JPH05135342A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
- Publication number
- JPH05135342A JPH05135342A JP29862491A JP29862491A JPH05135342A JP H05135342 A JPH05135342 A JP H05135342A JP 29862491 A JP29862491 A JP 29862491A JP 29862491 A JP29862491 A JP 29862491A JP H05135342 A JPH05135342 A JP H05135342A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- magnetic recording
- recording medium
- magnetic
- coercive force
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 保磁力が1200Oe以上の高保磁力を有する面内
磁気記録媒体を安定して得る製法を提供することを目的
とする。 【構成】 非磁性基板上に、ＣｒまたはＣｒ系合金薄膜
からなる下地層、ＣｏＣｒ系合金膜からなる磁気記録
層、Ｃ膜などからなる保護層などを順次形成してなる磁
気記録媒体において、下地層であるＣｒまたはＣｒ系合
金薄膜の結晶粒径を２００Å以上に制御することによ
り、ｈｃｐ構造ＣｏＣｒ系磁性合金膜のＣ軸方向を面内
方向に揃え、保磁力を向上する。
磁気記録媒体を安定して得る製法を提供することを目的
とする。 【構成】 非磁性基板上に、ＣｒまたはＣｒ系合金薄膜
からなる下地層、ＣｏＣｒ系合金膜からなる磁気記録
層、Ｃ膜などからなる保護層などを順次形成してなる磁
気記録媒体において、下地層であるＣｒまたはＣｒ系合
金薄膜の結晶粒径を２００Å以上に制御することによ
り、ｈｃｐ構造ＣｏＣｒ系磁性合金膜のＣ軸方向を面内
方向に揃え、保磁力を向上する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば磁気ヘッドとの
間において情報の記録及び再生を行う磁気記録媒体に関
するものであり、特にノイズが少なく耐食性及び生産性
を向上させ得る磁気記録媒体に関するものである。
間において情報の記録及び再生を行う磁気記録媒体に関
するものであり、特にノイズが少なく耐食性及び生産性
を向上させ得る磁気記録媒体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】磁気記録装置等に用いられる磁気記録媒
体としては、従来より製造が容易であり、かつ残留磁束
密度及び保磁力等の磁気特性に優れた、ＣｏＣｒ系合金
膜からなる磁気記録媒体が使用されている（日本応用磁
気学会誌 VoL.13 No.3 P.493(1989)）。近年、磁気記
録装置はますます大容量化する傾向にあり、磁気記録媒
体についても記録密度の増加が要望されている。記録密
度を増加させるためには高い保磁力を有するＣｏＣｒ系
磁性膜を形成することが要求されるが、そのためには、
１５００〜３０００Åの膜厚の下地Ｃｒ層の上に形成す
ることが望ましいとされている。しかし、このような厚
い下地膜を形成するには、時間が長くかかるため生産性
を低下させるという問題点がある。その対策として、ス
パッタ時における基板加熱条件の検討、基板へのバイア
ス電圧の印加（特開平2-154322、特開平2-161617）など
が試みられている。また、ＣｏＣｒＴａ系磁性膜を用い
ることにより、下地Ｃｒ層の膜厚が３００〜１０００Å
においても良好な磁気記録特性を示しているという報告
もなされている（特開平３−４９０２０）。
体としては、従来より製造が容易であり、かつ残留磁束
密度及び保磁力等の磁気特性に優れた、ＣｏＣｒ系合金
膜からなる磁気記録媒体が使用されている（日本応用磁
気学会誌 VoL.13 No.3 P.493(1989)）。近年、磁気記
録装置はますます大容量化する傾向にあり、磁気記録媒
体についても記録密度の増加が要望されている。記録密
度を増加させるためには高い保磁力を有するＣｏＣｒ系
磁性膜を形成することが要求されるが、そのためには、
１５００〜３０００Åの膜厚の下地Ｃｒ層の上に形成す
ることが望ましいとされている。しかし、このような厚
い下地膜を形成するには、時間が長くかかるため生産性
を低下させるという問題点がある。その対策として、ス
パッタ時における基板加熱条件の検討、基板へのバイア
ス電圧の印加（特開平2-154322、特開平2-161617）など
が試みられている。また、ＣｏＣｒＴａ系磁性膜を用い
ることにより、下地Ｃｒ層の膜厚が３００〜１０００Å
においても良好な磁気記録特性を示しているという報告
もなされている（特開平３−４９０２０）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
より、面内磁気記録媒体の記録密度向上のために用いら
れている下地ＣｒまたはＣｒ系合金膜における、膜厚あ
るいは成膜条件などを調整して、その上に形成される磁
性層の保磁力を大きくする提案がなされている。しかし
ながら、工業的に安定して１２００Ｏｅ以上の保磁力を
有するＣｏＣｒ系磁性膜が得られるような下地層の形成
技術は確立されていない。そこで、本発明は、保磁力が
１２００Ｏｅ以上の高保磁力を有するＣｏＣｒ系磁性膜
を有する磁気記録媒体を得るための方法を提供すること
を目的とするものである。
より、面内磁気記録媒体の記録密度向上のために用いら
れている下地ＣｒまたはＣｒ系合金膜における、膜厚あ
るいは成膜条件などを調整して、その上に形成される磁
性層の保磁力を大きくする提案がなされている。しかし
ながら、工業的に安定して１２００Ｏｅ以上の保磁力を
有するＣｏＣｒ系磁性膜が得られるような下地層の形成
技術は確立されていない。そこで、本発明は、保磁力が
１２００Ｏｅ以上の高保磁力を有するＣｏＣｒ系磁性膜
を有する磁気記録媒体を得るための方法を提供すること
を目的とするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ＣｏＣｒ
系合金からなる磁性膜を有する磁気記録媒体における保
磁力と下地Ｃｒ層の粒径との関係を詳細に調査した結
果、下地のＣｒ系合金薄膜層の膜厚が例えば１５００Å
未満であっても、Ｃｒ下地膜の結晶粒径が２００Å以上
であれば高い保磁力を有する磁気記録媒体が得られるこ
とを見いだし、本発明をなしたものである。すなわち、
本発明は、非磁性基板上に、Ｃｒ系合金薄膜からなる下
地層、ＣｏＣｒ系合金膜からなる磁気記録層、Ｃ膜など
からなる保護層の三層を有する磁気記録媒体において、
下地層であるＣｒ系合金薄膜の結晶粒径を２００Å以上
とすることを特徴とするものである。
系合金からなる磁性膜を有する磁気記録媒体における保
磁力と下地Ｃｒ層の粒径との関係を詳細に調査した結
果、下地のＣｒ系合金薄膜層の膜厚が例えば１５００Å
未満であっても、Ｃｒ下地膜の結晶粒径が２００Å以上
であれば高い保磁力を有する磁気記録媒体が得られるこ
とを見いだし、本発明をなしたものである。すなわち、
本発明は、非磁性基板上に、Ｃｒ系合金薄膜からなる下
地層、ＣｏＣｒ系合金膜からなる磁気記録層、Ｃ膜など
からなる保護層の三層を有する磁気記録媒体において、
下地層であるＣｒ系合金薄膜の結晶粒径を２００Å以上
とすることを特徴とするものである。
【０００５】
【作用】本発明において、下地層における粒径が２００
Å以上になると磁性膜の磁気特性が向上するのが必ずし
も明瞭ではないが、Ｃ軸方向に一軸異方性を持つＣｏＣ
ｒ系合金磁性膜（ｈｃｐ構造）の（１１０）面が、下地
のＣｒ系合金（ｂｃｃ構造）の（１００）面上に優先的
に配向するようになるためと考えられる。すなわち、下
地層における粒径が２００Å以上になると、ｈｃｐ構造
の磁性膜におけるＣ軸が記録媒体の面内方向に揃うよう
になり、その結果、高保磁力が得られるものと思われ
る。
Å以上になると磁性膜の磁気特性が向上するのが必ずし
も明瞭ではないが、Ｃ軸方向に一軸異方性を持つＣｏＣ
ｒ系合金磁性膜（ｈｃｐ構造）の（１１０）面が、下地
のＣｒ系合金（ｂｃｃ構造）の（１００）面上に優先的
に配向するようになるためと考えられる。すなわち、下
地層における粒径が２００Å以上になると、ｈｃｐ構造
の磁性膜におけるＣ軸が記録媒体の面内方向に揃うよう
になり、その結果、高保磁力が得られるものと思われ
る。
【０００６】
【実施例】以下、本発明について実施例及び比較例等に
より詳述する。ただし、本発明の範囲が、これら実施例
により限定されるものではない。 （実施例１）３．５インチアルミニウム合金板（外径９
５ｍｍ、内径２５ｍｍ、厚み１．２７ｍｍ）の表面にＮ
ｉ−Ｐメッキ膜を５〜１５μｍ形成し、表面を鏡面加工
した。その後、テクスチャ加工を行い表面粗さＲａ＝５
０〜６０Åとしたディスク状基板を、洗浄後、例えば、
ＤＣマグネトロンスパッタ装置を使用し、スパッタ室内
を２．６６×１０-4Ｐａ以下に排気後、Ａｒガスを導入
してスパッタ室内を２．６６Ｐａに保持し、基板温度３
００℃の条件で、投入電力を変えて、膜厚および結晶粒
径の異なるＣｒ下地層を作製した。その後、このＣｒ下
地上にＣｏＣｒＴａ磁性膜をスパッタにより形成した。
得られた磁性膜の保磁力とＣｒ下地の結晶粒径との関係
を、図１に示す。下地Ｃｒの結晶粒径の増加にともない
保磁力が急激に増大するが、Ｃｒの結晶粒径が２００Å
以上になると保磁力は飽和している。１２００Ｏｅ以上
の保磁力を得るためには、この場合、Ｃｒの粒径が２０
０Å以上必要なことがわかる。
より詳述する。ただし、本発明の範囲が、これら実施例
により限定されるものではない。 （実施例１）３．５インチアルミニウム合金板（外径９
５ｍｍ、内径２５ｍｍ、厚み１．２７ｍｍ）の表面にＮ
ｉ−Ｐメッキ膜を５〜１５μｍ形成し、表面を鏡面加工
した。その後、テクスチャ加工を行い表面粗さＲａ＝５
０〜６０Åとしたディスク状基板を、洗浄後、例えば、
ＤＣマグネトロンスパッタ装置を使用し、スパッタ室内
を２．６６×１０-4Ｐａ以下に排気後、Ａｒガスを導入
してスパッタ室内を２．６６Ｐａに保持し、基板温度３
００℃の条件で、投入電力を変えて、膜厚および結晶粒
径の異なるＣｒ下地層を作製した。その後、このＣｒ下
地上にＣｏＣｒＴａ磁性膜をスパッタにより形成した。
得られた磁性膜の保磁力とＣｒ下地の結晶粒径との関係
を、図１に示す。下地Ｃｒの結晶粒径の増加にともない
保磁力が急激に増大するが、Ｃｒの結晶粒径が２００Å
以上になると保磁力は飽和している。１２００Ｏｅ以上
の保磁力を得るためには、この場合、Ｃｒの粒径が２０
０Å以上必要なことがわかる。
【０００７】（実施例２）次に、実施例１と同様の処理
をした基板上に、スパッタ条件（基板温度、バイアス電
圧印加等）を変えて、同じ膜厚ではあるが粒径の異なる
Ｃｒ下地膜を成膜した。この上に５００Åの膜厚のＣｏ
ＣｒＴａ磁性膜をスパッタした時のＣｏＣｒＴａ膜の保
磁力とＣｒ下地における結晶粒径との関係を表１に示
す。下地Ｃｒ膜の膜厚が同じであるにも拘らず、保磁力
は下地Ｃｒの結晶粒径に依存していることがわかる。こ
の場合も、保磁力１２００Ｏｅ以上得るためには、Ｃｒ
の粒径が、２００Å以上必要なことがわかる。
をした基板上に、スパッタ条件（基板温度、バイアス電
圧印加等）を変えて、同じ膜厚ではあるが粒径の異なる
Ｃｒ下地膜を成膜した。この上に５００Åの膜厚のＣｏ
ＣｒＴａ磁性膜をスパッタした時のＣｏＣｒＴａ膜の保
磁力とＣｒ下地における結晶粒径との関係を表１に示
す。下地Ｃｒ膜の膜厚が同じであるにも拘らず、保磁力
は下地Ｃｒの結晶粒径に依存していることがわかる。こ
の場合も、保磁力１２００Ｏｅ以上得るためには、Ｃｒ
の粒径が、２００Å以上必要なことがわかる。
【０００８】
【表１】
【０００９】
【発明の効果】本発明は、以上記述のような構成及び作
用であるから、Ｃｒ系合金下地膜を従来よりも薄く形成
しても、その粒径を制御することにより所定の高い保磁
力を確保することが出来る。
用であるから、Ｃｒ系合金下地膜を従来よりも薄く形成
しても、その粒径を制御することにより所定の高い保磁
力を確保することが出来る。
【図１】下地Ｃｒ膜結晶粒径とＣｏＣｒＴａ膜の保磁力
の関係を示す図。
の関係を示す図。
Claims (1)
- 【請求項１】 非磁性基板上に、Ｃｒ系合金薄膜からな
る下地層、ＣｏＣｒ系合金膜からなる磁気記録層、Ｃ膜
などからなる保護層の三層を有する磁気記録媒体におい
て、下地層であるＣｒ系合金薄膜の結晶粒径が２００Å
以上であることを特徴とする金属薄膜型磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29862491A JPH05135342A (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29862491A JPH05135342A (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05135342A true JPH05135342A (ja) | 1993-06-01 |
Family
ID=17862144
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29862491A Pending JPH05135342A (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05135342A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7622204B2 (en) | 2004-03-25 | 2009-11-24 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0363919A (ja) * | 1989-07-24 | 1991-03-19 | Magnetic Peripherals Inc | 磁気薄膜記録媒体及びその製法 |
-
1991
- 1991-11-14 JP JP29862491A patent/JPH05135342A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0363919A (ja) * | 1989-07-24 | 1991-03-19 | Magnetic Peripherals Inc | 磁気薄膜記録媒体及びその製法 |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7622204B2 (en) | 2004-03-25 | 2009-11-24 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus |
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