JPH08329442A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH08329442A JPH08329442A JP7131367A JP13136795A JPH08329442A JP H08329442 A JPH08329442 A JP H08329442A JP 7131367 A JP7131367 A JP 7131367A JP 13136795 A JP13136795 A JP 13136795A JP H08329442 A JPH08329442 A JP H08329442A
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- layer
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- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/62—Record carriers characterised by the selection of the material
- G11B5/73—Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
- G11B5/7368—Non-polymeric layer under the lowermost magnetic recording layer
- G11B5/7369—Two or more non-magnetic underlayers, e.g. seed layers or barrier layers
Landscapes
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高保磁力を維持しつつ、磁気異方性を是正し
て磁気等方性に近づけることにより、高線記録密度で低
ノイズの磁気記録媒体を提供する。 【構成】 磁気ディスクの非磁性金属下地層３は２層構
造で、純Ｃｒ膜の第１の下地層３ａと、Ｔａが４at．％
添加のＣｒ合金の第２の下地層３ｂとから構成されてい
る。円周方向保磁力が半径方向保磁力に比して高い磁気
異方性を生じさせるＣｒ膜の第１の下地層３ａと円周方
向保磁力が半径方向保磁力に比して低い磁気異方性を生
じさせるＴａ添加Ｃｒ合金の第２の下地層３ｂとを非磁
性金属下地層３とする媒体では、磁気異方性が緩和され
て磁気等方性に近づくので、低ノイズ化が実現される。
また、保磁力の値は、それぞれを構成する下地層３ａ，
３ｂのそれよりも増加しているので、高線記録密度が実
現される。
て磁気等方性に近づけることにより、高線記録密度で低
ノイズの磁気記録媒体を提供する。 【構成】 磁気ディスクの非磁性金属下地層３は２層構
造で、純Ｃｒ膜の第１の下地層３ａと、Ｔａが４at．％
添加のＣｒ合金の第２の下地層３ｂとから構成されてい
る。円周方向保磁力が半径方向保磁力に比して高い磁気
異方性を生じさせるＣｒ膜の第１の下地層３ａと円周方
向保磁力が半径方向保磁力に比して低い磁気異方性を生
じさせるＴａ添加Ｃｒ合金の第２の下地層３ｂとを非磁
性金属下地層３とする媒体では、磁気異方性が緩和され
て磁気等方性に近づくので、低ノイズ化が実現される。
また、保磁力の値は、それぞれを構成する下地層３ａ，
３ｂのそれよりも増加しているので、高線記録密度が実
現される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、固定磁気ディスク装置
等に用いられる磁気ディスク等の磁気記録媒体に関し、
特に、磁性層の下地層の構造及び材質に関する。
等に用いられる磁気ディスク等の磁気記録媒体に関し、
特に、磁性層の下地層の構造及び材質に関する。
【０００２】
【従来の技術】固定磁気ディスク装置に搭載される磁気
ディスク（磁気記録媒体）の断面構造は、図２に示すよ
うに、Ａｌ又はガラス等の非磁性基板１上にＮｉ−Ｐ又
はＡｌ等のような非磁性層２が形成された非磁性基体１
１の上に、非磁性金属下地層３，保磁力（Ｈc ）が1600
Ｏｅ以上の単層の硬磁性層（例えば、ＣｏＣｒＴａ又は
ＣｏＣｒＰｔＴａ等），Ｃを主とする保護層５が順次積
層されており、更にその上に、液体潤滑剤からなる潤滑
層６が形成されている。
ディスク（磁気記録媒体）の断面構造は、図２に示すよ
うに、Ａｌ又はガラス等の非磁性基板１上にＮｉ−Ｐ又
はＡｌ等のような非磁性層２が形成された非磁性基体１
１の上に、非磁性金属下地層３，保磁力（Ｈc ）が1600
Ｏｅ以上の単層の硬磁性層（例えば、ＣｏＣｒＴａ又は
ＣｏＣｒＰｔＴａ等），Ｃを主とする保護層５が順次積
層されており、更にその上に、液体潤滑剤からなる潤滑
層６が形成されている。
【０００３】このような磁気ディスクは、例えばＡｌ合
金又はガラス材料からなる所要の平行度，平面度及び表
面粗さに仕上げ加工された非磁性基板１の表面に無電解
めっき等の湿式成膜工程、又はスパッタ，蒸着等のよう
なドライ工程によりＮｉ−Ｐ又はＡｌ膜からなる非磁性
層２を形成したものを非磁性基体１１としている。この
非磁性基体１１を150 〜200 °Ｃに加熱し、かつ基体１
１に直流バイアスを約350 Ｖ印加しながら、連続搬送ス
パッタ法でその表面にＣｒからなる膜厚約50nmの非磁性
金属下地層３、Ｃｏを主とするＣｏＣｒＴａ等のような
膜厚約30nmの硬磁性層４、Ｃを主とする膜厚約10nmの保
護層５を順次成膜し、そして保護層５の上にフロロカー
ボン系の液体潤滑剤を膜厚約１nm塗布して潤滑層６とす
る。このようにして作製された磁気ディスクにおいて
は、強度，寸法精度等の機械特性は実用上支障なく良好
であり、磁気特性も保磁力Ｈc が約2000Ｏｅ程度、残留
磁束密度（Ｂr ）と膜厚ｔの積（Ｂr ・ｔ）が150 Ｇμ
ｍ程度と良好である。また磁気曲線の保磁力Ｈc 近傍の
傾き（保磁力角形比Ｓ* ）も0.93程度と良好である。
金又はガラス材料からなる所要の平行度，平面度及び表
面粗さに仕上げ加工された非磁性基板１の表面に無電解
めっき等の湿式成膜工程、又はスパッタ，蒸着等のよう
なドライ工程によりＮｉ−Ｐ又はＡｌ膜からなる非磁性
層２を形成したものを非磁性基体１１としている。この
非磁性基体１１を150 〜200 °Ｃに加熱し、かつ基体１
１に直流バイアスを約350 Ｖ印加しながら、連続搬送ス
パッタ法でその表面にＣｒからなる膜厚約50nmの非磁性
金属下地層３、Ｃｏを主とするＣｏＣｒＴａ等のような
膜厚約30nmの硬磁性層４、Ｃを主とする膜厚約10nmの保
護層５を順次成膜し、そして保護層５の上にフロロカー
ボン系の液体潤滑剤を膜厚約１nm塗布して潤滑層６とす
る。このようにして作製された磁気ディスクにおいて
は、強度，寸法精度等の機械特性は実用上支障なく良好
であり、磁気特性も保磁力Ｈc が約2000Ｏｅ程度、残留
磁束密度（Ｂr ）と膜厚ｔの積（Ｂr ・ｔ）が150 Ｇμ
ｍ程度と良好である。また磁気曲線の保磁力Ｈc 近傍の
傾き（保磁力角形比Ｓ* ）も0.93程度と良好である。
【０００４】また、上記のＣｒの下地層３に対して、Ｃ
ｒを主としてＴｉ，Ｖ等を添加した合金膜を下地層３に
用いた磁気記録媒体も提案されており、保磁力Ｈc の更
なる増加が報告されている。
ｒを主としてＴｉ，Ｖ等を添加した合金膜を下地層３に
用いた磁気記録媒体も提案されており、保磁力Ｈc の更
なる増加が報告されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気記録媒
体の高線記録密度を増大させるためには、高い保磁力の
媒体を得る必要があるが、面内でディスク円周方向の保
磁力とディスク半径方向の保磁力が相等しくなっている
磁気等方性の媒体では、電磁変換特性を評価した場合、
媒体からのノイズが低減されることが計算により報告さ
れている（IEEE Trans．Magn．29 ,（'93 ）324 ）。こ
の観点からＣｒ膜，Ｃｒを主としてＶ又はＴｉを添加し
た合金膜の下地層３を考察した場合、保磁力Ｈc は高い
ものの、円周方向保磁力の方が半径方向保磁力よりも高
いという顕著な磁気異方性の媒体となっていることが判
明した。このため、Ｃｒ膜や合金膜の非磁性金属下地層
３を持つ媒体においては、媒体からのノイズが大きいと
いう問題があった。
体の高線記録密度を増大させるためには、高い保磁力の
媒体を得る必要があるが、面内でディスク円周方向の保
磁力とディスク半径方向の保磁力が相等しくなっている
磁気等方性の媒体では、電磁変換特性を評価した場合、
媒体からのノイズが低減されることが計算により報告さ
れている（IEEE Trans．Magn．29 ,（'93 ）324 ）。こ
の観点からＣｒ膜，Ｃｒを主としてＶ又はＴｉを添加し
た合金膜の下地層３を考察した場合、保磁力Ｈc は高い
ものの、円周方向保磁力の方が半径方向保磁力よりも高
いという顕著な磁気異方性の媒体となっていることが判
明した。このため、Ｃｒ膜や合金膜の非磁性金属下地層
３を持つ媒体においては、媒体からのノイズが大きいと
いう問題があった。
【０００６】そこで上記問題点に鑑み、本発明の課題
は、高保磁力を維持しつつ、磁気異方性を是正して磁気
等方性に近づけることにより、高線記録密度で低ノイズ
の磁気記録媒体を提供することにある。
は、高保磁力を維持しつつ、磁気異方性を是正して磁気
等方性に近づけることにより、高線記録密度で低ノイズ
の磁気記録媒体を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の講じた第１の手段は、従前の磁気異方性と
は逆の磁気異方性（円周方向保磁力の方が半径方向の保
磁力よりも低い磁気異方性）を生じさせる下地層を見出
し、この下地層と従前の下地層との組み合わせ複層構造
で非磁性金属下地層を構成したものである。即ち、本発
明は、非磁性基体上に、非磁性金属下地層，磁性層及び
保護層を順次積層形成して成る磁気記録媒体において、
上記非磁性金属下地層は、円周方向保磁力が半径方向保
磁力に比して高い磁気異方性を生じさせる第１の下地層
と、円周方向保磁力が半径方向保磁力に比して低い磁気
異方性を生じさせる第２の下地層とを以て組み合わされ
た複層構造であることを特徴とする。
め、本発明の講じた第１の手段は、従前の磁気異方性と
は逆の磁気異方性（円周方向保磁力の方が半径方向の保
磁力よりも低い磁気異方性）を生じさせる下地層を見出
し、この下地層と従前の下地層との組み合わせ複層構造
で非磁性金属下地層を構成したものである。即ち、本発
明は、非磁性基体上に、非磁性金属下地層，磁性層及び
保護層を順次積層形成して成る磁気記録媒体において、
上記非磁性金属下地層は、円周方向保磁力が半径方向保
磁力に比して高い磁気異方性を生じさせる第１の下地層
と、円周方向保磁力が半径方向保磁力に比して低い磁気
異方性を生じさせる第２の下地層とを以て組み合わされ
た複層構造であることを特徴とする。
【０００８】具体的に本発明においては、いずれか一方
の下地層はＣｒ層であり、他方の下地層はＣｒを主とす
る合金層とすることができる。ここで、Ｃｒ層が第１層
目で、Ｃｒを主とする合金層が第２層目とすることもで
きるし、逆に、Ｃｒを主とする合金層が第１層目で、Ｃ
ｒ層が第２層目とすることもできる。そして、Ｃｒを主
とする合金層はＴａを含有して成る。
の下地層はＣｒ層であり、他方の下地層はＣｒを主とす
る合金層とすることができる。ここで、Ｃｒ層が第１層
目で、Ｃｒを主とする合金層が第２層目とすることもで
きるし、逆に、Ｃｒを主とする合金層が第１層目で、Ｃ
ｒ層が第２層目とすることもできる。そして、Ｃｒを主
とする合金層はＴａを含有して成る。
【０００９】本発明の第２の手段は、非磁性基体上に、
非磁性金属下地層，磁性層及び保護層を順次積層形成し
て成る磁気記録媒体において、上記非磁性金属下地層と
しては、Ｃｒ層とＷを添加したＣｒ合金層との２層構造
であることを特徴とする。
非磁性金属下地層，磁性層及び保護層を順次積層形成し
て成る磁気記録媒体において、上記非磁性金属下地層と
しては、Ｃｒ層とＷを添加したＣｒ合金層との２層構造
であることを特徴とする。
【００１０】
【作用】Ｃｒの単層下地層やＣｒを主としてＴｉ等を添
加した単層合金層を用いた磁気記録媒体においては、円
周方向保磁力が半径方向保磁力に比して高い磁気異方性
の媒体となっている。ところが、本発明者らは、Ｔａを
添加したＣｒを主とする単層合金層を用いた磁気記録媒
体が上記媒体の磁気異方性とは逆の磁気異方性つまり円
周方向保磁力が半径方向保磁力に比して低い磁気異方性
（方向比＝円周方向保磁力／半径方向保磁力＜１）の媒
体であることを見出した。そこで、ベクトル的重ね合わ
せにより、円周方向保磁力が半径方向保磁力に比して高
い磁気異方性を生じさせる下地層と円周方向保磁力が半
径方向保磁力に比して低い磁気異方性を生じさせる下地
層とを積層した媒体では、磁気異方性が緩和されて磁気
等方性に近づくことが判明した。このため、複層構造の
非磁性金属下地層を持つ媒体では低ノイズ化を図ること
ができる。また、保磁力の値は、それぞれを構成する下
地層のそれよりも増加していることが確認された。ここ
で、方向比を１以下で制御できる要因はＴａ等の添加元
素の種類，添加比，層厚比等が関与しているものと推測
できる。
加した単層合金層を用いた磁気記録媒体においては、円
周方向保磁力が半径方向保磁力に比して高い磁気異方性
の媒体となっている。ところが、本発明者らは、Ｔａを
添加したＣｒを主とする単層合金層を用いた磁気記録媒
体が上記媒体の磁気異方性とは逆の磁気異方性つまり円
周方向保磁力が半径方向保磁力に比して低い磁気異方性
（方向比＝円周方向保磁力／半径方向保磁力＜１）の媒
体であることを見出した。そこで、ベクトル的重ね合わ
せにより、円周方向保磁力が半径方向保磁力に比して高
い磁気異方性を生じさせる下地層と円周方向保磁力が半
径方向保磁力に比して低い磁気異方性を生じさせる下地
層とを積層した媒体では、磁気異方性が緩和されて磁気
等方性に近づくことが判明した。このため、複層構造の
非磁性金属下地層を持つ媒体では低ノイズ化を図ること
ができる。また、保磁力の値は、それぞれを構成する下
地層のそれよりも増加していることが確認された。ここ
で、方向比を１以下で制御できる要因はＴａ等の添加元
素の種類，添加比，層厚比等が関与しているものと推測
できる。
【００１１】また本発明の第２の手段においては、非磁
性金属下地層として、Ｃｒ層とＷを添加したＣｒ合金層
との２層構造であることを特徴とする。このような２層
構造の下地層を持つ媒体でも、高保磁力であり、磁気異
方性が改善されていることが確認された。
性金属下地層として、Ｃｒ層とＷを添加したＣｒ合金層
との２層構造であることを特徴とする。このような２層
構造の下地層を持つ媒体でも、高保磁力であり、磁気異
方性が改善されていることが確認された。
【００１２】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
説明する。
【００１３】〔実施例１〕図１は本発明の実施例に係る
磁気ディスクの断面構造を示す模式的断面図である。
磁気ディスクの断面構造を示す模式的断面図である。
【００１４】本例の磁気ディスクは、Ａｌ合金又はガラ
ス材料からなる所定の平行度，平面度及び表面粗さに仕
上げ加工された非磁性基板１の表面に、無電解めっきに
より厚さ10μm のＮｉＰ膜からなる非磁性層２を形成し
たものを非磁性基体１１とし、Ｃｒ，Ｔａを添加したＣ
ｒ合金，Ｃｏ合金及びＣの４種類のターゲットが順に並
んだ炉内に非磁性基体１１を載せたキャリアを搬送させ
て、表１に示す条件の連続搬送スパッタ法で基体１１上
に層厚50nmの非磁性金属下地層３，層厚約30nmのＣｏ合
金の硬磁性層４，及び層厚約10nmのアモルファスカーボ
ン（ａ−Ｃ）の保護層５を順次スパッタ成膜した。
ス材料からなる所定の平行度，平面度及び表面粗さに仕
上げ加工された非磁性基板１の表面に、無電解めっきに
より厚さ10μm のＮｉＰ膜からなる非磁性層２を形成し
たものを非磁性基体１１とし、Ｃｒ，Ｔａを添加したＣ
ｒ合金，Ｃｏ合金及びＣの４種類のターゲットが順に並
んだ炉内に非磁性基体１１を載せたキャリアを搬送させ
て、表１に示す条件の連続搬送スパッタ法で基体１１上
に層厚50nmの非磁性金属下地層３，層厚約30nmのＣｏ合
金の硬磁性層４，及び層厚約10nmのアモルファスカーボ
ン（ａ−Ｃ）の保護層５を順次スパッタ成膜した。
【００１５】
【表１】
【００１６】本例では図１に示すように、非磁性金属下
地層３は２層構造で、Ｃｒのスパッタリングによって形
成された純Ｃｒ膜の第１の下地層３ａと、Ｃｒ合金のス
パッタリングによって形成されたＴａが４at．％添加の
Ｃｒ合金の第２の下地層３ｂとから構成されている。第
１の下地層３ａの層厚と第２の下地層３ｂの層厚を等し
くしてある。
地層３は２層構造で、Ｃｒのスパッタリングによって形
成された純Ｃｒ膜の第１の下地層３ａと、Ｃｒ合金のス
パッタリングによって形成されたＴａが４at．％添加の
Ｃｒ合金の第２の下地層３ｂとから構成されている。第
１の下地層３ａの層厚と第２の下地層３ｂの層厚を等し
くしてある。
【００１７】〔実施例２〕実施例１と同様の製造方法に
より磁気ディスクを作製するが、実施例１では第２の下
地層３ｂのためのターゲットがＴａを添加したＣｒ合金
であるが、本例ではＷを６at．％添加したＣｒ合金を用
いた。なお、本例の場合も、第１の下地層３ａの層厚と
第２の下地層３ｂの層厚は等しい。
より磁気ディスクを作製するが、実施例１では第２の下
地層３ｂのためのターゲットがＴａを添加したＣｒ合金
であるが、本例ではＷを６at．％添加したＣｒ合金を用
いた。なお、本例の場合も、第１の下地層３ａの層厚と
第２の下地層３ｂの層厚は等しい。
【００１８】〔比較例〕上記実施例を評価するために、
図２に示す層構成の３種類の磁気ディスクを作製した。
１枚目の磁気ディスクの非磁性金属下地層３は純Ｃｒ層
で、２枚目はＷが６at．％添加したＣｒ合金層、３枚目
はＴａが４at．％添加したＣｒ合金層である。
図２に示す層構成の３種類の磁気ディスクを作製した。
１枚目の磁気ディスクの非磁性金属下地層３は純Ｃｒ層
で、２枚目はＷが６at．％添加したＣｒ合金層、３枚目
はＴａが４at．％添加したＣｒ合金層である。
【００１９】実施例１，２及び比較例についての磁気特
性を表２に示す。
性を表２に示す。
【００２０】
【表２】
【００２１】但し、Ｈc 〔Ｏｅ〕は円周方向の保磁力、
Ｂr ・ｔ〔Ｇμｍ〕は残留磁束密度と磁性層厚の積、Ｂ
s ・ｔ〔Ｇμｍ〕は飽和磁束密度と磁性層厚の積、Ｓは
角形比、Ｓ* は保磁力角形比、Ｏ．Ｒ．は円周方向の保
磁力Ｈc と半径方向の保磁力Ｈc ′の比である方向比
（Ｈc ／Ｈc ′）である。
Ｂr ・ｔ〔Ｇμｍ〕は残留磁束密度と磁性層厚の積、Ｂ
s ・ｔ〔Ｇμｍ〕は飽和磁束密度と磁性層厚の積、Ｓは
角形比、Ｓ* は保磁力角形比、Ｏ．Ｒ．は円周方向の保
磁力Ｈc と半径方向の保磁力Ｈc ′の比である方向比
（Ｈc ／Ｈc ′）である。
【００２２】表２から明らかなように、非磁性金属下地
層３が単層のＣｒ層である媒体は円周方向の保磁力Ｈc
が1780Ｏｅであり、方向比Ｏ．Ｒ．は1.51である。非磁
性金属下地層３がＷを６at．％添加したＣｒ合金層であ
る媒体は、Ｃｒ単層を用いた場合に比して保磁力Ｈc が
100 Ｏｅ程度増加する効果が見られた。しかし、方向比
Ｏ．Ｒ．は1.62で磁気異方性が強くなっている。ところ
が、非磁性金属下地層３がＴａを４at．％添加したＣｒ
合金層である媒体は、保磁力Ｈc が低下するものの、方
向比Ｏ．Ｒ．は１以下で、上記２種類の媒体とは逆の磁
気異方性（円周方向保磁力Ｈc に比して半径方向保磁力
Ｈc ′の方が大きな磁気異方性）を生じている。
層３が単層のＣｒ層である媒体は円周方向の保磁力Ｈc
が1780Ｏｅであり、方向比Ｏ．Ｒ．は1.51である。非磁
性金属下地層３がＷを６at．％添加したＣｒ合金層であ
る媒体は、Ｃｒ単層を用いた場合に比して保磁力Ｈc が
100 Ｏｅ程度増加する効果が見られた。しかし、方向比
Ｏ．Ｒ．は1.62で磁気異方性が強くなっている。ところ
が、非磁性金属下地層３がＴａを４at．％添加したＣｒ
合金層である媒体は、保磁力Ｈc が低下するものの、方
向比Ｏ．Ｒ．は１以下で、上記２種類の媒体とは逆の磁
気異方性（円周方向保磁力Ｈc に比して半径方向保磁力
Ｈc ′の方が大きな磁気異方性）を生じている。
【００２３】実施例１では保磁力Ｈc が1875Ｏｅで、第
１の下地層３ａを構成するＣｒ層だけの媒体の保磁力
（1780Ｏｅ) や第２の下地層３ｂを構成するＴａを４a
t．％添加したＣｒ合金層だけの媒体の保磁力（1565Ｏ
ｅ) に比して増加しており、高保磁力であるばかりか、
方向比Ｏ．Ｒ．が1.39で磁気異方性が緩和されて磁気等
方性に近づいている。即ち、円周方向保磁力が半径方向
保磁力に比して高い磁気異方性を生じさせるＣｒ膜の第
１の下地層３ａと円周方向保磁力が半径方向保磁力に比
して低い磁気異方性を生じさせるＴａ添加Ｃｒ合金の第
２の下地層３ｂとを非磁性金属下地層３とする媒体で
は、磁気異方性が緩和されて磁気等方性に近づくので、
低ノイズ化が実現される。また、保磁力の値は、それぞ
れを構成する下地層３ａ，３ｂのそれよりも増加してい
るので、高線記録密度が実現される。
１の下地層３ａを構成するＣｒ層だけの媒体の保磁力
（1780Ｏｅ) や第２の下地層３ｂを構成するＴａを４a
t．％添加したＣｒ合金層だけの媒体の保磁力（1565Ｏ
ｅ) に比して増加しており、高保磁力であるばかりか、
方向比Ｏ．Ｒ．が1.39で磁気異方性が緩和されて磁気等
方性に近づいている。即ち、円周方向保磁力が半径方向
保磁力に比して高い磁気異方性を生じさせるＣｒ膜の第
１の下地層３ａと円周方向保磁力が半径方向保磁力に比
して低い磁気異方性を生じさせるＴａ添加Ｃｒ合金の第
２の下地層３ｂとを非磁性金属下地層３とする媒体で
は、磁気異方性が緩和されて磁気等方性に近づくので、
低ノイズ化が実現される。また、保磁力の値は、それぞ
れを構成する下地層３ａ，３ｂのそれよりも増加してい
るので、高線記録密度が実現される。
【００２４】従って、実施例１の媒体は高線記録密度で
低ノイズの磁気記録媒体となっている。実施例１におい
ては、第１の下地層３ａと第２の下地層３ｂの層厚を等
しくしてあるが、層厚比を変えることで方向比の更なる
改善も可能である。またＴａ等の添加元素の種類，添加
比等を変えることでも方向比及び保磁力を制御できる。
低ノイズの磁気記録媒体となっている。実施例１におい
ては、第１の下地層３ａと第２の下地層３ｂの層厚を等
しくしてあるが、層厚比を変えることで方向比の更なる
改善も可能である。またＴａ等の添加元素の種類，添加
比等を変えることでも方向比及び保磁力を制御できる。
【００２５】実際は基板バイアス等を最適化することに
より保磁力を更に高めることができ、磁気等方性を改善
できる。
より保磁力を更に高めることができ、磁気等方性を改善
できる。
【００２６】実施例２では保磁力Ｈc が1903ｅで高磁力
化しており、また方向比Ｏ．Ｒ．は1.44で磁気異方性が
改善されている。実施例２の第２の下地層３ｂはＷを６
at．％添加したＣｒ合金層であり、比較例から判るよう
に、Ｗを６at．％添加したＣｒ合金層のみを非磁性金属
下地層３とする媒体は、方向比Ｏ．Ｒ．が１以下となっ
てはいない。しかしながら、理由は不明であるが、実施
例２では磁気異方性が顕著に改善されている。
化しており、また方向比Ｏ．Ｒ．は1.44で磁気異方性が
改善されている。実施例２の第２の下地層３ｂはＷを６
at．％添加したＣｒ合金層であり、比較例から判るよう
に、Ｗを６at．％添加したＣｒ合金層のみを非磁性金属
下地層３とする媒体は、方向比Ｏ．Ｒ．が１以下となっ
てはいない。しかしながら、理由は不明であるが、実施
例２では磁気異方性が顕著に改善されている。
【００２７】なお、類推によれば、非磁性金属下地層と
しては、Ｃｒ層，Ｗ添加のＣｒ合金層，及びＴａ添加の
Ｃｒ合金層からなる３者組み合わせ積層構造も高保磁力
及び磁気等方性媒体を示唆する。
しては、Ｃｒ層，Ｗ添加のＣｒ合金層，及びＴａ添加の
Ｃｒ合金層からなる３者組み合わせ積層構造も高保磁力
及び磁気等方性媒体を示唆する。
【００２８】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、非磁性
金属下地層を複層構造とし、円周方向保磁力の方が半径
方向の保磁力よりも高い磁気異方性を生じさせる下地層
と、円周方向保磁力の方が半径方向の保磁力よりも低い
磁気異方性を生じさせる下地層とを組み合わせたことを
特徴とする。従って、次の効果を奏する。
金属下地層を複層構造とし、円周方向保磁力の方が半径
方向の保磁力よりも高い磁気異方性を生じさせる下地層
と、円周方向保磁力の方が半径方向の保磁力よりも低い
磁気異方性を生じさせる下地層とを組み合わせたことを
特徴とする。従って、次の効果を奏する。
【００２９】 円周方向保磁力が半径方向保磁力に比
して高い磁気異方性を生じさせる下地層と円周方向保磁
力が半径方向保磁力に比して低い磁気異方性を生じさせ
る下地層とを積層した媒体では、磁気異方性が緩和され
て磁気等方性に近づき、低ノイズ化が達成される。ま
た、保磁力の値は、それぞれを構成する下地層のそれよ
りも増加しており、高線記録密度も達成される。
して高い磁気異方性を生じさせる下地層と円周方向保磁
力が半径方向保磁力に比して低い磁気異方性を生じさせ
る下地層とを積層した媒体では、磁気異方性が緩和され
て磁気等方性に近づき、低ノイズ化が達成される。ま
た、保磁力の値は、それぞれを構成する下地層のそれよ
りも増加しており、高線記録密度も達成される。
【００３０】 本発明は、非磁性金属下地層として、
Ｃｒ層とＷを添加したＣｒ合金層との２層構造であるこ
とを特徴とする。このような２層構造の下地層を持つ媒
体でも、高保磁力で、高線記録密度であり、また磁気異
方性が改善されて低ノイズ化が達成される。
Ｃｒ層とＷを添加したＣｒ合金層との２層構造であるこ
とを特徴とする。このような２層構造の下地層を持つ媒
体でも、高保磁力で、高線記録密度であり、また磁気異
方性が改善されて低ノイズ化が達成される。
【図１】本発明の実施例に係る磁気ディスクの断面構造
を示す模式的断面図である。
を示す模式的断面図である。
【図２】従来一般の磁気ディスクの断面構造を示す模式
的断面図である。
的断面図である。
１…非磁性基板 ２…非磁性層 ３…非磁性金属下地層 ３ａ…第１の下地層 ３ｂ…第２の下地層 ４…硬磁性層 ５…保護層 ６…潤滑層。
Claims (5)
- 【請求項１】 非磁性基体上に、非磁性金属下地層，磁
性層及び保護層を順次積層形成して成る磁気記録媒体に
おいて、前記非磁性金属下地層は、円周方向保磁力が半
径方向保磁力に比して高い磁気異方性を生じさせる第１
の下地層と、円周方向保磁力が半径方向保磁力に比して
低い磁気異方性を生じさせる第２の下地層とを以て組み
合わされた複層構造であることを特徴とする磁気記録媒
体。 - 【請求項２】 請求項１に記載の磁気記録媒体におい
て、前記非磁性金属下地層は、前記第１の下地層と前記
第２の下地層とから成る２層構造であって、いずれか一
方の下地層はＣｒ層であり、他方の下地層はＣｒを主と
する合金層であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項３】 請求項２に記載の磁気記録媒体におい
て、前記Ｃｒ層は第１層目で、前記Ｃｒを主とする合金
層は第２層目であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項４】 請求項２又は請求項３に記載の磁気記録
媒体において、前記Ｃｒを主とする合金層はＴａを含有
して成ることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項５】 非磁性基体上に、非磁性金属下地層，磁
性層及び保護層を順次積層形成して成る磁気記録媒体に
おいて、前記非磁性金属下地層は、Ｃｒ層とＷを添加し
たＣｒ合金層との２層構造であることを特徴とする磁気
記録媒体。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7131367A JPH08329442A (ja) | 1995-05-30 | 1995-05-30 | 磁気記録媒体 |
| US08/656,872 US6037069A (en) | 1995-05-30 | 1996-05-30 | Magnetic recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7131367A JPH08329442A (ja) | 1995-05-30 | 1995-05-30 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08329442A true JPH08329442A (ja) | 1996-12-13 |
Family
ID=15056278
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7131367A Pending JPH08329442A (ja) | 1995-05-30 | 1995-05-30 | 磁気記録媒体 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6037069A (ja) |
| JP (1) | JPH08329442A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6740383B2 (en) | 1998-05-27 | 2004-05-25 | Fujitsu Limited | Magnetic recording medium possessing a ratio of Hc(perpendicular) to Hc(horizontal) that is not more than 0.22 and magnetic recording disk device |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6479169B1 (en) * | 2000-03-16 | 2002-11-12 | Trace Storage Technology Corp. | Low noise magnetic recording media having a interlayer film |
| US6667118B1 (en) | 2000-09-05 | 2003-12-23 | Seagate Technology Llc | Texture-induced magnetic anisotropy of soft underlayers for perpendicular recording media |
| US6846576B1 (en) * | 2002-04-10 | 2005-01-25 | Seagate Technology Llc | Coupling enhancement for medium with anti-ferromagnetic coupling |
Family Cites Families (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4652499A (en) * | 1986-04-29 | 1987-03-24 | International Business Machines | Magnetic recording medium with a chromium alloy underlayer and a cobalt-based magnetic layer |
| US4654276A (en) * | 1986-04-29 | 1987-03-31 | International Business Machines Corporation | Magnetic recording medium with an underlayer and a cobalt-based magnetic layer |
| JPH0766527B2 (ja) * | 1987-03-28 | 1995-07-19 | 富士写真フイルム株式会社 | 磁気記録媒体とその製造方法 |
| US5143794A (en) * | 1988-08-10 | 1992-09-01 | Hitachi, Ltd. | Magnetic recording media for longitudinal recording, process for producing the same and magnetic memory apparatus |
| JP2697227B2 (ja) * | 1989-10-20 | 1998-01-14 | 富士電機株式会社 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
| EP0443478A3 (en) * | 1990-02-19 | 1992-03-11 | Kanegafuchi Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Magnetic recording medium and method for preparing the same |
| JPH07118417B2 (ja) * | 1990-12-21 | 1995-12-18 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション | 磁気記録媒体 |
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| JP3018551B2 (ja) * | 1991-04-22 | 2000-03-13 | 株式会社日立製作所 | 面内磁気記録媒体 |
| JP2724067B2 (ja) * | 1992-01-17 | 1998-03-09 | 株式会社クボタ | 金属薄膜型磁気記録媒体 |
| JP2834392B2 (ja) * | 1993-06-23 | 1998-12-09 | ストアメディア インコーポレーテッド | 金属薄膜型磁気記録媒体とその製造方法 |
| JPH07121863A (ja) * | 1993-10-20 | 1995-05-12 | Sony Corp | 磁気ディスク |
-
1995
- 1995-05-30 JP JP7131367A patent/JPH08329442A/ja active Pending
-
1996
- 1996-05-30 US US08/656,872 patent/US6037069A/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6740383B2 (en) | 1998-05-27 | 2004-05-25 | Fujitsu Limited | Magnetic recording medium possessing a ratio of Hc(perpendicular) to Hc(horizontal) that is not more than 0.22 and magnetic recording disk device |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US6037069A (en) | 2000-03-14 |
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