JPH05120663A - 磁気記録媒体、その製造方法および製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法および製造装置

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JPH05120663A
JPH05120663A JP3277487A JP27748791A JPH05120663A JP H05120663 A JPH05120663 A JP H05120663A JP 3277487 A JP3277487 A JP 3277487A JP 27748791 A JP27748791 A JP 27748791A JP H05120663 A JPH05120663 A JP H05120663A
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magnetic
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JP3277487A
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Kiyoto Yamaguchi
希世登 山口
Katsumi Onodera
克己 小野寺
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/66Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent the record carriers consisting of several layers
    • G11B5/672Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent the record carriers consisting of several layers having different compositions in a plurality of magnetic layers, e.g. layer compositions having differing elemental components or differing proportions of elements

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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録媒体において、高い保磁力と低いノ
イズを兼ね備えた磁気記録媒体を実現し、記録装置の高
密度・大容量化を図る。 【構成】 下地金属層上に積層される薄膜磁性層が、C
o−Cr−Ta磁性層からなる第1の磁性層と、この第
1の磁性層の上に積層されるCo−Cr−Pt磁性層か
らなる第2の磁性層とにより構成された層構造Bである
磁気記録媒体により、低ノイズを特徴とする第1の磁性
層以下の低ノイズと、高い保磁力Hcを特徴とする第2
の磁性層以上の高保磁力を兼ね備えた磁気記録媒体を実
現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定磁気ディスク記憶
装置などに用いられ、非磁性基体上に、下地層と磁性層
とが形成された磁気記録媒体、その製造方法、および製
造装置に関するものであり、特に、その磁性層を2以上
の多層からなる多層磁性層により形成された磁気記録媒
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータなどの情報処理装置
の外部記録装置として固定磁気ディスク装置が多く用い
られている。図6(a)および(b)に、この固定磁気
ディスク装置に用いられている従来の磁気記録媒体の構
成を示してある。この磁気記録媒体は、非磁性基板11
上に非磁性金属層12を形成し、非磁性の基体1とし、
この基体1の上に、非磁性の金属下地層2を積層してあ
る。そして、この金属下地層2上に、強磁性合金体であ
るCo−Cr−Ta(コバルト−クロム−タンタル)磁
性層3a、またはCo−Cr−Pt(コバルト−クロム
−白金)磁性層3bなどのいずれかを薄膜状に積層形成
し、さらに、これらの磁性層上にアモルファスカーボン
保護層4を形成する。そして、この保護層4の上に、液
体潤滑剤からなる潤滑層5を設けて磁気記録媒体を形成
している。
【0003】非磁性基板11としては、Al合金材料か
らなり所要の平行度、平面度および表面粗さに仕上げ加
工された基板を用い、この表面に無電解メッキによりN
i−P合金からなる非磁性合金層12を形成する。そし
て、この表面を研磨して所要の表面粗さとし、非磁性の
基体1としている。この非磁性の基体1を250°Cに
加熱し、さらに、この基体1に200Vの直流バイアス
を印加しながらCrからなる膜厚1000Åの非磁性金
属下地層2、Co86at%、Cr12at%およびT
a2at%からなる膜厚500Åの磁性層3a、および
アモルファスカーボンからなる膜厚200Åの保護層4
を順次スパッタ法により積層成形する。
【0004】そして、保護層4上に、フロロカーボン系
の液体潤滑剤を膜厚20Å塗布して潤滑層を形成し、磁
気記録媒体を製造する。このようにして作成された媒体
は、強度、寸法精度などの機械的特性は実用上支障な
く、良好であり、磁気特性も保磁力Hcが1600Oe
程度で、残留磁束密度と磁性層膜厚の積であるBr・d
が450G・μm程度と良好である。また、磁性層とし
てCo82at%、Cr14.5at%およびPt3.
5at%からなる磁性層3bを用いて磁気記録媒体を製
造した場合は、磁性層3bの膜厚が560Åのときに、
上記と同じ磁気特性を得ることができ、記録再生特性の
ノイズNwは3.1μV程度である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年の情報の多量化お
よび多様化が急激に進んだことにより、情報の大量処理
を行う必要性から固定磁気ディスク装置の高記録密度化
および大容量化が強く要望されている。従って、磁気デ
ィスク装置に用いられる磁気記録媒体においても、高記
録密度、大容量に対応するために保磁力Hcをさらに高
め、また、高記録密度化に特に重要な因子である記録再
生特性時のノイズNwの低減が必要となっている。しか
しながら、例えば、高い保磁力を得ることの可能なCo
−Cr−Pt磁性層はノイズの低減が難しく、一方、ノ
イズの低い磁性層であるCo−Cr−Ta磁性層では、
高い保磁力を得ることが困難であった。
【0006】そこで、本発明においては、上記の問題に
鑑みて、上記のCo−Cr−Pt磁性層、およびCo−
Cr−Ta磁性層を用いた多層の磁性層を用いて高保磁
力、高角形比、さらに、記録再生特性におけるノイズの
低い磁気記録媒体を実現することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者は幾つかの実験を繰り返し、その結果、
下地金属層の上に積層される第1の磁性層としてCo−
Cr−Ta磁性層、その上に積層される第2の磁性層と
してCo−Cr−Pt磁性層を用いることにより保持力
が高く、同時に記録再生特性におけるノイズの低減され
た磁気記録媒体を実現できることを見出した。すなわ
ち、本発明に係る非磁性の基体上に、非磁性の下地金属
層と、強磁性合金の薄膜磁性層とが順次積層された磁気
記録媒体においては、薄膜磁性層が下地金属層の上に積
層されたCo−Cr−Ta磁性層からなる第1の磁性層
と、この第1の磁性層の上に積層されたCo−Cr−P
t磁性層からなる第2の磁性層とを少なくとも備えた多
層薄膜磁性層であることを特徴としている。
【0008】この磁気記録媒体において、第1の磁性層
の厚みをd1 、第2の磁性層の厚みをd2 とした場合
に、d1 /d2 を1/9〜7/3の範囲とすることが有
効である。
【0009】そして、このような非磁性の基体上に形成
された非磁性の下地金属層に、第1の磁性層と第2の磁
性層とを少なくとも備えた多層薄膜磁性層を積層して磁
気記録媒体を製造する製造方法においては、第1の磁性
層をスパッタ法により形成するスパッタ段階を、下地金
属層の形成後、第1の設定時間以内に開始する第1磁性
層形成工程と、第2の磁性層をスパッタ法により形成す
るスパッタ段階を、第1の磁性層形成後、第2の設定時
間以内に開始する第2磁性層形成工程とを有することを
特徴とする磁気記録媒体の製造方法を用いることが有効
である。また、第1の磁性層がCo−Cr−Ta磁性層
である場合は、第1の設定時間を略15秒とし、第2の
磁性層がCo−Cr−Pt磁性層である場合は、第2の
設定時間を略10秒とすることが望ましい。
【0010】さらに、非磁性の基体上に、非磁性の下地
金属層および少なくとも一層の薄膜磁性層をスパッタ法
により順次積層形成可能なスパッタ手段を少なくとも有
する磁気記録媒体の製造装置であって、薄膜磁性層に先
立ち形成された下地金属層または薄膜磁性層の形成後か
ら、その下地金属層または薄膜磁性層に積層される薄膜
磁性層の形成開始までの時間が設定可能なスパッタ間隔
設定手段を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造
装置を用いて磁気記録媒体を製造することが有効であ
る。
【0011】
【作用】上記のような構成の磁気記録媒体は、下層とな
る第1の磁性層に低ノイズを特徴とする薄膜磁性層を採
用し、上層となる第2の磁性層に高保磁力を特徴とする
薄膜磁性層を採用した多層薄膜磁性層を用いて構成され
ており、高い保磁力と低ノイズを同時に実現できる磁気
記録媒体となる。従って、高記録密度化の際に用いられ
る狭ギャップ幅のベッドにより記録・再生する場合にお
いて、低ノイズ性を保持しつつ高保磁力化に対応可能な
磁気記録媒体を得ることができる。
【0012】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0013】図1に、本実施例に係る磁気記録媒体の構
成を示してある。本例の磁気記録媒体は、図1(a)に
示すものは磁性層が、Co−Cr−Pt合金層3bの上
にCo−Cr−Ta合金層3aを積層した層構造Aの2
層磁性層を採用しており、図1(b)に示すものは磁性
層が、Co−Cr−Ta合金層3aの上にCo−Cr−
Pt合金層3bを積層した層構造Bの2層磁性層を採用
をしている。この他の構成については先に説明した従来
の磁気記録媒体と同様につき、共通する部分においては
同じ符号を付して説明を省略する。
【0014】本例の磁気記録媒体は、先ず、内外径加工
および面切削を施したAl合金からなるディスク上の基
板11の表面に、無電解メッキによりNi−P合金から
なる非磁性金属層12を形成する。そして、この非磁性
金属層12の表面を超精密平面研磨して表面粗さを中心
線平均粗さRaで約60Åとし、さらに、テクスチャ加
工を施し、所要の表面形状を有する基体1を製作する。
この基体1を精密洗浄し、ホルダーにセットした後イン
ライン方式のマグネトロンスパッタ装置の仕込み室へ送
り込む。そして、この仕込み室を5×10-6Torr以
下の真空度まで排気し、基体1の温度を200°Cまで
加熱する。続いて、基体1のセットされたホルダーを成
膜室へ搬送し、この成膜室を圧力が5mTorrのAr
ガス雰囲気中とする。次に、この成膜室において、基体
1に200Vの直流バイアスを印加しながら、Crから
なり膜厚が1000Åの非磁性金属下地層2、続いてC
86Cr12Ta2 合金からなる膜厚d1 の磁性層3aを
第1の磁性層、Co82Cr14Pt4 合金からなる膜厚d
2 の磁性層3bを第2の磁性層、アモルファスカーボン
からなる膜厚200Åの保護層4を順次DCスパッタ法
により成膜する。これにより、層構成Bとなる磁気記録
媒体の成膜が完成する。一方、層構成Aの磁気記録媒体
においては、上記の磁性層3bを第1の磁性層として、
また、磁性層3aを第2の磁性層とすることにより、同
様のプロセスにより成膜できる。そして、この過程にお
いて、非磁性金属下地層2の積層プロセス終了から第1
の磁性層の積層プロセスの開始までの時間間隔をt1
第1の磁性層の積層プロセスの終了から第2の磁性層の
積層プロセスの開始までの時間間隔をt2 として成膜す
る。これらの成膜が全て終了した後、ホルダーを取外し
室に搬送し、大気圧下において成膜された基体1をホル
ダーより外す。そして、アモルファスカーボン保護層4
の表面に、フロロカーボン系の液体潤滑剤を塗布して膜
厚20Åの潤滑層5を形成し、磁気記録媒体とする。
【0015】図2ないし図4に、上記にて製造された磁
気記録媒体の磁気特性と、記録再生特性を測定した結果
を示してある。層構造AおよびBの両者において測定を
実施しており、また、それぞれの層構造においてCo−
Cr−Ta合金系の膜厚d1 と、Co−Cr−Pt合金
系の膜厚d2 とを、d1 +d2 =500Åの関係内で変
化させて製造した磁気記録媒体について測定している。
図2は保磁力Hcを、図3は残留磁束密度Brと磁性層
膜厚d(d1 +d2 =500Å)との積から算出される
Br・dを、また、図4は記録再生特性としてノイズN
wを表している。そして、それぞれの図はd1 とd2
比を(d1 /(d1 +d2 ))×10として表した横軸
に対し、上記の測定値を示してある。従って、横軸が0
の媒体はCo−Cr−Pt単層の媒体に、また、横軸が
10の媒体はCo−Cr−Ta単層の媒体に対応する。
また、記録再生特性は、ギャップ長0.5μm、ギャッ
プ幅10μmのMIGヘッドを用い、ディスク周速が
9.9m/sec、ヘッド浮上量が0.1μm、LF/
HFが2MHz/8MHzとして測定した。
【0016】図2に示すHcに着目すると、層構造Bに
おいては、d1 の増加に伴いHcが増加し、(d1
(d1 +d2))×10が1〜3のときに最大値とな
る。そして、さらに、d1 が増加すると緩やかにHcが
減少する傾向を示すが、この層構造Bにおいては、Co
−Cr−Pt単層あるいはCo−Cr−Ta単層の磁気
記録媒体と比較し全範囲において高いHcを示し、特
に、(d1 /(d1 +d2 ))×10が1〜7の範囲に
おいてHcがほぼ1800Oe以上と高い値を示す。
【0017】一方、層構造Aにおいては、d1 の増加に
つれて、Hcは単調に減少していく。
【0018】このとき、両層構造A、Bにおいて図3に
示すBr・dの値は、全範囲に亘って450G・μm程
度であり、層構造A、Bに限らず大きな変化はなく、良
好な値である。
【0019】図4に示すノイズNwに着目してみると、
層構造Bの媒体において、ノイズNwがd1 の増加につ
れて急減し、(d1 /(d1 +d2 ))×10が3〜5
の範囲において最低値となり、その後d1 の増加と共に
徐々に増加している。そして、(d1 /(d1
2 ))×10が1以上において、低ノイズが特徴であ
るCo−Cr−Ta単層(横軸が10に対応)と比較し
ても低いNw値を示している。一方、層構造AのNw値
は、全範囲に亘ってほぼ変わりなく、むしろ(d1
(d1 +d2 ))×10が10の側において若干増加す
る傾向を示す。
【0020】以上の結果より、層構造Bの磁気記録媒体
において、(d1 /(d1 +d2 ))×10が1〜7の
範囲、すなわちd1 /d2 が1/9〜7/3の範囲で高
い保磁力Hcと、低いノイズNwという2つの特性を同
時に兼ね備えた磁気記録媒体を実現できることが分か
る。そして、(d1 /(d1 +d2 ))×10が3〜5
の範囲、すなわちd1 /d2 が3/7〜5/5の範囲に
おいては、特に、高い保磁力Hcと、Co−Cr−Ta
単層より低いノイズNw特性という優れた特性を有する
磁気記録媒体を実現できることが分かる。従って、この
ような膜厚の関係を有し、Cr金属下地層の上に、Co
−Cr−Ta磁性層、そして、Co−Cr−Pt磁性層
と積層された多層構造の磁性層の形成された磁気記録媒
体を用いることにより、高密度、低ノイズの磁気記録装
置を実現することができる。
【0021】また、図5に、スパッタ間隔が磁性層の特
性に及ぼす影響について測定した結果を示してある。ス
パッタ間隔の影響は、図2ないし4においても、横軸が
0または10の媒体の特性が一致しないことに現れてい
る。そして、図5に、これを詳細に測定した結果を示し
てある。本図に示した結果は、高密度、低ノイズを実現
できる層構造Bの媒体について測定した結果である。
【0022】図5は、下地金属層2であるCrと、第1
の磁性層であるCo−Cr−Ta磁性層3aとのスパッ
タ間隔t1 の保磁力Hcへの影響、およびこの第1の磁
性層と第2の磁性層であるCo−Cr−Pt磁性層3b
とのスパッタ間隔t2 の保持力Hcへの影響を示してあ
る。スパッタ間隔t1 、t2 は、その磁性層に対し先立
って形成された下地金属層または磁性層の積層プロセス
終了から、その磁性層の積層プロセス開始までの時間を
示している。すなわち、スパッタ間隔t1 は下地金属層
2の積層プロセス終了から第1の磁性層であるCo−C
r−Ta磁性層3aの積層プロセス開始までの時間を示
し、スパッタ間隔t2 はこの第1の磁性層の積層プロセ
ス終了から第2の磁性層であるCo−Cr−Pt磁性層
3bの積層プロセス開始までの時間を示す。そして、ス
パッタ間隔t1 を変化させて保磁力Hcへの影響を測定
する場合は、スパッタ間隔t2 を2秒に固定している。
また、スパッタ間隔t2 を変化させて保磁力Hcへの影
響を測定する場合は、スパッタ間隔t1 を2秒に固定し
ている。さらに、保磁力Hcへの、スパッタ間隔t1
2 の影響を明確に示すため、図5の縦軸には、保磁力
Hcをスパッタ間隔t1 またはt2 が2秒の時の値Hc
(2)により規格化した値、すなわち、Hc(t)/H
c(2)により示してある。また、本図は、層構造Bの
媒体であって、高密度、低ノイズの実現可能な(d1
(d1 +d2 ))×10の値が3となるように製造され
た媒体について測定した結果を示してある。
【0023】本図にて分かるように、Hc(t)/Hc
(2)は、スパッタ間隔t1 、t2 が増加するにつれて
減少してしまう。特に、スパッタ間隔t1 の影響につい
ては、16〜7秒を越えるとHc(t)/Hc(2)の
減少は著しく、また、スパッタ間隔t2 の影響について
は、〜10秒を越えるとHc(t)/Hc(2)の減少
が著しい。本測定結果から分かるように、Hc(t)/
Hc(2)は、スパッタ間隔t1 、t2 に依存するの
で、高い保磁力を得るためには、スパッタ間隔t1 、t
2 を規定時間内に保つ必要がある。そして、図2に示し
た高保磁力を維持するためには、Hc(t)/Hc
(2)が0.9以上であることが望ましく、この値は、
スパッタ間隔t1 が略15秒以内、スパッタ間隔t2
略10秒以内であれば達成できる。
【0024】このように、高い保磁力を備えた磁気記録
媒体を製造する上において、スパッタ間隔を設定時間内
に保持することが重要な要素であることが分かる。この
スパッタ間隔が磁気記録媒体の磁気特性に及ぼす影響
は、本例のような多層の磁性層を備えた磁気記録媒体に
限らず、一層の磁性層からなる磁気記録媒体においても
同様である。従って、高い保磁力を備えた良好な磁気記
録媒体の製造においては、スパッタ間隔を設定できる製
造装置を用いることが有効である。そして、スパッタ間
隔の設定は、成膜室内におけるホルダーの搬送速度など
の幾つかの要素を調整することにより実現できる。
【0025】上記の測定に示したように、本実施例にお
いては、Cr下地金属層上に直接形成した磁性層によっ
てのみ良好な面内磁化膜を製造できるという従来の磁気
記録媒体の構成と異なり、複数の磁性層を積層すること
により、磁気特性の良好な磁化膜を備えた磁気記録媒体
を実現している。そして、この複数の磁性層として下層
に低ノイズの特徴を具備する磁性層(Co−Cr−Ta
磁性層)を用い、上層に高保磁力の特徴を具備する磁性
層(Co−Cr−Pt磁性層)を用いることにより、高
保磁力の特徴を具備する磁性層以上の高保磁力と、低ノ
イズの特徴を具備する磁性層以下の低ノイズという優れ
た磁気特性を同時に備えた磁気記録媒体が実現できる。
このような優れた磁気特性は、本例のようなAl基板に
限らずガラス基板などにおいても実現でき、また、下地
金属層としてCrに限らずTiなどを用いた媒体におい
ても実現できる。さらに、磁性層上に形成される保護層
の有無、保護層として酸化ケイ素などの異なる材料を用
いたものであっても同様の磁気特性を得ることができ
る。
【0026】また、この実施例により、高保磁力などの
優れた磁気特性を備えた磁気記録媒体を製造する上にお
いて、スパッタ間隔を制御することが重要であることを
明らかにしており、磁性層の形成初期段階における下地
状態が磁気特性に与える影響が大きいのではないかと考
えられる。従って、優れた磁気特性を備えた磁気記録媒
体を製造するには、スパッタ間隔を設定、あるいは制御
可能な装置を用いることが有用であることが判明した。
【0027】
【発明の効果】以上において説明したように、本発明に
おいては、磁気記録媒体の磁性層として下地金属層上
に、Co−Cr−Ta磁性層、Co−Cr−Pt磁性層
を順次積層した多層薄膜磁性層を用いており、従来の単
層の磁性層からなる磁気記録媒体と比較し、高保磁力で
同時に低ノイズの磁気記録媒体を実現することができ
る。
【0028】また、このような優れた磁気特性は、磁性
層を成膜するスパッタ間隔を設定制御することにより発
揮することができる。
【0029】従って、本発明に係る磁気記録媒体を用い
ることにより、磁気ディスク記憶装置などの記録装置に
おいて低ノイズ状態で記録密度の向上を図ることが可能
となり、情報記憶量の大きな大容量記憶装置を実現する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の測定に用いた磁気記録媒体の構成を
示す断面図である。
【図2】磁性層の厚さの比に対し保磁力Hcの測定結果
を示すグラフ図である。
【図3】磁性層の厚さの比に対し残留磁束密度Brと磁
性層膜厚dとの積から算出されるBr・dを示すグラフ
図である。
【図4】磁性層の厚さの比に対し記録再生特性における
ノイズNwを示すグラフ図である。
【図5】スパッタ間隔が保磁力に与える影響を示すグラ
フ図である。
【図6】従来の磁気記録媒体の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ・・・ 非磁性の基体 2 ・・・ 非磁性下地金属層 3 ・・・ 磁性層 4 ・・・ 保護層 5 ・・・ 潤滑層 11・・・ 非磁性基板 12・・・ 非磁性金属層 Hc・・・ 保磁力 Br・d・・・ 残留磁束密度Brと磁性層膜厚dとの
積 Nw・・・ ノイズ d1 、d2 ・・・磁性層の厚み t1 、t2 ・・・スパッタ時間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性の基体上に、非磁性の下地金属層
    と、強磁性合金の薄膜磁性層とが順次積層された磁気記
    録媒体において、前記薄膜磁性層が前記下地金属層の上
    に積層されたCo−Cr−Ta磁性層からなる第1の磁
    性層と、この第1の磁性層の上に積層されたCo−Cr
    −Pt磁性層からなる第2の磁性層とを少なくとも備え
    た多層薄膜磁性層であることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1の磁性層の
    厚みをd1 、前記第2の磁性層の厚みをd2 とした場合
    に、d1 /d2 が1/9〜7/3であることを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性の基体上に形成された非磁性の下
    地金属層に、第1の磁性層と第2の磁性層とを少なくと
    も備えた多層薄膜磁性層を積層して磁気記録媒体を製造
    する製造方法であって、前記第1の磁性層をスパッタ法
    により形成するスパッタ段階を、前記下地金属層の形成
    後、第1の設定時間以内に開始する第1磁性層形成工程
    と、前記第2の磁性層をスパッタ法により形成するスパ
    ッタ段階を、前記第1の磁性層形成後、第2の設定時間
    以内に開始する第2磁性層形成工程とを有することを特
    徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記第1の磁性層は
    Co−Cr−Ta磁性層であり、前記第1の設定時間は
    略15秒であり、前記第2の磁性層はCo−Cr−Pt
    磁性層であり、前記第2の設定時間は略10秒であるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 非磁性の基体上に、非磁性の下地金属層
    および少なくとも一層の薄膜磁性層をスパッタ法により
    順次積層形成可能なスパッタ手段を少なくとも有する磁
    気記録媒体の製造装置であって、前記薄膜磁性層に先立
    ち形成された前記下地金属層または薄膜磁性層の形成後
    から、その下地金属層または薄膜磁性層に積層される薄
    膜磁性層の形成開始までの時間が設定可能なスパッタ間
    隔設定手段を有することを特徴とする磁気記録媒体の製
    造装置。
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