前記実施例1において、磁性
膜として、Co−18at%Cr,Co−12at%N
i,Co−18at%Fe,Co−20at%V,Co
−20atMo,Co−16at%Ta,Co−20a
t%Re,Co−16at%Pt,Co−15at%P
dからなる2元合金、Co−18at%Cr−2at%
Ta,Co−21at%Cr−3at%Mo,Co−1
9at%Cr−1.5at%W,Co−15at%Cr
−7at%Re,Co−14at%Ni−1at%Z
r,Co−16at%Pt−2at%Ta,Co−18
at%Pt−0.8at%Bからなる3元合金、Co−
18at%Cr−2at%Ta−2at%B,Co−2
0at%Cr−1.5at%Ta−0.3at%Si,
Co−19at%Cr−2.5at%Ta−0.8at
%C,Co−22at%Cr−1.6at%Ta−0.
2at%P,Co−21at%Cr−1at%Ta−
0.2at%N,Co−12at%Cr−8at%Pt
−0.7at%Bからなる4元合金を用いた以外は同様
な条件で磁気記録媒体を作製した。各磁気ディスクとも
円板状の試料の周方向に磁気異方性が認められた。
【0035】比較例として、表面に起伏を設けない(1
00)LiF配向下地層を用いた以外は同様な条件で磁
気記録媒体を作製した。これらの試料にはディスク周方
向の磁気異方性は認められなかった。D50評価結果を表
2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】線記録密度以外の対摺動特性においても、
本発明に基づく磁気記録媒体は比較例に比べそれぞれ2
倍以上の改善が確認され、高密度磁気記録媒体として優
れていることが分かった。また、LiF以外のMgO,
NaCl等のNaCl結晶構造を有する(100)配向
膜上に磁性膜を形成した場合にも同様の改善効果が認め
られた。
【0038】〔実施例3〕直径1.8インチのガラス基
板を用いて、図2に平面図を、図3に断面図を示す磁気
記録媒体を以下の手順で作製した。高周波スパッタ法で
ガラス基板301上にLiF膜302を500nmの厚
さ形成した。膜の形成後、マスクエッチング法により、
直径1インチまでの内周領域201には高さ0.2μ
m、幅1μm、ピッチ5μmの同心円状の起伏303を
設けた。それ以外の領域202には、深さ約15nm、
平均ピッチ250nmの同心円状のテックスチャを機械
研磨により形成した。ついで、高周波マグネトロンスパ
ッタ法によって、bcc結晶構造を有する50nm厚さ
のCr−2at%Nb膜304、20nm厚さのhcp
結晶構造を有するCo−Cr−Ta膜305を形成し
た。磁性膜305用にはCo−18at%Cr−6at
%Taターゲットを用いた。Cr膜形成時の基板温度は
300゜C、Co−Cr−Ta磁性膜形成時の基板温度
は280゜Cとした。スパッタのArガス圧力は3〜1
0mTorr、スパッタパワーは6〜10W/cm2
した。さらに、保護膜306としてカーボン膜を10n
m,潤滑膜307を6nm形成し、磁気記録媒体を作製
した。
【0039】X線回折で膜構造を調べ、Cr膜は(10
0)回折線の強度が強く(100)優先配向膜であるこ
とを確認した。Co−Cr−Ta膜は(11−20)優
先配向をした多結晶膜であり、直径1インチよりも外側
の領域では、磁性膜に周方向の磁気的な異方性がついて
いることを確認した。比較例として、膜表面に起伏を形
成しない平坦LiF膜を用いた以外は同様な磁気記録媒
体を作製した。
【0040】これらの磁気記録媒体を、それぞれ磁気デ
ィスク装置に組込み、直径1インチ以内の領域201を
CSS(コンタクト・スタート・ストップ)摺動専用領
域として、それより外側の領域202を記録再生専用領
域として使用試験を行った。本発明による磁気記録媒体
は、比較試料に比べ線記録密度が25%以上優れ、さら
に磁気ヘッドの摺動接線力が1/3以下であることがわ
かった。摺動寿命は、本発明の磁気記録媒体の方が比較
例に比べて数倍以上長いことがわかった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、任意の非磁性基板を用
いても磁性膜の磁化容易軸を基板面と平行に制御でき、
さらに円板状の基板では円周方向に対して磁化容易軸を
特定の方向に揃えたり、磁性膜の結晶粒のサイズを制御
することができるので、面内磁気記録媒体の性能を大幅
に向上できる。さらに磁気ヘッドと組み合わせた場合の
耐摺動信頼性を確保することも可能となる。このように
本発明は、記録密度と対摺動性が改善された磁気記録媒
体を提供でき、磁気ディスク装置の高密度化を実現で
き、装置の小型化や大容量化が容易になる等の効果を奏
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による磁気記録媒体の断面模
式図。
【図2】本発明の一実施例による磁気記録媒体の平面模
式図。
【図3】図2に示した磁気記録媒体の断面構造図。
【符号の説明】
101…基板、102…配向膜(NaCl構造)、10
3…起伏、104…配向膜(bcc構造)、105…配
向磁性膜(hcp構造)、106…保護膜、107…潤
滑膜、201…摺動専用領域、202…記録再生専用領
域、301…基板、302…配向膜(NaCl構造)、
303…起伏、304…配向膜(bcc構造)、305
…配向磁性膜(hcp構造)、306…保護膜、307
…潤滑膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 信幸 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 山本 朋生 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 中村 敦 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 本多 幸雄 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 細江 譲 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に(100)配向のNaC
    l型結晶構造を有し表面に起伏が設けられた第1の下地
    層が形成され、その上に体心立方構造を有する第2の下
    地層が形成され、さらにその上に六方最密構造を有する
    Co基合金からなる磁性膜が形成されていることを特徴
    とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記体心立方構造を有する前記第2の下
    地層は(100)配向した非磁性膜であり、前記磁性膜
    は(11−20)配向していることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記非磁性基板は表面が平坦であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 円板状の外形を有し、前記第1下地層表
    面に設けられた起伏は同心円状、円板の周方向に沿う綾
    目状、円板の周方向に沿う不規則な線状、円板表面で2
    次元的に不規則に分布した微小突起状又は微小穴状であ
    ることを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記起伏の大きさが異なる領域が半径方
    向に区画して設けられていることを特徴とする請求項4
    記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記起伏の高さが2nm以上1μm以下
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記
    載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記前記NaCl型結晶構造を有する第
    1下地層は、MgO,CaO,TiO,VO,MnO,
    CoO,NiOのいずれかもしくはこれらの材料を主成
    分とする混晶、LiCl,NaCl,KClのいずれか
    もしくはこれらの材料を主成分とする混晶、あるいはL
    iF,あるいはTiC,ZrC,HfC,NbC,Ta
    Cのいずれかもしくはこれらの材料を主成分とする混晶
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記
    載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記磁性膜はCoを主成分とし、Cr,
    Ni,Fe,V,Ti,Zr,Hf,Mo,W,Ta,
    Re,Ru,Rh,Ir,Pt,Pd,Au,Ag,C
    u,B,Al,C,Si,P,Nのうち少なくとも1つ
    の元素を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    1項記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記第2の下地層は、Cr,V,Nb,
    Mo又はこれらの元素を主成分とする合金であることを
    特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の磁気記録
    媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6596420B2 (en) 1996-05-20 2003-07-22 Hitachi, Ltd. Magnetic recording media and magnetic recording system using the same
US6740383B2 (en) 1998-05-27 2004-05-25 Fujitsu Limited Magnetic recording medium possessing a ratio of Hc(perpendicular) to Hc(horizontal) that is not more than 0.22 and magnetic recording disk device
JP2012169017A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Showa Denko Kk 熱アシスト磁気記録媒体及び磁気記憶装置

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