JP3018551B2 - 面内磁気記録媒体 - Google Patents

面内磁気記録媒体

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JP3018551B2
JP3018551B2 JP3090303A JP9030391A JP3018551B2 JP 3018551 B2 JP3018551 B2 JP 3018551B2 JP 3090303 A JP3090303 A JP 3090303A JP 9030391 A JP9030391 A JP 9030391A JP 3018551 B2 JP3018551 B2 JP 3018551B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は面内磁気記録媒体に係
り、特に磁性膜の結晶粒の結晶学的配向性が高密度磁気
記録に適するように改良された面内磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高密度磁気記録を実現するために、連続
磁性膜を磁気記録媒体に用いる研究開発が進められてい
る。これらの磁気記録媒体は高分子フィルム、NiP膜
を被覆したアルミニウム、ガラスなどの非磁性材料より
なる基板上に、高周波スパッタリング法、イオンビ−ム
スパッタ法、真空蒸着法、電気メッキ法、あるいは化学
メッキ法などで強磁性金属のCoやCo合金からなる薄
膜を形成したものである。
【0003】このような磁気記録媒体においては、磁性
膜の結晶構造と磁気特性との間に密接な関係があり、磁
気記録の記録密度や再生出力を上げるために磁性膜の改
良が種々試みられている。
【0004】面内磁気異方性を持つ磁性膜の微細構造を
改良し記録再生特性を向上させるために、基板と磁性膜
の間に下地層を設ける方法が検討されている。例えば、
特開昭62−257617にはCo−Pt系磁性膜の下
地層としてW,Mo,Nb,Vのいずれかの膜を形成す
る方法が、特開昭62−257618には下地層として
V−Cr,Fe−Cr合金材料を用いる方法が、特開昭
63−106917にはCo,Ni,CrおよびPtか
らなる磁性膜の下地層としてCr,Ho,Ti,Ta等
の非磁性材料の膜を形成する方法が、特開昭63−18
7414にはCo−Pt−Cr磁性膜の下地層としてC
rまたはCr−V合金材料を用いる方法が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高密度磁気記録が可能
で再生出力の大きい面内磁気記録媒体としては、磁性膜
の保磁力(Hc),飽和磁化(Ms)が大きいことに加
えて、残留磁化率(Mr/Ms)が大きいこと、磁気異
方性の分散が小さいことが必要である。上記の公知技術
ではHcとMsが大きい磁気記録媒体を形成することは
ある程度可能であるが、残留磁化率が大きくてしかも磁
気異方性の分散が小さい媒体を形成するには不十分であ
る。残留磁化率、磁気異方性の分散は磁性薄膜を構成す
る結晶粒径分布、結晶粒の磁化容易軸分布と相関があ
り、結晶粒径が揃っていて、かつ、結晶粒の磁化容易軸
がほぼ面内方向に揃っていることが必要である。さら
に、高密度磁気記録実現のためには磁性薄膜を構成する
結晶粒が互いに磁気的に分離されているほうが望まし
い。本発明は、保磁力、飽和磁化、残留磁化率が大きく
てしかも磁気異方性の分散が小さい、高密度磁気記録に
適した面内磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するのに
以下の方法を用いれば良いことが本発明者の実験の結果
明らかになった。すなはち、第1の方法は、非磁性の基
板上にb.c.c.(body centered c
ubic)構造を持つ第1下地層、h.c.p.(he
xagonal closed packed)構造を
持つ第2下地層、CoもしくはCo基合金からなる磁性
薄膜をこの順序で形成する。ここで、Co基合金とはC
o−Ni,Co−Re,Co−Pt,Co−Pd,Co
−Cr,Co−Ta等の2元系合金、あるいはこれらの
2元系合金に第3元素を加えたCo−Cr−Ta,Co
−Cr−Pt,Co−Ni−Ptなどの3元系合金、あ
るいはこれら2元系合金に2種以上の元素を添加した多
元系合金で、各合金に着目した場合Coの比率が最も大
きく、かつ、Coと同じh.c.p.構造をとりやすい
ことを特徴とする合金のことである。ここで、第1下地
層および第2下地層は非磁性材料からなるほうが好まし
いが、磁性薄膜の飽和磁化、保磁力に比べ数倍以上小さ
い飽和磁化、保磁力を持つ材料であれば磁性材料であっ
ても良い。b.c.c.構造を持つ第1下地層材料とし
ては、V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,もしくはこれ
らの元素を主成分とする合金等がある。h.c.p.構
造を持つ第2下地層材料としては、Ru,Re,Ti,
Zr,Hf,Scのいずれかもしくはこれらの元素を主
成分とする合金等がある。第1下地層を形成する膜の優
先成長方位は[110]、第2下地層を形成する膜の優
先成長方位は[110]であればさらに望ましい。優先
成長方位とは、膜のX線回折図形を測定したとき上記成
長方位に対応する回折線の強度が他の回折線の強度に比
べ大きいことを意味し、ミクロ構造的には膜を構成する
結晶粒の成長方位が上記方位を概ね向いていることに対
応する。
【0007】第2の方法は、非磁性の基板上にh.c.
p.構造を持つ第1下地層、b.c.c.構造を第2下
地層、CoもしくはCo基合金からなる磁性薄膜をこの
順序で形成する。この場合、第1下地層膜の優先成長方
位は[001]もしくは[011]であるほうが望まし
い。
【0008】第3の方法は、上記2つの方法の組合せ形
態、すなはち、非磁性の基板上にh.c.p.構造を持
つ第1下地層、b.c.c.構造を持つ第2下地層、
h.c.p.構造を持つ第3下地層、CoもしくはCo
基合金からなる磁性薄膜をこの順序で形成する。
【0009】上記3つの方法において、磁性薄膜は同じ
h.c.p.構造を持つ膜であれば異種の磁性薄膜を2
層に積んでも良いし、磁性薄膜の内部で成長方向に組成
変調を形成しても良い。さらに高いトラック密度の実現
を考慮して、上記3つの方法で作製した磁気記録媒体に
溝や窪みを設けたり、非磁性領域や光反射率の異なる領
域を設けたりしても良い。
【0010】
【作用】第1の方法において、b.c.c.構造を持つ
第1下地層の結晶粒の径と結晶学的な配向は、高周波ス
パッタ法、真空蒸着法といったいわゆる成膜法のプロセ
ス条件と膜厚を適当に調整することで制御できる。通
常、b.c.c.構造を持つCr,V,Nb,Mo,T
a,Wあるいはこれらの合金の膜は[110]方向に優
先配向成長をしやすく、膜厚を5−500nm程度の範
囲に選べば、磁気記録媒体の下地として適当な10−8
0nm程度の結晶粒径をとる。また、h.c.p.構造
を持つ第2下地層の結晶粒は、第1下地層の結晶粒径と
結晶配向の影響を受けて、結晶粒径はほぼ第1下地層の
最上面での結晶粒径とほぼ同じになり、結晶配向も第1
下地層の影響を受けて特定の方向に揃いやすい。第1下
地層と第2下地層の結晶格子の間隔が特定の組合せでほ
ぼ等しくなるとエピタキシ−成長が起こり、両者の界面
で結晶格子が連続になる。この場合、第1下地層の構造
を制御することにより、第2下地層の構造も完全に制御
できることになる。h.c.p.構造を持つ第2下地層
材料の格子定数を合金化法等により適当に調整し、その
(110)面がb.c.c.構造を持つ第1下地層の
(110)面と数%の誤差で合致するように調整すれ
ば、両者の間にはエピタキシ−関係が成立しうる。
【0011】例えば、b.c.c.構造を持つ第1下地
層としてCrを用いた場合その格子定数は(a=0.2
88nm)、第2下地層としてReを選べばその格子定
数は(a=0.276nm)であり、約4%のミスマッ
チで合致する。ReのかわりにRuに第2元素を添加し
て合金効果により格子定数を制御してCrの格子定数に
近づけることも可能である。h.c.p.構造を持つ第
2下地層の上に同じh.c.p.構造を持つCoもしく
はCo基合金からなる磁性膜を形成すると、この磁性膜
を構成する結晶粒は第2下地層の結晶粒と粒径、結晶方
位とも同様になりやすい。b.c.c.構造を持つ第1
下地層を構成する材料の格子定数と磁性膜の格子定数の
差が大きい場合は第2下地層の格子定数を両者の中間に
設定することで、エピタキシ−成長を可能にできる。
【0012】第2の方法は、(001)もしくは(01
1)配向成長しやすいh.c.p.構造を持つ第1下地
層を形成し、この上にb.c.c.構造を持つ第2下地
層を形成するとb.c.c.構造の(110)配向成長
が起こりやすいことを積極的に活用するものである。こ
の場合、第1下地層を設けない場合に比べ、第2下地層
の厚さを50%以上減らすことができ、成膜のプロセス
時間の短縮の点でも好都合である。また、第1下地層の
結晶粒径を成膜条件を変えることによって容易に調整で
き、第2下地層の結晶粒径も制御できる。配向性と粒子
径が制御された第2下地層上に形成した磁性膜も粒径と
配向性が制御でき、この結果、高密度磁気記録に適した
微細構造を持つ記録媒体を実現できる。ここで、実用的
に望ましい第1下地層の厚さは2−500nm,第2下
地層の厚さは2−500nm,磁性層の厚さは10−1
00nmである。
【0013】第3の方法は上記両者を組み合わせたもの
である。ここで、第3下地層として望ましい厚さは、1
−100nmである。なお、b.c.c.構造を持つ材
料は上記材料に限定されるものでななく、他のb.c.
c.構造を持つ元素および合金でも可能である。h.
c.p.構造を持つ材料に関しても同様である。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0015】〔実施例1〕直径3.5インチのガラス基
板を用いて高周波マグネトロンスパッタ法によって、図
1に示す断面構造を持つ磁気記録媒体を作製した。基板
101上に、第1下地層102、第2下地層103、磁
性膜104、保護膜105をこの順序で形成する。第1
下地層用にCrタ−ゲット、第2下地層用にRuタ−ゲ
ット、磁性膜用にCo−18at.%Cr−6at.%
Ptタ−ゲットを用いた。スパッタのArガス圧力3−
10mTorr,スパッタパワ−6−10W/cm2
基板温度120Cの条件でCr膜を200nm,Ru膜
を10nm,Co−Cr−Pt膜を40nm形成した。
さらに、保護膜としてカ−ボン膜を10nm形成した。
【0016】比較試料として、第2下地層のRu膜を設
けない他は同様の構成の磁気記録媒体を形成した。
【0017】上記と同様の条件で第2下地層のRuの代
わりにRe,Ti−Cr,Ti−V,Zr−V,Ti−
Fe,Hf−Fe,Sc,Sc−Crを用いた磁気記録
媒体を作製した。これらの磁気記録媒体の保磁力(H
c)と磁気記録再生特性の評価をそれぞれ振動型磁力計
(VSM)、薄膜磁気ヘッドを用いて行なった。磁気ヘ
ッドのギャップ長は0.2μm,測定時の磁気ヘッドと
磁気記録媒体表面との距離は0.15μmとした。記録
密度は低周波の再生出力の半分の出力になる出力半減記
録密度(D50)を測定し、シグナルとノイズの比率S/N
は各磁気記録媒体において出力半減記録密度(D50)での
相対値で示した。この場合、比較の基準に比較例のS/
N値を用いた。これらの結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】本実施例の磁気記録媒体は、比較例に比べ
保磁力の値が大きく、しかも記録密度とS/Nが改善さ
れており、高密度磁気記録媒体として望ましい特性を持
つことが確認された。
【0020】また、第1下地層としてCrのかわりに
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,V−5at.%T
i,Nb−6at.%Zr,Ta−4at.%Ti,M
o−1at.%Si,W−5at.%Ti−2at.%
Geを用いた場合もいずれも第2下地層を設けないそれ
ぞれの比較例に比べ、高密度磁気記録媒体として望まし
い特性を持つことがわかった。
【0021】〔実施例2〕直径5.25インチのガラス
基板を用いて高周波スパッタ法によって、図2に示す断
面構造を持つ磁気記録媒体を作製した。基板201上
に、第1下地層202、第2下地層203、磁性膜20
4、保護膜205をこの順序で形成する。第1下地層用
にTi−5at.%Crタ−ゲット、第2下地層用にC
r−3at.%Siタ−ゲット、磁性膜用にCo−12
at.%Cr−2at.%Taタ−ゲットを用いた。ス
パッタのArガス圧力5−15mTorr,スパッタパ
ワ−6−10W/cm2,基板温度100Cの条件でT
i−Cr膜を20nm,Cr−Si膜を50nm,Co
−Cr−Ta膜を40nm形成した。さらに、保護膜と
してカ−ボン膜を15nm形成した。比較試料として、
第1下地層のTi−Cr膜を設けない他は同様の構成の
磁気記録媒体を形成した。
【0022】上記と同様の条件で第1下地層のTi−5
at.%Crの代わりにTi,Ti−2at.%Cr,
Ti−10at.%Cr,Ti−3at.%Si,Zr
−2at.%Ni,Ti−5at.%Fe,Hf−5a
t.%Fe,Sc−6at.%Crを用いた磁気記録媒
体を作製した。これらの磁気記録媒体の保磁力(Hc)
と磁気記録再生特性の評価をそれぞれ振動型磁力計(V
SM)、薄膜磁気ヘッドを用いて行なった。磁気ヘッド
のギャップ長は0.2μm,測定時の磁気ヘッドと磁気
記録媒体表面との距離は0.15μmとした。記録密度
は低周波の再生出力の半分の出力になる出力半減記録密
度(D50)を測定し、シグナルとノイズの比率S/Nは各
磁気記録媒体において出力半減記録密度(D50)での相対
値で示した。
【0023】この場合、比較の基準に比較例のS/N値
を用いた。なお、表2ではTi−5at.%Crを簡略
のためT−5Crと表記し、その他の合金組成の表示も
これにならって行なった。これらの結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2に掲げた本実施例に基づく磁気記録媒
体において、第1下地層としてTi,Ti−5at.%
Cr,Ti−2at.%Cr,Ti−3at.%Si,
Zr−2at.%Niを用いた場合の下地膜の優先成長
方位は、X線回折法によれば[001]であり、T−1
0at.%Cr,Ti−5at.%Fe,Hf−5a
t.%Fe,Sc−6at.%Crの場合は[011]
であった。第2下地層のCr−3at.%Si膜の優先
成長方位は[110]であった。表2より明らかなよう
に、本実施例の磁気記録媒体は、比較例に比べ保磁力の
値が大きく、しかも記録密度とS/Nが改善されてお
り、高密度磁気記録媒体として望ましい特性を持つこと
が確認された。
【0026】また、第2下地層としてCr−3at.%
Siの代わりにCr,Nb,Ta,Mo,W,V−5a
t.%Ti,Nb−6at.%Zr,Ta−4at.%
Ti,Mo−1at.%Si,W−5at.%Ti−2
at.%Geを用いた場合もいずれも第1下地層を設け
ないそれぞれの比較例に比べ、高密度磁気記録媒体とし
て望ましい特性を持つことがわかった。
【0027】〔実施例3〕直径5.25インチのNiP
/Al基板を用いて高周波マグネトロンスパッタ法によ
って、図3に示す断面構造を持つ磁気記録媒体を作製し
た。基板301上に、第1下地層302、第2下地層3
03、第3下地層304,磁性膜305、保護膜306
をこの順序で形成する。第1および第3下地層用にTi
−10at.%Crタ−ゲット、第2下地層用にCr−
5at.%Zrタ−ゲット、磁性膜用にCo−15a
t.%Cr−6at.%Pt−2at.%Siタ−ゲッ
トを用いた。スパッタのArガス圧力5−15mTor
r,スパッタパワ−15W/cm2,基板温度100C
の条件で第1下地層のTi−Cr膜を20nm,第2下
地層のCr−Zr膜を80nm,第3下地層のTi−C
r膜を5nm,磁性膜のCo−Cr−Pt−Si膜を3
0nm形成した。さらに、保護膜としてカ−ボン膜を1
0nm形成した。比較試料として、第1下地層および第
3下地層のTi−Cr膜を設けない他は同様の構成の磁
気記録媒体を形成した。上記と同様の条件で第1および
第3下地層のTi−10at.%Crの代わりにRe,
Ru,Ti−2at.%Cr,Ti−3at.%Si,
Zr−2at.%Ni,Ti−5at.%Fe,Hf−
5at.%Fe,Sc−6at.%Crを用いた磁気記
録媒体を作製した。これらの磁気記録媒体の保磁力(H
c)と磁気記録再生特性の評価をそれぞれ振動型磁力計
(VSM)、薄膜磁気ヘッドを用いて行なった。磁気ヘ
ッドのギャップ長は0.2μm,測定時の磁気ヘッドと
磁気記録媒体表面との距離は0.15μmとした。記録
密度は低周波の再生出力の半分の出力になる出力半減記
録密度(D50)を測定し、シグナルとノイズの比率S/N
は各磁気記録媒体において出力半減記録密度(D50)での
相対値で示した。この場合、比較の基準に比較例のS/
N値を用いた。なお、表3ではTi−10at.%Cr
を簡略のためT−10Crと表記し、その他の合金組成
の表示もこれにならって行なった。これらの結果を表3
に示す。
【0028】
【表3】
【0029】また、第2下地層としてCr−3at.%
Siの代わりにCr,Cr−4at.%Fe,Cr−5
at.%Ni,Nb,Ta,Mo,W,V−5at.%
Ti,Nb−6at.%Zr,Ta−4at.%Ti,
Mo−1at.%Si,W−5at.%Ti−2at.
%Geを用いた場合もいずれも第1および第3下地層を
設けないそれぞれの比較例に比べ、高密度磁気記録媒体
として望ましい特性を持つことがわかった。
【0030】〔実施例4〕直径5.25インチのガラス
基板を用いて高周波マグネトロンスパッタ法によって、
図4に示す断面構造を持つ磁気記録媒体を作製した。基
板401上に、第1下地層402、第2下地層403,
磁性膜404、保護膜405この順序で形成する。基板
上にはあらかじめディスクの円周方向に溝が形成してあ
り、この上に上記一連の成膜を行なうと円周方向の溝4
06を持つ磁気記録媒体を形成した。
【0031】第1下地層用にTi−10at.%Crタ
ーゲット、第2下地層用にCr−5at.%Tiタ−ゲ
ット、磁性膜用にCo−30at.%Ni−7.5a
t.%Crタ−ゲットを用いた。スパッタのArガス圧
力5−15mTorr,スパッタパワ−15W/c
2,基板温度100Cの条件で第1下地層のTi−C
r膜を50nm,第2下地層のCr−Ti膜を80n
m,磁性膜のCo−Ni−Cr膜を35nm形成した。
さらに、保護膜としてカ−ボン膜を20nm形成した。
比較試料として、第1下地層を設けない他は同様の構成
の磁気記録媒体を作製した。
【0032】これらの磁気記録媒体の保磁力(Hc)と
磁気記録再生特性の評価をそれぞれ振動型磁力計(VS
M)、薄膜磁気ヘッドを用いて行なった。磁気ヘッドの
ギャップ長は0.2μm,測定時の磁気ヘッドと磁気記
録媒体表面との距離は0.15μmとした。記録密度は
低周波の再生出力の半分の出力になる出力半減記録密度
(D50)を測定し、シグナルとノイズの比率S/Nは各磁
気記録媒体において出力半減記録密度(D50)での相対値
で示した。この場合、比較の基準に比較例のS/N値を
用いた。
【0033】本実施例の磁気記録媒体のHc,D50,S
/Nはそれぞれ比較試料に比べ、20%,15%,43
%改善されており、高密度磁気記録に適した磁気記録媒
体であることがわかった。
【0034】〔実施例5〕直径3.5インチのガラス基
板を用いて高周波マグネトロンスパッタ法によって、図
5に示す構造を持つ磁気記録媒体を作製した。基板50
1上に、第1下地層502、第2下地層503,下層磁
性膜504、上層磁性膜505、保護膜506をこの順
序で形成する。この磁気記録媒体は媒体表面に磁気ヘッ
ドフォロ−イング用の凹状パタ−ン507を持つ。この
パタ−ンの形成は半導体で用いられるフォトレジストを
利用したパタ−ンエッチング法で行なった。第1下地層
用にTi−10at.%Crタ−ゲット、第2下地層用
にCr−5at.%Bタ−ゲット、下層磁性膜用にCo
−17at.%Cr−7.5at.%Pt−2at.%
Siタ−ゲット、上層磁性膜用にCo−15at.%C
r−8at.%Ptタ−ゲットを用いた。スパッタのA
rガス圧力5−15mTorr,スパッタパワ−15W
/cm2,基板温度150℃の条件で第1下地層のTi
−Cr膜を50nm,第2下地層のCr−B膜を100
nm,下層磁性膜のCo−Cr−Pt−Si膜を15n
m,上層磁性膜のCo−Cr−Pt膜を15nm形成し
た。このサンプルをスパッタ装置から取外し、フォトレ
ジストを用いたパタ−ンエッチング法で円板上の基板の
周方向に2μm×2μm×0.1μmの窪みを千鳥状に
形成した。ついで、保護膜としてカ−ボン膜を20nm
形成した。
【0035】本実施例の磁気記録媒体において、D50
S/Nが改善されているのでビット方向の記録密度を向
上できることに加えて、媒体上に形成された一連の窪み
を磁気ヘッドの一部に搭載された半導体レ−ザ光の反射
率の変化をモニタ−するか、あるいは磁気ヘッドの出力
が窪み直上に磁気ヘッドが来たときに変化する現象を利
用して高精度トラッキングを行なうことができるのでト
ラック方向の記録密度も向上でき、この結果、高密度で
磁気記録を容易に行なうことができた。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、記録密度と記録再生時
のS/N比の改善された磁気記録媒体を提供できるの
で、磁気ディスク装置の高密度化を実現でき、装置の小
型化や大容量化が容易になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の面内磁気記録媒体の断面図
である。
【図2】本発明の実施例2の面内磁気記録媒体の断面図
である。
【図3】本発明の実施例3の面内磁気記録媒体の断面図
である。
【図4】本発明の実施例4の面内磁気記録媒体の斜視図
である。
【図5】本発明の実施例5の面内磁気記録媒体の斜視図
である。
【符号の説明】
101…基板、102…第1下地層(b.c.c.)、
103…第2下地層(h.c.p.)、104…磁性
膜、105…保護膜、201…基板、202…第1下地
層(h.c.p.)、203…第2下地層(b.c.
c.)、204…磁性膜、205…保護膜、301…基
板、302…第1下地層(h.c.p.)、303…第
2下地層(b.c.c.)、304…第3下地層、30
5…磁性膜、306…保護膜、401…基板、402…
第1下地層(h.c.p.)、403…第2下地層
(b.c.c.)、404…磁性膜、405…保護膜、
406…溝、501…基板、502…第1下地層(h.
c.p.)、503…第2下地層(b.c.c.)、5
04…下層磁性膜、505…上層磁性膜、506…保護
膜、507…凹上パタ−ン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−187416(JP,A) 特開 平1−173427(JP,A) 特開 平1−199314(JP,A) 特開 平2−226516(JP,A) 特開 平3−63921(JP,A) 特開 平3−150718(JP,A) 特開 平4−205916(JP,A) 特開 昭63−61408(JP,A) 特開 昭62−232720(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/64 G11B 5/738

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、h.c.p.構造を持つ第1下
    地層が形成され、前記第1下地層上にb.c.c.構造
    を持つ第2下地層が形成され、前記第2下地層上にh.
    c.p.構造を有する第3の下地層が形成され、前記第
    3下地層上にh.c.p.構造を有する磁性膜が形成さ
    れたことを特徴とする面内磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記第1下地層、第2下地層および第3下
    地層はいずれも非磁性材料から成る請求項1記載の面内
    磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記第1下地層の優先成長方位は[00
    1]または[011]であり、上記第2下地層の優先成
    長方位は[110]であり、上記第3下地層の優先成長
    方位は[100]または[110]である請求項1又は
    2記載の面内磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 第1下地層および第3下地層の材料は各々
    Ru,Re,Ti,Zr,Hf,Scおよびこれらの元
    素を主成分とする合金から成る群の中から選ばれた一種
    であり、上記第2下地層の材料はV,Nb,Ta,C
    r,Mo,Wおよびこれらの元素を主成分とする合金か
    ら成る群の中から選ばれた一種であり、上記磁性膜の材
    料はCoまたはCo基合金である請求項1乃至3のいず
    れかに記載の面内磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記磁性膜上に保護膜が形成されている請
    求項1乃至4のいずれかに記載の面内磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記磁性膜の一部に凹状のパタ−ン、非磁
    性領域、光反射率の異なる領域のいずれかが形成されて
    いる請求項1乃至5項のいずれかに記載の面内磁気記録
    媒体。
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